コーイチ「ええっと…」 アヤメ「……」 (39)
お台場・ガンダムベース
リク「それじゃコーイチさん、お疲れ様でした!」
ユッキー「「また明日もよろしくお願いします!」」
モモ「ナナミさん、さよーならー!」
ナナミ「また明日ねー、バイバーイ!」
コーイチ「うん。また明日」フリフリ
ナナミ「……さ、仕事に戻るよーお兄ちゃん。新しいサンプルもう届いてるからね」
コーイチ「わかってるよ、今日にはもう仕上がるから」
ナナミ「……ふふっ」
コーイチ「どうした?」
ナナミ「ううん、お兄ちゃん、最近は楽しそうだなーって」
コーイチ「まぁ、な。ガンプラ作るのは、楽しいから」
ナナミ「そうじゃなくて。GBNとか、リクくんたちと遊んでてさ」
コーイチ「……確かにな。あの子たちとGBNをやるのは、楽しい、かも」
ナナミ「はっきりしないなぁ。ま、いいや。それじゃ。サンプルよろしくね」
コーイチ「ああ、任せとけって」
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新品のガンプラ「」ピカー
コーイチ「…よし、ツヤ消しも塗装もよし、合わせ目も…うん、大丈夫。……時間は…そろそろ閉まる頃か」
コーイチ(皆、操縦技術も製作技術も少しずつ上がってきてる…そろそろ新しい戦略を組んだりしたほうがいいかもしれないな。皆で装備の新調を考えるのもいいなぁ…ううん…どんな風にしようか……)ウーン…
「――ちゃん! ちょっと、お兄ちゃん!」カッ
コーイチ「わっ!? あ、な、ナナミか…」
ナナミ「ナナミかー、じゃないでしょー。ほら、もう閉めるから。片づけてよ」
コーイチ「ああ、うん。悪い悪い」ガサゴソ
ナナミ「まったくもう…リクくんたちと楽しく遊んでるのはいいけど、仕事してるときはちゃんとしてよね」
コーイチ「分かってるって。せっかく紹介してもらったんだ、きっちり働くよ」
コーイチの自室
コーイチ(さて…明日の準備はできたことだし、そろそろやるか)
コーイチ(家でGBNができるのはいいけど…働いてると時間がこんな深夜くらいしかないからなぁ。まぁ、楽しいからいいんだけど)
GBN・ロビー
コーイチ(今日は何から始めようか。新しい戦略を組み立てるか。それとも新しく作ってみた装備のテスト? あ、ランク上げもしておいたほうがいいか? リクくんたち、どんどん上げてるからなぁ。またランク関係で何かあったときにサラちゃんに『ダメ人間』とか言われたくないし…)
コーイチ(まぁいいや。とりあえずフォースネストで先に戦略を組んでみよう。確か前のフォース戦のデータが残ってたような…)
ビルドダイバーズ・フォースネスト
コーイチ「……」
アヤメ「……」
コーイチ「ええっと…こんばんは?」
アヤメ「……何してるの?」
コーイチ「何してるって…そろそろ次のフォースバトルに向けて新しい戦略でも考えようかと思って。アヤメくんは?」
アヤメ「…別に。ちょっと前の戦いのデータでも眺めて暇を潰そうと思ってただけよ」
コーイチ「そ、そっか。あ、ええっと、じゃあ僕はちょっと新装備でも試してこようかなー、なんて…」
アヤメ「…なんでそうなるの?」
コーイチ「あ、いや、邪魔しちゃ悪いのかなと思って…」
アヤメ「……別にいいわよ。どうせ暇を潰すなら、戦略を考える手伝いでもしてるほうが有意義だわ」ハァ
コーイチ「あ、そうかい? じゃあ、ちょっと意見をもらえると助かるんだけど…」
コーイチ「――じゃあ、こんな感じでいいかな?」
アヤメ「そうね。あとはリクたちと確認すればいいんじゃないかしら」
コーイチ「うん。助かったよ、アヤメくん」
アヤメ「別に。ただ思ったことを言っただけよ」
コーイチ「いや、人の意見があると一人じゃ見えなかったことが見えるものだし…おかげでもっといい戦いができそうだよ」
アヤメ「……そう」
コーイチ「うん。あとは僕ら次第だけどね。でも、少しでも勝てる希望がより見込めそうだよ」
アヤメ「…ずいぶんと熱心なのね。別に一度くらい敗北を経験してもいいと思うけど。調子に乗ってきてるみたいだし」
