神「お前に>>2と>>3と>>4の力をやろう」勇者「全部いらん」 (71)

神「全ていらないと申すか!」

勇者「あぁ、全てな!」

神「何故だッ!?」

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勇者「まずさ、パンティを貰って何になるんだよ」

神「む、女の子の脱ぎたてパンティとは男性が欲しがるものだろう?」

勇者「うーむ」

勇者「まぁ言いたい事は分かるし、間違っちゃいねえよ」

勇者「でもさ、自分の力で手に入れたいじゃん」

神「は?」

勇者「何の苦労も無しにパンティを手に入れてどうするんだよ」

勇者「人がパンティを求めるのはそこに禁断があるからだ」

勇者「分かるか?圧倒的入手難易度...!一つのミスが社会的な死に繋がる悪魔の選択...!」

勇者「それらのスリルがパンティを魅力的なパンティたらしめているんだ」

勇者「ゆえにあっさり手に入っては面白くない」

勇者「それに、そのパンティを今自分が持っているという優越感」

勇者「特に当人のパンティが無いことに気付き慌てる姿が面白い」

勇者「別に慌てなくとも良い」

勇者「その羞恥を必死に隠しながら気丈に振る舞う姿を見るのも良い」

勇者「個人的にはそっちの方が好き」

勇者「さらに自分がやったのがバレない程度にパンティについてほのめかしたりする」

勇者「閉鎖的状況だと盗んだパンティ発見のリスクは高まる」

勇者「だが、それだけ『はいてない』可能性がある!」

勇者「あえてパンチラを狙いに行ったり、階段などを利用してローアングルを取りに行くといいだろう」

勇者「露骨に隠されたら『はいてない』証拠たりえる」

勇者「第一に、じゃれあったりできる距離感である事が条件ではあるがな」

勇者「『はいてない』と分かったらそれ以上確認する必要はない」

勇者「たまにちょっかいかけたりして羞恥に耐える女の子を見るだけで萌えが蓄積される」

勇者「つまり、ただパンティを手に入れるだけでは魅力は半分以下に落ちてしまう」

勇者「だからその一つ目の能力は要らないと思ったんだ」

神「えぇ...」(ドン引き)

勇者「ま、一般的な性癖の一つだな」

神「世も末だなぁ...」トオイメ

勇者「あと、運がマイナスになる能力もいらん」

神「ほう」

勇者「というか、運がマイナスってなんだよ。過負荷か何か?」

神「そんなものだ。お主、とてつもなく強いだろう?」

勇者「自負している」

神「だから縛りで再出発をと思ってな」

勇者「縛りは不要だ」

勇者「さらに俺が強くなることによって、世界の均衡は俺を中心としてインフレするだろう」

勇者「そしてインフレに対抗するために次の世代を育てる」

勇者「いずれやってくる次世代のピンチに現れて、命を挺して次世代を先に進める」

勇者「そして王国には銅像が立たないものの、故郷の村に暖かみある木の像ができる位の勇者になりたい」

勇者「なので縛りをつけると手のつけようのない位ダサくなるのでいらない」

神「うぅーん!何をするにしても動機が不純な奴だ」

勇者「言ってろ。あと女の子と体を入れ換える能力もいらん」

神「ふむ。スワッピング願望はないのか」

勇者「ある」

神「あるのか...」(困惑)

