天海「ドルピック島に来たっすよ」 (31)
天海「最近あちこち冒険してて……体もだいぶ疲れて来たっす」
東条「だからこうして南の島に来た訳ね」
東条「天海くん、何か買ってきて欲しい物があればなんでも言ってちょうだい」
天海「大丈夫っすよ。 それぐらい自分で買うっす」
天海「さあ夢野姫。 バカンスを楽しむっすよ」
夢野「んあー……ウチは休むわい。 暑くて敵わん」
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入間「おい!! そこのイカにもやりチンくせえ緑野郎!!」
夢野「んあっ!? 警察じゃと!!?」
天海「……緑野郎って俺の事っすか?」
入間「てめえ以外に誰がいるんだよ!!!」
東条「天海くんに何の用かしら?」
入間「猥褻物陳列罪で逮捕だオラァ!!!」
天海「えっ……俺がっすか?」
東条「……彼がいつ下半身を露わにしたのかしら?」ギロッ
入間「ひ、ひいい!! そんな怖い顔で睨まないでぇ……」
入間「猥褻物陳列罪は嘘だけど……島中を汚したからぁ……」
天海「……俺がっすか? 俺はたった今この島に来たばっかりっすよ?」
入間「しらばっくれんじゃねえ!! 目撃証言も写真も映像もちゃんとあんだぞ!!! ほら!!」
夢野「確かに天海そっくりじゃが……天海はこんな青くないわい」
入間「うるせえ!! 兎に角テメーは島中を掃除し終わるまでこの島を出ちゃいけねーからな!!!」
天海「……どうやら濡れ衣を着せられたみたいっすね」
東条「どうするの天海くん? 冤罪で訴える事もできるけど……」
天海「いや、大丈夫っすよ。 こういう巻き込まれ事には慣れてるっす」
天海「これも……超高校級の冒険家の宿命ってやつっすかね」
キーボ「ボクをお使いください!!」
天海「!! 君は……?」
キーボ「ボクはキーボ!! 飯田橋博士に作られたロボットです!!」
ウィーン!! ガシャガシャ!!
夢野「んあっ!!? 変形しおった!!?」
キーボ「ボクはポンプになる事ができます!!」
東条「天海くん……彼は掃除道具として使えるかもしれないわ」
天海「そうっすね、じゃあ……」
天海「キーボくん……しばらくの間よろしくっす」
キーボ「はいっ!!」
天海「成る程……シャインってやつも盗まれてるんすね」
キーボ「はい、掃除をしながらシャインを集めた方がいいと思います」
東条「ごめんなさい天海くん……私も手伝いのだけれど……夢野さんの世話もしないといけないから……」
天海「気にしなくていいっすよ。 俺とキーボくんでなんとかなるっす」
夢野「東条~……フルーツじゃ~……」
東条「ええ、すぐ買ってくるわ」
天海「シャインもだいぶ集まったすね」
キーボ「そうですね」
キーボ「けど天海クン……君の身体能力には驚かされます」
キーボ「スピンジャンプ、壁キック、三段ジャンプ、バック宙……常人じゃできない技ですよ」
天海「これでも超高校級の冒険家っすからね」
入間「おいカスども!! なんとかしろぉ!!」
天海「なにかあったんすか?」
入間「変なやつが落書きから怪物を生み出しやがったんだぁ!!!!」
キーボ「すぐに行きましょう天海クン!!」
天海「そうっすね」ダッ