コーイチ「あ、あはは…でも、ほら、リクくんたち、まだまだガンプラバトルは初心者だし、できる限りは勝たせてあげたいって思うんだ。確かに、時には負けることもいい経験になるけど、とりあえずは勝って自信を持たせてあげたいし」
アヤメ「……勝てば勝つほど、負けたときのショックは大きいんじゃないかしら」ボソッ
コーイチ「え?」
アヤメ「……何でもないわ。私、もう抜けるから。それじゃあ」
コーイチ「あ、うん。ありがとう、アヤメくん。えっと、おやすみ」
アヤメ「……あなたもね。明日も仕事なんでしょう。そろそろ休んだほうがいいんじゃない? 体力を残しておかないとまたリクたちに振り回されるわよ」
コーイチ「え…わっ、もうこんな時間か。そうだね、僕も抜けるとするよ。それじゃあ」ピピッ
『ログアウトしました』
コーイチ「……ふぅ。ちょっと長くいすぎたかな…さすがに眠い……」
アヤメ『……勝てば勝つほど、負けたときのショックは大きいんじゃないかしら』
コーイチ(…アヤメくん、なんであんな苦い顔したんだろう? 初心者時代にこてんぱんにやられたことでもあったのかな)
コーイチ「」ウーン
コーイチ(…まぁ、アヤメくんにもいろいろあるってことなんだろうなぁ)
コーイチ「……っと、いけない。そろそろ本当に寝ないと明日もナナミにどやされるな」フワァ…
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加奈「ダストンの掃除法をメモしておきますね!」
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529105813/)
思った以上に書けてなかったけれどここまで
今週の回であのGBN嫌いなんですけど!さんとコーイチ兄さんの絡みがまったくなかったのが個人的に不満
GBN ビルドダイバーズ・フォースネスト
コーイチ「……だいたい、こんな感じなんだけど…どうかな、皆?」
ユッキー「すごくいいと思います! 今度のフォース戦の目標は相手の全滅じゃなくて特定量の物資を奪うことがメインだし…」
リク「今の俺たちじゃ、まだまだ正面突破は自信ないし」
モモカ「コーイチさんの作戦ならたぶんだいじょーぶ!」
サラ「だいじょーぶ!」
コーイチ「はは、ありがとう」
アヤメ「……それで作戦は全部ね? それじゃあ、また明日の練習で。私は落ちるわ」
リク「あ、アヤメさん、お疲れ様でした!」
ユッキー「次のフォース戦もお願いします!」
モモカ「お疲れ様でしたー!」
コーイチ「ええと、お疲れ様」
サラ「バイバイ、アヤメ」
アヤメ「」シュッ
『アヤメ がログアウトしました』
ユッキー「アヤメさんって、なんていうか、すごいクールだよね」
リク「確かに。大人って感じする」
モモカ「でもかわいいのに弱いよね、意外に」
リク「そういえばそうだった。認めなかったけど」
ユッキー「認めなかったねー。好きならそう言えばいいのにね」
コーイチ「うーん…クールな忍者キャラをロールしてるから簡単にキャラを崩したくないのかもね」
サラ「アヤメ、恥ずかしがり屋?」
コーイチ「そういうのじゃなくて…ええっと、いや、そうなのかもね」
コーイチ(大人になると、好きなものを素直に言えなくなるものだし……前の僕みたいに)
ユッキー「あ、りっくん、時間時間」
リク「あっ、そろそろ時間だ。コーイチさん、俺たちも抜けるね」
コーイチ「僕も休憩時間終わりだし、一緒に抜けるよ」
モモカ「サラちゃんは…」
サラ「もうちょっと、ここにいる」
リク「そっか。じゃあまた明日」
サラ「うん。皆、また明日」フリフリ
モモカ「ばいばーい!」フリフリ
ユッキー「じゃあねー!」
コーイチ「ええと、また明日」
お台場 ガンダムベース
リク「それじゃ、さようならー!」
ユッキー「明日の練習もよろしくお願いします!」
モモカ「さよーならー!」
コーイチ「ああ、がんばろう、皆!」
サヨーナラー!