勇者「でも、女性ファンを維持したいから男性の姿でいなきゃいけないんだ」

神「女目当てか、やはり不純な奴だ」

勇者「その言い方だと語弊があるかなー...」

勇者「さっきは長々と自分の目標について語ったが」

勇者「あんなのは所詮夢みたいなもんだ」

勇者「基本的に楽して生きたいからな」

勇者「そこで、少し自分のキャッチーでフレンドリーな深みを出す」

勇者「すると女性ファンが釣れる」

勇者「アイドルをイメージすると分かりやすいかもな」

勇者「勇者は根本的に戦いの代表として民を勇気付ける偶像としての一面もあるからな」

勇者「男をファンにつけると、空気と機嫌を読んで理想を維持しなければならない」

勇者「だが、深みや愛を重点として女性を釣るならどうだろうか」

勇者「女性は新鮮で変わり続ける男を好む」

勇者「愛を以てするならより効果的に好まれる」

勇者「つまり少し楽なんだ」

勇者「そしてファンからお金をかき集めて暮らすという訳さ」

勇者「これが、女の子の体と交換したくない理由だ」

神「どうなんだ人として!」

勇者「お互い満たされるからwin-winだ。問題点など無い」

神「お前はとんでもないやつのようだな」

勇者「頭切れないと勇者できないんで」

神「じゃあお主はどんな能力が欲しいのだ?」

勇者「>>15とかだ」

お前

勇者「お前とか」

神「...?」

神「そうか、この神の力を以てして、楽して生きてやろうという訳か」

勇者「違うね。ちょっと答え方が悪かった」

勇者「神。お前が欲しいんだよ」

神「な、何を言うか貴様!」

勇者「きちんと理由もあるぞ」

神「いいだろう、述べてみろ」

勇者「そもそもカミサマっつうもんはさ、信じる力で存在できる訳だ」

勇者「そしてカミサマの行動には一定のベースがあり、それは不変的で、多くの場合の信じられる理由だ」

勇者「でもそれ以外は割りと信者の想像が及ぶ世界だろ?」

勇者「お前はこの世界に恵みを与え、統治する存在である」

勇者「なので最大限賛美され、信者にとってはその信者にとって理想に近い形でのイメージをされるだろう」

勇者「俺が一人で旅して、今もここに一人でいるのは仲間の候補が野郎しかいなかったからってのもあってな」

勇者「要はこの世界の要人だったり強い力を持ってる奴は男性率が高いんだ」

勇者「ま、最近は女性も目覚ましい功績をあげているがな。もっと後の時代に産まれたかったものだよ」

勇者「語り過ぎるとあれだし、まとめようじゃないか」

勇者「多くの信仰を注ぐ者には男性が多い!」

勇者「神の所作は少なからず信者の感覚、特に絶対神なら理想に少なからず左右される!」

勇者「つまり神!お前は男性の理想の姿と性格をしているのだ!」

神「えっ!?」

勇者「勿論俺も例外という訳ではない!」

勇者「だからこそ神!お前が欲しいのだ!」

神「えーつまりこれは異性からの告白という形で受け取ってよろしいのでしょうか」

勇者「ああ」

神「そうか。じゃあこの件に関してはお断りだ」

勇者「えっ、何で?」

神「さっきまでお主は自分が何をしてたかわかっているのか?」

勇者「丁寧な解説」

神「そうだな。その丁寧な解説とやらに問題がある」

神「どうやらお主の話を聞く限り、お主は軽薄な浮気性らしい」

神「だからお断りじゃ」

勇者「んな殺生な!」

神「駄目なもんは駄目じゃ。せめて>>21くらいはして貰わんとのう」

魔王を改心させる

勇者「魔王を改心させる...?」

神「確かにお主の力で魔王を倒し、屈服させることはできた」

神「だが、その心は未だ魔王の中で生きている」

勇者「それを打ち砕いて、悪の芽を取り除けば良いのか」

神「その通りだ、行け!勇者よ!」

~魔王城~


勇者「魔王!出てこい!」

魔王「呼ばなくてもいいだろう」

魔王「お前が吹っ飛ばしたせいで玉座しかないんだぞ。探す必要性がない」

