◇


提督「ビールに枝豆、高校野球」

提督「夏の楽園だな。心が浄化されていくわ」

黒潮「たこ焼き出来たでー」

提督「最高かよ」

黒潮「浦風は何飲む？」

浦風「ウチ烏龍茶で」

黒潮「ほな、ウチもそうしよ」

提督「龍驤はビールでいいよな」

龍驤「しゃーない、付き合おか」

◇


黒潮「第二試合はどこなん」

龍驤「長崎日大と前橋育英」

浦風「ヤバイ」

提督「これまたヤバイ」

龍驤「めっちゃ面白そう」

黒潮「ウチ、何か興奮してきたわ」

◇


龍驤「せやけど高校球児も大変やで」

黒潮「こんな炎天下で試合やもんな～」

提督「すごいなー、偉いなー」

龍驤「そういやキミって部活してたん」

提督「おう、勿論やってたぞ」

黒潮「野球部やったん」

提督「いや、サッカー部だったな」

浦風「サッカー部！？」

黒潮「ええやん！」

龍驤「何や、モテてたやろ」

提督「いや、全然。男子校だし」

浦風「男子校かー」

黒潮「そらアカンな」

龍驤「モテてたら逆にヤバイわ」

提督「モテなかったけど、まあ楽しかったぞ」

提督「フリチンで歩いたり、パンツ一丁で踊ったり」

提督「毎日みんなでバカな事ばかりやってたな」

秋雲「話は聞かせてもらったよ！」ｶﾞﾗｯ

秋雲「部室に集うイケメンの男子校生」

秋雲「ほとばしる汗とむせかえる汁の匂い」

秋雲「絡みつく視線に荒く乱れる息づかい」ﾊｱﾊｱ

秋雲「鍛え上げた肉体と欲情を熱くぶつけ合う雄の」ﾊｱﾊｱ

提督「うん、よし落ち着け」

秋雲「ホモが嫌いな女子なんていないんだよ！」ﾊﾞﾝｯ!

