千川ちひろ「ちくせきーーっ!!」 (42)


キャラ崩壊気味です。

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ちひろ「お邪魔しまーす…」


P「どうぞどうぞ」


ちひろ(ここがPさんの部屋…意外と片付いてるんだ…)


P「ま、適当に座ってください」


ちひろ「は、はいっ」


P「いやー、今月はいつにも増して忙しかったですねー」


ちひろ(あ…あの写真、学生時代の時のPさんかな。…ちょっと、可愛いかも)


P「ちひろさん?」


ちひろ「え!? ああ、はい! そうでしたね!」


P「大丈夫ですかボーッとして…? 疲れが溜まってるんじゃ」


ちひろ「大丈夫ですよ、ええ。Pさんこそ、お疲れじゃないんですか?」


P「俺はまあ慣れてますから」


ちひろ「そうやって油断している時がいちばん危ないんですよ。Pさんは頑張りすぎる時がありますから」


P「はは、流石女房役、よく見てますね」


ちひろ「そ、そうですよ。女房役ですからね」


P「いやー、でもちひろさんがいてくれて助かりますよ。同期だから仕事の連携も取りやすいですし、いつもすごいなって」


ちひろ「それを言うなら、プロデューサーとして頑張ってるPさんこそすごいなって思って見てますよ?」


P「嬉しいなあそう言ってもらえると」


ちひろ「本心ですよ?」


P「こっちもです。これからもよろしくお願いしますね!」


ちひろ「ふふ、はいっ!」


P「…」


ちひろ「…?」


P「…あの、ですね」


ちひろ「! はいっ!」


P「実は…ちひろさんにお願いしたいことがあるんです」


ちひろ「は、はい」


ちひろ(え、え、え!? これって、この雰囲気って…そういうことですかPさん!?)


P「ちょっと待っててくださいね。出してきますから」


ちひろ「! はい!」


ちひろ(ま、まさか…結婚指輪!? そんないきなり!?)


ちひろ(でも…そうよね。お互いもう四捨五入したら三十路だし…三十路、三十路かあ…)


ちひろ(アイドルでもない、しがないアシスタントに過ぎない私に両親や親戚は言いました。「アイドルでもないんだから、恋愛禁止されてるわけじゃないんだろう?」)


ちひろ(ええ禁止されていませんともいつでも解禁されてましたとも厳密にはアイドルも禁止されてはいませんけれども)


ちひろ(でもお仕事でいっぱいいっぱいの私には恋にうつつを抜かしてる時間はありませんでした。アシスタントだけでなく販売員としてのノルマを達成する為に頑張ってお仕事をしていただけなのに、鬼だの悪魔だの陰で言っている人もいるとかいないとか)


ちひろ(でも! いつでもPさんはそんな私のことをわかってくれました! 優しい言葉をかけてくれました! そんなPさんにいつしか恋してしまいました!)


ちひろ(私の片想いだと思って、それでも振り向いて欲しくて、社長に頼んでデスクを隣にしてもらったりドリンクを差し入れしたり一緒にお食事に行ったり…)


ちひろ(その努力が、今、実ります! お父さんお母さん! お盆は恋人…ううん、婚約者を連れて帰りますからね!)


P「あ、あったあった」


ちひろ「!」


P「すみませんお待たせして」


ちひろ「いえいえ!」


P「…実は、ちひろさんに渡したいものがあって」


ちひろ「はいっ!」ドキドキ


P「これ、なんですけど…」ペラ


ちひろ(か、紙? …と、いうことは、婚姻届ですね、Pさん! って…)


ちひろ「…え?」


P「いやー…驚きますよね…すみません」


ちひろ「いや、いや、いや。え?」


P「え…?」


ちひろ「え…?」


P「いや、俺の「え…?」に「え…?」で返されると、会話が終わっちゃうんですけど…」


ちひろ「あの……これは?」


P「領収書ですけど……?」


ちひろ「何の…?」


P「この前の出張の…ずっと渡そうとしてたんですけどなかなか言い出せなくて…すみません」


ちひろ「…」


P「あー…そりゃ、怒りますよね。すみません! 今度、ご飯奢りますし、スタドリもたくさん買いますから…」


ちひろ「…」


P「ちひろさん?」



ちひろ「っ! わーーーーー!!!!!」ベチーン!!!!!