勇者「それもそうだな」

勇者「魔王、改心してくれないか?」

魔王「唐突だな。嫌に決まっている」

勇者「どうにか改心してくれないかね」

魔王「なら僕を倒す事だね。正々堂々、君の力でね」

勇者「もう勝っただろ」

魔王「まさか。君が拠点も何もかも吹き飛ばしてこっちの民も身動き取れなくしたから降伏しただけだ」

勇者「民なら返してやったろ」

魔王「そういう問題ではない。魔族というのは古来からその力で位が決まる」

魔王「僕も王という立場だし、柔軟に対応するつもりではいるけど」

魔王「やっぱり納得のいかない所があるんだ」

魔王「だから人間の代表である君が僕を正々堂々倒す事で、僕は初めて心から君に従う事にする」

勇者「...分かった。じゃあ、本気でやるぞ。王の間者ではなく『勇者』として相手してやる」

魔王「なら僕も一人の『魔族』として戦う事としよう」

さて、魔王と戦う事になったが魔王はやっかいな奴だ
底が見えないという点がまず恐怖だ

魔王はその身に漆黒の...いや、色が定まらない。闇色とでもしておこう
闇色の鎧を纏っている。兜も着けている為、顔が隠れて表情が読めない

素直な奴ではあるようだから、堅実なマインドゲームを仕掛けてくる筈だ
どんでん返しはほぼ無いだろう

とにかく、あの鎧兜を何らかの方法で取り払わなくては攻撃の効果は薄いだろう
さて、どうしたものか


勇者「ホーリーショット!」

魔王「光の矢か。そんな貧弱な光、我が闇の前では無意味と知れ」


様子見の代わりに弱めの攻撃をしたが...
鎧兜に弾かれてしまった。やはり、あれが問題だ...
うぅむ...

>>27...闇色の鎧兜を破壊する策

正々堂々野球拳で勝負

勇者「こうなったら...野球拳だ!」

魔王「何!?野球拳だと!」

勇者「野球するなら...ァ」

勇者「こういう具合にィ...しやしゃんせェッ!!!」

魔王(まずいぞ!こちらの装備を脱がす気だ!)

魔王(ならば、こちらが勝てばよいだけ!!)

勇者「アァァァァァウトッッッッ!!!」

魔王「セーフっ!!」

勇者「よよいのよいィィィィ!!」

魔王(なんて気迫だ...!)

魔王:グー
勇者:パー


勇者「....勝った!!」

魔王「しまった...」

魔王(あの気迫に押されて、つい力んでグーが出てしまった)

魔王(ヤバいっ!兜か鎧、どちらかを脱がなければ...!)

勇者「さぁ、兜か鎧。選ぶんだ!」

魔王「じゃ、じゃあ...兜で」

勇者「良いだろう」

魔王は兜を脱いだ


魔王「戦いを続けようか」

勇者「待てや」

魔王「...?どうかしたかな」

勇者「お前女かよ」

魔王「そうだけど」

魔王「この顔だと魔族をまとめるのには向かないからね」

魔王「だから男のふりをしていた。まぁ実際兜は優秀な品だった」

魔王「言っておくが、女だからといって手加減はするなよ」

勇者「手加減できる相手じゃないことは、俺もよくわかってるよ」

魔王のあのあどけない顔立ちでは、確かに魔族は従えるのに苦労しそうだ


魔王「行くぞ!」

勇者「あぁ!」

魔王(あの構えは...またか!)

勇者「野球拳だ!」

勇者「野球するならー...」

勇者「こういう具合に...」

勇者「しやしゃんせ!」

魔王(こいつはひねくれた奴だ...ならば!)

魔王:チョキ
勇者:パー


勇者「何...!?」

魔王「君はひねくれてるからね...!」

勇者「くそっ!」

魔王「どこを脱ぐ?選びたまえ」

勇者「...>>35だ」

パンツ

勇者「パンツだ」


勇者はおもむろにパンツを脱ぎ出した


魔王「えっ!?」

魔王「待て待て待て///」

勇者「何だよ」ボロン

魔王「せ、せめてズボンを穿いたらどうかな///」

勇者「こっちの方が動きやすい」

魔王(立派なモノだ...///)

