アクシズ落とし、それはシャアがアクシズを質量弾とした上で、更に搭載した核で地球に核の冬を起こす作戦である。
これにより地球に住む人類を強制的に宇宙へと上げようとした。
これが宇宙世紀における『正史』である。
ではもしもシャアが地球の汚染を嫌い、地球制圧による宇宙への強制移民を企んでいたらどうなっていたのか?
これは、そのifである。
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アムロ「シャア!」
シャア「アムロ、お前としたことが迂闊だったな」
アムロ「何っ!?」
シャア「わざとアクシズは破壊させたのだ。元より落とすつもりなど無かったのだからな」
アムロ「どういうつもりで!」
シャア「かかったな、アムロ!アクシズ落としはブラフだ!」
アムロ「まさか!」
シャア「エース級を三人も落とされたのは痛手だが、それはお互い様だろう」
アムロ「このアクシズ攻防戦自体が時間稼ぎだったというのか!」
シャア「そうだ。お前は私が隕石落としを本気でやると思ったのか」
アムロ「お前ならやりかねないからな」
シャア「確かに地球に住む人間は蚤だ。だがそれを排除するために地球を汚す訳がなかろう」
ナナイ「大佐、上手く行きましたね」
シャア「ああ。ネオ・ジオンは残党兵も多く、また地球連邦に不満を持つ者は多い」
ナナイ「しかしそれでも連邦軍の方が数は上です」
シャア「そのためのフィフスルナ落としだ。こういう手はザビ家のようで腑に落ちんが、今頃連邦政府はガタガタだろう」
シャアこ作戦、それは連邦政府が混乱中の電撃戦である。
一方アムロ達はネオ・ジオン軍の作戦を見抜けなかったものの、アクシズ落下阻止の功績者ではあった。
何より混乱真っ只中で彼らを弾劾する余裕もない地球連邦は、彼らにネオ・ジオン降下の責任を問う余裕すら無かったのだ。
そして舞台は地球に移る。
シャアはコロニーの住民の支持を得ており、彼はコロニーを数回転々とすることで再び行方を眩ませた。
だがアムロ達はシャアが地球に降りたとの情報を得て地球に降下していた。
ナナイ「大佐、ラーカイラムが地球へ降下したとのことです」
シャア「やはり私を追ってくるか、アムロ!」
ナナイ「こちらの主力はギラ・ドーガにヤクト・ドーガ……後は旧型が各種様々です」
シャア「ドーベンウルフやザクⅢといったまだ現役で使えそうなモビルスーツもあるようだがな」
ナナイ「確か、グリプス戦役におけるティターンズのモビルスーツも存在しているとの情報です」
シャア「なるほど。とはいえあのような旧式で戦わせるのは心が痛むな」
ナナイ「こちらの用意出来るモビルスーツは限られていますからね」
戦局は圧倒的にネオ・ジオン優勢であった。
旧式のモビルスーツが特攻覚悟で突っ込み、撃ちもらしを後続が叩く。
本拠地にフィフスルナを落とされ混乱の坩堝と化した連邦はその対応が出来ず、瞬く間に地球は制圧されていった。
だがそんな戦局を変えるべく、一人の英雄が現れる。
アムロ「シャアめ、今に見ていろ!」
シャアの永遠のライバル、アムロ・レイ。
ブライト「すまんな、みんなの命をくれ」
数々のガンダムパイロットを見守り、かつてシャアと同じ道を歩んだ艦長ブライト・ノア。
一年戦争の英雄でもある彼らは、連邦にとって最後の希望であった。
決戦の場所はダカール。
奇しくもそこはシャアがエゥーゴの代表として演説をした地であった。
シャア「さあ、勝負だ。アムロ!」
アムロ「シャア、お前は何だってこんなことをする!?」
シャア「アムロ、お前は内部から連邦を変えようとしている。だがそれがどんなに険しい道か、分かっているのか?」
アムロ「人々を導くのはお前を殺った後だといっただろう」
シャア「なるほど。お前は私が居る限りパイロットで居るつもりか」
アムロ「お前のやり方を認める訳にはいかない。だから俺はこうする以外道は無いんだ」
シャア「なるほどな。そしてここは地球だ、お互いにファンネルは使えまい」
アムロ「まあな。だが、ここでお前に負けはしないさ」
シャアとアムロの戦いはお互いに意地と意地のぶつかり合いであった。
シャア「このサザビーはパワーダウンする欠点があったが、今はそれを改良してある。お前には負けんさ!」
