亜里沙「ラブライブ」 (195)

むかしむかし、ある所に音ノ木坂学院と言うそれは由緒正しい伝統のある高校がありました。
ところが音ノ木坂学院は近年の少子化が影響して廃校寸前でした。
そんな音ノ木坂学院の為に9人の女神が立ち上がりました。
なんと彼女達はスクールアイドルを結成し音ノ木坂学院を救ったのです。
彼女達の名前は…。

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亜里沙「その名もμ'sです!」

藤城「…」

九条「…」

亜里沙「あれ?反応が薄い…」

藤城「亜里沙先輩…。その話何回目だと思ってるの?もう聞き飽きたよ。むかしむかしではないし」

亜里沙「でも…大事な話なんだよ?」

藤城「でもなぁ」

九条「あはは…。でも、凄かったですよね。μ's。当時中学生でしたけどハッキリと覚えてますよ」

亜里沙「でしょ?」

九条「はい」

藤城「まあ、実際私もμ'sを見てスクールアイドルを始めた口だけどさ」

九条「良いじゃない。亜里沙さんがμ'sの話をする様になって。私は嬉しいわ」

藤城「まあ…そうだね」

ガチャ

雪穂「あ~…皆んな集まってる?」

亜里沙「あっ!雪穂。遅かったね?」

九条「まだ一年生組が来てませんけど」

藤城「最近遅いよね。あの子達」

雪穂「その一年生組の事なんだけど…」

亜里沙「え?」

九条「もしかして…」

雪穂「昼休みに私の所に来てこれを渡して来ました」

亜里沙「あっ…退部届け…」

藤城「やっぱりなぁ。そんな感じがしてたんだよなぁ。あの二人…」

亜里沙「そんな…何か嫌だったのかな?」

雪穂「多分…想像してたのと違ったんじゃないかな」

藤城「まあ、アイドル研究部って言ってるけど実際バリバリ運動部だしね」

九条「私達の代も残ったのって悠弓ちゃんだけだもんね」

亜里沙「えっと…あの二人は一年何組だったっけ?」

雪穂「引き止めに行くの?」

亜里沙「うん。だって…せっかくスクールアイドルに興味を持ってくれたから…」

藤城「無駄だと思うけどな。」

亜里沙「取り敢えず話だけでも聞いてくる」

1年2組

亜里沙「あの…どうして…」

一年生「私達…μ'sに憧れて入部してみたんですけど…思ったより練習もキツくて」

一年生「先輩達に迷惑を掛ける前に…」

亜里沙「そうなんだ。でも…」

一年生「本当にごめんなさい」

一年生「ご迷惑お掛けしました」

亜里沙「そっか…」



藤城「ほらね?思った通りだ」

九条「うん」

亜里沙「あ~…練習厳しすぎたのかなぁ」

藤城「そんな事はないと思うよ?」

亜里沙「でも…何人も辞めてるし」

九条「アイドルってキラキラ輝いてるイメージがありますから」

雪穂「私や亜里沙は家族にスクールアイドルが居たから裏で努力してるのは知ってたけど。音ノ木坂はμ'sに憧れて入部してくる子が多いから入ってからギャップについて行けないんだろうね」

