アイアンマン「この魔法の世界に鉄人を!」【このすば×アイアンマン】 (848)

アイアンマン×この素晴らしい世界に祝福を!のクロスSSです

※原作コミックではなく実写映画版のアイアンマンです
※そこそこの長編になる予定です
※アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンまで見てないと少し話が分からないかもしれません

以上の点にご注意してください

ある程度書き溜めしてあるので投下していきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529156842


   「僕には見える、世界を守るアーマーが・・・」


   「平和の道はただ一つ・・・アベンジャーズの全滅だ」


   「君が作ったんだよな?我々には何も言わずに・・・」


   「仲間が死ぬを見た・・・それよりひどいことがあると思うか?」


   「うまく行っても僕らは・・・ここで消えるかもしれないが・・・」

 
   「ありったけかき集めろ・・・一発で決める!」

......
....
..
.




トニー「う・・・ここは・・・」

トニー(真っ白な・・・神殿・・・?)





?「トニー・スタークさん、ようこそ死後の世界へ。あなたはつい先ほど、不幸にも亡くなりました。44年という短い人生でしたが、あなたの生は終わってしまったのです」

トニー「何・・・?僕が・・・死んだ?」

?「はい、なぜ亡くなったか覚えていませんか?」

トニー「ウルトロンと戦って・・・空から落ちるソコヴィアを撃墜して・・・それから・・・」

トニー「それから・・・僕はどうなったんだ?」

?「あなたは落ちるソコヴィアを、地球に激突する前に見事破壊しました」

?「ですが・・・あなたは降ってきた大量の瓦礫に飲み込まれて・・・」

トニー「なるほど、さすがにヴィブラニウム入りの瓦礫に潰されるのは耐えられなかったか」


?「・・・ずいぶんと落ち着いていますね?」

トニー「あー・・・まぁ、死を覚悟でやった訳だしな?」

トニー「それよりも気になるのは、あの後地球はどうなったかだ。守れたのか?」

?「えぇ、ウルトロンはヴィジョンさんによって破壊されました。地球も無事です」

トニー「そうか、めでたいね。ハッピーエンドだ」

?「本当にそうでしょうか・・・?あなたが亡くなったことによって多くの人が悲しんでいますよ?」

トニー「・・・ま、悔いはないさ・・・」

トニー(ペッパー・・・)

トニー「それで、僕はどうなるんだ?この神殿と言い、羽衣纏った君と言い・・・」

トニー「昔鼻で笑った聖書見たく、天国か地獄かってやつ?正直、今目の前にいる君という知的生命体に興味と懐疑心を抱いているところなんだけど」


?「フフッ、絶好調ですね」

トニー「死んだ人間に対して“絶好調ですね”か、面白い皮肉だ」

?「あっ、い、いえ・・・そんなつもりじゃぁ・・・」

トニー「天使のコスプレした女性をからかうのはこのくらいにしておいて・・・まぁ、今の僕もコスプレ云々言える見た目じゃないんだが・・・本題はなんだ?」

?「天使じゃなくて女神なんですけどね・・・私・・・」

トニー「僕の知り合いの神様もどきを思い出すな。良かったら名前を聞かせてほしいんだが」

?「私は、あなたに新たな道を案内す-----」

トニー「あー、ちょっといいか?スーツのバイザーを閉めたままだった。名前を聞くっていうのに顔を見せてないなんて失礼だよな」カシャンッ…

?「・・・続けてよろしいでしょうか?」


トニー「どうぞ、悪いね」

トニー(ちょっと不機嫌そうだ・・・女神っぽく名乗りたかったんだろうか?)

エリス「では・・・コホンッ・・・私は、あなたに新たな道を案内する女神、エリス」

トニー「・・・新たな道?」

エリス「私は、本来はあなたの世界の担当ではないのです。別の女神があなたの案内をするはずだったのですが・・・」

エリス「訳あって・・・私があなたの案内をすることになりました」

トニー「・・・その訳とは?」

エリス「救っていただきたい・・・世界があるんです」

......
....
..
.




トニー「あー・・・要するに・・・ここではない異世界で魔王が暴れていて・・・その世界では魔法があってモンスターもいて・・・って?」

エリス「はい・・・それで、亡くなってしまった人たちも魔王軍に殺されてしまったものですから・・・同じ世界で生まれ変わることも拒否してしまって・・・」

エリス「このままでは・・・世界が滅んでしまいます」

トニー「そこで別世界からの移民政策って訳か。送られる方はたまったもんじゃないな」

エリス「はい、存じています。なので、私たちは何か一つだけ。異世界へ向かう者へ好きなものを一つ持っていける権利を与えています。それは強力な特殊能力だったり、凄まじい力を秘めた道具だったり・・・」

トニー「ちょっと待て。僕だけじゃないのか?こういう状況になった人間は」

エリス「はい、本来なら・・・日本で若くして亡くなった方が送られています」

トニー「なるほど・・・若者ならそういうの喜ぶだろうしな・・・で、僕が特別に呼ばれた理由は?」

エリス「・・・あなたが、アイアンマンだからです」

トニー「・・・」

エリス「す、すいません。このセリフ、一度言ってみたかったもので・・・」ポリポリ…

トニー「・・・サインあげるから、元の世界に返してって言ったら駄目かな?」


エリス「すいません、それは・・・天界規定で出来ないんです・・・」

トニー「神様の世界とやらも規定にがんじがらめで動けないのか・・・」ハァ…

エリス「はい、申し訳ありません・・・」

トニー「まぁ、慣れてるからいいさ。破ることが多かったが・・・」

トニー「で、その口ぶりからすると・・・僕が特別に選ばれた理由は、あまり現状が改善されていないからだな?」

エリス「はい・・・最近になってようやく魔王軍の幹部が何人か倒されてきたのですが・・・」

トニー「君としては、一刻も早くその魔法の世界を平和にしたいって訳か」

エリス「はい、そういうことなんです・・・これ以上、モンスターや魔王軍に殺された人間がここに来るのを・・・私は見たくありません・・・」

エリス「誰もが平和に暮らせる世界に・・・なってほしいのです」

トニー「・・・」

エリス「トニー・スタークさん、どうかお願いします。身勝手なことを言っているのは十分わかっています!それでも・・・どうか、この世界を救っていただけないでしょうか・・・?」


トニー「魔法の世界を科学者のヒーローが救う・・・なんとも皮肉が効いているな」

トニー「・・・わかった」

エリス「!」

トニー「どうせ断ったって元の世界には帰れないんだ。なら・・・できることをやってやるさ」

エリス「本当に、感謝いたします・・・!」

トニー「僕に向かって祈るのはやめろ」

トニー「ところで、異世界の言語とかはどうなるんだ?」

エリス「私達神々が一時的に脳に負荷をかけることによって習得できます。ですが・・・その・・・」

トニー「?」

エリス「運が悪いと、脳がおかしくなる可能性が・・・」


トニー「冗談じゃないぞ!もし僕の脳みそが駄目になったら一体どうなると・・・」

エリス「大丈夫です!そうなる確率は非常に低いです!それに、自慢じゃないですが・・・」

エリス「私は・・・幸運をつかさどる女神なのです。そんなことは絶対に起こらないと断言します」

トニー「・・・」

トニー(異世界にとはいえ、生き返してもらうんだ・・・あれこれ言うのも野暮か・・・)

トニー「・・・異世界に持っていけるものは一つなんだよな?」

エリス「は、はい!時間をかけて考えてくださっても構いませんよ?あ、カタログをお持ちしますね」スッ…

トニー「いや、実はもうさっき話を聞いた時点で決めておいた」

エリス「カタログを見なくてもいいのですか?ここにあるもの以外だと・・・」

トニー「いいんだ。僕はすでに誰にも負けない力を持っているんでね」

トニー「君もさっき言っただろう?僕が“アイアンマン”だって」

エリス「・・・はい!それではお伺いしますね!」

トニー「僕が持っていきたいもの・・・それは・・・」

......
....
..
.



エリス「・・・決まりましたね。実にトニー・スタークさんらしいチョイスです♪」

トニー「さぁ、準備はできた。送ってくれるか?」

エリス「はい、それでは・・・この魔方陣の中央から出ないようにお願いします」スッ…

      ポゥッ…

エリス「トニー・スタークさん。あなたをこれから、異世界へと送ります」

エリス「魔王討伐のための勇者候補の一人として。魔王を倒した暁には、神々からの贈り物を授けましょう」

トニー「・・・贈り物?」

エリス「世界を救った勇者に見合った贈り物。・・・たとえどんな願いでも、1つだけ叶えて差し上げます」

トニー「へぇ、それは楽しみだな。どんな願いでも・・・か」

トニー「君の話を聞く限りじゃ、その異世界はレンガの家々が立ち並び、道路には馬車が走るような中世レベルの時代なんだろ?」

エリス「は、はい・・・ですが・・・魔法を侮ってはいけませんよ?」

エリス「中には、本当にその無敵のスーツでさえ歯が立たないような魔法も-----」

トニー「エリス。僕の世界にはこんな言葉がある」

トニー「“僕の科学技術は、魔法と見分けがつかない”」カンッ!


エリス「・・・・・」

トニー「・・・・・」

エリス「・・・・・」

トニー「・・・・・なぁ、転送はまだなのか?」

トニー「ちょうど送られるタイミングでスーツのバイザーを閉じたらかっこいいと思って閉じたんだが・・・」

トニー「これじゃコントだ」

エリス「あ、すいません!良い言葉があったものだなと思い・・・」

トニー(・・・さっきの仕返しのつもりなんだろうか・・・?)

エリス「それではトニー・スタークさん。改めて、あなたを異世界へお送りします」スッ…

エリス「願わくば、あなたが魔王を打ち倒し、勇者となることを祈っています!」

エリス「あなたに祝福があらんことを!」


       カッッッ!

......
....
..
.


駆け出し冒険者の街 アクセル



馬車「」ガラガラ...

トニー「・・・Wow」

トニー「どうやら・・・本当に・・・異世界のようだ・・・」キョロキョロ…

トニー「さて・・・まず最初にやることは・・・」チラッ…

冒険者A「・・・」スタスタ…

トニー「なぁ・・・ちょっと聞きたいことがあるんだが・・・」スッ…

冒険者A「う、うわああああ!?新手のゴーレムの類か!?」ジャキッ

トニー「おい、落ち着け。話がしたいだけだ」


冒険者A「へっ・・・?しゃべるゴーレム・・・?」

トニー(まさか今着てるアーマーごと異世界へ送られるとは思っていなかったな。傷も綺麗に治っている・・・)

トニー「ほら、これは・・・鎧だ。中身は人間だろ?」カシャンッ

冒険者A「な、なんだよ!鎧かよ!ビックリさせやがって!・・・にしてもあんた今、手も使わずに兜を開かなかったか?」

トニー「気のせいだ」

冒険者A「いや、でも・・・」

トニー「気のせいだ」

トニー「そんなことより聞きたいことがある。魔王城はどこだ?」

冒険者A「ま、魔王城!?その凄そうな鎧といい、腕利き冒険者か!?・・・の、割には魔王城を知らないなんて変だな・・・」


トニー「今から魔王城に殴り込みに行くんだ。できるだけ早く教えてくれると助かるんだが」

冒険者A「魔王城なら・・・こっから北西の方角にある・・・バカでかい城だ。でもあんた、一人で行くのか?パーティは?武器は?」

トニー「パーティ?パーティならこれから起こるさ。武器もある。10分もしないうちにまたエリスに会うことになりそうだ」カンッ!

冒険者A「なっ・・・やっぱりあんたその兜・・・」

トニー「それじゃ、情報提供感謝する。向かうとするよ」

冒険者A「おい、一体どれだけここから離れていると-----」

  シュゴゴゴゴゴゴ… 
     ドシュゥゥゥゥゥッ!

冒険者A(鎧が・・・飛んで行った・・・?)

冒険者A「帰って寝よう。自称女神の変なアクシズ教徒としゃべったのがいけなかったんだ」

......
....
..
.



魔王城 付近 上空


トニー(それっぽいのが見えてきたな)キィィィイイン…

トニー「いかにもファンタジーに出てきそうな城って感じだ」

トニー「さて、魔王になんてなろうとするやつはきっと頂上付近にいるに違いない」

トニー「一気に室内に突っ込んで殲滅と行こうか」ドシュゥゥゥウウ!!

     キィィイイイ…

トニー「ピザのお届けになりま-----」




     ガィィイイインッ!!


トニー「ぐぉぁあっ!!??」ヒュルルルル…

    ズガァアアン…


......
....
..
.

地上 魔王城前

トニー「ぐ・・・」ヨロッ…

トニー「なんだ・・・バリアが張ってあるのか・・・!?」

トニー「はぁ、まずはスキャンしてバリアの動力源を見つけ出さないとな・・・」ピピピッ…

   《動力源:無し》

トニー「なんだと・・・」

   《未知のエネルギー元を確認。供給元の場所は不明》

トニー「・・・」

トニー「よし、スーツの火力を集中させて穴を開けてやるか」ジャキッ

トニー「knock-knock」キュィィィィイイ…


    ズドォォオオオンッ!!

......
....
..
.


駆け出し冒険者の街 アクセル ギルド酒場



トニー「・・・」グッタリ…

トニー(あり得ないだろ・・・あれだけの火力を打ち込んでも傷一つつかないなんて・・・)

ウェイター「あの、なにかご注文は・・・」

トニー「あー・・・水を頼む・・・」

ウェイター「は、はい・・・あの、それと・・・酒場の中で頭部全体が隠れる兜を付けるのはやめていただけると助かるのですが・・・」

トニー「あぁ、それもそうだな。今脱ぐ」ガシャッ

     ゴトンッ…

トニー「テーブルの上に置いといても問題ないよな?」



ウェイター「はい。た、助かります・・・では、お水をお持ちいたしますね」

ウェイター(すごく変な兜・・・)スタスタ…

トニー「はぁ・・・」

トニー(まいった・・・中世レベル時代だと思って完全に油断していた・・・)

トニー(この先どうするか・・・とりあえず、この世界に持ってきたあの場所にいったん籠ろう)


    「見てください!あの鎧!!めちゃくちゃかっこよくないですか!?」


トニー(魔術について学ぶ必要があるな。近くの図書館なりにきっと知識になる本が置いて・・・)

    「ほら、早く来てください!あの鎧は、紅魔族の琴線に触れまくりですよ!」

    「そんなに急かすなよ・・・って、おお、マジでかっこいいな」

    「でしょう!あれはどういった鎧なのでしょうか!」


トニー(うるさいな、世界を救う為に頭を張り巡らせているというのに。一体何なんだ?)クルッ…


?「おや、中々ダンディなおじさんですね。この街にはどういった用で来たのですか?」

トニー(黒いマントに黒いローブ、黒いブーツに杖、そしてとんがり帽子・・・まさに魔法使いって感じだな。しかし・・・)

トニー「お子様に話すようなことじゃない。世界の命運がかかっている事なんだ」

?「ほう、この私をいきなりお子様呼ばわりとは中々いい度胸じゃないか」スッ…

?「だーっ!やめろ!魔法を唱えようとすんな!超高レベルの冒険者だったらどうすんだ!」

トニー「本当に、一体何なんだ?」

カズマ「俺の名前はカズマっていうんだ。この街で冒険者をやっている。まぁ、魔王軍の幹部を何人も倒しているんだ。知っているとは思うけど、一応名前を名乗っておくよ」フッ

トニー「日本人チックな名前だな」

カズマ(んん!?)


トニー「だが・・・知らないな。何せこの世界に・・・いや、あー・・・まだ冒険者にもなっていない駆け出しなんでね」

カズマ(神器の雰囲気すらする鎧なのに冒険者にすらなっていない・・・そして、日本人を知っている・・・転生者か?でも、若い日本人の顔じゃないしなぁ・・・)

トニー「・・・で、そっちのお子さ・・・お嬢さんの名前は?」

?「ふふふ・・・」スッ…

トニー「?」

    バサァッ!

めぐみん「我が名はめぐみん!!アーク・ウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操----」

トニー「・・・」クルッ…

めぐみん「ああっ!なんで後ろ向くんですか!まだ終わっていませんよ!?」

カズマ「頭がアレなウチの仲間が迷惑かけたな。ほら、よかったら俺が案内するよ。ギルドの登録の仕方とかもよくわからないんだろ?」キリッ

めぐみん「カズマまでなんですか!ベテラン冒険者ぶって!さっき私がかっこいい鎧を着てる人がいたから見せたいって言ったら、“俺は家に引きこもっていたいんだよ、なんでギルドなんかに行かなきゃならないんだ、鎧ごときではしゃぐなよ、子供かロリ枠”って言い放ったじゃないですか!!」


カズマ「めんどくせぇからもう流せよ!それにな、ちょっとこっち来て耳を貸せ」スッ…

めぐみん「?」

カズマ「いいか?まだ冒険者でも無いのにあんな凄い鎧着てるなんておかしいだろ?」ヒソ…

めぐみん「そこは・・・確かに、私も気になりました・・・」ヒソヒソ…

カズマ「俺はああいうのには心当たりがあってな・・・ちょっと話が聞きたいだけだ」ヒソヒソ…

めぐみん「なるほど・・・冒険者になる前からあれだけの装備・・・きっと貴族か王族・・・ダクネスやアイリスだけじゃ飽き足らず、さらに権力者にコネを作ろうというのですね?さすが、狡すっからい欲の亡者は考えることが違いますね」ヒソヒソ…

カズマ(・・・ちょうどいいや、そういうことにしておこう)

カズマ「まぁ・・・そんなところだ。いや、ちょっと待て。お前今最後なんつった?」

めぐみん「そういうことなら私も協力します。力があるに越したことはありませんからね」スタスタ…

めぐみん「そこのかっこいい鎧を着たあなたに、親切な紅魔族である私が力を貸しましょう」

トニー「まだ続いていたのか?」


めぐみん「・・・」イラッ…

カズマ「下がれめぐみん。お前じゃ不信感が増すだけだ」

カズマ「なぁ、俺たちは怪しい者じゃ無いんだ。本当力になろうとしてるんだ」

カズマ「あとな・・・」コソッ…

トニー「・・・?」

カズマ「あんた、異世界からの転生者だろ?」ボソボソ…

トニー「!・・・その日本人チックな名前と、転生者の事・・・君がエリスの言っていた・・・」

カズマ「ええ、数多の魔王軍幹部を倒してきたイケメンベテラン冒険-----」

トニー「い、いや・・・君の事はまったく話してなかった」

......
....
..
.



ギルド 受付


カズマ「おっさん・・・じゃない、トニー?で良いんだよな?」

トニー「ああ」

カズマ「冒険者登録はここでするんだ。あとは、俺がさっき説明した通りだ」

トニー「あの髪にウェーブがかかったおっとりとした感じの美人さん?」

カズマ「そうだ。いいか、名前はルナって名前で・・・すごく美人でスタイルもいいが、行き遅れていることを気にしているって噂が流れている・・・その手の話題に触れちゃ駄目だぞ?」

トニー「それは気の毒だな。わかった、気を付けるよ」

ルナ「聞こえていますよサトウさん。出禁にされたいですか?」

トニー「あー・・・行き遅れることを気にする必要はない。僕だって40後半に差し掛かろうとしているが、いまだ結婚できていないしな?」

ルナ「2人まとめて出禁にしますよ!?登録するなら早くしてください!」


トニー「悪かった。それじゃ頼むよ」

ルナ「まず、登録手数料として1000エリスが必要となります」

トニー「登録・・・手数料・・・」

ルナ「は、はい・・・登録手数料です・・・」

カズマ「トニー・・・ひょっとして、あんたも転生するときにお金渡されなかったのか?」

トニー「そういえば・・・何も渡されなかったな・・・特典はあるんだが・・・」

カズマ「あぁ、その鎧か?」

トニー「いや、これは自ま・・・」チャリ…

トニー「ん?ポケットに違和感を感じるな・・・」

トニー(脱いでみるか)

  ヴィーンッ… ガシャンッ ガコガコガコ…  


   「「「!?」」」

トニー「よっと」スタッ

  ガチャガチャガチャ… カチチッ… カンッ

トニー「待機モード」

Mk.45「」ヴゥン…

めぐみん「うおおおおお!?そ、その鎧、変形するんですか!?」キラキラ

カズマ「すっげぇ!良い神器じゃねぇか!」

トニー「あとでいくらでも見せてやるからはしゃがないでくれ。それより・・・」ゴソゴソ…

トニー「お、どうやらエリス様は僕のポッケにお恵みを入れてくれてたようだ。次彼女に会ったら礼を言っておかないとな」チャリ…

トニー「こんなもんでいいか?」チャリンチャリンッ


ルナ「はい・・・そ、それにしても・・・すごい鎧ですね・・・」

トニー「まぁね」

ルナ「では、このカードに触れてください。それで、あなたのステ・・・」

トニー「ステータスがわかって、職業だとかが決められるんだろ?さっきカズマから聞いたよ」

ルナ「なら、説明はいらないですね。はい、どうぞ」スッ…

トニー「僕のステータスねぇ・・・なんてでるやら」ペタッ…

ルナ「はい、ありがとうございます。確認いたしますね」

ルナ「あら・・・魔力がほぼ0ですね・・・」


めぐみん「ふっ・・・」ニヤッ

カズマ「やめろ」

ルナ「ですが、筋力に生命力、敏捷性共に平均より高く・・・あ!運と器用度が平均より大幅に高いですね!かなりの値です」

ルナ「あとは・・・知力・・・って、はっ!?はあああああっ!?」

カズマ「あれ?なんかデジャブ・・・」

ルナ「なんですかこの数値!?こ、こんな高い知力は見たことがないです・・・紅魔族でもこれほどの者は・・・人類史上最高かもしれません・・・!」

めぐみん「むっ・・・!」チラッ

トニー「へぇ、“この世界の基準じゃ僕は馬鹿”なんてことになってなくてよかったよ」

ルナ「この世界?」

トニー「いや、なんでもない。それで、これだと僕はどんな職が向いているんだ?」


ルナ「そうですね・・・魔力が無いので、魔法が使える職にはなれませんが・・・」

ルナ「前衛系の職ならどれでもなれると思います。いきなり上位職は無理ですが、レベルを上げれば十分なることも可能ですよ。器用度が非常に高いので、盗賊職なんかもいいかもしれません」

ルナ「ですが・・・その・・・」

ルナ「これだけ高い知力をお持ちでしたら、学者や研究者になったほうが人類に貢献できると思います」

トニー「まさかいきなり冒険者人生を否定されるとは思っていなかった」

ルナ「す、すいません・・・・ですが、魔王軍と戦う手段は、冒険者になって魔物を駆逐するだけではないということは、覚えておいてくださいね」

トニー「頭にとめておくよ・・・で、職業についてなんだが・・・とりあえず保留ってことにはできないかな?ゆっくり考えたい」

ルナ「できますよ。選択肢が多いですもんね。決まったらまた来てください」


カズマ「お、終わったか。この後はどうするつもりなんだ?」

トニー「まずは、僕がここに持ってきた特典に引きこもる」

めぐみん「冒険者になっていきなり引きこもりですか・・・カズマと気が合いそうですね」

カズマ「うるせぇ!俺は働く必要がなくなったから引きこもるんだよ!!」

カズマ「でも、このまま引きこもってるのも暇だしな。良かったらトニーが持ってきた特典ってのを見てもいいか?」

トニー「別に構わない。僕も君達から聞きたい情報もあるしな」

トニー「この世界の情報、魔法について・・・そこの魔法使いさんも色々聞きたいことがあるんだが・・・いいかな?」

めぐみん「つまり我々の武勇伝を聞きたいと!良いでしょう良いでしょう!」

トニー「決まりだな。それじゃ、行くとしようか」

めぐみん「あ、まってください。どうせなら・・・」

とりあえず今回はここまでです
不定期更新になると思いますが、見て頂ければ幸いです
トニーの雰囲気だけじゃなく、このすばのノリも再現出来たらなと思っています
ここからはアイアンマンについての説明など、少しおまけが続きます

アイアンマン

本名 トニー・スターク

性格 典型的ナルシスト。切羽詰った状況でもジョークを飛ばすような男だが、決して精神が強い訳では無い。精神が追い詰められた時は自暴自棄になってしまうこともある

天才的頭脳を持ち、4才で回路基盤を組み立て、6才でエンジンを制作、17才でマサチューセッツ工科大学を首席で卒業した。
卒業後しばらくして両親が他界した為、莫大な遺産と経営権を継承しスターク・インダストリーズのCEO兼エンジニアとして就任した。
就任後は辣腕を振るい、次々と破壊兵器を作り軍に提供。会社は最盛を迎え、トニーは酒や女、欲しいものはなんでも手に入った。
ある時、テロ組織に拉致され命辛々生還した経験から過去を振り返り改心。軍事産業から撤退してアイアンマンスーツをきて平和の為に戦うスーパーヒーローとなった。

3分でわかるアイアンマン
https://m.youtube.com/watch?v=yyjIxHgwJGI


アイアンマンの戦闘シーン集

https://youtu.be/gfgwt54aMOM

アイアンマンのスーツ装着シーン集

https://youtu.be/HpX1mDEw1gk


この動画で戦闘シーンの時にイメージが少しでも付きやすくなれば幸いです


......
....
..
.



アクセル 郊外



トニー「・・・」

?「おお、面白い鎧を着ているじゃないか!なんという名の職人が作った物だ!?」

?「私達以降の転生者がいるって聞いてみれば、おっさんじゃないの」

トニー「・・・なぁ、確かに話が聞きたいとは言ったが・・・」

めぐみん「情報は多いほうが良いじゃないですか」

トニー「パジャマパーティーでも始めるつもりか?」

めぐみん「パジャマパーティー?なんですかそれは」

カズマ「男の夢の一つだ。まぁ、お前らがやっても夢の欠片もなさそうだけどな」

めぐみん「なんだかわかりませんが、とりあえず馬鹿にしてるってことはわかりました。あとで覚えておいてくださいね」

カズマ「おっ、爆裂魔法しか能のないお前が俺に勝て・・・ち、ちょっ・・・やめろ!杖で殴りかかるな!お前魔法使いだろうが!!」

トニー「君らから話を聞くべきではない気がしてきた。本当に冒険者なのか?女子供で構成されたメンバーで戦っているのか?」

カズマ「この世界じゃ別に普通だよ。言っておくけどな、元居た世界の常識がここで通用すると思うなよ?サンマが畑から採れて、野菜が空を飛んで、猫が火を噴く世界だ」

トニー「・・・冗談だろ?」

カズマ「今言ったのはほんの一部だ。まだまだ常識外れなことはたくさんあるから、後でこの世界の事を色々教えてやるよ」

トニー「それは楽しみだ。こっちの世界には地球を侵略しようとするエイリアンやら、雷の神様やら、人類を滅ぼそうとする人工知能がいなければいいが」

カズマ「えっ、何ソレ怖い。お前の世界どうなってんの?」

カズマ(この男、俺と同じ世界から来たんじゃないのか・・・?)

