【バンドリ】奥沢美咲「ちょっと話を聞いてほしい」市ヶ谷有咲「ん?」 (14)


※キャラ崩壊してます


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531009355


――ファーストフード店――

市ヶ谷有咲「話って?」

奥沢美咲「罪悪感がヤバい」

有咲「はぁ?」

美咲「こころにキレちゃって罪悪感がヤバい」

有咲「……奥沢さんが弦巻さんにキレるってよっぽどだな。何かあったのか?」

美咲「うん、アレね、今日のお昼休みのことなんだけどさ」

美咲「知ってると思うけど、あたし、よくこころと2人でお昼ご飯食べてるんだ」

美咲「でさ、ここ1ヵ月はこころが毎日お弁当を作って来てくれてて」

美咲「それがまた美味しくてさ、あたしもそれを楽しみに日々を生きているって部分があるんだよね」

有咲「ふーん」

有咲(なんだいつものノロケか。話半分に聞こ)

美咲「でも今日は違ったんだよ」

美咲「あろうことかね、お弁当にパクチーが入ってたんだ」

美咲「もうキレたね。久しぶりにキレちゃったよ」

美咲「あたしがパクチー嫌いだって知ってるのに入ってるんだもん」


有咲「……それ、好き嫌いする奥沢さんが悪いんじゃね?」

美咲「いや、まぁね? そういう一面もあるよ?」

美咲「悪いことをしたとは思ってるよ? でもさ、本当にパクチーだけはNGなんだよね……」

有咲「つか、弦巻さんって料理出来るんだな」

美咲「天才だからね。基本的にこころは何でも出来るよ」フフン

有咲(なんでそんなに奥沢さんが得意げになるんだよ)

美咲「それにエプロン付けて楽しそうに鼻歌歌いながら料理するこころ、可愛いんだ」

有咲(聞いてねーよ)

美咲「はぁ~……どうしよ……」

美咲「あんなにシュンとしたこころ、初めて見たよ……」

有咲「私からしたら弦巻さんが落ち込んでる姿なんてまったく想像つかねーけどなぁ」

美咲「どんな感じだったか気になる?」

有咲「……まぁ、ちょっとだけ」

美咲「市ヶ谷さんにそこまで言われたんじゃ話さない訳にもいかないなぁ、やれやれ……」

有咲(そこまでの範囲狭すぎねーか)

美咲「あれは中庭でのことだったんだけど……」


――花咲川女子学園 中庭――

弦巻こころ「美咲! 今日もお弁当を作ってきたわよ!」

美咲「あー、いつもありがとね、こころ」

こころ「気にしないで! 美咲が笑顔になってくれるって思うと、あたしもとーってもドキドキして楽しい気持ちになるから!」

美咲「そう言ってくれるとあたしも嬉しいよ」

こころ「それじゃあ、今日もたくさん召し上がれ♪」

美咲「うん、いただきま……あれ、この匂い……」

こころ「……?」

美咲「…………」

こころ「どうしたの、美咲? 無言で固まって」

美咲「こころ、もしかしてだけどさ、このお弁当……パクチー使ってない?」

こころ「使ってるわよ。それがどうかしたかしら?」

美咲「どうかしたかしら、じゃないよ!」

美咲「こころ、あたしがパクチー嫌いって知らなかったの!?」

こころ「美咲のことなら何でも知ってるわよ?」

美咲「じゃあどうして!? どうしてパクチー使ったのさ!?」

こころ「嫌いな食べ物があるのってもったいないもの。美咲には色々なものを食べてもらいたいから、今日はパクチーを使ってみたの!」

こころ「さぁ、どうぞ召し上がれ!」

美咲「召し上がれ、じゃないってば! あたしはそれ、食べないよ!」

こころ「えっ……」

美咲「こころには分からないかもしれないけど、人にはどうしても駄目なものがあるの!」

美咲「克服できる嫌いと生涯無理な嫌いがあるの!」

美咲「パクチーは人が口にしていいものじゃないんだよっ、それを食べるくらいなら、あたしは断食に挑戦するよ!!」

美咲「生理的にもう絶対無理な嫌いなものを食べさせられたら、みんな不幸になるってば!!」

美咲「いくらこころでもそれだけはホント許せないって!!」

こころ「あ、ご、ごめんなさい……」


――――――――――
―――――――
――――
……


美咲「って感じで、こころのガチトーン謝罪、初めて聞いたよ」

有咲「へー」

有咲(やっぱりノロケ話の類だなこれ。ポテト食お)