藤城「まあ、アイドルがこんなに泥臭いとは思わないだろうね」

亜里沙「なるほど」

第1話

亜里沙「という事で今年はこの四人の体制でやって行く事になりました」

藤城「はあ…結局かぁ」

雪穂「ガッカリしてる暇なんてないよ?言っておくけど夏にはラブライブがあるんだからね?」

九条「ウカウカしてたら夏なんてあっという間ですもんね」

亜里沙「うん。で、一応皆んなに聞いておこうと思ったんだけど。もうラブライブのエントリーが始まってるんだ」

藤城「へ~もう…」

亜里沙「うん。聖来も悠弓も…いいよね?」

藤城「うん。勿論」

九条「頑張りましょう」

亜里沙「雪穂は?」

雪穂「聞かなくても分かるでしょ?」

亜里沙「そうだね」

雪穂「目指すはラブライブ優勝!」

亜里沙「そうこなくっちゃ」

藤城「で?ラブライブってどうやってエントリーするんですか?」

亜里沙「え?」

藤城「ほら、去年私達は途中からの参加だったから」

亜里沙「あ~そっかぁ。そう言えばそうだったね」

九条「書類を提出したり?」

雪穂「ラブライブのエントリー事態は簡単なんだよ。ネットで申し込めるから」

亜里沙「そう。クリックをポチポチッと押すだけ」

藤城「確かに。簡単ですね」

雪穂「エントリー事態はね」

九条「エントリー事態は?」

雪穂「学校の許可が必要なの」

藤城「学校の許可?」

九条「許可を貰うのが難しいんですか?」

雪穂「理事長まで行けば簡単に通るんだけどね」

藤城「どう言う事?」

亜里沙「生徒会長の許可を貰うのが大変なんだよね」

九条「生徒会長…ですか?」

雪穂「そう。生徒会長の許可を貰うのが一筋縄じゃいかないと思うんだよね」

藤城「でも、去年はちゃんと許可を貰ってるんだよね?」

亜里沙「去年は真姫さんが居たからねぇ」

九条「真姫さんが?」

雪穂「まあ、何とかなるとは思うんだけどね」

亜里沙「まあ、ここに居ても仕方ないし。取り敢えず当たってみようか」

雪穂「そうだね」

生徒会室

生徒会長「学校の許可ぁ?認められないわぁ」

亜里沙「鳥居さん。そこを何とか…」

鳥居「ダメよ。学生の本分は勉学に励む事です。ラブライブなんて受験生にとっては敵です。認める訳にはいきません」

雪穂「勉強は勉強でちゃんとするし」

鳥居「出来ますか?事実、西木野真姫先輩はラブライブに熱中するあまり第一志望に合格する事が出来なかったじゃない」

藤城「でも、ちゃんと医学部にはいけたもんね?」

九条「うん」

亜里沙「それに今回は取り敢えず夏のエントリーだから…」

鳥居「受験生に取っては夏休みなんてないんですよ!取り敢えずダメなものはダメです」

亜里「そんなぁ」

鳥居「いいですか?私はスクールアイドルなんて絶対に認めません。相川!」

亜里沙「まだ話は…」

相川「はい。申し訳ありませんがお帰り下さい」

亜里沙「はあ…やっぱりダメだったね」

雪穂「まあ…何となくこうなるとは思ってたけどね」

九条「なんか…スクールアイドルを目の敵にしてる感じでしたね?」

藤城「それ私も思った。受験がどうとか言ってたけど。スクールアイドルの事が気に入らないって口振りだった」

九条「亜里沙さんと雪穂さんは何か知ってるんですよね?」

雪穂「うん。まあ…ね」

藤城「一体何があったんですか?」

亜里沙「鳥居さんは真姫さんと同じ中学校出身なんだよ」

藤城「真姫先輩と?それが何か関係あるの?」

雪穂「鳥居さんは中学の頃から真姫さんに憧れてたんだって。クールで美人で頭が良くて。孤高の存在って感じで特にそんな所に憧れてたんだって」

九条「孤高の存在?」

藤城「真姫さんが?」

亜里沙「真姫さんってスクールアイドルを始めるまではそんなイメージだったらしいの」

雪穂「で、憧れの真姫さんを追う様にして音ノ木坂に入学したら中学時代の真姫さんは変わってしまっていたと。スクールアイドルが真姫さんを変えてしまったって」

九条「それでアイドル研究部を目の敵に…」

藤城「私怨じゃないか!生徒会長がそんなんでいいの?」

九条「まあ、気持ちは分かるよ。憧れてた人が変わってしまったって」

藤城「でも、それでアイドル研究部の活動を認めないって言うのはお門違いだと思うけど」

雪穂「私もそう思う」

亜里沙「そうだね」

九条「でも、去年は通ったんですよね?生徒会長は二学期から鳥居さんだから…鳥居さんの許可を貰ったって事ですよね?」

雪穂「去年までは真姫さんが居たからね。真姫さんの方からお願いしたから…何とかね。それでも大変だったけど」

藤城「変わってしまったとは言え真姫先輩のお願いは無下に出来なかったって事か」

雪穂「多分ね」

藤城「じゃあ、話は簡単じゃないか。真姫さんに頼んで貰えばいいじゃない」

九条「真姫さんは医学生だし忙しいんじゃないかな」

雪穂「そうだね。真姫さんに頼るのは本当に最後の手段にして。どうする?部長?」

亜里沙「ん~…そうだなぁ。やっぱりスクールアイドルがどれだけ素晴らしいかを鳥居さんに理解して貰うのが一番かな」

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トントン

鳥居「どうぞ」

ガチャ

ジャーンジャーンジャンジャーン

亜里沙「私達は~」

雪穂「スクールアイドル~」

九条「素敵で楽しくて~」

藤城「皆んなを笑顔にするの~」

鳥居「何ですか?」

亜里沙「スクールアイドルの良い所を生徒会長に知って貰おうと」

藤城「アイドルらしく歌で伝えようと思いました!伝わりました?」

鳥居「全然」

亜里沙「そんなぁ」

鳥居「相川…」

相川「はい。申し訳ありませんがお帰り下さい」

亜里沙「ダメだったね?」

藤城「うん。ダメだったなぁ」

雪穂「私は思った通りだったけど…」

九条「私も…」

藤城「ん~」

雪穂「それは…」

亜里沙「それじゃあ…こういうのはどうかな?」

鳥居「さてと、勉強でもしようかしら。ん?何よこれ?」

相川「どうか致しましたか?」

鳥居「私の机の中にこんなもんが!」

相川「…スクールアイドル雑誌」

鳥居「アイドル研究部の仕業ね。小癪な真似を」

相川「A-RISEの特集の号ですね」

鳥居「あら、本当だ。っじゃないのよ。こっちはポスター。こっちには下敷き…」


亜里沙「ふふっ。鳥居さんの潜在意識に訴えかけるスクールアイドルサブミナル作戦」

藤城「流石亜里沙先輩!頭いい~」

雪穂「サブミナルってもっとさり気無くやるもんだと思うけど」

九条「ですよね…」

ガチャ

鳥居「やっぱりあなた達の仕業ですね」

亜里沙「あっ…鳥居さん…気に入ってくれたかな?」

鳥居「そんな訳でないでしょう。返します」

ドサッ

鳥居「それじゃ」

バタン

亜里沙「ダメだっかぁ」

雪穂「だろうね」

九条「少しアプローチの仕方を変えた方がいいと思いますけど」

亜里沙「ん~そうかなぁ」

藤城「何か生徒会長の弱みを握るとか?」

雪穂「そう言うやり方は好きじゃないかな」

亜里沙「私もそれは」

藤城「じょ、冗談だよ。冗談」

九条「よしっ!外堀を埋めましょう」

亜里沙「外堀?」

ファミレス

相川「…」

九条「さあ、好きな物を注文した下さい」

亜里沙「定食でもデザートでも何でもいいよ」

藤城「成る程…外堀って副会長の事かぁ」

雪穂「要するに相川さんを買収するって事ね」

相川「チョコレートパフェ」

九条「チョコレートパフェですね!」

相川「それからチーズケーキとあんみつ」

亜里沙「え?そんなに?」

相川「ガトーショコラも頂きましょうか」

九条「ちょ、ちょっと待ってください。好きなものとは言いましたけど…」

藤城「そうだよ。女子高生のお小遣い事情を考えて注文してよ」

相川「好きな物を頼めと言ったじゃないですか」

藤城「確かに言ったけど」

雪穂「あはは…一筋縄じゃいかないなぁ。やっぱり」

相川「今日ここに呼ばれたのは…生徒会長の事ですよね?」

亜里沙「え?あっ…はい。そうです」

相川「別に…私の所に来なくても簡単に解決すると思いますけどね」

藤城「いや~それはどうかなぁ」

九条「そうですよ。頑なじゃないですか」

相川「いえ…簡単ですよ」

雪穂「聞かせてくれない?相川さん…」

相川「それは…」

亜里沙「それは?」

相川「生徒会長はバカだからです」

藤城「 は~成る程…え?バカ?」

相川「はい」

雪穂「いやいや、相川さん?バカってどういう事ですか?」

相川「ガトーショコラ」

亜里沙「すいません。注文いいですか?」


次の日

鳥居「今日はアイドル研究部は来ないのね…」

相川「来て欲しいんですか?」

鳥居「まさか」

ガチャ

亜里沙「失礼します」

鳥居「あなた達…性懲りも無くまた来たのね」

雪穂「今日は生徒会長にお願いがあって来ました」

鳥居「何度来ても無駄よ。私はスクールアイドルなんて」

亜里沙「鳥居さん。私達に力をかしてくれませんか?」

鳥居「え?」

亜里沙「相川さんから話は聞きました。私達と一緒にスクールアイドルをやって下さい」

鳥居「あなた達…」

雪穂「鳥居さん。一緒にラブライブ優勝を目指しましょう」

鳥居「なに言ってるの?あなた達は…」

亜里沙「え?だって…相川さん?」

鳥居「どういう事?相川?」

相川「あ~…てっきり生徒会長はアイドル研究部に入りたいのかと思ってました」

鳥居「なんでそうなるの?」

相川「入りたいなら入ればいいのにバカだな~と思ってました」

鳥居「私の事そんな風に思ってたの?」

相川「はい」

雪穂「…全然話が違うし」

藤城「ガトーショコラ返せ!」

鳥居「私がアイドル研究部に入りたい?そんな訳でないじゃない。私はあの日の事を絶対に忘れない…」

二年前

生徒「私なんの部活に入ろうかな~」

生徒「鳥居さんは決めた?」

鳥居「私?そうね~私は西木野先輩の居るアイドル研究部に入部するの」

生徒「え?鳥居さん知り合いなの?」

鳥居「ええ。同じ中学出身でね。西木野先輩はいつもテストが学年一位だったの。で、私の学年は私が一位で…ある時、私が図書室で勉強してたら」

真姫『あら?あなた…』

鳥居『あっ、に、西木野先輩』

真姫『苦労するわよね?お互い頑張りましょう?』

鳥居「って言ってくれたの」

生徒「そうなんだ」

鳥居「そう。あの孤高の秀才西木野真姫さんが私に声を掛けてくれたの」

なのに…

ガチャ

鳥居「失礼します。あの、西木野先輩!」

凛「真姫ちゃ~ん」

真姫「ちょっと、凛。離れなさいよ~」

凛「え~嬉しいくせに~」

真姫「も~仕方ないわねぇ。あら?あなた…」

鳥居「あっ!あの……西木野先輩」

真姫「え?」

凛「あれ?真姫ちゃんの知り合い?」

真姫「いえ…初対面だけど…」

鳥居「え?」

真姫「もしかして入部希望者?それなら明日の部活動紹介が終わってから…」

鳥居「いえ…間違えました。失礼します」

ダッ

真姫「ちょ、ちょっと…あなた…」

鳥居「あの時、声を掛けられて凄く嬉しかった。なのに西木野先輩は私の事を覚えていなかった」

藤城「え?もしかして…それでアイドル研究部を目の敵にしてるの?逆恨みじゃ…」

九条「真姫さんが変わってしまったからじゃなかったんだ…」

藤城「しかし…そんな事でねぇ…」

鳥居「そんな事で?あなた達には分からないでしょうね?憧れてた人に忘れられる人間の気持ちが」

雪穂「う~ん…」

亜里沙「じゃあ、真姫さんの事見返してあげよう!」

鳥居「はい?」

雪穂「亜里沙?」

亜里沙「ラブライブで優勝して真姫さんが絶対に忘れない様に!私もラブライブで優勝してあの人達を超えたいの。どう?利害の一致だと思う」

鳥居「私が西木野先輩を超える…」

亜里沙「そう。だから私達に力を貸してよ。鳥居さん」

鳥居「ふっ、なるほど。分かったわ。あなたの口車にまんまと乗ってあげるわ。手を組んであげる」

亜里沙「うん。よろしく!」

藤城「まあ…何とか一件落着だね」

九条「そうね。まさかの展開だったけど」

雪穂「まあ、でもまだスタートラインに立てたってだけだからね。ほんとうに大変なのはこれから」

第2話

雪穂「という事で理事長の許可もおりて正式ラブライブにエントリーが決まりました」

亜里沙「部員も二人増えて幸先良いね~雪穂!」

鳥居「ちょっと待ってください」

亜里沙「へ?」

鳥居「私と相川は入部するとは言ってません」

亜里沙「そうなの?」

鳥居「あくまで手を組んでいるだけですから」

相川「私は別に構いませんけど?」

鳥居「ちょっと…相川」

藤城「色々とツッコミたい事はあるんですけど。そもそも、鳥居先輩と相川先輩の関係って…」

相川「私は歩美様の世話係みたいなものです。歩美様は私が居ないと何も出来ないので」

鳥居「そんな事はありません」

藤城「世話係?」

雪穂「鳥居さんって社長令嬢なんだよ」

九条「え?って事は…侍女って事ですか?」

相川「そうなりますね」

亜里沙「え?なんで鳥居さんにお姉さんが居るって分かったの?」

鳥居「はあ?何を言ってるの?」

雪穂「あ~…そうかぁ。違うよ、亜里沙。侍女違いだよ。世話係とかそんな感じの意味だよ」

藤城「そう言えば亜里沙先輩って帰国子女なんだよなぁ。忘れてたけど」

九条「普段なかなか使いませんからね。侍女なんて」

亜里沙「ふ~ん。そうなんだ」

雪穂「まあ、その話は置いといて。どうしようか?今後の活動」

亜里沙「ん~…やっぱりランキング上位に入るには…新曲を披露するのが一番だよね?人数も増えたし」

雪穂「うん。そうだね。既存の曲も人数が増えた分フォーメーションを変える必要があるしね。それなら新曲を作った方がいいかもね」

藤城「新曲か~。ワクワクするね」

雪穂「」

鳥居「」

亜里沙「よしっ!じゃあ、新曲作りから始めようか!」

九条「ちょっと待って下さい」

亜里沙「どうしたの?」

九条「鳥居先輩と相川先輩はスクールアイドルを始めたばかりなんですよ?新曲を作るのも良いですけど先ずは二人の基礎練習をした方がいいんじゃないんですか?」

亜里沙「あ~確かに…そうかも」

雪穂「うっかりしてたね」

相川「その必要はありませんよ」

九条「え?」

相川「歩美様も私も基礎は完璧に出来ています」

九条「そ、そうなんですか?」

鳥居「私を誰だと思っているの?踊りや歌など出来て当然。鳥居家の人間として当然の嗜みです」

亜里沙「へ~そうなんだ。鳥居さん凄い」

相川「西木野真姫さんがスクールアイドルを始めたと言う情報を手に入れて直ぐに稽古を付けてもらいましたからね。歌はロックから演歌に軍歌、踊りはヒップホップからロボットダンス、オタ芸までなんでも完璧にこなせます」