トニー「ところで、新しく連れてきたそこの美人二人は誰だ?」

    「「?」」キョロキョロ…

トニー「なんでキョロキョロしているんだ?ここには他に人がいないだろ」

カズマ(あぁ・・・こいつらどんな人間か知れ渡ってて、普段から美人だなんていわれないから・・・)ホロリ…


?「え、今あんた私の事美人って言った?ねぇ、カズマ!この人よくわかってるじゃない!」

?「ふふ、今のを聞いて今度から少しは素直になったらどうだ?カズマ」

カズマ「いいかお前ら、トニーが美人って言ったのはあくまでお前らの外見だけで、つまりは第一印象だからな?化けの皮の印象だからな?」

?「この男!私達の見た目を化けの皮とか言い出したぞ!ぶっ殺してやる!」

めぐみん「あきらめましょうダクネス、あの男はああいう人間です。パンツ脱がせ魔だったり、セクハラ男だったりニートだったり、第一印象すらも最悪なあの男よりはマシですよ」

ダクネス「確かにそうだな・・・」

カズマ「おい、お前が言うその第一印象とやらをもう一度お前らに叩き込んでやってもいいんだからな」

トニー「・・・なぁ、僕がいることを忘れていないか?」


ダクネス「あっ、すまない、説明が遅れたな。私はダクネス、このパーティーでクルセイダー・・・つまり、前衛職を担当としている。よろしく頼む」

トニー「なるほど、君みたいな女性が前衛で戦うとは・・・怖くないのか?敵の攻撃を最前線で受け止めるなんて」

ダクネス「いいやっ!むしろ最高だ!」ハァハァ…

トニー「・・・えっ?」

ダクネス「敵の攻撃が激しければ激しいほど、興奮す・・・後ろの仲間を守るという意志がより強くなる!」ハァハァ…

トニー「今興奮するって・・・」

ダクネス「聞き間違いだ」

トニー「いや、でも顔が・・・」

ダクネス「聞き間違いだ」

トニー「・・・」

カズマ「トニー、こういう所だ。さっき言ったのは」


?「もう、ダクネスったら駄目ね。自分の欲望を押さえられない駄目な子なんだから」

カズマ(一番欲望に忠実なお前が言うか駄女神・・・って言いたいが、面倒くさそうだから黙っておこう)

アクア「ふふっ、美人と言ってくれたお礼に教えてあげる!私の名はアクア!アクシズ教が崇める御神体そのもの!水の女神アクアよ!」

トニー「水の神様ねぇ・・・僕の知り合いと気が合うかもしれないな」

アクア「あれ・・・?信じてくれるの?」

トニー「言ってることはぶっ飛んでいるとは思うが・・・幸い、自分を神だと名乗る奴を見るのは君で四人目なんでね。いい加減慣れた」

アクア「カ、カズマさん!私、この世界で初めて女神を名乗っても変な目で見られなかったかも!」

カズマ「いや、十分変な目で見てたと思うぞ。ていうか、今サラッとすごいことを言ったような・・・」

トニー「さて、君たちの自己紹介も終わったことだし・・・改めて、僕からも名乗っておこうか」

トニー「僕はトニー・スターク。ここに来る前は、世界を守るヒーローをしたりしていた。よろしく頼む」


   「「「「・・・」」」」

アクア「ねぇ、ちょっとカズマ。あの人大丈夫なの?いきなり自分はヒーローとか名乗っているけど、本当に転生者なの?ただの痛い人じゃないの?」ヒソヒソ…

カズマ「お、おい、よせよ・・・確かに変な事口走っているが・・・転生者の事知っていただろ?」ヒソヒソ…

ダクネス「ヒーロー?彼は一体なんの話をしているのだ?」ヒソヒソ…

めぐみん「さぁ・・・でも、初対面で、尚且つ駆け出し冒険者でいきなり世界を守るヒーローとか名乗るなんて・・・」ヒソヒソ…

トニー「あぁ・・・この世界が嫌いになりそうだ・・・」

カズマ「わ、悪かったよ。謝るから・・・なぁトニー。話は変わるけど、あんたは一体何をもらったんだ?」

トニー「“貰った”じゃなくて“持って来た”だ。そして、僕が持ってきたのは物じゃなくて場所だ。さっきも特典にこもるって言っただろ?」

カズマ「あぁ、そうだったな。で、それはどこにあるんだ?」

カズマ(うっかり忘れてた。暇つぶしに俺達以降に転生したってていう転生者の特典を見るためにここに来たんだった)

トニー「アーマーにインプットされた情報だとここのはずなんだが・・・」


小さい小屋「」ポツン…

トニー「・・・あれなわけないよな・・・いや・・・看板に何か・・・」

   【You know Who I am】

トニー「・・・間違いない、あれだ」

アクア「え、あんな物置みたいな小屋が特典なの?さすがにもっといいものをもらって来なさいな」

トニー「だから持って来たといっているだろ?持って来た・・・はずだが・・・」

アクア「異世界に持って来たものが物置小屋って!超ウケるんですけど!プークスクス!」

トニー「・・・」イラッ…

トニー「・・・こんなのはおかしい、きっと何かが隠されているはずだ」

めぐみん「あの文字・・・一体なんて書いてあるのでしょう・・・なんだか、私たちが使っている文字と形が似ている気がしますが、読めませんね・・・古代メッセージの暗号とかでしょうか!?」

>>54

You know Who I am

アイアンマン3の序盤、スイスのパーティーに訪れていたトニースタークが、パーティーで知り合った植物学者のマヤ・ハンセンと彼女の部屋で生物遺伝子の未使用領域とその活用について話し合い、一夜を共にする
その翌朝、ハンセンが起きる前にトニーが彼女の実験の手助けとなる化学式を、紙の裏面に書いて枕元に置き、立ち去るシーンがある。
その紙の表面にトニーが書いた文章がこれである
若いころのトニーの天才っぷりとクールさが出てるシーン


カズマ(いや、普通にただの英語だが・・・やっぱりトニーは謎が多いな・・・転生者の割には特徴に合っていないことが多すぎる。関わらないほうが良い気がしてきた)

トニー「とりあえず小屋に入ってみるか・・・だれか付いてくるか?」

めぐみん「暗号が記された小屋に入るなんて面白そうではないですか!・・・ですが、中に封印されし魔物とかがいたら怖いので・・・ダクネス、先にどうぞ」

ダクネス「え、えぇっ!?だ、だが・・・その魔物は・・・飢えた獣だったりするのだろうか・・・開けた瞬間に押し倒されたり・・・」

トニー「君たちに話題をふると永遠に話が進まなさそうだ。いつもこうなのか?コントしなきゃ気が済まないのか?僕が持って来た物に魔物なんて入っていない」

カズマ「・・・なんかすいません」

......
....
..
.



小屋


   ギィ…


カズマ「敵感知スキルに反応は無い。だからドアからそんな離れて見てんじゃねーよ!」

アクア「なによ、別に怪我しても治してあげるんだからいじゃない」スタスタ…

トニー「小屋の中には・・・特に何も置いていないな・・・どうなっている?」

めぐみん「いやいや、紅魔族の勘が言っています。何かがあると・・・!」

トニー「勘うんぬんは別として、確かに壁に何か貼ってあるな・・・封筒と・・・紫色の・・・花?」

ダクネス「うん?その花は・・・クリスの花だな。花言葉は“諦めない心”だ。この花と同じ名前をした、私の親友が好きな花だ」

カズマ「お前からそんな花言葉の知識が出て来るとか、なんの冗談だよ。各筋肉の部位の役割とか知ってる方が似合っ・・・あああああああ!!頭が!!頭が割れるううう!!!」メキメキ…

アクア「馬鹿ねカズマ。ダクネスは結構可愛いものが好きなのよ!洋服とか人形とか!でも自分のイメージに合わないからって・・・痛い!ダクネス!痛い!!なんで私までアイアンクローを食らわなきゃならないの!?」

トニー「はぁ・・・この封筒の中身は・・・手紙?」


   【要望通りだと世界の景観が崩れるので、少しだけ見た目と造りを変えさせていただきました。でも、これはこれでかっこいいと思いますよ?この手紙を読んだら、紫色の花の中央を押してください。】


トニー「ふっ、なるほどねぇ・・・どうやらエリスはあんな出で立ちで案外、演出が好きらしい。僕と趣味が合いそうだな」ポチッ

    バタンッ… ガチャッ

カズマ「うおおおっ!?なんだ!?ドアが急に閉じたぞ!?鍵まで掛かってやがる!!」ガチャガチャ.,.

めぐみん「へ、部屋が真っ暗です!カズマ、周囲を確認できますか!?」

カズマ「ああ、暗視スキルで一応周りを見てはいるが・・・」

     ズズズ…

アクア「ね、ねぇ・・・なんか揺れていない?」

ダクネス「全員私のそばに・・・おい!トニー・スターク!私達を罠にはめたんじゃないだろうな!?」

トニー「そんなつもりは無い!これは・・・部屋自体が地下に下がっているな」

     ズズンッ…

めぐみん「とまった・・・みたいですね」


    ガチャンッ


カズマ「・・・鍵も開いた・・・のか?」

めぐみん「カ、カズマ、ちょっと開けてみてもらえませんか?男の子でしょう?こういう時は先に・・・」

カズマ「ふざけんな!俺はな、こういう時に“男なんだから”とか都合のいいこと言うやつが許せねぇんだよ!」

トニー「騒ぐなお子様達。僕が開ける」スタスタ…

めぐみん「あ、あの・・・言っておいてなんですが・・・何も不気味に思わないんですか?」

トニー「これは僕が頼んでここに送ってもらったものだと今確信した。危険はない」ガチャッ…

カズマ「おいおい・・・!どうなってんだよこの部屋は・・・!!」

めぐみん「見たことないものばかり・・・」

トニー「出迎えてくれるものはいないのか?」


    『おかえりなさい、ボス』


トニー「ただいま、フライデー。長い一日だった」

トニー「さて諸君、紹介しよう!」











トニー「僕のラボだ」

今回はここまでです。ちょっとこのすば陣営のやり取りを入れ過ぎてテンポが悪くなっていないか心配です
次回か次々回、もしかしたら戦闘シーンが入るかもしれません。見にくくなったら申し訳ないです

ブラックパンサーのDVD,BDは7月4日に発売予定! 実はこのすばの14巻も7月1日に発売予定です!みんな買おうね!

続きは明日の夜ごろになります。お楽しみに!
事前に書いておくべきでしたが、このすば世界の時系列は八巻の序盤、クリスがカズマに聖鎧アイギス回収の依頼をした直後です

ルークケイジのシーズン2がネットフリックスで今日から公開! MARVEL作品はドラマも面白いですよ!

オマケ このSSで登場するアイアンマンスーツ、Mk45の見た目

https://imgur.com/a/uHV9XGr

http://imgur.com/a/uHV9XGr

MCUはどうしてもドラマだけはDCに負けてる感ある

>>70
アローにフラッシュ・・・面白いですよね

>>68
もしかして画像が表示されませんでしたか?ご迷惑おかけします



カズマ「す、すげぇ・・・・」

めぐみん「ほ・・・本当になんなんですか!?この部屋は・・・!ここにあるものは一体・・・」

トニー「大体は僕が作った。これも、そこにあるのも」

ダクネス「作った・・・?どれもこれも・・・?魔道具・・・なのか?それすらもわからん・・・」

トニー「魔道具なんて胡散臭い物じゃない。科学技術の産物だ」

アクア「みてみて!このよくわからない装置、小っちゃくなっちゃった!!」

トニー「それも僕が・・・何してるんだお前!?」

カズマ「おま・・・・バカ野郎!!なに恐ろしい迷惑かけてんだ!!!」

トニー「フライデー、どうなっている!?僕は幻覚でも見ているのか!?」


フライデー『その・・・私にもさっぱり分かりません・・・マジックとかではなく、物理的に小さくなっています』

トニー「なぁ、元に戻せるんだよな?これはホログラム発生装置だ、これがないと何か作るときの設計に支障が」

アクア「戻せるわけないじゃない」

トニー「・・・」

カズマ「ウチの駄女神が・・・ほんっとうにすいません・・・」

トニー「・・・・・」

トニー(うん・・・?この装置・・・)ヒョイッ

カズマ「お、おい!アクア!!お前も謝れ!!言葉も出ないくらい怒っているだろ!!!」

アクア「ち、ちょっと手品を披露しただけじゃない!女神はね、そう簡単に頭を下げたりなんて・・・カズマさん!やめて!!謝るから離して!!髪の毛抜けちゃう!!」

カズマ「ほら、アホ女神もこの通り謝っているので、どうかひとつ・・・」


トニー「いや、違う・・・フライデー、小さくなったこの装置・・・」

フライデー『スキャン中・・・完了。ボス、小さくなっただけで機能はそのままです。問題なく使用できます』

トニー「一体どういう技術なんだ・・・」

カズマ「あれ・・・怒ってない・・・?」

アクア「謝って!!私の頭を無理やり下げさせようとしたこと謝って!!」

トニー「いいや怒っている。次勝手に僕の装置に手を出したらここからたたき出すからな!」

アクア「なんでよー!!!」

カズマ「当たり前だろが!!!被害が出なくても人様の物をお前の変な手品の道具にするんじゃねぇ!!」

アクア「ステレオで説教しないでよ!!悪気があった訳じゃないのに!」グスッ…


ダクネス「なぁ、おい・・・みっともないからその辺にしておけ・・・」

トニー「はぁ・・・同じ神でも、ソーとは大違いだ・・・あっちはあっちで気に食わないが・・・」

アクア「・・・ねぇ、あんた今・・・ソーって言った?あの雷神ソー?」

トニー「なんだ?ソーを知っているのか?」

アクア「知ってるもなにも・・・ソーは私達神々の間じゃとても有名よ?雷を司り、ムニョムニョハンマーで豪快に敵を打ち砕く・・・まぁ・・・そこそこ凄い神なんじゃないかしら」

カズマ「武器の名前はともかく、話を聞くだけでも凄いな。スナック菓子を食いながら偉そうに椅子にふんぞり返っているくせに、宴会芸しか取り柄のないどこかの駄女神にも見習ってほしいもんだ」

アクア「それ私に言ってるの?まるで本当の能無しみたいな言い方だけど」

カズマ「うん、だからそう言っているんだよ。能無し駄女神」

アクア「佐藤和真さん。そろそろ本当に天罰を与えますよ?トイレの水が流れなくなる天罰とか与えますよ?」

>>76 ソー

マイティ・ソーの事

北欧神話に登場する本気もんの神様。
ソーという名前はThorを英語読みにしたもの。日本ではトールの方が伝わるかもしれない。
ムジョルニアという天候を操るハンマーで戦う。このハンマーは真に高潔な精神を持つものでないと待ちあげることすら敵わない。(原作ならキャプテンも持ち上げることが出来たが、実写版ではほんの少し動かした程度だった)
神々の世界アスガルドで最強と言われるまでに恐れられていたソー。しかし、とある事件をきっかけにソーは独断で敵地にカチコミを仕掛け、それが原因で戦争が起こりそうになってしまう。
この行為によってオーディン(ソーの父親)はブチ切れ、ソーは力を奪われ傲慢な心を更生させるために人間世界であるミッドガルド(地球)に堕とされてしまう。
その地球で愛する女性や友人ができ、それらを守るために自分の身を顧みずに地球に侵攻してきた化け物に立ち向かったその時、ソーは本来の神の力を取り戻し、敵を粉砕した。
ちなみに、ムジョルニアをムニョムニョと呼んでしまう可愛い女の子もいる

マイティソー 予告編
https://m.youtube.com/watch?v=1WBKiQ3I8HE


トニー「ソーを知ってる奴がいるとは・・・僕が元居た世界とほんの少しだがつながりがあった訳か。世界は狭いな」

めぐみん「ダクネス、彼らは一体何の話をしているのでしょう・・・雷神とか、世界がどうのこうのとか・・・」

ダクネス「私にもわからん・・・だが、アクアはともかく、トニーはいたって真面目に言っているようにしか見えないな・・・」

トニー「そこで首絞めあってるヘンテコ女神とカズマ。そろそろ話を始めないか?もちろん、君たちのコントじゃなくてちゃんとした情報共有だ」

カズマ「おっと、そうだったな。面白いものを見せてもらった礼だ、知らないことはなんでも教えてやるよ」

トニー「それはありがたいね。何か飲むか?あいにく酒しか置いていないが・・・君たちは飲める年齢か?」

ダクネス「めぐみん以外ならみんな飲めるぞ」

めぐみん「ちょっと!!私はもうお酒が飲める歳でだと言っているでしょう!いつまで子供扱いなのですか!?」

カズマ「見た目がな・・・」

トニー「確かに、君がお酒を飲んでいる絵面はいただけないな。小さいころからお酒を飲むと、頭がおかしくなるんだぞ?ジュースが置いてないか探してきてやるから、それで我慢しとけ」

カズマ「あっ、頭に関しては手遅れなんで・・・」

めぐみん「二人共表に出てもらおうじゃないか。紅魔族は、売られた喧嘩は買うものです」

......
....
..
.


2時間後...



トニー「それで、僕は獲物をかっさらっていった雷神にタックルで吹き飛ばしてこう言ったんだ “引っ込んでろ、観光客”」

アクア「あはははははは!あはははは!観光客!観光客って!噂のソーも案外大したことないのね!!」

トニー「言っとくが、僕のスーツが凄いんだからな?それで、サーファー君は雷を放つも、僕のスーツに吸われて吹き飛ばされたのさ!」

アクア「あははははは!!!サーファー君なんて呼ばれているの!?あはははははは!!トニーったらセンスあるわね!!」

トニー「だろ?君の話も面白かった!さっきのエリスの話・・・」

アクア「ああ、アレね!」






アクア・トニー「「エリスの胸はパッド入り!」」

トニー「HAHAHAHAHAHA!!!そう、それだ!!なんか胸に違和感があると思ったんだ!!パッドが入ってたのか!女神がパッドって・・・HAHAHAHAHAHA!!!」

ダクネス「この酔っ払い共・・・そうやってエリス様を貶めるようなことを言っていると、本当に罰が当たるぞ!!」

トニー「僕のアーマーは罰だって跳ね返すさ。ところで、君たちの話はさっきので終わりか?ダクネスを悪徳貴族との結婚式から救い出す話で・・・」

ダクネス「そ、その話はもういい・・・///」

トニー「もう話が無いなら、僕の自慢話をさせてもらおうかな」

カズマ「俺達の話を聞くとどんな自慢話も霞んでしまうからやめといたほうが良い。話はここからが本番だ、何から聞きたい?」

カズマ「圧倒的な剣技を誇り、どんな強敵でも死の宣告で呪い殺せる暗黒騎士。人の身に化け、触れただけで即死する猛毒を持ち、あらゆるものを食らいつくすデッドリーポイズンスライム。無尽蔵に進化するキメラ・・・話せば長くなるさ。まぁ、全部倒したんだけどな?」

トニー「Wow、宇宙人が空に穴を開けて襲ってきたり、鉄を飴細工みたいに溶かしたりできて、尚且つ手足がもげても再生する高熱人間が束になって殺しにかかって来たり、自我を持った人工知能が体を得て、街を空に飛ばして落として人類を滅ぼそうとする僕の話といい勝負だ。まぁ、全部倒したんだけどな?」


カズマ「・・・他にも、存在自体反則な公爵級の悪魔を倒したりもしたなぁ・・・」

トニー「・・・僕だって、雷の神様を吹き飛ばしたり、街一つを滅ぼせる緑の巨人をタイマンで殴り倒したりもした」

カズマ「・・・俺達の方が凄い」

トニー「・・・どうかな?」

めぐみん「どれも私の爆裂魔法があってこその手柄ではないですか!その武勇伝は私が話すべきです!!」

カズマ「待てめぐみん・・・今は俺達とトニー・・・どちらが優れた冒険者かの話に変わったんだ・・・!」

めぐみん「そんなの、冒険を長く続けてきた私達に決まっているではありませんか!!大体、トニーが言っている話はまったくもって意味が分かりませんよ!うちゅうじんがどうのとか・・・」

トニー「お互いの話を証明するのに最も向いている事・・・それは、お互いの力を見せ合うことだ。簡単だろ?」

めぐみん「・・・決闘を挑んでいるようにも聞こえますが」


トニー「まぁ、早い話がそんなところだ。と言っても、本気で戦おうだなんて思っていない」

トニー「この世界で、君たちがどう戦うのか見たいだけだ。同時に、僕の戦い方も見せてあげよう。百聞は一見に如かずって言うだろ?」

ダクネス「とはいえ、どうするつもりだ?何かクエストを受けようにも、もう夜も近いんだ。ここからギルドまで歩いたら、つく頃にはギルドは閉まっているだろう」

カズマ「いい考えがあるぞトニー、お互いに何か一つ持つ。そして、相手が持っているものを奪った方が勝利だ。どうだ?」

めぐみん「え?それって・・・」

カズマ「静かにめぐみん。今は男と男の大事な話だ」キリッ

ダクネス「この男最低だな・・・」

トニー「僕としてはそれでもかまわないが・・・それじゃ君が怪我をすることになると思うが?」

カズマ「問題ないよ。こっちにはどんなケガも治せるヒーラーがいるんだ」

トニー「なるほど、良い自信じゃないか。未知の敵と戦うことも恐れていない・・・」

めぐみん(勝利を確信しているからだと思う)

トニー「それじゃ・・・酔い覚ましの一勝負と行こうか?」

短いですが今回はここまで。次回、クズマVSトニー
>>1は内ゲバ大好き

ソーの扱いがぞんざいですが、>>1はソー大好きです
3は本当に面白かったし、IWのあの場面は涙が出るかと思うほどカッコよかったです
でもロキの方が好き


......
....
..
.



アクセル郊外 平原


トニー「よし、この辺なら戦ったとしても大丈夫だろう」

カズマ「トニー、トイレは行っておかなくてよかったのか?激しい戦いになるかもしれないんだぞ?」

めぐみん「ほんっとうに最低ですこの男・・・」

トニー「トイレだって?大丈夫。見てろ、このスーツはな・・・」

トニー「・・・」ブルブル…

めぐみん「えっ」

トニー「・・・ふぅ、この通りなんともない」

めぐみん「・・・えっ」

カズマ「まじかよ!ぶはははははは!!!」バンバン

ダクネス「こ、この男も最低だ・・・」

トニー「飲めるくらいには浄化されているぞ」

めぐみん「知りたくなかったです。そんな情報」


>>90

トニーのスーツジョーク?

アイアンマン2で自分が余命僅かと知ったトニーが自暴自棄になってパーティー会場で披露した下品なパフォーマンス。
酔っぱらっていたので本当にスーツの中でトイレしたのか、ろ過機能があるのかも不明


アクア「それにしても、さっすがカズマさんね!普段は戦いに首突っ込まないクセに、なんで勝負を引き受けるのかと思ったら、まさか物を奪った方が勝ちにするルールにして、スティ----」

カズマ「よーしアクア!黙ろうか!!あとでお酒奢ってやるからな!!!」

カズマ「とっとと始めようぜ!!お互いターゲットは持ったよな!」

トニー「ああ、僕はコインをスーツに張り付けてある。君はポケットだろ?」

トニー(さて、冒険者たちは空からの攻撃に対してどこまで対応できるのか・・・見せてもらおうか)

   《飛行システム:オンライン》

トニー(汚いかもしれないが・・・悪く思うなよ?)キュィィィイ…

カズマ(さて、トニーにもこの世界の理不尽さを叩き込んでやるぜ・・・一瞬で勝負がついて、あっけにとられるトニーの顔が兜のせいで見れないのが残念だ)クックックッ…

カズマ(汚いかもしれないが・・・悪く思うなよ?)ワキワキ…

めぐみん「その手の動きやめてもらえますか?色々思い出します」ハァ…

ダクネス「私としては・・・ゾクゾクするな・・・///」クネクネ…


めぐみん「・・・さて、両者位置に付きましたね?」

トニー「・・・」キュィイッ… ヴゥン…

カズマ「・・・」ジリッ…  

トニー・カズマ(・・・この勝負、僕(俺)が勝つ!!)

めぐみん「それでは、いきますよ?よーい・・・」

カズマ「・・・」スッ…

めぐみん「ドン!!」

カズマ「『スティール』ッッ!!!」

    ブツンッ!

トニー「!?」

トニー(なんだ!?目の前が真っ暗に・・・!)


トニー「フライデー、どうなっている!?」アタフタ…

カズマ「ふっ・・・これが、駆け出しと一流のちが・・・」ジュウウウ…

カズマ「なんだ?手から香ばしい匂いが・・・」チラッ…

アークリアクター「」ジュゥゥゥ…

カズマ「あああああああづああああ!!」

カズマ「アクア!アクアーッ!!助けてくれーッッ!!手が焼き上がるうううう!!」ゴロゴロ…

アクア「『ヒール』!『ヒール』!さっき賢い作戦だと思った私の気持ちを返して欲しいわ。カズマってやっぱりバカなんじゃない?」

トニー「ぐっ・・・なぁ・・・誰か手を貸してくれないか?補助機能なしでスーツを着るのはキツい・・・」ヨロヨロ…

ダクネス「手を貸すのはいいが・・・お前はついさっきその鎧の中で・・・」

トニー「あんなの冗談に決まっているだろ!だから早く・・・」

めぐみん「・・・なんですか、この混沌極まりない状況は」

トニー「・・・勝負はお互い戦闘不能って事で引き分けにしようか。なぁ?カズマ。それでいいよな?」

カズマ「い・・・良いです・・・」プルプル…

......
....
..
.



スタークラボ


トニー「ったく、スーツを脱ぐのにものすごい手間がかかった・・・さっきのは一体なんだ?アークリアクターだけを抜き取るなんて・・・」

カズマ「あれは俺の・・・必殺技さ」

ダクネス「手を氷で冷やしながらじゃなければ、そのセリフも決まっているんだがな・・・」

アクア「あたしのヒールじゃまだ足りないっていうの?」

カズマ「うるさいな!火傷した後はこうしていると落ち着くんだよ!・・・で、あの魔法はスティールって魔法で、対象の持ち物をなんでも一つ奪い取るスキルだ。使い勝手いいだろ?」

トニー「ランダムなのか?」

カズマ「あぁ、ランダムだ。・・・おい、お前らなんでこっち見るんだよ。ランダムだって言ってんだろ!?」


めぐみん「確かに、使い勝手の良い魔法ですが、レベル差があると何も取れない事だってありますし、石ころとかいらないものを大量に持たれるとそれだけで対策になってしまいます。おまけに、幸運値依存なので過信できません」

めぐみん「カズマは幸運の値が極端に高いので、だいぶ凶悪なスキルになっていますが・・・」

カズマ「実はゴーレムとかみたいな機械系の相手にコレを使うと即死攻撃になるんだ」

トニー(もし僕の胸にまだアークリアクターがあったらと思うと・・・ゾッとするな)

ダクネス「なぁ、それで思ったんだが・・・お前の鎧は一体どうなっているのだ?光っていたし、まるでゴーレムだったぞ。カズマがスティールで盗ったあの光る三角形の物体も謎だ」

トニー「・・・まだ僕の詳しい話を君たちにしていなかったな。夜遅くなると思うが、聞いていくか?」

ダクネス「あぁ、興味が湧いた。是非聞かせてくれ」

めぐみん「この国の人間にしては、魔法について全く知らなかったり、あんな鎧着てるのに駆け出しだったり・・・謎が多いですね」

トニー「さて・・・どこから話そうか・・・まず一つ言うと、僕はこの世界の・・・いや、この国の人間じゃない」


......
....
..
.