コーイチ「……ふぅ。皆元気だなぁ。これが若さかな」
ナナミ「お兄ちゃん、爺臭いわよ。まったくもー、お兄ちゃんだって若いんだから、枯れたこと言わないでよね」
コーイチ「言うなよ。……前にも言われたなぁ」
ナナミ「? 誰に?」
コーイチ「リクくんたちのフォースに入ってる人だよ。言ってることが爺臭いってさ」
ナナミ「へぇー、どんな人?」
コーイチ「どんなって…そうだなぁ、ロールに気合入れてるんだろうけど、すごいクールで、手厳しいことをずばずば言って…その癖かわいいものに弱くて…変わった人かな」
ナナミ「ふぅん…。そんな人がよくリクくんたちのフォースに入ってくれたね。聞いてると、あの子たちの雰囲気とはだいぶ違うみたいだけど」
コーイチ「いや、もともとはソロで遊んでたらしいけど、フォース戦の戦闘メンバーが一人足りなくてさ、リクくんたちとは元々知り合いだったみたいで、偶然通りかかったのをリクくんが頼みこんだんだ」
ナナミ「なるほどねー、リクくんに頼み込まれたんじゃ、断れないかもね」
コーイチ「なんだそれ」
ナナミ「だってそうでしょ? お兄ちゃんだってさ」
コーイチ「……まぁ、確かにな。こうしてGBNを本格的に始めたのも、リクくんたちに誘われたからだし」
ナナミ「ふふっ、最初は断ったくせにー」
コーイチ「あれは……あの子達がちょっと乱暴に誘ってきたからだよ。まったく…元気すぎるというか」
ナナミ「あ、あはは…ほら、若いから」
コーイチ「…まぁ、リクくんの熱意はすごかったし。何より、忘れようとしたことを思い出させてくれたからな。だから、一緒に遊ぼうと思ったんだ」
ナナミ「……そっか。ふふっ、案外そのクールな人も、リクくんたちの熱意に惹かれたのかもねー」
コーイチ「それは…どうかな」
コーイチ(アヤメくんは…どうだろうな、確かにガンプラへの熱意はあるみたいだけど。でも、あのとき見せた顔は…)
アヤメ『勝てば勝つほど、負けたときのショックは大きいんじゃないかしら』
コーイチ(とても楽しそうには見えなかったような…)
ナナミ「お兄ちゃん?」
コーイチ「ん?」
ナナミ「いや、だからそろそろ仕事に戻りなよって。ほら、あっちの子たち、作るの初めてっぽいよ。苦戦してるみたいだし」
コーイチ「ああ、悪い悪い」
深夜 GBN ビルドダイバーズ・フォースネスト
コーイチ「……」
アヤメ「……何してるの?」シュッ
コーイチ「あ、アヤメくん。いや、念のため、もう一回作戦を見直しておこうかと思って。相手のことで、何か見落としてたりするかもしれないし」
アヤメ「……本当に熱心なことね。まぁいいわ。それじゃ、私は行くから…」
コーイチ「――あ、アヤメくん!」
アヤメ「……何か?」
コーイチ「いや、えっと、その……」
アヤメ「……言いたいことがあるなら、はっきり言って」フー
コーイチ「一人で見直してても、気付かないこととかあるかもしれないし、その、よければまた意見を聞かせてもらえると嬉しいんだけど…」
アヤメ「……」
コーイチ「あ! いや、もちろん、時間が空いてるならでいいんだ、ただ…なんとなく聞いてみただけだし…」
アヤメ「…いいわよ」
コーイチ「え?」
アヤメ「どうせ暇だし、構わないって言ってるの。大した意見を期待されても困るけれどね」
コーイチ「あ、ありがとう!」
アヤメ「…別に。退屈しのぎよ」
コーイチ「…ううん。やっぱり、チームを分けてかく乱するのがよさそうだね」
アヤメ「そうね。ユッキーの機体じゃ突撃は厳しいだろうし。モモはまだ操縦技術的にこの防御を突破するのは難しいでしょうね」
コーイチ「うん。だから作戦通りに分けて…前は僕とアヤメくん、後ろはユッキーくんの砲撃でかく乱をして…その場合の相手の動きは…」
アヤメ「……ねぇ」
コーイチ「ん、何だい?」
アヤメ「本当の目的は何?」
コーイチ「え?」
アヤメ「とぼけないで。これだけ作戦ができあがってる以上、後はもう当日の動き次第でしょう。わざわざ見直す必要もないことくらい、あなたなら分かってるでしょう」