提督「言い切っちゃったよ、この子」


◇


提督「お前ら、ちゃんと妹を教育しとけ」

黒潮「ちゃうねん」

浦風「秋雲はちょっと特殊なんよ」

◇


龍驤「しかし四人やとちょっち手狭やな」

浦風「そう？」

黒潮「全然平気やで」

提督「よし龍驤、膝の上に乗るか？」

龍驤「何でやねん」

龍驤「やっぱ執務室で観た方が良かったかな」

提督「いや、執務室は駄目だ。鬼淀が常駐してるからな」

龍驤「鬼淀て」

提督「しかも毎日大井が巡回に来る」

浦風「大井さん？」

黒潮「毎日って、何で？」

提督「知らん。用もないのに毎日来ては、何かしら怒って帰っていく」

浦風「あっ……」

黒潮「それってもしかして……」

提督「休暇中とはいえ、昼間からビールなんか飲んでたら何と言われるか」

浦風「提督さんは毎日みんなの為に頑張ってくれとるんじゃ」

浦風「少しくらい休んでもバチは当たらん」

浦風「誰かに何か言われても、ウチらがちゃんと庇うたる」

浦風「今日くらいなーんも考えんと、ゆっくりしたらええんじゃ」

提督「浦風」

浦風「ん？何ね」

提督「ママって呼んでいいか」

浦風「は、はあっ！？何ね、それ」

提督「あー、落ち着く」ﾎﾟﾌｯ

浦風「こ、こらっ、どこに顔埋めよるんねぇ ///」

◇


龍驤「熱戦続きやな」

提督「第三試合は」

龍驤「日本文理vs高知」

提督「シブイな」

浦風「玄人好みじゃ」

黒潮「今年は明徳負けたんやな～」

◇


黒潮「たこ焼き追加やで～」

提督「よっ、待ってました」

黒潮「今回はすごいで～」

黒潮「名付けて、ミラノ風たこ焼きやー」

提督「何これ、旨そう」

黒潮「チーズとピザソースたっぷりや」

浦風「うわ、これ美味しい」

龍驤「中身はソーセージとポテトやな」

黒潮「こっちのはエビとアスパラや」

龍驤「こういうのもええな」

提督「ビールもいいけどワインが欲しくなるな」

龍驤「赤ならあるで」

提督「おおっ、マジか」

龍驤「じゃんじゃんいってみよー」

ポーラ「話は聞かせてもらいました～」ｶﾞﾗｯ

黒潮「あ、ポーラさん」

浦風「たこ焼き食べますか」

ポーラ「タコヤーキですか～？」

ポーラ「美味しいですね～」ﾊﾌﾊﾌ

ポーラ「チーズはトロトロで生地はカリッと」

ポーラ「中のエビもプリプリです～」

ポーラ「これはもう、飲むしかないです！」ｸﾞｲｰｯ

ポーラ「飲むしかないです！飲むしかないです！」ｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞ

提督「またコイツはすごいペースで……」

ポーラ「美味しいです～」ｺﾞｸｺﾞｸ

ポーラ「暑いです～」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

ポーラ「服が邪魔ぁ！！」ｽｯﾎﾟﾝﾎﾟｰﾝ!

提督「こら馬鹿、ここで脱ぐな」



◇



ザラ「ご迷惑をおかけしました。連れて帰りますね」

提督「お、おう……」

浦風「ザラさん強い」

龍驤「暴れるポーラをワンパンで眠らせたで」

提督「ポーラ息してないんだけど大丈夫かな……」

◇


提督「あー、少し眠くなってきたな」

龍驤「そらこんだけ飲んでたらな」

提督「ちょっと昼寝しようかな」

浦風「そういや第四試合は」

龍驤「履正社vs敦賀気比」

黒潮「アカーン！」

浦風「これはまた、すごいカードが来たねぇ」

黒潮「こんなの決勝やん」

提督「寝れねぇじゃねーか」

◇


提督「酔い醒ましに冷たいもん食うか」

浦風「ウチ、アイス食べたい」

黒潮「アイスええなー」

提督「買い置きはないよな」

龍驤「流石にアイスはないなー」

浦風「ウチちょっと買ってくる」

提督「外、暑いぞ」

浦風「ええよ、ちょっとくらい」

提督「じゃあ、ほら、金」

浦風「えっ、こんなに？」

提督「好きなもん何でも買ってこい」

浦風「太っ腹じゃねー」

提督「言われてますよ黒潮さん」

黒潮「司令はん、ぶん殴るで」

黒潮「あんな、言っとくけどウチ全然太ってないから」

龍驤「せやなー」

浦風「ほうじゃほうじゃ、黒潮は太ってない」

浦風「ぽっちゃり系じゃ」

黒潮「ぽっちゃり違うで」

浦風「マシュマロ女子じゃ」

黒潮「悪化しとるやん」

黒潮「これ見て、これ！」ｻｯ

提督「何だこれ」

黒潮「ウチの未来予想図」

提督「はあ？」

龍驤「改二の写真か？」

黒潮「隣の鎮守府から貰ってきてん」

提督「ああ、そういやあそこの黒潮は練度が高かったな」

龍驤「どれどれ……」

提督「……」

龍驤「……」

提督「無理」

龍驤「絶対無理」

黒潮「無理ちゃう！改二になったらこうなるんやから！」

龍驤「何やの、この超絶美少女は」

提督「こんなの別人じゃねーか」

黒潮「司令はん、今のうちにウチに優しくしとった方がええで」

黒潮「綺麗になってから黒潮ちゃん大好きとか言っても遅いんやからな」

提督「ええぇ～？」

提督「いや、これ絶対ウソだろ」

龍驤「こんなの美少女戦隊の隊長やで」

黒潮「ん～？どやどや、見直した？」

提督「まあ、浦風の姉だからな」

提督「確かに美人の素質はあるわな」

龍驤「司令官、優しくしとき」

龍驤「この子は化けるかもしれんで」

提督「マジか」

龍驤「とりあえず痩せればの話やけどな」

提督「よし黒潮、お前アイス禁止な」

黒潮「何でやねん！優しくせぇ言うとるやん！」

提督「痩せるのが先決だ」

黒潮「だから太ってないっちゅーねん！」