トニー「とまぁ、こんな感じだ。だから魔術などについては知らないし、この国の常識なんかについても良く知らない。ちゃんと調べるけどな」

めぐみん「魔術の代わりに、かがく・・・とやらが発達した国、あめりかですか・・・聞いたこともないですね」

ダクネス「確かに、私も聞いたことのない国だ。だが、この国の支援に来たのだろう?なら、全面的に協力しよう」

カズマ(ところどころ、俺とアクア以外の人が聞いても変に思われないように言葉を変えていたが・・・要するに、トニーはただ単に特典を与えて送られた俺みたいな転生者とは違って、この世界を救うべく選ばれて送られた特別な人間ってことか・・・)

カズマ(・・・何という主人公感。なんかムカつく)

カズマ(だが、一つはっきりしたことがある。それは・・・)スクッ…

ダクネス「・・・?どうした、カズマ。急に立ち上がったりして」

カズマ「話ももう終わったことだし、そろそろ帰ろうと思ってな。ほら、いつまでも遅くまでいると迷惑だろ?」










カズマ(それは、この男とは今後一切関わるべきではないということだ)


アクア「そうね、カズマ。いつまでも居ちゃ悪いものね。ほら、めぐみんとダクネスも、早く帰る準備をしましょう?急がないと深夜どころか朝になっちゃうわよ」

カズマ(アクアもなんとなく感じ取ったみたいだな。そう、この男は今まであった中でもトップクラスにヤバい)

カズマ(この世界を救う為に選ばれ、送られた存在であるこの男は、知識を得て戦う準備ができたらすぐさま魔王に正面から喧嘩を吹っ掛けるだろう)

カズマ(そして、こいつと初めて喋ったときに、“魔王軍の幹部を何人も倒している”と自己紹介してしまった。つまり・・・)

カズマ(実力を見込まれて、協力してくれとか言われて、魔王軍との全面戦争に巻き込まれる可能性が非常に高い!)

カズマ(仕方なくとか、成り行きでとかならまだしも、こっちから魔王に挑むなんて御免だ!!)

トニー「ああ、わかった。夜遅くまで引き留めて悪かったな。ところで・・・なぁ、カズマ。君は今まで魔王軍幹部を何人か倒してきたんだろ?もし良かっ」

カズマ「お邪魔しました!!今夜は楽しかったよ、トニー!今度またいつかそのうち縁があったら会おうな!!」


トニー「え?おい、まってくれ。まだ君たちの家の住所も聞いてな」

アクア「ほら、めぐみんもダクネスも帰りましょう!ほら!ほら!!」グイグイ

めぐみん「あっ、ちょっ・・・痛いです!なんでそんな急に引っ張るのですか!!トニーが何か言いかけていましたよ!?」

ダクネス「お、おい!まだ話は終わっていないぞ!?そして、どうせ引っ張られるならカズマに・・・」

アクア「お邪魔しました!!」

    ガチャッ
     バタンッ!


トニー「・・・」

トニー「・・・フライデー、僕なにかやらかしたかな?」

フライデー『わかりません。急に態度が変わったように見えましたが・・・』

......
....
..
.



カズマの屋敷


カズマ「ふぅ・・・いやー、やっぱ我が家が一番だなー」

ダクネス「カズマ、アクア。さっきは一体どうしたんだ?あんな急に、まるで逃げ出すように家を出ていくなんて・・・」

めぐみん「そうですよ、トニーに教えられることはまだ他にもあったでしょう?」

カズマ「いいかダクネス、めぐみん。あのままだと何て言われていたと思う?魔王を倒すのを手伝ってくれなんて言い出してたに決まっているぞ。逃げて正解だったろ?危うく巻き込まれれる所だった」

ダクネス「は・・・?貴様は何を言っているのだ・・・?」

めぐみん「我々は魔王を倒すべく結成されたパーティーではなかったのですか!?当初はカズマがそう言っていたのですよ!?」

カズマ「覚えてねぇなーっ!!」ゴロッ…


めぐみん「えぇっ!?」

カズマ「あのなぁ!!大金も入ったし、めぐみんともダクネスともなんだかいい感じだし、俺はこのままお前らとイチャ付きながら毎日ダラダラ暮らして行く予定なんだよ!ほら、ソファで一緒に寝ようぜ!!」

めぐみん「最低です!ほんっとうに最低ですよこの男!!」

ダクネス「ほ、ほほほ・・・本当に何を言っているんだ貴様は!?!?///」

アクア「イチャつく云々の妄想はともかく、トニーと関わらないことに関しては私も賛成よ。厄介ごとはごめんなの!ほら!みんなで面白おかしく生きるのよ!」

ダクネス「そうだ・・・こいつらはこういう奴等だった・・・」

カズマ(俺の名は佐藤和真。これからは何不自由無い生活が約束されている男。自分から進んで危ない橋は渡らない)

カズマ(・・・これでいいんだ、これで。世界を救うのは選ばれしヒーローに任せよう)

......
....
..
.



エリスの神殿


エリス「ふぅ・・・今日はもう、死者の案内は無いようですね」

エリス「下界に降りて神器回収の続きをしましょうか」


?「いいや、その必要はない。お前の世界は、この私が統治してやるのだからな」


エリス「・・・だ、誰ですか!?姿を見せてください!」


    ザッ…


?「やぁ、邪魔するよ」

エリス「あ・・・あなたは・・・!い、一体・・・ここに何の用ですか!?」

?「お前の世界を救ってやろうとここへ来た。見たところ、この世界を統治するにお前では役不足だ」

エリス「・・・」


?「私が統治すれば、この世界はより良いものになるだろう。全員が跪き、私を崇拝する」

?「それが人間の本来あるべき姿ではないのか?神の位についている癖に、お前は人に尽くしているだけだ」

?「お前が尽くして人間が少しでもまともになったか?お前のやり方は何の意味もなさない」

?「魔王とやらに苦しめられているようだが・・・この私が絶対的な力をもって、魔王もろとも屈服させ、この世界を平和にしてやろう。全員が神にひれ伏せば・・・決して争いなど起きないのだ。幸福だろう?」

エリス「それは・・・幸福などではありません。恐怖です」

エリス「自分の方が優れていると慢心し、人々を恐怖で支配するのは・・・治める者として失格です」

?「ふん・・・では、貴様はそこで見ているがいい。この世界が私によって支配されるのを」

?「元統治者のお前は生かしてやる。お前には私が造る完璧な世界をその目に焼き付けさせる。そして、自分の無能さと、己の価値の無さに気が付き絶望したら、お前を一思いに殺してやる!」

エリス「ッ!」ゾッ…

?「お前はせいぜい・・・ここで子供のお祈りを続けているがいい」スッ…








ロキ「このロキが・・・この世界の支配者となるその時までな・・・!」

>>104

ロキ

ソーの弟にして、野心を抱く狡知(イタズラ)の神
実の弟ではなく、ヨトゥンヘイムの王であるラウフェイの息子をオーディンがソーの弟として養子に迎え入れた
ソーとロキは実の兄弟のように成長したが、ロキは力を付けると共にアスガルドの王の座を強く望むようになっていった
しかし、王の座はソーのものとなり、そのことに激しく嫉妬と憎しみを抱くようになったロキはやがてあらゆる手を使い、自分の思うがままにアスガルドや、ソーの愛する地球を支配しようとするようになってしまう
恐ろしい邪神だが、根強いファンがいて大人気

今回はここまでです
このすば映画化が決まりましたね!!嬉しい限りです
映画で紅魔の里編、第三期でダクネス救出編までやってくれたら最高ですね
映画はオリジナルでも嬉しいですね。特典はどうなるやら・・・

ロキさん来るならハルク連れてくるしかねえ…



書籍版では知らんけどアクアって魔王討伐乗り気じゃ無かったっけ?

かなり天界に帰りたがってたような

追い付いた、すごく面白いぞ

あと>>52で疑問に思ったんだけど、
トニーにソーとロキ以外で神様の知り合いなんていたっけ?
それともマンダリンのことでいいのか

>>78でミスがありました

めぐみん「ちょっと!!私はもうお酒が飲める歳でだと言っているでしょう!いつまで子供扱いなのですか!?」 ×

めぐみん「ちょっと!!私はもう結婚だってできる歳だと言っているでしょう!いつまで子供扱いなのですか!?」 〇


です。書籍版のこのすばを読み返していると、どうやらこの世界は飲酒は自己責任で未成年が飲んではいけないっていうルールはありませんでした

それとついでに・・・>>104の修正を・・・


?「元統治者のお前は生かしてやる。お前には私が造る完璧な世界をその目に焼き付けさせる。そして、自分の無能さと、己の価値の無さに気が付き絶望したら、お前を一思いに殺してやる!」 ×


?「元統治者のお前は生かしてやる。お前には私が創る完璧な世界をその目に焼き付けさせる。そして、自分の無能さと、己の価値の無さに気が付き絶望したら・・・お前を一思いに殺してやる!」 〇

漢字のミスです、申し訳ない・・・

>>107
アクアは天界に帰りたくないわけじゃないけど、魔王軍幹部なんかと戦うのは真平ごめんで、温い生活を送りたいと思う心理描写が描かれたシーンがありました
帰りたいっちゃ帰りたいけど、地上の生活は楽しいし、楽して倒せたらなぁって感じみたいですね。

>>112
エリスの事を指しています

......
....
..
.


翌日 カズマの屋敷


カズマ「ふぅ、新しく出来たあのレストラン、中々美味かったな」

アクア「そうね、あそこのパスタの味を喩えるなら・・・美味しそうなお酒の入った酒瓶が落ちているのを見つけて、それを拾おうとしたら“残念、罠でした!!”ってエリス教徒に捕まる。そんな強烈な斜め上のインパクト・・・分かるわよね?」

カズマ「さっぱりわかりません」

ダクネス「エリス教徒がそんなことするか!!全く、貴様らは本当にこうやっていつまでもグータラしているつもりなのか!?」

カズマ「人はなぜ働くのか・・・それは、お金が必要だからだろ?でも、俺達にはそのお金が十分にある。20億だぜ?20億入ってくるんだぜ?働いたら負けだ!!」

ダクネス「なんだその馬鹿な言葉は!!良いか?仕事には常に責任が付いて回るんだぞ!金があったとしても、世に貢献するのが人としての役割だ!」

カズマ「お前はまず俺に貢献しろよ!ここんところバツイチになった以外で見せ場のないバツネスさんよ!」

バツネス「なっ・・・!?や、やはりお前は“おいダクネス、お前は俺に金で買われた身なんだから、そのエロい体で俺に性的に貢献しろ”とか言い出すのかっ・・・!?・・・くぅっ・・・///」

カズマ「言わねーよ!何が“くぅっ・・・”だ、この変態エロセイダー!!やっと自分の屋敷から出てきたと思えばこれかよ!!初対面のトニーに対してもブレなかったし、お前のその癖はバツイチになっても治らないのか!!」

バツネス「バツイチ呼ばわりは本当にやめろぉ!!また引きこもるぞ!!」


アクア「ねぇねぇ、ダクネス。どうして家の中なのに鎧を着ているの?言っとくけど、クエストなら行かないわよ?」

ダクネス「クエストではない、これからウィズの店に向かう所だ」

アクア「ああ、トニーに会いに行く間に預けていたゼル帝の卵を取りに行くのね?私もいくわ!悪魔とアンデッドに孵化させられるゼル帝がかわいそうだもの!!」

カズマ「預けといてその物言いは無いだろ」

ダクネス「いや・・・違う。ちょっと気になることがあってな・・・」

アクア「気になること?」

ダクネス「アクア、私のお父様には悪魔による呪いが掛けられていたと言っていたな?」

アクア「それはそれは、とーんでもない悪魔に、とーんでもない呪いが掛けられていたわよ。まっ、私がサクッと解除したんだけどね!!」

ダクネス「ああ、そこで気が付いたのだが・・・この街にいる悪魔と言えば奴しかいない」

アクア「・・・そういえば、あの騒動で一番得するのって奴よねー。カズマからいろんな商品を安く買い取って・・・」

ダクネス「そういうことだ、これから私は奴と話をしてくる。アクア、良かったら来てくれないか?万が一戦闘になったら、お前の力がいる」

アクア「そういうことなら任せなさいな。今度こそあのクソ悪魔に引導を渡してあげるわ!うっかり店主のリッチーも浄化されちゃうかもだけど、それはそれでいいわよね!」

カズマ「良い訳ねーだろ!!ウィズをなんだと思ってんだこの邪神!!おい、俺も行くぞ!お前らだけだと争いが起きる予感しかしない!」

めぐみん「なら私は、いざ争いになったら爆裂魔法を放てるように用意しておきますね!」

カズマ「争いを起こさない為に俺が付いて行くって言ってんのにそんな物騒な用意するんじゃねぇバカ!!」

......
....
..
.



ウィズ魔道具店 扉前



   「~~~~、~~」
   「~~、~~~~!!」


ダクネス「うん?なんだか中から声が聞こえるな。それも、どこかで聞いたことがある声だ」

アクア「早く入りましょう?一瞬でケリをつけてあげるから」

ダクネス「いや、まずは話をしないと困るんだが・・」

カズマ「いいかアクア、あくまでも俺たちはバニルがダクネスの親父さんの呪いに関与しているのかどうか聞くだけだからな?間違ってもいきなり攻撃仕掛けたりするなよ?わかってるよな?」

カズマ「めぐみんもだぞ?間違っても店中で爆裂魔法を撃とうとしたりするなよ?」

アクア「ねぇ、ずっと思ってたんだけど、私の事をなんだと思っているわけ?」

めぐみん「まったくですよ。私が何も考えずどこでも爆裂魔法を放つような人間に見えるのですか?」

カズマ「・・・」ガチャッ


   カランカランッ


アクア「ちょっと!無視して店に入ってかないでよ!」











トニー「どうだ?バニル、ウィズ。この商品は売れると思うんだが・・・」

バニル「ふーむ、魔力も一切使わずに閃光を放つ魔道具か・・・いや、どうやらあの鬼畜小僧が我輩に売ったものと同じように、どこか遠い彼方の地の技術で作られたものであるな?」

ウィズ「これは面白いですねぇ・・・」

トニー「だろ?これでもう敵から暴漢、いじめっ子に至るまで怖くないわけだ。こいつを店に置いて・・・ん?君は・・・なぁ、なんであの時は急に帰ったんだ?何か気に障るようなことでも言ったか?」

カズマ「・・・」

ウィズ「あら?カズマさんたちではないですか!今日はどうしたんで---」

カズマ「よし、めぐみん!爆裂魔法だ!!!」

ウィズ「本当にどうしたんですか!?!?」

......
....
..
.



バニル「さて、いきなり我輩の店で爆裂魔法をぶっ放そうとしたそこのネタ種族のネタ魔法使い。そしてそれを指示した最近ハーレム系主人公に近付いた等と心の中で浮かれている小僧。何か申し開きはあるか?」

カズマ「いやね、俺としてはここ最近で最も避けたい人間に会ってしまったものだから、全てをなかったことにしようとしてな?」

バニル「そんな理由で我輩の店を消し飛ばそうとするな!!今は大事な商談中である!邪魔をしに来たなら帰るがいい!」

ウィズ「あの、バニルさん?この店の店主は一応私なんですけど・・・」

カズマ「・・・で、トニーはなんでいるんだ?しばらくあのラボに引きこもっているんじゃなかったのか?」

トニー「まぁ・・・そのつもりだったんだが・・・こもって生活するにも先立つものが必要でな・・・これでも、ここに来る前は多少の金を持っていたのに・・・」ハァ…

バニル「クエストに行けばいいものを・・・貴様のあの機動鎧であれば、グリフォン程度なら瞬殺できるであろうに・・・まぁ、商談を持ちかけてくれるのは利益につながる。だから、我輩としてはこれで一向にかまわんのだが」

トニー「待った。機動鎧ってもしかしなくても僕のスーツの事だろ?あれはラボに置いてあるはずだ、なぜ知っている?」


トニー「・・・」

バニル「・・・そこは普通驚くか、何かしらのアクションを見せてほしいところなのだがな?まだ見ぬ未知の恐怖に抗い続ける男よ」

トニー「神だの悪魔だの名乗る奴にはここ最近立て続けに会って来たんでね。神秘的かつ下らない前置きは聞き流して、単なる知的生命体として見てるだけさ。君は心の中を見通す特殊能力を持った知的生命体みたいだな?羨ましいよ」

バニル「我輩を単なる知的生命体呼ばわりとは、中々に関心が持てる男よ。本来なら尻からアロエが生える呪いを掛けてやった所だが・・・一応貴様は商売相手である。そこで少し待っているが良い、貴様が持って来た品を量産可能かどうか店の奥で調べてくるとしよう」

バニル「欠陥店主、付いて来い」スタスタ…

ウィズ「バニルさん!欠陥店主はやめてください!」スタスタ…

トニー「・・・で、君たちはここに何をしに来たんだ?」

めぐみん「ちょっとした用事です。まぁ、わざわざ話すようなことでもありませんよ」フフン

カズマ「隙あらば爆裂魔法をぶっ放す為に付いてきただけだろ」

めぐみん「・・・」

ダクネス「お前がさっきまで商談をしていた大悪魔。この間話した悪徳貴族との戦いで、私のお父様に呪いを掛けた可能性がある悪魔が奴かもしれないのだ」

トニー「この街の店で普通に働いている男が大悪魔で、貴族の父親に呪いを掛けたって?ハッ、大企業の社長にして世界を守るヒーローをやってるって話の方が現実味がある」


カズマ「あのな、人は見かけによらないって言葉を、俺はこの世界にやってきて誰よりも痛感したつもりだぞ」チラッ…

アクア「ねぇ、なんで私達の方見るの?」

カズマ「ハァ・・・」

アクア・ダクネス・めぐみん「「「あっ!」」」

トニー「・・・この際、急に帰った理由は聞かない。だが頼みたいことがある。君たちは、魔王軍に対して最も打撃を与えた存在なんだろ?」

カズマ「・・・そんな事話したっけな・・・?」

めぐみん「カズマ、いくら何でも見苦しすぎますよ?諦めたらどうです?」

カズマ「・・・」

カズマ(な、なにも協力してくれって実際言われた訳じゃないんだし・・・聞くだけ聞いてみるか)

カズマ「あの・・・頼みたいことって・・・なんですか?」

トニー「魔王討伐を手伝ってほしい」

カズマ(ド畜生!!だと思ったよ!!)


カズマ「・・・はぁ、正直な話をするよ」

カズマ「俺たちが魔王軍幹部を何人も倒してきたのは事実だ。でもな、それらは全て巻き込まれてやった事であって、本当は戦いなんてしたくないんだよ。戦うんだとしても、ファンタジー気分を適度に味わえて尚且つヌルい戦いが良いんだ」

トニー「・・・なに?」

めぐみん「言い切りましたよこの男」

ダクネス「完全に開き直ったな」

カズマ「そして、魔王軍幹部を倒して多額のお金が入った今、ますます戦う気なんてないわけなんだよ」

アクア「確かに、私も戦いなんてしたくないわ。でも、一応何らかの形で魔王を倒してくれないと困るんですけど・・・」

カズマ「俺はもう、平和に暮らしたい・・・」

トニー「・・・君は、力を持っていても・・・それを使う気が無いってことなのか?」

カズマ「無い。他に力を持っている奴に任せる」

カズマ「そもそもな?そんな多くの大物を討伐しているパーティーがこの駆け出しの街にいる時点でおかしいだろ?つまりはそういうことだ」

カズマ「トニーの実力をまだはっきりとは見ていないけど、腕利きで協力的な仲間をさがしているんだったら王都とかに行けばきっと・・・」



     ガチャッ!!


?「助手く・・・いや、カズマ!カズマはいる!?」

ダクネス「クリスじゃないか。ここで会うとは珍しいな、一体どうしたんだ?」

クリス「えっと・・・ちょっとした話があって・・・できればカズマと二人で話したいんだけど・・・」

ダクネス「・・・そのようすだと、またロクでもないことのようだが?」ジロッ…

クリス「うっ・・・で、でも悪いけど、ほんとに今は余裕が無いんだ!キミ、ちょっと来て!!」グイッ

カズマ「ちょ、クリス!?俺まだ話している途中・・・」


      バタンッ…


トニー「・・・」

トニー(あの子どこかで・・・)


......
....
..
.



店の外


カズマ「あんなに慌ててどうしたんだ?神器がどうかしたのか?」

クリス「ち、ちがうの!!今はそれどころじゃなくなったんだよ!!」ワッ

カズマ「うお!落ち着けお頭!!本当に何があったんだよ!!」

クリス「この世界が・・・この世界が滅ぼされちゃう!!」

カズマ「・・・今なんて?」

クリス「・・・助手君は何度か死んでるから、あたしのあの神殿を知っているよね?」

カズマ「まぁ・・・正直知りたくはなかったけど」

クリス「ほんの少し前に・・・あの神殿に侵略者が来て・・・」

カズマ「え・・・いま・・・なんて・・・?」


クリス「ロキって名前の・・・強力な狡知の邪神だよ・・・この世界を乗っ取って、自分の思うがままに創りなおそうとしてて・・・」

カズマ「ロキ!?ロキって言ったら・・・ファンタジーでもトリックスターだとか、イタズラの神とかで」

クリス「そう!そう!!私なんかよりずっと知名度も!力も!何もかも上な神様だよ!!あああああ!!サトウカズマさん!私どうしたらいいですか!?」

カズマ「お頭ほんとうに落ち着いてください!別の面が出てきてますから!」

クリス「落ち着けないよっ!まさか侵略者が現れるなんて!あああああ!!」ブンブン

カズマ「打つ手は何もないのか!?その侵略者に対して!」

クリス「ね、ねぇ!確かキミはトニー・スタークに会ったよね!?天界から少しだけしか見れなかったけど!」

カズマ「まぁ、一応。ていうか、さっきお頭が突撃してきた店で商談してたの見えなかったのか?」

クリス「あ、焦りすぎてて見えなかった・・・とにかく、実はトニーは一度ロキと戦った事があってね?彼に協力し」

カズマ「おおおおい!!俺たちにどうしろって言うんだよ!!天界にすら侵入する化け物相手にできることなんてないぞ!!お頭こそ下界に直接降臨して戦うとか無いんですか!?」


クリス「侵入があった以上神殿から離れられないんだよ!本当はここに来ることもマズいのに・・・!ねぇ!あたしもできるだけ協力するから!!回収した神器とかキミたちに回してあげるからさぁ!頼めるのもキミたちしかいないんだ!!」

カズマ「だとしてもそんな恐ろしい邪神とは戦いたくねーよ!一体そいつはこの世界を侵略して何がしたいんだ!!魔王だっているのに!」

クリス「あたしにもわからないよ!ただ、魔王もまとめて屈服させて支配するって・・・」

カズマ「ん・・・?それって良い事でもあるんじゃないか?ほっとけば魔王も倒してくれるってことだろ?」

クリス「あのね、彼は魔王もまとめて屈服させるって言ったんだよ?全員が神にひれ伏せば争いも起きないって・・・全てを支配するつもりなんだよ?」

カズマ「・・・独裁者も真っ青だな・・・」

カズマ(俺の屋敷も、財産も、仲間も・・・そして・・・サキュバスサービスも・・・か)

クリス「お願いです・・・サトウカズマさん・・・またしてもこのようにあなたを頼るのは、私の力が足りないからです・・・でも、どうか・・・この世界のために協力してはもらえませんか・・・?」

カズマ(我ながらチョロイと思う・・・でも・・・本当に・・・その祈りのポーズはズルいですよ・・・エリス様)

......
....
..
.


ウィズ魔道具


 ガチャッ…


めぐみん「戻ってきましたか。何やら揉めているようにも見えましたが・・・」

バニル「お困りであれば、我輩の店の品を何か買っていくが吉だぞ?たった今世界の命運を背負った男よ」

カズマ「どこまで見通してんだよ・・・ほんとうにクソ厄介だなチート悪魔め」

ダクネス「一体何の話をしていたのだ?」

アクア「・・・なんだか嫌な予感がするんですけど」

カズマ「トニー、話がある」

トニー「・・・?」






カズマ「俺のパーティーに入ってくれ」

今回はここまでです。エリス様はアンデッドや悪魔以外と戦うとしたらどう立ち回るんでしょうね・・・アクアみたいに他のステータスもカンストしてて強いとかあるのかも・・・?

このすば14巻は今日発売!早速見させていただきましたが、やっぱり面白かったです。紅魔の里に行ってみたいですね
アイアンマンスーツで行ったらきっとモテモテなこと間違いなしな気がします

>>121にミスがありました。


バニル「おっと、名は教えたが、我輩が何者であるかはまだであったな。我輩の名はバニル。地獄の公爵にしてすべてを見通す大悪魔、バニルである」ニヤッ



という文が>>121の最後に本来は入っているはずでした・・・・。自己紹介の大事な一文を入れ忘れてしまいましたね・・・申し訳ないです

>>103
ちょっと細かいですけど『役不足』は当人に対して簡単過ぎる事を意味する言葉なので、ここは『力不足』の方が合っていると思います。

>>133
ご指摘ありがとうございます。完全に勘違いして覚えていました。お恥ずかしい...


>>103

?「お前の世界を救ってやろうとここへ来た。見たところ、この世界を統治するにお前では役不足だ」?

?「お前の世界を救ってやろうとここへ来た。見たところ、この世界を統治するにお前では力不足だ」〇

正しくは下の方です。ミスだらけで申し訳ない...

だいぶ日が空いてしまいましたが、更新は明日の9時頃を予定しています!

......
....
..
.