ドロモノクマ「グオオオオオオオ!!!」
アンジー「にゃははー!! 神った奴が出てきたねー!!」
天海「そこまでっすよ」
アンジー「!! ありゃりゃ、もう来たんだねー」
キーボ「もしや……キミが落書き犯ですか?」
アンジー「さー」→
アンジー「どうだろうねー」←
ドロモノクマ「グオオオオオオオ!!!」
キーボ「!! 天海クン、話は後です。 あの怪物をなんとかしましょう」
天海「そうっすね」
ドロモノクマ「グオオオオオオオ!!!」
シュウウウウ……
天海「なんとか倒せたっすね」
夢野「ウチの魔法のお陰じゃな」
キーボ「おかしいですね……魔法を使えるのはカメック一族だけのはず……」
夢野「んあー!! 空気を読めい!! これじゃからロボは……」
キーボ「なっ……ロボット差別ですか!!?」
東条「!!! あれは……」
ニセ天海「……」
天海「まさか……俺の偽物っすか?」
アンジー「アンジーはねー、あいつと協力してるんだー」
アンジー「主は言いました……マジックブラシでアンジーが絵を描けば……島は平和になると」
キーボ「神様は存在しませんよ」
アンジー「ロボは信仰心もないんだねー」
キーボ「キミもロボット差別ですか!!?」
バッ
夢野「んあーーーーーーーーーーーー!!!?」
天海「夢野姫!!!?」
ニセ天海「……」タッタッタッ
夢野「は、離せい!!!」
東条「夢野さんが……偽物の天海くんに攫われたわ!!!」
天海「キーボくん、ターボノズルっす」
キーボ「分かりました!!」
夢野「いくらウチが魅力的とはいえ……拉致は犯罪じゃぞ!!」
ニセ天海「ウフフ……あなたなら地味にどんなコスチュームも似合いそうだね!!」
ニセ天海「あなたをボスに届けて色んな服を着せるんだから!!」
夢野「ウチは着せ替え人形じゃないわい!!!」
ビシャアッ!!!
ニセ天海「きゃあ!!!?」
天海「そこまでっすよ」
ニセ天海「覚えてなさい!!」シュン!!!
キーボ「消えましたね……」
天海「夢野姫、怪我はないっすか?」
夢野「んあー……助かったわい」
東条「彼は一体何者なのかしら……」
天海「……奴の正体も突き止めないといけないっすね」
キーボ「天海クンに成りすましてるなら色まで再現した方がよかったのでは……?」
ニセ天海(色まで再現したらブツブツができちゃうから……)
天海「なかなかシャインが見当たらないっすね……」
キーボ「誰かに聞いてみるというのはどうでしょうか?」
天海「いいかもしれないっすね、早速あそこにいる人に聞いてみるっす」
天海「すいません、シャインをどこかで……」
茶柱「な、男死!!!?」
ガシッ
天海「え?」
茶柱「きえええええええええええ!!!」ブン!!
天海・キーボ「うわああああああああ!!!」
天海「いてて……まさか投げられるなんて……」
キーボ「天海クン!! 目の前にシャインが!!」
天海「……どうやら投げられて正解みたいだったすね」
リコハーバー
真宮寺「イカサーフィン、やっていくかい?」
天海「へぇ……面白そうっすね」
真宮寺(クックックッ……このイカサーフィンは壁にぶつかるまで止まらない)
真宮寺(顔面を強打した君は……あの世行きだヨ!!!)
真宮寺(この際男子でもいいや……姉さん、待っててネ!!)
