モバP「あれ?紗枝はまだ来てないのか?」 (31)


肇「あ、おはようございます、Pさん」

P「おはよう肇。紗枝が俺より遅いなんて珍しいな」

肇「そのことなんですけど……」

P「もしかして休みとか?連絡もらったのか?」

肇「いえ、来ていると言えば来ているんですが……」

P「ん?なんかあったのか?」

肇「……見てもらった方が早いかと」

P「???」


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???「はじめおねーさん、このおっちゃん、だれ?」

P「まだおっちゃんって年じゃないわ!」

肇「この人はPさん、私たちのプロデューサーだよ」

???「!じゃあ、こんひとが!えと、おせわになっとりますー」フカブカー

P「あ、これはご丁寧に……誰このちんまい子。誰かの妹さん?」

肇「紗枝ちゃんです」

P「……は?」

肇「……たぶん」

P「たぶんて……え、どういうこと?」

肇「だって本人が……」

紗枝?「うち、こばやかわさえ、いいます。ごさいです。よろしゅう、おたのもうします」

肇「って」

P「えぇ……」


肇「私が来た時には、もうこうなってまして」

P「じゃあ原因もわからないのか」

肇「いえ、それはなんとなく」

P「あれ、そうなの?」

さえ「えっとな、うちがここでおきたときな、おねーさんおったんよ」

P「お姉さん?、肇のことか?」

さえ「んーん、はじめおねーさんやないひと」

肇「お姉さんって呼ばれるの、いいですね……」

P「……どうした?」

肇「あっ……こほん、何でもありません」

P「……そう」


さえ「そんひとが、あとから……えっと、ぷ、ぷろりゅーさー?ってひとがくるーいうてな?」

P(言えてない)

肇(舌っ足らずでかわいい……!)