P「えーーーーー!?!?!?」


ちひろ「もう知りません!!!!! 領収書の精算させる前に私のこの気持ちを精算させてください!!!!! わーーーーー!!!!!」


P「えーーーーー………?????」


ちひろ「…」スンスン


P「ち……ちひろさん、酔っていたとはいえ、ちょっと変ですよ…?」


ちひろ「…」スンスン


P「いいですか…? ちひろさんは今、領収書の精算を頼まれただけで同僚に手をあげたんですよ…?」


ちひろ「…」スンスン


P「…もう一度言いますよ? ちひろさんは今、領収書の精算を頼まれただけで同僚に手をあげたんですよ…?」


ちひろ「…」スンスン


P「ちひろさんは今ー」


ちひろ「ちょ、ちょ、待ってください!」


P「あ、顔、涙で。俺のハンカチでよかったら拭きますか?」


ちひろ「はい…」フキフキ


P「…ちひろさんは今ー」


ちひろ「え、また!? またそれ言うんですか!?」


P「だって」


ちひろ「だってもへちまもありますか! 今私とんでもない荒くれ者みたいじゃないですか!」


P「ちひろさんは今荒くれ者なんですよ!」


ちひろ「違いますよ! ここに至るまでに色んな流れがあったんじゃないですか!!」


P「いや、流れなんてなかったじゃないですか!領収書を出したらビンタされただけじゃないですか!」



ちひろ「だから!今日だけじゃなくて長年の蓄積ですよーーーーー!!!!!」


P「ち、蓄積…?」


ちひろ「Pさんっていつもそうじゃないですか! ずっと前から! Pさんとずっと一緒だったのに! それが当たり前だと思ってるからなーんにも気づいてくれないじゃないですか!? 」


P「ちひろさんがこの仕事を大好きなのはわかってますよ?」


ちひろ「仕事じゃないですよ私が好きなのは! いや仕事も好きですけどあーもう! !なんだお前!?」


P「何だお前って…」


ちひろ「今日だってPさんがご飯に誘ってくれて「もう少し飲みます?」って言うから! いつもよりおめかししてそれなりに覚悟を決めてきてるのに! 何でそこで領収書なんですか!?」


P「えっと、つまり、領収書で怒ってるんですか?」


ちひろ「いや、だから蓄積ですって蓄積! 今まで溜めてきた諸々のPさんに対する想いの蓄積が、たまたま領収書で爆発しちゃったんですよ! それも悪い方向に!!」


P「もっと他のタイミングはなかったんですか…?」


ちひろ「それ、知りません私もびっくりしてます!! 「なんで私領収書でこんなに爆発してるんだろ」って思ってますっ!!」


P「はあ…?」


ちひろ「…ていうかPさん何なんですか、ねえ? Pさん絶対私の気持ちに気づきませんね? ねえ? ねえ??それともアレですか?? 心ではわかっているけど理性で押し留めてる的なアレですか? 捨てちまいなさいそんな理性!!!!!」


P「な、なんで理性を捨てなきゃ…っていうか、なんで俺、こんなに怒られて」


ちひろ「蓄積ですよ? 今まで私の気持ちに気づかなかった蓄積が、今、私にこういう言い方をさせちゃってるんです。わかります??」


P「はあ…」


ちひろ「」イラッ


ちひろ「」ベチーン!!


P「いってぇー!?」


ちひろ「蓄積! 蓄積ですよ!? 今まで溜めた想いと怒りが、今私にこういう暴力を震わせちゃってるんです!!」


P「…」ポカーン


ちひろ「」イラッ


ちひろ「おいコラこのアイドルバカ!」


P「は、はい」


ちひろ「あなたこの部屋に私が来た時の会話で何て言いました? 「女房役」って言ったんですよ「女房役」って! え、逆に何であんな表現するんですか? それで私に気がないんですかええ!? コラ!! ボケ!! 鈍感!! アイドルバカーーーーー!!!!!!」


P「アイドルバカって…ただのものすごいアイドルオタクみたいじゃないですか! 流石に言いすぎ」


ちひろ「蓄積ですよ?? あなたの鈍感さが招いた蓄積が、今私にこんな暴言を吐かせてしまってるんです!! 」


P「…」


ちひろ「」ベチーン!!


P「へぶっ」


ちひろ「ちくせきっーー!!」


P「…」


ちひろ「…」


ちひろ「」ベチーン!!


ちひろ・P「「ちくせきっーー!!」」


ちひろ「何ハモってるんですか!? これは私の蓄積なんですよ!!」


P「す、すみません」


ちひろ「」ベチーン!!


ちひろ・P「「ちくせきっーーー!!!」」


ちひろ「だからハモんないでくださいよ!!」


P「なんか、楽しくなっちゃって」


ちひろ「何、楽しくなってるんですか!? 怒ってるんです、私は!!!!!」ベチーン!!


