上条「ドキュメンタル?」前編(242)
・禁書×ドキュメンタル
・アレイスター女体化後
・キャラ崩壊は基本
・3期公開直前記念です!
・禁書SSでは、他にこんなものを書いています↓
http://ayamevip.com/archives/50474636.html
・ヒッドイSSですが、よければどうぞ!
テスト
………………………。
黒文字のアルファベットでそう書かれた赤い封筒を手にし、上条は呟いた。12月。寒さが鋭利になりだしたこの時期に突如送られてきたそれは、彼の額に季節外れの汗を一筋、流させた。
「嫌な予感しかしねぇな」
彼は封を開ける。中にあった便箋を取りだし、そこに認められた文を音読する。
「小雪の散らつく日もある昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか? アレイスター・クロウリーです……ってええ?!」
上条は素っ頓狂な声を上げた。手紙にはこう続けられている。
ーーー貴方にと思い、お誘い申し上げます。○日の■時。下記の住所の元にお集まり頂けないでしょうしょうか?
ドキュメンタルを開催します。
貴方の他にも9人。合計10人の者にお集まりいただく予定です。そこで『誰が1番面白いのか』を決めたいと思います。
それぞれが渾身の力を振り絞り、他の9人を笑わし、最後まで残った者が優勝ということです。モノマネ、トーク、コント。どんな手を使って頂いても、面白ければ全く構いません。
そして優勝者には「どんな願い事も叶えさせる」権利を与えようかと考えております。
勿論、参加は自由です。参加の意思があるお方は、折り入って通知を届けます。
心忙しい年の暮れ、どうかお体にお気をつけてお過ごしください。
アレイスター・クロウリー。
……………………。
「……どんな願い事も叶えさせるって」
上条は呆れ気味に呟く。参加は自由だと書いていた。もちろんするわけがない。第一、自分に笑いのセンスがあるとは到底思えない。
手紙を封にしまい、ゴミ箱に捨てようとした、その時だった。
「あーーーーーーーッ!!!」
突如耳に入った叫び声に上条はとっさに顔を上げ、急いで声の方向へと向かった。
台所。冷蔵庫の扉を開き、呆然としているインデックスがそこにいる。
「どうしたインデックス?!」
「と、とうま。冷蔵庫が……」
上条はまさかと思い、彼女を押しのけ近づき、開け放しの内部に手をかざした。全く冷気を感じられない。
「おいおいコレ……冷蔵庫がやられてて……」
迂闊だった。昨日食料を買いだめをした矢先のコレだ。このままでは上条家は冬を越すどころか、1週間後生きていられるかも怪しい。だからと言って、新しい冷蔵庫を買い換える余裕がないのも、彼は重々承知している。
不幸だ。いつものように呟こうとしたその時、彼は右手に握りしめていたそれに気づいた。
「とうま? それどうしたの?」
横のインデックスの問いかけを無視し、彼は手紙の一文をもう一度読む。
「……どんな願い事も叶えさせる、か」
上条は手紙をポケットにしまい、笑う。
「上等だよ神様。アンタが俺たちに冬を越させないつもりってんなら、そのふざけた幻想をぶち殺す!」
「……とうま? 久しぶりどうしたの?」
「あ、そう言えば久々だなこの台詞」
※
ーーー12月○日。午後■時。
学園都市の某所に設けられた一室。その隣のモニター室にアレイスター・クロウリーはいた。
男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』……のはずだったのだが、今はとある事情により完全に女の子の姿になっている。
「さあて、いよいよこの日が来たか」
嬉々とした様子で彼女(?)はソファーに腰掛ける。手前の机には赤と青のボタンが置かれ、その側にもう一つ、紫色のボタンも置かれている。
すると、彼女(?)の後ろで待機していたスタッフの1人が口を開いた。
「あの、理事長?」
「ん? 何かね?」
「どうしてまたこんな……変な、というか一風変わった企画をしようと?」
「気まぐれ」
即答。
「いや、純粋に気になったんだよ。彼らの能力面における強さは充分分かっている。ただそれだけは戦いに勝つことはできない。そう、精神力。メンタルの強さも今ここで見ておきたくてね」
「はあ。だから、ドキュメンタルと。でも笑わし合いにする理由がイマイチ分からない気が」
「何故って、面白いからに決まってるだろ」
アレイスターは悪戯げに笑う。
「さあさあ、恥じも外聞もかなぐり捨てて存分に笑わし合ってくれ。キャラだの原作設定だのクソ喰らえだ!」
(何か……可愛いな理事長)
ニマニマと笑い、前方のモニターを眺めるアレイスター。まるで板チョコのように、びっしりと並んだモニターには、これから笑いの戦場と化す一室をあらゆる角度から映し出している。
するとそこに、最初の招待客が姿を現した。
ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
「……よし! さあ行くぞ!」
上条は左手に下げた鞄を一度肩で動かし、息を呑み、扉を開いた。
「……ええー。俺が1番最初かよ」
拍子抜けと不安の混じった声を上げる上条。視界に飛び込んで来たのは、洋館風なデザインの一室。中央に巨大なテーブルが置かれ、10人用の椅子も用意されている。奥にはソファーと、更衣室へ繋がる通路がある。右手を見ると、キッチンと冷蔵庫まで完備されていた。とんだ充実具合だ。
上条はテーブルに向かい、正面から見て右手にある椅子の、扉に1番近い位置に腰を下ろす。
「なんかもう、あそこの冷蔵庫盗んで帰ろうかな」
始まる前から既にやる気のない発言をする上条。これから後9人もやってくることに対して、限りなく憂鬱に浸り込んでいる。
~モニター室~
アレイスター「アイツもうやる気ないな」
スタッフA「メンタルの強さでいうと、この人はかなりズバ抜けてますよね」
アレイスター「うん。サイコパスだからな」
スタッフA「wwwwwwwwwwww」
アレイスター「多分ボケるつもりなんだろうが、彼はボケは面白くないんと思うんだ。むしろ他の人のボケに重ねるように、カウンターを決めて行く形で戦うのが一番いいと思っているね」
スタッフA「なるほど」
アレイスター「あとはどれだか口が立つかだな。話術サイド最強の力、是非見せてくれ」
~ドキュメンタルルーム~
ガチャ
上条「ん? 」
美琴「お邪魔しま……て、ええ?! 何でアンタこんなところにいるのよ!」
上条「あー御坂かー。何か和むな」
美琴「和むってどういう意味よ! とりあえず、アンタにだけは絶対負けたくないわね」
上条の向かい側に腰掛ける美琴。
上条「はいはい。お前のことだからどうせアレだろ? 絶版になったゲコ太グッズが欲しくて参加したとか、そんな感じだろ? 悪いがこっちは生活かかってるんだ。容赦しないぜ」
美琴「ギクッ、な、何のことやら……」
上条「そのリアクションでお察しします。ホントお前って分かりやすいよな」
美琴「な、何分かったような口聞いてんよ!」
上条「分かってるに決まってんだろ。どれだけの付き合いだと思ってんだ」
美琴「え///」
上条「あれ? どうした? 顔赤いぞ?」
美琴「な、何でもにゃい! やっぱアンタって何も分かってないわね」プイッ
上条「はいはい」
~モニター室~
アレイスター「もうレッドカード出そうかな」チッ
スタッフA「超電磁砲(レールガン)ですか……」
アレイスター「彼女はおそらくイジられて光るタイプだろう。因みに今大会の紅一点だ」
スタッフA「え、彼女以外全員男なんですか?」
アレイスター「女ならではの強みを生かしていかに戦うかだな。そういう意味では、可能性に満ちたプレイヤーとも言える。それに、愛しの当麻がいるんだ。頑張ってもらわなければ」
~ドキュメンタルルーム~
ガチャ
上条「?」
美琴「また誰か来たわね」
土御門「アレ? お邪魔だったかにゃー?」
上条「お前かよ……」
土御門「ようカミやん。悪いがイチャイチャタイムは終わりぜよ。こっから先は、どんどん戦場に変わっていくぜ」
上条「イチャイチャ?」
美琴「あ、アンタ一体何言ってんのよ!」カアァッ
~モニター室~
アレイスター「こいつは司会進行だな。場の空気を取り締まるのは得意なはずだ」
スタッフA「しかも本人、いざとなれば笑わなそうですもんね」
アレイスター「嫌らしい、エゲツない戦法で攻めて来そうだな。こういう大会では敵にしたくないタイプだ」
~ドキュメンタルルーム~
土御門、上条の隣に座る。
土御門「ていうか、カミやんどんな願い事叶えて貰うつもりなんだにゃー?」
上条「家の冷蔵庫がぶっ壊れててよ。それを買い換えるのと、新しい食材だな」
美琴「……それって、わざわざこんな大会出ないと叶えられない夢なの?」
上条「お嬢様には分かりませんよ。庶民の困窮具合なんて。まあ今のとこのメンバー見てみると、何か勝てそうだな」
ガチャ
美琴「あ、また誰か来た」
一方通行「………………」
上条「帰るわ」ガタッ
美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! こんな連中の中に残そうとしないで!」グイッ
上条「離してくれ御坂! 無理だって! こんな奴がボケるのとか見てらんないって!」
土御門「wwwwwwwwお前っ、マジでやる気なのかwwwwwwww」
一方通行「ウッセェよボケ」
~モニター室~
アレイスター「意外と出来る子なんだよ。ボケも」
スタッフA「でもこれ、大丈夫なんですか? その……キャラ的に」
アレイスター「逆にそこが強みとも言えるな。普段の彼のイメージをいかにぶっ壊すか。それだけでも十分、彼はこの戦場でも最強でいられるだろう」
~ドキュメンタルルーム~
一方通行。土御門の隣に座る。
上条「つーかお前本当に何やってんだよ! 参加自由なんだから断れよ!」
一方通行「ウッセェなァ。俺だって出たくて出たンじゃねェよ。手紙がクソガキに見つかっちまってよォ。出ろ出ろって言うから仕方なく」
美琴「だとしてもアンタどうやって戦うつもりなのよ。分かってんの?これ笑わし合いなのよ」
一方通行「心配しなくても、本気でボケたりなンかしねェよ。こンな大会、全員願い事叶えてもらうのが目的だろうが。誰かを潰そうと思って来るような奴なンか」
バタンッ
垣根「よう第1位。潰しに来たぜ!」
一方通行「…………居たよ」
~モニター室~
アレイスター「こいつはなんでもいけるな。ボケもツッコミも、イジリもイジられてもこなせるオールラウンダーだ。常識の通用しない戦い方を見せてくれ」
スタッフA「あの、ちょっといいですか?」
アレイスター「ん?」
スタッフA「彼、どうやって元の体取り戻したんですか?」
アレイスター「……………………」
~ドキュメンタルルーム~
一方通行「何なンですか? お前。わざわざこンな大会に参加するために復活したってのかァ?」
垣根「細かいことはいいんだよ。俺の目的はただ一つ。この大会で優勝して、学園都市第1位の座をもらうことだ! 残念だったな! お前は明日から何の称号もねぇ全て引っ剥がされたただのロリコンモヤシとして生きてくんだよ!」
一方通行「やってみろよ。そのロリコンモヤシにゴミみてぇに潰された分際でよォ」
垣根「おーおーほざくねぇ。いいのか? 守るものがなくなった奴の底力を甘く見てんじゃねぇぞ?」
土御門「おい、お前これ全部仕掛けなのか?」
垣根の背中。大量の荷物が詰まったリュックサック。
垣根「当たり前だろ。お前らとはこの大会にかける思いが違うんだよ。全員メタクソに蹂躙してやらぁ」
垣根、一方通行の前に座る。
美琴(台詞はカッコいいんだけど、要するにボケまくるつもりってことよね。あの人)
上条(自分がめちゃくちゃ滑稽だってこと気づいてないんだろうな)
ガチャ
上条「あ、また来た」
海原「どうも皆さん。特に御坂さん」
美琴「げっ」
~モニター室~
アレイスター「こいつは変装能力があるからな。中々厄介だぞ」
スタッフA「何気にグループの面々揃ってますよね。結標淡希は呼ばなかったんですか?」
アレイスター「ふふふ。まあ、見ていろ」
~ドキュメンタルルーム~
海原「あれ? 御坂さんの隣、まだ空いてたんですか。じゃあ私が」ヒョイ
美琴「ちょ、別にここじゃなくてもいいでしょ」
土御門「おいおいいいのかカミやん? 御坂の隣が取られるぜ?」
上条「え? 何で上条さんに聞くんでせう?」
一方通行「ガッついてンじゃねェぞ海原。気色悪ィ」
海原「おや、貴方も居たんですか。ですが今日は負けられません。覚悟していただきますよ」
一方通行「ンだァ? 一体どんな願い事叶えるつもりだ」
垣根「あれか? 超電磁砲と1発ヤリたいとかそんな」
海原「いえ、入院中のショチトルの体を、出来るだけ元に戻していただきたいと思って……」
垣根「あ、ああ。そう……」
一方通行「お前今限りなく最低な男だぞ」
垣根「ウッセェ! まさかこんなマジなやつだとは思わねぇだろうが!」
美琴「ふーん。アンタ、意外と良いとこあるんじゃない」
土御門「おいカミやん。御坂が揺らいでるぞ。いいのか?」
上条「だから何でさっきから俺に聞くんだよ!」
土御門(こいつマジで気づいてないんだな)
ガチャ
土御門「お、また誰か来たにゃー」
浜面「……うっわ。何だこの濃いメンツ」
上条「何だ浜面か」
一方通行「お呼びじゃねェよ。失せろ」
浜面「来るなり何?! 何でそんなぞんざいに扱われてんの俺?!」
~モニター室~
アレイスター「来たか世紀末帝王」
スタッフA「けっこう荷物持って来てますね」
アレイスター「こいつは小手先の技というより、体を張ったゲリラ戦法の方が向いていると思うんだがな。まあ、あの荷物の中から予想外の笑いも生まれるかもしれん」
スタッフA「出○哲朗とか、ダ○ョウ倶楽部的な奴ですか?」
アレイスター「うん。そういうこと」
~ドキュメンタルルーム~
浜面「あれ? 何で垣根復活してんの? カブトムシはどうした?」
浜面、垣根の隣に座る。
垣根「そこは触れるんじゃねぇ。シリアスSSでもねぇのに一々理由考えてられるか」
浜面「SS?」
一方通行「それよりお前、願い事なんてあるのか? この中の誰よりもリアルが充実してくるクセに」
浜面「アレだよ。願掛けというかなんというか」
土御門「願掛け?」
浜面「ほら。いよいよ三期が始まるだろ? 三期からは俺も主役の仲間入りだからさあ。放送に合わせ、俺のグッズ展開に力を入れて欲しいっていう……」ヘラヘラ
一方通行「どこのアニメ制作会社社員だお前は。ヘラヘラしやがって」
垣根「全くだ。そもそもな、三期楽しみにしてる奴らなんて、ほとんど俺と第1位の戦い見たい奴らだけなんだよ。お前はハンバーグの横の、備え付けのブロッコリー的存在なことを忘れるな」
浜面「いや主役俺! メインディッシュ俺!」
ガチャ
浜面「ん? 誰か来たか?」
青ピ「……え、カミやんとツッチー? 奇遇やなあこんなとこで」
上条&土御門「帰れ!!!」
~モニター室~
アレイスター「汚れだな。純然たる変態だよ」
スタッフA「いやあなたがそれ言います?」
アレイスター「やかましいわ! まあ、こういうの1人入れてたら、場の空気を下ネタに持って行きやすいしな。どんどん場を汚してもらいたいものだ」
~ドキュメンタルルーム~
青ピ「うわー、なんか学校みたいになってきたなぁ」
上条「どこの世界に超能力者3人とアステカ魔術師と腐れハーレムの揃った学校があるんだよ! 漂流教室より魔界だろうが!」
浜面「腐れハーレムってなんだ! お前に1番言われたくない台詞だよ!」
土御門「おい青髪。お前くれぐれも自重しろよ?」
一方通行「アァ? こいつそンなにヤベェ奴なのか?」
土御門「ヤバいのベクトルがかなり違うけどな」
青ピ「心配せんでもそこまではっちゃけたりせんよ。女の子やっておるわけやしなぁ」ニヤニヤ
美琴「うわぁ、全然信用できない」
上条「御坂、本当に気をつけろよ。こいつの変態ぶりは尋常じゃないから」
青ピ。一方通行の横に座る。
垣根「これで8人、あと2人か。一体どんな奴が」
バタンッ!