アヤメ「ここに私が来ると知って待ってた。違う? 何か用があるんでしょう?」
コーイチ「……やっぱり、バレバレかな」
アヤメ「当たり前でしょう。私がそんなに物事が見えていないとでも?」
コーイチ「だよね。……ええっと」
アヤメ「いったい何が目的なの? 私のことを怪しんででもいるのかしら?」
コーイチ「いや、怪しむなんてそんな…アヤメくんは頼りになるし、このフォースに欠かせないメンバーだと思うし…」
アヤメ「なら何なの? はっきり言わせてもらうけど、私、なるべくは一人にしてほしいの。たとえフォースのメンバーだろうとね」
コーイチ「ええと、ごめん。ただ、ちょっと気になったから…」
アヤメ「気になる?」
コーイチ「…こないだ会ったとき、アヤメくんが言ってたこと覚えてるかな? 勝てば勝つほど、負けたときのショックは大きいって」
アヤメ「……」
コーイチ「そう言ったときのアヤメくんの顔が、なんだか、悲しそうだったから、気になって。昔の僕を見てるみたいで、他人事に感じられないというか…」
アヤメ「……それで?」
コーイチ「え?」
アヤメ「お節介もいいところね。リクの癖が移りでもしたのかしら? ……あなたに、私のことなんて理解できないわ」
コーイチ「あ、アヤメく――」
アヤメ「それに、私は悲しくなんてないわ。あのときは、ただの一般論を述べただけよ。変に勘違いしないで」
アヤメ「もう用事は終わりね? 私、落ちるから。フォースのこと以外で、私に構わないでちょうだい。あの子たちにもそう言っておいて」
アヤメ「」シュッ
『アヤメ がログアウトしました』
コーイチ「……。お、怒らせてしまった、かな……? しまったなぁ……向いてないことなんかするんじゃなかった…」ハァ
アヤメ『……あなたに、私のことなんて理解できないわ』
コーイチ(…理解できない、か。そうだよな、お節介もいいところだったよな。勝手に、昔の、楽しかったガンプラのことで落ち込んでた自分を重ねて。いいメイワク…だよなぁ)
コーイチ「これから、どうしよう……」ハァ
GBN トレーニングエリア
ユッキー「こっちは引きつけたよ! りっくん、モモカちゃん、今だ!」
リク「了解! 一気に突入する!」
モモ「突貫でどっかーん!」
アヤメ「……」
コーイチ「……ええと、あ、アヤメくん、そろそろかく乱の一歩目から次の動きに移行しないと、なんて……」
アヤメ「……了解」
コーイチ(お、怒ってる……よな? 明らかに素っ気無さがいつもより増してる…)
ユッキー「あ、こ、コーイチさん!」
コーイチ「へ? ……うわぁ!」
ドカーン!
コーイチ「しまった…!」
AIモビルスーツ「……」キラーン
コーイチ「ま、まずい…!」
ドカーン!
コーイチ「え……」
零丸「」シャキーン
アヤメ「……余所見なんてずいぶんと余裕ね? 偶然私が近くにいなかったら落とされてたっていうのに」
コーイチ「ご、ごめん……ありがとう、アヤメくん」
アヤメ「……」
零丸「」ギューン
コーイチ「……よ、余計、怒らせたかな……?」
ビルドダイバーズ・フォースネスト
リク「コーイチさん、さっきは大丈夫ですか!?」
ユッキー「僕、そっちに砲撃するって言ったのにー」
モモ「どうしちゃったの?」
コーイチ「い、いや。ごめん、ぼーっとしてて聞き逃しちゃったみたいで…」アハハ…
アヤメ「……指揮官が気を抜いてたら部隊の統率が乱れるわ。もっとしっかりするべきね」
コーイチ「あ、あはは…面目ない…です」
リク「? どうかしたの、二人とも。なんか、ぎこちないような…」
アヤメ「なんでもないわ。指揮を任せたのにやる気がないのかと思って、ちょっと気になっただけよ」
コーイチ「は、はは…そうだね、何でもないよ、気にしないで。ちゃんとフォース戦本番はしっかりするから」
リク「ならいいけど…」
モモカ「まぁまぁ、本番で失敗しない分、練習で失敗したと思えば、だいじょぶだいじょぶ!」
サラ「だいじょぶだいじょぶ!」
ユッキー「あはは、二人とも前向きだなあ」
アヤメ「……それじゃあ、私はそろそろ抜けるから」