キーボ「天海クン、遊んでる暇はありません。 早く行きましょう」
天海「確かに……今はそれどころじゃないっすね」
天海「すいません、遠慮するっす」スタスタ……
真宮寺「……」
真宮寺(あのロボは不合格だヨ)
天海「シャインもだいぶ集まってきたっすね」
キーボ「そうですね」
星「よお兄ちゃん。 頑張ってるな」
天海「! あなたは……」
星「そんなあんたにはサングラスをプレゼントだ」
天海「!! これは眩しくなくていいっすね。 ありがとうっす」
星「……あんたにはいらねえな。 ロボだし」
キーボ「どうしてみんな揃って差別するんですか!!?」
マンマビーチ
百田「オレは宇宙に轟く百田マン!!」
百田「オレとかけっこで勝負だ!!」
天海「いいっすよ」
百田「おっと、背中に背負ってるそいつは使うなよ? 男だったら正々堂々と勝負しねーとな!!」
天海「……仕方ないっすね」
キーボ「……天海クン、大丈夫ですか?」
天海「平気っすよ」
百田「じゃあ行くぜ!! よーい……ドン!!!」ダッ
百田「よーし!! 大分距離を離したぜ!!!」タッタッタッ
天海「……思ってたよりも速いっすね」タッタッタッ
百田「これで優勝は……」
パッ
テレサ「ケケケ……」
百田「おわああああああああああああ!!!?」バタッ
天海「……気絶しちゃってるっすね」
百田「ま、負けは負けだからな……シャインやるぜ」
天海「サンキューっす」
キーボ「どうしてマンマビーチにテレサが……? 普通はシレナビーチにいるはず……」
天海「真面目に考察したらキリがないっすよ」
ドルピックタウン
天海「久しぶりに戻って来たっす」
東条「大変よ天海くん!!」
天海「東条さん……どうしたんすか?」
東条「夢野さんが……天海くんの偽物に攫われてしまったの!!」
キーボ「またですか!!?」
東条「ごめんなさい……私が不甲斐ないばかりに……」
天海「……どこに行ったか分かるっすか?」
東条「船に乗ってピンナパークへ行ったわ」
キーボ「ボク達も急いで行きましょう」
天海「そうっすね」
天海「……」ゴオオオオオオオ
天海「なんでターボノズルで行くんすかね?」ゴオオオオオオオ
キーボ「入間さんが大砲を遊び感覚で分解してしまいましたからね」
天海「ピンナパークに着いたっすよ」
赤松「!! 助けて旅の人!!」
天海「君は……?」
赤松「私はここの園長!!」
赤松「変な奴らが……遊園地を乗っ取ってるの!!」
赤松「お願い!! 助けて!!」
キーボ「天海クン、恐らく……」
天海「ほっておけないっすね」
天海「確かに敵があちこちいるっすね……」
キーボ「あれは……ピアノの観覧車……」
天海「あっちはピアノのメリーゴーランドに……ピアノのコーヒーカップ……」
赤松「すごいでしょ!!?」
天海「どこもかしこもピアノだらけっすね……」
ニセ天海「マリオ的に言ったらミュージックパークだね!!」
キーボ「あ、偽物!!!」
ニセ天海「しまった!! つい!!!」
夢野「んあーーー!! 離せと言うとるじゃろうが!!」
キーボ「夢野姫!!」
天海「……どうして夢野姫を攫うんすか? 何が目的っすか?」
ニセ天海「うふふ、それは……」
バッ
ニセ天海→白銀「夢野さんとウチのボスをくっつける為だよーー!!」
夢野「なんじゃと!!?」
天海「正体を……現したっすね」
白銀「それじゃあねー!!」バッ
キーボ「あ!! また行っちゃいました!!!」
天海「……ここにあるシャインを全部回収したら追いかけるっすよ」
天海「園内のシャインは全部手に入れたから次は浜辺を探索するっすよ」
赤松「それに賛成だよ!!」同意
キーボ「天海クン!! 巨大なヒマワリがあります!!!」
天海「……元気がなさそうっすね」
春川「……黙れ、クソヤロー」
キーボ「ク、クソヤロー!!?」
天海「随分と口が悪いヒマワリっすね」
春川「……子ヒマワリに好かれるんだよね。 愛想がいいわけでもないのに」
天海「いや、聞いてないっす」
春川「……殺されたいの?」
キーボ「中々話が進みませんね……」
ドルピックタウン
キーボ「次はシレナビーチへ行きましょう」
天海「どうやって行くんすか?」
キーボ「あの土管に入ればすぐに行けますよ」
天海「……巨大なパイナップルが邪魔で入れないっすね」