さえ「そんひとは、うちらのおとーはんみたいなひとやから、ちゃんということきくんやでーって」

P「おっ、お父さん!?」

肇「ま、まぁ確かに、私たちの面倒も見てくれてますし……」

P「……ちょっと、どきっとした」

肇「!?」

P「……娘ができるって、こんな感じなのかなぁ」

肇「……Pさん?」

P「おっと、つい」

肇「しっかりしてください」

P「……肇だっておねーさんって言われて喜んでたじゃん」

肇「うっ……」


さえ「ほんでな、なんやおくすり?つくってくるーいうて、でてってしもたんよ」

P「……あー」

肇「やっぱり、そうですよね?」

P「たぶんなぁ……はぁ……またあいつか」

さえ「?」

肇「ちなみにだけど、そのお姉さん、どんな人だったか覚えてる?」

さえ「なんや、ねこみたいなひとやった」

肇「ねこ?」

さえ「『にゃはははー』ってわらっとった」

志希「にゃはははー!おっはよー!プロデューサー!」

P「こんな感じか?」

さえ「こないなかんじに」

P「肇、確保だ」

肇「はい!」

志希「あ、やば」


さえ「うちもやるー!えいやー!」

志希「紗枝ちゃんまで!?」

肇「Pさん!捕まえました!」

さえ「ました!」

P「はいありがとう。おはよう志希、何か申し開きはあるか?」

志希「あー……やっぱもうバレちゃってる感じ?」

P「むしろよくバレてないと思えるな」

志希「にゃははは……」

P「で、なんで紗枝がこんなかいらしくなっちゃったの?」

志希「今回は川島さんのお願いでね」

P「今度は川島さんかよ……どーなってんのうちの大人組」


志希「お肌を若返らせるお薬ってない?って聞かれたの」

P「あの人いつもアンチエイジングやってるんじゃないのか」

志希「写真集の仕事が入ったんだけど、最近忙しくてお肌が荒れ気味だったんだって」

P「あー……、まぁここんとこはちょっとキツめのスケジュールだしな」

肇「川島さん、今度のライブの準備で大忙しですからね」

さえ「らいぶ?」

肇「歌って踊るんだよ」

さえ「!うちも、うちもな!おけーこしとるからおどれる!」

P「おー紗枝も踊れるのか、えらいぞー」ナデナデ

さえ「えへへー」

肇「はうぅ……かわいい……」

P「癒されるなぁ……」

志希「……話、続けていいかな?」

P「……すまん、頼む」


志希「志希ちゃん天才だから、すぐにブツはできたんだけど」

P「ブツとか言うな。ほんとなんでそんなもんがポンポン作れるかね」

志希「やっぱクライアントに渡す前に一回人体実験しないとって思って」

P「人体実験って言った?」

志希「そんで今朝早くに来てみたら、紗枝ちゃんがいたからさ。協力してもらったの」

P「……紗枝がよく協力したな」

志希「もちろん、本人にはナイショだよ♪」

P「おい」

志希「でも紗枝ちゃんやっぱいい勘してるね。お茶に入れて渡したら『なんや変なモン入っとるんちゃいます?』って。ひどくない?」

P「日頃の行いだろ」

肇「実際入ってますしね……」

志希「だから、何にも入ってないよーって同じお茶飲んで見せてさ。警戒を解いたわけ」

P「お前もそこで体張るなよ……あれ?お前も飲んだの?」

志希「うん!見て見て!お肌すべっすべでしょー」

P「……あ、ほんとだ」


肇「でも志希さんも同じものを飲んだんなら、なんで紗枝ちゃんだけ縮んじゃったんですか?」

P「効き目には個人差があるとか?」

志希「そんなんじゃ意味ないでしょー。ちゃんと誰に対しても同じ効果出るように作りましたー」

P「でも実際紗枝には効きすぎてるじゃん」

志希「それは別の薬の効果だよ」

P「は?」

志希「お茶請けにって羊羹も出してあげたんだけどね、そっちには促進剤入れておいたの」

P「なんでそんな余計なことするんだよ」

志希「だってあたしも飲むんだから、色んなパターンのサンプル欲しいじゃない」

P「効果あるだけわかりゃ十分だろが」

志希「それじゃ満足できないの!あたしの科学者としての本能が!」

P「お前いっつも本能でしか動いてないだろ!」

志希「そんなこと!……あるかも!」

肇「そこは否定してください……」


志希「でもねでもね、本当はこんなに効くはずじゃなかったんだよ」

肇「どういうことですか?」

志希「促進剤は確かに入れたけど、ここまで効果が大きくなるものじゃなかったの。一本まるまる食べない限りは」

肇「……えーっと、つまりは……」

志希「ちょっとお手洗い行ってた間にねー。まさか紗枝ちゃんがそこまで食いしん坊だったとは、さすがの志希ちゃんもびっくりだよ」

P「羊羹って一本まるごと食うもんじゃないだろ……」

