千歌「ワードウルフ?」 (64)
善子「そう、昨日動画でそのゲームをしてる様子を見て面白そうだなって思って」
ダイヤ「……そのためにわたくし達は練習もないのに呼び出されましたの?」
善子「で、でもほら! 遊んでる様子を動画にしてアップすればこれがきっかけでAqoursを知ってくれる人もいるかもだし!」
善子「用意するものとかもいらないから手軽にできるの!」
鞠莉「Oh,ナイスアイディアデース!」
曜「いや、絶対善子ちゃんが遊びたいだけだと思うけど」
梨子「それをやるにしても、私ワードウルフっていうゲーム知らないんだけど……」
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果南「っていうか善子ちゃん以外知らなそうな感じ?」
曜「直訳すると単語の狼だけど……」
千歌「名前からじゃ想像できないよね」ウーン
ルビィ「ルビィは狼っていうと人狼を思い出すなあ」
ダイヤ「スクールアイドルが人狼をやる企画とかありましたものね」
ルビィ「μ'sの希さんとA-RISEのあんじゅさんの戦いすごかったよね」
善子「それよ!」
ルビィ「ぴぎぃ!?」
善子「人狼の単語版がワードウルフなの!」
花丸「マル、人狼も知らないずら」
ダイヤ「というか単語版の人狼と言われてもしっくりきませんわね」
善子「じゃあ説明するわね」
善子「ワードウルフって言うのは簡単に言うと仲間はずれを見つけるゲームね」
善子「お題をそれぞれ与えられて多数派の市民と少数派の狼に別れて議論するの」
善子「与えられるお題は狼と市民で別のお題ね」
善子「例を挙げると市民には福神漬け、狼にはガリって感じでお題が与えられたりするの」
千歌「両方に与えられるお題は似たようなお題って言うこと?」
善子「まあ大抵はそうね。あまり違いすぎても一瞬で狼が誰か分かっちゃうだろうし」
鞠莉「Wolfは1人なの?」
善子「まあ、2人とかのこともあるけど今回は1人で進めるわ」
善子「お題が配られた後議論して、議論が終わったら誰が狼かの多数決をとるの」
善子「それで狼が見つかったら市民の勝ち、狼が見つけられなかったら狼の勝ちってわけ」
ルビィ「狼は自分が狼だってわかるんだよね?」
善子「いい質問ね、ルビィ」
善子「そこがこのゲームの面白いところで、狼は自分が狼って分からないの!」
ルビィ「ぴぎっ!? わからないの!?」
果南「ふーん、なんか変な狼だね」
梨子「っていうことは実際は市民でも最初は自分が狼かもしれないっていう可能性があるのね」
善子「そういうことになるわね」
曜「じゃあ核心をついたことを最初から言っちゃうと自分が狼だった場合大変なことになっちゃうんだ……」
曜「たとえばさっき善子ちゃんが出した市民が福神漬け、狼がガリの例だと狼が最初に『お寿司』って単語を出しちゃったら狼ってばれちゃうし」
花丸「逆に市民が『カレー』って単語を最初に出しちゃったら似たようなお題だから狼側が市民側のお題に気付いて市民の振りをしちゃうかも」
ダイヤ「つまり、市民側は自分が多数派であることに気付き、周りにも自分が多数派であることをアピールしなければなりませんのね」
果南「アピールをするにもあまり核心に迫ったことを言っちゃうと狼にお題を気付かれちゃう、と」
千歌「よくわかんないけどわかった!」
善子「どっちよそれ……」
千歌「多分やっていくうちにわかるかなって」エヘヘ
善子「まあそれはそうかも……」
ルビィ「お題はどうやって出すの?」
善子「スマホでお題を出してくれるアプリがあるから今回はそれを使うわ」
善子「議論時間は5分くらいでいいわよね」
