魔王「この世界は悲しみに満ち溢れている……!私を倒しても第二、第三の魔王はすぐに誕生するであろう……」
魔王「そしていくら貴様が強く、そして正しかろうが百年後にはもうこの世にはいない!」
魔王「貴様ら人間は逃れようの無い闇となぜ戦おうとするのだ?勝ち目など微塵もありはしないぞ?」
魔王「答えろ勇者よ!」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「……」
勇者「……」
魔王「……では答えろ勇者よ!」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「……」
勇者「……」
魔王「……」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「……」
勇者「……」
魔王「…………まだ溜めるのか?」
勇者「はい ▼いいえ」
魔王「では今すぐに答えてもらおう!」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「……」
勇者「……」
魔王「…………答えが出ないのなら無理に答えなくても良いぞ?」
勇者「はい ▼いいえ」
魔王「……そうか」
勇者「……」
魔王「……」
勇者「……」
魔王「……言いにくい事なのか?安心しろ、この魔王城での会話は例え神であろうと伺い知ることは出来ない。
そして私も絶対に誰にも話さないと約束しよう。これなら安心だろう?」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「そうか。なら答えてくれ……」
勇者「……」
魔王「…………もしや貴様…はいかいいえしか喋れないのか?」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「やっぱり!!……薄々勘づいてたけどやっぱりそうか!!!」
魔王「ならばもっと早く言わぬか!何だったんださっきの無駄に気まずい時間は!!」
勇者「▼はい いいえ」
魔王「…そうかそれを伝える術すらお前は持たぬのだったな……」
魔王(くっそー……この問答ずっとやってみたかったんだけどなぁ……答えのパターン百通りくらい予想して、格好いい切り返しを毎晩考えてたんだけどなぁ……)
勇者「……」
魔王(だが勇者のあの熱い瞳……確実に何か己が信じる主張を持っている目だ。それを私に伝える手段さえあれば……)
魔王「! そうだ!筆談だ!文字に起こせばいいではないか!」
勇者「……」
魔王「ええーと、確かここに……勇者よ!答えをこの裏紙に書いてくれ!!」
勇者「▼はい いいえ」
魔王(よし!多少不格好だがこれでようやく……)
勇者「……」カキカキ スッ
『▼いえ は いい』
魔王「…………家は良い?」
END
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