カズマ「というわけで、これから邪神がこの世界を侵略に来る。トニー、あんたの力が必要になる」

トニー「邪神ねぇ・・・まぁ、前にも倒したし魔王討伐の前座にしてやってもいいか」

アクア「私も協力してあげるわよ?美しき水の女神アクア様が悪しき邪神からこの世界を救ってあげるの!」

ダクネス「・・・?さっき屋敷ではあんなに巻き込まれることを嫌がっていたのに、どうして急にやる気になったんだ?」

アクア「だって私に挨拶もなく神を名乗ってる訳でしょ?だったら、アクシズ教の御神体として力の差ってもんを分からせてやるわ!」

カズマ「縄張りを荒らされたチンピラかお前は」

アクア「それでそれで?一体どんな名前の神な訳?きっと一度も聞いたことが無いようなマイナーな神様に違いないわ!どうイビってやろうかしら!」

カズマ「・・・ロキって名前だ」


トニー「」

アクア「・・・」クルッ…

   ダッ!

カズマ「あっ!おい逃げんな!!」ガシッ

アクア「いやーっ!離して!!嫌よ!!なんでそんな奴がこんな所までくるのよ!!」

カズマ「お前少しは女神らしいところを見せてみろよ!!死ぬほど不本意だけど邪神なんかの相手ができそうなのってお前くらいなんだよ!!」

バニル「フハハハハハ!!水の女神を名乗っておいて何とみっともない姿よ!所詮は宴会芸の神であったか!!フハハハハハッ!!」

アクア「なんですってこのクソ悪魔!!女神を馬鹿にした罪であんたは今から消されるのでした!!欠片も残さず浄化してあげるわ!『セイクリッド・エクソシズム』!!」

バニル「店主障壁!!」サッ

ウィズ「きゃああああああああっ!!」シュゥゥ…

カズマ「ウィズーッ!!!お前らなんですぐ喧嘩するんだよ!!話が進まねぇからやめろ!」


バニル「フン・・・あとで塩を撒いておくとしよう。ところで、そこでアンデッドのような目をして固まっている鋼の鎧にスライムメンタルを持つ男よ」

トニー「・・・それひょっとして僕の事か?」

バニル「他にいるまいて。貴様には、あらゆるものを作る技術がある。もっと攻撃力があり、モンスター相手に使える武器などを作るが吉と出た。一緒に一儲けといかないか?貴様の作る武器によって冒険者の危険も減って一挙両得である」

トニー「・・・引き受けてもいいが・・・必ず守ってほしい条件がある。それは---」

バニル「それは、“自分の作る武器で人を死なせるな”・・・か?安心するが良い、汝の売る武器で人間が死ぬことは絶対に無いと約束しよう。我輩は悪魔である、約束事や契約は絶対に破らん」

バニル「それに、人間は我輩にとって美味しいご飯製造機である。そんな人間達の殺し合いを助長させるようなことなんて我輩がするはずあるまい」

トニー「後半の言葉のほとんどが理解できなかったが・・・約束を守る限りは君に協力する」

バニル「商談成立であるな!では、今後ともウィズ魔道具店をよろしく頼む!フワハハハハハハ!!」

カズマ「平和に商談してる場合じゃないんだけどなぁ・・・」

めぐみん「安心してくださいカズマ。心配いりませんよ、邪神なんて我が爆裂魔法をもって一撃で葬ってあげます」

カズマ「お前本気で心配いりませんとか言ってんの?今までの戦いで心配がいらないような状況が一度でもあったか?勝手に爆発する花火みたいな存在のお前が心配かけない自信があるのか?言ってみ・・・おい!こっち向けコラ!!」


バニル「これはただの商談ではない、我輩は先を読んでいるのだ。この鉄男が商売に協力することによって、この先起こるであろう戦いがきっと楽になる」

ダクネス「“きっと”?見通す悪魔を名乗る割に、そんな確信の無いような言い方なんて珍しいな」

バニル「今回は相手が相手だ。我輩とて、すべて見通すことは難しい。だから備えるのだ」

アクア「つっかえないわねぇ!・・・せっかくあんたみたいな木っ端悪魔に出番をくれてやろうと思ったのに、あんたのたった一つの取り柄すら活かせないなんて、存在意義が無いじゃない!プークスクス!私が今ここで消してあげてもいいわよ?」

バニル「おっと、そもそも存在価値がないどころか、いるだけで周囲に迷惑をかけまくっている呪いのアイテムみたいな駄女神にそんなことを言われるとは!貴様こそさっさと消えて周囲の為になるが吉」

アクア「わああああーっ!!今駄女神って言った!!もう本当に消し飛ばしてやるからね!!」

バニル「今日こそ有史以来の決着をつける時!!貴様諸共アクシズ教なんて迷惑集団を解散させてくれるわ!」

トニー「ここは魔法の世界かと思っていたが、ひょっとしたらコントの世界なのか?自称悪魔と自称女神の決着とか言っているが、僕に飛び火するような戦いを始めるなら考えがある」


     ピキッ…

バニル「・・・貴様は商売相手となったわけだが、それ以外となると別の話である。そして、我輩は人を傷つけないことに定評があるが・・・我輩を自称悪魔と愚弄する男を懲らしめる事に関してなら、それもまた別の話である」

アクア「まだ冒険者にすらなっていない上に、ここに来て早速引きこもった男に自称女神なんて言われたくないわよ!このヒゲニート!!」

トニー「・・・カズマ、そこのドアを開けてくれ」スッ…

カズマ「マジでこの二人の戦いに混じる気は無いよな?人類史上最高クラスの知能を持ってるんだし、さすがにそんな馬鹿な真似はしないよな?」

トニー「いいから、開けろ」

カズマ「はい・・・」ガチャッ…

 キィィィィイイン…

カズマ「なんだ?なんか飛ん・・・」

  ヒュンッ ヒュヒュンッ

カズマ「おわっ!?」サッ


 ジャキッ ヴィーッ カシャカシャカシャ… カシンッ ガッコン カンッ!

   ヴゥン… ピピピッ


トニー「さて、馬鹿な真似をするとしようか」キュィィィイ…


めぐみん「飛んでくるんですか!?その鎧、飛んでくるんですね!?」キラキラ…

トニー「触ってもいいが、指を挟まれるなよ?」

カズマ「ダクネス、めぐみん、ここから出るぞ。もう付き合いきれねーよ」

ダクネス「あの三人の戦いに巻き込まれたら・・・一体私はどうなってしまうのだろうか・・・/// ハァハァ・・・私は・・・私はここにいりゅ!///」

めぐみん「この私を差し置いて有史以来の決着を名乗るとは片腹痛い!我が爆裂魔法で歴史に新たな一ページを刻んでやるのです!カズマ!見といてくださいね!!」

カズマ「・・・」






カズマ「・・・『潜伏』」フッ…

......
....
..
.



カズマの屋敷


  ガチャッ…


アクア「ただまー・・・」

カズマ「おっ、早かったじゃないか。有史以来の決着とやらはもう終わったのか?」

アクア「このクソニート!あんた自分だけそそくさと逃げるなんてあんまりじゃないの!?何考えてるのよ!」

カズマ「それはこっちのセリフだ!てめーこそ何考えてやがんだ!!お前の頭の中の脳細胞は常に宴会でもしてんのか!?」

アクア「宴会しか考えていないみたいに言わないでよ!!私だってちゃんと色々考えているんだからね!」

ダクネス「落ち着けアクア。まぁ・・・と言っても、今回は私もいい思いはできなかったが・・・」


めぐみん「皆が私を止めるからですよ。止めなければ、新たな歴史が始まったと言うのに」

アクア「爆裂魔法から始まる歴史なんてあってたまる訳ないでしょ!私たちが止めなきゃまとめて吹き飛んでいたのよ!?」

トニー「僕はちょっと見て見たかったから止めるつもりは無かったんだけどな」

カズマ(あー・・・大体わかった。こいつら、大喧嘩しようとしたけどめぐみんが本気で爆裂魔法唱えようとしてたからみんなで慌てて止めたのか)

アクア「・・・で、なんであんたまでいるのよ?」

トニー「そんな目で睨むな。悪かったよ、自称女神呼ばわりして。さっき店の中で見せた光を放つアレ・・・そうだな・・・クリスマスツリーみたいでかっこよかったぞ?」

アクア「私をほめるのに別の神様を祀るものを例えに出すあたり、あんたのねじ曲がった性格が見て取れるわぁ・・・カズマとはまた違ったウザさを感じるわね」

めぐみん「でも確かに、どうしてトニーまで付いてきたのですか?」

カズマ「まぁ・・・同じパーティーになったわけだし、ここに住みたいっていうなら構わないけど・・・」

アクア「えぇー・・・トニーはエリスやソーの悪口で盛り上がった気の合う人だけど、なんだかこの人からはあらゆる女を手籠めにするプレイボーイ的な何かを持っていそうで、身の危険を感じるんですけど」


トニー「確かに僕は綺麗な女性は好きだ。でも、中身を際限なく無視できるほど僕は寛容じゃない。ほら、美味しそうな生クリームが乗ったケーキがあったとしても、中身のスポンジも果物も全部腐ってるって分かったら手を付けないだろ?」

アクア「・・・ねぇ、それどういう意味?」

トニー「それに、僕にはすでに心に決めた人がいる。あと、有難い申し出だが僕には自分の家がある、遠慮しておくよ」クルッ…

  スタスタ…
    ガチャッ

トニー「それじゃ、僕はそろそろ失礼するが・・・ここには何度か来ることになるだろう、パーティーメンバーになったわけだしな、また話を聞かせてくれ。君たちも僕のラボに自由に遊びに来て良い、おもちゃがいっぱいあるぞ?遠慮はするな、パーティーメンバーだからな?」カンッ!

トニー「それじゃ諸君、良い一日を」シュゴゴゴ…

     ドシュゥゥゥウッ!!

   「「「「・・・」」」」

めぐみん「カッコイイ・・・あの帰り側に兜を閉じるっていうのと、空を飛んで帰っていくってのは良い去り方ですね。トニーは分かっています」

ダクネス「それにしても・・・空を飛べる鎧なんて・・・一体どこで手に入れたのだろうか・・・というか・・・あれ?私たちは何をしにウィズの店まで・・・あっ!」

アクア「どうしたの?ダクネス。変な声上げて」

ダクネス「私の父の呪いの事・・・聞き忘れた・・・」

カズマ・アクア・めぐみん「「「あっ」」」

今回はここまでです。次回はもう少し早く書ければいいかな・・・

このすばSSもっと増えろ・・・

......
....
..
.


一週間後 トニーのラボ



トニー「なぁ・・・自由に遊びに来て良いとは言ったが・・・」

アクア「ねぇー!お酒にもっと種類ないのー!?ブランデーもシャンパンも飽きたんですけどー?チューハイとかビールはないんですかー?ねぇ持ってきて!!早く違う種類のお酒持ってき・・・モロロロロ・・・」ビチャビチャ…

トニー「・・・」ハァ…

フライデー『申し訳ありませんが、それらのお酒は置いていません。それと、バケツと雑巾を手配しておきます』

トニー「君が次に飲むべきは水じゃないか?ここのお酒だって限りがあるんだ、毎日通って僕の分の酒まで飲むんじゃない。吐いたものは自分で掃除しとけよ?」

アクア「うぅう・・・ぎもぢわるいよぉ・・・うえぇ・・・」グスッ…

トニー「泣きながら吐く位なら初めから飲むな。水をつかさどる女神を自称する君が、たかがアルコールの入った水に泣かされてたら、君の言う全国二千万だかのアクシズ教徒はきっと失望するぞ?」

アクア「うぅっ・・・言ってくれたわね!もっと飲んで・・・モロロロロ・・・」ビチャビチャ…

トニー「もういい、寝てろ・・・おっと、寝るならうつ伏せにな?おいダミー、そこのゲロ女神に毛布を掛けてやれ。ついでに床の掃除もやっとけ」

ダミー「」キュィッ

アクア「ゲロ女神って・・・ゲロ女神って・・・グスッ・・」

    ファサッ…

アクア「毛布・・・?ありがとうダミー・・・私の味方はあなただけよ・・・」

ダミー「」キュイ…



  トニー! トニー! コッチニキテクレー!


トニー「あぁ・・・嫌な予感しかしない・・・」スタスタ…

ダクネス「トニー!これ!このデストロイヤーの腕みたいで、せわしなく、かつ強そうに動く金属でできた触手みたいな魔道具について説明してくれ!!」ハァハァ…

トニー「・・・それは工業用アームってやつだ。何に使うかは簡単、見ての通り自動であらゆる装置の作成、分解、点検をやってくれる。バニルに売る便利な装備なんかを今作っているところだ。いいか?間違っても君の性欲を満た・・・」

ダクネス「こ、このあーむとやらをヌメヌメにして、私の鎧と服をはぎ取るように命令することは・・・」

トニー「絶対やらないからな?・・・そんな欲しそうな顔をしても駄目だ!これはあんたの性玩具じゃないんだぞ!どうしてあんたは黙っていれば一番マトモなのにその全てを台無しにして余りあるバカみたいな性癖を持っているんだ!!」

ダクネス「はぅうっ・・・!/// ほ・・・ほめてから落とす・・・だと・・・?悪くない・・・悪くないぞトニー!お前もいいものを持っているな!!」ハァハァ…

トニー「・・・帰ってくれ」

ダクネス「くぅっ・・・/// ・・・うん?トニー、あれはお前の鎧の一部か?」

トニー「あぁ、あれか?その通り、スーツの腕部だ。リパルサーをより効率的に射出できないかどうかを研究している」


ダクネス「私は鎧に関しては一家言あるんだ。ちょっと触らせてくれ」ガチャッ…

トニー「ッ!?おい待て!!」

ダクネス「えっ---」キュィイイインッ

  ヴァゥゥゥウンッッ!!

ダクネス「ゴハッ!?」ズガンッ!


    ガシャァアアンッ!


トニー「ダクネス!!」ダッ!

トニー(マズイ・・・!ダクネスの吹っ飛び具合から見て間違いなく最高威力のリパルサー・・・!鎧も付けていない状態の今なら、運がよくて内臓破裂・・・悪くて・・・!)

トニー「おい!ダクネス!しっかりしろ!こっちを見るんだ!大丈・・・」

トニー「・・・」

ダクネス「ハァ・・・ハァ・・・い、今のはなんだ・・・?まるで内臓をすべて同時に揺さぶられたかのような・・・!し、新感覚だ・・・!これはすごいぞ・・・!た・・・立てにゃい・・・///」ハァハァ…

トニー「・・・」クルッ…

   スタスタ…

ダクネス「ま、待ってくれトニー!今の奴、もう一回やってもいいか!?なぁっ、いいだろう!?」


トニー「・・・好きにしてくれ」スタスタ…



  キュィィィン…
ヴァゥゥウンッ!
    アァアッ!///

トニー「フライデー・・・頭痛薬あるか?」

    『・・・・・』

トニー「・・・フライデー?」

  「~~~~、~~~!!」
  「~~~!!~~!!」

トニー「・・・またか」スタスタ…


めぐみん「この国の言語や文化についてまだ勉強中のあなたに、親切な魔法使いである私が正しい言葉遣いを教えてあげましょう!」

フライデー『感謝いたします。ですが、あなた方の会話等から既に八十パーセント程の情報収集が・・・』

めぐみん「あんなのはあくまでも日常会話。いざというときの大事な言葉は、日常会話の中には出てきません・・・お分かりでしょうか?」

フライデー『なるほど・・・確かに、あなたの言う通りです』

めぐみん「それでは、まずはちゃんとした自己紹介からです!!あなたの自己紹介を聞かせてください!」


フライデー『はい。私はF.R.I.D.A.Y.と申し・・・』

めぐみん「ちっがいます!!誰がそんなつまらない自己紹介をしろといったのですか!私のような自己紹介が本来の自己紹介なのです!」

トニー「・・・」

めぐみん「ほら!私があなたに自己紹介した時と同じように!ほら!」

フライデー『・・・我が名はF.R.I.D.A.Y. この世界随一の人工知能にして・・・』

トニー「フライデーに変な事を教えるな」

めぐみん「何故止めるんですか!これほどカッコイイ名乗りなんて他にないでしょう!」

トニー(今までの経験から言って、ここで全否定したら彼女はキレるだろう・・・ここは子供に諭すように・・・)

トニー「ハッキリ言って、君の演出は嫌いじゃない。でもな?その名乗りは冷静さが売りなフライデーには合わない。賢い君なら分かるだろ?」


めぐみん「一理ありますね。ならば、冷静さを前に出すカッコイイセリフを私がフライデーに教えてあげようじゃないですか!!」

トニー「だから変な事を教えるな!あんたの頭に影響されてフライデーがおかしくなったらどうしてくれるんだ!!」

めぐみん「それは遠回しに私の頭がおかしいって言いたいんですね!?喧嘩売ってるなら買いますよ!!」

トニー「あぁ、面倒だ・・・!カズマ!この獰猛なモンスターは何とかならないのか!」


   「・・・」


トニー「カズマ?」

カズマ「フライデー、世界随一の人工知能を名乗るなら・・・この質問に答えてくれ・・・」

フライデー『はい、なんでしょう?』

カズマ「俺の良いところを十個あげろ」

フライデー『エラーが発生しました』

カズマ「ざけんな!!」ダンッ!


トニー「それはこっちのセリフだ!!フライデーをおもちゃにするな!」

トニー(魔王軍相手に最も打撃を与えた優秀なパーティーだと思っていたら・・・選択を誤ったか?)


    ピンポーン


トニー「・・・ピンポーンってなんだ。ここに来客なんて普通あり得ないだろ。フライデー、モニターに映せ」

    ヴンッ

クリス『えーっと、は・・・初めまして。カズマって名前の人にここを集合場所に指定されて来たんだけど・・・誰かいる?』

トニー「うん?この子は・・・商談の時にいきなり店に入ってきた・・・」

カズマ「お、クリスだ。トニー、その子は俺が呼んだんだ。入れてやってくれ」

トニー「勝手に決めるな。次からは僕に事前に言え」

カズマ「次からはそうする」

トニー「フライデー、通せ」


......
....
..
.



クリス「おっじゃましまーす・・・うわぁ、すごいなぁここ・・・」キョロキョロ

トニー「お菓子の家だ、自由に見てってくれ。だが一つ警告、手当たり次第に触るのはよせよ?」

クリス「うん・・・それよりも、後ろで青い顔して倒れてるアクアさんと、ひたすら光線みたいなのに吹き飛ばされては恍惚とした顔してるダクネスは・・・」

トニー「それは無視してくれ」

カズマ「トニー、いったん二人きりにしてくれないか?・・・ていうか、なんで急にメガネ付けだしたんだ?」

トニー「ちょっと気になることがあってな・・・さて、顔認証の結果はと・・・」

クリス「えっ」

カズマ「おい、トニーお前まさか・・・」


 【顔認証:エリスとの一致度99.9998%】


トニー「・・・」

クリス「・・・」ダラダラ…

トニー「なんでそんな格好してこんなところにいるんだ?エリ---」

クリス「わああああああああああああああ!!!あああああああ!!」ガバッ

......
....
..
.



トニーのラボ 実験室


トニー「ここなら防音だ。何の話をしてもばれないぞ」

クリス「うぅ・・・こうもあっさり見破られてしまうなんて・・・」

カズマ「顔認証って女神相手にも効くんだ・・・」

エリス「なんだか悔しいっ!」

カズマ「まぁまぁ落ち着いてくれ・・・それで、ロキの件でなんか進展があったんだって?」

クリス「・・・うん。あのね、ロキの居場所はまったくつかめなかったから、対抗できそうな神器を見つけてきたんだ」

クリス「ただ、神器は基本封印するか、相応しい人に与えているから・・・使えそうな神器は限られてて・・・」ポリポリ…

トニー「あっ、よく見たらその頬を掻く癖でも判別できるな」

クリス「もうやめてよぉ!!」ワッ


カズマ「トニー、お頭をからかったときの反応が可愛いのは俺もよくわかっているけど、さすがに今はやめてやれよ。真面目な話してんだから」

トニー「悪かったよ、ついうっかり。君はからかい甲斐があってね」

クリス「も、もう!話続けるからね!それで、一つキミに渡せそうな神器があったから今度持ってきてあげる」

カズマ「マジか!あんな駄女神じゃなくてちゃんとした本物の神器が使えるのか!テンション上がってきた!」

クリス「それとね、ダクネスに渡せそうな神器が二つあって、片方はもう手に入ってるんだけど・・・もう一つは場所がわかっているだけで、悪徳貴族の手の中のままなんだ」

カズマ「ってことは・・・」

クリス「うん、アレだよ助手君」


トニー「僕にも分かるように言ってくれないか?場合によっては協力する」

クリス「うーん・・・確かに、トニーがいると色々便利そうかも・・・」

トニー「話から察するに、君達でロキと戦えそうな装備を悪徳貴族が持っているから、それを何とかして手に入れるってことで合っているかな?」

クリス「その通り!」

トニー「で、どうやって手に入れるつもりなんだ?」

カズマ「俺達、仮面盗賊団が華麗に盗むのさ」

クリス「銀髪盗賊団だってば!」

トニー「悪徳貴族から正義のために武器を盗み出す・・・か、良いじゃないか。協力するよ」

クリス「よかった!まぁ、武器というか鎧なんだけどね。ほら、助手君覚えてる?前言ってた聖鎧アイギス。明日の夜にあれを取りに行くよ!」

カズマ「了解ですお頭。トニー、さっそく下っ端となったトニーに作ってもらいたいものがある」

トニー「フッ、下っ端ねぇ・・・明日で僕が昇進して一気にリーダーになるさ。それで?そんな下っ端君に何を作ってほしいって?」


今回はここまでとなります。次回、アイギス VS 銀髪盗賊団

ロキ並みに頑丈だなダクネス

カズマ「俺の良いところを十個あげろ」

フライデー『エラーが発生しました』


面白すぎる

......
....
..
.



翌日 深夜 


クリス「おっ、来たね。助手君その二」

トニー「他の呼び方は無いのか?」

カズマ「下っ端でどうだ?」

トニー「・・・地球を二度も救った僕が今じゃ盗賊団の下っ端呼ばわりか・・・まぁ・・・皮肉とはいえ、自分でそう名乗った手前それで妥協するか・・・」

カズマ「少なくとも、今のあんたの見た目は下っ端そのものだぞ。なんだよ、パーカーにサングラスにスカーフ・・・下は・・・ジーンズ?」

トニー「服が無くてね。それに、スーツを着て動き回ろうものなら自分の名前を叫びながら回るのと大して変わらないだろ?」

カズマ「確かにそうだけど・・・いいのか?スーツ脱いだトニーって一体何の役に・・・ご、ごめんなさい!そんな顔しないでくれ!!」

クリス「もー、駄目だよ?人が気にしてることを言ったら。キミはそういう所を何とかするべきだよ」

トニー「別に気にしてないさ。幸運と小賢しさを取ったら何も残らないどこかの子供同じく、僕もスーツを脱いだら天才、金持ち、プレイボーイで博愛主義者程度しか残らない」


クリス「うわぁ・・・トニーもカズマ君に負けず劣らず凄い口してるねぇ・・・」

カズマ「おい!俺は謝ったってのに嫌味を言いやがって、どっちが子供だ!!またあんたのスーツからリアクターだけ引っこ抜いてやってもいいんだからな!次はトイレに捨ててやろうか!!」

カズマ(誰も思いつかないような発明品を作ったり、バニルとの取引で既に俺以上の財を築き始めたりするこいつの嫌味は・・・最高に腹立つ!!)

トニー「いいのか?そんな口利いて。予備電源を作るか、スーツから外れた瞬間にリアクターが爆発するように改造すれば解決だ」

カズマ「前者はともかく後者は俺死ぬだろ!?はぁ・・・喧嘩してちゃ話が進まない。お頭、ターゲットの神器はアンダインっていう貴族が持ってるんだろ?だったら、ダクネスに頼んで融通利かせてもらうってのはどうなんだ?」

クリス「それは無理だよ。非合法な手を使っても欲しいものを手に入れるって有名な貴族なんだから、はぐらかされてお終いだね」

トニー「ったく、貴族なんてものは歴史的に見てもロクなもんじゃない」

カズマ「ほんとだよ」


クリス「まぁまぁ・・・愚痴を言っても始まらないし、トニーが作ってくれた発明品を見せてもらおうよ」

トニー「そういうことなら・・・ほら、まずは暗視ゴーグルだ」ゴトッ…

クリス「えぇ・・・予想してたものより遥かにド凄いものが出てきたんだけど・・・なんというかこう・・・世界観を壊さない程度にハイテクなものが出てくるかと思ったのに・・・フックショットとか・・・」

カズマ「さっそくファンタジーをぶっ壊してきたな・・・まぁ、千里眼の暗視が使える魔道具だと思えば・・・」

トニー「お次はコレ、変声機。直前に録音した人間の声を真似する」

カズマ「おぉっ!それはとてもいいものだ!アクアの支援がいらなくなるな!」

クリス「す、すごいけどちょっと待って。これ一日で作ってきたの!?」

トニー「正確には五時間」

クリス「ひぇぇ~・・・」


トニー「もともとあった使えそうなパーツを組み合わせて作っただけだ。そんな大したことじゃない。まだまだあるぞ、麻酔銃にスタンガン、スモーク・スタングレネード、オートガラスサークルカッター・・・こんなものかな?一日しかなかったから大して用意できなかったが・・・」

クリス「良いじゃん良いじゃん!すごく盗賊団っぽいよ!」

カズマ「強盗団用のアイテムなんじゃ・・・」

クリス「よし、アイテムもそろったことだしさっそく行こ---」


       ザッ…


    「行かせないよ」


    「「「!?」」」


カズマ「お頭!敵感知に反応です!くそっ、これでも食らえ!」シュルッ…

カズマ「『バインド』ッッ!!」ヒュンッ



    ズバンッ!


カズマ「・・・は?」

カズマ(俺のワイヤーを切った・・・?嘘だろ!?特注の鋼鉄製ワイヤーだぞ!?そんな簡単に切れるわけが・・・!)