ダイヤ「まだやるとは言っていませんわよ?」
善子「えー……」シュン
鞠莉「まあまあ、ダイヤ。親交を深めるためだと思って」
果南「善子ちゃんの言う通り動画にしてアップすればそれをきっかけに知ってくれる人もいるかもだし」
ダイヤ「……編集等は善子さんがするんですのよ?」
善子「うんっ!」パアアアアアアアアア
善子「じゃあまずお題を出すわね」
善子「はい、じゃあお題を見たら千歌から画面に書いてある通りに操作して時計回りに回していって」
千歌「はーい」
千歌「えっと、チカのお題は――」
曜「わっ、言っちゃダメだよ千歌ちゃん!」アセアセ
千歌「あっそっか」
善子「危なっかしいわね……」
千歌(お題はげんこつかー)
千歌(どっちも似たようなお題っていうことだしげんこつに対してだから……。なんだろう)
善子「全員見たわね。じゃあ議論スタート!」ポチッ
9人「……」シーン
曜「まあ、自分が狼かもしれないし最初発言するのは勇気いるよね……」
果南「えっと、じゃあまず最初だから軽くいくけど、痛いことだよね?」
千歌「うん、痛いこと」
ルビィ「されたら嫌だなあ……」
鞠莉「マリー的にはあんまりしたくもないかな」
梨子「あー、する方も嫌だよね」
ダイヤ「似たようなお題っていうことですし、これだけでは誰が狼かわかりませんわね」
善子「うーん、じゃあされたことある?」
曜「ちっちゃい頃お父さんにされたかな」
花丸「マルはされたことないかなー」
鞠莉「うーん、なんとなくだけどチカっちとかはよくされてたんじゃない?」
千歌「うん、チカは今でもみと姉にされることあるよ……」
善子「あー、まあ言っちゃ悪いけど想像できるわ」
果南「んー?」
ルビィ「ルビィはされたことないかなー」
ダイヤ「わたくしもないですわね。果南さんは?」
果南「私は最近されたかも」
善子「誰に?」
果南「鞠莉」
鞠莉「へ?」
善子「マリーって結構野蛮ね」ジトーッ
鞠莉「いやいや、身に覚えがないんだけど」
果南「えー、忘れたの?」
千歌「果南ちゃんは鞠莉ちゃんにどこでされたの?」
果南「ここで」
梨子「ここって部室?」
鞠莉「最近部室で……。あー」
ルビィ「ま、鞠莉ちゃん覚えがあるの!?」
鞠莉「いや、多分果南がWolfだなって」
花丸「果南ちゃんが狼?」
果南「えっ!?」
鞠莉「マリーのお題と果南のお題明らかに違うから」
果南「い、いやいや、鞠莉の方が狼かもしれないじゃん!」
ダイヤ「まあ2人の認識が違うということはどちらかが狼ということですわよね」
千歌「うーん、だとしたらどっちだろう……」
善子「まあ、確かにさっきちょっと話に乗れてない感じはあったのよね」
曜「あー、そういえば千歌ちゃんがみと姉に今でもされるって言った時」
果南「いや、ちょっとしてたのを見たことがないだけでしてそうだなとは思うよ?」
曜「……果南ちゃん見たことないの?」
果南「え?」
果南「あっ、そうだ。私も千歌と曜ちゃんにしたことある!」
千歌「へ? チカされたっけ?」
曜「……あっ!」
花丸「曜ちゃん何かわかったの?」
曜「まあ、多分これかなーっていうのは」
曜「私の考えが正しいと私は果南ちゃんに負けちゃうかなー」
善子「はあ? 負ける? なんのことよ」
鞠莉「っ! 曜はマリーと同じデース!」
曜「だよね!」
千歌「あれ? 曜ちゃんと鞠莉ちゃんが同じっていうことはやっぱり少数派は果南ちゃんってこと?」
花丸「まあ、ちょっと怪しかったところあるし、曜ちゃんと鞠莉ちゃんが一緒なら狼は果南ちゃんで決まりかな」
果南「いや、もしかしたら曜ちゃんか鞠莉のどっちかが狼でお題に気付いて話を合わせたのかも!」