美咲「それからさ、結局こころのお弁当は食べないで、2人で食堂行ったんだけど」

有咲「うん」

美咲「ずっとさ、あたしの半歩後ろをしおらしくついてきてさ」

有咲(ポテトうめー)モグモグ

美咲「いつもならこころの方からベタベタ甘えてくるのに、今日は不安そうな顔で、ご飯食べてる時もチラチラこっちのことを窺ってきてさ」

美咲「あたしが何か身動きするたびにちょっとびっくりするような反応されたんだよね」

有咲「うん、そりゃ100%奥沢さんが悪いな。弦巻さんに一切の非がねーよ」

美咲「やっぱそうだよねぇ……」

有咲「自覚あるなら謝ればいいんじゃね?」

美咲「それが出来たら苦労はしないよ……本当にパクチーだけは許せないんだよ……」

美咲「大体アレ、コリアンダーって呼ばれることもあるけどさ、それって古代ギリシャ語でカメムシじゃん」

美咲「人間の食べるものじゃないよ。流石にこころにあーんされても……いや、それなら……? いけ……いや、うーん……いける……? ……いや、やっぱ駄目かなぁ」

有咲「もうさっさと謝ってこいよ」

美咲「だからそれが出来たら苦労しないって」


美咲「それにさ、ちょっと、こう言っちゃなんだけどさ」

有咲「うん」

美咲「本当に申し訳ないと思ってるんだよ? でもね、それでもね、思うんだ」

有咲「うん」

美咲「こころが小動物みたいに怯えてる姿、正直ちょっとそそる」

有咲「…………」

美咲「…………」

有咲「……うわ」

美咲「いやいやいや! 引かないで、違うから!」

有咲「い、いえ、人には色々な趣味がありますから、平気ですよ」

有咲「例え奥沢さんがどんな趣味をしていようと私たちはただのクラスメートですから、気にしないで下さい」

美咲「やめて! その他人行儀やめて! ホント違うから!」

有咲「何が違うんだよ、もう奥沢さんがそういう人にしか見えねーって……」

美咲「だから誤解だってば!」

美咲「それにほら、市ヶ谷さんだっていつも元気な戸山さんがシュンと落ち込んでたら、こう、なんかあるでしょ!?」

有咲「…………」

美咲「……ね?」

有咲「ノーコメントで」

美咲「分かってくれて嬉しいよ、あたしは」スッ

有咲「それもノーコメントで。握手求めてくんな、応じねーぞ」

美咲「市ヶ谷さん、最近あたしに対して遠慮なくなってきてない?」

有咲「気のせいだな」

美咲「気のせいかなぁ」

有咲(一緒に寄り道する度ノロケられるこっちの身にもなってくれよ)

有咲「……まぁ、それでも香澄たちとはまた違った居心地の良さがあるからいいんだけどさ」

美咲「あ、今ちょっとデレなかった?」

有咲「デレてませーん」

美咲「そっかー」

有咲「そうだよ」


有咲「つか私のことより弦巻さんのことじゃねーの、今は」

美咲「あ、そうだったね。あたしから話してたのに」

有咲「それで、奥沢さんはどうしたいんだよ」

美咲「怯えるこころに何をしたいかって話?」

有咲「ちげーよ。怯える弦巻さんに何する気だよ……いやいい、言わなくていいから」

美咲「え、聞かないでいいの?」

有咲「その笑顔見たらロクでもないことだって分かったからいい」

美咲「そっかぁ。怯えるこころにわざと意地悪く接してちょっと不安にさせてから超優しくする、っていうギャップ萌えは筒抜けかぁ。怯え顔から一転、安心して天使かと見間違えるほどパッと輝いた笑顔になるんだけどちょっとだけ目尻に涙が浮かんでるところがイイって、やっぱり分かるよね」