志希「美味しかったんだろうね!周子ちゃんからもらった高いやつだったし!」

肇「あ、塩見堂の……なるほど」

P「『じゃあ仕方ないか』みたいな顔しないでくれる?」

志希「素材にはちゃんとこだわるタイプです!」

P「そんなところにまでこだわるなよ」


志希「さすがにこれはまずいと思ってねー。色々準備してきたわけ」

P「それで志希が帰ってる間に俺たちが来たわけか」

志希「もー少し来るのが遅かったら、完璧に偽装工作して失踪してたんだけどにゃー……」

P「治しにきたんじゃないのかよ」

肇「ここで取り抑えられてよかったですね」

志希「……まぁいっか。とりあえず、はいこれ」

P「これは……?」

肇「紗枝ちゃんが言ってた薬……ですかね」

P「解毒剤みたいなもんか?」

志希「んーん?飲むのはプロデューサーだよ?」

P「なんで俺?紗枝を治す薬だろ?」

志希「違うよ、記憶をすこーしブッ飛ばすやつ」

P「物騒なもん渡すな」

志希「はい、あーん♡」

P「飲むと思うか?」

志希「じゃあどうやってお願いしたら飲んでくれる?」

P「頼み方の問題じゃねぇ!」

志希「にゃはははー、ジョーダンジョーダン♪」


P「まぁ、事情はわかった。とにかく今日の予定をなんとかしないと……あー、なんか頭痛くなってきた」

志希「やっぱ飲んどく?楽になるよー」

P「いらんわ」

さえ「Pはん、あたまいたいん?なでなでしよか?」

P「なでなで?」

さえ「うちのおかあはんがな、いたいところはなでなでしてくれとったんよ」

P「……頼んでいいか?」

さえ「はいなー」ナデナデ

P「あぁ……癒される」

肇「……いいなぁ」

志希「やっぱこのままで良いんじゃない?」

P「……それとこれとは別」

志希「今ちょっと考えたでしょ」

P「……黙秘」


志希「じゃあ、そろそろ放してくれるかな?時間もないし」

P「時間……?あ、やべ。紗枝の今日の予定って」

肇「確か、雑誌の撮影のお仕事があるって……」

P「まずいな、先方に連絡しないと……」

志希「何て連絡するの?紗枝ちゃん縮んじゃっていけないから休みまーすって?」

P「事情が事情だし仕方ないだろ」

志希「だからって仕事のドタキャンはさすがにまずいでしょ。いいよ、あたしが行ってくるって」

P「……まじか」

志希「色々準備してきたって言ったでしょー。もう向こうさんにも了承もらってるよ」

P「志希、お前……」

志希「さすがに今回はあたしも責任感じてるから、ね」

P「……成長したなぁ」ホロリ

志希「だから、プロデューサーは気にしなくていいよ。紗枝ちゃんの面倒見てあげてて」


肇「わ、私も行きます!」

志希「だーいじょうぶ、肇ちゃんも一緒に遊んでてあげてよ。懐いてるみたいだし」

肇「で、でも……」

さえ「はじめおねーさん、うちとあそんでくれるん?」

肇「あ、あぅ……」

志希「そうだよー、肇おねーさんと、プロデューサーのいうことちゃんと聞いて、いい子にしてるんだよー」

さえ「はいな!」

志希「ってことだから、あとはよろしくね」

P「……すまんな、志希」

志希「じゃあ、ほんとに時間ないから、もう行くねー」

P「あぁ、しっかり頼むぞ!」

肇「いってらっしゃい!」


P「さて、じゃあ何して遊ぶか」

さえ「Pはんもあそんでくれるん?わーい!」

肇「Pさん、お仕事はいいんですか?」

P「さすがにこの状態じゃな。肇一人に任せるのも悪いし」

肇「……本音は?」

P「少しでもこの状態の紗枝を堪能したい」

肇「もうちょっと取り繕ってください……」

さえ「?」

P「なんでもないぞー。ほら、何して遊びたいんだ?」

さえ「えっとな、えっとな!かくれんぼと、まりつきと、おにごっこと……」

P「よしよし、一個ずつやってこうなー」

さえ「うん!」

肇「……まったく、仕方ない人ですね」

P「ほら、肇もやるぞ!」

肇「……はーい!」


~数時間後~



さえ「……ZZZ」スピー

P「……気持ちよさそうに寝ちゃってまぁ」

肇「そうやっておぶってるところ、本当にお父さんみたいです」

P「子どもの体力ってすごいのな、最後はついてくのが大変だったよ」

肇「それはちょっと、おじさんみたいです」

P「手厳しい」

肇「Pさんも、少し運動した方がいいんじゃないですか?朝のランニングとか、付き合いますよ?」

P「……考えとくよ」

肇「でも、紗枝ちゃんも本当に楽しそうでしたね」

P「紗枝って、小さい頃はお転婆だったんだな」

肇「ちょっと意外でしたね」

P「今でこそ厳しそうなご両親だけど、この頃はのびのびと育てられたんだろうなぁ」


肇「でも、ちゃんと元に戻るんでしょうか」

P「大丈夫なんじゃないか?本来そこまで強くない薬だって言ってたし」