ルビィ「うゆ!? じゃあもしかしたら鞠莉ちゃんか曜ちゃんが狼っていうことも――」
ダイヤ「そもそも鞠莉さんと果南さんの意見が分かれて、そこに曜さんが同調したんだからそのどちらかが狼はありえませんわ」
梨子「確かに、もし鞠莉ちゃんが狼だったら狼に市民が同調したことになっちゃう」
ルビィ「あっ、そっか。そもそも市民同士だったら意見は分かれないし果南ちゃんか鞠莉ちゃんのどっちかが狼なんだ」
果南「じゃ、じゃあ! 私の認識が間違ってただけで!」
ピピピピッ
善子「議論終了ね、じゃあせーので狼が誰か投票して」
善子「せーのっ」
千歌→果南
曜→果南
梨子→果南
ルビィ→果南
花丸→果南
善子→果南
鞠莉→果南
果南→鞠莉
ダイヤ→果南
善子「っていうことで果南が処刑ね」
善子「果南のお題は」
果南「……ビンタ」
善子「他にお題がビンタだった人は?」
7人「……」シーン
善子「っていうことでビンタが狼ね」
千歌「確かにビンタだったらチカも果南ちゃんにされたことある!」
鞠莉「ちなみに果南は市民のお題何だと思う?」
果南「小さい頃曜ちゃんとか千歌とかがされたことがあって、ビンタに似たようなの――」
果南「チョップとか?」
千歌「あー、みと姉によくされるけど痛いんだよね……」
鞠莉「んー、それだったらどっちかっていうとヨハネがされてるイメージかな」
善子「……確かにずら丸とかによくされる」
ルビィ「あはは……」
花丸「元のお題は『げんこつ』ずら」
果南「あー……」
果南「千歌がみと姉によくされるって言っててそんなところ見たことなかったからちょっと戸惑っちゃった」
鞠莉「まあ、決め手は私にされたってところだったわね」
果南「よくわからなかったし、私が市民の可能性も全然あったから鞠莉が味方についてくれるかなって思ったんだけどね」
梨子「そういえば、曜ちゃんが最後に言ってた『負けちゃう』ってなんのことだったの?」
果南「あー、そういえば言ってたよね。それで鞠莉は気付いてたみたいだけど」
曜「あー、それはね」
曜「げんこつってこうでしょ?」グー
鞠莉「それでビンタはこう」パー
ダイヤ「あぁ、じゃんけん。よく考えましたわね」
ルビィ「曜ちゃんしゅごい!」
曜「鞠莉ちゃんが気付いてくれてよかったよ」
善子「あ、そういえば」
善子「実は最後に狼が処刑された時も市民側のお題を当てられたら逆転っていうルールもあるんだけど、どうする」
ダイヤ「それを入れるとさらに慎重に議論を進めなければなりませんわね……」
果南「それがあったとしても私は負けだったけどね」アハハ
善子「次から入れてみる?」
千歌「うーん、まだ次くらいは入れないでやってみたいなー」
ルビィ「ルビィもまだ慣れてないから次くらいは」
善子「じゃあ次はまだ逆転ルールなしね」
――
善子「じゃあお題は見たわね?」
千歌(お題はみかんだから、みかんとなんだろう……)
千歌(多分果物だとは思うけど)
善子「じゃあスタート」
千歌(あ、柑橘繋がりでレモンとか!?)
千歌(だとすれば少数派がどっちかわかる質問がある!)
千歌「はいはーい!」
鞠莉「Oh,チカっちアグレッシブだね」
千歌「この中で一番それが好きそうなのって誰?」
千歌(みかんといえばチカ! 逆にレモンだったら鞠莉ちゃんがレモン好きだったはず!)
果南「うーん、一番好きそうなのかー……」
曜「パッとは思いつかないかなー」
千歌(……あれ? みかんだったらチカ、もしくは曜ちゃん、花丸ちゃんの3択になるはずだからこれはみかんじゃない……)
千歌(これチカが狼だ!)
千歌(だとするとお題は……?)