勇者「そして、これが最後の野球拳だ...」

勇者「詠唱はスキップさせてもらう」

魔王「出来るなら最初からした方がよくないか」

勇者「うるせぇ、ジャンケンだ!」

魔王「えぇ...」

魔王:パー
勇者:チョキ


魔王「くっ、またか...」

勇者「さぁ脱げ!どうせ鎧だろう」

魔王「君の予想する通り、鎧を脱いでやる」

勇者「ふむ...華奢なものだ。よくあの鎧を着れていたものだな」

魔王「あれは堅牢な守りを授けてくれた。だが、確かに重かった」

勇者「...スピード勝負か」

魔王「僕の本来のスピードを見せてあげるよ」

魔王「砕け散れ!」

勇者「鋭い蹴りだな!実に危険!」

魔王「地に還れっ!」

勇者「確かに食らったら地にめり込んで出られなくなりそうなパンチだな」

魔王「逃がすか!ウィルバスター!」

勇者「ぐ...っ...重い一撃だ...速度の暴力...」


勇者は四メートル程吹き飛んだ


勇者「だが俺だってただ逃げ回っていた訳じゃないぞ」

魔王「まさか」

勇者「あぁ、お前を中心とした電気魔法の仕掛けだ」

勇者「エレクトロショック!」

魔王「うっ!痺れるぞ...!」

勇者「やはりな。お前は鎧を脱ぐのが久し振りすぎて自分のスピードについてこれてない」

勇者「だからそんな単純な置き技に引っ掛かった」

勇者「それに比べ俺は定期的にパンツとズボンを脱いでトレーニングしている」

勇者「真面目に修行しているかどうかの差が出た訳だ」

勇者「あと、鎧を脱いだから魔法抵抗力がだいぶ無くなってるな」

魔王「だまれっ...」

勇者「速度も奪わせてもらうぞ」

勇者「タイムストップ」

魔王「素の魔翌力でどうにかしてやる!」

魔王「っ...」

勇者「止まったかい?」

魔王「いや...」

勇者「だろうね。でも、君の負けだ」

勇者「停止を避けようとした隙に、低速化を入れた」

勇者「隙といっても精神的な隙だけどね」

勇者「嘘詠唱だ。読み勝たないと使い物にならないけど」

魔王「まだ...動ける...!!」

勇者「じゃあ、この俺の剣で止めをさしてやる」

勇者が剣を...刀を振り上げる
魔王城は不本意にも吹き抜けなので刀に光が反射して様になっている
勇者は刀を降り下ろす
僕の時間はゆっくりだが、走馬灯のような感覚がそんな自分よりゆっくり世界が進行しているように感じさせる
あぁ、僕の額に、刀が。

___あれ!?この刀、まさか...


勇者「ふー...終わったな」

勇者「寝るか」

魔王「...」

魔王「何故生きている?」

魔王「記憶が混濁している。整理しなければ」

魔王「僕は勇者に負けた」

魔王「そして止めをさされた」

魔王「...!そうだ!僕は確かに見た!あの勇者が降り下ろした刀...!」

魔王「確かに『木刀』だった!」

魔王「そして当人は今隣で寝ているというわけか」

魔王「...起きなよ」


ゆさぶってみる
眠りが浅かったのか、そのまま目覚める


勇者「んー...」

魔王「ズボンとパンツ脱いだまま寝たら風邪ひくよ」

勇者「大丈夫だよ、気にするな」

魔王「そうかい。なんで僕を生かしたんだい?」

勇者「[ピーーー]理由がないから」

勇者「あと、約束も果たして貰わないとね」

勇者「俺の勝ちだ。改心してくれよ?」

oh my god!!

勇者「殺す理由がないから」

です

魔王「いいよ。勝者に従うのは気分がいい」

勇者「よし、目標達成だ」

魔王「勇者。頼みがある」

勇者「...何?」

魔王「僕の婿になって欲しいんだ」

勇者「そりゃ...また...何で?」

魔王「ここまで完全に僕を負かした人間は君だけさ」

勇者「どうしようかな」

勇者(ここで魔王と結ばれれば神と結婚できない)

勇者(でも、魔王もぶっちゃけかわいい)

勇者「>>48

(そうだ、二股しよう)

勇者(そうだ、二股しよう)

勇者「いいよ」

魔王「やった!」

勇者「喜んでもらえて何よりだ」

勇者「さて、日も暮れてきた」

勇者「...まいったな。こっから宿は結構遠いんだ」

魔王「それならウチに泊まっていくかい?」

勇者「えー...野宿はちょっと...」

魔王「流石に僕もいつもここでは寝てないよ!?」

勇者「え、そうなの?」

魔王「地下に寝室がある」

~魔王の寝室~


勇者「どういう事だ...?」

魔王「僕の趣味だよ」


魔王の寝室は見事なタイル張りの床だった
壁は革を使い、シックな部屋を演出している
だが、ミスマッチなぬいぐるみがいくつか置いてある
ファンシーなぬいぐるみだ


勇者「かわいい所あるじゃないか」

魔王「まぁね。こんなの見せられるのは君ぐらいのものさ///」

魔王「大きなベッドを作って良かったよ」


魔王はベッドの上のぬいぐるみを片付ける


勇者「そうか?ベッドが小さくても一緒に寝るつもりだったが」

魔王「え?どうやって?」

勇者「密着したり、乗っかったり」

魔王「...なるほど」

魔王(やっぱりベッドは小さい方が良かったかも)