軍覇「ようお前ら! あれ? 上条もいんのか!」
美琴「うっわ」
垣根「げっ、マジか……」
~モニター室~
アレイスター「……読めない」
スタッフA「え」
アレイスター「彼に関しては全く読めないね。どこまで計算でどこまでが天然なのか予想できない。それでいて爆発力は高そうだから、ひょっとしたら今大会のダークホースになるかもしれないな」
スタッフA「理事長が予測できないって、相当のブラックボックスですよね」
~ドキュメンタルルーム~
軍覇、浜面の隣に座る。
上条「ちょっと待って! 本当にキツいんだけど! こんな暴れ馬大会に参加させるなよ!」
軍覇「何言ってんだ上条! 俺は馬なんかじゃねぇぞ!」
浜面「あ、こいつこの大会じゃヤバい気がするな」
美琴「場の空気一気に持っていっちゃうからね。残すはあと1人か……」
~モニター室~
アレイスター「最後の1人はきっとみんな驚くぞ~」
スタッフA「あ、入ってきた」
~ドキュメンタルルーム~
ガチャ
上条「いよいよ最後か。まあこれ以上驚くような奴が来ることは」
フィアンマ「……………………」
上条「」
土御門「え? ていうか、え?」
フィアンマ「どうやら、俺様が最後の1人か」
フィアンマ、青ピの横に座る。
美琴「あれ? アンタひょっとしてこの前の……」
~モニター室~
スタッフA「う、右方のフィアンマ……え、何でこの人を」
アレイスター「いやだって、純粋に面白いだろ。アイツ病み上がりだぞ」
スタッフA「え、なんか入院してたとは聞いてましたけど、退院して間もないんですか?」
アレイスター「昨日退院した」
スタッフA「wwwwwwwwwwww」
アレイスター「とにかく存在のインパクトが半端ないからな。見た目といい経歴といい、イジり出したらとまらないぞ
~ドキュメンタルルーム~
上条「あの、本当もう、心の底から言わしてもらうけど、何してんのお前?!」
フィアンマ「いや、昨日退院したんだが、入院中にこの手紙が送られてきてな。せっかくだからと思って」
垣根「おいヤベーぞ。なんかもう既に面白い匂いがプンプンするんだけど」
一方通行「つーか明らかに片腕ねェよな? 願いってもしかして」
フィアンマ「ああ。この失った片腕を元に戻そうかと」
ガチャ
アレイスター「やあやあ諸君」
垣根「出たよ……って、ん?」
上条「おいアレイスター。一体どういう気なんだ。こんな企画作りやがって」
一方通行「クソの足しにもならねェような暇つぶしのつもりなら、全身の肉と皮を裏返すぞ」
垣根「いや、みなさん? 何当たり前のように進めてんの? 誰この美少女」
浜面「何言ってんだ。アレイスターだよ。学園都市統括理事長の」
垣根「ちょっと待て! 俺の知らない間に何とんでもねぇメタモルフォーゼ決めてんだ!」
一方通行「人のこと言えねェだろ七変化野郎」
アレイスター「まあ色々あってな、心機一転という奴だ」
垣根「本当に一転してんじゃねぇか! そっちの方をドキュメンタルしてぇよ!」
フィアンマ「色々衝撃的過ぎるんだが」
アレイスター「まあそんなことはどっちでもいい。諸君、今からルールを説明しよう」
アレイスター、中央の席に座る。
上条「要するに、笑ったら負けってことなんだろ? ルールなんてそれ以外あるのか?」
アレイスター「大まかなルールはそれだけだ。だが、判定を設けようと思ってな」
アレイスター、胸ポケットから黄色、オレンジ、赤のカードを3枚取り出す。
美琴「何そのカード」
アレイスター「普通に笑った時は、イエローカード。微妙な判定の時はオレンジカード、という具合の判定を設けた。イエローが2枚でレッドカード、退場になる」
海原「つまり、最短で2回笑ったらアウト、最長で3回までセーフということですか?」
アレイスター「そうだ。ただし、フェアプレーにかける行為。例えばくすぐりや精神操作で笑わせたりした場合は、やった方にレッドカード。1発退場だ」
浜面「純粋な面白さ勝負ってわけか……」
アレイスター「それとあと2つ。ゾンビタイムというものを設けている。この紫色のボタンを押せば、既に退場になったプレイヤーが再びこの部屋に戻り、皆を笑わせることができる。因みにゾンビは笑ってもOKだ」
土御門「なるほど。退場したからって安心はできないってことか」
アレイスター「それと、これは事前に伝えているが、助っ人を外部から呼び出すことも可能だ。ただし部屋に居られるのは5分まで。助っ人はこの扉から登場してもらう」
アレイスター。右側の壁を指差す。壁には扉の形をした隙間が施されている。
アレイスター「そして、優勝者にはどんな願い事も叶えさせる権利をあげよう! 皆んな、それぞれの思いがあるはずだ。大いに励んでくれ! では私はこれで」
一方通行「ちょっと待て。一個だけ聞かせろ。何で笑わせ合いなンだ?」
アレイスター「面白いからに決まってるだろ! あ、部屋の照明が変わったらスタートだ。では」
バタンッ
一方通行「待てコラァッ! やっぱ皮裏返させろォッ!」ガタッ
美琴「もう仕方ないでしょ。ここまできたら腹くくるしかないわよ」
青ピ「いやあ~。楽しみやなあ。カミやん。いい勝負にしようで」
上条「呑気だなお前は。因みに何叶えてもらうつもりなんだ?」
青ピ「決まってるやろ。学園都市中の可愛い女の子達とセッ」
美琴「コイツの優勝だけは阻止しましょう。絶対に」
上条「任せろ。こんなふざけた幻想跡形もなくぶち殺してやるよ」
~モニター室~
アレイスター「それでは行くぞ! ドキュメンタル、スタート!」
ビィィィィィィィィィィィッ
ーDocumental Season:Index Startー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
[5:59:58]
上条「あ、照明が」
土御門「タイマーも進み出したにゃー。もう笑ってはいけないぞ」
テスト
テスト
浜面「なあなあ、アンタ大将の知り合いなの?」
フィアンマ「ああ。まあそんな感じだ」
上条「そうだよな。フィアンマは初めましての人多いよな」
垣根「えっと、お前、入院してたんだよな?」
フィアンマ「そうだ」
垣根「何で入院してたんだ?」
フィアンマ「それはその……吹っ飛ばされて」
垣根「誰に?」
フィアンマ「……ミイラの、おじいちゃん」
垣根「……ミイラのおじいちゃん?」
一方通行「オイ。いくら笑わせようったってそンなバレバレの嘘」
上条「いやホント」
一方通行「え?」
上条「いやホントなんだって。コイツ本当にミイラのおじいちゃんにやられたんだよ。なあ御坂」
美琴「うん」
浜面「え? 何で御坂と大将は知ってんの?」
上条「俺と御坂が追いかけられてたんだよ」
土御門「誰に?」
上条「ミイラのおじいちゃん」
海原、青ピ。顔をしかめる。
一方通行「どういう状況だよそれ」
垣根「そのミイラのおじいちゃんって何? どういう存在なの?」
上条「神」
垣根「…………………」
垣根、口元を結わえる。
美琴「あの、私もよく分かってなかったんだけどあの人って神なの?」
上条「うん。魔術の神」
垣根「いや、何の神でもいいけど、何でコイツはそっから入院することになったんだよ」
上条「だから、俺と御坂がそいつに追われてて、フィアンマが駆けつけてきてくれたんだよ。自分のいる所まで誘導しろって」
浜面「ふんふん」
上条「で、誘き寄せて、後は俺様に任せろって立ち向かっていって、吹っ飛ばされて、空中をとんでもねぇスピードで回転しながら地面に叩きつけられたんだ。それで、御坂が救急車呼んで病院に……」
一同沈黙。一方通行、眉間にシワ寄せ、垣根、後ろを振り向く。
浜面「あの、ちょっといいか?」
フィアンマ「何だ?」
浜面「お前何しに行ったの?」
フィアンマ「……いや、その、俺様は」
浜面「俺様?」
フィアンマ「………………」
美琴「そこはもう、深くツッコまないで」プルプル
美琴、肩を震わす。
フィアンマ「俺様はただ、かつて俺様を救ってくれたコイツを救おうと」
垣根「救えてねぇよ。むしろお前が救急車呼ばれてんじゃねぇか」
フィアンマ「相手が悪いだろ!」
垣根「…………………」
フィアンマ「神だぞ!」
上条「そ、そんな怒るなって……」
一方通行「で、そいつは結局どうなったンだ?」
上条「あ、もう死んだぞ」
一方通行「…………………ッ」
~モニター室~
アレイスター「wwwwwwwwwwww」
スタッフA「本当の話ですもんねwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
青ピ「てことは、その時に腕も持ってかれたってことなん?」
フィアンマ「いや、これは、別件で」
浜面「別件?」
フィアンマ「また、全然関係ない所でだ」
美琴「……アンタ何してたの?」
フィアンマ「それは詳しくは言えん」
浜面「普通に生きててそんな風に腕持っていかれることないだろ」
上条「俺3、4回くらい腕切られてるぞ」
浜面「……いやアンタはいいよ」
美琴「グイグイいくわねー」
一方通行「誰にやられたンだよその腕」
フィアンマ「……アレイスターに」
浜面「え? アレイスターに?」
軍覇「お前自分の腕切り落とした奴の企画に参加したのか?」
フィアンマ「……………………」
軍覇「何考えてんだお前?」
美琴「ふふっ」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「うわっ! 部屋真っ赤になったぞ」
浜面「誰? 誰が笑ったの?」
ガチャ
アレイスター「あ、お前ら今は笑ってもいいぞ」
海原「誰ですか一体?」
アレイスター「……………御坂!」
美琴「ハァ……やっぱ私か」
アレイスター「どうして笑ったんだ?」
美琴「いや、だってもう可哀想になってきて」
アレイスター「wwwwwwwwwwwwwwwww」
上条「おいアレイスター! コイツズルイだろ! ツッコミがいがありすぎるよ!」
アレイスター「是非どんどんツッコむことだ。御坂、イエローカード!」
美琴「ハァ……これしんどい」
一方通行「まあ最後まで笑わなければいいだけだ。メンドクセェからさっさと終わらせるぞ」
アレイスター「あ、そうそう1つ言い忘れていたんだが」
上条「?」