梨子「そういう千歌ちゃんは誰だと思う?」
善子「そうね、言いだしっぺの千歌からよろしく」
千歌(鞠莉ちゃんはレモン好きだから鞠莉ちゃんでもないし、善子ちゃんが苺だから苺でもない)
千歌「……ルビィちゃんとか?」
千歌(ルビィちゃんならとりあえずフルーツだったら大抵何でも似合いそうだし!)
千歌(フルーツじゃなかった時が怖いけど)
花丸「あールビィちゃん!」
ダイヤ「まあ確かにイメージは多少あるかもしれませんわね」
千歌「でしょー?」
千歌「ルビィちゃんは誰だと思う?」
ルビィ「る、ルビィは善子ちゃん、とか……?」
善子「クックックッ、わかってるじゃないリトルデーモン4号ルビィ……!」
花丸「あー……。それもわかるずら」ジトーッ
善子「何よその目!」
果南「え? なんで?」
果南「あー、そっか……」
千歌(花丸ちゃんの反応的に堕天使とかそっちに関係ありそうなフルーツ……?)
鞠莉「私は梨子とかもあると思うけど」
曜「名前的に?」クスクス
果南「ぷっ、名前って」クスクス
千歌(名前……?)
千歌(梨子ちゃんでフルーツ……梨だ!)
ダイヤ「しかし誰が狼かわかりませんわね」
花丸「マル目線だとダイヤさんと梨子ちゃん辺りがちょっと怪しいかなー」
善子「確かに無難なことしか言ってないかも」
善子「それを言っちゃえば果南も結構怪しいけど」
果南「私も!?」
千歌(よし、チカ疑われてない)ニシシ
梨子「うーん、私は多数派だっていう自信はあるけど……」
ダイヤ「わたくしも同じく」
果南「私だってそうだよ」
ルビィ「でも果南ちゃんは善子ちゃんが好きそうって言った時分かった感じだったしこの3人の中では信用はあるかも」
善子「まあそうかもだけど、とりあえず3人に質問」
善子「どんな時によく食べる?」
梨子「うーん、これっていうのはあるけどそれだと攻めすぎな気もするし」
ダイヤ「だからと言って言わなければ信用は得られない……」
果南「食べるっていうとちょっと違うけどイメージは11月かな」
千歌(うーん、ちょっと遅い気もするけどやっぱり梨だよね? 秋だし)
梨子「? なんで11月?」
ダイヤ「……いつかですわね」
曜「い、いつか……?」
鞠莉「梨子は?」
梨子「うーん、あっ。朝とか?」
善子「あー」
ルビィ「こうなると怪しいのはお姉ちゃん?」
果南「ううん、私はダイヤは市民だと思う」
鞠莉「同じく」
曜「え? なんで?」
花丸「あー、そういうことずらね」
ダイヤ「ふふ、花丸さんなら分かってくれると思っていましたわ」
千歌「だとすると梨子ちゃんかな、朝っていうのもちょっと曖昧だし」
曜「でも朝っていうイメージない?」
千歌「ほえ?」
千歌「あっ!」
ピピピピッ
善子「あっ、時間ね。じゃあせーので指さしてね」
善子「せーのっ」
千歌→梨子
曜→ダイヤ
梨子→千歌
ルビィ→ダイヤ
花丸→千歌
善子→ダイヤ
鞠莉→千歌
果南→梨子
ダイヤ→千歌
梨子「意外と割れてる……」
善子「ってことだけど千歌はどう?」
千歌「多分千歌がみかんで少数だと思う……」
ルビィ「み、みかん……!?」
千歌「市民のお題は多分リンゴでしょ?」
善子「まあ正解だけど今回は逆転ルールなしだから市民の勝ちね」
鞠莉「あー、じゃあ最初の質問で自分が少数って分かったの?」
千歌「うん、みかんだったらチカかなーって思って」
曜「でもリンゴってわかったのって最後でしょ? それまでなんだと思ってたの?」
曜「あの反応がなかったら割と梨子ちゃん辺りも怪しいかなとは思ってたけど」
千歌「わからなかったけどとりあえずフルーツだろうと思って、善子ちゃんと鞠莉ちゃんが好きな苺とレモンを除外して考えてて」
千歌「フルーツだったらルビィちゃんって言っておけば間違いないかなって」
ダイヤ「奇しくも色が同じだったのでルビィが出てくる千歌さんは市民だと思いましたわ」
千歌「で、梨子ちゃんで名前がどうとか言うから梨かなって思って」