勇者「ところで、なんでぬいぐるみを片付けたんだ?」

魔王「いつもぬいぐるみを抱き枕にしてるんだけど...その...」

勇者「俺を抱き枕にしたいと?」

魔王「ダメかな?」

勇者「いいけど...いいかお前、上目遣いで小首をかしげるのはやめろ」

魔王「なんで?」

勇者「反則級にかわいいからだ。言わせるなよ///」

勇者(そして今俺は抱き枕にされています)

勇者(健康的な汗の匂いが鼻腔を刺激する)

勇者(素晴らしい)

魔王「スースー」

~翌朝~


勇者「じゃあ、今回の出来事を王にでも報告してくるよ」

魔王「うん」

勇者「そんな不安そうにするなよ」

勇者「もし俺達を認めてもらえなくても、俺達だけでやっていけばいい」

魔王「そうだね。僕達なら大丈夫...!」

勇者「じゃあ行ってくるよ」

魔王「無事に帰ってきてね」

勇者「勿論だ」

勇者(まぁ本当は神に会いにいくんですけどね)

~天界~


勇者「神ー?」

神「勇者か」

勇者「魔王を改心させてきたぞ」

勇者「俺の嫁になる覚悟はできたか?」

神「>>58

全部みていたよ

神「全部みていたよ」

勇者「...バレテーラ」

神「私に対してそんな無礼をはたらくとは、見上げた根性だ」

神「だが決してそれは許されない」

神「お主が一般人ならまだ良いだろうが、お主は勇者」

神「強大な力を持つものがこんな事では...」

神「君を粛清しなければならなくなる」

勇者「お前は大きな勘違いをしている!」

神「...何?」

勇者「いいか、俺が二人を嫁にするのは邪な心によるところではない!」

勇者「二人とも愛す覚悟があるから二人を嫁にしようとしているんだ!」

勇者「愛の形は人それぞれ」

勇者「もう少し柔軟に考えたらどうかな?」

神「それは賭けですね?」

神「私の存在は多くの人の考え方によって決まる」

神「大衆の心に問いかけてみるという訳です」

勇者「そうだな。お前が納得するなら、世界はまた新たな方向へと進むだろう」

勇者「納得したか?」

神「納得なんて、出来る訳がないだろう」

勇者「そうか」

神「だが、神としての私ではなく、本当の私は案外満更でもなく思っているかもしれない」

勇者「最もこの世の理や大衆に忠実でないといけないお前が」

勇者「そんな考えからかけはなれた相手と恋に至る」

勇者「禁断の恋という奴だ...仮にも女なら、ときめきを覚えるだろう」

勇者「お前は神だ」

神「今更何を」

勇者「お前を知るものはお前を『信じる』か『信じない』かだ」

勇者「それはお前が神だから」

勇者「でも俺は違う」

勇者「俺はお前を一人の女として見ることができる」

勇者「お前は愛を知っているだろう」

勇者「だが、それは知っているだけ」

勇者「それをお前に与える事ができるのは俺だけだ」

勇者「それでも認めてくれないか?」

勇者「頼む」

勇者「押し付けがましいし、愛は結局俺のエゴだからこんなの卑怯だけど」

勇者「これはお前の為でもあるんだ」

勇者「お前の教義を信じ戦い、平和を勝ち取れた勇者からの」

勇者「精一杯の恩返しだ」

神「>>65

わかったしんじる…しんじたい

神「わかったしんじる...しんじたい」

勇者「信じさせてやるよ」


勇者は神の背中に手を回し、抱き締める
しおらしくなってしまった神に容赦なくキスをする


勇者「な?悦びってのはこういう物だ」

神「うん...しんじる」


神は幸せで虚ろな顔をしている
呼吸は荒く、腰が抜けてしまったようだ
へたりこんだ神に勇者は告げる


勇者「悦びが欲しくなったら呼んでくれ。いつでも行くよ」


勇者は神の鼻の頭に軽い口づけをして帰っていった

勇者「魔王。帰ってきたぞ」

魔王「おかえり」

勇者「ここは落ち着くな...」

魔王「そうかな?林檎食べるかい?」

勇者「林檎?」

魔王「いつの間にか林檎の木が生えてたんだよ」

勇者「じゃあいただくよ」

勇者「...旨いな」



平和な日常は、多分どこまでも続く事でしょう

終幕

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