肇「だといいんですけど……」

P「それにいざとなったら志希がなんとかしてくれるだろ」」

肇「……なんだかんだで、Pさんも志希さんのこと信頼してますよね」

P「……そりゃ、一応自分の担当だしな」

肇「ふふっ、照れなくてもいいですよ」

P「……照れてない」

肇「そういうことにしてあげます」

P「……むぅ」

さえ「ん~……」ムニャムニャ

P「おっ、起きたか?」

肇「いえ、寝言みたいですね」


さえ「…………Pはん……はじめおねーさん……だぁいすきやでぇ…………」

P「」

肇「」


P「……肇」

肇「……はい」

P「俺、このままでもいいかも」

肇「はい」

ちひろ「いいわけないでしょう。なに言ってるんですか」

P・肇「あっ」


ちひろ「まったくもう!また志希ちゃんの薬ですか!?どうしてPさんのところは……!」

肇「まっ、待ってくださいちひろさん!」

P「紗枝が起きちゃうから、向こうで話そうか、母さん」

ちひろ「か、母さ……!?わたしはまだそんな歳じゃ……!」

P「ほらほら、娘たちが見てるから。悪いな肇、あとは頼むぞ」

肇「はい、いってらっしゃーい!」

ちひろ「ま、待ってください!だいたいあなたはいつもいつも……!」

P「まぁまぁ、落ち着けって母さん」

ちひろ「そのキャラなんなんですか!!?」

さえ「……ZZZ」


~翌日~


紗枝「……………………」カオマッカ

P「おはようございまーす」

紗枝「!?」ビクゥ

P「おっ、おはよう紗枝。よかったな、元に戻れたのか」

紗枝「……」カァァ

P「……紗枝?もしもーし」

紗枝「……………………」

P「……顔、真っ赤だぞ?」

紗枝「……何も聞かんといて……今日はほっといて……」


肇「おはようございます、Pさん」

P「おう、おはよう肇。紗枝、戻れたんだな」

肇「はい、昨日お風呂に一緒に入った時に」

P「風呂で?」

肇「湯船に浸かったら、少しずつ大きくなりました」

P「……そんな増えるわかめみたいな……」

肇「でも、小さかった時の事もはっきり覚えてるみたいで」

P「あぁ、なるほど。それで恥ずかしがってんのか」

肇「今朝だって大変だったんですよ?『今日は休むー!』って言って、部屋に籠って出てこなかったんですから」


紗枝「せやかて!あないなはしたないとこ見られて!あぁもう嫌やわぁ……お嫁にいかれへん……」

P「別に気にすることないのになぁ」

肇「とってもかわいかったですからね」

紗枝「もう堪忍してぇ……いけずな人は嫌いや……」

P「昨日は大好きだって言ってくれたのに?」

肇「ねぇ」

紗枝「……は?なんやのそれ、うち知らんよ……?」

肇「昨日疲れて寝ちゃった時に、寝言で言ってたんだよ」

紗枝「」

P「あれはかわいかったなぁ……」

肇「かわいかったですね……」

紗枝「」


志希「ぐっもーにんえぶりわーん!今日もご機嫌だねー!」

P「お、来たな元凶」

肇「おはようございます、昨日はありがとうございました」

志希「それ、何のお礼かにゃー?」ニンマリ

肇「あっ、いえ、深い意味は……」

紗枝「……おはようさんどす~。昨日はえらい世話になりましたなぁ」ピキピキ

志希「ちゃんと戻れてよかったねー、紗枝ちゃん♪」

紗枝「良いわけあらへんやろ!」

志希「羊羹、美味しかった?」

紗枝「大変美味しゅうございました!おかげさんでえらい目に合ったわ!」

志希「いやー大はしゃぎだったね紗枝ちゃん、いいもの見られたよー」


P「あれ?志希仕事いってたろ。なんで知ってるんだ?」

志希「そりゃ、実験結果は観察しないといけないからね。カメラ、仕掛けておきました!」

P「アイドル事務所に隠しカメラって正気かお前」

志希「昨日のデータあるよ?いる?」

P・肇「」ピクッ

紗枝「消して!!志希はん!!後生やから!!今すぐ!!」

P「まぁ落ち着けって紗枝」

肇「そうだよ紗枝ちゃん」

紗枝「せ、せやけど!」

P「大丈夫だって。悪いようにはしない」

紗枝「……Pはん?」

P「肇、紗枝抑えといて」

肇「はい」ガシッ

紗枝「肇はん!?」




P「で……いくらだ?」

肇「私の分もお願いします!」

志希「話が早いねぇ♪」

紗枝「あほーーー!!!いけずはみんな嫌いやーーー!!!」




おしまい

以上になります。

久しぶりに書きました。
ロリ紗枝ちゃんのセリフはひらがなばかりで読みづらいかもしれません。
ご容赦ください。


HTML化依頼出してきます。
ありがとうございました。

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