アレイスター「もし6時間たっても優勝者が1人にならなかった場合、ポイント制で優勝者を決めようと思っている」
海原「ということはつまり……」
アレイスター「より多くを笑わせたものの勝利というわけだ。笑わないでいるだけでは優勝はできないぞ一方通行」
一方通行「グッ……」
垣根「残念だったな。まあ女子の制服にでも着替えてたらいつか誰か笑うだろ」
一方通行「羽もぐぞゴミクズ」
アレイスター「それではまた。みんな気を引きしめろよ」
バタンッ
上条「はぁ。あと5時間以上もあんのかよ」
美琴「ヤバイヤバイ! 気を引きしめないと」パンパン
~モニター室~
アレイスター「それでは、再開します!」
ーRe STARTー
[5:54:28]
海原「また始まりましたね」
垣根「お、キッチンあるじゃねぇか。料理でも作るか」
土御門「お前料理とかできるのか?」
垣根「簡単なやつならできるぜ。お、ベーコンとほうれん草ある。ソテーにするか」
垣根。ほうれん草を水につけ、ベーコンを切り出す。
上条「やっぱり、料理できる人ってモテるんだろうなー」
垣根「いや童貞だけど」
上条「え」
垣根「童貞」スッ
垣根、滑らかにベーコンを切る。
上条「…………………」
海原「……ベーコン切りながら言わないでください」
垣根「え、この中で童貞って何人いるの? 手あげてよ」
上条、一方通行、垣根、海原、青ピ。手をあげる。
~モニター室~
アレイスター「wwwwwwwwwあいつらほぼ童貞かよwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
垣根「何だよ。学園都市最強童貞かよ」
一方通行「その見た目で童貞の奴に言われたくねェ。ていうか超電磁砲手あげてなかったけど」
上条「え、おいまさかお前」
美琴「ち、違うわよ!だって女の子だし童貞じゃないでしょ!」
上条「あ、そういうことか」
土御門「初めては大切な人にあげないとな」
美琴「うるさい!」
上条(妙に突っかかるな土御門の奴)
垣根「おい浜面。お前後で殺すわ」
浜面「待てよ! 何でだよ! 別にいいだろ童貞じゃなくても!」
垣根「ウルセェ口開くなカス」
土御門「まあまあ。落ち着くんだぜい第2位」
フィアンマ「全くだ。こんなもので優劣を争うこと自体愚かなことだ」
一方通行「お前童貞じゃねェんだな」
フィアンマ「当たり前だろ。同僚で捨てた」
上条「え? 誰と捨てたの?」
フィアンマ「ヴェント」
上条「……………………」
美琴「何? アンタ知ってる人なの?」
青ピ「なあなあ、写真とかないん?」
フィアンマ「あるぞ」
フィアンマ。写真を出す。神の右席全員集合写真。
フィアンマ「こいつだ」
青ピ「この子? パンチ強いな~」
上条「…………………………」
上条。口元を結わえて周囲をウロウロする。
土御門「おいカミやん。写真ちゃんと見ろって」
青ピ「そうそう。こいつが童貞捨てた女ちゃんと見たって」
青ピ。上条の前に写真を持っていく。
上条「………………………」
~モニター室~
アレイスター「上条! 上条ヤバイぞwwwwwwwww耐えろよ!」
~ドキュメンタルルーム~
上条「もういい。もういいから」プルプル
青ピ「この子やで? めっちゃパンクやなあこの子」
フィアンマ「素顔は可愛いぞ」
上条「もういいからマジで。軍覇。軍覇の話聞いてあげて」
垣根「あ、そうそう。お前も童貞じゃないんだな。女でもいるのか?」
垣根。バラし終えたほうれん草を水につける。
軍覇「いや、彼女とかはまだ出来たことねぇな」
垣根「じゃあ誰とヤったんだよ」
>>73 ほうれん草2回水に浸けてますが、気にしないでください。多分彼は綺麗好きなんです。
軍覇「モツ鍋に教えてもらったんだけどよ。スキルアウトの中で有名な『3000円おばさん』ってのがいて」
垣根「……………………」
軍覇「モツ鍋がよ。3000円で気持ちいいことしてくれるおばさんがいるって言ったから、言われる通りに、指示されたきったねぇホテルの部屋に行ったんだよ」
土御門「ッ……………」
海原「フゥー……………」
軍覇「扉開けたら、ネグリジェ着たおばさんがいたんだよ。そしたら、俺にシャワー浴びろって言ってきて、浴びたらもうベットの上ですっぽんぽんになってて」
美琴「…………………ッ」プルプル
~モニター室~
アレイスター「おい。これもうほぼ全員笑ってるぞ」
スタッフA「笑うでしょこんなの。生々しすぎる」
アレイスター「wwwwwwwwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
上条「その、おばさんって何歳ぐらいだったんだよ」
軍覇「多分、50手前くらいいってたんじゃねぇか?」
垣根「ッ……ッ………」プルプル
上条「で、気持ちよかったのか?」
軍覇「いや気持ち悪かったな。あのおばさん」
垣根「ブッふははwwwwwwwww」
ブッー! ブッー! ブッー!
土御門「これはもう確実だな」
垣根「wwwwwwwwwwwwwクソッwwwwwwwwwwッ!」
青ピ「笑うやろこんなんwwwwwwwwwww」
海原「フゥ……危なかった」
ガチャ
アレイスター「まあ分かり切ってると思うが、垣根、イエローカード」
垣根「だって……ヤッたのが気持ちいいのかって聞いてんのに、ババア気持ち悪いって言われたらそりゃ……」
アレイスター「まあな。そりゃ笑うよ」
上条「それもそうだけどさ。フィアンマの話が頭から離れなくて……」
アレイスター「あれ、お前危なかったな」
フィアンマ「心配するな。笑わせるための嘘だ。アイツをそんな目で見たことはない」
上条「あ、そ、そうなのか」ホッ
海原「過酷な時間ですねこれ……」
アレイスター「さて、また再開するまでは笑ってもいいぞ。それでは」
バタンッ
上条「それでさ、おばさんって誰かに似てた?」
軍覇「うーん、女になった駒場利得みたいな感じだぞ」
垣根「 wwwwwwwwwwwwwwwwwッ!」
土御門「wwwwwwwwwwwwwwwww」
浜面「おまっwwwwwwそれはダメだろwwwwwwww」
~モニター室~
アレイスター「よし。じゃあ行くぞ」
ーRe STARTー
[5:46:32]
上条「それで、そのおばさんって誰に似てたっけ?」
軍覇「駒場利得だな」
垣根「その話もうやめろ殺すぞ」
垣根。ベーコンとほうれん草をフライパンに入れて炒める。
美琴「あーいい匂いね」
土御門「垣根が料理作ってる間に見てほしいんだが、心霊写真持ってきたんだにゃー」
一方通行「アァ? 心霊写真?」
浜面「何か嫌な予感しかしないな」
一同机の中央に集まる。
土御門「まずはこれだにゃー」
※教室の写真。上条、土御門、青ピの3人の後ろ。吹寄と、その隣にほぼ透けている姫神。目に黒ラインが引かれている。
青ピ「……………………」
土御門「ここ見てくれ。透けてるんだにゃー」
上条「………怒られるぞお前」
土御門「ほらカミやん。これどうしたんだろうな? 透けてるんだよ」
土御門、姫神に指差す。上条、眉間に皺を寄せる。
海原「この目の黒ラインは何なんですか?」
土御門「それは元々だにゃー」
一方通行「……嘘つけよボケ」
土御門、黒ラインを指差す。
土御門「なあ青髪。元々こんな感じだよな? 姫神って」
青ピ「……まあ、間違いではないけど」
上条「いや間違いだろ」
青ピ「…………………」
青ピ。深呼吸をする。
土御門「もう一枚あるんだにゃー」すっ
上条「ッ」
青ピ「グッ」
※黄泉川と小萌のツーショット。小萌の頭が体の2倍くらいに巨大化している。
土御門「あれ? カミやん、青髪? どこ行くんだにゃー」
上条、青ピ。席を立ち、周りをウロウロする。
土御門「もっとちゃんと見てくれ。小萌先生が大変なことになってるから」
美琴「これ……エグい写真ね」
海原「ちょっと怖いですよ」
上条「ちょ、ちょっと待て。一回心の準備させろ」フゥー
青ピ「ああぁー。んっ、ゴホンッ!」
土御門「もういいか?」
上条「よっしゃ。来い」
土御門「ほれ」すっ
上条「……………………」
青ピ「……………………」
美琴「その写真はちょっとずるいわよ」
一方通行「マスキッパみたいになってんじゃねェか」
上条「……そんなこと言わないで。お願いだから」プルプル
フィアンマ「おい。先生とか言っていたが、この女成人してるのか? ということは体の方も加工してるのか?」
土御門「いや、それは本当に元々そのサイズだぜい」
フィアンマ「…………………」
土御門、フィアンマに写真を見せる。
フィアンマ「やめろ、いらないから」
垣根「よーし。できましたよっと」
垣根、皿に盛りつけたべーコンとほうれん草の炒め物を机の中央に運ぶ。
上条「結構多いな」
垣根「いる奴に分けようと思ってな。誰か欲しい奴いるか?」
美琴「え、じゃあ私食べてもいい?」
海原「自分もお願いします」
浜面「あ、じゃあ俺も」
青ピ「気が利いてるなあこの兄ちゃん。あ、僕も1つちょーだい」
上条「俺も貰おうか。一方通行、お前は?」
一方通行「いらねェ。こんな奴の作った飯なンざ信用できるか」
垣根「俺もお前に作った気はさらさらねえよ。皆んなで仲良く食べている様を遠くから眺めてるこった」
美琴「何で常にこんな険悪なの? この2人」
垣根「えっと、他はいる奴はいないのか? じゃあ6人前だな」
垣根、取り皿とスプーンを6つ用意し、炒め物を取り分けていく。
垣根「それ。誰か適当に取っていけよー」
出来た順から1人ずつ取っていき、6人に皿が行き渡る。
垣根「よし、皆んな揃ったな。じゃあ、いただきまーす」
6人ともスプーンに手をつけ炒め物を口に運ぶ。
上条「おお、美味しいな」
美琴「ホント。味付けも丁度いい」
青ピ「兄ちゃん、ホンマに童貞なんか? これだけのスキルとその見た目やったら女の子捕まえるん余裕やろ」
垣根「さあな。そこは想像にお任せするぜ」
浜面「………………………」
海原「あれ? どうしたんですか浜面さん」
浜面「……………うぇっ」
浜面、口から何かを皿の上に吐き出す。
美琴「え? 何それ?」
※皿の上。よだれまみれの一方通行のねんどろいどぷちフィギュア
フィアンマ「………ふっ」
ブッー!ブッー!ブッー!