P「」


ちひろ「ちくせきっーーーー!!!!」


P「ち、ちくせき…」


ちひろ「私だって大好きなPさんにこんなことしたくないですよ!!!!! 」


P「わ、わかりました! わかりましたから!」


ちひろ「好きでやってるんじゃないですよ!?!?!? 蓄積に操られてるんですよーーーーー!!!!! 今の私は、蓄積が産んだモンスターなんですよっーーーーー!!!!!」


P「わ、わかりました! わかりましたから! 蓄積が悪いです! ちひろさんは天使です!!」


ちひろ「わーーーーーーん!!!!!」ポカポカ


P「ち、ちひろさん……ちひろさんってもしかして、俺のこと」


ちひろ「好きに決まってるじゃないですかー!!!! どこの世界に好きでもない人の為にデスクを隣にしてもらったりドリンク差し入れしたり隙あらば職務と称してコスプレしてあげたり職場で水かけっこして水着になってあげるアシスタントがいるんですかーーー!!!!」


P「ちひろさん、コスプレが好きだって言ってたから…」


ちひろ「もういいです!! とにかく私は、もうPさんなんか顔も見たくありませんから!! それだけ覚えといてください!!! ………Pさんの、バカーーーーー!!!!!」


P「…」


ちひろ「…」グスグス


P「えっと……ちひろさん?」


ちひろ「……………な゛ん゛て゛す゛か゛」


P「…「もう顔も見たくない」なんて、急に言われても困りますよ」


ちひろ「急じゃないですよ蓄積だって言ってるじゃないですか…!!」


P「…確かに、俺が悪いですよ。ちひろさんが俺のことそんな風に想ってくれてるなんて、ちっとも気づかなかったから」


ちひろ「鈍感……信じられません……!!」


P「ごめんなさい……でも、だからって、その蓄積の件でもう顔を見たくないっていうのは、ちょっと勝手だと思うんですよ」


ちひろ「…………………なんで?????」


P「何故ならこっちにも、ちひろさんへの蓄積があるから」


ちひろ「…………………へ?」


P「急に「顔も見たくない」なんて困りますよ…じゃあ、俺はこれから誰に元気を貰えばいいんですか? 俺はもう、ちひろさんの笑顔抜きじゃやっていけない体になっちゃってるんですよ?」


ちひろ「………………え」


P「俺にもちひろさんへの蓄積が、あるから。だからこれからも、ずっと側にいて支えていて欲しいです…」


ちひろ「そ、それって」


P「俺、目の前の仕事でいっぱいいっぱいだし、鈍感だから……ちひろさんの気持ちに気づけなかったけど……俺も、好きです。ちひろさん、あなたが」


ちひろ「…………それって……両想いって、こと、ですか………?」


P「……はい。なんか、変なタイミングですけど。ちひろさんとお付き合いしたいです」


ちひろ「………………………う」


P「う?」


ちひろ「うわーーーーーーん!!!!!」


P「ち、ちひろさん!?」


ちひろ「Pさんは私をどうしたいんですか!!!!!」


P「お付き合いして、もし、よかったら、その、けっ」


ちひろ「わーーーーーーん!!!!!」


P「ちひろさーん!?」




ーーーーーーーーーーーーー



P「えっと、落ち着きましたか?」ナデナデ


ちひろ「はい……………なんとか」


P「それはよかったです。はい、顔拭いてください」


ちひろ「うぅ……………わたし、Pさんをぶっちゃって…………ひどいことも、たくさん」


P「いいですよ。えっと…蓄積に? 操られてたんですから…そうさせてしまったのは俺ですし」


ちひろ「Pさん………ありがとう、ございます」


P「とんでもない。俺こそ、好きだったのに、ずっと勇気を出せなくて、ごめんなさい」


ちひろ「……………デート」


P「デート?」


ちひろ「デートしてくれるなら……………許します」


P「はい。喜んでエスコートします」


ちひろ「………………うん」


P「………あ、ところで、終電、過ぎちゃってますけど」


ちひろ「あ…」


P「泊まって、いきますか?」


ちひろ「……………」コクン


P「よかった。その、ちひろさん。服が…涙と汗で」


ちひろ「あっ、気持ち悪いですよね…」


P「いや、俺はいいんですけど」


ちひろ「…………シャワー、貸してくれますか?」


P「あ……はい。着替えは、とりあえず俺のジャージで」


ちひろ「Pさんの………はい。それじゃあ、ちょっと、お借りしますね」


P「……………」


ちひろ「Pさん………?」


P「ちひろさんっ」


ちひろ「きゃっ」


P「…その、もし、ちひろさんがよかったらなんですけど………もう一汗、かきませんか…? 今度は、俺と一緒に」


ちひろ「そ、それって………!」


P「えっと………はい」


ちひろ「ど、どうしたんですか急に!? 今まで、あんなにテコでも動かなかったのに!?」


P「俺も…」



P「ちひろさんへの想いの、蓄積に操られてしまってますから!」



浴衣のちひろさんが可愛かったので勢いで書きました!

元ネタ

東京03「蓄積」
https://www.youtube.com/watch?v=wZSxXYqm4ik

それでは、またの機会に!

前々作と前作の楓Pとは違うPなんかな?


>>40
はい、別のプロデューサーです。
楓さんのプロデューサーはちひろさんより年下、今回はちひろさんの同期の同い年です。

基本的にはプロデューサーは別人の設定ですが肇ちゃんと楓さんのプロデューサーは同一人物のつもりなので、そこだけパラレルと思ってもらえれば。
ちなみに「Pさん」表記は名前呼びのつもりです。

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