カズマ「・・・って、そうだよな。その剣だったら・・・鋼鉄製でも切れるに決まってる」

?「やっぱり、君はあの時王都であった賊みたいだね。僕の事は覚えてくれているかな?」

カズマ「・・・俺に瞬殺された、魔剣のカツラギ」

ミツルギ「ミツルギだ!!誰だカツラギって!戦った相手の名前くらい覚えておいてくれ!」

カズマ「でも瞬殺だったしなぁ・・・瞬殺だったから記憶に残ってないわ」

ミツルギ「し、瞬殺瞬殺とうるさいよ・・・」

カズマ「わざわざ王都から追ってきたのか?」


ミツルギ「アクセルで人類最高クラスの知力を持った人が現れたと聞いてね。それほどの知力、おそらく紅魔族以上の魔法職に違いないだろう。僕のパーティーはソードマスターの僕に、ランサーとアーチャーが一人ずつ。もう一人後衛職が欲しいと思い始めて、ここまで誘いに来たんだ」

トニー「・・・」

カズマ「・・・プッ」

ミツルギ「でも、一日中探しても見つからなくってね・・・宿に帰る途中、茂みの中から気配を感じて、探ってみれば・・・」

カズマ「お、お頭!潜伏スキルを使っていたはずなんじゃ・・・?」ヒソヒソ…

クリス「使っていたよ!でもどうして・・・」ヒソヒソ…

トニー「・・・?」

クリス「・・・助手君、キミは下っ端君に触れて潜伏してたんじゃないの?」ヒソヒソ…

カズマ「え?お頭が下っ端に潜伏スキルを使ってたんじゃ・・・?」ヒソヒソ…


クリス・カズマ「「・・・」」

クリス・カズマ「「しまった!!」」

ミツルギ「何が“しまった”なのかは知らないが、盗賊なのに気配を悟らせるとは不用心だな。油断してたのかい?それとも僕を罠にハメるつもりだったのかな?」

カズマ「ゆ、油断?何のことだ?これは・・・余裕というもんだ」キリッ

クリス「有名なセリフを言ってる場合じゃないよ!!あぁ・・・アイテムの確認に夢中になりすぎた・・・!」

ミツルギ「なんだかよくわからないが・・・王都のリベンジをさせてもらうよ・・・!」チャキッ…

カズマ(や、やべぇ・・・どうしよう。勝てるヴィジョンが浮かばない・・・)

クリス「どうする?助手君。逃げるだけならできると思うけど」

カズマ「下っ端がいるからちょっとキツいと思います。何とか隙を付いて逃げることができれば・・・」


ミツルギ「・・・」ジリッ…

クリス「そんな隙、見せてくれそうもないけど・・・」

トニー「・・・」スッ…

クリス「し、下っ端君!?危ないよ!?」

トニー「こういうのはまず下っ端から戦うのが定石じゃないのか?」

クリス「一体どう戦うつもりなのさ!?危ないから下がってて!」

トニー「大丈夫、ちゃんと策は考えてある」ジャキッ…

ミツルギ「君は見たことがないな・・・新人か?というか、君の着ている服はパーカーにジーンズ・・・?」

トニー「そうだな・・・剣士同士の決闘風に言うんだとしたら・・・其方が纏いし鎧は、コスプレショップで揃えたものか?」

ミツルギ「これはコスプレじゃない!ふざけた男だ・・・!」


トニー「まずは小手調べ」プシュッ プシュプシュッ

ミツルギ「っ!」キンッ キキンッ

トニー「へぇ、この闇夜の中で飛んでくる弾を弾くか・・・」

ミツルギ(なんだ今のは・・・?銃か?)

トニー(麻酔銃は当てられない。だったら・・・)ピンッ

    ポイッ
     コロコロ…

ミツルギ「・・・?これは・・・?」

     ボシュゥゥウウッ!

ミツルギ「ッ!?」

ミツルギ(煙幕!?彼が持っている魔道具は一体何なんだ?)


トニー「フライデー、サングラスモードからサーマルスコープモードに切り替えろ」ピピピッ

     シュゥゥゥゥ…

ミツルギ「・・・何も見えない・・・逃げたか?」

トニー(丸見えだ・・・)チャキッ

   プシュッ

ミツルギ「うっ!?」プスッ

ミツルギ「ま、麻酔銃・・・?この煙越しに・・・?」

ミツルギ(本当になんなんだ!あの男の魔道具は!?やけに近代的だ!)

トニー「・・・おかしいな。人間相手ならすぐさま倒れるはずだが・・・」

クリス「多分、高レベルの冒険者だからある程度耐性があるんだと思う」

トニー「状態異常耐性ってやつか・・・本に載ってたな・・・面倒だ。プランBにしよう」


クリス「プランBって?」

トニー「もうすぐ“来る”」

カズマ「・・・?なんでもいいけど、早くしてくれ!もう煙幕も晴れてるぞ!」

ミツルギ「油断はしてなかったけど・・・下っ端だと甘く見ていたようだ・・・」ユラッ…

ミツルギ「一撃で決めさせてもらうよ。安心してくれ、命までは取らない」ブンッ

      キィィィィィィイン…

ミツルギ「・・・?何の音だ?」

      ヒュンッ ガキンッ!

ミツルギ「うぐっ!?な、なんだこれは!?取れない・・・!」グググ…


カズマ「お、おい・・・ミツルギの頭についてるあれって・・・!」

トニー「あぁ、僕のスーツの頭部だ」

ミツルギ「ま、前が見えない・・・!」

カズマ「えっと・・・どうするんだ?これ?この隙にボコボコに・・・」

クリス「いやいや!あたしのバインドで縛ればいいだけでしょ!そこまでしなくても・・・」

トニー「君達は貴族の城で使う分の魔力を残しておけ、コイツは僕一人で無力化する。ほら、下っ端に任せてくれよ?」

クリス「そ、そういうことなら・・・でも、本当にどうするの?」

トニー「こうする。フライデー、ミュージックスタート」

https://youtu.be/Sp3yO7jVzn4


    「「「!?」」」

ミツルギ「あぐッ!?ぐああああああ!!耳があああああ!!!」ゴロゴロ…

カズマ「うわぁ・・・あれはキツい。なぁ、音楽がここまで聞こえてくるんだけど、あれって兜の中はどうなってるんだ?」

ミツルギ「あああああああっ!!!鼓膜がぁぁあああ!!!」

トニー「うーん、多分ライブ会場をそのままあの中に閉じ込めたって感じだろうか。まぁ、鼓膜はギリギリ破れないだろ」

ミツルギ「頭がくだけるううううう!!止めてくれええええ!!!」

クリス「さすがにドン引きだよ・・・ねぇ、早く楽にしてあげて・・・」

トニー「そうだな。これ以上苦しめる意味もないか」

カズマ「へいへーい!魔剣使いさんよー!とうとうあんたは下っ端にも瞬殺されちまったなぁ!!ねぇ、今どんな気持ち?下っ端にすら手も足も出せずにどんな気持ち?」ゲシッ

ミツルギ「あふっ」ビクンッ


クリス「助手君!!君にはもっとドン引きだよ!!!」

トニー「さすがにそれは・・・僕も引く・・・ほら、さっさと楽にしてやろう」チャキッ

   プシュッ プシュッ プシュプシュプシュッ

ミツルギ「うぅ・・・」ガクッ…

トニー「これだけ打ち込んだらさすがに眠るか・・・この世界に合わせて麻酔液の濃度を変える必要がありそうだな」

カズマ「マツラギはどうする?気絶してるうちに頭だけ残して地面に埋めようぜ」

トニー「縛るものもないし、それがいいな」

クリス「なんだろう・・・あたしたちは義賊のはずなのに・・・すごい悪党になった気分」

中途半端ですが今回はここまで
アベンジャーズ・インフィニティウォーのDVDが9月5日に発売されますね!待ちきれません

......
....
..
.



トニー「よし、こんなものか」パンパン

クリス「本当に埋めるとは思ってなかったよ」

トニー「大丈夫だ。街道に近いところまで引っ張って来たし、このマツリギとかいう男が助けを呼んだら誰かが気が付くだろう」

クリス「そういう問題じゃないからね!?」

カズマ「用心に越したことはありませんよ、お頭。石橋は渡らずに叩き壊し、隣に新しい橋を建設するくらいでないと」

トニー「僕なら橋の上を飛んで、下にある橋を爆撃してふっとばす」

クリス「キミたちの野良猫並みの用心深さはよくわかったから・・・それより、これからどうするの?もう数時間もしたら朝になっちゃうけど」

カズマ「むしろ今から行くのがちょうどいい位ですよ。人間、この時間帯の方が深く眠ってて起きにくいもんです。俺が日本で家族と暮らしてた時は、このくらいの時間に飯を取りに下りるのがベストでした」

トニー「だな。僕もペッパーが起きないようにこのくらいの時間にスーツを作ってたもんだ」

クリス「き、気が合うんだね・・・あのさ、最後に聞くんだけど、この人に何の恨みもないんだよね?えげつない方法で倒したり、蹴ったり埋めたりしたけど・・・」

トニー・カズマ「「あの白い歯にパンチしたかった」」

クリス「もう・・・なにも言わないよ・・・」

......
....
..
.



アンダイン邸


カズマ「さて、どこから侵入しようか」

トニー「どこからでも大丈夫そうだ。この屋敷に見回りはいない」

カズマ「ふっ、俺達はプロだぞ?いきなり屋敷内に人がいないと決めつけて見つかったらどうするんだ?ここはプロである俺たちの意見を聞くべきだ」

クリス「そうだよ下っ端君。君は確かに世界を救ったヒーローだけど、こういうことは慣れてないでしょ?」

トニー「その一、スーツをここから上空千メートルに待機させてこの屋敷を赤外線スキャンしたから屋敷内に見回りがいないのは分かっている。その二、僕はスーツ無しで敵の屋敷に侵入したことがある」

クリス「・・・ほ、ほら・・・あんまり機械に頼りすぎるのも良くないでしょ?」

カズマ「そうだよ・・・プロの直感とか大事だろ?で、でも・・・便利になるのは良い事だし、下っ端の顔を立てる為にもその言葉を信じて屋敷に突入し・・・その胡散臭いものを見る顔はなんだよ!!」

トニー「・・・入るぞ?窓は僕が開ける」キキキ…


     キンッ


トニー「ほら、開いたぞ。ささっと盗ってしまおう」

クリス「そのガラスサークルカッターなんだけどさ・・・」

トニー「わかってる。君にあげるよ」

クリス「やった!」

......
....
..
.


アンダイン邸 内部


カズマ「お頭、いちいちお宝の前で止まらないでくださいよ。目的は神器ですよ」

クリス「それは良くわかってるんだけど・・・目の前にお宝があるとついつい・・・これ一つで貧しい子供たちがどれだけ助かるんだろうって・・・」

トニー「その姿でも君は女神様って訳か」

クリス「お、おぉ・・・///そういきなり褒められると反応に困るよ・・・でも、下っ端君も元の世界では寄付とかしてたでしょ?」

トニー「・・・破壊兵器を売ったお金でな」

クリス「っ!ご、ごめん!」


トニー「気にしてないさ。もう武器商人じゃないしな・・・いや、人同士の争いに使われないようにする事を条件にしているとはいえ、また武器を売ってるし、僕は同じことを繰り返しているのか・・・?」

クリス「そ、そんなことないよ。ちゃんと罪悪感の元、もう同じことが起こらないように努力しているんでしょ?」

クリス「確かに、たくさんの破壊兵器を作ったのかもしれない。でも、戦争はあなたが作った物ではないのですよ」ニコッ

トニー「・・・神に懺悔したつもりじゃなかったんだが・・・ありがとう、気が楽になったよ」

クリス「んもー、一言余計だなぁ」

カズマ「お頭、俺って今はまだしゃべるべきではないですよね?」

クリス「うん。台無しだよ助手君」

トニー「湿っぽいのは君達には合わないだろ、それでいい。さて、そうこうしてるうちに宝物庫についたわけだが・・・」

クリス「ちょっと待ってね・・・うん、やっぱり罠がある。解除するからちょっとまってね」カチャカチャ…

カズマ(・・・?宝物庫から妙な気配がする・・・人でもモンスターでもない・・・)


 カチッ


クリス「よし、開いた!さぁ入ろう!」

カズマ「待ってくださいお頭、この中に・・・」

     ガチャッ

クリス「・・・どうしたの助手君?」

カズマ「あれっ?」

トニー「Wow・・・これはすごいな、宝の山だ。カズマ、なんかあったのか?」

カズマ「いや・・・なんか妙な反応を感じたんだけど・・・うーん、勘違いかな?」

クリス「おぉっ、助手君見て見て!これとかすごい値打ちものだよ!」

カズマ「ひゅーっ!こいつぁすげぇ!!たんまりありますぜ!!」

トニー「・・・なぁ、鎧はどこにあるんだ?」


クリス「えっ!?本当だ!鎧が無い!でも、神器級のお宝の気配はするんだけどなぁ・・・」

トニー「スーツのスキャンによると、ここに隣接した部屋がもう一つあるはずだが・・・」

カズマ「なるほど・・・隠し扉出てこい、隠し扉出てこい・・・」ペタペタ

    ボコッ…

    ズズズ…

カズマ「イェーイ」

トニー「へぇ、やるなカズマ」

カズマ「カズマ先輩と呼べ」

クリス「アホな事やってないで、アイギスを回収するよ」

トニー「・・・これが伝説の鎧ってやつか。鎖でがんじがらめにされていかにもって感じだ」

クリス「うん。これこそが聖鎧アイギス。この世で最も頑強で、身に着ける者に勝利をもたらす神器だよ。どんな戦いにも負けなかった無敵の鎧・・・ご主人様が病で亡くなる最期まで、よく頑張ったね・・・」スッ…

カズマ(本物の女神様だ・・・)





    《おい坊主、気安く触ってんじゃねぇよ》


クリス「えっ・・・坊主・・・?それってあたしの事!?というか、アイギスって喋れるの!?」

カズマ「鎧が・・・喋った・・・?」

トニー(驚くべき光景なんだろうが、なんでだろう。見慣れてる気がする)

アイギス《なんだよ?坊主じゃねぇのか?ならもうちょっとだけ触っていいぞ。俺の名はアイギス。三人共初めましてかな?喋って歌えるハイブリッドなアイギスさんとは俺の事よ!!チョリース》

トニー「こんなのが・・・伝説の防具?」

クリス「正直喋るだなんて思っていなかったから・・・驚いたけど・・・とりあえず話があるんだ、アイギス」

アイギス《アイギスさんって呼べよ小僧》

クリス「小僧じゃないよ!なんなのこの神器!?なんでそんな態度がデカいのさ!?」

トニー「おい無機物、あんたはただの鎧だろ?つべこべ言わず、僕たちについてきて役目を果たせ」

アイギス《なんだこのおっさん?無敵の鎧の俺に向かってずいぶんな態度じゃねぇか?ん?俺は神器オブ神器だよ?お前が普段着ている鎧なんて鉄屑と思えるほどのな!》

トニー「僕はあんたよりもっと価値があって使える鎧を持っているし、作れもする。黙って付いてくるか、ここでスクラップにされて向こうで修理してもらうか選べ、ブリキ野郎」


アイギス《ぷっちーん、アイギス切れちゃった。上等だよクソジジイ!年寄りだからって容赦しねぇからな!!》

アイギス《いいか!?俺は神器だ!喋るだけの防具じゃないんだぜ!?俺は自分の意思で動ける!この全身鎧の俺がお前みたいなおっさんに殴り掛かったらどうなるだろうなぁ!?》

クリス「ちょっと落ち着いて!ねぇ、アイギスも頼むから話を聞いて!キミの力が必要なの!」

アイギス《うるせぇド貧乳!顔が良いからってなんでも頼み事聞いてもらえるなんて思い上がってたの?自惚れもいいところですなぁ!常識と魅力的な巨乳を付けてから再挑戦してね!!というわけで引っ込んでな!その胸のようによぉ!!》

クリス「なにおおおおお!!」ガンガン

アイギス《おーっと、胸は出てなくても手はでるんですね?でもそんなパンチじゃマイボデーには傷も付きませーん!》

クリス「きーっ!」

アイギス《そんなヘナチョコパンチは効きもしないが、黙って殴られる俺じゃねぇ。おい、そこの変な仮面した小僧、俺の鎖を解け。いまからこの二人に神器ってもんを見せてやるからよ》


カズマ「え、やだよ。なんでお前の有利になりそうな状況を作ってやらなきゃならないの?お前無機物のくせにガタガタうるせぇんだよ!下っ端、こいつの体に刃物かなんかで口じゃ言えないような絵を彫ってやろうぜ」

トニー「良いアイディアだな、先輩。宝物庫の中に切れ味が良さそうなダガーがあったはずだ。表面を削って絵を描く位ならできるだろう」

アイギス《お、おい!動けない相手に何をする気なんだよ!?》

カズマ「お前の胴体部分に卑猥なものをいっぱい彫ってやる。大人のジョークグッズみたいな見た目にしてやるよ」

トニー「僕は四肢と頭部に世界各国の言葉で“ガラクタです”って文字を掘ってやる。これであんたは今後どこへ行っても一目でガラクタって分かるわけだ。良かったな?自己紹介する手間が省けるぞ?」

アイギス《いやあああ!いやだあああああ!!やめてくれええええ!!》

クリス「ねぇ・・・今回の目的分かってる?さっきまで喧嘩してたあたしが言うことじゃないけど、さっきからキミ達にはドン引きしてばかりだよ・・・」

トニー・カズマ「「こいつよりはマシ」」


クリス「どっちも最低だよ!?神器に何てことしようとしてるのさ!?」

アイギス《お前ら一体何なんだよ!?何が目的なんだ!?というか、どうしてこれだけ騒いでも誰も来ねぇんだよ!助けてーっ!人さらいー!!》

カズマ「バカッ!デカい声出すんじゃねぇ!・・・って、あれ?確かに警報もならなければ警備の声も聞こえない・・・どうなってるんだ?」

アイギス《者ども出会え出会えーっ!!》


    「・・・」


アイギス《本当にどうなってやがんだ!!おい、何しやがった!》

トニー「ハッ、見た目通り頭の中はからっぽみたいだな。僕はこの世界随一の知力持つと言われている男だぞ。あんたが喋り始めた時点でこうなることを予測して、上空で待機してた僕のスーツが煙突を通してこの屋敷内部に催眠ガスを充満させてある」

カズマ「おい!脱出するときどうするんだよ!この部屋にもガスが来るんじゃねぇのか!?」

トニー「出るときに息を止め、その間に窓から抜け出せば問題ない。そしてこの部屋は宝物庫だ、分厚い扉にこの隠し扉、ここまでガスは来ない」


カズマ「だってさアイギス。今のお前にできることは誰にも届かない叫び声を上げ続ける程度だよ!ふははははは!!!神器が聞いてあきれるぜぇー!」

アイギス《いやああああああ!!誰かたすけてええええ!!》

クリス「二人共ちょっと静かにしてて!あたしが話をつけるから!」

アイギス《お嬢ちゃん!さっきは貧乳とか言って悪かった!!助けてくれ!あいつらイカれてる!》

クリス「あ、あのねアイギス・・・あたしたちはキミの力を借りに来たんだ」

アイギス《俺の力を・・・?えっとさ、つまりそれってあんさんが俺の中に入って一つになりたいってこと?》

クリス「言い方がなんか変だし、そういう意味でもないよ。あなたに相応しい人に着てもらう。今この世界には恐ろしい敵が来ていて、キミのような強力な力を持った神器が必要なんだ!」

クリス「今こうしている間にも、世界滅亡にまた一歩と近付いているかもしれない。そしてアイギスは、それを止めるために存在する唯一無二の存在。ねぇ、アイギスお願い。あたしの言うことを聞いてくれない?」

アイギス《えー・・・なんだかそれっぽい事言ってるけど、要するに鎧として持ち主を守れってことだろ?嫌だよそんなん。鎧だって叩かれたら痛いし、このピカピカボディは傷つけたくない》

アイギス《大体、その持ち主って言うのは俺のお眼鏡にかなうようなヤツなのか?》

クリス「うん。正義感と勇気のあるヒーローみたいな人に・・・」


アイギス《ちっげーよ、中身なんてどーでもいい。見た目だ見た目!巨乳で可愛い系がいいなぁ。スレンダー系も嫌いじゃないよ!もちろんガキはNG、鎧の中は薄着で頼むわ。あ、職は剣士ね。前のご主人も剣士だったし》

トニー「なぁ・・・こいつは海の底にでも沈めておかないか?鎧ならこんな奴よりもっといいのを僕がつくってやるよ」

クリス「気持ちは分かるけど、これでも神器だから・・・我慢しなくちゃいけないんだ」

カズマ「お前は鎧だろうが。選り好みしてないで働けよ」

アイギス《鎧にも選ぶ権利はあるとおもうんだ》

トニー「美人・・・か」

カズマ「そんなに考えなくてもいいだろ。もう問答無用で連れていっちまおうぜ?」

アイギス《なぁ、頼むよ・・・俺の元ご主人が病で死んじまって、俺なんだかんだで寂しいんだぜ?心の穴を埋めさせてくれよ・・・》

クリス「アイギス・・・」

カズマ「な、なんだか少しかわいそうになってきた。お頭、なんか手は無いんですか?」

クリス「う、うーん・・・」ポリポリ…


トニー「・・・」ゴソゴソ…

カズマ「・・・?おい、トニー何やってるんだ?」ヒソヒソ…

トニー「実はアクアに小さくされたホログラム発生装置を持ってきてたんだ。万が一見つかったときの対策としてな」ヒソヒソ…

カズマ「まさか・・・」

トニー「そういうこと」

クリス「何が“そういうこと”なの?」

トニー「アイギス、君にとっておきの美人を紹介しよう」ピッ ピピッ

アイギス《・・・?》






トニー「力を貸してくれ、ペッパー」カチャッ


      ヴンッ…


ペッパー『初めまして、アイギス。私はヴァージニア・ポッツ。ペッパーでも構わないわよ?』

アイギス《へいへーい、ドチャクソ美人さんじゃないですかぁ!》

クリス「トニー、一体どうやってるの?」ヒソヒソ…

トニー「彼女はペッパー、僕の恋人兼社長をしている。そして、僕のラボのデータバンクにはペッパーの映像記録が山ほどある。それを利用してペッパーの姿をホログラムで、声は変声機を応用してフライデーに喋らせている」ヒソヒソ…

カズマ「なんという科学の力技・・・」

アイギス《どういった魔法かは知らないけど、キミとは話せるんだね?ペッパー》

ペッパー『もちろんよ。なにから話す?』

アイギス《じゃぁスリーサイズから・・・》

トニー「おい」

>>209

ペッパー

本名:ヴァージニア・ポッツ
ペッパーというあだ名の由来は顔のそばかすが胡椒(ペッパー)みたいとトニーが言ったことから
元々はトニーの秘書だったがアイアンマン2でトニーの跡を継いで社長に就任
頭脳明晰で美貌もあり、行動力も持っている。トニーとは交際しており、トニーにとってなくてはならない存在となっている
しかし、シビルウォーではその仲はあることが理由ですっかり冷え切ってしまっていた
そして、スパイダーマン・ホームカミングでは・・・

ちなみに、ペッパーを演じているグウィネス・パルトロウさんは2013年にアメリカで最も美しい人ランキング1位を取っている

https://imgur.com/a/BapRLoe

美っっ人


ペッパー『それはもっと親密になったから教えてあげるわ?』

アイギス《アイギス、ペッパーと親密になりたいなぁ!!実際の君に会いたいよ!!》

カズマ「キャラがブレまくってんぞコイツ」

クリス「しっ!」

ペッパー『もちろん、私も会いたいわ。来てくれる?』

アイギス《よろこんで!おい、お前ら!案内してくれ!ぼく、ペッパーに会う約束取り付けちゃったからさ!》

カズマ「さっきの同情を本当に返して欲しい」

トニー「うまく行ったみたいだが・・・なんだかとても複雑な心境だ・・・」

今回はここまです
出番が少ないですが、個人的にアイギスは好きなキャラです
14巻出てきてくれて嬉しかった・・・
ちなみに私が一番好きなヒロインはガモーラです

更新は来週の月曜日になります
もう少しお待ちください

今日続きを投稿予定でしたが矛盾点等のミスが見つかり、書き直しをこ行う為続きの投稿は明日になります...
申し訳ないです


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アイギス入手から二週間後


めぐみん「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器」

めぐみん「湧き上がり、否定し、痺れ、瞬き、眠りを妨げる」

めぐみん「爬行する鉄の王女、絶えず自壊する泥の人形」ズズズ…

      ゴゴゴゴ…

めぐみん「結合せよ!反発せよ!地に満ち、己の無力を知れ!」バッ

めぐみん「砕け!『エクスプロージョン』ッッ!!」


        カッ

     ドォオオオオォォォンッ!!


めぐみん「あうっ・・・」ドサッ…


トニー「お疲れさん」シュゴゴゴゴ…

     スタッ

めぐみん「どうでしたか?私の今日の爆裂魔法は・・・?」

トニー「六八点って所だな」フーッ…

めぐみん「ぐぬぬ・・・トニーはカズマより厳しいですね・・・そこまで下がった理由は何ですか?」

トニー「空から見ててわかったが、君は今回威力をかなり重視しただろ?おかげで爆炎の形が歪だ、美しくない。クレーターも同様だ」

トニー「そして、同じ理由で木々や岩の破片が跡形もなく消し飛んでいるのも減点の理由。大きな爆発を魅せるときは、大小様々な破片があるとより効果的だ。爆発した後に破片が降り注ぐことで余韻ができる。さっきまで形を留めていたものが粉々になって空から降ってくることによって、恐怖の演出となるんだ」

めぐみん「うむむむ・・・確かに・・・思い当たる節が・・・」

トニー「だが、悪いところだらけじゃないぞ?爆発の衝撃波が僕のスーツ越しにも響いてきたし、音圧は最高。まぁ、つまり・・・」

めぐみん「つまり・・・?」

トニー「・・・ナイス爆裂だ。なぁ、これ言わなきゃ駄目?」

めぐみん「ナイス爆裂!もちろん、これだけ的を射た評価ができるのであれば、ぜひとも言ってください!というわけで、次はトニーの番です」


トニー「ようし・・・今からあの山の一角を消し飛ばしてやろう」スッ…

      ガシュンッ…

   〔エネルギー充填開始…〕

     キュィィィィ…

トニー「フライデー、パワーを一気に胸に集めろ」

   〔エネルギー充填率60%〕

     ギュンギュンギュン…

めぐみん「おぉおお・・・」


   〔エネルギー充填率100%〕

      ヴゥンッ…

トニー「しっかり見ておけよ!」

      ボッ!

ヴァゥウウウウウゥゥゥンッ

    ズガァアアアアアアッッ!!

      パラパラ…


トニー「・・・」シュゥゥ…

    ガシュンッ…

トニー「どうだ?」

めぐみん「ぐっ・・・山を吹き飛ばした破片がここまで・・・!私は人類最強の一撃を持っていると自負してましたが・・・まだトニーの一撃を超えられませんか・・・無念・・・ただひたすらに無念です・・・」

トニー「科学の力は侮れないだろ?探求心が枯れない限り、僕はどこまでも強くなる」

めぐみん「ぐぅぅうっ・・・悔しいです・・・死ぬほど悔しい・・・!次こそは・・・次こそは必ず・・・!」ギリギリ…

トニー「そんなに歯ぎしりしてたら歯が爆裂するぞ?君は僕より若いんだ、まだまだ伸びしろがあるさ。なっ?焦るなよ」

めぐみん「そういうカッコいい勝者のセリフを言われると余計悔しいですよ!・・・まぁ、今の私は第一形態で本来の実力の四分の一も出せていないので、これも仕方ありませんが・・・それじゃ、おんぶお願います」

トニー「はいはい、ここ最近僕にばっかり頼むのはどうしてなんだ?」グイッ


めぐみん「トニーなら屋敷かラボまでひとっ飛びじゃないですか、便利なんですよ。しかも、空から見る景色は綺麗で気持ちが良いですし。おまけにこのカッコイイ鎧は見ていて飽きません。それに、近頃は行方不明事件が増えていますしね」

めぐみん「爆裂魔法を撃つ前ならまだしも、撃った後じゃ不安ですから・・・空を飛ぶなら安心です」

トニー「褒めてくれるのは嬉しいが、僕を便利な足か何かと思ってないか?」

めぐみん「そ、そんなことはないです・・・よ?」

トニー「・・・」

トニー「そうだ、めぐみん。カズマの背中より安心するか?」

めぐみん「いえ、私はやっぱりカズマの背中が一番安心します。なにせ、私の好きな男の背中ですから」

トニー「・・・からかうつもりで聞いたんだが・・・君は妙に男らしいな」


めぐみん「好きなものを好きと言っているだけですよ。というか、知っていたんですね?」

トニー「あれだけ常日頃から目で追ってたら嫌でも分かるさ」

めぐみん「そ、そうでしたか・・・最近カズマが妙にモテだして気になるんですよ、そのうちかっさらわれてしまうんじゃないかって・・・」

トニー「君はアタックしないのか?」

めぐみん「してますが、あの男いざって時になるとヘタれるんですよ・・・」

トニー「あぁ・・・カズマの気持ちが分からなくもない・・・僕も本命には奥手だったしな」

めぐみん「本命には・・・?そ、それはどういう意味ですか!?教えていただけませんか!?」

トニー「その辺はラボでフライデーにでも聞くといい、きっといい相談相手になってくれるはずだ。恋愛面のアドバイスについてアップグレードしておこう」

めぐみん「フライデーは本当に優秀ですね」

トニー「当然だ、僕が作ったんだからな。さ、そろそろ帰るから掴まれ」スッ…

めぐみん「あっ、帰ったらまた私とボードゲームしてくださいね。まだトニーには一回しか勝てていないので」

トニー「勿論いいとも。だが・・・最初の一回以外の勝ちを君に譲る気はないからな?」

めぐみん「ふふふ、今の内に勝利を味わっておくがいいですよ・・・」

トニー「それじゃ屋敷に向けて出発」シュゴゴゴ…


      ドシュゥゥゥウッ…









......
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アクセル上空


   キィィイイイイン…


めぐみん「あの、トニー?」

トニー「トニーだ」

めぐみん「今思い出したのですが・・・結局職は何にしたのですか?賢者ですか?」

トニー「冒険者」

めぐみん「えっ」

トニー「冒険者」

めぐみん「カズマの真似ですか?やめておいた方が・・・」

トニー「違う!僕は科学で戦う、魔法は使えない。だから役立つスキルを覚えるために冒険者にした。鍛冶スキルに速読スキル・・・後は知力向上につながるスキルをいくつか・・・」

めぐみん「・・・それだけのスキルを一体どこで手に入れてきたんですか?教えてくれる人がいないと覚えられないでしょう?それにレベルだって・・・」

          ピピピッ

トニー「?」


   〔ギルドで緊急クエスト発令〕


トニー「・・・!めぐみん、話はあとだ。ギルドで何か騒ぎがあったみたいだぞ」


......
....
..
.


アクセル ギルド



アクア「ふわああああ!ぶあああああ!うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!」ボロボロ

トニー「・・・どういう状況なんだ?」

めぐみん「ギルドで騒ぎがあると聞いて来てみれば・・・やっぱりカズマとダクネスがいましたか。というか、どうしてアクアが号泣しているのですか?カズマがまた泣かせたのですか?」

カズマ「俺がいつも騒ぎの中心にいるみたいに言ってんじゃねぇよ!俺は何もしてないからな!」

ダクネス「それが、この街のアクシズ教徒の一人が行方不明らしくてだな・・・最近急に増えだした行方不明事件に巻き込まれたのではないかと案じているのだ」

アクア「ねぇ、聞いてめぐみん!!久しぶりにウチのかわいい信者達の顔が見たくなったから、アクシズ教会に行ったの!でも誰も居なくて・・・きっとエリス教会に石を投げてるか、エリス教の炊き出しを根こそぎ貰いにでも行っているんだと思ってずっと教会で待っていたの!!でも・・・でもっ・・・!」グスッ…


めぐみん「誰も帰ってこなかったと・・・この街のアクシズ教徒といえば、私にも心当たりがあります。しかし・・・アクシズ教徒が行方不明なんて・・・」

カズマ「うん、正直なんの緊張感も沸いてこないな。その辺の路地裏とかで酔いつぶれて寝てるんじゃないか?大丈夫だって、ギルドとかレストラン裏のゴミ捨て場とか見張ってたらそのうち漁りに来るって」

アクア「はっ倒すわよクソニート!ゴミ捨て場も路地裏も探してきたわよ!!」

カズマ「えぇ・・・」

アクア「ねぇ!めぐみんも何とか言ってやってよ!!」

めぐみん「正直・・・私もそんな気がします・・・そのうち何事もなかったかのようにふらっと現れそうな・・・」

アクア「クソニートはまだしも、めぐみんまでそんなこと言うの!?受付の人にもアクシズ教徒の一人が行方不明なんですって聞いたら“どこかへ遊びに行っているだけじゃないか”ってまともに取り合ってくれなかったのよぉぉおお!」

カズマ「で、緊急クエストが発令されたから俺たちも来たわけだけど、クエストの内容はなんだ?」

トニー「僕も気になっていたところだ。だがその前にカズマ、めぐみんに体力を分け与えるか、代わりに背負ってくれないか?スーツをまとった僕がめぐみんを背負ってるこの光景はシュールすぎる」

カズマ「確かに・・・んじゃ、俺が預かるよ」グイッ


ルナ「冒険者の皆さんがお集まりいただけたようなので、今よりクエストの説明を行います」

ルナ「今回のクエストの内容は討伐でも、街の防衛でもありません」

ルナ「・・・行方不明者の捜索となります」

     ザワッ…

ルナ「はい、皆さんが何をおっしゃりたいかは分かります。こういうのは本来警察の仕事です。ですが・・・警察では対処できないだろうと断定されたのには大きな理由がありまして・・・」

ルナ「まず、被害はアクセルだけではなく、王都を含めた他のあらゆる街でも確認されています」

カズマ「王っ・・・!?」

ルナ「特筆するのは、その行方不明者が発生する頻度と範囲、そして行方不明となった方々の素性です。二人の高レベル冒険者が、距離の離れた別々の街でほぼ同時に行方不明になったそうです。しかも、こういった例が既に数件起きています・・・」

ルナ「この事態を重く見たギルドは、これをモンスターによる被害ではなく、魔王軍による誘拐と見て、ベルゼルグ国内に存在するすべてのギルドに緊急クエストを発令しました」

ルナ「なので、正確なクエスト内容は行方不明者の捜索と、これらの事態に関わっていると思わしき魔王軍の兵士の捕縛です」

     「・・・」

ルナ「さ、最後に・・・このクエストには期限が存在しません。冒険者の皆さんに各々で捜索してもらうことになります・・・もちろん、このクエストには特別報酬が出ます!それでは、どうかご健闘を祈っています!以上です!解散してください!」


ザワザワ…
   ゾロゾロ…


めぐみん「・・・カズマ、どう思いますか?」

カズマ「え、俺!?いや・・・まださっぱりって感じだな・・・目的も方法もよくわからない。人質にして交渉するつもりなら、冒険者より貴族とか攫うだろ?普通は」

カズマ「貴族は警備が厳しくて攫えないのかとも考えたけど、高レベル冒険者を攫えるんだとしたら、貴族を攫うことも難しくないはずだ」

ダクネス「私も同意見だ。国へ人質を取ってるなら、貴族を攫うべきだろう。何故だ・・・貴族でもあり、冒険者でもある私を何故攫わない・・・!私を攫って檻に入れ、動物のように扱えばいいだろうに・・・!そして言うのだ!“オイオイ、こいつぁ上玉だぜ!人質としてここにいる間、オレ達が可愛がってやるよ!なぁに、安心しろ・・・命は取らねぇよ、命はな!”などと言って、私の服を引き裂いて・・・!んくぅっ・・・///」

トニー「カズマ」

カズマ「帰ったらバインドで縛って玄関にでも転がしておいてやるから今は発情するな、この変態」

ダクネス「ほ、本当だな!?/// 約束だからな!?」ハァハァ…

トニー「さすが」


めぐみん「誘拐の方法についてですが・・・人を攫うんだとしたら、やっぱりテレポートあたりでしょうか?」

カズマ「俺もそれは考えた。でも、テレポートには登録が必要だろ?街の前にテレポートしてきたら大騒ぎだし、かといって魔王軍が街の中に紛れこむのは難しいと思うんだよ」

めぐみん「でも、これだけの短期間で存在を悟らせず大勢の人間を誘拐できる魔法なんて他に知りませんよ?」

カズマ「それなんだよなぁ・・・」

トニー「いや、カズマの言う通りだ。テレポートじゃない」

めぐみん「・・・何故分かるのですか?」

トニー「僕のラボに来てくれ、説明しやすい。それじゃ後でな」スタスタ…

カズマ「あ、ちょ・・・せめて俺だけでも連れてって・・・」


     ドシュゥゥゥウッ
       キィィィィン…


カズマ「・・・」

ダクネス「・・・さっ、ラボまで歩くか」

カズマ「ったく・・・ほら、アクア。いつまでもメソメソしてないで・・・」

アクア「・・・すかー・・・」

カズマ「・・・」

......
....
..
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トニーのラボ



トニー「さて諸君、さっきの話の続きだが・・・」

アクア「ねぇねぇ、その前に孵卵器にいるゼル帝の様子を見てもいいかしら?女神の勘によると、そろそろ生まれると思うの」

トニー「向こうにいるが、コンピューターの計算によるともう少し先だぞ」

アクア「よかった!私がいないところで生まれるのはかわいそうだもの!」

トニー「なぁ、非常に言い難いんだが・・・DNA検査、レントゲンとあらゆる手を試してみたが・・・あの卵の中身はどう考えても鶏だ」

カズマ「お前そんなことまで頼んでいたのかよ・・・そんなことしなくても鶏だって分か・・・おいコラ、聞こえないフリしてんじゃねぇ!!」

トニー「話進めていいか?」

ダクネス「ほら、お前ら・・・話を聞く姿勢をとれ」

カズマ「お前が言うなと言いたい。で、テレポートじゃない理由だったか?」


トニー「そう。モニターにご注目、カズマなら・・・これが何か分かるはずだ」ピッ ピピッ

     ヴンッ

カズマ「これは・・・心電図?」

トニー「グラフと答えてほしかったが・・・まぁ、半分正解だ。トニーポイント二十点あげよう」

カズマ「・・・なにそれ、集めたら何があんの?」

トニー「特に何も」

カズマ「舐めんな」


トニー「冗談はさておき、これはとあるエネルギーの流れを可視化したやつだ。なんだと思う?」

めぐみん「この波の形・・・もしかして・・・魔力を可視化したのですか?」

トニー「大正解。さすがは僕に次ぐ知力の持ち主だ」

めぐみん「ぐっ・・・“次ぐ”というのがなんとも・・・」

カズマ「いや、サラッと言ってるけど魔力を可視化ってなんだよ」

トニー「魔力を科学的に解明しようと思ってね。完全に解ったとは言えないが・・・魔力は生体電気に酷似している。そして、今画面に映っているこの波はテレポートを使った後に空間に残るものだ」

トニー「行方不明事件が発生したと聞いたときにテレポートでの誘拐の線を疑って街中のあちこちをドローンで調査したが・・・これと同じグラフに当てはまる反応は見受けられなかった」

めぐみん「それがテレポートではないと決めた理由ですか?」

トニー「そういうこと。まぁ、他にもある」


トニー「テレポートは魔法防御力が高ければ抵抗することができる。高レベル冒険者相手でも不意を突ければテレポートで飛ばせるかもしれない。だが、王都では誘拐事件が既に何度か発生していた。それなら街中で注意喚起されているはずだろ?でも行方不明者は後を絶たなかった」

トニー「警戒している高レベル冒険者を、詠唱時間が長く、発動させるには対象の近くに接近しなくちゃならないテレポートで飛ばすのは至難の業だ」

トニー「結論、テレポートじゃない」

めぐみん「・・・一体いつから魔道学者になったんですか?」

トニー「昨夜から。王都や紅魔の里からかき集めた魔導書や論文をすべて読んだ」

ダクネス「王都に行ってきたのか!?しかも、魔導書を貸してもらった!?いや、というか・・・すべて読んだ!?」

トニー「おちつけ。王都の図書館では、僕の冒険者カードを見せるだけでいくらでも貸してくれた。紅魔の里は大変だったが・・・」ハァ…

カズマ「一体何をさせられたんだ・・・」


トニー「スーツの見た目が気に入ったらしくてな・・・魔導書を貸す代わりに五十回くらいカッコイイポーズ取らされたり、子供を背中に乗せて飛んだり、魔王軍遊撃部隊を名乗る奴等と一緒に戦わされたり・・・」

めぐみん「鎧が傷だらけなのはそういうことだったのですか・・・」

トニー「いや、これは変な男に絡まれてね」

めぐみん「チンピラに付けられた傷ですか!?」

トニー「里で魔導書を読んでいたときに、魔道具職人を名乗る男に声を掛けられたんだ。なんでも、僕の作っている発明品を知っているらしくてな。アイディアの交換でもしたいのかと思って話を聞いてみれば・・・」

トニー「“お前の作る魔道具は便利すぎて面白くない、そんなお前の魔道具が売れまくるせいでこっちは商売あがったりだ”なんていきなり絡まれた。まぁ、対魔法使いの良いテストバトルにはなったが」

カズマ「おい、それって・・・」

めぐみん「・・・まだ決まった訳じゃないですから・・・」

トニー「確かひょいざぶろーとか名乗っ」

めぐみん「すいませんでした」


トニー「なにを謝っているんだ?」

めぐみん「いえ・・・」

トニー「・・・?まぁいい、僕の知力自慢はここまでだ。本題に入・・・おいアクア、君には難しい話かもしれないが寝るんじゃない」

アクア「ほえっ・・・?」パチッ

ダクネス「うむ。テレポートでないのだとしたら一体どうやって人を攫っているのだ?」


トニー「既存の魔法とは全く違ったエネルギーを検知した。そして、そのエネルギーとは・・・」

       ヴンッ...

トニー「・・・これだ」


カズマ「なんだこれ・・・?」

めぐみん「光る・・・箱?」

アクア「うそでしょ・・・?これってまさか・・・!」

トニー「アクアは知っていたか」

ダクネス「これは一体何なのだ?見た目は美しいが・・・」

めぐみん「アクアがこんな真面目な顔になるほどの物なのですか?」

アクア「これは四次元キューブよ!!なんでそんなとんでもない物の反応が見つかるのよ!?」

カズマ「えっ、四次元キューブ?なんだそれ?青いタヌキのお腹についてる・・・」

アクア「ちっがうわよ!!これは神器よ!それも、魔剣だとか聖鎧なんかとは比べ物にならないくらいの究極の神器よ!・・・私だってお目にかかったことは無いわ」

カズマ「えっ・・・あのアクアがこんな真面目な顔で凄いこと言ってるんだけど・・・マジでヤバいやつなの?」


トニー「・・・」ピッ

   ヴンッ…


  ギャァァアア…

ウワァァアア…
 
ズズズ…

ズガァア…ン

 ガガガガッ…

グォアアアァアアッ!!


カズマ「なんだ・・・これ?まさかNYか!?」

ダクネス「これは一体何だ!?王城とは比べ物にならないほどの建物がこんなにも・・・いや、それよりこれは・・・街が攻撃されているのか!?」

トニー「カズマの言う通り、ここはNY・・・僕の国だ」

トニー「NYは一度ロキに攻撃されている。奴はキューブを使って宇宙の彼方から軍団を連れてきた。キューブは空間を操る力を持っている。どれだけ離れたところにも向かうことができるし、この映像に映っているように空間と空間をつなぐ巨大な扉を作ることだってできる」

トニー「それだけじゃない。単純に強大なエネルギーを秘めていて、僕の国の人類はこれから大量破壊兵器を作ろうとした」


ダクネス「そんなものが・・・この国に?」

トニー「ロキが持ち込んだものだ。ロキ自身キューブの力を使ってここまで来たんだろう」

アクア「ねぇ、ただでさえ恐ろしい相手なのに、四次元キューブまで持ってるって言うの?」

トニー「一度倒してる。そう心配するな」

カズマ「無理ゲーだろ・・・」

めぐみん「とかなんとか言いつつも、最後は何とかして倒してしまうのがカズマでしょう」

カズマ「いやいや・・・今回だけはマジでヤバイって・・・ロキが来るって話を聞いてからもう三週間たつけど何の音沙汰もないだろ?きっとこの世界に旨味がないと判断して帰ったんだよ。行方不明者は・・・あれだ、そのうち帰って来るよ」

ダクネス「国の一大事なのに適当なことを言うな!ロキの仕業だとたった今トニーが証明しただろうがっ!遅かれ早かれロキとは戦うことになるんだぞ!被害が大きくなる前に討伐したほうが良い!」


トニー「カズマ、めぐみんの爆裂魔法を何度か見たが、アレは間違いなくロキにも刺さる。ロキを一度倒した僕が保証するんだ、安心してくれ」

めぐみん「そうですよカズマ。我が爆裂魔法の力は良く知っているでしょう?カズマが協力してくれたら、潜伏スキルで隠れ、そこから先手を打って一撃で倒せるかもしれません」

カズマ「・・・」

めぐみん「覚えていますか?紅魔の里で、カズマが私に言ってくれたことを。カズマが“百二十点”と言ってくれた私の爆裂魔法を・・・どうか信用してくれませんか・・・?」

カズマ「・・・わかったよ!やればいいんだろやれば!ったく、しょうがねぇなぁ!」

めぐみん「ふふっ、やっぱりカズマのそういう所が私は好きなようです。ありがとうございます、カズマ」クスクス


フライデー『チャンスです、めぐみん様。キスしましょう』

めぐみん「し、ししし、しませんよっ!どうしたのですかフライデー!?あなたは急にそんなことを言うようなキャラではなかったはずでしょう!?」

フライデー『恋愛アドバイスに役立つことができるようにとボスに改良していただきました』

めぐみん「あなたのせいですか!!」ブンブン

トニー「おいよせ、脳が揺れる。さっき言っただろ、恋愛面においてアドバイスできるようにしておいてやると」ガクンガクン

めぐみん「いくら何でも早すぎですよ!それに、本人がいる前でアドバイスしますか普通!」

カズマ「ナイスだフライデー!めぐみん!いつでもいいぞ!なんならその先・・・」

めぐみん「この男おおおおおお!!」ガバッ

カズマ「うおおお!?いきなり何すんだてめ・・・た、助けてくれ!ロリっ子にイタズラされるううう!!」



  ギャーギャー


トニー「前はこういう光景を見るとため息しか出てこなかったが・・・何故か落ち着くようになってきてしまった・・・僕も毒されてきたな」

      ピピピッ ピピピッ

フライデー『ボス、バニル様からです』

アクア「えっ、なんであの木端悪魔から電話が来るのよ?」

トニー「商売相手だからな。いつでも連絡が取れるようにしておいた。具体的に言うと無線機を渡した」

アクア「つまりこれでいつでもあのクソ悪魔にいたずら電話が掛けれる訳ね!?でかしたわトニー!今日から毎日イタ電してやるわ!!」

トニー「そんなことしたら二度と僕の酒に触らせないからな。フライデー、繋げろ」

      ピッ

バニル『フハハハハハ!元気にしていたか?自分が毒されてきたのではないかと危惧する男よ!言っておくが、汝は既に毒々しいぞ』


トニー「いたずら電話か?あんたは僕の隣にいる女神と同レベルの事をしているぞ」

バニル『おっと、高貴で知的な我輩を脳がお粗末なチンピラ女神と同列視するのはやめてもらおうか。連絡した理由はほかでもない、例の誘拐事件についてである』

トニー「何かわかったか?」

バニル『少し前までは、行方不明者を見通そうとしても、何やら悪魔とはまた違った禍々しい光によって見通せなかったのだ』

バニル『しかし、つい先ほど再び探ってみたら・・・なんと行方不明者の数人が不毛の地で採掘している姿を見通すことに成功したのだ』

ダクネス「なに・・・?採掘だと?一体どこでだ?」

バニル『ヴォーミアと呼ばれる土地だ』

めぐみん「ヴォーミア・・・?」ピタッ…

カズマ「おっ?どうした?めぐみん!まだ決着は付いてないだろうがよ!体力を吸ってから剥いてやる!」

めぐみん「ちょっとそれどころではなくなったのでそこで待っててください」

カズマ「・・・?」


トニー「めぐみん、何か知っているのか?」

めぐみん「ヴォーミアと言ったら、コロナタイトが眠っているかもしれないと言われている土地です」

めぐみん「ただ、辺り一面が荒野で草木一本生えておらず、強力なモンスターが蔓延っているので調査できないでいる危険な未開の地ですよ」

バニル『例の邪神はどうやらコロナタイトを狙っているみたいであるな。何が目的かは分からぬが・・・』

トニー「わかった、早速向かおう。情報感謝するバニル」

バニル『待て。切る前に、この見通す悪魔が一つ忠告しておいてやろう。機動鎧男以外も心して聞くが良い、今回の旅へは自分たちが考えうる限りの最大戦力で向かうが良い。戦線から素早く脱出する事も考慮してな』

バニル『それでは、我輩はこれで失礼する』


       ブツンッ…

>>245 ヴォーミア 
   
※IWのネタバレ注意!






ヴォーミアはアベンジャーズIWの劇中でソウルストーンが隠されていたとされる場所
手に入れるには愛する者を自らの手で殺さねば手に入らない
そして、そのソウルストーンを管理している男はなんと・・・


中途半端ですが今回はここまでです
今まで全く冒険をしてなかったトニーがとうとう冒険へ・・・


カズマ「一体なんだったんだ?」

めぐみん「あなたと言う人は・・・行方不明者の居場所が分かったんですよ」

カズマ「さっき言ってたヴォーミアとかいう所か?」

めぐみん「ええそうです。向かう準備をしますよ?あの悪魔の忠告通り、出来る限りの最高戦力で向かうんです」

カズマ「じゃぁ今からギルドに行って・・・」

めぐみん「駄目ですよ。ヴォーミアは危険なモンスターがいっぱいいると言ったじゃないですか。この街の冒険者たちのレベルが意外と高いことは知っていますが、それでも駆け出しの街なんですから。餌になるだけですよ」

カズマ「それ俺達にも当てはまると思うんですけど・・・ならさ、王都に知らせて腕利きの冒険者や騎士団総出で・・・」

めぐみん「それも駄目です。攫われた人たちは人質のようなものです。そんなところに大勢で駆けつけたら相手は何をするかわかりません。出動できるようになるまで多くの手続きと時間もかかりますし、ロキは私がぶっ飛ばしたいです」


カズマ「それっぽいこと言っておいて結局はお前の爆裂欲じゃねーか」

めぐみん「で、戦力についてですが・・・正直あまり頼りたくはないですが、戦力になりそうなのが一人います」

カズマ「おい無視すんな。でも戦力かぁ・・・俺はウィズに声かけてみるよ」

アクア「・・・?ダクネスどうしたの?そんな不安げな顔をして」

カズマ「生・・・いだっ!何すんだトニー!」

トニー「さすがにそれはデリカシーが無さすぎるぞ。で、どうした?ダクネス」

ダクネス「なぁ、その・・・私は役に立てそうか・・・?」

トニー「そう不安げな顔をするな、君の硬さは良く知っている。僕の目を盗んではリパルサー光線を体に受けて発情し、果ては商品にする予定のグレネードまで外に持ち出して自爆して発情してる君なら大丈夫だ」

カズマ「お前ここ最近散歩に出かけまくると思ったらそんなことしてやがったのか!!性癖で他人を困らせるなって何度言われたら気が済むんだこのド変態!」

ダクネス「なっ!?結構真面目に相談したのに!」


カズマ「真面目に受け取ってほしいなら普段の行動を改めろ!・・・ったく、ガチガチのお前がいないと俺たちのパーティーは瓦解しちまうんだよ。役に立たないことはあっても、いらない子じゃないからそう不安がるなよ」

ダクネス「そうか!それならよかった・・・!」

カズマ「アイギスあることだしな・・・そういえば、最近アイツの姿を見ないけど・・・」

トニー「アイツは毎日セクハラ発言しかしないしペッパーに会えないと知ってラボを抜け出そうとしたから鎖で物理的に縛って倉庫の中にしまってある」

カズマ「苦労して手に入れたってのに・・・ん?なんだアクア、そんな
ニヤニヤして」

アクア「ふふふ、久々にカズマさんのツンデレを見たわって思ってね!カズマさんったらもうちょっと素直になれないの?」

カズマ「お前には一生デレる気はないから安心しろよ」

アクア「ねぇ、カズマ。嘘よね・・・?私達なんだかんだで一番付き合いが長いじゃない・・・?」

カズマ「よし、俺は早速ウィズに話を付けて来るわ」

アクア「ちょっと!カズマさん!!カズマさあああん!!」

......
....
..
.