上条「おい垣根ええええええっ!」
垣根「うひゃひゃひゃひゃwwwwwwwww引っかかった引っかかった!」
一方通行「だから言っただろ。信用できねェって」
美琴「危な! これ私が食べてたら多分笑ってたわ」
ガチャ
アレイスター「まあ、フィアンマだな。イエローカード」
フィアンマ「仕方ないな。歯型付いていたのがもろに視界に入ってきて」
浜面「何か、口の中でグニュってなったからさ。もー。飯くらい普通に食わせろよ!」
海原「ますます油断できなくなってきましたね」
アレイスター「皆んな、こんな調子でどんどんオフェンスに回っていってくれ。それでは」
バタンッ
上条「ていうか、これちょっとサイズ小ちゃくない?」
美琴「言われてみれば。元のサイズをこんな所に隠せられないし」
垣根「元のフィギュアを見ながら未元物質で作ったんだよ。お前の右手で触ったら消えるぞ」
上条「嫌だよこんなよだれまみれのフィギュア! てか自作かよ!」
海原「家でこれ作ってるところ見たら笑いそうですね」
一方通行「いや気持ち悪ィよ。ただただキモい」
~モニター室~
アレイスター「はい、再開」
ーRe STARTー
[5:32:18]
上条「おいおい、まだ1時間も経ってないぞ」
美琴「皆んな、食べながらでいいだけど、聴いて欲しいの」
海原「どうしました? 御坂さん」
美琴「私、今日生理なの」
上条「え?」
一同沈黙。
美琴「ちょっと、不安定になる時があるかもしれないから気をつけてね」
上条「あの、御坂さん?」
美琴「ん?」
上条「いくら笑わせたくてもそれはちょっと違うと思います。今、複雑な気分です」
美琴「い、いや。嘘じゃないのよ?」
浜面「マジなの? 何でそんな日に来たんだよ」
美琴「仕方ないじゃないのよ! たまたまその日に開催されたんだから!」
海原「御坂さん無理しないでください。笑えばいいんですか? 望みとあれば笑いますよ?」
美琴「ち、違うって! そんな深刻にならないでよ!」
一方通行「……仕方ねェ」
一方通行、立ち上がる。
美琴「何? どうしたの?」
一方通行「パンツ脱げ」
土御門、海原。顔を背ける。
美琴「………………え?」
一方通行「こんな最中に血漏らされても困るだろ? 俺がベクトル操作で治してやるよ」
土御門「ッ、ちょ…………ッ……」
美琴「アンタマジで何言ってんのよ!? やだ! こっち来ないで!」
美琴、立ち上がりキッチンの方に逃げる。
一方通行「逃げんなって。痛くしねェよ」
美琴「そういう問題じゃないでしょうが! アンタ何言ってんのよ! 打ち止め泣くわよ!」
一方通行「すぐ終わらせるよ。いいから早く脱げって」
垣根、目を思いっきり瞑る。
美琴「ふざけないでよ! それで笑いなんか起きるわけ」
一方通行「いいから脱げよォッ!」
青ピ「ッ……………」
一方通行「排卵のベクトル操作させろよォッ!」
土御門「ッ………ちょっと…………」
~モニター室~
アレイスター「wwwwwwwwwwwwww」
スタッフ一同「wwwwwwwwwwwwwww」
アレイスター「アホだwwwwwwwアイツアホだwwwwwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
美琴「何よ……排卵のベクトル操作って何よ!」
美琴、目に涙を浮かべる。
垣根「あーあ、泣ーかした」
海原「ちょっと、カメラ止めてください」
海原、立ち上がる。
上条「まて海原」
上条、海原に制止をかけ、一方通行の側に寄る。
上条「……………………」
一方通行「………………………」
上条、無言で一方通行をビンタ。
一方通行「ゴフッ」
土御門、青ピ、垣根、フィアンマ。顔を背ける。
上条「何やってんだお前は」
一方通行「いや、俺はただ親切心で……」
上条「何をしようとした?」
一方通行「排卵のベクトル操作」
垣根「ふ、フゥー……ッ……………」
土御門「んっ、んんっ」
上条「いいか一方通行」
一方通行「…………………」
上条「御坂の排卵はな、御坂が決めるんだ」
一方通行「…………………」
上条「お前が決めることなんかじゃねえ! 自分の排卵くらい、自分で責任持って後始末するんだよ! それが女の子ってもんだろうが!お前の都合で、ベクトル操作で操っていいもんじゃねぇんだよ!」
美琴「……ッ……」
浜面「今ちょっと御坂笑ってなかった?」
美琴「笑ってない。笑ってないわよ」
上条「なあ御坂。お前の排卵はお前だけのものだ! 誰にも邪魔させはしない! 邪魔させちゃいけないんだよ!」
美琴「う、うん。そうね…………」プルプル
~モニター室~
アレイスター「何の話をしてるんだアイツはwwwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
一方通行「すまねェ。俺は早とちりし過ぎてみたいだな」
上条「分かりゃいいんだよ。ほら、御坂も席に戻るぞ」
3人とも元いた席に戻る。美琴と一方通行は着席するが、座る直前に何か気づいた上条は1度場を離れる。
土御門「カミやん。早くしないとご飯冷えるぜい」
上条「うん。ちょっとまって。その写真どけといてくれよ」
※上条の皿の手前。顔が巨大化した小萌先生の写真。
土御門「チッ。ほら退けたぜ」
上条「ふぅー、よし」
上条。着席し、残りの炒め物を平らげる。
浜面「へぇ、ここ漫画も置いてんのか」
浜面、壁に設置された棚に目をやる。
一方通行「結構あるじゃねェか。あ、はじめの一歩」
一方通行、はじめの一歩の単行本を手に取る。
軍覇「おー。ハハハッ、それ面白いよな!」
ブッー! ブッー! ブッー!
軍覇「え?」
美琴「いや……え、じゃないでしょ」
一方通行「普通に笑ってたぞお前」
軍覇「あっ」
ガチャ
アレイスター「おい。普通に笑ってたよなお前?」
軍覇「やっちまった……油断してたぜ」
上条「でもこれ、俺らも気をつけないと危ないよな。気ぃ抜いたらやべえぞ」
アレイスター「しっかりしてくれよ。取り敢えず削板はイエローだ。こんなことで私を呼ばないでくれ」
バタンッ
軍覇「よっしゃ! 根性入れ直しますか!」パンパンッ
上条「軍覇はじめの一歩好きなんだな」
軍覇「おう! ああいう熱い物語は大好きだ。スラムダンクとかもよく読むな」
~モニター室~
アレイスター「よし。再開」
ーRe STARTー
[5:10:32]
上条「さあて、またスタートだ」
上条、右肩を軽く回す。
一方通行「スゲェな。ナルト全巻置いてんじゃねェか」
海原「ああ、それ面白いですよね」
浜面「アンタ読んだことあるんだ」
海原「ええ。もちろん。少年漫画の王道ですか
ら」
浜面「全部読んだのか?」
海原「再不斬が出てきたところまでですね」
浜面「……………………」
垣根「全然読んだ内に入らないだろそれ」
一方通行「お前がナルトを語るんじゃねェ」
海原「……あ、ワンピースも置いてるじゃないですか」
浜面「それはどこまで読んだんだ?」
海原「斧手のモーガンのとこまでですね」
※原作4話の敵。
浜面「………………………」
浜面、口を半開きで表情を固定する。
上条「何なんだよお前。ほとんど読んでないじゃん」
土御門「逆に何なら全巻読んでるんだ?」
海原「えっと、皆さん知ってるかどうか分からないんですけど、『とある科学の超電磁砲』って知ってます?」
美琴「…………………………」
美琴、顔を背ける。
上条「『とある科学の超電磁砲』?」
一方通行「知らねェな。どンな話なンだ? それ」
美琴、苦々しい表情で海原を見る。
海原「能力者の集う町の物語なんですけど、主人公の少女が、10億ボルトの電流を操ることができるんですよ」
上条「はー10億。すげぇな」
一方通行「エネルの5倍じゃねェか」
海原「……………………エネル?」
浜面「…………ブフッ」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「あ、浜面」
浜面「もおおおおおおおおおおおっ!」
海原「あの、エネルって誰ですか? 」
一方通行「ワンピースの敵だよ。最大2億ボルトまで操れるンだ」
海原「はぁー」
ガチャ
アレイスター「浜面、イエローカードだ。今のは何で笑ったんだ?」
浜面「だって、コイツ素で知らない顔だったから、『ああ本当に斧手のモーガンのとこまでしか読んでないんだ』って思ってそれで……」
アレイスター「なるほどwwwwwwwwwww」
浜面「斧手のモーガンとか久しぶりすぎて笑うわ。とりあえず、アラバスタまでは読めよ。止まらなくなるから」
海原「そういうのであれば」
垣根「あの、一個いいか?」
海原「?」
垣根「お前が『とある科学の超電磁砲』って言った時の御坂の顔が、気まずそうなのも結構面白かったぞ」
浜面「wwwwwwwwwwwww」
上条「確かに御坂やり辛そうだったなwwwwwwww」
御坂「笑うってより気まずいわよあれは」
アレイスター「今のは一応海原のポイントだ。それでは引き続きよろしく」
バタンッ
上条「今皆んな、カードとかポイントとかどんな感じなんだ?」
美琴「私はイエロー1枚ね。他にイエロー貰ってるのって第2位と浜面って人だっけ?」
垣根「俺はイエローだけどポイントも稼いでるぜ。あと、第7位も自爆してイエローだな」
軍覇「でも俺も1ポイント稼いでるからな! 今のとこは互角だぜ第2位!」
垣根「あんなもん総合すればマイナスみたいなもんだろ。お前の株が」
海原「自分は無傷の上1ポイントです。このままだと優勝は自分になりますね」フフフ
~モニター室~
アレイスター「それじゃあ、再開しまーす」
ーRe STARTー
[5:10:36]
垣根「おい浜面。お前能力追跡とはまだ続いてんだよな?」
浜面「ん? そりゃもちろん」
垣根「もう互いのこと名前で呼んでんのか?」
浜面「いや、それは……まだ『はまづら』と『滝壺』だな」
上条「え? マジで?」
一方通行「ヤることヤっといてまだ苗字で呼ンでるのかよ」
浜面「その言い方はやめろ。だって定着してるし、そもそも俺、人を名前で呼ぶことかあんまりないからな……」
土御門「じゃあ練習してみろよ」
浜面「練習?」
土御門「今から、ここにいる人たち全員、下の名前で呼ぶっていう練習だよ。俺たちもやるからさ」
上条「え? 俺たちもやんの?」
青ピ「ええやんええやん。これを機に新たな風が吹きそうやわ」
土御門「じゃあ、今からだぜ。仕上」
浜面「……元春は名前呼びとか結構するの?」
土御門「俺は舞夏以外あんまりないかなー。当麻は?」
上条「名前で呼ぶ人? んー、軍覇とかいるにはいるけど、数はそういないな」チラッ
青ピ「?」
上条「…………………………」
青ピ「………………………」
上条「ピアスは?」
土御門、口を震わせながら天井を見つめる。
青ピ「ピアスって何やねん」
上条「……………………」
上条、口を固く結わえる。
海原「帝督は結構名前呼びの人とか居そうなイメージですけどね」
垣根「いや、俺も思ってるほどじゃねぇぞ。えーっと、その。そもそも俺お前の下の名前知らねぇけど」
海原「…………………」
土御門「この場合どっちで呼べばいいんだ? エツァリの方か光貴の方か」
美琴「光貴でいいんじゃない?」
海原「ッ! み、美琴さん……始めて自分の名前を……」
美琴「う、うん。アンタのじゃないけどね」
土御門「あれ? 当麻って美琴のことは美琴って呼んでなかったっけ?」
上条「あー。御坂だったり美琴だったり、その時の気分で呼んだりしてるから一定じゃないぞ?」
土御門「これを機に美琴に統一したらどうだ?」
美琴「ええっ?! ちょ、何言ってんの?!」
青ピ「なあなあ。美琴は当麻のことちゃんと名前で呼んだことあるん?」
美琴「い、いや、あの、その、ないけど……」カァッ
浜面「何だよ。いつも仲良さげなのに。ちゃんと呼んでやったら?」
美琴「誰が仲良さげだ! え、えっと、その……」
上条「…………………………」
美琴「と、当麻……///」
上条「……美琴?」
美琴「…………///」
海原「満更でもねぇ顔だな!」
海原、悲しそうな顔で怒号を上げる。
浜面「お、オイ。落ち着けって」
海原「だって満更でもないんですもん! 何見せられてるんですか! 胸糞悪い!」
青ピ「おい当麻。随分といいご身分やなあ」ピキピキ
垣根「完ッ全に同意するぜ。ああムカついた。久々に心の底からムカついた」
上条「何なんだよ! 何でこれだけでこんな反感買わなきゃいけねぇんだ!」
~モニター室~
スタッフA「いやあ~青春してますね~」
アレイスター「オイ。ここはいつから昼休みの教室になったんだ。何だこのカップルのイチャイチャを見せられる負け組の感じ。マジでレッドカード出すぞクソが」
~ドキュメンタルルーム~
軍覇「思ったんだけどよ、フィアンマはフィアンマとしか呼べねぇよな?」
土御門「あ、そうか」
上条「でもフィアンマっていうのは神の右席としての名前だろ?」
青ピ「神の右席?」
フィアンマ「その通りだ。本名はまた別だな」
上条「本名は何なの?」
フィアンマ「玉袋筋太郎」
上条「………………………」
海原「ッ………」プルプル
土御門「ンンッ、ゴホッ」
青ピ「……日本人かいお前」プルプル
垣根「じゃあ筋太郎って呼べばいいんだな?」
フィアンマ「そうだな」
垣根「筋太郎は友達いるの?」
上条「……やめてほしいなー筋太郎は」ボソッ
フィアンマ「いるぞ。水道橋博士って奴が」
垣根「へー。水道橋」
フィアンマ「あだ名はアックアて言うんだけど」
上条「あああー……ハァ……」プルプル
浜面(……アックア?)