千歌「でもリコちゃんだからリンゴってことだったんだね」
果南「あー、確かにそう取れなくもないかも」
花丸「言われてみると知らなきゃ梨子ちゃんからリンゴには繋がらないかも……」
千歌「あれ? でもなんでリンゴで善子ちゃんなの?」
ダイヤ「禁断の果実でしょう?」
果南「分かってても中々繋がらないよね」
梨子「あー、あれそういう意味だったんだ」
梨子「それと11月っていうのもちょっとわからなかったんだけどリンゴって11月なの?」
善子「まあ旬もその辺りだけど、多分あれでしょ?」
花丸「リンゴの日っていうのが11月にあるずら」
曜「あーなるほど」
曜「それよりもなんでダイヤさんの発言で果南ちゃんと鞠莉ちゃんが信用したのか知りたいんだけど」
ルビィ「ね、お姉ちゃんすごく曖昧なこといってたのに」
ダイヤ「わたくしは曖昧ではなくかなり具体的に答えましたわよ?」クスクス
善子「具体的って、あー!」
果南「11月5日なんだ、リンゴの日」
ダイヤ「1105でいいりんごの日、ですわ」
善子「そんなのわかるわけないじゃない!」
鞠莉「小さい頃3人でリンゴの日にリンゴ食べたことがあったから覚えてたの」
ダイヤ「花丸さんも博識なのでもしかしたらわかってくれるかもとは思っていましたが」
千歌「難しすぎるよ!」
梨子「最後、私病気の時とか言おうと思ったんだけどそれじゃ直接的すぎるかなって思って」
果南「あー、それは確かに言ってたらまずかったかも」
ルビィ「すりおろしリンゴ食べるもんね、風邪の時」
梨子「結局朝っていうのでばれちゃったみたいだけど」
曜「でも朝っていいヒントだったと思うよ、朝のイメージのあるフルーツって言われて知らなきゃパッと繋がらないし」
曜「朝食リンゴヨーグルトとかあるから朝のイメージはあるよね、リンゴ」
千歌「梨って朝のイメージなかったから梨子ちゃんが変なこと言ったって思って狼をなすりつけようとしたのに……」
千歌「ダイヤさんはなんだか知らないけど数人から信用得てたからなすりつけるなら梨子ちゃんかなって」
善子「じゃあ次のお題にいくけど、次は逆転ルールありっていうことでいいのよね?」
千歌「うん! さっきの逆転ルールありだったらチカの勝ちだったもん!」
梨子「意外とぼかしても伝わっちゃうものよね……」
果南「かといってぼかしすぎると自分が疑われちゃう」
鞠莉「チカっちはさっき機転をきかせて自分がWolfって気付けたけど、普通はスタート時点で気付けないし」
花丸「わぁどうるふ……。奥が深いずら……」
ルビィ「る、ルビィも疑われないようにがんばらなきゃ!」
――
千歌(えっと、千歌のお題はババ抜き)
千歌(さっき狼だったし今回は狼じゃないって思いたいけど――)
善子「みんなお題は見たわね? じゃあ、スタート!」
鞠莉「じゃあ今度はマリーが最初にいかせてもらうね」
曜「おお、さすが鞠莉ちゃん!」
鞠莉「この中で一番それが弱そうなのは?」
果南「んー、ダイヤ?」
鞠莉「だよねー」クスクス
ダイヤ「な、なんでわたくしが弱いんですの!?」
ルビィ「あぁ、お姉ちゃん弱いもんね……」
ダイヤ「わたくしだって勝つことくらいありますわよ!」
花丸「善子ちゃんとかもあまり強そうじゃないけど」
梨子「あー、確かに弱そう」
曜「全然そろわないっていうか」
千歌「顔に出るのはダイヤさん、運が悪いのが善子ちゃんって感じかな」
善子「ちょ、ちょっと、それはさすがに攻めすぎじゃない!?」
千歌「はっ! 確かに攻めすぎたかも!」
鞠莉「んー、ここまでは誰もボロ出さないね」
千歌(うーん、μ'sの海未さんがババ抜き弱かったって聞くし、それを聞けばダイヤさんとルビィちゃんの信用は得られそうだけど――)
千歌(もしこの2人のどっちかが狼だった時が怖いし、何よりチカだけ狼だったときも怖い……)
善子「もう率直に聞いちゃうけど、トランプゲームよね?」
花丸「おお、すごい攻めずら!」