鳥居「ちょっと相川!何暴露してるのよ!」

藤城「え?そこまでした?そこまでしたのにアイドル研究部に入部しなかったなんて…何というか…」

相川「そうなんです。付き合わされる私の身にもなって貰いたい」

鳥居「なんですって?」

雪穂「まあまあ。二人とも基礎は完璧って言うのは凄く助かるよね」

亜里沙「そうだね」

鳥居「逆に聞きますけどあなた達は何が出来るのかしら?」

藤城「え?何?」

亜里沙「何がって」

鳥居「だって新曲作るんでしょ?当然作詞作曲やダンスの振り付け、衣装作りを自分達でやっるのでしょう?」

雪穂「うん。自分でやってるよ」

九条「作詞は雪穂先輩と亜里沙先輩が二人でやってます。作曲は私が。振り付けは皆んなで、衣装作りは悠弓ちゃんがデザインして皆んなで使ってますよ」

鳥居「ふ~ん。そうなの」

相川「私も曲作りには多少覚えがあります」

亜里沙「え?本当?」

相川「はい」

雪穂「それは助かるね」

九条「そうですね。今年からは真姫さんいないから。真姫さんは私の師匠なんです」

鳥居「なっ…そうなの?」

九条「はい」

鳥居「羨ましい…」

藤城「やっぱり未練タラタラなんじゃん…」ボソッ

鳥居「何か言いました?」

藤城「いえ…別に」

鳥居「でも、あなた達と西木野真姫さん達は同じアイドル研究部でもスクールアイドルとしては別々のグループとして活動していたのですよね?」

雪穂「うん。そうだよ」

亜里沙「同じ部員だけどライバル」

鳥居「どうして一緒に活動しなかったのですか?」

雪穂「それは私のお姉ちゃんがね…」

二年前

花陽「という事で雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが入部をしてくれました」

雪穂「よろしくお願いがします」

亜里沙「お願いします」

穂乃果「わ~い。ユッキー!亜里沙ちゃーーん!」

凛「ようこそにゃ~」

真姫「で?これからどうするの?」

花陽「へ?」

真姫「スクールアイドルとしての活動よ。私達6人に2人が加わった形で活動していくの?」

凛「あ~…そっか…どうするの?」

海未「それについては私とことりと穂乃果でも少し考えていたのですが」

ことり「私達6人にが集まっちゃうと結局μ'sの延長線になっちゃうんじゃないかなって思ったんだ」

真姫「確かに…それは一理あるかも」

穂乃果「それならいっその事ライバル同士になった方がいいんじゃないかって思ったんだけど」

真姫「ライバル同士?」

穂乃果「うん。私と海未ちゃんとことりちゃんは3人でスクールアイドルとして活動するよ」

花陽「私達と別に…」

穂乃果「うん」

凛「凛は賛成にゃ!絵里ちゃん達が居ないのに凛達6人集まってやるくらいなら敵同士の方がいいにゃ」

真姫「そうね。私達のスクールアイドルとしての第二幕はライバル同士。穂乃果達がライバルなら燃えるわ」

花陽「うん。そうだね。二人はどうかな?」

雪穂「実は…私達も二人で始めようって言っていたんです」

穂乃果「そっか!じゃあ、今年は私達と二年生組、雪穂と亜里沙ちゃんのグループで三国志だね」

亜里沙「はい!穂乃果さん達にも花陽さん達にも負けません。頑張ろうね?雪穂!」

雪穂「うん」

雪穂「って言う感じで。音ノ木坂のアイドル研究部としては同じ部員だったけど別々のグループで活動する事になったんだ」

鳥居「ふ~ん。別に6人で活動すれば良いのにと思いますけどね。よく分かりませんけど」

亜里沙「ふふっ。まあ昔の話はいっか」

雪穂「そうだね。確実にランキング上位に組み込めるように当面は体力作りと既存のダンスの練習、そして新曲の作成だね」

亜里沙「うん。よ~し。頑張るぞ~」

理事長室

コンコン

理事長「どうぞ」

「失礼します」

理事長「あら?久しぶりね。卒業して以来だから…三年ぶり?」

「はい…。ご無沙汰してます。来週からまたお世話になります」

数日後

雪穂「よしっ!こんな感じで良いのかな?」

亜里沙「うん。完璧だよ」

藤城「だから~…踊るんだからね?分かってる?舞踏会じゃないんだよ?」

鳥居「そんなのは分かってるわよ」

藤城「だったらこんなデザインにならないよね?」

九条「あの…やっぱり私はもうちょっとファンの皆さんも一緒に歌って踊れる事を前提とした曲調が良いと思うんですけど」

相川「いえ。圧倒的なパフォーマンスを披露する事こそ大切かと」

九条「ですけど…」

亜里沙「皆んないい感じだね?」

雪穂「そうかな…?全然纏まってない様な気がするけど…」

亜里沙「そんな事ないよ。こうやってお互いに研鑽して良い曲は出来るんだよ」

雪穂「さあ、曲作りも大切だけど練習しに行こう。身体が鈍っちゃうよ」

鳥居「ふっ、私は練習などしなくても余裕ですけどね」

亜里沙「真姫さんを見返すんでしょ?そんなんじ無理だよ?」

鳥居「わ、分かってます」

藤城「どうだかね」

九条「真姫さんが悪者みたいになっちゃってるね」

亜里沙「よしっ!じゃあ、屋上に行こうか!」

雪穂「そうだね」

カァー カァー

雪穂「ワンツースリーフォー ワンツースリーフォー。はい、終了~」

亜里沙「ふぅ…」

鳥居「はあ…はあ…はあ…」

九条「やっぱり凄いですね。キレが全然違う」

鳥居「あっ、当たり前でしょ。はあ…はあ…あなた達とはレベルが違うの」

藤城「これで体力があればな~」

雪穂「まあ、なんとなく課題も見えてきたね」

鳥居「くっ…あ、あなた達レベルなど直ぐに追いついてみせるわ」

亜里沙「お~凄い向上心」

鳥居「って言うか…相川!なんであなたは全然余裕そうなのよ?」

相川「私ですか?私は日々鍛錬していますから」

藤城「おおっ!これは頼もしい!」

相川「まあ…私の仕事は体力勝負なので」

亜里沙「へ~侍女って大変なんだ」

相川「侍女たから大変なのではありません。歩美様の侍女だなら大変なんです」

藤城「へ~なるほど」

鳥居「どういう事よ!」

雪穂「また…賑やかになって来たね」

亜里沙「うん!」

第3話

キーンコーンカーンコーン

藤城「ふぁ~」

九条「こらっ。女の子がそんな大口開けて」

藤城「ん~朝から練習張り切り過ぎたからなぁ」

九条「これで日中ダウンしてたら元も子もないね…」

藤城「そんな事はないよ」

ガラガラ

教師「はい、皆んなおはよ~」

藤城「ん…ちょっと少しの間目を瞑ってるから何かあったら教えて?」

九条「ちょっと…目を瞑るって…寝ないでよ」

教師「え~今日からウチのクラスに教育実習生が来てます。それじゃあ、紹介するので…どうぞ」

ガラガラ

絵里「これから一ヶ月間お世話になります。絢瀬絵里です」

九条「え?…ちょっ…悠弓ちゃん…」

藤城「ん…何?何かあった?」

九条「あれ…」

藤城「へ?あっ!?」

絵里「数年前、私も音ノ木坂学院に通っていました。皆さんの少し先輩になります。どうぞよろしくお願いします」

九条「知ってた?」

藤城「いや…聞いてない」

キーンコーンカーンコーン

藤城「ちょっと!亜里沙先輩!どういう事ですか?」

九条「そうですよ。先に言っといて下さい。びっくりしました」

雪穂「本当だよ。私も全校集会で絵里さんが出て来てビックリしたよ」

亜里沙「そんな事言われても…。私も知らなかったよ」

藤城「え?そうなの?」

雪穂「絵里さん何も言ってなかったの?」

亜里沙「うん。教職を目指すとは聞いてたけど…。お姉ちゃんは何を考えてるんだろう」

雪穂「あ~…でも一つ謎が解けたよ」

亜里沙「謎?」

雪穂「うちのお姉ちゃんも将来先生になるって言い出したから…そうか…絵里さんの影響だったのか…」

亜里沙「えっ!?穂乃果さんも?」

雪穂「うん。ビックリだよね…」

ガチャ

鳥居「どういう事ですか!!!?」

亜里沙「あっ!?鳥居さん…何かな?」

鳥居「あなたのお姉さんの話です」

藤城「もうそのくだりやったよ」

絢瀬家

亜里沙「お姉ちゃん!どういう事!?」

絵里「あら~何の事?」

亜里沙「何の事って一つしかないでしょ。お姉ちゃんが教育実習で来るなんて私聞いてない」

絵里「だって言ってないもの。びっくりした?」

亜里沙「したよ。なんで言わないの?」

絵里「だから…びっくりさせようと思って…」

亜里沙「もう!そう言うのいいよ。大事な事なんだからちゃんと教えといてよ」

絵里「ごめんごめん。悪かったわ。まあ、私は二年生の担当だから亜里沙とは直接関わり合いになる事はないと思うけど」

亜里沙「お姉ちゃんの担当のクラスに九条聖来って娘と藤城悠弓って娘がいたでしょ?」

絵里「う~ん…」

亜里沙「いるの!あの娘達アイドル研究部の部員だから。一度会ってるはずだけど…忘れた?」

絵里「あ~覚えてわよ。忘れる訳ないじゃない。今日はほら?顔合わせ程度で終わっちゃったから。へ~そうなの。アイドル研究部のね~」

亜里沙「そうなの。だから変な事しなにでね?」

絵里「しないわよ。亜里沙はお姉ちゃんの事なんだと思ってるの?」

翌日

キーンコーンカーンコーン

絵里「はい。じゃあ、今日はここまで…ですよね?」

教師「はい」

絵里「えっと…じゃあ…日直の方。お願いします」

生徒「起立!礼!」

絵里「ふう。緊張したぁ」

藤城「絢瀬先生」

絵里「ん?あら!」

九条「ご無沙汰してます。アイドル研究部の九条と藤城です。亜里沙さんにはいつもお世話になってます」

絵里「ふふっ、こちらこそ。妹がお世話になってます」

藤城「絵里さん…じゃないよね。絵里先生忙しそうだったからなかなか声掛けられなくて」

絵里「そう見えた?そっか…まだ慣れなくてね」

藤城「先生は放課後は忙しいの?もし時間があったら部室に来てよ!懐かしいでしょ?」

絵里「う~ん。まあ…色々やる事はあるけど。そうね、タイミングを見て行かせて貰うわ」

部室

藤城「という事で絵里さん来てくれるって言ってたよ?」

亜里沙「そうなの?」

藤城「うん」

亜里沙「お姉ちゃんの授業どうだった?」

九条「すっごい分かりやすかったですよ。緊張してるって言ってましたけど全然そんな事なかったです」

藤城「ね~?本当の先生みたいだったよ」

亜里沙「ふ~ん。そうなんだ」

雪穂「流石絵里さんだね」



コンコン

藤城「ん?は~い」

ガチャ

絵里「失礼するわね」

雪穂「あっ!絵里さん」

亜里沙「お姉ちゃん」

絵里「雪穂ちゃん久しぶり。懐かしいわね~この部室も。にこの私物がないと広く感じるわ」

雪穂「何年振りですか?来るの」

絵里「え~…最後に来たのいつだったかしら?花陽達が卒業する時に一回来たけど…部室には入らなかったのよね。だから…あれだ!ことりがあっちに行くって時に皆んなで顔を出して以来だわ!」