フィアンマ「水道橋の『水』から取ってアックアっていうんだ」
垣根「あ、そこから来てるの?」
土御門「ンンッ」プルプル
軍覇「じゃあ水道橋博士が本名なのか」
上条「あの、あんまりツッコまないでくれ」プルプル
垣根「へー……」チラッ
一方通行「………………………」
垣根「……通行はさ」
一方通行「どこ区切ってンだお前」
美琴「…………ッ」プルプル
一方通行「『一方』と『通行』で区切ってンじゃねェよ。それよりちょっといいか?」
美琴「どうしたの?」
一方通行「いや、今日弁当持ってくるの忘れちまってよ。助っ人システム使って今から持ってきてもらうわ」
浜面「おいおい。そんなんに助っ人使う気なのか?」
一方通行「準備できたか? じゃあ宜しく頼む」
壁の扉が回転し、向こう側の助っ人が姿を現わす。
美鈴「もーうあーくん! 弁当忘れてたわよ~」
美琴「ッ?!」
上条「えっ?」
浜面「グッ」
一方通行「すまねェ。お前今日仕事なのか?」
一方通行、弁当を受け取る。
美鈴「この後ね。いーっぱい愛情込めたから、この後も頑張ってね!んーチュッ!」
美鈴、一方通行の頬に口づけする。
美琴「ブフフフッwwwwwwwwッwwwwwwwwww」
ブッー! ブッー! ブッー!
美琴「ちょっと待ちなさいよォッ!!! これは卑怯でしょアンタァッ!!!」
上条「美鈴さん何してんすかこんなとこで!」
美鈴「いやあなんかあーくんから助っ人頼まれたし、面白そうだったから来ちゃった」テヘッ
美琴「娘の目の前で何をイチャついてんのよ! 笑うしかないでしょこんなの!」
垣根「え? この人超電磁砲の母さんなの?」
ガチャ
アレイスター「えっげつない手を使うなお前」
一方通行「ウルセェ。勝てばいいンだよ勝てば」
アレイスター「御坂、オレンジだ。正直もうアウトでもいいくらい笑ってたけど、流石にこれは可愛そうだ」
美琴「こんなの明らかに私ピンポイントで潰しに来てるじゃない! ズルイわよアンタ!」
一方通行「カリカリすンじゃねェよ。ひょっとしたらコイツを知ってる三下とか浜面も笑ったかもしれねェだろうが」
アレイスター「いやあ。悪いな。通行は」
一方通行「何定着させようとしてンだテメェ。何だ通行って。どこの国の人だ」
上条「あとフィアンマ。玉袋筋太郎はダメだろ」
垣根「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
土御門「あれヤバかったわwwwwwwwwwwwwwwwww」
フィアンマ「すまん。流石にちょっとふざけすぎた」
上条「色々想像しちゃうからさ。『あ、コイツ日本のバラエティとか見るんだ』って」
アレイスター「そうだなwwwwwwww言われてみればwwwwwwwwwwwww」
美鈴「美琴ちゃん! ママはもう帰るねど、応援してるからね!」
美琴「ママのせいで優勝から遠ざかっていってるのよ! もういいから早く帰って!」
アレイスター「ご協力感謝する。それでは私たちはここで」
美鈴「じゃあね~」
バタンッ
上条「あーびっくりした! ていうかお前美鈴さんの連絡先知ってるんだな」
一方通行「まあな…………っておい」
土御門「どうしたにゃー?」
一方通行「これ……」
※弁当の中身。オカズは鶏肉ともやしのみ。ご飯部分にハート型にあしらわれたそぼろと、海苔で書かれた『がんばれあーくん!』
上条「wwwwwwwwwwwwwwww」
美琴「wwwwwwwwwwwwwッ、ッ!wwwwwwwww」
浜面「そんなもんwwwwwwwダメだろwwwwwwww」
一方通行「つーか、茶色面積多すぎだろコレ」
海原「御坂さんのお母さんの弁当受け取っておきながら、贅沢が過ぎますよ貴方」
~モニター室~
アレイスター「再開するぞー」
ーRe STARTー
[4:53:28]
上条「もう1時間経ったか。そろそろ誰か脱落してもおかしくないな」
青ピ「なあなあ。そう言えばフィアンマどこいったん?」
軍覇「ありゃ? そういえばアイツ見えねぇな」
浜面「なんか更衣室の方行って……あ」
フィアンマ、更衣室から現れる。服装が黒いスーツに変わっており、手にはテッラの遺影を抱えている。
上条「…………………………」
上条、口を半開きにして固まる。
土御門「……殉職、ですか?」
フィアンマ「最後まで職務をまっとうした。同僚として誇りに思う」
フィアンマ、テッラの遺影を机の上に置く。
土御門「何が好きだったんですか?」
フィアンマ「ワインだな。あと、小麦粉もよく使っていた」
土御門「海原、冷蔵庫にワインあるかにゃー?」
海原、冷蔵庫の中を確認する。
海原「あ、ありました。小麦粉もありますよ」
土御門「だったらワイングラスにワインを注いで、遺影に上から小麦粉塗そう」
上条「ッ…………」
上条、肩が震える。
一方通行「抹香みたいにするってことか?」
フィアンマ「ありがとう。きっとアイツも喜ぶはずだ」
青ピ「じゃあ僕からいくわー」
青ピ、海原からワインボトルと小麦粉の袋をもらい、遺影の前に向かう。
青ピ「グラスもちょーだい」
海原「はいどうぞ」
海原、グラスを渡す。
フィアンマ「名はテッラだ。もし、生前に世話になっていたなら、最後のメッセージも伝えてやってくれ」
青ピ「……テッラさん」
上条「知らないだろお前」
青ピ「生前は、ホンマにお世話になりした。たくさん女紹介してくれて、ありがとうございます」
フィアンマ「…………………」
青ピ「テッラさん、言うてましたね。僕が女の子に困ってた時、テッラさん僕の肩叩きながら『タレをカケ』って」
上条「…………ッ」プルプル
土御門「ハァー…………」
青ピ「あの時の言葉、絶対忘れませんから。ありがとうございました!」
青ピ、グラスにワインを注ぐ。
スッ
青ピ「え?」
フィアンマ、グラスを手に取り、ワインを飲み出す。
フィアンマ「……………」グビッグビッ
青ピ「…………………」
フィアンマ「ご馳走さま」
青ピ「……お前が飲むんかい」
フィアンマ「小麦粉も塗してやってくれ」
青ピ「ああ、はい……」
青ピ、小麦粉を摘み遺影の上に落とす。テッラの顔が小麦粉にまみれていく。
青ピ「………………ッ」プルプル
フィアンマ「ンッ…………」プルプル
青ピ「……終わったで」フゥ
フィアンマ「ありがとう。他に挨拶する奴はいないか?」
垣根「…………はい」スッ
垣根、席から立ち上がり遺影の前に行く。
垣根「テッラさん。色々お世話になりました。俺が、脳みそ3分割にされて、内臓の横に冷蔵庫みたいな機械つけられてた時に、よく見舞いに来てくれましたよね」
一方通行「…………………」
垣根「テッラさんずっとなんか言ってた気がするんですけど、正直、人の声とか聞ける状態じゃなかったんで、一個も覚えてません。ありがとうございました!」
垣根、グラスにワインを注ぐが、またしてもフィアンマがグラスを手に取る。
フィアンマ「……………」グビッグビッ
垣根「…………………」
フィアンマ「…………げぇぇぇぇっぷ」
垣根「…………ッ………」
~モニター室~
アレイスター「もうwwwww汚ったねぇなアイツwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
フィアンマ「小麦粉も頼む」
垣根「ああ」
垣根、小麦粉を摘み、腕を上げ、肘を前に突き出し、小麦粉を自分の顔をより高所から遺影に撒く。
上条「…………………」
美琴「エラいスタイリッシュに撒くのねアンタ」
一方通行「お前それヌスレット・ギョクチェじゃねェか」
※トルコのもこみちと称される塩の魔術師
土御門「…………ッ……」
フィアンマ「垣根、ありがとう。他に誰かいないか?」
軍覇「よし、そんじゃあ俺が行くか」
軍覇、遺影の前に行き、グラスにワインを注ぐ。
軍覇「えーっとテッラ! お前と思い出は、正直1つもねぇ!」
フィアンマ「ふっ」
土御門「笑った?」
フィアンマ「違う。気のせいだ」プルプル
軍覇「でもよおテッラ。こうして皆んなから弔われるってことは、お前はきっと、根性のある生き様をしたんだろうな。俺からも厚く、弔わせてもらうぜ。安らかにな!」
軍覇、遺影に合掌し、小麦粉をまぶしてから席に戻る。
美琴「ボケないの?」
軍覇「え? ボケる?」
美琴「…………………」
~モニター室~
アレイスター「アイツ主旨分かってるのか?」
スタッフA「天然なんですかね。あれ」
~ドキュメンタルルーム~
フィアンマ「もう挨拶するやつはいないのか」
上条「俺が行く」
上条、席から立ち上がり、遺影の前に立つ。小麦粉まみれになった遺影をじっと見つめる。
上条「…………………………」
上条、遺影を手に取り、付着した小麦粉をベロベロと舐め回す。
美琴「ちょっ」
上条「……………レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ」
美琴「………ふふっ、もう………」
ブッー!ブッー!ブッー!