曜「んー、でもそれを聞いても露骨に怪しい反応してる人はいないね」
果南「っていうことはトランプは共通のお題ってことかな?」
ダイヤ「まったく、共通だったから良いものを、もし異なっていたら大変でしたわ」
ダイヤ「みすみす狼に情報を与えるところでしたのよ?」
善子「まあヨハネが弱いって時点でビデオゲームではなさそうだし、多分そこは共通かなって予想したのよ」
善子「攻めたのは事実だけど」
鞠莉「とはいえ、何も進展がないのよね」
ルビィ「トランプだと下手なこと言っちゃうと答えに繋がっちゃうし」
果南「ねえ、もしかしたらゲームぶち壊しちゃうかもしれないけどとびっきりの攻めしてもいい?」
梨子「とびっきりの攻め?」
果南「ずばり一番強い数字は?」
7人「へ?」
善子「いやいや、それを言ったら限られちゃうんじゃない?」
果南「だからとびっきりの攻めなんだよ。でも善子ちゃんの反応的に善子ちゃんは仲間っぽいかな」チラッ
千歌(あ、果南ちゃんもしかして――)
曜「まー、さすがにそこまで言ったら狼にヒント与えすぎちゃうよね、トランプって何が強いか大体ゲームによって変わるし」
善子「大抵はA?」
ルビィ「2が強いとかもあるよね」
花丸「え? でもこのお題って強さとか――はっ!」
善子「っ! ずら丸が狼ね!」
ダイヤ「……。あの反応的にそうですわね」クスクス
梨子「そっか、花丸ちゃんが狼かー」
千歌(やっぱり果南ちゃんが罠をしかけて狼を釣って……。花丸ちゃん以外みんな分かっててのってるんだ)
花丸「ち、違うずら! ま、マルはただこのお題って何が強いのかわからないって言おうとして!」
千歌「えー、花丸ちゃん本読んでるし知識はありそうだけど」
善子「ふふ、ずら丸。無駄な抵抗はやめた方がいいわよ?」クスクス
花丸「ま、マル狼じゃないもん!」アセアセ
千歌(なんていうか、ごめん花丸ちゃん……)
ピピピピッ
善子「あ、議論時間終了ね」
善子「じゃあ投票ね、せーの!」
千歌→善子
曜→善子
梨子→善子
ルビィ→善子
花丸→果南
善子→花丸
鞠莉→善子
果南→善子
ダイヤ→善子
花丸「マルは狼じゃな――あれ?」
善子「え? か、果南までヨハネに……?」
果南「ふふ、ごめんね、善子ちゃん」
ルビィ「花丸ちゃんも狼にさせちゃってごめんね……」
善子「え、だって果南仲間じゃ……?」
善子「っ! わざと嘘ついたの!?」
果南「そうそう、みんな気付いてくれて助かったよ」
ダイヤ「ほんとですわ、誰も気付かなかったら大惨事でしたわよ!?」
善子「確認なんだけど、ヨハネはポーカーで狼ってこと?」
果南「他にポーカーはいないよね?」
7人「……」
善子「あっ、でも逆転ルール!」
善子「ヒントはダイヤとヨハネが弱そうなトランプのゲーム――」
善子「カードの数字に強弱はない」
善子「……曜がそろえるって言ってた」
曜「っ!」
善子「ババ抜きっ!」ビシッ
果南「おおっ!?」
千歌「すごい善子ちゃん!」
梨子「神経衰弱とかもそろえるゲームなのに」
善子「それだったらダイヤはきっちり覚えてそうだし弱くはないでしょ」
善子「顔に出るとまずいゲームって有名なのだとポーカーとかババ抜きとか七並べとか」
善子「七並べかババ抜きかで悩んだけど『そろえる』っていうのでババ抜きって推理よ」ドヤァ
鞠莉「んー、ちょっとヒントあげすぎたかなー」
ルビィ「お姉ちゃんが弱そうっていう時点で結構絞られちゃったのかも」
ダイヤ「ですから、わたくしは別に弱くありません!」
善子「じゃあ次は最終問題に――」
鞠莉「あ、じゃあ最後はマリーが考えたお題でいい?」
鞠莉「マリーは見てるから☆」
善子「え? 別にいいけど本当に参加しなくていいの?」
鞠莉「これは見てる方が楽しそうだし」
鞠莉「お題を紙に書くからちょっとWaitね」
千歌「はーい!」
――
鞠莉「じゃあみんなお題は見た?」
千歌(千歌のお題はμ's……。もう一つのお題はAqoursとかかな?)