キーボ「ではゴン太に食べさせましょう」
天海「ゴン太……?」
キーボ「フルーツが大好きな恐竜です。 普段は卵の中に入っていますが、フルーツを食べさせようとすれば出てきますよ」
天海「!! 噂をすれば……あそこにある卵がそれっすね」
キーボ「ええ、そうですね」
天海「それじゃあ近くにあるフルーツを……」
ゴン太「ごめん!! ゴン太、バナナは食べれないんだ!!!」
天海「ゴン太にも好き嫌いはあるんすね」
キーボ「すいません、情報不足でした……」
シレナビーチ
天海「あそこにある建物は……ホテルっすか?」
キーボ「いえ、あれはシレナビーチ名物のラブアパートです」
天海「ラブアパート……?」
キーボ「なんでも妄想が実現しちゃうアパートなんだとか……」
天海「……よく分からないっすね。 けどあそこにシャインがある以上、入るしかないっすね」
天海「支配人、アパートに入らせてもらってもいいっすか?」
最原「いや……それが鍵を手に入れないと入れないんだ」
天海「鍵……?」
キーボ「隣にあるカジノでメダルと交換するんですよ」
天海「面倒っすね……」
数十分後
天海「なんとか手に入れたっすよ」
天海「ハズレが何回か出て砲丸が頭に直撃したっすけどね」
キーボ「だ、大丈夫ですか天海クン?」
天海「まぁこれも夢野姫の為っすから」
天海「じゃあ入るっすよ」
ガチャッ
天海「これは……如何にもあれなアパートっすね」
キーボ「あの……天海クン」
天海「なんすか?」
キーボ「手を繋いでも……いいでしょうか?///」
天海「えっ」
キーボ「本当にシャインなかったんですか? ボク、全然覚えてないんですけど……」
天海「なかったすよ」
天海「あと……俺にそっちの気はないっす」
キーボ「へ?」
ドルピックタウン
キーボ「うわあ!!?」
天海「……なんで町が水浸しになってるんすかね?」
王馬「オレの仕業だよー!!」
夢野「んあー!! 離せい!!!」
キーボ「夢野姫!!」
天海「もしかして……君が白銀さんの言ってたボスっすか?」
王馬「そうだよー!!」
王馬「早くオレを倒さないと夢野ちゃんに色んなイタズラしちゃうよー?」
夢野「んあーーーー!!! 天海ーーーーーーー!!!」
天海「今助けるっすよ!!!」
議論開始!!
王馬「オレが夢野ちゃんを攫ったのは……」
王馬「【イタズラする為】なんだー!!」
【白銀の証言】→【イタズラする為】
天海「それは違うっすよ!!」論破
王馬「へ? 何がどう違うの?」
天海「白銀さんは言ってたんすよ……君と夢野姫をくっつけるのが目的だと」
王馬「……」
王馬「あーあ。 つまらなくないと思ったのに」
キーボ「成る程、王馬クンは夢野さんと付き合う為に無理矢理攫ったんですね」
キーボ「王馬クンは夢野さんが好き……という事ですか?」
王馬「流石ロボ!! 理解力ないねー!!」
キーボ「なっ!!?」
王馬「オレがこんなアジみたいなやつ好きになるわけないじゃん!!!」
夢野「んああ!!? アジじゃとお!!?」
王馬「夢野ちゃんがオレの事好きだからしょうがなく付き合ってあげようとしているだけだよ!!」
夢野「ウチはお主みたいなやつとは付き合わん!!!」
王馬「ひどいよ……オレは夢野ちゃんの事好きになるように努力してるのに……」
夢野「んあっ!?///」ドキッ
王馬「ちょっと……夢野ちゃんの事好きになったのに……」
夢野「んああ!!?///」ドキドキッ
夢野「そ、そこまで言うんじゃったら……」
夢野「考えてやっても……よいがのう///」
王馬「本当!? じゃあ早速行こう!!」ダッ
夢野「んああ!!? 引っ張るでない!!」
王馬「夢野ちゃんといたらつまらなくないからねー!!」
キーボ「行ってしまいましたね」
白銀「もうボスったら……素直じゃないんだから」
天海「やっぱり……好きじゃないってのは嘘だったんすね」
東条「天海くん、島も平和に戻ったわ」
天海「そうっすね。 じゃあ……」
天海「改めてバカンスを……楽しむっすよ!!!」
こうして天海のバカンスは始まった。
百田「天海!! 次は宇宙行こうぜ宇宙!!」
天海「スーパー天海ギャラクシーっすか……悪くないっすね」
終わり
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