リク「あ、お疲れ様でした、アヤメさん! 明日の本番、よろしくお願いします!」
ユッキー「お疲れ様でしたー!」
モモカ「また明日ー!」
サラ「また明日、アヤメ」
コーイチ「え、えっと、またあし…」
アヤメ「」シュッ
『アヤメ がログアウトしました』
コーイチ「……た」
コーイチ(…やっぱり、怒ってるよなぁ)フー
リク「? どうかした、コーイチさん?」
コーイチ「あ、いや、なんでもないよ」
サラ「……?」
ユッキー「わっ、りっくん。もう時間だよ」
リク「おっと。それじゃ、俺たちも抜けようか」
モモ「またね、サラちゃん!」
サラ「うん、皆、またね」ニコリ
コーイチ「あ、僕もそろそろ…」
サラ「コーイチ、ちょっといい?」
コーイチ「へ? どうかした?」
サラ「ちょっと聞きたいことがあるの」
コーイチ「え、ええっと…ごめん、そろそろ戻らないといけないし、また今度ってことで…」
サラ「ダメ。今じゃないと。少しだけでいいから」
モモカ「サラちゃんがお願いしてるんだよ! 聞いてあげてよ、コーイチさん」
コーイチ「え、ええっと…」チラッ
リク・ユッキー「」ブンブン
コーイチ「わ、分かった。ちょっとだけね」
サラ「ありがとう。それじゃあね、皆」
リク「うん、それじゃあ」シュッ
ユッキー「またね!」シュッ
モモカ「バイバーイ!」シュッ
『リク ユッキー モモ がログアウトしました』
コーイチ「……」
サラ「……」
コーイチ「ええと、どうしたの、いったい?」
サラ「仲直り、したほうがいいよ」
コーイチ「え」
サラ「アヤメ、たぶんもう怒ってないよ。ただ、どうやって仲直りすればいいか、分からないだけで」
コーイチ「……いや、怒ってるよ。勝手なこと言われて、いい迷惑だったんだと思う」
サラ「ううん、そんなことない。何があったのか、サラにはよく分からないけど。さっきだって、アヤメ、心配してたよ? コーイチが当たっちゃったとき、すぐにコーイチの近くの敵を止めにいってたし」
コーイチ「え?」
サラ「コーイチもアヤメも、仲間だから。ケンカしてるの、悲しい」
コーイチ「……ええっと、ごめん」
サラ「アヤメと、もう一回お話してみて?」
コーイチ「話すって言ったって…なんて謝ればいいのか……」
サラ「コーイチが思ったことを素直に話せばいいと思う。コーイチがアヤメとどんな話をしたいか、思ったままに」」
コーイチ「素直に話す…」
サラ「うん」
コーイチ「……分かった。やって、みるよ。ありがとう、サラちゃん」
サラ「ううん。がんばって、コーイチ」ニッコリ
深夜 GBN ビルドダイバーズ・フォースネスト
コーイチ「……」
アヤメ「……話って何? 昨日も言ったわよね、私になるべく構わないでって。大したことじゃなかったら、もう落ちるから――」
コーイチ「アヤメくん、その、すまなかった」
アヤメ「……」
コーイチ「君の言う通り、余計なことを言った。ごめん。どうしても謝りたくて」
アヤメ「……別に、気にしてないわ。ただ、私はあまり他人には干渉してほしくないだけよ。それが分かってくれればいいわ」
コーイチ「……僕さ、昔はGPDのプレイヤーだったんだ。仲間と毎日、ガンプラバトルして、大会優勝とか目指して……楽しかった。ガンプラバトルもそうだけど…仲間と一緒に楽しむのが」
コーイチ「でも、仲間は皆、GBNが始まって、すっぱりGPDを辞めてしまった。今思えば、すぐに僕も追いかければよかったんだろうけど…思い入れが強かったからね、あっさり皆して辞めたのがショックで、ガンプラバトルからも離れてしまった」
コーイチ「そんな僕を、リクくんたちがGBNへ誘ってくれた。それからこうしてガンプラバトルに復帰して…今、すごく楽しいんだ。また、仲間とガンプラバトルが遊べて」
アヤメ「……」
コーイチ「アヤメくんは、楽しい? GBNが…ガンプラバトルがさ」
アヤメ「……何が言いたいの?」