一方通行「オイ。てことは超電磁砲これで……」
美琴「えー! ちょっと待ってちょっと待って!」
ガチャ
アレイスター「……御坂、レッドカード! 退場!」
美琴「嫌あああああああああっ! ここで終わりいいいいいいいいい?!」
アレイスター「仕方ないだろ。笑ったんだから」
上条「すまない御坂。勝負の世界は非情なんだ」
美琴「待ちなさいよ! 私まだ全然何にもやれてないのにぃ!」
アレイスター「お前今日、生理なのバラしただけだったな」
浜面「wwwwwwwwwwwww」
土御門「wwwwwwwwwwwww」
アレイスター「まだゾンビルームでのチャンスはあるよ。それ、荷物をまとめて出ることだ」
美琴「はあ……ホントもうなんなのよ」
美琴、更衣室に向かい、荷物を手にして帰ってくる。
上条「じゃあな御坂。1人で寂しいかもしれないけど、頑張れよ」
美琴「グッ……見てなさい。アンタだけは絶対笑わせてやるんだから」
アレイスター「では引き続き頑張ってくれ」
バタンッ
上条「遂に10人じゃなくなったかー」
フィアンマ「おい。この遺影はどうしたらいい?」
フィアンマ、小麦粉とよだれまみれの遺影を掲げる。
上条「フフッ、どっか、出来るだけ視界に入らないとこに置いてろ」
土御門「いやーwwwwwww危なかったなwwwwwww」
垣根「面白い顔してるなーコイツ」
フィアンマ、遺影を奥のソファーの向こうの棚に上げる。
ーinterviewー
美琴「何にもできなかった、てのが唯一の感想ね」
美琴「短い時間でも分かったんだけど、ああいう空間にいると何が面白いのか、だんだん分からなくなってくるのよ」
美琴「多分、これからもっと熾烈な、狂気の沙汰みたいな戦いになるんじゃない?」
美琴「あー! にしても悔しい!」
~現時点のポイント、カード~
上条:1P
一方通行:1P
土御門:無し
垣根:1P.イエロー1枚
浜面:イエロー1枚
海原:1P
青ピ:無し
軍覇:1P.イエロー1枚
フィアンマ:イエロー1枚
~モニター室~
アレイスター「さて、行きますか」
ーRe STARTー
[4:38:45]
浜面「さて、まだまだここからだぞ。ってあれ? 垣根居ねぇな」
バタンッ
浜面「?」
更衣室へ続く通路の、右隣の壁に設置された、木製の小窓が開く。頭からストッキングを被った垣根が顔を歪めている。
垣根「カっっっ、じィ、KO、まっ、ィり、まぁあ、SHI、ィだっっっ…!?」
一方通行「……………………」
垣根「カっっっ、じィ、KO、まっ、ィり、まぁあ、SHI、ィだっっっ…!?」
海原「ッ…………」プルプル
浜面「何がお前をそこまでさせるんだよ」
垣根「カっっっ、じィ、KO……おい第1位」
一方通行「アァ?」
垣根「カっっっ、じィ、KO、まっ、ィり、まぁあ、SHI、ィだっっっ…!?」
一方通行「…………何なンだよもう」
土御門「お前の声優決まったけど、金田朋子らしいぞ」
垣根「カっっっ、じィ、KO、まっ、ィり、まぁあ、SHI、ィだっっっ…!?」
土御門「……………………」
土御門、顔をしかめる。
浜面「いや、かしこまっちゃダメだろ。おしりかじり虫だぞ? カブトムシですらないぞ?」
一方通行「あっちも常識は通用しないけどな」
浜面「……ちょくちょくツッコミ入れるのやめろよお前」
上条「せっかく松風さんがやってくれるってのに。本当にいいのか?」
垣根「カっっっ、じィ、KO、まっ、ィり、まぁあ、SHI、ィだっっっ…!?」
浜面「…………………ッ」プルプル
バタンッ、と扉が閉まる。
~モニター室~
アレイスター「凄いなアイツの芸人根性wwwwwwwwwwww」
~更衣室~
垣根「さあて、次はこれ被ってアイツらの前に……」
軍覇「あれ? お前何してんだ?」
垣根「何だテメェかよ。何しに来た」
軍覇「いや、小便しようと思ったんだけどよ、トイレってこっちだよな」
垣根「シャワー室の向かい側だよ……ちょっと待て。小便終わったら、一緒にこれ被ってアイツらの前に出るぞ」
軍覇「何だこれ? まあ、とりあえず被ればいいんだな」
垣根「よろしく頼むぜ」
~ドキュメンタルルーム~
上条「元からあんなのだったの? アイツ」
浜面「いやあ、初めて会った時はもっと、普通にカッコいい奴だと思ってたんだけど……一方通行に負けてから色々おかしくなったよな」
一方通行「知るかよクソが。アイツが勝手にズレていったンだろ」
土御門「あ、出てき……」
垣根、軍覇。頭からEGG TE○GAを被り姿を現わす。呼吸音と共に、TE○GAが膨らんだり萎んだりを繰り返す。
垣根「……………」フゥー フゥー
軍覇「………………」フゥー フゥー
上条「ッ」
青ピ「グッ…………」プルプル
一方通行、近くのペットボトルの水を一気に飲む。
垣根「……………ッゥバッ!」
一方通行「ッ?」ビクッ
垣根、TE○GAをめくり、大きく深呼吸をしてから再び装着し、思いっきり息を吐く。
垣根「フゥゥゥゥゥゥゥゥッ」プクゥゥゥゥゥゥゥ
一方通行「ッ……………」
一方通行、立ち上がり垣根から逃走する。垣根、すかさずそれを追いかけながら、小刻みに息を吸う、吐くを繰り返す。
垣根「ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ」
※TE○GAが収縮を繰り返しながら奇妙な音を立てる。
一方通行「ウルセェ。着いてくんな」スタスタ
垣根「ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ、ヒュゥッ」
軍覇「ハァァァ、スウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
上条「?」
軍覇、TE○GAをめくり、強烈な吸い込みの後、再びTE○GAを装着する。
軍覇「ブフウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」 プクウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥパアァンッ!!!
※TE○GA、破裂。
土御門「ブフッwwwwwww」
青ピ「フッハハハハハハwwwwwwwwwwwww」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「wwwwwwwwwwwww」
海原「wwwwwwwwwwwwッ! wwwwwwwwwwwwwwッ!」
浜面「痛い痛い痛いwwwwwwwwwwwww」パンッパンッ
軍覇「何だこのゴム。根性ねぇな」
垣根「お前wwwwwwwwやっぱすげぇわwwwwwwwwwww」
ガチャ
アレイスター「wwwwwwwwwwwwwwww」
土御門「いやアレイスター! そりゃ笑うだろ! 笑わない奴いるのかこれ! 仕掛ける側の垣根も爆笑してるぞ!」
青ピ「こんなもん、明日世界が滅ぶとしても笑うわ」
アレイスター「正直、ほぼ全員笑ってたよ。ただその中でも真っ先に笑ったのが2名。土御門、青髪、イエローカード!」
一方通行「オイ。てことは無傷は海原と俺と三下だけか?」
アレイスター「そうだな。同時にこの3人が1Pずつ稼いでいる。だがポイントで見れば、最多得点は削板だ」
軍覇「おっしゃー! このまま根性出して頑張るか!」
垣根「チッ……つくづく厄介だなコイツ」
アレイスター「それじゃ、頑張ってくれ」
バタンッ
フィアンマ「というかこれ何なんだ? 」
垣根「EGG TE○GAだよ。オナニー用の」
フィアンマ「そういうことかwwwwwそれは笑うなwwwwwwwww」
上条「あれ? 俺が触っても消えないぞ」
垣根「そりゃ、この日の為に買い溜めたモノホンだからな」
浜面「実物かよコレ。あんな使い方できたんだな」
~モニター室~
アレイスター「さあ行くぞ」
ーRe STARTー
[4:30:29]
浜面「なあなあ垣根。俺にも一個くれよ」
垣根「ほらよ」スッ
浜面、TE○GAを手に取り、頭に装着。
浜面「フゥゥゥゥゥゥゥゥ」プクゥゥゥゥゥゥゥ
垣根「そうそうそんな感じ。あ、一方通行お前もやるか?」
一方通行「やるわけねェだろ。気色悪ィ」
上条「軍覇、もう一回やってみろよ」
軍覇「おう! スウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
海原「ちょ、もういいですよ」
軍覇「ブフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」プクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥパアァッン!!!
土御門「グッ………」
海原「ハァ…………」
青ピ「…………………」プルプル
軍覇「おい垣根。何回やっても破けるぞこれ」
垣根「息吸いすぎなんだよお前。もっと軽く吸ってから吹いてみろ」
軍覇「そうかぁ? スウウウゥゥゥゥゥ」
上条「………………………」
軍覇「フゥゥゥゥゥゥゥゥ」プクゥゥゥゥゥゥ
垣根「そうそうそれそれ」
軍覇「おーなるほど。楽しいなこれ」ハハハハッ
上条「あ」
軍覇「え?」
ブッー! ブッー! ブッー!
軍覇「あれ? 俺笑ってたか?」
上条「いや普通に……」
フィアンマ「お前さっきから全部自爆だぞ」
一方通行「何しに来たンだよコイツ。もう1人でやってろよ」
ガチャ
アレイスター「………アホなのか?」
軍覇「いやでもよお、アレイスター。これ宇宙遊泳みたいで楽しいんだよ。楽しかったら笑うのが人間だろ」
アレイスター「それを止めろって言ってんだよ! もう次はないからな! オレンジ!」
上条「そりゃキレるよな。軍覇、しっかりしねぇと」
軍覇「うーん、難しいなこれ」
アレイスター「もう行くからな! 削板! もう次はないぞ!」
バタンッ
軍覇「やべぇやべぇ! 根性足らねぇな!」パンッパンッ
上条「思ったんだけどよ、軍覇って仕掛けとか持ってきてないの?」
軍覇「ん? 何のことだ?」
海原「あの、これ笑わせ合いですからね? 相手を笑わせるための小道具とかネタとか、ないんですか?」
軍覇「……ハッ! そうか! その手があったのか! いやあ笑わせるって言っても何していいのか分からねぇから手ぶらで来ちまったよ。頭いいなお前!」
海原「は、はあ……」
軍覇「そうかそうか……よっしゃ! そんじゃあ根性入れて、笑わせますか!」
~モニター室~
アレイスター「大丈夫かアイツ……もう再開するぞ」
ーRe STARTー
[4:25:42]
軍覇「布団が吹っ飛んだ!」
上条「…………………………」
一方通行「…………………………」
浜面「……………………………」
海原「え?」
軍覇「アルミ缶の上にあるみかん!」
土御門「…………………………」
青ピ「……………………………」
フィアンマ「……………………」
軍覇「アリが10匹ありが」
垣根「ちょちょ、ちょっと待て」
軍覇「?」
垣根「一個いいか?」
軍覇「何だ?」
垣根「お前、満を持してそれか?」
上条、宙を仰ぐ。土御門、顔を伏せる。
軍覇「………お金はおっかねぇ!」
垣根「オイ。聞いてんのか」
軍覇「そんなバナナ!」
垣根「そんな洒落は止めなしゃれ」
一方通行「お前も乗っかっンのかよ」
上条「……駄洒落を言うのは誰じゃ」
軍覇「…………………………」プルプル
上条「え?」
一方通行「オイ。笑いそうになってねェか?」
浜面「嘘だろ? これで?」
軍覇「グッ、まだだ! こんなもんじゃまだまだ俺は倒せねぇぞ! さあ、来るなら来やがれ!」
浜面「……トイレに行っといれ」
土御門「氷はこーりごり」
海原「カレーはかれー」
青ピ「オットセイを海におっとせい」
軍覇「……フゥー。やるなお前ら。だかそんなじゃ、俺の根性を打ち破ることはできねぇぞ!」
一同沈黙
~モニター室~
アレイスター「何なんだよアイツ! もう訳わからんぞ!」
スタッフ一同「wwwwwwwwwwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
一方通行、先程もらった弁当をもう一度開ける。
フィアンマ「それ、誰の弁当だ?」
一方通行「アン? これか?」
フィアンマ「……………………」
一方通行「ヴェントの弁当」
軍覇「……………………グハッ」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「ええええええええええええっ?!」
浜面「え? てことはコイツこれで終わり?」
一方通行「ハ? お前マジで笑ったのか?」
軍覇「ちくしょおおおおおおおおおおおおっ!!! 不意を突かれたぜ!」
垣根「こっちの台詞だわ!」
バタンッ!