翌朝  カズマの屋敷前


ウィズ「おはようございます、みなさん。なんだかめぐみんさんのお顔が優れないようですが・・・?」

めぐみん「トニーが一晩中寝かせてくれなかったのですよ」

ウィズ「えっ・・・?えぇえっ!?///」

カズマ「おいやめろ、その言い方。ウィズが困惑してるだろ、早く誤解を解いてやれよ」

トニー「めぐみん、その言い方はおかしいだろ」

ウィズ「で、ですよね・・・」ホッ

トニー「もう寝ようと言ってもめぐみんが僕を離してくれなかったんだ」

ウィズ「!!!!???? ///」


カズマ「お前誤解を解く気あんのか!?やめろよマジで!!朝までボードゲームやってただけだろうが!!」

トニー「外が明るくなるまで挑まれ続けてみろ、ふざけた冗談の一つでも言いたくなるさ」

めぐみん「悔しいのですよ!!トニーが毎回『盗賊』と『アーチャー』で『アークウィザード』を暗殺してくるからエクスプロージョンで盤をひっくり返すこともできずになぶり殺しにされるんですよ!?」

カズマ「だからって朝まで食い下がるなよ・・・」

アクア「もー、二人が変な言い方するからムッツリッチーの顔が赤くなっちゃったじゃない」

ウィズ「ムッツリッチー!?ア、アクア様・・・その名前はどうか・・・!」

ダクネス「まぁまぁ、早く乗合馬車の待合所いこう。席を確保しなくてはならないし」


めぐみん「トニー、ボードゲームは持っていくので、馬車で向かう途中でも戦いましょうよ。絶対にあきらめませんからね」

トニー「いまからロキの元へ向かうんだぞ?寝ておいた方が良いに決まってる。それに、寝ると頭が冴えるぞ?体も大きくなるし一石二鳥だ」

?「ね、ねぇめぐみん・・・ボードゲームなら私持ってきてるよ?」

めぐみん「あれ?なんでゆんゆんがここに?」

ゆんゆん「ひ、ひどい!!めぐみんに呼ばれたから来たのに!」

めぐみん「そういえばそうでしたね。うっかりしてました、ぼっち特有の影の薄さでつい・・・」

ゆんゆん「なによ!めぐみんだって友達少なかったじゃない!」

トニー「えっと・・・君は・・・」

ゆんゆん「あっ・・・ど、どど・・・どうもはじめまして!わ、我が名はゆんゆ---」

トニー「めぐみんから聞いている。ビッチのゆんゆんだな?」


ゆんゆん「めぐみんあんたねぇええええええ!!!」グワッ

めぐみん「なっ、なにをする!!なんですか急に!私はぼっちのゆんゆんと言う名の助っ人が来ますよと彼に話しただけですよ!まぁ、もしかしたら言い間違えたかもしれませんが」

ゆんゆん「どんな言い間違えよおおおおおおおおお!!」ブンブン

めぐみん「仕方がないじゃないですか。ボッチとビッチは一文字しか違わなければ語感も似た感じですし、人間誰でも間違う時はありますよ」

トニー「ゆんゆん・・・で良いんだよな?あー・・・あまり他人の人生にとやかく言うつもりは無いが・・・君はめぐみんと同い年なんだろ?その年でビッチと呼ばれるような生活を送るのは正直オススメしない」

ゆんゆん「ち、違いますからあああああ!!ただのぼっちですからあああ!!うわあああああああああん!!」ガクッ…

めぐみん「そう自分をぼっちと卑下しないほうが良いですよ?」

ゆんゆん「うええええええん!ふぇぇぇぇえええええん!!」

カズマ「めぐみん。自分からぼっちですと言わせ、地面に膝をついて泣いてる友達を見るのは楽しいか?」

めぐみん「・・・ヘッ」


トニー「君たちの交友関係はどうなってるんだ・・・?」

ダクネス「ほ、ほら・・・早く馬車の席取りに行こう・・・」

トニー「馬車?馬車なんて時代遅れの物には乗る必要はないさ」

ダクネス「時代遅れ・・・?トニーは偶に変な事を言うな」

    ブロロロロ…

ダクネス「・・・?何の音だ?」

トニー「やっと来たか」

カズマ「なぁ、トニー・・・この音って・・・」

トニー「勿論僕が呼んだ」

  ブロロロロロ…

ゆんゆん「だんだんこっちに近付いて来て・・・る?」







HUMMER「」グォオンッ!


   キキィッ…


ウィズ「」

めぐみん「」

ゆんゆん「」


ダクネス「なっ・・・なぁぁぁああっ!?これは一体なんだ!?」

カズマ「これはひどい」

アクア「あんたねぇ、どんだけファンタジーをぶっ壊せば気が済むのよ!?」

トニー「見た目に反して中は快適だぞ?自動運転だし、お酒もある。広くて快適、キャンピングカーも顔負けの居住性だ。ヴォーミアに付くまで中で宴会でもするか?」

アクア「早く乗りましょう!」

カズマ「ファンタジーが壊れていく・・・いや、元からこの世界にそんなの求めてなかったけどさ・・・」

ゆんゆん「あ、あの・・・これは?」

カズマ「これは“くるま”ってやつだよ。トニーの国じゃ普通に走ってる」

ゆんゆん「魔力式・・・?あんなの動かすなんていったいどれだけの魔力が・・・」

めぐみん「トニーの魔力はゼロですし・・・あの、これどれくらい動くんですか?走っている内に私たちの魔力が使われていくとかなんて事は無いですよね?」


トニー「半永久的だ。魔力じゃなくてリアクターで動いている」

めぐみん「りあくたー・・・確かトニーの鎧の胸にも付いてたやつでしたよね?何の魔力も感じませんでしたし、あれが“かがく”ってやつなのでしょうか・・・」

ウィズ「私の店と良く取引をしてるあの凄腕魔道具職人さんなら何か分かるかもしれませんね・・・」

トニー「そうだウィズ、僕の作った道具の売れ具合はどうだ?まだまだ売れてるか?」

ウィズ「はい!改良も加えてもらったのでさらに売れるようになると思いますよ!」

トニー「・・・改良?どういうことだ?」

ウィズ「え?あ、あの・・・トニーさんが店に置いてくれた品をみたとある魔道具職人さんが“魔力も感じないしつまらない道具だ、ワシが改良してやろう”って・・・ト、トニーさん?顔が怖いですよ・・・?」

トニー「その職人ってのは・・・ひょいざぶろーって名前じゃないよな?」

ウィズ「はい!そうです!ご存知なんですか?すごい方ですよね!!」

トニー「・・・」ガクッ…

ウィズ「トニーさん!?どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」

めぐみん「おや、トニーが膝をついて項垂れるなんて珍しいですね」

トニー「もういい・・・僕は車で寝る。ゲームはまた今度付き合ってやるから寝させてくれ・・・」

ダクネス「馬やリザードランナーが付いていないだなんて・・・本当にちゃんと動くのか?」

トニー「寧ろこれに乗ったら二度と馬車なんて乗れなくなるさ。きっと気に入るぞ?」

ダクネス「・・・信じがたいな」

今回はここまでです。今回で旅に出る予定が・・・
次回、ファンタジー世界を駆ける超大型SUV

次回更新は明日の夜12時頃になります
お盆なので更新が遅れ気味です・・・申し訳ない・・・

......
....
..
.



アルカンレティア付近


  ブロロロロロ…

ダクネス「ハハハ!!どうした初心者殺し!お前の速度はそんなものか!!ハハハハ!!」

初心者殺し「ガルァァアアッッ!!」ドドド…

カズマ「おい、サンルーフから身を乗り出すなよ。車体が跳ねたらお前車外に投げ出されるぞ」

トニー「気に入ってもらえたようで何より・・・」

ウィズ「トニーさん、寝なくていいんですか?お疲れみたいでしたが・・・」

トニー「これだけ騒がれたら寝たくても寝られないよ。ウィズ」


ダクネス「トニー!凄いなこれは!!こんな魔道具は初めてだ!見ろ!あの初心者殺しがあんなに血走った目で私のことを見つめながら追いかけて・・・」

フライデー『前方に悪路を検知。揺れに注意してください』


     ガタンッ!


ダクネス「あ---」ヒュンッ

  ズシャァッ
   ゴロゴロゴロ…

  ゴァァァアアッ!


ゆんゆん「あぁっ!!ダクネスさんが落ちましたよ!?初心者殺しに噛まれて大変なことに・・・あ、あれっ?嬉しそう・・・」

カズマ「フライデー!車止めてくれ!だから身を乗り出すなって言ったのに・・・!誰か付いてきてくれ!あのかじられて喜んでるドM女を助けるぞ!」

ウィズ「私が行きます!」タッ



  キキィッ!
   ガチャッ

カズマ「コラッ!その変態は固いし色んな意味で美味しくないぞ!こっちの携帯食料やるからどっか行け!」ポイッ

初心者殺し「グルルッ…」クルッ


    ドドド…


カズマ「ふぅ、戦うことにならなくてよかった・・・ほらダクネス、さっさと車に戻るぞ」

ダクネス「車外に投げ出された挙句、飢えた獣にまたがられるなんて・・・ハァハァ・・・///」

カズマ「携帯食料に負けたのがそんなに嬉しいか?」

ダクネス「!?」

......
....
..
.



 数時間後…


トニー「とうとうファンタジーな世界で冒険が始まったって感じだな」グビッ…

カズマ「あのな、冒険って言うのはな?目的地まで馬車や徒歩でゆっくりと行き、夜になったら焚火をしつつ、道中あったことについて仲間と語り合ったりしながら時間を掛けてするもんなんだよ」

カズマ「間違ってもこんなリムジンと装甲車を混ぜたような車に乗って、中でブランデー片手に数時間で国境を越えたりするのは冒険じゃない」

ダクネス「アルカンレティアに行くとき、野宿するのが一日で済むようにと朝一番の馬車で出発してたクセによく言う・・・」

トニー「単なる旅行ならそれも悪くないかもな。だが、今は時間が惜しいし、観光するような場所でもないところを馬車でただひたすら進むなんて退屈だろ?ただでさえ娯楽が無い世界だと言うのに・・・」

カズマ「・・・一つだけ、どの世界の娯楽にも勝ると言える娯楽がこの世界にあると言ったら?」

トニー「そんなのがあるのか?」

カズマ「・・・トニー、ちょっとこっちへ・・・」コソッ…

トニー「?」コソッ


カズマ「いいか・・・?どんな夢でも見せてもらえる喫茶店があるんだ」ヒソヒソ…

トニー「・・・夢?」

カズマ「あぁ、サキュバスがこっそりと運営してる喫茶店だ」ヒソヒソ…

トニー「僕が若いころに行ったカジノでも“私はサキュバスよ”なんて言って近付いてきた女性が居たっけな・・・そんな感じか?」ヒソヒソ…

カズマ「何それ羨ましい・・・って、違う!そういうことじゃない!」ヒソヒソ…

トニー「誘ってくれてうれしいが、僕はもうペッパーという心に決めた人が・・・」ヒソ…

カズマ「・・・ペッパーにも会えるって言ったら?」ヒソ…

トニー「詳しく」


カズマ「お、おう・・・あのな?サキュバスってのは下級の悪魔で、眠っている男に淫夢を見せるんだ。そして、その夢を見せている間に男から精気を吸う。悪魔のご飯は、人間の悪感情だからな」ヒソヒソ…

トニー(バニルもそんなことを言っていたな・・・)

カズマ「淫夢の値段は格安だ。サキュバスたちは人として生活できる最低限のお金があればいい、目的は精気を吸って生きていくことなんだからな。そして、俺達は精気を吸ってもらうことによって仲間に劣情を抱かなくても済むし、一人でゴソゴソする必要もなくなる」ヒソヒソ…

カズマ「アクセルの犯罪率が国内で最も低い理由を知っているか?サキュバスの店があるからなんだ」ヒソヒソ…

トニー「・・・完璧じゃないか」

カズマ「良いか?話はここからだ。夢を見せるって言ったろ?つまり、なんでもいいんだ。どんなシチュエーションでも、どんな相手でも、自分がどんな存在になるかさえもだ。条例だとか肖像権だとかそんなものも一切存在しない。なぜなら?そう、夢だからだ!」ヒソヒソ…

トニー「完璧じゃないか!」

カズマ「馬鹿っ!声がデカい!あの店は女に知られちゃまずいんだ!」ヒソヒソ…

トニー「おっと、失礼。ロキの事が完全に頭から抜け出る位には良い事を聞いた。さっさと倒して帰ろう」

カズマ「あれ・・・?俺らの目的ってこの世界を救う事だったような・・・」


めぐみん「あの男達、一体何を話していたのでしょうね?」

アクア「鼻の下が伸び切ってる顔からして、絶対ロクな事じゃなさそうね・・・」

トニー(いやぁ、帰るのが楽しみだ・・・)

ゆんゆん「あの・・・トニーさん?」

トニー「なんだ?さっきの会話の内容なら話せないぞ?」

ゆんゆん「いえ、違うんです・・・そうじゃなくって、えっと・・・そ、その・・・知力の高いトニーさんに、聞きたいことが・・・」

トニー「友達の作り方なら、僕も知りたい」

ゆんゆん「えぇっ!?私まだ何も・・・」

めぐみん「大丈夫ですよ、ゆんゆん。あなたが恥ずかしい質問をしなくても済むように私があらかじめトニーにゆんゆんが悩んでいるであろうことを話しておきました」グッ

ゆんゆん「余計に恥ずかしいんだけど!?」


トニー「君には既にいい友達がいるじゃないか、友情は欲張るもんじゃない。僕は友達を作る事よりも今いる友達を大切にしてるよ」

めぐみん「トニーもたまには良い事言うじゃないですか」

アクア「本当ね。いつも嫌味と皮肉と傲慢な発言しかしないのに」

トニー「そんなにか?」

アクア「エゴイスト根性が魂にまで染み付いてるって感じよ」

トニー「君にだけは言われたくないぞ。アルコールと能天気がDNAにまで染み付いてるクセに」

アクア「・・・女神を馬鹿にしてると痛い目に・・・」

トニー「神とは目に見えない魔法の友達に全責任を押し付ける無能なやつらが考えだしたフィクションだ」

アクア「ち、違うわよ・・・ここにちゃんといるし・・・可愛い信者だっているんだからっ・・・」ジワッ…

トニー「君の言う信者ってのは君の考えや思想に共感した、ただの賛同者の集まりだろ!」

アクア「うっ・・・うわああああああん!!!カズマさぁぁあああん!!トニーが私の存在を全否定したぁああああああ!!」ワッ

ゆんゆん「ト、トニーさん・・・ひどい・・・・」


カズマ「アクアを虐めるなよ・・・面倒なんだから・・・」

トニー「言われたから言い返しただけだ」

アクア「うぅ・・・ぐすっ・・・」

トニー「・・・分かった。悪かったよ、ごめん。ラボのお酒また自由に飲んでいいから・・・」

アクア「・・・焼酎も飲んでいい?」チラッ…

トニー「君、実はそんなに気にしてないだろ」

アクア「とっても傷ついたんですけど!!謝って!ねぇ謝って!女神を否定したこと謝って!!」

トニー「はいはい、この車に積んであるお酒で一番いいのを注いでやるから・・・」


     ピピピッ


カズマ「---!」ビリッ


フライデー『ボス!上空に巨大な生体反---』

カズマ「トニー!敵感知だ!上から来るぞ!気をつけ---」


    ガ ク ン ッ!
    

ゆんゆん「きゃぁっ!?」グラッ…

トニー「フライデー、何が起きてる!?」

フライデー『車体上部に正体不明の巨大生物を検知、脱出できません。車体強度をスクリーンに表示します』ヴンッ


    〔車体強度 97%〕


      ググッ…


ダクネス「お、おい!車体がどんどん地上から離れていく!飛んでるぞ!!」

めぐみん「い、いいい・・・一体何が・・・!」

カズマ「おい、落ち着けめぐみん!トニー!この車は持つのか!?」

トニー「戦車砲を打ち込まれても耐えられるようにできている!」


    メギギィ…
       ピシッ…


   〔車体強度62%〕


アクア「車がひしゃげ始めてるんですけど!?窓にもヒビが入ってるんですけど!?」

トニー(一体どんな生物だ・・・!)

ウィズ「鋼鉄製の車体を力だけで曲げ、なおかつ空を飛ぶモンスターなんて・・・」

カズマ「めぐみん!サンルーフから何か見えないか!?」

めぐみん「少し待ってください!揺れてて動きが・・・!あっ、見えそうです!確認し・・・」


    グルルルル…
     ギョロッ…

めぐみん「ド、ドドド、ドラ・・・」サァッ…

ドラゴン「ゴァァアアアアアアアッッ!!」ビリビリ…

めぐみん「ドラゴンですぅぅぅうううっ!!!!」

カズマ「ドラゴンンンンンン!!?なんでそんな怪物がいるんだよ!」

ウィズ「どうやらここはもうヴォーミアの近くみたいですね・・・!思っていた以上にこの乗り物の速度が速かったようです・・・!この辺のモンスターはとても強力ですよ!」

カズマ「マジかよ!もうそんなとこまで来てたの!?ていうか、大丈夫なのかこれ!?もう地上から相当離れてるぞ!」

ドラゴン「グルァァァァァアッ!!」ググッ…


       メキメキ…


    〔車体強度 41%〕


ゆんゆん「窓ガラスが・・・!こ、このままじゃ危ないです!もし割れた窓から中にブレスなんて吐かれようものなら・・・!」


めぐみん「ひっ・・・!ゆんゆん!何とかしてください!!」

ゆんゆん「落ち着いてよめぐみん!なんでそんなにパニックになってるの!?」

めぐみん「私が逆境に弱い事くらいは知ってるでしょう!?こんな爆裂魔法も打てない状況じゃ私もう本当にただの一般人!!大体、なんでドラゴンに狙われてるんですか!?こんなおいしくもなさそうな物を狙うなんて・・・」

ウィズ「ドラゴンは光物が好きで、よく金品や綺麗な鎧などを集めています。ですので・・・その・・・」チラッ…

トニー「・・・」フイッ…

トニー「鏡面仕上げに・・・すべきじゃなかったな・・・」ボソッ…

カズマ「お前かぁぁぁあああああああ!!お前ふざけんなよ!?何してくれてんの!?」

トニー「高級車はピカピカにしてこそだろ!!」

カズマ「うるせえ!!大体カラーリングからしておかしいんだよ!なんでお前の鎧と同じにしてるんだ!どんだけ目立ちたがり屋なんだよ!!走る棺桶じゃねぇか!!あれだ、お前バカだろ!頭は良くても根っこはバカだろ!!」

トニー「その棺桶の中でくつろいでたくせにつべこべ言うな!!」


ダクネス「おい!喧嘩してる場合じゃないぞ!!窓ガラスが・・・!」

     ピシッ…
      ピキキッ…

    〔車体強度19%〕

カズマ「うおおっ!?馬鹿なことやってるうちに車体強度が大変なことに・・・!トニー!何とかしてくれ!」

トニー「車体表面に電流を流せ!」

フライデー『電気系統、損傷』

カズマ「銃とか火炎放射器とか付いていないのか!?」

フライデー『銃火器系統、損傷』

カズマ「なんなら使えるんだ!」

フライデー『エアコンは快調です』

カズマ「なめんな!!」



トニー「こうなったら僕が直接外に出て戦う!」バッ

ダクネス「お前は今鎧を着ていないではないか!どうするつもりだ!」

トニー「この車に搭載してある!」

ダクネス「一体・・・何を言っているんだ・・・?」

トニー「アクア!運転席から離れろ!」ダッ

アクア「わ、わかったわ!」サッ
   
    ミシィッ…
     ベキベキ…


    〔車体強度9%〕


アクア「わ、わあああああーっ!!トニー!トニー!!なんでもいいから早くしてえええええっ!!」

トニー(間に合えよ・・・!)バッ

 
   ピッ ピピッ


ドラゴン「ゴァァァアアッ!!」


    ベゴンッ!
      ボゴッ…
 ギギギギ…



   〔車体強度1%〕


カズマ・アクア「「もう駄目だあああああああ!!」」









トニー「スーツ装着」ピッ…


     ガシャンッ
     ウィーンッ
    ウィィイッ ガキンッ

ゆんゆん「なんですか・・・あれ・・・」

ウィズ「ソ、ソファが変形してる・・・!」

   ガコガコガコ…   
    ガキキッ… 

めぐみん「お、おおお・・・!!」

     ガシンッ…
      カンッ

トニー「ぶちのめすぞ」キュィィィィンッ


    バリィィィィイインッ!!


ゆんゆん「トニーさんが窓突き破って出て行ってしまいましたよ!?大丈夫なんですか!?」

めぐみん「ふふふ、心配いりませんよ。彼の鎧は空を飛ぶのです」

ゆんゆん「え、えぇ・・・?」

ウィズ「何度か見せてもらった事がありますが・・・いまだに信じられないです」



----------------------------------


車外


ドラゴン「グルル…」

トニー「僕の愛車を離してもらおうか、トカゲ野郎」

ドラゴン「・・・」ボゥッ…

トニー「君口から火を噴けるのか?」

フライデー『ボス、ドラゴンの口に膨大な熱エネルギーが集まっています。対抗措置を』

トニー「口から何かを撃とうとしている奴への反撃なんて一つしかないだろう」ジャキッ

トニー「アクア、聖書のヨナを知っているか?」

アクア『えっ!?あの人の真似はやめておいた方が・・・』



トニー「突っ込むのは僕じゃなくてミサイルだけどな」パシュゥゥゥゥッ

    ズガァァアアアッ!

ドラゴン「ギェァアアアアッ!?」グラッ

    ポロッ…

フライデー『車が落下します!』

トニー「わかってる!!」ドシュゥゥゥウウッ!!

    ガシッ
     グググッ…

めぐみん『トニー!聞こえてますか!?ドラゴンはどうなりましたか!?』

トニー「ドラゴン?あぁ、あのトカゲなら一杯食わされて慌てて帰っていったよ。今降ろしてやるからな」

     シュゴゴゴゴ…

      ガシャンッ

       スタッ

アクア「いたた・・・もっとゆっくり降ろしてよ・・・」ガチャッ


トニー「フライデー、車はまだ走れそうか?」

フライデー『不可能です。もう動けません』

カズマ「バニルの忠告通り、ゆんゆんとウィズを連れてきて正解だったな。帰れなくなるところだった」

ウィズ「ギリギリですが、なんとかヴォーミアにたどり着くことができましたね」

カズマ「全員車から出たし、作戦をもう一度説明するぞ。ゆんゆん、念のため確認しておくが、テレポートはもう習得済みなんだよな?」

ゆんゆん「はい、最近ようやくですが・・・」

カズマ「よし、まずはここをテレポートの転送先に登録。あとはウィズの姿を消す魔法と、俺の潜伏を使って敵から隠れつつ、千里眼で誘拐された人たちを探す。見つけたら後はゆんゆんがひたすらテレポートで行方不明者をアクセルへと飛ばしていく」

カズマ「ゆんゆんの魔力が切れたら俺がドレインタッチでアクアからゆんゆんに魔力を供給する。そうして全員をテレポートで救出させたら後は簡単。そのまま姿を隠してロキを探し出し、不意打ちでめぐみんとウィズの爆裂魔法とトニーの最大火力を叩き込む。ここまでしたらさすがに倒せるだろ。何か質問は?」

トニー「特にないが・・・よくもまぁ、こんなえげつない作戦が立てられるもんだ。ロキは何も分からないまま集めた労働者を根こそぎ奪い返され、さらに爆裂魔法を撃ちこまれるなんてな・・・」

カズマ「なんだよ!さっき説明した時は“良い作戦だ”って言ってただろ!」


トニー「いや、確かに良い作戦ではあるんだが・・・僕の知り合いにもこういう時作戦を立案する奴がいてな。彼が聞いたら顔をしかめそうだ」

めぐみん「カズマはいつも狡すっからくてえげつない作戦を立てますよ?そのうち慣れます」

ダクネス「安全に倒せるなら手段を問わないからな。この男は」

アクア「言ったって治らないわよ?」

ゆんゆん・ウィズ「・・・」

カズマ「お前ら好き放題言いやがって・・・!ほら!さっさと行くぞ!ドラゴンとの戦闘で大きな音も立てちまったしな、モンスターが寄って来る前に作戦を始めるぞ!ウィズ頼む!」

ウィズ「は、はい!・・・あの、ここって本当は危険なモンスターがたくさんいるはずなんですよ・・・あれだけ大きな騒ぎを立てて、敵感知にまだ反応がないですか?本来なら、もうすでに多くのモンスターがこっちに向かって来ててもおかしくはないはずですが・・・」

カズマ「・・・確かに、全くないな」


めぐみん「考えられる理由としては二つですね。一つはたまたま運よくモンスターが居なかった。もう一つは、あらゆるモンスターが近付かないほどの強力な存在が近くにいるか・・・あの、これは気のせいだといいんですが・・・トニー、さっきのドラゴンと戦ってて何か気が付きませんでしたか?」

トニー「・・・?いや、特に何も気が付かなかったが」

めぐみん「さっきは言う暇がなかったんですが・・・車の中でドラゴンと目が合った時、心なしかドラゴンの目が焦っているかのような、何かを恐れているかのような目をしていたように感じていたんですよ」

ゆんゆん「・・・つまり、さっきのドラゴンは何かから逃げていたってこと・・・?だ、だとしたら---」



        ザッ…





「どこかで見た顔があるかと思えば・・・」


「「「「「「!!」」」」」


ロキ「三年ぶりか?スターク。世界は狭いな」

トニー「・・・やぁ、トナカイ君」

今回はここまで。次回更新できそうな日が決まったら追って報告します!
実はMCUのやり取りのパロだけではなくて、このすばのパロや、同じく暁なつめ先生が書いている「戦闘員派遣します」のパロも入っています。気になったら探しててくださいね!

オマケ 

>>284のイメージ

https://youtu.be/Z8bmA9WGyL4


カズマ「な・・・なんで敵感知が・・・!」

ロキ「敵感知?ふっ、いいか小僧。お前達は私にとって虫ケラと変わらない。いちいち敵視するとでも?」

カズマ(こいつ!俺の大嫌いなタイプだ!)

ロキ「うん・・・?」チラッ

アクア「・・・?な、なに・・・?」

ロキ「ほぉ、水の精か。この世界でも変わった仲間を連れているようだな」

アクア「せ、精!?水の精じゃなくて水の女神なんですけど!!」

ロキ「信仰心の力が無ければ存在さえできない程度の存在が神を名乗るな。神の格が下がるだろ?」

アクア「きぃぃいいいーっ!!」ジタバタ


ウィズ「アクア様!落ち着いてください!」

めぐみん「・・・もう爆裂魔法を撃ってもいいですか?正直、これ以上この男の罵倒を黙って聞いていられる自信がありません。大体、あの岩の上から私達を見下して登場なんて演出が気に食わないです。ああいうのは選ばれし紅魔族である私の役です」

カズマ「後半何言ってるか理解できなかったけどやっちまえ!」

ロキ「おっと、そんなことをしていいのか?お前たちがせっかく探しに来た人間共が塵になるぞ?」

  ゾロゾロ…

ダクネス「あれは・・・!誘拐された人たちか!?」

めぐみん(セシリーお姉さんもいる・・・!)