有咲「言わなくていいって言ったよな、私?」

美咲「ごめんつい……想像したら口にしたくなって」

有咲「はぁ……ほんと弦巻さん絡むとロクでもねーよこの人」

有咲(しかも奥沢さん、言うだけ言って実際にそんなことやれないヘタレだし)

有咲(ぜってー弦巻さんの怯えるとこ見て『可哀想だから出来ない』って言うよ)

有咲(なのにパクチーだけでキレるって怒りの沸点がマジで分かんねー……)

美咲「失礼な、あたしはいつでも一般的な常識人だよ」

有咲「出会った当初は私もそうだと思ってた。最近はまったく反対の印象だよ」

美咲「あたしを惑わせるこころが悪い」

有咲「開き直んな」

美咲「あたしに色んな世界を教えてくれたこころが大好きです」

有咲「聞いてねーよ。松原先輩と奥沢さんは普通、って思ってたけど奥沢さんもしっかり頭ハローハッピーワールドだよ。松原先輩の胃が心配だよ」

美咲「そんなに褒められるとちょっと照れちゃうよ……えへへ」

有咲(もうツッコミ放棄しようかな……)


スマホ<ミサキー、ミサキー、ネェネェミサキー

有咲「うわっ」

美咲「あれ、こころから電話だ」

有咲「……スマホの着信音、弦巻さんの声にしてんの?」

スマホ<ミサキー、エヘヘ、ヨンデミタダケヨ

美咲「あ、いやいや、勘違いしないでよ? こころからの電話とメールとショートメッセージとメッセージアプリと呟きアプリの通知にしか設定してないよ?」

有咲「それで何をどう勘違いするなって言うんだよ」

スマホ<ミサキー、ネェネェ、ミサキーミサキー

美咲「だ、大丈夫だって。ちゃんとこれ、こころに頼んで録音させて貰ったやつだから。盗聴じゃないよ?」

有咲「その心配は半分くらいしかしてねーって。つか出てやれよ」

美咲「……いや、こころが怒ってたらどうしようって急に思ってさ」

有咲「本当にヘタレだな奥沢さんは……」

スマホ<ミサキー、ネェネェ、オーイ

美咲「し、失礼な。あたしだってやる時はやるんだよ。ここ一番ではこころにだってガッと言えるもんね」

有咲「パクチー出された時がここ一番かよ」

スマホ<ミサキー? ネェミサキー?

有咲「ああもう、着信音気になるからさっさと出ろって! 同じセリフもねーしワンループで何秒かかんだよそれ!」

美咲「180秒」

スマホ<イソガシイノカシラ...? モウチョットヨンデミマショウ

有咲「無駄になげぇ! もういい、スマホ寄越せっ」

美咲「わ、ちょ、ちょっとまだ心の準備が……」

有咲「知るかっ!」ポチ


美咲「つ、繋がっちゃった……! あっ、こっ、こ、こころ!?」

有咲「初っ端から声裏返るとかどんだけヘタレてるんだよ……」

美咲「う、うるさいなっ――あ、ち、違うよ!? こころに言ったんじゃないよ!?」

有咲「はぁ……喉乾いた。コーラ飲も」

美咲「え、お、お昼の件!? あ、ああうん、アレね、アレはなんていうか……その……」

有咲「…………」チュー

美咲「あ、いや、アレはあたしが悪かったよ。その、ごめんね?」

有咲「…………」モグモグ

美咲「ううん、こころが謝ることなんてないってば。うん、怒ってない。むしろこころに申し訳なくて……」

有咲「あ、ポテトなくなった」

美咲「え、そんな! あたしがこころのこと嫌いになるなんて有り得ないってば! アレは本当に、あたしのワガママだったからさ……本当にごめんね、こころ」

有咲(奥沢さんのポテト食お)

美咲「うん、うん……ううん、あたしもこころのこと大好きだよ。当たり前だよ」

有咲「…………」モグモグ

美咲「ほんとにごめんね? でもパクチーだけは今度から控えてもらえると……うん、ありがと」

有咲「あ、コーラもなくなった」

美咲「お詫びなんていいって! こころがまたお弁当作って来てくれればそれ以上の幸せはないよ!」

有咲(奥沢さんのアイスティーもらお。間接キスは香澄以外としたくないからストローは私ので)