コーイチ「……また蒸し返すみたいで悪いけど、やっぱり、僕には、アヤメくんが一般論のつもりであんなことを言ったとは思えないよ。だって、フェスでベアッガイを夢中で撫でてたアヤメくんは、すごく楽しそうだった。あのときの顔とこないだの顔は、全然違う」
アヤメ「……」
コーイチ「あのとき、あんな顔したのは何かアヤメくんなりの事情があるんだろうし、もう深く聞いたりはしないよ。ただ…」
アヤメ「ただ?」
コーイチ「僕たちは同じフォースの仲間だ。だから、その、昔のアヤメくんに何かあったとしても気にしないし、たぶんリクくんたちも同じことを言うと思うけど、これからのことで何かあったら、相談してほしいな」
アヤメ「…何故……?」
コーイチ「え?」
アヤメ「もう構うな、って突っぱねたでしょう。どうしてその上で、私にわざわざ構おうとするの?」
コーイチ「どうしてって……なんて言えばいいんだろうなぁ…」ウーン
コーイチ『ツカサ!』
ツカサ『コーイチ!』
コーイチ・ツカサ『ガンプラバトルって、おもしろいな!』
リク『GBNって…ガンプラバトルっておもしろいな!』ニッコリ
ユッキー・モモカ・サラ『うん!』
コーイチ「――たぶん、僕はただ一緒にガンプラバトルを楽しみたいんだ。昔みたいに、仲間と」
アヤメ「……」
コーイチ「せっかくのGBNだからね、楽しもうよ、アヤメくんも」
アヤメ「……あなた、バカね」フー
コーイチ「へ?」
アヤメ「楽しくないもので遊ぶほど、私は暇じゃないし、愚かでもないわよ」
コーイチ「…あ、あはは…そっか、それもそうだよね、ごめん。さっきのは聞き流しておいてくれるかい? 参ったな、つい自分のことを人に押し付けてしまうというか…ごめん」
アヤメ「別に。謝らなくていいわ。……ガンプラバトルを楽しみたいのは、私も同じだから」
コーイチ「! そ、それじゃあ、昨日のこと、許してくれるかい?」
アヤメ「許すも何も、別に私は怒ったなんて言ってないわ。あなたが何を勘違いしているか知らないけど」
コーイチ「ええ!? でも、今日のことだって、てっきり怒ってるからいつもよりもっと素っ気無いのかと…」
アヤメ「あら。私はあなたの仲間だけれどお友達じゃないわ。素っ気無い態度を取っても不思議ではないんじゃないかしら?」
コーイチ「そ、それはそうかもしれないけど……」
アヤメ「…まぁいいわ。話はもう終わりね? なら私は落ちるわよ。あなたも早いところ寝るといいわ。寝不足で力の抜けた参謀がいたんじゃ、士気が落ちるしね」フッ
コーイチ「はは…それもそうだね。それじゃあ、おやすみ、アヤメくん」
アヤメ「……ええ、おやすみ」シュッ
『アヤメ がログアウトしました』
コーイチ「……アヤメくん、もしかして、ちょっと笑ってた?」
翌日 GBN
リク「ようし! 今日もがんばってガンプラバトルしよう! それで、なるべくなら勝つ!」
ユッキー「うん!」
モモカ「見ててね、サラちゃん!」
サラ「うん。がんばってね、皆!」
マギー「ふふっ、気合入ってるわねー皆」
タイガー「それでこそ俺の弟子ってもんだぜ」
シャフリヤール「ふん、君の弟子じゃない。私のだ」
タイガー「んだとぉ!」
シャフリヤール「何だ?」
マギー「……こっちはこっちで元気だこと」フー
コーイチ「はは、皆元気だなぁ…ふわ」フワァ
アヤメ「……昨日早く寝るように言ったと思うんだけど」
コーイチ「ご、ごめん…やっぱり作戦の見直しがしたくなっちゃって、つい…」
アヤメ「……お願いだから試合中に寝落ちたりはしないでちょうだい」フー
コーイチ「は、はは…大丈夫。……たぶん」
リク「コーイチさーん! アヤメさーん! そろそろ始まるよー!」
コーイチ「ああ、今行くよ! …それじゃ、アヤメくん、今日も頼むよ」
アヤメ「…ええ、あなたも、しっかりと仕事してちょうだい」
サラ「……ふふっ」ニッコリ
境遇が似てるしフォースの年長組(?)同士仲良くすればいいと思う
読んでくれた人がもしもいたらありがとう ビルドダイバーズはホビーアニメとしておもしろいから皆見ろ
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