鞠莉「議論Start!」
果南「えっと、このお題は、すごいよね」
千歌「うん、チカ大好き!」
ルビィ「ルビィも!」
ダイヤ「わたくしも当然」
善子「へ!?」
ダイヤ「なんです? 善子さんは好きではありませんの?」
善子「え? いや、好きか嫌いかで聞かれると難しいっていうか」
曜「あー、もはや伝説って感じだもんね」
ダイヤ「あぁ、なるほど。好き嫌いよりも上の感情ということ……」
梨子「私、初めて見たときは圧倒されちゃったなあ」
花丸「マルも。すごくキラキラしてて素敵だと思ったんだ」
善子「……」カアアアアアアア
花丸「なにを赤くなってるずら?」
鞠莉「ぷっ……」プルプル
千歌(うーん、なんとなく善子ちゃんの反応がおかしい気がする)
千歌「ねえ善子ちゃん」
善子「な、なによ」
千歌「なんでもいいからこのお題についてのこと言って」
善子「なんでもって言ったって……。えーっと、よく名前を間違えられる?」
千歌「あれ……? 怪しいと思ったけど善子ちゃん同じかな?」
ダイヤ「確かによく間違えられますわよね」
ダイヤ「千歌さんも間違えていましたし」
曜「果南ちゃんはどう思う?」
果南「私? まあ、憧れはするよね」
曜「へえ、果南ちゃんも憧れるんだ」
果南「そりゃあスクールアイドルだしね」
梨子「意外といえばダイヤさんが好きだって知ったときは意外だと思ったなあ」
ダイヤ「わたくしが好きじゃいけません?」
千歌「いけないっていうことはないけど、意外だよね」
ルビィ「ルビィは初めて見たのは画面越しだったんだけど、すごくキラキラ輝いててね」
ルビィ「ルビィなんかには絶対届かないって思ってたから、今同じ舞台に立ててるってことが幸せなんだ」
善子「初めて見たのは画面越しだったの!?」
ルビィ「うゆ? うん、パソコンで動画を見て」
善子「そ、そうなんだ……」カアアアアアアア
花丸「だから善子ちゃんがなんで赤くなるずら?」
ダイヤ「ルビィの言っていることもわかりますが、それでも遠い存在だとは思いますわ」
曜「あー、確かに」
ダイヤ「最初曜さんがおっしゃったように伝説で、近付いても近付いただけというか」
千歌「一生追いつけないって感じはするよね」
梨子「私は千歌ちゃんたちほどは知らないけど、遠い存在だなとは思うよ」
善子「……」
花丸「善子ちゃん?」
善子「ヨハネは! みんな大好きよ!」
果南「へ?」
ダイヤ「あぁ、わたくしもそれは当然ですわ」
ルビィ「うん、ルビィも」
千歌「チカももちろん!」
果南「まあ嫌いっていうのはないよね」
花丸「マルも嫌いっていうことは絶対にないずら」
曜「かわいいし、すごいもんね」
梨子「うん、歌とかダンスとか、パフォーマンスもすごいと思った」
善子「みんな……!」パアアアアアアアアア
ピピピピッ
鞠莉「はーい、いい雰囲気になってるところでEndでーす!」
千歌「えー、これ難しいよ……」
ダイヤ「みんな似たようなお題ということでしょうか……」
梨子「善子ちゃんの反応はおかしかった気もするけどおかしいのはいつものことだし」
善子「いつもおかしくないし!」
ルビィ「うーん……」
花丸「悩むずら……」