美咲「うん、うん……うん。また明日も一緒にお弁当食べよう。……えっ? 遊ぶって……これから?」チラッ

有咲(私に構うな)シッシッ

美咲「……うん、分かった。じゃあこころの家に行くね? うん、それじゃあまた……」ピッ


有咲「良かったなー仲直り出来て」

美咲「うん、ありがと。それとごめん。あたしから誘っといて……」

有咲「目の前でノロケられたら堪ったもんじゃねーからな、これは私の為でもあるんだよ。ほら、分かったらさっさと行けって」

美咲「……あたし、市ヶ谷さんのそういうとこ好きだよ」

有咲「そりゃどーも。ポテトとアイスティーは迷惑料な」

美咲「それくらい安いもんだよ。じゃ、ちょっとこころの家に行ってくる」

有咲「はいはい。パクチー出されてもキレんなよ」

美咲「こころがあーんしてくれるって言ってたから平気」

有咲「そーかよ」

美咲「それじゃまたね、市ヶ谷さん。話、聞いてくれてありがと」

有咲「おー」

有咲「…………」

有咲「……はぁ、結局ノロケ聞かされただけじゃん、私」

有咲(まぁいつも通りの流れだからいいけどさ……奥沢さんとどっか寄り道すると大抵そうなるんだよなぁ)


有咲「……私も香澄に電話しよ」

有咲「スマホぽちっと」

スマホ<プガチャ

有咲「うわ、出んの早っ!?」

有咲「あ、ああ、ううん、なんでも。香澄、電話出んの早ぇーなって」

有咲「……はぁっ? 私からかかってくるんじゃないかなって思った?」

有咲「なんだよそれ、まるで以心伝心じゃねーかよ……えへへ」

有咲「なっ、べ、別に喜んでねーし!」

有咲「ったく、勘違いすんなよな……え? いや、別に用はないけど」

有咲「なんとなく。そう、なんとなく」

有咲「あーはいはい。私もお前の声が聞けて嬉しいですよー」

有咲「あそうだ。用事思い付いたわ」

有咲「いま暇か? ああ、ちょっと時間が出来てさ」

有咲「うん、そうそう。どこかに行かないかって」

有咲「で、デート!? ちげーよ、そういうんじゃねーよ!」

有咲「……いや、そんな落ち込んだ声出すなよ……そ、そりゃ私だってそういう気持ちはなくもないけどさ……」

有咲「あーうっせー! 大好きとか言うな! 言うなら電話じゃなくて面と向かって言え!!」

有咲「……そうだよ、悪ぃかよ。私だって、その……アレだよ、アレ」

有咲「うっせー! 分かったよ、面と向かって言ってやるからっ! ……ああ、じゃあ今、私は商店街にいるから――……」


―― レジカウンター ――

丸山彩「…………」

松原花音「…………」

彩「あの2人って、なんていうか……アレだね」

花音「うん……でも美咲ちゃんの方がヒドイかな……」

彩「……そうかな。有咲ちゃんも大概だと思うよ」

花音「……そんなことないよ」

花音「美咲ちゃん、ハロハピでもっと……その、アレな時があるから……」

彩「……そっかぁ」

花音「……うん」

彩「花音ちゃん……いつもお疲れ様です」

花音「ううん、もう慣れたから平気だよ……」

花音「練習中はミッシェルなのを良いことに、こころちゃんに色々する美咲ちゃんに……」

彩「色々、かぁ……」

花音「色々、だね……」

彩「…………」

花音「…………」

彩「花音ちゃん、今度一緒にお出かけしよっか」

花音「えっ?」

彩「……話、聞くよ?」

花音「彩ちゃん……ありがとう」

彩「ううん、気にしないで。じゃあ今度の日曜日にでも」

花音「うん、楽しみにしてるね」


おわり


みーくんとあーちゃんのツッコミ常識人コンビが好きです。

お互い居心地良さそうで気兼ねしないけど名字にさん付けで呼び合う距離感が大好きです。

数年後もそんな腐れ縁みたいな関係が続いてそうですごく大好きです。

ただそれだけの話でした。すいませんでした。


HTML化依頼出してきます。

おつでしたー
花音ちゃんと丸山のお出かけ編も見てみたいな

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom