絵里「いや…私はやらないわよ」 (70)

絵里「ふぅ。もうこんな時間か。私も帰ろうかしら」

ガチャ

絵里「え?」

穂乃果「…」ピープーピー

凛「にゃ~」シャカシャカ

希「…」ピーピー

絵里「…」

穂乃果「…」ピーピー

ジャン


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絵里「え?何?」

穂乃果「この度私達はバンドを組む事にしました」

絵里「は?」

穂乃果「それじゃあメンバーを紹介するよ!マラカスの凛ちゃーん」

凛「にゃ~」シャカシャカ

穂乃果「ピアニカの希ちゃーん」

希「…」プピー

凛「リコーダー穂乃果ちゃん」

穂乃果「…」ピーピー

絵里「…」

穂乃果「感想は?」

絵里「各々が下手な上に全体としてもまとまりがない」

凛「まだ結成したばかりだからね」

絵里「多分そう言う事じゃないと思うけど」

希「あ~分かっとるよ。足りないんやろ?ボーカルが」

穂乃果「でも大丈夫だよ。そこら辺ちゃんと考えてるから」

凛「絵里ちゃんをボーカルに迎えたいと思います」

希「どう?このバンドのボーカルをやるのは?」

絵里「凄く嫌だ」

穂乃果「え?嫌だ?」

絵里「嫌に決まってるじゃない」

凛「楽器やりたい?」

絵里「そう言う事じゃないわよ」

希「じゃあ何が気に入らないの?」

絵里「色々と言いたい事はあるわ。でもまず一つ」

穂乃果「うん」

絵里「なんでバンドなのよ?あなた達スクールアイドルでしょ?興味本位でなんでも始めないの。全てが中途半端になるわよ?」

穂乃果「違うよ。言っておくけどふざけてなんかないからね?スクールアイドルとして新しい何かを出来ないかと考えたんだよ」

絵里「その結果がバンド?」

凛「そうにゃ。スクールアイドルとしてバンドをやるにゃ」

絵里「オッケー分かった。一万歩譲ってあなた達が真面目に考えた末の行動だとしましょう」

穂乃果「一万歩?そんなに?」

希「そんなに歩いたら家に帰れちゃうやん」

絵里「楽器のチョイスがおかしいでしょ」

穂乃果「仕方ないじゃん。リコーダーしか持ってないんだもん」

希「あっても弾けないしなぁ?」

凛「本当は凛だってベースをやりたいにゃ」

穂乃果「穂乃果だってギター弾きたいよ」

希「え?それやとウチはドラム?」

穂乃果「そうなるねぇ。後は真姫ちゃんをキーボードに迎えて」

絵里「そんなもしもの夢物語はいいから早く帰りなさい」

希「そうやなぁ」

穂乃果「じゃあ続きは絵里ちゃん家でやろうか?」

絵里「なんでそうなるのよ。ダメよ」

穂乃果「ダメ?」

絵里「ダメ。真っ直ぐ自分の家に帰りなさい」

凛「え~」

穂乃果「なんで?」

絵里「なんで?そうね…音楽性の違いよ。という事で今日は解散」

穂乃果「まだ結成まもないのに」

01

絵里「ん~疲れたぁ。早く帰って亜里沙と昨日買ったチョコレートケーキを…」

ガチャ

ひょこっ

穂乃果「ん~ふふふっ」

絵里「…」

穂乃果「ほら~チョコレートだよぉ」

凛「美味しいよ~」

絵里「…」

希「どう?」

穂乃果「いい感じだよ」

凛「もう一押しにゃ」

絵里「うっ…うう…」

穂乃果「絵里ちゃん…笑ってるの?」

希「そんなにチョコレート食べれるのが嬉しいの?」

絵里「泣いてるのよ!」

穂乃果「え?嘘?」

凛「絵里ちゃん…泣いてるにゃ。悲しいの?」

絵里「情けないのよっ!!」

希「そんな卑屈にならなくても…。誰でも欲に負ける事はあるやん?」

絵里「違うわよ。あなた達の事が情けないのよ」

穂乃果「え?穂乃果達?」

絵里「じゃあ、みんなで髪切らない?」

穂乃果「>>12

絵里「あのねぇ…本当に私がそんなのに引っかかると思ったの?とても高校生のする発想とは思えない」

穂乃果「いや…そこまで本気ではないよ?」

凛「ねえ?あわよくばだよね?」

希「そうや。そうや。心外や!」

絵里「希…」

希「え?名指し?」

絵里「あなたが一番タチが悪い」

希「ええ?なんでなん?」

絵里「本当に…私の事をからかおうとしてるのが一番伝わってくる」

希「ええ?そんな事ないやん?」

絵里「そんな事あるの。長い付き合いだからわかるのよ!悪ふざけしてる時の希よ」

穂乃果は絵里の後ろに回り、絵里のポニテを少しつまんでねじり、逆毛を立てる。

絵里「>>15

希「ふざけてないわぁ。真面目やわ」

絵里「いえ、希は絶対にふざけてる」

穂乃果「まあ、その話は良いんだけどさ。取り敢えずチョコレートはいるの?」

絵里「くれるなら貰うけど」

穂乃果「あげるけど絵里ちゃん行くよ?もちろん遊びに」

絵里「じゃあいらないわよ」

穂乃果「なんで?なんでそんな頑なに遊びに行かせてくれないの?」

絵里「練習で疲れてるからよ!いつも言ってるでしょ!」

凛「チョコレート食べれば元気でるかもよ?」

絵里「そんな単純な作りしてないわよ。私は!」

希「いや…糖分を摂取すれば疲れも取れるんやない?」

穂乃果「そうだよ。良いじゃん。絵里ちゃんはチョコレートが手に入る。穂乃果達は絵里ちゃん家で遊べる。ねえ?」

凛「ウィーンな関係にゃ」

絵里「win-winでしょ?全然win-winじゃないけど」

穂乃果「でも…チョコレート食べれるんだよ?美味しいやつだよ?」

絵里「別にね…。好きな食べ物がチョコレートってだけなの。見境がないって訳ではないの。勘違いしないで」

穂乃果「じゃあ…あげないからね?」

絵里「いいわよ?別に。家にチョコレートケーキあるし」

穂乃果「え?そうなの?」

凛「既に手に入れてたの?」

希「って言うか結局チョコレート食べるんやん」

絵里「そうよ?だからあなた達から貰う必要なんて全然ないの」

穂乃果「え~ずるい。穂乃果もチョコレートケーキ食べた~い」

凛「凛も食べたいにゃ」

希「しょうがない。予定を変更してえりちん家に行く事にしようか?」

絵里「いや…だから…」

穂乃果「よーし。出発進行!」

凛「チョコレートケーキ楽しみにゃ~」

絵里「あなた達の分はないから」

希「まあ、取り敢えず。な?取り敢えずえりちん家に行ってから考えような?」

絵里「どうしてそうなるのよ…」

穂乃果「帰りにみんなで着衣入浴するからだよ!!」

02

ガチャ

穂乃果「はあ…はあ…んぐっ…はあ」

凛「はあ…はあ…」

希「はあ…はあ…」

絵里「何やってるの?」

穂乃果「あっ!絵里ちゃん!」

絵里「あっ!絵里ちゃんって…私がいるの確認してから入って来たわよね?」

穂乃果「うん。あのね、穂乃果達を匿って」

絵里「匿う?」

凛「あのね。凛達海未ちゃんから逃げてるところなの」

絵里「何をしたのよ」

穂乃果、制服のポケットから髪束を出し、

穂乃果「髪を切っちゃったのよ」

凛「うん」

絵里「あ、あ、ぎっ、あぁっ、いだ、あああッぎひぃッ!あぐ…ぎっ、いぃッ、あ……っはッ、ひ、ひいいいいっ!!ぃひ……あは……は…」

穂乃果「海未ちゃんのメロンパン勝手に食べちゃった」

凛「おいしかったにゃ」

絵里「そりゃあ怒られるわよ」

希「別に悪気はなかったんよ?喋るのに夢中で…ね?」

穂乃果「そう。自然と手が…ね?」

凛「自然と分けて食べてたよね?」

絵里「分けてる時点で確信犯でしょ?」

穂乃果「違うよ。4人で分けたもん」

凛「そうにゃ、そうにゃ」

絵里「まあ、何にせよあなた達が悪いんでしょ?」スチャ

穂乃果「え?何してるの?」

絵里「海未に電話するのよ」

凛「凛達の事報告するの?」

希「そんな殺生な…」

穂乃果「やめてよ絵里ちゃん。味方してよ」

絵里「嫌よ。あなた達が悪いんだしそんな事したら私まで海未に怒られちゃう」

穂乃果「うっ…そんなぁ」

絵里「諦めるのね」

穂乃果「どうにかしてよ。絵里ちゃ~ん」

絵里「無理よ。素直に謝りなさい」

穂乃果「謝れる雰囲気じゃないの。ねぇ?本当にお願い」

絵里「む~り」

穂乃果「じゃあ・・・・・」

と、穂乃果は自分の髪をサイドテールの結び目からハサミでカット

絵里「>>26

凛「じゃあメロンパン復元装置を出して」

絵里「そんなものあるなら私が欲しいわよ。バカな事言ってないで諦めなさい」

穂乃果「うぅ。そんなぁ。絵里ちゃんのケチ」

凛「絵里ちゃんの薄情者」

絵里「なんとでもいいなさい」

希「えりちのポンコツ」

絵里「何ですって?今すぐ海未に言いつけるわよ?」

希「あっ、冗談です」

絵里「まあ、その必要も無くなったみたいだけど」

穂乃果「え?」





03

絵里「凛…離してくれない?」

穂乃果「ダメだよ凛ちゃん」

希「絶対に離したらあかんよ」

凛「うん。凛頑張るよ」

絵里「なんでこんな事するのよ?」

穂乃果「絵里ちゃんが大人しく穂乃果達の話を聞いてくれないからでしょ」

希「そうやそうや。えりちが大人しく遊んでくれたらこんな事しなくてええんやからな」

凛「絶対に離れないよ。絵里ちゃんが遊ぶって言うまで離れないから」

絵里「分かった。分かりました」

凛「え?遊んでくれるの?」

絵里「一回話し合いましょう?ね?」

凛「遊んでくれるの?」

絵里「だから話し合いましょうって言ってるの」

穂乃果「ダメだよ凛ちゃん。離したら逃げる気だよ」

絵里「逃げないから」

希「じゃあ、遊んでくれるんやな?」

絵里「だから…話し合いを…」

穂乃果「ダメだ。逃げる気だ」

凛「うん。凛離さない」

絵里「じゃあ何?ずっとこのままでいるつもりなの?私に抱きついたままでいるつもり?」

凛「それは…このまま。このまま絵里ちゃん家まで行くよ」

絵里「なんでそこまでするのよ」

凛「絵里ちゃん家に行きたいからだって言ってるでしょ!」

絵里「だから…嫌だってば」

穂乃果「いいじゃん別に。大人しくしてるよ」

希「何もしないって」

絵里「何もしないんだったら来なくていいじゃない。大人しく帰りなさいよ」

凛「いや…だ」

絵里「離れ…なさい」グイッ

凛「絶対に離れない」

絵里「離れなさい」バッ

凛「にゃあ」ドテ

絵里「あっ!」

穂乃果「凛ちゃん」

希「大丈夫?」

凛「うっ…うぅ…」

絵里「り、凛?大丈夫?」

凛「うぅ…うぅ…」

絵里「あの…」

ガバッ

凛「捕まえたにゃ」

絵里「またっ!?」

凛「もう油断しないにゃ」

穂乃果「ナイス絵里ちゃん」

絵里「も~なんなのよ。離しなさいって」

凛「このまま絵里ちゃん家まで行くにゃ」

絵里「嫌よ。どんな罰ゲームよ」

凛「罰ゲーム?凛の事そんな風に思ってたの?」

穂乃果「絵里ちゃん酷い」

凛「凛の事嫌いなの?」

絵里「なんでそうなるのよ。一言もそんな事言ってないじゃない」

凛「じゃあ何で」

絵里「高校生を引きずって歩くのが罰ゲームって言ってるの」

希「じゃあ、おぶっていけば?」

絵里「同じよ。修行してる訳じゃないんだから」

穂乃果「じゃあずっとこのまま…ん?凛ちゃん?どうしたの?」

凛「穂乃果ちゃん…あの…」モジモジ

穂乃果「な、何?」

凛「凛…リタイア…」ダッ

穂乃果「え?何で?どこ行くの?凛ちゃーん?」

希「穂乃果ちゃん…デリカシーな!」

穂乃果「え?」

絵里「勝負あったわね」

凛「というわけで!穂乃果刈り上げ確定にゃ!、」ダッ

希「穂乃果ちゃん、座って座って」

穂乃果「え?」

04

絵里「ん~…あれ?私…いつの間に寝てたのかしら。あっ!?え?もうこんな時間?」

ガチャ

穂乃果「お目覚めですか?お嬢様」

絵里「穂乃果…?」

希「お嬢様。もう外は真っ暗です」

絵里「希…あなたまで…」

凛「さあ、お嬢様。帰りましょう」

絵里「何のつもり?」


穂乃果「お嬢様。この後のスケジュールがぎっしり詰まっています。質問は後で…」

絵里「スケジュールって何よ?身に覚えがないんだけど」

希「まず、我々とゲームのお稽古。その後我々とディナーを共にした後に御遊戯のお時間となっております」

絵里「そんなスケジュール組んだ覚えはありません。って言うかゲームのお稽古って何よ。お遊戯と何が違うのよ」

凛「お嬢様。大変申し訳ございませんここでお話をしている時間はありません。後がつかえていますから」

絵里「知らないわよ。いつから私はお嬢様になったのよ」

穂乃果「では…おぼっちゃま」

絵里「それはもっと違う」

希「お嬢様。我々あまり困らせないで下さい」

絵里「それはこっちの台詞なんだけど」

穂乃果「さあ取り敢えずお家に帰りましょう。エリチカお嬢様」

絵里「ついて来る気満々じゃない」

希「もちろんです。仕事ですから」

絵里「いつから私に仕えるのがあなた達の仕事になったのよ?しかも私の言う事聞かないし」

凛「いつからって…エリチカお嬢様が産まれた時からに決まっています」

絵里「私より歳下なのに?どう言う事よ?」

穂乃果「それは…まあ、そこら辺の事はディナーの後にして」

凛「ダメだよ。ディナーの後はお遊戯の時間だよ」

絵里「いや…しないけど」

穂乃果「まあまあ、そんな事仰らずにっとおっとっと」

ドテン

穂乃果「イテテ…」

絵里「何で何もないところで転ぶのよ」

希「穂乃果ちゃんはドジっ子メイド設定やからね」

絵里「またおかしな事を…」

希「そんでウチがメイド長で」

凛「凛が末っ子系メイドの設定にゃ」

絵里「…」

希「どうや?」

絵里「いや…クビ…」

希「え?クビ?」

絵里「ええ…クビ…」

絵里「さて、帰ろうかしら」

ガチャ

凛「あれあれあれ~?こ~んな所に超絶可愛いプリティガールがいるにゃ~」

希「お~ホンマや。めっちゃマブイやんけ」

絵里「な、なんなのよ。可愛いとプリティって同じ意味よ?」

希「な~今から俺らと茶でもしばけへん?」

絵里「いや…忙しから」

凛「にゃ~つれないにゃ~」

希「なあなあ。ええやろ?少しだけやから」

絵里「嫌よ。疲れてるんだからあなた達の茶番には…」

希「なんやって?ちょ~っと可愛いからって調子に乗りおってからに」

絵里「何よ?可愛いってのは否定しないけどね!調子になんて乗ってないわよ」

希「あ~もうええ。御託はええわ。こっち来いや。えりちん家で一緒に楽しい事しようや。うひひ」

凛「楽しみにゃ~朝までトランプしちゃうにゃ~」

絵里「ちょっと…やめて。離して…」

希「ふふっ。暴れて逃げ出そうったってそうは問屋が卸さへんで~」

「やめろ!」

希「なんや?」

穂乃果「嫌がってるじゃないか。彼女を離すんだ」

希「誰やお前」

凛「悪いけどお呼びじゃないにゃ」

穂乃果「同じ事は言わないぞ?彼女を離すんだ」

絵里「言ってじゃない…」

希「なんやよう分からんけどな。ウチ等にたてつくとは物好きがおったもんやなぁ」

穂乃果「ふっ…ふふふっ…」

凛「笑ってるにゃ…」

希「何がおかしいんや?」

穂乃果「口で言ってるうちに大人しく引き下がれば怪我をせずに済んだものを」

希「なっ、なんやと?」

穂乃果「こう見えてもなぁ。学生の頃ピンポンやってたんだぞぉ」

希「だからなんやねん」

穂乃果「空手も習ってたんだ。通信教育だけどなぁ」

希「知らんがなぁ。凛ちゃん行ったれ」

凛「キー」

穂乃果「はっ!はぁ~…やぁ」

凛「にゃ」

希「嘘やろ?くっ…こうなったら。敵前大逃亡や」

穂乃果「ふん。口程にもない」

希「お、覚えてろや~」

凛「あ、兄貴~」

穂乃果「お嬢さん。怪我はないかな?」

絵里「ええ…お陰様で。ありがとうございます」

穂乃果「いえ…当然の事をしたまでです」

絵里「ですよね?」

穂乃果「へ?」

絵里「本当にありがとう。いえ、ここまで茶番に付き合ったんだからむしろお礼を言ってほしいわ」

穂乃果「いや…絵里ちゃん?あの…これから絵里ちゃん家に行く流れに…」

絵里「いや…本当にありがとうございました。それじゃあ」

ガチャ

穂乃果「…」

希「…」

凛「ナンパは上手くいかないし。踏んだり蹴ったりだね」

穂乃果「そうだね」

06

希「二人ともええか?大切なのは勢いやからね?」

穂乃果「うん。分かってるよ!勢いで押せばイケる作戦だね!」

凛「よ~し!やってやるにゃ」

ガチャ

穂乃果「絵里ちゃんたのも~」

絵里「ほらね?来た」ドン

真姫「あら、本当。絵里の言った通りね」ドン

海未「全く。毎度毎度懲りないですね…穂乃果」

穂乃果「げっ!?真姫ちゃん…海未ちゃん…」

真姫「げっとは失礼ね」

絵里「どうしたの?またいつもみたいに悪ふざけをしに来たんでしょ?」

海未「ほぉ。悪ふざけですか。それは感心しませんね」

穂乃果「いや…あの…希ちゃん…凛ちゃん…どうしよう?あれ?希ちゃん?凛ちゃん?」

真姫「どうしたのよ?汗かいてるみたいだけど?」

穂乃果「いやぁ…」

絵里「それで?」

穂乃果「それでと言いますと?」

絵里「いえ…今日はどんな事をして楽しませてくれるのかなぁと思って」

穂乃果「あっ…ははは。楽しませたいのは山々なんだけどねぇ。希ちゃんと凛ちゃんが急に居なくなってしまいまして」

海未「希と凛ですか?」

穂乃果「そ、そうなの?いやぁ、どこに行っちゃったんだろうね?不思議」

海未「希!凛!」

希「はっ!」サッ

凛「はっ!」サッ

穂乃果「あっ!希ちゃん!凛ちゃん!裏切ったの?」

希「ごめんな穂乃果ちゃん。ウチ等上官には逆らえないんや」

凛「リリホワは上官の言う事が絶対だから…」

海未「希、凛?穂乃果が呼んでいますよ?」

希「いえ、大丈夫です」

凛「問題ありません」

穂乃果「ずるいよ二人とも!穂乃果だけ見捨てるなんて」

希「ほんとごめんな。今度チロルチョコあげるからな」

凛「許して欲しいにゃ」

絵里「ねえ、今日は何をするつもりだったの?何をして私を楽しませてくれるつもりだったのかしら?」

穂乃果「いや…本当。大した事ないですから。ねえ?」

凛「え?うん。はいっ!大した事はないであります。ね?」

希「はい。あの…なんやったっけ?忘れちゃうくらいの事なんで大した事ないのは確かです」

絵里「それは残念ね。楽しみにしてたのに」

真姫「そうね。私も見たかったわ」

海未「私も気になります」

穂乃果「あの…またの機会で…」

絵里「そうね。楽しみにしてるわ」

穂乃果「ははは…じゃあ、私はこの辺で」

絵里「待ちなさい」

穂乃果「え?」

絵里「いつものお返しに今日は私達が三人を楽しませてあげようと思って」

穂乃果「だ、大丈夫…ですよ」

絵里「遠慮しなくていいのよ。私の気持ちだから」

真姫「そうよ。人の好意を無下にするつもりなのかしら?」

穂乃果「そう言うわけでは」

絵里「穂乃果は喜ぶと思うんだけどなぁ…ねえ?」

真姫「そうね」

穂乃果「いや…本当…」

海未「希、凛!テーブルの上に布を被せてあるでしょう」

凛「は、はい。さっきから気になってました」

海未「その布を取ってご覧なさい?」

希「え?な、何があるんですかね?」

絵里「あなた達三人が喜ぶものって言ってるじゃない」

穂乃果「いや…あの。怖いんですけど」

真姫「なんで怖がる必要があるの?やましい事でもあるの?」

穂乃果「な、ないです」

真姫「じゃあ平気でしょ?」

海未「希!凛!もう一度だけ言います。その布を取りなさい」

希「れ、レンジャー」

凛「レンジャー」

海未「よろしい」

穂乃果「希ちゃん…凛ちゃん…」

希「も穂乃果ちゃん、覚悟を決めよう。裏切ってごめんな。でも、最後は一緒やから」

凛「凛もごめんね」

穂乃果「ううん。穂乃果も覚悟を決めたよ。最後は三人。仲良く行こう。私達は運命共同体だよ」

海未「何でも良いですから。早くして下さい」

希「それじゃあ、行くよ?」

凛「覚悟を決めるにゃ」

穂乃果「うん」

バッ

希「……え?」

凛「…嘘?」

穂乃果「な、何これ?」

絵里「どうしたの?」

穂乃果「こ、これ…花火じゃん。これで一体…穂乃果達になにを…」

海未「花火って…遊ぶ以外に何か使い道あるのですか?」

穂乃果「え?」

真姫「パパ…お父さんの知り合いが大量に花火が余ってるからってくれたのよ。このまま湿気させても勿体無いからって」

穂乃果「そ、それだけ?」

絵里「これだけじゃ不満?」

凛「不満ていうか…」

穂乃果「ねえ?てっきり怒られるのかと」

希「そうや。普通に教えてくれればええのに」

絵里「あなた達は普段悪ふざけが過ぎるからね。ちょっと意地悪してみたのよ」

穂乃果「も~趣味悪いよ」

絵里「ふふっ。さあ、ことりと花陽も呼んできて?一緒にいるはずだから」

穂乃果「あっ!そうだね」

凛「じゃあ今日は皆んなで花火大会だね」

希「そうやな。楽しみや」

絵里「ふふっ。まあ、たまにはね」

ガチャ

にこ「いや…にこを忘れてる!?」ドン

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