曜「まあ強いていうならって感じかな」
果南「じゃあ投票しよっか」
鞠莉「投票先は決まった? じゃあ、せーのっ」
千歌→善子
曜→花丸
梨子→花丸
ルビィ→曜
花丸→善子
善子→花丸
果南→曜
ダイヤ→善子
鞠莉「わお、花丸と善子が同率ね」
曜「わ、私も結構疑われてる」
果南「曜ちゃん結構同意ばっかりだったから話あわせてるのかなーって」
梨子「花丸ちゃんも割と誰にでも言えるようなことしか言ってない感じだったし」
千歌「でもやっぱり善子ちゃんの様子がおかしかったのも気になって」
鞠莉「善子、この場合は?」
善子「再投票ね」
鞠莉「じゃあもう一回!」
千歌→善子
曜→花丸
梨子→花丸
ルビィ→善子
花丸→善子
善子→花丸
果南→善子
ダイヤ→善子
鞠莉「お、今度は善子?」
善子「……まあ、正直ヨハネ自身自分が狼だと思うわ」
梨子「善子ちゃんのお題は?」
善子「ヨハネ」
果南「えっ」
善子「ヨハネがお題だったの!」
ダイヤ「はあ!?」
鞠莉「はい、じゃあ逆転ルール! 多数派のお題は?」
善子「いや、全然わからないのよね……」
善子「なんでヨハネが言ってたことが通じてたのかもわからないし……」
善子「伝説とか憧れとか言ってたし、高坂穂乃果さんとか?」
曜「あー……」
梨子「お題が善子ちゃんだったらそっち行っちゃうよね」
鞠莉「惜しいけどぶっぶーですわ!」
ダイヤ「……鞠莉さん?」
鞠莉「イッツジョーク」テヘッ
善子「……じゃあ何よ?」
鞠莉「正解はμ's!」
善子「なんで個人とグループなのよ!」
鞠莉「善子だったらこういうときは少数派を引くと思って、みんなにべた褒めされて困る善子が見たかったの」クスクス
花丸「っていうことは、善子ちゃん視点だとみんなが善子ちゃんを憧れだとか好きだとか言ってたことに」
鞠莉「うんうん、ダイヤが『好きじゃいけません?』って言った時はこっちがドキドキしちゃった」
ダイヤ「わ、わたくしは善子さんに言ったのではなくμ'sに!」カアアアアアアアア
鞠莉「それにみんなに遠い存在だとか言われたときのヨハネはかわいかったよ」ナデナデ
善子「だーっ! もう!」カアアアアアアアアア
千歌「あー、だからしゅんとしたあとに『みんな大好き』って言ったんだ」
ダイヤ「μ'sのメンバーが、という意味かと思いましたがわたくしたちのことを、という意味でしたのね」
善子「は、恥ずかしいから説明とかしなくていいの!」
果南「ふふ、心配しなくても善子ちゃんのこと大好きだよ?」
ダイヤ「まあ、一緒に活動する仲間として好意はありますわ」
曜「善子ちゃんって根は真面目だしね」
梨子「ちょっと変だけど大切な仲間だもん」
ルビィ「初めて見たときキラキラ輝いてるな、って思ったのは善子ちゃんもおんなじだよ」ニコッ
花丸「黄昏の理解者ずら」
鞠莉「だって、よかったね、善子」ナデナデ
善子「もう! ヨハネが編集するわけだし最後のは絶対没にしてやるんだから!」
後日、最終試合はマリーの編集でアップされました。
おわり
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