アムロ「νガンダムは伊達じゃない!」
シャア「なるほどな。情けないモビルスーツと戦う理由は無いと、サイコフレームを流したかいはある」
アムロ「何処までも人を見下すことしか出来ないのか!」
シャア「だがなアムロ。戦いは数だ」
アムロ「何の!」
アムロに伏兵は通用せず、シャアが差し向けたヤクト・ドーガはあっさり撃ち抜かれる。
アムロも一人ではなく、連邦にはジェガンやジムⅢがいるためシャアが用意した伏兵は一機だけだったのだ。
シャア「それでこそ我がライバルだ」
シャアはサザビーにとって切り札の腹部メガ粒子砲を放つも、それもあっさり見切られる。
シャアは念押しで建物の影から撃ったにも関わらずである。
シャア「ララァが死んだ時の悲しみ、存分に思い出せ!」
アムロ「情けない奴!」
シャアは接近戦に持ち込むも、アムロが優勢であった。
アムロの方がパイロット技術においてシャアより卓越した技術を持っていたのだ。
だが、アムロには致命的な弱点があった。
シャア「アムロ、貴様の頑張り過ぎだ。アクシズの時と、これでは何も変わらんよ」
アムロ「まさか!」
シャア「確かに私を倒せばネオ・ジオンは総崩れになる。だが、私はダカールを制圧出来れば良かったのだ」
アムロ「なら、何故他の奴にやらせなかった?俺だって人の子だ、多勢に無勢の状況に追い込んでいれば足止めはできた」
シャア「アムロ、お前との決着は私自身が付けたかったのだ」
アムロ「シャア……」
シャア「それにお前は戦術家でないが、戦局を見る能力が無い訳ではない。大勢で囲めば足止めだと見抜かれてしまう可能性もあった」
そう、アムロの弱点。それは彼自身は戦術家でないことである。
戦術を考察するという点において、彼はブライトに任せきりな部分があるといっのは過言かもしれない。
だが、シャアに比べるとどうしてもその点では劣ってしまうのである。
アムロ「だがお前は志願したとはいえ多くの人々を特攻に送っている」
シャア「分かっているさ、お前が私を認めないということは」
アムロ「だが、投降しろと?」
シャア「そうだ。私一人で人類の未来を作ることはできん」
アムロ・レイがシャア・アズナブルによって捕われた、という事実は直ぐ様連邦へと渡った。
フィフスルナ落としの混乱からようやく立ち直った連邦政府だったが、ブライト・ノア共々アムロを捕らわれてはもはやシャアに対抗できる人材が残されていなかった。
ナナイ「大佐、これでようやくあなたの理想が実現するのですね」
シャア「まだだ、まだ終わらんよ。地球から強制的に引き上げられたことに不満を持つ者も現れるだろう」
ナナイ「そうでしたね、大佐。そんな人々の不満を和らげるのも、あなたの役割ですものね」
シャア「ああ、私はアムロと違って軍人ばかりやっているわけにはいかんのだ」
こうして、地球圏はシャア・アズナブル率いるネオ・ジオンに制圧された。
彼は地球に住む人々をコロニーへと強制移住させる手はずを整え始めていた。
その傍らには永遠のライバル、アムロ・レイが居た。
だがシャアは知っていた。
もし自分が彼を失望させてしまったとしたら、アムロは必ず自分を許さないであろうことを……
シャア「かかったな、アムロ!アクシズ落としはブラフだ」完
少し短めのssでしたが、いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ、
水嶋咲(俺はどうして空回るんだろう)
水嶋咲「フェイバリットに踊らせて」
もよろしくお願いします。
>>3
シャア「そうだ。お前は私が隕石落としを本気でやると思ったのか」
アムロ「お前ならやりかねないからな」
シャア「えっ」ビキッ
アムロ「お前ならやりかねないからな」
シャア「」ビキッ ビキリッ
アムロ「お前ならやりかねないからな」
シャア「」ガシャアアアアアアアアアン
シャア「」
シャア「ねえ……なんでそういうこというの……?」
シャア「しかもなぜ……三度も繰り返した……アムロレイ……!?」
アムロ「一度目でおまえの心がひびわれる音を感じたからだ!」(ビームサーベルギュイイイインしつつ躍りかかる)
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