課長「明日から忌引きで休みたいのか?」
男「はい。今し方実家のほうから連絡が来て…母が息を引き取ったみたいです」
課長「そうか…気の毒だな」
男「ありがとうございます。だいぶ前から容態が悪化していたので覚悟はしていたのですが…」
課長「どのくらい休むんだ?」
男「明後日の告別式が終わったら戻るつもりでいます」
課長「わかった。 部長と総務には俺から伝えるから心配するな。 あと、いまから帰って実家に帰る準備しろ。田舎長野だから遠いだろ?」
男「すみません。ありがとうございます」
課長「おう。あと夕方から雨降るから気をつけろぉ!」
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車のトランクに荷物を押し込み、キーを回した時に雨は降り始め、長野安曇野のに着いたころには土砂降りになっていた。
実家には兄貴の白軽トラと名古屋ナンバーの姉貴のセダンが泊まっていた。軒先には盆提灯が吊るされていた。
兄「お、おう!やっと着いたか。お疲れ様。とりあえず上ってゆっくり休めよ。積もる話もある」
兄貴の案内で二階の和室に上がった。かつて、そこは自分の部屋だった。
兄「さっき姉貴が死化粧をして納棺が終わったところだ。とりあえず明日の通夜の準備は大丈夫だ。」
男「そっか。全然手伝えなくて申し訳ない」
兄貴はおもむろに一升瓶をだし、紙コップに注いだ。
兄「飲め」
こういう時は完敗みたいに一気に飲むものじゃぁないよな…そう思いながら一口だけ口をついた、
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