雪穂「じゃあ、二、三年ぶりくらいですかね」

絵里「そうなるわね~。部員はこれで全員なの?今年も結構入ったって言ってなかったっけ?」

亜里沙「今年入った一年生は皆んな辞めちゃったの。お姉ちゃんにも話したと思うけど」

絵里「あれ?そうだったっけ?」

亜里沙「も~人の話聞いてないんだから」

絵里「まあ…結構体育会系だしね。実際に入ってビックリする子もいるかもしれないわね。じゃあ、今は四人?」

九条「後二人居るんですけど」

雪穂「あの二人は生徒会の仕事もあるからね。だいたい遅れて来るですよ」

絵里「へ~生徒会やってる子なの?親近感湧くわね。でも、さっき生徒会室に行った時誰も居なかったけど」

亜里沙「行ったんだ…」

絵里「まあね。それこそ生徒会室なんて何年振り出し。っとそろそろ行かなくちゃ」

藤城「え?もう行っちゃうの?」

絵里「ええ。やらなきゃいけない事もあるから」

藤城「そうですか」

絵里「えぇ。また来るわ。亜里沙…」

亜里沙「ん?何?」

絵里「頑張って。応援してる」

亜里沙「うん…。ありがと」

絵里「じゃあ、お邪魔したわね」

バタン

亜里沙「お姉ちゃん…」

雪穂「まあ…色々あったからね。絵里さんも心配してたのかな」

亜里沙「うん」

ガチャ

鳥居「お疲れ様」

相川「遅れてしまい申し訳ありません」

亜里沙「大丈夫だよ」

藤城「今ちょうど亜里沙先輩のお姉さんが来てたんだよ」

鳥居「へ~そうなの」

亜里沙「うん」

相川「亜里沙さんのお姉様の資料は大変読みやすくまとまっていて助かっています…とお礼を言いたかったのですが。一足遅かったですね」

亜里沙「うん。本当ちょうどさっき出て行ったんだよ」

鳥居「それで?」

亜里沙「え?」

鳥居「μ'sの絢瀬絵里が部室に来たのでしょう?」

亜里沙「うん。そうだけど?」

鳥居「せっかく教育実習で来て居るんですからもちろん練習を見てもらう様頼んだのでしょう?その為に部室に来たのでは?」

亜里沙「頼んでないよ?」

鳥居「はあ?何故?あなた達バカなの?せっかくラブライブ優勝経験者が二ヶ月もいるのに。こんなチャンスを無駄にするなんて」

亜里沙「お姉ちゃんにコーチして貰うって事?」

雪穂「その発想はなかったなぁ。海未ちゃんや真姫さんに作詞作曲のやり方とかは教わったりしたけど…」

鳥居「そうよ。本気で優勝したいなら使えるものは使わなくちゃ」

藤城「うわ~嫌な言い方。まさにお嬢様って感じ…」

九条「うん…」

亜里沙「でも、確かに鳥居さんの言う事も一理あるかもしれない」

鳥居「そうでしょう?」

亜里沙「ちょっと今日、家出お姉ちゃんにあたってみるよ」

雪穂「いや、お願いするならちゃんと皆んなでお願いしに行こう。部員全員で」

藤城「そうだね。私もその方がいいと思もう」

亜里沙「じゃあ…明日?」

雪穂「うん。そうだね」



翌日

ガチャ

鳥居「ごきげんよう」

相川「お疲れ様です」

藤城「あっ!キタキタ」

九条「全員揃いましたね」

雪穂「それじゃあ絵里さんにお願いしに行こうか?」

亜里沙「うん。お姉ちゃんどこに居るかな?」

雪穂「取り敢えず職員室じゃない?」

職員室

亜里沙「え~お姉ちゃん居ないんですか?」

教師「なんか生徒に呼ばれて出て行ったぞ?」

亜里沙「…お姉ちゃんって本当にタイミング悪いなぁ」

雪穂「絵里さんって人気ありそうだもんね~」

教師「お~そうそう。生徒に凄い人気だぞ。授業もしっかり行えてるし。実習日誌も読みやすいし。流石は絢瀬だなぁ」

亜里沙「えへへ~ありがとうございます」

雪穂「いや…亜里沙の事じゃなくて絵里さんの事だよ」

亜里沙「分かってるよ。冗談だって」

教師「多分、2年A組に行ったと思うよ。行ってみな」

亜里沙「はい。ありがとうございます」

雪穂「よしっ!行ってみよう!」

亜里沙「うん」

2年A組

ガラガラ

藤城「絢瀬先生いる?」

生徒「悠弓ちゃん?どうしたの?」

藤城「あ~絢瀬先生を探してるんだ」

亜里沙「このクラスに居るって聞いたんだけど…来てない?」

生徒「さっきまでは居たんだですけど」

生徒「バスケ部の子に連れてかれちゃったよ」

亜里沙「バスケ部の子に?」

生徒「うん。昼休みにクラスの何人かでバスケしたんだけど凄く上手くて」

九条「あ~そう言えばやってたね」

雪穂「絵里さんって運動神経抜群だもんね」

亜里沙「そっか~。バスケにねぇ」



生徒「はい」

亜里沙「分かった。バスケ部に行ってみるよ。ありがとう」

生徒「いえ…」

亜里沙「所で…お姉ちゃんと何してたの?」

生徒「色々質問してたんです」

亜里沙「質問?」

生徒「はい。も~絵里ちゃんって面白くて可愛くてサイコーです。ね?」

生徒「うん」

亜里沙「絵里ちゃん…」

鳥居「あなたのお姉さん本当人気あるのね」

亜里沙「そうだね」

体育館

バスケ部員「絢瀬先生?うん。さっきまで居たよ?二年生の子が連れてきたみたいだけど」

亜里沙「え?もう居ないの?」

バスケ部員「うん。図書委員の子に呼ばれていったよ?」

雪穂「え?また?」

亜里沙「そっかぁ」

鳥居「あなたのお姉さんジッとしていられないの?」

亜里沙「あはは…面目無いです」

バスケ部員「それにしても亜里沙のお姉さん凄いね!バスケ未経験者なんでしょ?」

亜里沙「うん。そのはず…」

バスケ部員「だよね?でも初心者とは思えないよ。うちの部員に欲しいくらい」

亜里沙「え~そうかなぁ」

鳥居「なんで貴方が照れてるのよ?」

藤城「そりゃあ、姉がこんなに褒められてれば妹としては嬉しいでしょ。ねえ?」

九条「そうだね。羨ましいよね」

雪穂「絵里さんってやっぱり凄いんだね」


図書室

亜里沙「お姉ちゃん居る?」

図書委員「しぃー。ここは図書室ですよ?」

亜里沙「あっ、そうか。ごめんなさい」

鳥居「絢瀬先生が来なかったかしら?教育実習生の…」

図書委員「あ~さっきまで居ましたよ」

亜里沙「また!?」

鳥居「あなた嫌われてるんじゃないの?お姉さんに」

亜里沙「姉妹仲良好だよ」

雪穂「むしろ亜里沙を溺愛してる感じだよね?絵里さんって…」

亜里沙「そんな事はないけど」

図書委員「はい。本を借りてそのまま出て行きました」

亜里沙「本を?」

図書委員「絢瀬先生優しいんです。私が好きな作家の話をしたら是非読んでみたいって言ってくれて。わざわざ借りていってくれたんです」

亜里沙「そうなんだ」

図書委員「はい。この後職員室に戻るって言ってましたけど?」

亜里沙「結局?」

雪穂「振り出しに戻る…か」

職員室

亜里沙「…で?お姉ちゃん帰っちゃったんですか?」

教師「おう。やる事も終わったみたいだしね」

雪穂「って事は家に帰ったんじゃ?」

亜里沙「あ~結局そうなるのかぁ」

藤城「え?それじゃあ亜里沙先輩の家に行くの?」

亜里沙「かなぁ」

教師「この後どこか行くって言ってたぞ?」

亜里沙「え?そうなんですか?」

教師「うん」

亜里沙「え~どこに行ったんだろ」

鳥居「あなたのお姉さん本当忙しい人なのね」

亜里沙「そんな事ないと思うんだけどなぁ」

雪穂「どこに行ったか分からないんじゃ」

九条「また明日ですか?」

鳥居「同じ事の繰り返しにならなければ良いですけどね」

亜里沙「だよね~」

鳥居「そもそもあなたがお姉さんに一言伝えておけば良かったんじゃないの?」

亜里沙「だって皆んなで言おうって…」

鳥居「それとな~く皆んなで尋ねる事を伝えるとか出来たでしょう?一緒に住んでるんだから」

亜里沙「それは…そうだけど」

九条「今更亜里沙先輩を責めたってどうにもならないですよ」

藤城「そうだよ。亜里沙先輩のせいにするのはどうかと思うよ」

鳥居「私は本当の事を言っただけです」

藤城「だったら最初に言えば良かったじゃん」

亜里沙「ご、ごめんね。あの…私が悪かったよ」

雪穂「も~、ここで喧嘩したって仕方ないでしょ?そもそもここ職員室だよ?」

教師「そうだぞ。教師の前で喧嘩するなよ。生徒会長!」

鳥居「うっ…」

教師「他人をせいにばかりしていると成長しないぞ?」

鳥居「…はい」

藤城「言われてやんの~」

教師「お前もだよ」

藤城「えっ?」

鳥居「わ、悪かったわよ」

藤城「いや…こっちこそ」

鳥居「絢瀬さんも…悪かったわね。ちょっと言い過ぎたかも…」

亜里沙「ううん。私がうっかりしてたよ」

鳥居「そうでしょう?」

亜里沙「え?うん」

九条「鳥居さんって…素直なんですかね…」

雪穂「そうだね…良くも悪くもね…」

雪穂「さて、結局。どうしようか?」

鳥居「行き先が分からないんじゃ無闇に探しても仕方ないでしょう?明日にしましょう」

亜里沙「そうだね」

相川「一つよろしいでしょうか?」

亜里沙「え?」

鳥居「あら?相川居たの?ずっと喋らないから居ないのかと思ったわ。それで?どうしたの?」

相川「行き先が分からないのであれば電話すれば良いのではないでしょうか?と言うか最初から…」

亜里沙「あっ…確かに…」

鳥居「何でそれを先に言わないのよ」

相川「申し訳ありません。偉そうに振舞っていながらそんな事にも気がつかない歩美様が面白くて…つい」

藤城「えぇ…そんな理由で」

鳥居「あなたは私の侍女なのよね!!!?」

侍女「はい」

九条「そっか。電話すれば良かったんだ」

雪穂「そんな事にも気がつかないとは…」

亜里沙「よしっ!さっそく電話してみよう」


神田明神

絵里「でね…ねえ?聞いてる?」

希「あ~聞いとる聞いとる。聞いとるよ~」

絵里「本当に聞いてるの?」

希「もう。しょっちゅうウチん所こないで彼氏の一人でも作ったら?」

絵里「何よそれ?親友がせっかく来てるのに」

希「大学で会ってるやんか」

絵里「なによ。本当に私に彼氏が出来たら焦る癖に」

希「焦らん焦らん。そん時は祝福するから…」

絵里「どうだか。…まさか?あなた?私が教育実習に行ってる間に…」

希「あ~……大丈夫やって」

絵里「何?その間は?待って…嘘よね?ねえ?変な冗談はやめてよね?そう言う時はちゃんと言うって約束したじゃない」

希「もう。何を一人で焦ってるんや」

絵里「だって…希が変な事言うから」

希「勝手にえりちが勘繰ってるだけやん。そんな事よりも。ほら?」

絵里「え?」

希「来たみたいやん?」

亜里沙「お姉ちゃーーん」

絵里「亜里沙…」

亜里沙「やっと会えたよ。希さん、こんにちは」

希「こんにちは。久しぶりやね。雪穂ちゃんも」

雪穂「こんにちは。希さん」

絵里「何?わざわざ電話までして来て。しかも、アイドル研究部皆んなで来て」

希「え?皆んなアイドル研究部なん?」

亜里沙「あっ!そっか…ずっと神田明神で練習してなかったもんね」

雪穂「お姉ちゃん達や花陽さん達と練習場所がかぶっちゃうからね」

藤城「初めまして!藤城悠弓ですμ'sの頃応援してました!」

九条「初めまして、九条聖来です。私も…ずっと憧れてました!特に…スノハレの時の希さん…凄い憧れます」

希「いやぁ…これは照れるなぁ。ウチ等もそんな事言われる様になったんやね?」

絵里「あら?今日は生徒会長と副会長も居るのね」

鳥居「…どうも」

希「え?生徒会長と副会長も居るの?へ~凄いなぁ。そうなんやぁ。なんか運命感じるなぁ」

相川「絢瀬絵里さまと東條希さまが残してくれ資料は大変見やすくまとまっていて我々も助かっています」

希「え?そう?あはは…だって、えりち。懐かしいなぁ。生徒会やってた頃」

絵里「そうね~。よく二人で遅くまで残って仕事したものね」

希「うん。そっかぁ。生徒会長がアイドル研究部にねぇ」

亜里沙「そうなんだ。二人ともダンスも歌も上手くて凄い頼りになるし…」

鳥居「勘違いしないで。私はあなた達の仲間になった覚えはないわ。目的の為に手を組んでるだけよ。アイドル研究部に入ったつもりもないわ」

藤城「まだ言ってるよ…」

相川「私は入部申請しましたけどね」

鳥居「はあ?主人にだまって勝手に?」

相川「はい」




希「あははは。なんや面白く子が揃ってるなぁ。ねえ?」

鳥居「お、面白い…」

絵里「そうね。やっぱりアイドル研究部はこうでなくっちゃ」

亜里沙「いやぁ」

鳥居「くっ…そんな事より!本題に入らなくていいの?」

亜里沙「あっ!そうだったね」

絵里「あっ!そうよね。何か用があって来たんでしょ?」

亜里沙「うん。実はお姉ちゃんにお願いがあるの」

絵里「お願い?」

亜里沙「そう。お姉ちゃんに私達のコーチをして欲しいの」

絵里「私に?」

雪穂「はい。絵里さんにコーチをして貰えれば…私達まだまだレベルアップ出来るんじゃないかって考えたんです」

藤城「スクールアイドルがメジャーになって他校でもコーチを付けて活動してるチーム多いらしいし…」

九条「絢瀬先生が教育実習に来てくれたのはまさに運命なんです」

亜里沙「お姉ちゃん。私達本気でラブライブで優勝を目指してるの。だから…お願い。私達に力を貸して」

鳥居「私からも…お願いします」

相川「お願い致します」

亜里沙「皆んな…」

六人「お願いします」

絵里「そう…そういう事」

亜里沙「お願いします」

絵里「あなた達の気持ちは分かったわ。顔を上げて?」

亜里沙「お姉ちゃん…」

絵里「亜里沙…」

亜里沙「うん」

絵里「甘いんじゃないの?」

亜里沙「え?」

雪穂「絵里さん?」

絵里「ラブライブで優勝したいから私にコーチをして欲しいって?甘いわよ」

亜里沙「だ、だって…悔しいけど…まだ私達のレベルじゃ…ラブライブで優勝するには…」

絵里「亜里沙、雪穂ちゃん…あなた達言ったわよね?μ'sを超えるって。それなのに私にコーチを付けてくれって?あの時の言葉は何だったのよ?」

亜里沙「そ、それは…」

鳥居「確かに私達はμ'sを超えるつもりです。けれど、スクールアイドルとして私達には実力が足りてないのも事実。恥を承知で頼んでいます。ラブライブで優勝する為に手段なんて選んでる暇はないんです。お願いします。私達に稽古をつけて下さい」


亜里沙「お願いお姉ちゃん」

絵里「ダメよ。何度お願いされてもダメよ」

亜里沙「そんな…」

絵里「応援はしてる。もちろんあなた達に優勝して欲しい」

亜里沙「だったら」

絵里「またあの頃に戻りたいの?」

亜里沙「え?」

絵里「やっと私達から…μ'sから離れられたんじゃない」

亜里沙「お姉ちゃん…」

九条「…」

藤城「…」

雪穂「亜里沙…。絵里さんの言う通りだよ」

亜里沙「うん。分かったよ。私達の力だけでお姉ちゃん達を超えるよ」

絵里「ええ」

亜里沙「それじゃあ…行くよ」

藤城「あっ、先輩。待って…」

九条「す、すいません。失礼します」

絵里「ええ。雪穂ちゃん。ごめんなさい、厳し事を言ってしまって」

雪穂「いえ、お陰で目が覚めました。ありがとうございます。それじゃあ…」


絵里「…」

希「厳しく突き放すのも…辛いね」

絵里「そうね。でも、そうしなきゃダメなのよ。あの子達は…私が一緒に居る訳にはいかないでしょ?」

希「そうやなぁ」

鳥居「どう言う事なんですか?」

絵里「あなた…まだ居たの?」

鳥居「どうやら私と相川だけが事情を把握してない様なので」

絵里「そっか。あなたは今年入ったばかりだから知らないのね」

鳥居「そういう事です。私にも聞く権利があると思います。仲間ですから…」

絵里「そうね。どこから話せばいいのかしら。私達がラブライブで優勝したのはもちろん知ってるわよね?」

鳥居「はい…」

第4話

私達がラブライブで優勝した事。その事が亜里沙と雪穂ちゃんにとってはプラスなったとは言えなかった。

穂乃果「明日だね!やっとだね!待ちに待ったスクールアイドルのイベント!」

凛「穂乃果ちゃん達と凛達とそして亜里沙ちゃん達が揃うだもんね。楽しみにゃ~」

雪穂「結局夏は私達が間に合わなくってあまり活動も出来ませんでしたからね」

海未「それは仕方ありませんよ。二人とも作詞も作曲も初心者だったのですから」

ことり「衣装作りも二人でやりながらだしね」

穂乃果「海未ちゃんは昔からポエムを書き溜めてたからね~」

海未「そ、それは触れないでと言ったでしょう」

亜里沙「明日のイベントでアピール出来ればランキングも上がるかもしれないね」

花陽「そうだよ。明日のイベントは大勢の前で披露するいい機会だし自分の実力を図るにも絶好の舞台だよ」

亜里沙「はい!」

真姫「花陽も部長っぽくなって来たわね」

凛「ぽいじゃなくて部長だにゃ~」

真姫「どうして凛が怒るのよ」

亜里沙「雪穂!明日頑張ろうね」

雪穂「うん」

鳥居「本番で失敗したんですか?」

絵里「いいえ。初めての大舞台でむしろ良くやった方よ」

鳥居「じゃあ、一体何の話をしてるのですか?」

希「最初に言ったやろ?ウチ等がラブライブで優勝した事が亜里沙ちゃん達にとってはプラスにならなかったって」

絵里「確かに亜里沙達は良くやったわ。けどね世間はそうは見なかったの」

鳥居「どういう事?」

希「μ'sの絢瀬絵里と高坂穂乃果の妹。前回のラブライブ優勝校のスクールアイドル。それが夏の大会には出場せず満を辞しての登場。分かるやろ?」

亜里沙「はあ…はあ…」

雪穂「はあ…はあ…」

亜里沙「やったね。雪穂…」

雪穂「うん」

司会「以上。音ノ木坂学園でした」

穂乃果「いや~やりきったね。二人とも」

海未「素晴らしかったですよ」

雪穂「本当?」

穂乃果「うん」

ワイワイ ガヤガヤ

凛「さ~帰ろ~」

穂乃果「そうだねぇ。もうクタクタだよぉ」

亜里沙「…」

穂乃果「ん?どうしたの?」

客「μ'sの妹って言うから期待してみたら…大した事なかったね」

客「あれくらいのレベルなら全国にはうじゃうじゃいるよね」

客「今回のイベントに呼ばれたのも話題性だけなんじゃない?」

客「あ~ありえる。だいたい音ノ木坂学園から3チーム出場って出来過ぎだよね?」

花陽「あ、あの…気にする事ないよ?」

亜里沙「え?あっ…はい。大丈夫です。そっか。私達もまだまだだね?」

雪穂「うん。そうだね。もっと練習しなくちゃだね」

穂乃果「そうだよ。二人ともその意気だよ」

絵里「最初はあの子達も世間の評価なんて気にしないで頑張ってたんだけど…」

希「亜里沙ちゃん達が新曲を発表する度に、ライブを行う度に否定的な声が目立つ様になっていったんよ」

鳥居「…」

絵里「心の無い事も沢山言われた。私の知らない所でも辛い思いをしてたと思う。部屋に閉じこもって泣いてる時もあったわ」

亜里沙「もう…スクールアイドルやめたい」

雪穂「そんな…ここまで頑張って来たのに。やめるなんて言わないでよ」

亜里沙「そうだよ。頑張って来たよ。けど…頑張ってもダメだもん。所詮は七光りだって。期待はずれだって言われてるのも知ってる。μ'sの足元にも及ばないって…」

雪穂「世間の声なんて気にしないでいいよ」

亜里沙「もう無理。もう…辛いの…」

雪穂「そんな…それじゃあ、亜里沙が辞めたら私はどうすればいいの?私一人になっちゃうよ」

亜里沙「………ごめん。でも、もう…無理だよ。私はスクールアイドルを嫌いになりたくない。μ'sの事も嫌いになりたくないよ」

雪穂「亜里沙…」

絵里「そして、亜里沙は一度スクールアイドルのをやめた」

相川「そんな事が…」

鳥居「…」

絵里「そう。だから…今、ここで私が…μ'sのメンバーだった私が手を差し伸べる訳にはいかないの」

鳥居「そうですか。話してくれてありがとうございます。行くわよ、相川」

相川「これ以上は聞かなくていいのですか?」

鳥居「あの人がどうやって立ち直ったのかまでは興味ないわ。今立っているのだから、それでいいでしょう」

相川「そうですか」

鳥居「さっ、行くわよ」

絵里「応援はしてるわ。陰ながら見守ってる」

鳥居「…心配ご無用。そんな事をして頂かなくても優勝してみせますから」

絵里「そっか…」

鳥居「…」コツン コツン

相川「…」コツン コツン

藤城「あっ!居た!」

九条「どこ行ってたんですか?」

鳥居「別に…」

亜里沙「お姉ちゃん達と話してたの?」

鳥居「…違いますけど」

雪穂「じゃあ、どこ行ってたの?」

鳥居「別にどこだっていいでしょ?」

藤城「人を散々待たせておいて…その言い草…」

相川「実は歩美様が催した様でして」

鳥居「はあ?」

藤城「なんだ…そういう事か」

鳥居「違います!!」

藤城「そんな必死ならなくても」

雪穂「あはは。さて、亜里沙」

亜里沙「うん。あの…鳥居さん、相川さん。実はね、お姉ちゃんがああ言ったのは…前に私が…」

鳥居「悪いけど昔話には興味がないわ。私達がやらなきゃいけないのは前に進む事でしょ?こんな所でウダウダやってるのは時間の無駄なんじゃない?」

亜里沙「…うん。そうだね。よしっ!じゃあ、改めて…ラブライブ優勝しよう!」

雪穂「うん。やってやろう!」

鳥居「当然っ」

第05話

雪穂「さあ、ライブ本番だと思って集中してー」

亜里沙「ふっ」バッ

藤城「おおっ!」

九条「亜里沙、ダンスのキレの良さが増してきましたね」

藤城「これは私達も負けていられないね」

雪穂「よしっ、ラストスパート!」


???「ふ~ん。アイドル研究部か…」

亜里沙「あ~疲れたぁ」

雪穂「はい、ジュース。いい感じだったね。これならそろそろ新曲の練習に移れるかな」

藤城「おー!新曲!」

九条「新しい曲と言うのも久しぶりですね」

亜里沙「うん。新曲ってなんだかワクワクするね」

鳥居「一ついいかしら?」

亜里沙「何?」

鳥居「センターは誰がやるの?」

亜里沙「センター?」

鳥居「そうよ。センター!普通こういうのってセンターで踊る人とか決まってるでしょ?」

亜里沙「あ~…」

鳥居「あ~って…今までなかったの?」

藤城「そう言えばなかったね」

雪穂「ほら?私達ってずっとメンバーの人数が偶数だったから。センターを決めちゃうとなんとなくアンバランスになっちゃう様な気がして。まあ、やりようはいくらでもあるんだろうけどさ」

亜里沙「それに最初は二人だったしね」

鳥居「ふ~ん。でも、これからはセンターを決めた方がいいんじゃない?その方がフォーメーションも考えやすと思うけど?」

亜里沙「そっか。センターかぁ。そうだね。検討してみようか」

カァー カァー

藤城「じゃあ、私達はここで」

九条「また明日です」

雪穂「はーい。気をつけてね」

亜里沙「また明日~」

雪穂「さっ、行こうか」

亜里沙「うん」

雪穂「センターかぁ。どうしようか?」

亜里沙「人数も増えて来たしちょうどいいかもしれないけどね」

雪穂「問題は誰がやるかだよね。やっぱまで亜里沙やりたい?」

亜里沙「う~ん…センターかぁ」



「あれ?亜里沙さんと雪穂さん!」

「ホントだ!お~い!」

雪穂「ん?この声は?」

亜里沙「あっ!こころちゃん!ここあちゃん!」

こころ「お久しぶりです。亜里沙さん、雪穂さん」

ここあ「久しぶりだね!亜里沙さん、雪穂さん」

亜里沙「久しぶりだね~。二人とも。大きくなったね~」

ここあ「うん。好き嫌いしないで沢山食べてるもんね!」

亜里沙「そっか~。偉いね」

雪穂「今日は二人?」

こころ「はい。秘密の特訓をしてたんです」

雪穂「秘密の特訓?」

ここあ「私達も高校生になったらスクールアイドルになるんだ。だから秘密の特訓をしてるの」

雪穂「へ~そっかぁ。将来有望だ。でも、小学生はもうちょっと早くお家に帰った方がいいんじゃないのかな?」

こころ「え?もうそんな時間ですか?」

ここあ「やばいよ。またにこお姉ちゃんに怒られちゃうよ」

雪穂「そうだぞ~。怒られちゃうぞ~。亜里沙、二人を送って帰ろうか」

亜里沙「そうだね」

ここあ「二人は今日練習だったの?」

亜里沙「そうだよ。ここあちゃん達と一緒だね」

ここあ「うん!実はね今日グループ名考えたんだ!」

亜里沙「え~グループ名を?」

ここあ「うん。こころとここあだから合わせてココロアシスターズ!シスターズって言うのはね日本語で姉妹って意味なんだよ!」

亜里沙「ココロアシスターズ?」

こころ「あっ!まだ言ってはいけないって約束だったのに」

雪穂「あはは…シンプルな名前だね。所でにこさんは元気?」

こころ「ん~…最近は忙しいみたいです」

雪穂「へ~やっぱり忙しいんだ」

亜里沙「頑張ってるんだね。にこさん」

ここあ「うん。そうなの」

雪穂「っと…二人のお家はここら辺?」

こころ「はい。あそこです」

ここあ「ねえ!上がってってよ!」

雪穂「え?う~ん…でもねぇ?」

亜里沙「うん。今日は遠慮しておくね」

ここあ「え~」

こころ「ここあ。わがままだめですよ」

亜里沙「ごめんね。また遊びに来るよ」

ここあ「約束だよ」

亜里沙「うん」

雪穂「さて、それじゃあ帰るね?」

亜里沙「またね、二人とも」

こころ「ありがとうございました。雪穂さん、亜里沙さん」

ここあ「ばいばーい」

雪穂「じゃあ、行こうか」

亜里沙「うん」

???「あの…」ザッ

雪穂「はい?」

亜里沙「雪穂知り合い?」

雪穂「いや…」

???「今日一日お二人の事拝見させて貰いました」

亜里沙「え?拝見?」

雪穂「何?亜里沙なんかしたの?」

亜里沙「何もしてないよ」



下園「私、下園咲と言います」

雪穂「えっと…」

亜里沙「雪穂…この子ウチの学校の一年生だよ。ほら?リボンの色」

雪穂「ほんとだ。その…私達何かしたかな?」

下園「先輩方…スクールアイドルなんですね」

雪穂「うん。そうだけど…」

下園「はっきり言いわせて貰います。アイドル活動はお遊びじゃない」

翌日

亜里沙「って言われたんだけど…私達の活動ってお遊びに見えるのかな?」

藤城「そんな訳ないよ。真剣にやってるじゃん」

九条「そうですよ。失礼です」

鳥居「ふん。部員でもない人にとやかく言われる筋合いはないでしょう?好きに言わせておけばいいのよ」

相川「歩美様も部員登録してませんけどね」

雪穂「そう言えばそうだったね」

相川「下園咲でしたよね?」

亜里沙「うん。確かそう言ってたよね?」

相川「少々お待ちください」

雪穂「え?」

鳥居「相川はこの学校の生徒の情報を全て管理してるのよ」

藤城「ええ?そうなの?」

相川「下園咲…一年B組、神田在住。家族構成は父、母、兄が一人いる様ですね。好きな食べ物はクラムチャウダー。趣味は絵を描く事…」

藤城「え?そんな事まで…」

九条「プライバシーって一体…」

相川「ほう。なるほど」

鳥居「どうしたの?」

相川「下園咲は中学までジュニアアイドルをやっていた様ですね」

雪穂「ジュニアアイドル?」

亜里沙「芸能人なの?」

相川「物は言いようですが…日の目を見る前にグループは解散したみたいですね」

藤城「そう言う事かぁ」

九条「要するにプロって事ですね」

相川「まあ、ほぼ活動休止みたいなものですけどね」

雪穂「でも…それでも私の活動がお遊びだなんて言われるのは心外だなぁ」

藤城「そうだよ。私達だって真剣なのにさ」

亜里沙「ん~…それともプロのアイドルからしたらスクールアイドル自体がお遊びに見えるって事なのかな?…そうだとしたら…きっと勘違いしてるよね」

相川「本人に聞いてみましょうか?」

藤城「クラスに乗り込むの?」

九条「乗り込むって…言い方…」

相川「いいえ。先程から扉の向こうにいる様なので」

亜里沙「え?」

ガララ

下園「え?」

相川「ほら?」

下園「わっ…とっとっとっ…」

ドテッ

下園「イタタタ…」

亜里沙「大丈夫?」

下園「大丈夫です!あなた方に心配される筋合いはありません」

藤城「いや…でも結構派手に転んだけど…お尻が二つに割れてるかもしれないよ」

下園「え?嘘…」

亜里沙「…多分元からだと思うよ?」

下園「へ?あっ…からかいましたね?」

雪穂「いや…今のは騙される方にも非があると思うけど…」

九条「ですよね」

下園「くっ…な、何なんですか?あなた達は」

鳥居「それはこっちのセリフです!会話を盗み聞く様な真似をして」

下園「それは…」

亜里沙「下園咲ちゃん…でいいんだよね?昨日のあれは…」

下園「そのままの意味です。アイドル活動は遊びじゃないんです」

藤城「別に遊びでやってるつもりはないけど」

雪穂「何が気にくわないのかな?」

下園「全てです。スクールアイドルの存在が私は許せません。もうご存知の様ですが私は小学生の頃からジュニアアイドルとして活動していました。同学年の子達が遊んでいる時だって全てをアイドル活動に捧げて来ました。でも、それでも成功しなかった」

鳥居「それでスクールアイドルの活動はお遊びに見えると?何ですかそれ?完全に逆恨みじゃない。くだらない」

相川「歩美様と同じですね」

鳥居「いちいちうるさいのよ」

下園「私にとってアイドルは人生だったんです。それなのに…スクールアイドルなんて…」

亜里沙「私達だって真剣だよ!」

下園「いいえ。スクールアイドルなんてお遊びです。先輩方の活動もアイドルの真似事をしてるお遊びにしか見えません」

藤城「あのさ…さっきから聞き捨てならないんだけどさ。下園さんは私達の活動をずっと見てた訳じゃないでしょ?」

藤城「そうだよ。毎日毎日遅くまで練習してるんだから」

下園「ですけど…」

鳥居「はあ…まどろっこしいですね。もういいでしょう?ハッキリ言ってあげますけど」

下園「はい?」

鳥居「羨ましいんでしょ?自分が夢を諦めたのに、夢を追いかけて活動してる亜里沙さん達が羨ましくて仕方ないんでしょう?」

下園「なっ…!?」

藤城「うわぁ。本当にハッキリ言うなぁ。しかも図星っぽい」

九条「流石鳥居さん…」

下園「違います。なんでそうなるんですか?」

鳥居「違うんだったら私達の事なんて放って置けばいいじゃない?」

下園「だから…それは…。私はアイドルの端くれとして…」

鳥居「へえ。プロとしてですか?プロ野球選手が高校球児にお遊びだって言うのかしら?」

藤城「凄い楽しそうだよ…」

九条「生き生きしてる…」

下園「くっ。それとこれとは話が違います。私は…」

鳥居「もう本音を言って楽になったら?」

下園「ですから…」

鳥居「ここの人達は…あなたがスクールアイドルをやりたいって言ったら快く受け入れてくれると思うわよ」

下園「私はそんな事一言も…」

亜里沙「咲ちゃん。私も鳥居さんと同じで咲ちゃんは本当はスクールアイドルに興味があるんじゃないかって感じた。だから私達と一緒にスクールアイドルやってくれないかな?」

下園「無理です…」

亜里沙「無理?」

下園「無理です。アイドルがダメだったからじゃあ今度はスクールアイドルをなんて。そんな…そんないい加減な事。私は出来ません」ダッ

亜里沙「あっ、待って…」

下園「失礼しました」ガチャ

バタン

藤城「行っちゃった…」

雪穂「どうする?」

亜里沙「うん…」

下園(私がスクールアイドルに…そんな事…)

ドンッ

下園「あっ!?」

「きゃあ」

ドテッ

下園「イタタ…」

「もう。廊下は走っちゃダメでしょ」

下園「す、すいません」

「気をつけるのよ」

下園「は、はい」

「大丈夫?立てる?」

下園「はい。ありがとうございます」

亜里沙「お~い。咲ちゃ~ん」

下園「あっ!?」

「あなたの事?」

下園「えっ…はい」

亜里沙「咲ちゃん。あの…」

「亜里沙ちゃん、久しぶり」

亜里沙「え?あっ!真姫さん!」

真姫「って言ってもまだそんなに経ってないか」

亜里沙「どうして学校に?」

真姫「絵里が実習をやってるって穂乃果に聞いてね。ちょっと近く用があったから顔出しに来たのよ」

亜里沙「へ~そっかぁ」

下園「あの…知り合いなんですか?」

亜里沙「アイドル研究部の先輩だよ」

下園「アイドル研究部の…って言う事はスクールアイドル?」

真姫「えぇ。まあね。もしかして今年入部した子?」

亜里沙「の予定です」

下園「勝手に話を進めないで下さい」

亜里沙「けど、咲ちゃんだって本当はやってみたいって思ったんでしょ?」

下園「確かに…生徒会長の言う通り夢を追いかける先輩達が羨ましかったのかもしれません。そこは認めます」

亜里沙「だったら…」

下園「だから無理なんです。さっきも言ったでしょ?アイドルがダメだったからスクールアイドルでなんて風に私は出来ないんです。だって…そんな事したら…今までの事を全てなかった事にしてしまう気がして」

亜里沙「そんな事はないよ。咲ちゃんがやって来た事は絶対に無駄にはならない」

下園「でも…」

真姫「なるほどね。なんとなく話が読めて来たわ」

亜里沙「真姫さん…」

真姫「私が知ってる人はね。ずっと独りぼっちだったの」

下園「なんですか?」

真姫「裏切られた事もあったかもしれない。心無い言葉を掛けられる事もあったかも。それでも。それでも彼女は夢を諦めなかったわ。なんでか分かる?好きだったからよ」

亜里沙「真姫さん…それって…」

下園「だ、だから何なんですか?そもそも、その人と私の場合は全然違うし。それに…」

真姫「ムカつくのよ。夢を言い訳にして」

下園「言い訳なんて…」

真姫「やらない理由をウダウダと言ってる暇があるならやってみたらいいじゃない」

下園「そんな…私…」

亜里沙「あのね、咲ちゃん。さっき言ってた夢の話。きっとね、繋がってるよ」

下園「繋がってる?」

亜里沙「うん。今まで追いかけてた夢とこれから追いかけて行く夢は繋がってるよ。」

下園「そう…かな?」

亜里沙「それに知ってる?ラブライブ優勝してからプロのアイドルになった人達も居るんだよ」

下園「でも…」

亜里沙「いいじゃないかな?取り敢えずやってみるだけでも。ね?一緒にスクールアイドルをやってくれない?」

下園「はい…」

亜里沙「よしっ!」

真姫「ごめんね、亜里沙ちゃん。横から口を出して」

亜里沙「ううん。ありがとう真姫さん」

真姫「でも、ちょっとびっくりしたわ。亜里沙ちゃんのがさっき言った台詞。まるで…」

雪穂「あっ!居た!」

亜里沙「雪穂!」

下園「皆さん…」

藤城「なんだ。こんなとこに居たんだ。って真姫さん居るじゃん」

鳥居「に、西木野真姫…さん…。なんでここに…」

九条「今日はどうしたんですか?」

真姫「まあ、野暮用でね。亜里沙ちゃんのお姉ちゃんに会いに来たの」

雪穂「あ~絵里さんに」

真姫「うん」

亜里沙「あのね。みんな聞いて」

雪穂「ん?」

下園「下園咲です。中学までジュニアアイドルをやっていました。身長146センチ、体重44キロ。スクールアイドルは初心者です」

雪穂「え?って事は?」

下園「これからお世話になります」

藤城「そう言う事だよね?」

九条「新しい7人目のメンバーに?」

下園「はい。よろしくお願いします」

藤城「わ~やったね!」

鳥居「ふん。最初から素直に仲間に入れてくれって言えば早かったのに」

亜里沙「咲ちゃん。改めてよろしくね」

下園「はい」

真姫「って言うか鳥居さん…アイドル研究部に入部したんだ…」

相川「いえ。入部はしてないんですよ」

真姫「は?」

第6話

藤城「ふぁ~」

九条「あらら。大口あけちゃって」

雪穂「寝不足?」

藤城「ん~昨日遅くまでスクールアイドルの動画見てたからさ」

雪穂「熱心なのはいいけどそれで練習に支障をきたす様じゃ元も子もないからね」

下園「そうですよ!」バンッ

藤城「いっ!」

下園「夜更かしは美容の敵です。アイドルって言うのは常に見られる立場にあるんですからね?もっと意識を高く持たなきゃダメです」

藤城「あ~…うん。気をつけるよ」

下園「本当に分かってるんですか?」

藤城「うん。ワカッテルからさ」

ガチャ

亜里沙「皆んな揃ってる~?」

下園「あっ!亜里沙先輩~待ってました~」

藤城「うわぁ。態度の変わり方が凄い。随分懐かれたなぁ。亜里沙先輩」

九条「ふふっ。そうだね。元気になって何よりだね」

雪穂「まだ鳥居さんと相川さんが来てないけど」

亜里沙「あっ!そうなの?」

雪穂「うん。何?何か話しでもあるの?」

ガチャ

鳥居「私と相川が何か?」

相川「歩美様の悪口を言っていたのでは?」

鳥居「なんでよ!」

相川「冗談です」

亜里沙「噂をすればだね」

鳥居「で?なんです?」


下園「遅れて来たのに偉そうですね」

藤城「そう言う人なんだよ」

鳥居「私は生徒会の仕事をして来たんです。暇なあなた達と一緒にしないで」

亜里沙「まあ、それはどうでもいいんだけどね」

鳥居「どうでもいい?」

亜里沙「みんなに話があるの」

雪穂「話って?」

九条「重要な話ですか?」

藤城「ラブライブ関係?」

亜里沙「一つはね。なんと私達が来月行われるスクールアイドルのイベントに招待されました!」

藤城「え?イベント?」

亜里沙「うん。地方からも話題のスクールアイドルが集まって行われるイベントなんだ」

雪穂「私と亜里沙は2回目だね」

九条「でも私達って今年になってからまだ一つも曲を発表してないですよね?」

雪穂「それはほら?去年もラブライブ本選にこそ出場してはないけどそこそこ活躍はしたしね」

藤城「なるほど。そう言う事か」

鳥居「もちろん出場するのよね?」

亜里沙「うん。もちろん。出場しない手はないよ」

鳥居「それで?まだ話はあるのでしょう?」

亜里沙「うん。さっき聖来ちゃんも言ってたけど。私達まだ新曲をを一つも発表してないんだよね」

下園「こないだ練習してた曲は新曲じゃないんですか?」

雪穂「うん。新曲だけど…そっか。あの曲をイベントに持って行く?」

藤城「って言うかなんで知ってるの?」

下園「見てましてから」

藤城「あぁ…なるほど」

亜里沙「でも、イベントは来月だし。あの曲は予定通りの発表って事にしてイベントの曲はイベントの曲で作らない?イベントって言うと観客もいるしステージも広いだろうから。それに合わせた曲を。どう?皆んな?」

雪穂「うん。いいと思う」

下園「亜里沙先輩の意見に賛成です」

藤城「私も。聖来は?」

九条「うん。賛成。後は…」

相川「そうですね。いいと思います」

鳥居「別に…いいんじゃない?」

亜里沙「よしっ!じゃあ決定だね」


数日後

雪穂「ん~…ここの詞をもうちょっと変えて見たらさ」

亜里沙「うん。そうだね」

藤城「せっかくデカイステージで踊るんだから最大限に使いたいんだよな~。こう…アクティブな感じで」

九条「そうすると曲調もアップテンポの方がいいよね」

下園「…」

亜里沙「どうしたの?」

下園「いえ…そっか。作詞しも作曲もダンスの振り付けも自分達でやらなきゃいけないんですよね」

雪穂「そうだよ。衣装を作ったりサイトの更新とかやる事は盛りだくさん」

下園「そうなんですか…」

亜里沙「うん。これから忙しくなるよ」


雪穂「ワン、ツー、スリー、フォー」

藤城「…」バッ

九条「…」バッ

亜里沙「…」バッ

下園「…」バッ

雪穂「はいっ!ストップ!」

亜里沙「今のどうだった?」

雪穂「ん~なんかなぁ。キレがイマイチだね」

亜里沙「だよね~」

相川「今のステップは重心の移動を意識すると良いと思いますよ。大袈裟に言うと後ろに倒れる感じですかね」

鳥居「そうね。その際にかかとを軸にしてくるっと回るのよ。そうするとキレが出ると思うけど」

亜里沙「なるほど!」

雪穂「よしっ!それじゃあ、今の録画してたから相川さんと鳥居さんの言った事を意識して見てみようか」

亜里沙「そうだね」

神田明神

藤城「皆んなファイト!」

鳥居「はあ…はあ…はあ…。ふっ、ふふ…全然楽勝だわ…」

藤城「おお!今日はついて来れたんだ」

鳥居「当たり前よ」

雪穂「最初は全然体力なかったのにね」

鳥居「そんな事…はあ…ない…わよ」

相川「とか言ってますけど自宅のトレーニング室で毎日走ってます。相当悔しかったみたいですね」

亜里沙「おおっ!流石!」

鳥居「何で言うのよ!」

九条「って言うか…家にトレーニング室があるんだね」

下園「はあ…はあ…はあ…ぜぇ…」

藤城「おっ!やっと来た」

下園「す、すいません。最近…サボっていたので…」


希「おっ!やっとるね~」

亜里沙「あっ!希さん!今日も居たんだ!」

希「まあな。ウチはえりちと違って暇なんよ。頑張っとるみたいやね~。ちょっと待っててな~。今麦茶持って来たるからな~」

雪穂「なんか…ここ最近頂いてばかりで」

希「ええって、ええって。ウチは頑張ってる高校生に麦茶をあげるだけやから。それくらいはしてもええやん?」

亜里沙「じゃあ、お言葉に甘えて~」

希「じゃあ、ちょっと待っててな~。悠弓ちゃんは麦茶に砂糖やったね?」

藤城「はいっ!」

鳥居「麦茶に砂糖って美味しいの?」

藤城「うん。美味しいよ。あっ!希さん!歩美さんのも砂糖入りね!」

希「はいよ~」

鳥居「はあ?何勝手に」


藤城「本当美味しんだって」

鳥居「そんなの知らないわよ」

藤城「まあまあ」

雪穂「あの二人仲良くなったよね?」

九条「そうですね。仲…良いのかなぁ」

希「はい。お待ちどうさま~」

亜里沙「わ~ありがとう。希さん」

希「はい!砂糖入り」

鳥居「え?本当に?」

希「はい。えっと…咲ちゃんやったっけ?」

下園「え?あっ、はい。ありがとうございます」

希「じゃあ、ゆっくりしてってな~」

亜里沙「は~い。じゃあ、ここで今日の反省会をしちゃおうか」

雪穂「そうしよっか」

亜里沙「じゃあ、先ずは聖来ちゃんから」

九条「はい。今日は体力づくりの練習がメインでしたけどそろそろそっちの方は抑えてダンスの練習に重点を置いていった方がいいんじゃないかと思ったんですけど」

藤城「あ~そうだね。歩美さんも体力ついて来たもんね」

鳥居「私の事はいいのよ」

藤城「」

藤城「え~褒めてるんだけど」

亜里沙「ん~そうだね。でも、体力づくりの基本練はなるべく継続したいんだよね」

雪穂「そうだね。経験上少しでもサボるとすぐに低下していくからね。体力って。まあ、でも聖来の言いたいのはあくまで基礎練を抑えてって事だもんね。ダンスの練習だって体力がつかないかって言うとそういう事でもないしね」

亜里沙「うん。じゃあ、最初の走り込みだけは継続していくって事にしようか」

九条「そうですね」

亜里沙「よし。じゃあ、咲ちゃんは何かある?」

下園「…」

亜里沙「何でも良いよ?今日の練習を振り返ってみてどう?」

下園「私…ここ数日練習に参加する様になって」

亜里沙「うん」

下園「スクールアイドルをやる事がこんなに大変だって知らなくて。曲作りもダンスの振り付けも衣装も自分達で考えて作って。練習も運動部と殆ど変わらないし…」

雪穂「あの…そんなに思い詰めなくてもいいんだよ?」

藤城「そうそう。私でもやっていけてるんだからさ。ね?」

下園「違うんです」

雪穂「え?」

下園「恥ずかしくって」

亜里沙「へ?恥ずかしい?」

下園「スクールアイドルをお遊びだなんて言った事が…」

雪穂「あっ…ああ…なるほど」

藤城「そういう事か」

雪穂「そっかぁ。あははは」

下園「え?」

藤城「あははは」

九条「ふふっ」

下園「な、何がおかしいんですか?」カァァァ

藤城「いや~あはは。誰も気にしてないから大丈夫だよ。ねえ?」

雪穂「あはは。そうだね」

下園「くっ。笑わないで下さいよ。亜里沙先輩~」

亜里沙「あはは~咲ちゃんは真面目なんだね~」

下園「あ~も~亜里沙先輩まで。意地悪しないで下さい~」

亜里沙「意地悪なんてしてないよ~」

下園「も~」

鳥居「ねえ?相川」

相川「何でしょう?」

鳥居「今の私も笑ってた方が良かったのかしら?」

相川「そうですね。取り敢えず…笑えばいいと思います」



希「ふふっ。立派に活動してるやん。なあ?」

絵里「そうね。って言うか希!あなた甘過ぎるのよ」

希「そうかな?」

絵里「そうよ。こないだ言った事忘れたの?」

希「別にウチは麦茶をいれてあげただけやから。近所のおばちゃんみたいなもんやって」

絵里「そうかもしれないけど」

希「えりちは結構0か10かみたいな所があるからなぁ」

絵里「そんな事ないわよ」

希「それに。心配いらんやろ、もう。あの子達は」

絵里「…そうね」

希「なあ」

絵里「さて、じゃあ私はあの子達に見つからない内に帰ろうかしら」

希「えりちの方がよっぽどやん」

亜里沙「あっ!お姉ちゃん!」

絵里「げっ!?」

雪穂「絵里さんまた来てたんだ」

鳥居「あなたのお姉さんって他に行く所ないの?」

亜里沙「さあ?そうなのか」

第07話

高坂家

亜里沙「おはようございます」

高坂母「おはよう。もう来ると思うから。ちょっと待っててね」

亜里沙「はい」

穂乃果「おやっ!亜里沙ちゃん」

亜里沙「あっ!穂乃果さん。おはようございます」

穂乃果「おはよ~」

亜里沙「穂乃果さんがこの時間に起きてるなんて珍しいですね」

穂乃果「え?そう?亜里沙ちゃんの中ではそう言うイメージなの?」

亜里沙「はいっ!」

穂乃果「そっか。そんなハキハキと返事をされたら否定も出来ないね。それはさて置き今日はイベント当日なんでしょ?頑張ってね」

亜里沙「うん。頑張ります」

穂乃果「いや~本当は見に行きたかったんだけどさ」

亜里沙「忙しいんですか?」

穂乃果「まあね。大学生ってもっと暇だと思ったんだけどなぁ」

亜里沙「うちのお姉ちゃんは暇そうですよ?」

穂乃果「絵里ちゃんは優秀だからねぇ。教育実習もそつなくこなしたって話だし。あ~私も来年だ~」

亜里沙「穂乃果さんも教職の道に進むんですか?」

穂乃果「そうなんだよ。勉強嫌いの私がだよ?ビックリだよね!しかも、数学!」

亜里沙「へ~そうなんだ」

高坂母「こらっ!穂乃果!パジャマ姿で外をうろちょろしない。みっともなわよ、全く」

穂乃果「げぇ。怒られちった。じゃあ、亜里沙ちゃん。頑張ってね!応援してるよ!」

亜里沙「はいっ!」

穂乃果「さてっ!おっ!雪穂~頑張ってね~」

雪穂「え?う、うん」

亜里沙「雪穂おはよ~」

雪穂「おはよう…。お姉ちゃんと何か話してたの?」

亜里沙「うん。世間話だよ」

雪穂「へ~そう」

雪穂「どう?亜里沙はよく眠れた?」

亜里沙「うん。…よく眠れたよ。心配だった?」

雪穂「ううん。大丈夫」

亜里沙「そっか」

雪穂「うん」

亜里沙「雪穂は?」

雪穂「私は快眠だよ」

亜里沙「じゃあ、安心だね」

雪穂「うん」

下園「せんぱ~い」

亜里沙「あっ!咲ちゃんだ」

雪穂「あれ?咲ちゃんの家はこっちの方がじゃないよね?」

下園「お二人と一緒に行こうと思って来ちゃいました」

亜里沙「そうなんだ」

下園「はい。今日頑張りましょうね」

亜里沙「もちろんだよ!」

イベント会場

九条「遅いね。亜里沙さん達」

鳥居「まさか寝坊助した訳じゃないわよね」

藤城「あっ!来たよ!」

亜里沙「お~い!」

鳥居「ちょっと!遅い!」

亜里沙「ごめん。ちょっと訳あってさ」

鳥居「訳?」

九条「何かあったんですか?」

雪穂「あはは…ごめん。私が忘れ物をしちゃって…」

藤城「亜里沙先輩が?珍しい…」

雪穂「いやぁ…面目無い」


鳥居「もしかして緊張してるの?」

雪穂「え?いやぁ…まさか」

亜里沙「そうだよ。こう見えて雪穂は結構ウッカリが多いんだから」

雪穂「ちょっと…フォローになってないよ」

亜里沙「えへへ」

雪穂「でも…緊張なんかしてないよ。むしろウズウズしてるよ。このイベントもこの会場でやるのも2年振りだからね」

亜里沙「そうだね。リベンジしなきゃいけないもんね」

藤城「しかも、今回は二人じゃないしね」

九条「7人も居ますから」

亜里沙「うん」

ザワザワ

舞台袖

亜里沙「私達は最後の方だって」

九条「トリじゃなくて良かった…」

鳥居「なぜ?トリの方が目立つじゃない」

藤城「そうだよね?どうせやるならトリかトップだよ」

九条「まあ、そうだけど」

相川「こういう時羨ましいでしょう?この性格」

九条「確かに…」

鳥居「どう言う意味よ」

相川「悪意はありませんが」

雪穂「あはは。本当でも実際助かるよね。二人のお陰で空気が和むよ」

鳥居「そ、そうですか?」

藤城「え?二人って私も含まれてる?」





ザワザワ ザワザワ

下園「ん?なんかステージの方が騒がしいですね?」

亜里沙「あれ?今って他のグループがやってるんだよね?」

雪穂「うん。確か…三人組のグループが…」

司会「続きまして…」

藤城「え?もう終わったの?」

ザワザワ

スクールアイドルA「ごめん…。二人とも」

スクールアイドルB「どうして?」

スクールアイドルA「緊張したの。ただ…それだけ…」

スクールアイドルB「本当にそれだけ?」

スクールアイドルA「本当にそれけだよ」

スクールアイドルB「だって…」

スクールアイドルC「お二人共!」

スクールアイドルA「…」

スクールアイドルB「…」



相川「どうやら歌えなかったみたいですね」

藤城「歌えなかった…」

九条「そんな事が…」

下園「決して珍しい事じゃないですよ。プロのアイドルでも大勢のお客を前に圧倒されて歌えないなんて事はよくある事です」

藤城「あの子達も頑張ってここまで来たんだろうに…」

九条「やりきれないだろうね」

鳥居「そんな事を言っていたらキリがないでしょう?」

藤城「でも」

鳥居「この先だってきっとこんな場面には何度も出くわします。その度に可哀想だって憐れむの?」

藤城「そうだけど。そんな言い方…」

鳥居「私達は全力でやる。それだけよ」

藤城「わかってるよ…」

スタッフ「あの、次音ノ木坂さんです」

雪穂「あっ、はい」

藤城「もう次か」

九条「あっと言う間だね」

亜里沙「さて、みんな。それじゃあ、パフォーマンスをする前に一言いいかな」

鳥居「何ですか?」

亜里沙「まあ、鳥居さんが結構年長者っぽい事を言ってくれちゃったから。私からはアイドル研究部に代々伝わるを格言を一つね」

藤城「格言?」

九条「そんなのあったんですか?」

亜里沙「いい?私達はアイドルです」

藤城「え?どう言う事?」

鳥居「いちいち回りくどい言いかたする人ですね」


雪穂「まあまあ。最後まで亜里沙の言う事を聞いてよ」

亜里沙「アイドルは笑顔にするのが仕事だって」

下園「笑顔にするのが仕事…。確かにお客さんを笑顔にしてこそアイドルだと私も思います」

亜里沙「ふふっ。私はこの言葉を先輩から聞いて文字通り受け取ってたの」

下園「え?違うんですか?」

亜里沙「ううん。もちろんお客さんを笑顔にするのは大事な事だよ。でもね、笑顔にするって言葉には私達も含まれてると思うんだ」

藤城「私達?」

亜里沙「そっ。お客さんだけじゃない自分達も笑顔にしなきゃいけなんだよ。アイドルは」

藤城「」

藤城「なるほど。そういう事か!」

亜里沙「まあ、実際の所は色々あるよ。さっきの子達みたいに本番で緊張して踊れないって事だってあるし失敗すれば悔しいし泣いちゃうかもしれない。私だって色々あったよ」

藤城「うん」

九条「亜里沙さん…」

亜里沙「でもね、私達はアイドルだから。だから、私達は精一杯頑張って…それでさ…えっと…」

鳥居「何が言いたいのよ?」

雪穂「まあ、亜里沙が言いたいのはどんな時も全力でやって楽しもうって事だよ」

亜里沙「そうそれ!それが言いたかったの」

鳥居「結局さっき私が言った事と同じじゃない」

亜里沙「えへへ。そうだね」

鳥居「締まらない人ね」

雪穂「よしっ!準備はいいかな?」

九条「はいっ!!!」

藤城「よ~し!やってろう!」

下園「頑張りましょう!」

鳥居「ふん。くれぐれも私の足を引っ張らないでね」

相川「あっ!これ照れ隠しです」

鳥居「違うわよ」

亜里沙「さあ、それじゃあ行こう!」

亜里沙「ただいま~」

絵里「あら。お帰り。思ったより早かったじゃない」

亜里沙「うん…。まあね」

絵里「どうだったの…」

亜里沙「それは…」

絵里「…」

亜里沙「お姉ちゃん…練習ってさ。嘘をつかないね。ふふっ、 。上手くいったよ!リベンジ大成功!」

絵里「も、もう。何よ~。変に溜めないでよ」

亜里沙「ごめんね」

絵里「さっ、今日はご馳走よ」

亜里沙「え?本当?」

絵里「ええ。姉としてね。お祝いよ」

亜里沙「うん。あれ?でも…もし、私達が上手くいってなかったら…このご馳走は…」

絵里「ふふっ、それは…信じてたのよ」

鳥居邸

相川「今日は上手くいって良かったですね」

鳥居「私がいて上手くいかない方が不思議よ。この天才がいるのだから」

相川「そうですね。毎日努力してましたもんね」

鳥居「天才って言ってるでしょ!」

相川「褒めてるんですけどね」

プルルルル

相川「あっ、電話。はいっ、相川です。はい…はい…はい…分かりました。それでは…」

鳥居「どうしたの?」

相川「いえ…どうやら私。スクールアイドルを辞めなくてはいけない様です」

鳥居「え?」

第08話

キーンコーンカーンコーン

藤城「う~暑い。暑いなぁ」

九条「ちょっと…だらしないよ?」

藤城「だってさ~まだ7月に入ったばかりだよ?何この気温?猛暑だよ。猛暑」

下園「ちょっと異常ですよね。この気温は」

藤城「でしょ?」

ガチャ

雪穂「こんにちは」

亜里沙「今日も暑いね~」

下園「あっ!先輩!待ってました~」

藤城「なんだよ。元気じゃんか」

九条「ふふっ」

雪穂「今日は暑いから水分補給を小まめにして体調が悪くなったら直ぐに申告する事!」

藤城「は~~い」

九条「も~返事の仕方がだらしないなぁ」

亜里沙「鳥居さんと相川さんはまだ来てないのかな?」

藤城「ま~あの二人は生徒会の仕事もあるからねぇ」

九条「頭が下がるよね。生徒会の仕事もしっかり行って。忙しいのにちゃんと部活の方にも顔を出してくれるんだもん」

藤城「正式な部員じゃないのにね」

下園「それ…本当なんですか?」

藤城「そう。まだ部員申請してないんだよ。私は手を組んでるだけ~とか言ってさ」

下園「あはは。何ですかそれ?らしいっちゃらしいけど」

藤城「でしょ~?」

ガチャ

鳥居「…」

藤城「あっ、噂をしてたら来たよ」

下園「本当ですね」

鳥居「噂ってなによ?」

藤城「歩美さんは凄いって話をしてたんだよね?」

下園「はい」

鳥居「どうだか…」

亜里沙「あれ?今日は相川さんは?」

鳥居「相川?あぁ…相川なら」

亜里沙「え?」

鳥居「相川ならもう来ませんよ」

九条「え?」

下園「ええ?」

藤城「えええええ?」

亜里沙「来ないって?」

雪穂「どういう事?」

鳥居「そのまんまの意味よ。相川はもうアイドル研究部には顔を出しません。部も退部します」

雪穂「いや、どうしてそうなったの?何か…」

鳥居「仕事の都合よ」

藤城「仕事って…高校生なのに…」

鳥居「相川は高校生の前に鳥居家の使用人なの」

藤城「いや、そうかも知れないけど。せっかく一緒に頑張って来たのに…」

雪穂「使用人と言っても鳥居さんの侍女なんでしょ?どうにかならないのかな?」

鳥居「無理よ」

亜里沙「どうしても…無理なの?」

鳥居「そうね。無理よ。お父様の命令だから」

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