アレイスター「何なんだお前は! もうホントに何なんだよ! 意味分からん! 何であれで笑うんだ!」
軍覇「いやよぉ……まさかあそこで弁当出してきて、ヴェントの弁当って……フハハハッ」
アレイスター「何が面白いんだ! もういい! レッドカード!」
垣根「あー良かった。コイツマジで厄介だったし」ホッ
一方通行「でもゾンビとしてはまだ出れるンだろ? 油断できねェな」
土御門「確かに。このゾンビは怖そうだにゃー」
アレイスター「ほら、さっさと荷物まとめろ」
軍覇「クッソ……根性足りなかったぜ」
垣根「足りてねぇのは頭だろ」
バタンッ
~interview~
軍覇「クッソー。いい感じにポイント稼いでたし、行けると思ったんだけどなー」
軍覇「でもよ、思わず自分が笑っちゃいけないってこと、忘れる瞬間がめっちゃくるんだよ」
軍覇「アレは何かよく分からねぇ、不思議な空間だったよなー」
ー最後のダジャレなんですけど、アレは本当にツボったんですか?ー
軍覇「おう。やっぱ1位って頭いいよな。だってヴェントの弁当って……ブフフッ!」
ー………………………………ー
~モニター室~
アレイスター「あー疲れた。よし、再開だ」
ーRe STARTー
[4:20:29]
上条「オイオイ。まだ半分以上もありますよ」
海原「先は長いですね」
浜面、青ピ、更衣室へ移動する。
一方通行「めンどくせェなホント」もぐもぐ
垣根「お、ヴェントの弁当食べてんじゃん」
一方通行「それで笑う奴がここに残ってると思うなよ?」
~モニター室~
アレイスター「ん? 浜面と青髪……着替えてるのか? また空気が変わりそうだな」
~ドキュメンタルルーム~
上条「『ありそうな日本酒の名前ゲーム』やらない?」
一方通行「アァ? どういうゲームだそれ」
上条「ありそうな日本酒の名前を言っていくんだよ。適当に」
土御門「例えば?」
上条「えーっと、『大精霊』とか」
土御門「あー。確かにありそうだにゃー」
上条「よしやろう。土御門からお願い」
土御門「………『義理姉妹』」
上条「………………………」
上条、口元を結わえる。
一方通行「ねェだろそンな日本酒」
土御門「いやあるだろ。『義理姉妹』」
上条「分かった分かった。次、一方通行」
一方通行「………『芋』」
垣根「焼酎じゃねぇか」
海原、俯く。土御門、立ち上がり水を飲む。
一方通行「次お前行けよ。メルヘン野郎」
垣根「そうだな……『毒蝮三太夫』」
一方通行「居るだろ既に」
上条、下唇を噛む。海原、腹をつまみ、土御門、水を更に飲む。
垣根「お前の『芋』だって既にあるじゃねぇか」
一方通行「おい三下。人名はアリなのか?」
上条「……まあ、ありそうだったら何でもいいよ」
垣根「ほれみろ。そんじゃ次海原、お前」
海原「……海原美琴(ウナバラノミコト)」
一方通行「願望じゃねェか」
土御門「ッ!……………フゥー」
垣根「ハァ………ハァ…………」
一方通行「絶対ンな日本酒ねェし、それっぽく言ってるけどただの願望だろ」
上条「ちょっと気持ち悪いぞお前」
海原「……………………………」
~ゾンビルーム~
美琴「……………………………」
軍覇「どうした超電磁砲。顔色悪いぞ」
美琴「う、ううん。何でもない」
~ドキュメンタルルーム~
上条「んじゃ、フィアンマ。何か思い付いたか?」
フィアンマ「……あ、丁度いいのがあった」
上条「よし。それじゃあ、ありそうな日本酒の名前」
フィアンマ「『天罰術式』」
上条「……………………」
上条、唇を右上に歪める。
土御門「フゥー………………」
海原「んっ、んん」
垣根「度数高そうだな。その日本酒」
一方通行「辛口だな。絶対」
上条「オイ、広げようとすんな……ん?」
上条、更衣室の方から出てくる人影に気づく。
青ピ「あれ? 僕がおらん間に何の話してたん?」
青ピ、ロングコートを身にまとい登場。
上条「ありそうな日本酒の名前を言ってたんだけど……それより何その格好」
一方通行「それ露出狂がよく着るやつだよな?」
青ピ「よお分かったな! 僕ぁこういう変態物も大好物なんよ!」
垣根「それはいいけど、お前が着てどうすんだよ」
青ピ「確かにそうやな。よっしゃ、脱ぐか」
垣根「え、ちょ」
一方通行「オイ待てコラ。まさかお前の汚ねェモン見せる気じゃ」
ズルッ
※青ピ、全裸の上から、股間に黒い貞操帯を装着した状態。
海原「…………ブッハwwwwwww」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「wwwwwwwwwwwww」
土御門「wwwwwwwそれはwwwwwwwヤバいwwwwwww」
垣根「バッカじゃねぇのコイツwwwwwwww」
フィアンマ「wwwwwwwwwwwww」
ガチャ
アレイスター「もー。削板の件で疲れてるんだからもうちょい粘ってくれよ」
海原「イヤイヤイヤ! こんなのズルいでしょ! 頭オカシイですよこの人!」
垣根「俺も流石にそれは……何か悔しいなオイ」
青ピ「僕のリーサルウェポンや。見事にクリーンヒットしてよかったわ」ニヤニヤ
アレイスター「正直モニターでずっと見てたから分かってたけど……これはヤバいな」
一方通行「浜面今向こうで着替えンだろ? よく我慢できたなアイツ」
アレイスター「何はともあれ、海原、イエローだ」
垣根「オイオイ。てことは無傷は一方通行と上条だけか? 」
アレイスター「だな。だがまだ半分も来ていない。ここから何が起こるかは分からんぞ。では」
バタンッ
土御門「おい。これちゃんと外せるんだよな?」
青ピ「大丈夫大丈夫。鍵は持ってるから」
海原「わざわざこの日の為に買ったんですか? 」
青ピ「へ? いや家にあるのを持参してきただけやで」
上条「何でこんなもん常備してんだよ!」
青ピ「イヤやなぁカミやん。僕は常にどんなシチュにも対応できる準備をしてるんやで?」ニヤリ
一方通行「こンなとこに居なかったら今すぐ黄泉川に通報してやりてェ」
~モニター室~
アレイスター「……まあ、私はアイツのことを攻められないな」
スタッフ一同「wwwwwwwwwwwwwwwww」
アレイスター「行くぞー」
ーRe STARTー
[4:08:49]
一方通行「つーか浜面の野郎まだ着替えてンのか?」
青ピ「何かな、着替えは終わってたたんやけど、鏡見ながらゴゾゴゾしてたで」
上条「何やってんだよアイツ」
垣根「オイ。来たぞ」
浜面、更衣室の奥から出てくる。
浜面「いやーお疲れ」
※バニーガールのコスチュームに身を包み、両乳首の箇所をハサミで丸く切り抜いた状態。
垣根「……………………」
上条「…………ッ」プルプル
青ピ「それで遅かったんかお前」
一方通行「いい加減にしろよお前ら。ここは場末のイメクラじゃねェンだよ」
浜面、何事もなかったように周りを見渡し、席に腰掛け、使えの上にノズル付きの酸素ボンベを置く。その傍らには潤滑用のローションもある。
一方通行「何だそれ?」
浜面「酸素ボンベだよ。これ使ってゲームしようぜ」
一方通行「またかよ。何なンだよゲームって」
浜面「俺たちってよ、色んな決め台詞持ってるじゃん。今からこのガスをケツに入れて、屁こかずに決め台詞を言えるかっていうゲーム」
一方通行「……………………………」
上条、眉間にしわを寄せる。土御門、垣根、宙を仰ぐ。
浜面「じゃあとりあえず、大将から行く?」
上条「いやちょっと待って。何で俺なんだよ。決め台詞ならお前も一方通行もあるじゃん」
浜面「いやでも、やっぱり1番定番なのはそげぶだろ。なあ?」
土御門「そりゃ、カミやんが行かずに誰が行くって話だぜい」
上条「ええー……おい、別にいいけどよ、俺がやるからには他の連中もやれよな?」
上条、浜面の前に行き、ズボンを下ろす。
浜面「待ってろよ。入り口に念入りにローション塗らねぇと」
浜面、ゴム手袋を装着し、上条の肛門に手を伸ばす。
上条「おほんっ」
垣根「グッ」
海原「はっ! はっ!」
海原、立ち上げり周囲をクルクルと回る。
土御門「ちょ、声出すなよカミやん」
上条「仕方ねぇだろ! 肛門イジられてんだよこっちは! はんっ」
一方通行「マジでウルセェよ。止めろ」
浜面「よし、それじゃあガス入れるぜ」
浜面、上条の肛門にノズルを挿入。
上条「……何か変な感じ、あ! 入ってる! 入ってきてる!」
一方通行、後ろを振り向き水をがぶ飲みする。
青ピ「カミやん、実況せんでええから」プルプル
上条「オイ大丈夫なんだろうなこれ! まあまあ入ってねぇか?!」
浜面「心配すんな。大丈夫だよ……よし」
浜面、ノズルを抜く。
上条「……あ、やばい! ヤバいヤバい! 出そう! もう出そう!」
上条、内股になり顔を歪める。青ピ、土御門、水をがぶ飲みする。海原、舌を噛む。
浜面「ほら早く! 言えって! そげぶそげぶ!」
上条「そ、その幻想をぶち殺す!」
浜面「………………………」
上条「…………………あっ」ブウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!
フィアンマ「ンンンッ」プルプル
海原「ヅッ、あーあー!」
フィアンマ、上条から離れて辺りを旋回する。
垣根「おい! これまだやんのか!? もう十分だろ!」
青ピ「そりゃ、決め台詞持ってる人はやらんとあかんやろ」
上条「ハァ……クソッ。持ってねぇからっていい気になりやがって」
~モニター室~
アレイスター「いいねー!どんどん私が望んだ展開になってきてるよ!」
スタッフ一同「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
~ドキュメンタルルーム~
上条「まあ定石でいうと……次は『こっから先は一方通行』だよな」
一方通行「ハァッ?!」
土御門「だな。本当にここから先は一方通行だぜい」
一方通行「オイ! ちょっと待てちょっと待て!」
上条「ということで、お願いします」ペコッ
一方通行「やるわけねェだろうが! コイツにケツの穴イジられるくらいなら舌切って死ぬぞクソッタレ!」
浜面「ひどい言い草だな!」
垣根「仕方ねぇ。そんじゃあ腰抜けの1位に代わって俺が行きますか」
一方通行「おい浜面。直腸破裂するくらいガス入れろ」
浜面「怖ぇよ! カエルじゃねぇんだからそんな真似できるか!」
垣根、浜面の前に行きズボンを下ろす。浜面、ゴム手袋を交換する。
浜面「そんじゃ、行くぜ垣根」
垣根「いつでもOK」
浜面、垣根の肛門にローションを塗る。
垣根「…………………………」
海原「微動だにしませんね」
一方通行「何だコイツ。イジられ慣れてンのか?」
上条、土御門、俯く。
浜面「こんなもんかな。じゃあガス入れるぞ」
浜面、ノズルを挿入し、ガスを入れる。
垣根「………………………………」
上条「凄いな。ビクともしねぇぞ。どうなってんだコイツのアナル」
一方通行「とンでもねェイジられ方されたことあるンじゃねェか?」
上条「……そういうの止めろってお前」
浜面「OK。抜くぞ」
浜面、ノズルを抜く。
垣根「よし。それじゃあ言いますか」
海原「余裕ですね。最強候補ですよこの人」
青ピ「アナルなら学園都市最強かもしれんで」
一方通行「そンなクソ以下の最強の座、幾らでもくれてやるよ」
浜面「よし! じゃあお願いします!」
垣根「だが、俺の未」ブウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
青ピ「ンフッ」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「何なんだよお前wwwwwwwwwww」
垣根「ゴメン。やっぱ無理だわコレ」
浜面「wwwwwwwwwwwwwwww」
土御門「wwwwwwwwwwwwwww」
ガチャ
アレイスター「垣根、素晴らしいな今のは」パチパチ
垣根「いや、直前まで顔に出さないつもりだったんだけど。正直もう最初から全然ダメだった」
青ピ「あんだけ煽っといてwwwwwwwwwwww」
アレイスター「これは垣根の作戦勝ちだな。青髪、オレンジカード!」
青髪「うわーヤバいヤバい!」
上条「てか、一方通行強くないか? 何で笑うんだよお前」
一方通行「少なくとも、コイツのクソみてェな汚れ芸では絶対笑わないことを決めてンだよ」
垣根「余裕こいてられんのも今のうちだぜ、第1位」ニヤリ
アレイスター「これで得点トップは3人になったな。それじゃあ引き続き宜しく」
バタンッ
青ピ「凄いな兄ちゃん。屁ぇ出そうなのにずっと我慢してたんや」
垣根「言っただろ? この大会にかけてる思いがお前らと違うんだよ」フッ
一方通行「カッコいいとか思ってンのかもしれねェけど、お前ただただ滑稽なだけだからな」
海原「浜面さん。次、自分にやらしてもらえませんか?」
浜面「え? いいけど、アンタ決め台詞なんてあったっけ?」
~モニター室~
アレイスター「海原何考えてんだ? まあ再開するか」
ーRe STARTー
[3:50:56]
海原、浜面の前に行きズボンを下ろす。
浜面「綺麗なケツしてるなーお前」
海原「どうぞ。アナルコンディションはバッチリです」
上条「何だよアナルコンディションって」
土御門「側から聞いたら完全にホモの会話だにゃー」
浜面、ゴム手袋を交換する。
浜面「行くぜー」
海原「……………うほっ、ちょ、これ、垣根さんよく声出しませんでしたね」
上条「だろ? 声出るってこんなモン」
青ピ、宙を仰ぐ。
浜面「はい。ノズル入れるぞー」
海原「……あ、ガスが来ました……うわっ! ちょ! ヤバい! み、実が………」
垣根、一旦場を離れて深呼吸する。上条、唇を結わえて俯く。
一方通行「待てオイ。ブチまけるのだけは許さねェぞ」
海原「……あ、大丈夫です。安定しました」
一方通行「何だよ安定って」
土御門、ペットボトルの水を飲む。
浜面「よし。抜くぞ」
浜面、ノズルを抜く。
海原「あっ、これ、マズイマズイマズイ! あの野郎復活しやがって!」
浜面、震えながら俯く。フィアンマ、首の後ろを叩く。
上条「口調変わってんぞ。早く言えって」プルプル
海原「て、テクパトルウウウウウウウウウウ
ウウウウウウウウウウウウウッ!!!」プゥッ
一方通行、俯き舌を噛む。青ピ、天井を見上げながら頬をつまむ。
海原「ちょ、すいませんちょっと」
海原、トイレに猛ダッシュ。
上条「…………フゥー」
土御門「何とか耐え切ったにゃー」
青ピ「なあなあ、お前も決め台詞あるんやろ? 僕がガス入れるからやろうで」
浜面「え? まあいいけど……大丈夫なんだろうな?」
青ピ「任せてって。ほら、ケツ出して」
浜面、青ピの前に行き、尻を見せる。
青ピ「…………………………」
※肛門の周りが丸く切り抜かれており、そこから肛門が露出した状態。
浜面「オイ。早くしろって」フリフリ
青ピ「ケツ降らんといて。やるから」プルプル
土御門「……………………」スッ
青ピ「……え?」
浜面「オイ、どうした?」
青ピ「……いや、そんじゃ、入り口ほぐすわ」
青ピ、ゴム手袋を装着し、浜面の肛門に手を伸ばす。
浜面「んっ、え、オイ! 中に指入れてねぇ
青ピ、ゴム手袋を装着し、浜面の肛門に手を伸ばす。
浜面「んっ、え、オイ! 中に指入れてねぇか?!」
青ピ「大丈夫やって。気にせんといて」
浜面「気にするだろ! あんっ! ちょっと!」
垣根「絵面が地獄かよ」
上条「何を見せられてるんだ俺たちは」
一方通行「貞操帯着けた全裸の男が、バニーのコスプレした男の肛門イジってンだよ」
土御門「……説明すんな」プルプル
青ピ「よし、そんじゃ入れてくでー」
青ピ、土御門から受け取った『ある物』を浜面の肛門に挿入する。
浜面「ん? おい、これノズルか? なんかえらく太い気がするんだけど」
青ピ「……大丈夫大丈夫。ちゃんと入ってるから」プルプル
浜面「……え? 絶対違うよな?! オイ! 何入れてんだよ!」
青ピ「よっしゃ入った。手ぇ離すで」
浜面「え?」
青ピ、浜面の肛門から手を離す。
浜面「……あっ! 何か出る!」
上条「え?」
一方通行「オイ、何か白いのが出て……」
浜面「…………んっ!」
ズルッ
※肛門から、一方通行のねんどろいどプチフィギュアが頭から姿を現わす。
フィアンマ「ブッハハハハハハwwwwwwwwww」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「wwwwwwwwwwwwwww」パンッ! パンッ!
垣根「wwwwwwwwwwwwwwww腹痛てぇ!wwwwww腹痛てぇ!wwwwwwwwww」
土御門「wwwwwwwwwwwwwwwwッ!wwwwwwッ!」
一方通行「お前ぶっ殺すぞコラァッ!!!」
浜面「待てよ! 俺のせいじゃないだろ! 青髪に言えって!」
ガチャ
アレイスター「最高だ! 最高だよ君たち! もう裏でスタッフみんな爆笑してたよ」
青ピ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
フィアンマ「はあ……これはもう仕方ないな」
アレイスター「フィアンマ、よく頑張ったが、残念ながら退場だ」
海原、更衣室の奥から戻ってくる。
海原「あれ? 皆さん何があったんですか?」
一方通行「アァ? お前ずっとトイレにこもってたのか?」
海原「ええ。なので一部始終を全く見てないのですが……」
垣根「仕方ねぇな。浜面、もっかい行こうぜ」
浜面「ハァ!? ちょ、マジで?」
青ピ「よっしゃ、もっかい入れるでー」
海原「何ですかそれ?」
垣根「俺がさっき使ってた、未元物質製ねんどろいどプチフィギュアだよ」
浜面「……あっ、キタキタ!」
青ピ「ほんで、全部入れて……よし」
青ピ、手を離す。再び肛門からねんどろいどがズルっと現れる。
海原「ブッwwwwwwwwwww」
垣根「wwwwwwwwwwwwwww」
アレイスターwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
一方通行「笑い事じゃねェんだよ! 気色悪ィ!」
上条「いやwwwwwwwwwこれは笑うだろwwwwwwwwww」
海原「こんなのダメでしょwwwwwwwwwwww絶対無理ですってwwwwwwwwwwww」
アレイスター「というわけでフィアンマ! ゾンビルームに行ってくれ」
上条「うわー。フィアンマ脱落かー」
青ピ「でもまあ、結構面白かったで」
フィアンマ「……そう言ってくれるのが唯一の救いだな」
アレイスター「よし、それじゃあ他の奴らはまだまだ頑張れよ」
バタンッ
ーinterviewー
フィアンマ「やれるだけのことはやったさ。悔しいが仕方ない」
フィアンマ「というより、手持ちのカードが尽きてからの方が勝負かもしれないな」
フィアンマ「ある意味、早めに脱落できた俺様の方が勝ち組なのかもしれない」
フィアンマ「まあ、負け犬の遠吠えというやつだ。気にしないでくれ」
フィアンマ「しかしアレだ、世界とは俺様が思う以上に広かったな。あんな場で貞操帯着けてくる奴がいるとは」
~モニター室~
アレイスター「さあ、生き残りをかけて戦ってくれ」
ーRe STARTー
[3:34:56]
土御門「じゃあ、もう1Round行くかにゃー」
浜面「待てって! あんなの何個も入れてたらケツ持たねぇよ!」
垣根「じゃあ種類変えるか? 他にもあるぜ」
垣根、荷物の中から他のねんどろいどを出す。
上条「まあまあ用意してんじゃねぇか」
一方通行「これ全部未元物質製か?」
垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇからな」
土御門「さて、どれから行こうか……」
浜面「オイ! あと1個だけだぞ?! 本当に怖いんだからな!」
上条「選定は青髪に任せようぜ」
青ピ「よっしゃ。さてさて」
青ピ、ねんどろいどを検品する。机の上に並んでいるのは、上条、インデックス、美琴、黒子、妹達、神裂、五和、一方通行、打ち止めのねんどろいど。
一方通行「ガキ選んでみろ。貞操帯ごとソレ?ぐからな」
土御門「これとかどうだ?」
土御門、黒子のねんどろいどを手に取る。
青ピ「いやあ、それは髪型的に入り口で引っかかるやろ」
浜面「どういうことだよ! 何の話してんだお前ら!」
~ゾンビルーム~
美琴「何考えてんのよコイツら! ホンット最低! 信じらんない!」カアァッ
フィアンマ「wwwwwwwwwwwwwwwwww」
軍覇「すげぇ根性だなあの兄ちゃん」
~ドキュメンタルルーム~
青ピ「一個しか行けんのやったら、やっぱり僕がやりたいんはコレやな」
青ピ、上条のねんどろいどを手に取る。
垣根「それはムズイだろ。形状的に」
一方通行「肛門切れるンじゃねぇか?」
上条「…………………フゥー」
浜面「待てオイ! 絶対それは入れるな! 肛門切れるって言ったよな? 絶対入れんなよ!?」
青ピ「でも入り口念入りにほぐしたらイケるんちゃん?」
土御門「グダグダ言ってても始まらないぜい。やるんならやろう」
青ピ「よし。ほんならちょっと待ってな!」
青ピ、ゴム手袋を交換し、ローションをたっぷり着けて浜面の肛門に触れる。
浜面「おほぉぁ?! おい、も、もうちょい優しく……」
海原「グッ」
青ピ「いやあもう、ホンマにちゃんとほぐしとかんと……」ぐいっぐいっ
浜面「アァッ! ダメッ、ちょ、そんな……」
一方通行「クネクネすんな気色悪ィ」
垣根「ハァ………」プルプル
上条「どんだけハードコアな絵面だよ」
青ピ「……よし! それじゃあ行くでー」
青ピ、上条のねんどろいどを肛門に挿入する。
浜面「ングッ。な、何これ……何かゴリゴリ感が凄いんだけど……」
青ピ「おおスゲェ! 入ってる入ってる」ヌルヌル
土御門「思ったんだけどよ、最後アナルから放出する時、決め台詞言うってのはどうだにゃー?」
垣根「あ、それいいな。元々屁こき決め台詞だったわけだし」
上条「でも浜面の決め台詞って結構あるよな?」
浜面「そ、そうだな……自分で言うのは何だけど、『負け犬上等』とか、『楽勝だ超能力者』とか……あと『空から落ちてくる系のヒロインです』とか」
土御門「じゃあ、『アナルから落ちてくる系のヒロインです』で行こう」
上条「………………ッ」
海原「フゥ……………」プルプル
一方通行「ヒロインじゃねェよそンなの」
青ピ「これで……よし! 全部入ったで!」
青ピ、手を離す。
浜面「うわっ、もう異物感が凄い!」
土御門「いいか浜面? 『アナルから落ちてくる系のヒロインです』だからな」
青ピ「よーい、はい!」
浜面「……アナルから落ちてくる系のヒロインです」キリッ
上条「………………………」
浜面「………………アレッ?」
青ピ「え?」
浜面「何か……ちょ、抜けないんだけど」
青ピ「ガッ」
海原「ッ!」
土御門「んんッ! ん、んんっ!」
垣根、土御門、海原、浜面に背を向けて場を離れる。
浜面「ほら! だから言ったじゃん!無理があるって! ヤベェよこれどうすんのどうすんだよ! どうしたらいいんだよ!」
浜面、肛門を抑えて机の周りを走り出す。
上条「オホンッ! ゲホッ!ゲホッ! ヴェホッ!」
垣根「ェッーイ!ェッーイッ!」
垣根、両腕を振りながら、宙を仰いで叫ぶ。
一方通行「ウッセェよお前ら!」
浜面「ヤバイヤバイヤバイ! どうすればいいんだよ! このままだと願い事がケツに詰まったコイツを取ってくださいになるって!」
一方通行「お、お前もウルセェんだよ! 喚き散らかすなみっともねェ!」プルプル
土御門「一方通行、取ってやれよ」
一方通行「ハァッ?!」
青ピ「そ、そうや。ベクトル操作やったら何とかなるやろ」プルプル
一方通行「頭おかしいンですかァッ
!? ベクトル操作ってことは素手でコイツのケツの穴触るってことだろうが!」
垣根「保護膜あるんだから汚れねぇだろ。屁こき決め台詞もやってねぇんだし、お前だけ綺麗なままでいようなんて、そうはいかねぇよ」
浜面「お願いだ一方通行! ベクトル操作してくれ!」
浜面、肛門を一方通行に向ける。
一方通行「ふざけンなおま……オエッ」
上条「フンッ! フンッ! あー! ンッ!」
上条、更衣室の方に逃げながら腹から声を発する。
垣根「ほ、ほら、早くしてやれって」プルプル
一方通行「テメェら全員スクラップにするぞコラァッ! こンなもン……オエッ、ヴェェェァッ!」
垣根「ンーッ! フッ、ハァッ!」
海原「あの、ホントやるなら早く」プルプル
土御門「ッ…………ガッ…………」
土御門、舌を噛みながら腹を抓る。
一方通行「やるわけねェだろォッ! 何だ何だよ何なンですかァッ?! 一体どうすれば満足して」
浜面「…………あっ、ちょっと待て」
一方通行「アァンッ?!」
浜面「………………楽勝だ、超能力者」
ズルッ
※肛門から上条のねんどろいどの頭が姿を現わす。
一方通行「……ングブッ」
ブッー! ブッー! ブッー!
上条「wwwwwwwwwwwwwwww」
垣根「おー!wwwwwwwwwwwwついにwwwwwwww」
土御門「スゲエwwwwwww完璧なタイミングだったぞwwwwwwwwwwww」
一同拍手。
浜面「あー、やっと出てきた……」ホッ
バタンッ
アレイスター「……素晴らしい。浜面、やっぱりお前は真のヒーローだ」パチパチパチパチ
一方通行「ケツの穴からねんどろいど捻り出す奴の何がヒーローだクソボケェッ!」
アレイスター「何はともあれ、一方通行、イエローカード!」
海原「まああれは笑いますよね。凄すぎますよ」
アレイスター「ただ、ゾンビルームの御坂はガチギレしてたけどな」
土御門「wwwwwwwwwwwwww」
垣根「だろうなwwwwwwwwwwww」
上条「アイツ居たら絶対にできなかったな」
アレイスター「さあ! そろそろ半分くらいだ! 気を引き締めて、頑張ってくれ!」
バタンッ
一方通行「浜面ァ、お前終わったらマジで覚えてろよ?」ビキビキ
浜面「ちょ、ちょっと待てって! 戦犯は俺だけじゃないだろ!」
青ピ「でもこれで、ポイント爆稼ぎしたでこの人」
上条「優勝争いに一気に乗り込んできたな。てか、最初ケツの穴にねんどろいど入れようとしたのって誰?」
青ピ「あ、それはツッチーの指示で」
一方通行「元凶はテメェかコラァッ! 覚悟しとけよクソ野郎!」
土御門「まあまあ、お陰で面白いもの見れたし良かっただろ」
垣根「チッ、コイツも油断できねぇな」
~モニター室~
アレイスター「嵐が去ってまた、何が来るのか、面白いものを見せてくれよ?」
ーRe STARTー
[3:13:19]
ーーーTo Be Continued
前編はここまでです! 読んでくださった方々、ありがとうございます! 本当は3期が公開する前に前後編共に終わらせる予定だったのが、大幅に狂い今に至りました。
が、しかし! レールガン3期、一方通行が公開決定ですよ! というわけで、その記念も兼ねて後編を送りたいと思います。
次回からゾンビタイム!
↓こちらに続きます。
上条「ドキュメンタル?」後編
上条「ドキュメンタル?」後編 - SSまとめ速報
(https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1538998689/l30)
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