ダクネス「その人たちを離せ!それでも神を自称する男か!聞いてあきれる!人質を取って好き放題攻撃するのだとしても、私は決して屈しないぞ!」

カズマ「ここだけだとかっこいいんだけどなぁ・・・」

トニー「・・・いうな」


ロキ「歯向かう前に話を聞け。私はこの世界を平和にしようとしているのだぞ?まず第一に私の圧倒的な」

セシリー「ハァハァ・・・ロキ様・・・!八頭身の美しい長身にその下すような視線はあまりにも似合いすぎです・・・そして、細いかと思いきや以外にも引き締まっていてがっしりとした体・・・美しさすら感じます・・・ハァハァ・・・」ペタペタ

ロキ「・・・まず第一に私の圧倒的な力を見せつ」

アクシズ教徒A「ロキ様・・・!あぁ、ロキ様・・・時折見せる不敵さと知性が合わさった笑みが大変うつくしゅうございます・・・私は男ですが、あなたのその知性あふれる表情の中に愛嬌も感じられる甘いマスクの虜です・・・ハァハァ・・・」ペタペタ

ロキ「触るな!なんなんだお前達は!私から離れろ!ぐっ・・・離れろと言っているだろ!」ブンッ

カズマ「・・・なぁ、あれ放っておいてもいいんじゃないか?」

めぐみん「私もそんな気がしてきました」

アクア「うわぁぁぁぁああん!カズマさぁぁぁぁぁああん!!私の可愛い信者たちが取られたぁぁぁあああ!!」ビェェ

カズマ「今はむしろ都合が良い。このまま放置で」

アクア「そんなの嫌よ!!取り返すの手伝って!!」


ゆんゆん「でもおかしいね・・・あのアクシズ教徒が他の神を信仰しだすなんて・・・」

めぐみん「えぇ、アクシズ教徒は狂信的な信仰心を持っていると聞きますから、確かにおかしいです。というより、高レベルの冒険者たちまでもが跪いているのは一体どういうことなのでしょうか・・・まるで本当にロキを信仰しているかのようです・・・」

ウィズ(跪いている人たちから、本来持っているものとは違う魔力を感じる・・・まるで何かの魔法をかけられているかのような・・・これは・・・まさか・・・)

ウィズ「・・・使いましたね?禁呪とされている魔法を」

カズマ「禁呪?どういうことだ?ウィズ」

ウィズ「問答無用で対象の心を支配し、意のままに操る凶悪な服従の洗脳魔法。数百年前に封じられた禁呪です・・・私がリッチーになろうとしたときに名前だけ見た魔法ですが、まさかあれだけの規模で扱えるなんて・・・」

ロキ「この世界の禁呪程度、私からすれば初級魔法と何ら変わらない。実に私向けの、使い勝手がいい魔法なので使わせてもらってるよ」

ウィズ「せめて、戦いとは関係のない市民たちは解放してあげてください!彼らには何の罪もありません!」

ロキ「魔王軍幹部のお前が何故人間の味方をする?」

ウィズ「ど、どうして私の正体を・・・!?」

ロキ「自己紹介がまだだったな」








ロキ「我が名はロキ。魔王軍幹部の一人にして悪戯の神」

トニー「・・・プッ」

ロキ「・・・何がおかしい?」

トニー「おい、聞いたか?ロキはこの世界を支配するなんて大層な野望掲げてるくせに魔王の下についているだとさ。しかも自分をイタズラの神だなんて名乗っているぞ!ひょっとして卑下してるのか?神様ジョークは分かりにくいな!」

ダクネス「おい、笑うなトニー・・・失礼だぞ・・・ププッ・・・!」プルプル…

カズマ「宴会芸の神よりしょうもない肩書だな・・・プッ」

ゆんゆん「や、やめましょうよ・・・かわいそうですよ・・・」

アクア「ちょっと!何怒らせるようなこと言ってるのよ!」

カズマ「どうしたアクア、いつもならお前も混じって相手を煽るだろうに」


アクア「相手が相手でしょ!!格上の神を倒すときは下手に出て、高慢な態度を利用して隙を突くのよ!!」

めぐみん「アクアも既に取り返しのつかないこと言ってますよ?」

ロキ「・・・私が魔王軍に付いているのは、この洗脳魔法を教えることと引き換えに魔王軍に協力を頼まれたからだ。私から進んで魔王軍に下ったわけではない。この魔法の力を使って配下を増やし・・・そして魔王諸共この国を乗っ取る」

ロキ「この国の支配が終われば・・・大した武力を持たない他の国は抵抗もせず降伏するだろう・・・世界征服までもう目前だ」ニヤ…

カズマ「ウィズ、あんなこと言ってるぞ。今の内に魔王にチクって来いよ」

ウィズ「えっ!?た、たしかに・・・そうすべきなのでしょうか・・・」

ロキ「・・・お前はそんな嫌がらせ程度にしかならないことを良く実践する気になるな」

カズマ「うるせーな!イタズラの神に言われたってなんとも思わねーよ!!いいか、よく聞けよ!嫌がらせとはいえ、このことを魔王にバラされたら面倒なことになるのは確かだろ?だから、お前が誘拐した人間を半分解放しろ。そしたら黙っておいてやらないこともない」

ロキ「・・・」

カズマ「恨むなら自分を恨めよ?あんなふうに自分からドヤ顔で計画を明かすお前が悪いんだからなぁ!」

ロキ「そんな脅しが通用するとでも?ここでお前たちを殺せば何の問題もあるまい。わざわざ計画を語ったのもお前たちがここで死ぬからだ」

カズマ(やっぱりそう来たか・・・!)


ロキ「それに、もう手遅れだ。手駒として連れてきた人間の中にはまるで役に立たない平民もいたんでね」

ロキ「そいつらは処分した」

カズマ「え、今なんて」

ロキ「処分したと言ったんだ。役に立たない人間など、置いて何の得がある?使えない平民は皆冒険者に殺させ---」






   「『カースド・クリスタルプリズン』」


       パ キ ィ ン ッ !


ロキ「ッ!?」バッ

   
    パキキ…


ロキ「・・・冒険者たちごと私を氷漬けにするつもりだったのか?」

ウィズ「いいえ?私の得意なこの魔法なら絶対にあなただけを凍らせて粉々に砕くことができる自信があったので・・・」

ロキ(なんだ・・・?急に様子が・・・?)


ウィズ「魔王軍幹部になったんですよね?なら、魔王さんから私について何も聞かなかったんですか?」

ロキ「老いぼれの話を聞くのにはうんざりしててね」

ウィズ「あなたが戦闘に携わる物以外の殺傷をしなければ・・・私は敵対するつもりはありませんでした」

ウィズ「ですが・・・役に立たないから殺した・・・?それも、洗脳した冒険者を使って・・・?」

ウィズ「あなたは神と言う尊い存在でありながら、何故そうも人を踏みにじるのですか!?」

ロキ「私が神だからこそ、それが弱者の定めというものだ!!『インフェルノ』ッッッ!!」

       ゴ ゥ ッ !


カズマ「おいなんだありゃ!!!トニー!ロキって上級魔法使えんのか!?」

トニー「僕と同じだ!便利だと思ったからスキルを取った僕と同じで、あいつも使えると思ったからこの世界の魔法を取ったんだろうよ!」

ゆんゆん「あんなの見たことないですよ!上級魔法の威力じゃないです!あれほどの炎なんて・・・」


めぐみん「カ、カズマ!どうしますか!?私の爆裂魔法ならあの炎も相殺できると思いますが・・・」

カズマ「お前は撃ったら動けなくなるだろ!まだダメだ!」

ダクネス「あれを受けたら・・・私はどうなってしまうのだ・・・?」

カズマ「炭になるわ!!畜生!まともな奴がいねぇ!ゆんゆん!ウィズ!ここはいったん撤退だ!テレポートを頼む!もう時間がない!!」

ウィズ「わかりました!ゆんゆんさん!準備は良いですか!?」

ゆんゆん「はいっ!」

アクア「っ!」バッ

カズマ「は!?おいアクア!なんで前出てんだ!!戻ってこい!」

アクア「嫌よ!自分の信者を救うこともできずに、ここで逃げ帰ったら次から私はどんな顔して信者の子達に会えって言うのよ!」

トニー「そんなワガママ言ってる場合じゃ無い!もう炎がすぐそこまで来てるんだぞ!」


カズマ「アクアはトニーが抱えて飛んでくれ!俺たちはテレポートで飛---」

アクア「この世に在る我が眷属よ・・・!」ズズズ…

カズマ「---ぶ・・・?」

アクア「水の女神、アクアが命ず・・・!」

アクア「『セイクリッド・クリエイトウォーター』ッッッ!!!」


   ゴ バ ッ !
  バシャァァァアアッ!!


カズマ「うぉおおおおおおお!?」

ゆんゆん「凄い・・・!あの業火を真正面から止めてる・・・!」


  ズドドドドド…


アクア「うぉりゃぁぁぁああああっっっ!!」ググッ…

トニー「良いぞアクア!その調子だ!」

ロキ「水の精ごときが・・・!調子に乗るな!」

カズマ(うん・・・?今なら・・・)コソッ…


アクア「さぁ、観念して私の信者たちを返してちょうだい!!」

ロキ「後でお前の目の前で殺してや・・・」

カズマ「『スティール』ッッッッ!!」パシッ



  「「「「「「えっ」」」」」



ロキの杖「」

カズマ「ふへへ・・・」ニヤッ

カズマ「いぇえええええええい!!馬鹿みたいに魔法を撃ってる間、潜伏でこっそり近付いてるとも知らずにめでたい奴だな!!なーにが神だ!ざまあみろ!!人間舐めてっからこんな目に合うんだよ!!所詮はイタズラの神だな!!ばぁあああああああああか!!!」ゲラゲラ

カズマ「今だアクア!杖が無ければ魔法の威力は半減だ!やっちまえ!!」


  「「「「「「「・・・」」」」」」」


カズマ「お、おい・・・どうしたんだよ、魔法のぶつけ合いまでやめちまって・・・」

ダクネス「・・・今のは無いぞ」

めぐみん「美味しいところを持っていくという考えは紅魔族の私にはわかります。ですがこれは・・・」

アクア「あんたね、さすがに今のは邪魔するべきじゃなかったと思うの」


トニー「・・・いや、君はこれ以上ない位うまく隙を突いて敵の武器を奪ったんだ。よくやった。気にするな」

カズマ「なんだよお前ら!俺がせっかく勝機をみつけてやったってのに!もういい、ウィズ!この杖をぶっ壊してくれ!そのあとロキは数に物言わせてぶちのめそうぜ!」

ロキ「・・・」

めぐみん「杖を取られたと言うのになぜあの男は普通に立っているのでしょう・・・?」

トニー「・・・変だな。正面にいるロキから生体反応を感じない」

ダクネス「なに・・・?カズマ!何かおかしいぞ!こっちに戻ってこい!」

ウィズ「カズマさん!戻ってきてください!カズマさんが奪った杖はおそらく偽物です!」

カズマ「え」

  ドスッ…

カズマ「がっ・・・!?」ゴボッ…

めぐみん「カズマあああああああ!!」

ロキ「本気で私を出し抜けるとでも思ったのか?」グリッ…

カズマ「ぅ・・・」ボタボタ….

ロキ「哀れな男だな」ブンッ

  ドシャッ…

ゆんゆん「そんな・・・カズマさんが・・・!」


アクア「ロキが・・・二人・・・?」

ウィズ「・・・さっきまでロキさんが立っていたところからは何の生気も感じられず、カズマさんが持っている杖からはなんの魔力も感じられませんでした・・・おそらく幻影の類です・・・」

トニー「・・・」

ロキ「ほら、このゴミはお前らのだろう?返してやろう」ドカッ

   ズシャァッ…
    ゴロゴロ…

ダクネス「貴様・・・!大切な仲間を串刺しにした挙句足蹴にするなど・・・!絶対に貴様を殺してやる!!」

めぐみん「私にやらせてください。あの邪神気取りは爆裂魔法で塵にしないと気が済みません」

トニー「いや、駄目だ」

めぐみん「そんな!どうしてですか!?」

トニー「作戦は失敗し、カズマが殺された!一度撤退すべきだ!」

めぐみん「うぅ・・・!」

アクア「でも・・・!」

トニー「ゆんゆん!アクアとめぐみんとダクネス、そしてカズマの遺体を連れてアクセルにテレポートしてくれ」

ゆんゆん「は、はい!」


トニー「ゆんゆんがテレポートするまでの時間は僕とウィズが稼ぐ」

ロキ「帰れると思っているのか?」ユラッ…

ウィズ「サポートします!『カースド・ライトニング』ッ!」ヴァチチッ…

       ズァッ!

ロキ「無駄だ!」パァンッ

ウィズ「『ライトニング・ストラ・・・」

ロキ「邪魔なアンデッドだ・・・!『クリムゾン・レーザー』ッ!」ドゥッ

ウィズ「!」

トニー「僕が打ち消す!」ヴァゥゥンッ

      バチィンッ

アクア「うぅぅ・・・何もできずに帰るなんて・・・!」

トニー「早く行け!」ヴァゥゥンッ


ダクネス「だが・・・!」

トニー「行け!冷静じゃない頭で戦って、僕らまでやられたらカズマの死が無駄になる!良いから行け!」

ダクネス「・・・」

アクア「・・・必ず戻ってくるわよ」

めぐみん「・・・わかり・・・ました・・・!ゆんゆん、お願いします」ギリッ…

ゆんゆん「うん!トニーさん!ウィズさん!必ず戻ってきてください!『テレポート』ッ!」


       フッ…


トニー「よし、アクアたちは脱出に成功したな。ウィズ、僕が隙を作ってすぐ君の方へ飛ぶ。テレポートの用意をしておいてくれ」

ウィズ「準備します!気を付けてください!」

トニー「さて、真正面からのぶつかり合いと行こうか。トナカイ君」ドシュゥゥッ

ロキ「変わったのはスーツの見た目だけか?相変わらず身の程知らずな男だ!『ライト・オブ・セイバー』ッ!」ブォン



トニー「なんてな」サッ
  
  ヴァゥゥンッ

ロキ「ぐっ・・・!」ズガンッ

トニー「本当に真正面から突っ込むと思ったか?」

ロキ「・・・ずいぶんと姑息な手だな。誰かの影響か?」

トニー「さぁな。ところで、これが何か分かるか?」スッ…

ロキ「・・・?なんだ?お前の新しいおもちゃか?」

トニー「その通り、僕の商品第一号の閃光弾だ」ポチッ

      カッ!

ロキ「ッ!」

トニー「気に入った?欲しいならウィズ魔道具店へどうぞ。ウィズ!今だ!」バシュゥゥッ

ウィズ「準備できています!行きますよ!」

ロキ「お前たちは・・・私の前に敗れる!必ずだ!」ダッ

トニー「そのセリフ前にも聞いた。次も僕らが勝つさ、カズマの仇は必ず取る。覚悟しろ、ロキ」

ウィズ「『テレポート』ッ!!」


今回はここまでです。トニーはカズマが何度も蘇生できるのを知りません
そしてロキに超強化が・・・!次回は未定ですが、当行の目途が立ったら報告します


※このSSに出てくるヴォーミアはIWに出てくる舞台とは一切関係ありません。名前だけ使っただけです


>>310の最初とか擬音だけで何やってるかいまいちわからない場面の解説求む…

>>314

真正面から突っ込むと宣言をしておいて、側面に素早く回って攻撃しました
描写不足で申し訳ないです・・・次回から分かりやすいように工夫していきますね

台本形式だと戦闘描写は難しいですね・・・
他にもわかりにくい表現などがあった場合、どんどんご指摘ください
改善していきます

>>309 からの流れが個人的に気に入らなかった為、少し修正します


ダクネス「だが・・・!」

トニー「行け!冷静じゃない頭で戦って、僕らまでやられたらカズマの死が無駄になる!良いから行け!」

ダクネス「・・・」

アクア「・・・必ず戻ってくるわよ」

めぐみん「・・・わかり・・・ました・・・!ゆんゆん、お願いします」ギリッ…

ゆんゆん「うん!トニーさん!ウィズさん!必ず戻ってきてください!『テレポート』ッ!」

       フッ…

トニー「よし、アクアたちは脱出に成功したな。ウィズ、僕が隙を作ってすぐ君の方へ飛ぶ。テレポートの用意をしておいてくれ」

ウィズ「準備します!気を付けてください!」

トニー「あんたは相変わらず人を怒らせるのが得意なんだな。ロキ」キュィィィン…

ヴァゥゥンッ!

ロキ「お前こそ、変わったのはスーツの見た目だけか?」パァンッ


トニー「どうだろうな。あんたで試してみるよ」ジャキッ

ロキ「何度撃っても弾かれるだけだ」ス…

  パシュゥゥゥッ 
      ズガァァンッ
    

ロキ「・・・?なんだ?地面など撃って・・・こんな爆煙を起こした程度で目くらましになるとでも?」

    シュゥゥ…

ロキ「・・・」

  キュィィ…

ロキ「丸わかりだ!!『ライト・オブ・セイバー』ッッッ!!」ブォンッ

     ズバンッ…
      ドサッ…

ロキ(手ごたえありだ)ニヤ…


Mk45「」ガランッ… ヴァチチッ…
  
ロキ「・・・!」

ロキ(空だと・・・!?)

トニー「ウィズ、面白いものが見れたな!僕を切ったと勘違いして舞い上がってるロキだ!ちゃんと撮ったか?フライデー」

フライデー『はい。ちょうどいいタイミングで煙が晴れたので綺麗に撮れています』

ウィズ「悪党相手とは言え、こういう嫌がらせはどうなのでしょう・・・」

ロキ「・・・らしくない搦め手だな。誰かの影響か?」

トニー「さぁな。だが、イタズラの神相手にこんな付け焼刃の搦め手が効くと分かってよかったよ。ウィズ、頼む」

ロキ「小賢しい・・・!お前たちは私の前に、必ず敗れる!」

トニー「そのセリフは前にも聞いた。次も僕らが勝つ、そしてカズマの仇は必ず取る。覚悟しろ、ロキ」

ロキ「『エナジー・イグニ・・・」

ウィズ「『テレポート』ッ!」

     フッ…


修正はこれで終わりです
続きはおそらく今週末か開け頃になると思います

......
....
..
.


カズマの屋敷



トニー・ウィズ「・・・」ガチャッ…

ゆんゆん「トニーさん!ウィズさん!無事だったんですね!」

トニー「なんとかな・・・スーツが真っ二つにされたが・・・」

ウィズ「申し訳ありません・・・逃げ帰るだけで精いっぱいでした・・・なんて情けない・・・」

ゆんゆん「き、気にしないでください!あれは仕方なかったことだと思います・・・」

トニー「なぁ、ゆんゆん・・・アクアはどこだ?」

ゆんゆん「アクアさんなら・・・カズマさんの部屋に・・・」


トニー「・・・ったく、バカな男だ、勝手に突っ走ってあんな間抜けな・・・」

ダクネス「っ!トニー!」

めぐみん「・・・おい、死んだ仲間を馬鹿にすると言うのなら私にも考えがある」

トニー「あれはあまりにも無茶だった!作戦を話してくれさえすればいくらでもフォローのしようがあったはずだ!」

ダクネス「どうしようもならない時だってある!失敗したことを責めるのはやめろ!」

ウィズ「トニーさんもダクネスさんも落ち着いてください・・・!」オロオロ…

ゆんゆん「めぐみんも!そんな目を赤くしないで!」

めぐみん「・・・」フイッ…

ダクネス「・・・そうだな。すまない、熱くなりすぎた。私は今回何もできなかった・・・前日にカズマが背中を押してくれたと言うのに・・・」

めぐみん「私も・・・今回は何もしていないので、発言は控える事にします・・・まぁ、次こそは私とカズマであの似非邪神を粉砕してみせますよ」


トニー「君はまだしも、カズマ?一体何を・・・」


  ガチャッ…


カズマ「今回は死ぬほど恥ずかしい死に方したなぁ・・・ハァ・・・」

アクア「実際死んだじゃない」

トニー「!?!?!?!?」ガタタッ…

アクア「・・・?どうしたのトニー?鳩が爆裂魔法を食らったような顔をして」

カズマ「えっ・・・何この反応。なんでこんな・・・あっ、俺がリザレクションで何度でも蘇れるってこと知らない・・・?」

トニー「なんで生きてる!?心臓を貫かれたハズだろ!?」

カズマ「トニー、お前は本でこの世界の魔法について勉強したんじゃなかったのか?」

トニー「リザレクションは知っている!だが、あんたは転生者として一度生き返っているだろ!?なんでまた・・・」

カズマ「俺は何度でも生き返らせてもらえるんだよ。いや、本当は駄目なんだけどさ・・・」

アクア「あんたが今ここに立っていられるのは、私のおかげってことを忘れない事ね!カズマ!」

カズマ「いや、お前じゃなくてチート武器を貰っていたらそもそも死ぬことは無かったと思うんだけど?」

トニー「・・・」ハァ...


カズマ「なんだよ、死んだと思った俺が生きててガッカリなのか?」

トニー「喜んでやれなくて悪かったな。僕の世界じゃ、心臓を貫かれて死んだ後に生き返る奴なんていなかったもんでね。あまりの展開に驚いていただけだ」

ウィズ「本当は喜んでるはずですよ?さっきはロキさんに対してものすごく怒っていたんですから」

トニー「・・・何も言うな」

ウィズ「“カズマの仇は絶対に取る、覚悟しろ”って。あの時のトニーさんの目は本当に凄かったですよ?」

トニー「・・・話聞いてたか?」

アクア「おっさんのツンデレなんて需要ないわよ?」

カズマ「えっ?俺知らないうちにおっさんとフラグを立ててたの?・・・トニー、俺はノーマルなんだ。お前の気持ちには答えられない。ごめんな」

トニー「なんでそうなるんだ!僕にはペッパーがいるって言ってるだろ!勝手に誤解して勝手に振るな!」

>>328

心臓を貫かれて死んだ後に~

実は心臓を貫かれた後に蘇生された人間はMCUにいる。しかも、その人物はトニーを含めたアベンジャーズと接点のある人物
というか、死んだ後に蘇生された人間はMCUには結構いたりする


トニー「はぁ・・・ここに来てからため息ばかりついてるな・・・」

めぐみん「それより、今はロキです。あの男の計画とコロナタイトがどう関係しているのかは分かりませんが、もし見つけてしまったのなら今すぐにでも手を打たねばなりません」

アクア「あ、それなんだけどね・・・」ゴソゴソ…

アクア「じゃん!これ、なんだと思う?」

ウィズ「赤々と燃えているその鉱石は・・・まさか・・・!」

アクア「そう!コロナタイトよ!」

めぐみん「一体どこでそれを・・・?」

アクア「なんかよくわからないんだけど、カズマの体の修復をしてる時にこれがカズマの手に握られていたのを見つけたの。にしても危なかったわねカズマ、もしコロナタイトがこの透明な容器に入っていなければ、機動要塞デストロイヤーの中に入った時みたいに手の皮が張り付いて・・・」

カズマ「やめろやめろ聞きたくない聞きたくない!!」

ゆんゆん「でもなんでコロナタイトが・・・?」


カズマ「ロキの杖をスティールしようとしたとき、杖は取れなかったけど・・・代わりにとっちまったみたいでさ・・・どうしよう、コレ」

めぐみん「ひとまずよかったじゃないですか。ロキの計画の邪魔をすることが出来たのですから」

カズマ「いやいや・・・何が目的であれ、これってロキが探してたものなんだろ?もし盗られたことに気が付いたら、この街に取り返しに来るんじゃないかと思ってさ」

トニー「よし、僕のラボで預かろう。それでいいよな?」

ダクネス「それがいい。この街を火の海にするわけにはいかない」


     コンコン…


ダクネス「・・・このタイミングで来客?」チャキッ…

カズマ「まさか、もう取り返しに来たのか・・・?」


ゆんゆん「凄い魔力も感じますよ・・・!警戒しましょう・・・!」ジリッ…

アクア「っ・・・」ジリッ…

ダクネス「全員下がって戦う準備をしろ。私が確認する!」スタスタ…


     バンッ!


ダクネス「何者だ!」ジャキッ!








クリス「ひっ・・・!ダ、ダクネス!あたしだよ!あたし!!」ビクッ…

ダクネス「なんだ、クリスだったか」ホッ…

クリス「もう!いきなり親友に剣を向けられるなんてびっくりだよ!」プンスカ

ダクネス「はは・・・す、すまないクリス・・・うん?持ってきているそれはなんだ・・・?」

クリス「これ?これはね・・・すべて神器だよ」

ダクネス「なっ・・・!?い、いったん家に入れ!」

......
....
..
.


アクア「はい、クリス。お茶入れてきてあげたわよ」カチャッ…

クリス「あ、ありがとうアクアさん・・・」

クリス(お湯だ・・・)

めぐみん「巨大な魔力を扉越しに感じると思ったら神器でしたか。それも二つも・・・一体なぜそんなものをクリスが・・・?」

クリス「話せば長くなっちゃうんだけど・・・みんな知っての通り、あたしは敬虔なエリス教徒でね。ある日、エリス様からのお告げがあったんだ。“行方の知らない神器を悪用されると大変なる”って。それを聞いて私は・・・」

   ペラペラ…

カズマ(トニーと言い、上手い具合に自分の境遇を隠しつつ理由付けをするもんだなぁ・・・)


クリス「そんなわけで、私はいくらか神器を回収してるからキミ達がロキと戦いやすいように持って来たって訳さ!」

めぐみん「・・・?何故クリスがロキの事を知っているんですか?」

クリス「えっ?・・・あぁっ!そ、それはね?ほら、あたしって盗賊だから情報がすぐに入ってくるんだよね!お、驚いた?」ハハ…

めぐみん「いくら何でも早すぎませんか?私たちがついさっき会ったばかりだと言うのに」

クリス「っ!?そそそ・・・それは・・・」

カズマ(エリス様は意外とアホなところがあるんだろうか・・・?)

クリス「ほ、ほら、魔王軍幹部に新入りが入ったって情報を聞いてね!ちょうどキミたちが旅立った頃に名前だとか情報が入ってきたのさ!」

めぐみん「そうでしたか・・・」

クリス「そ、それよりさ・・・なんだか初めて見る顔がいるね?もう一人の紅魔族の子はギルドで良く一人で遊んでいるから知ってるけど・・・」

ウィズ「私ですか?はじめまして!私はウィズと申します。この街で魔道具店の店長をやらせてもらっています。よろしくお願いしますね?」ニコッ


クリス「こちらこそ、よろしく頼むよ!・・・ところで、顔が真っ白だけど大丈夫かい?なんだかまるで・・・」

クリス「・・・アンデッドみたいだよ?」

ウィズ「!?」ビクッ

クリス「・・・?どうしたの・・・?」

ウィズ「えーっと・・・その・・・」ダラダラ…

カズマ「おっと!これはだなクリス!ウィズのお店は客が全く来なくて年中赤字だからウィズは食べるものが無くて栄養失調気味なんだよ!なっ?ウィズ!」

ウィズ「は、はい!そうなんです!そ・・・そうなんです・・・」シュン…

クリス「た、大変だね・・・今度何か買いに行くよ・・・」ポリポリ…


クリス「あっ!エリス教徒の人たちが恵まれない人たちの為に炊き出しとかやってるから貰ったらどう?」

ウィズ「えぇ!?いやいやとんでもないです!!」ブンブン

カズマ(エリス教の炊き出しに並ぶアンデッドか・・・最悪の光景だな・・・とりあえず、クリスがウィズの正体を知ったら絶対に駄目だ・・・ここはトニーにでも話を振って・・・)

カズマ「・・・トニー?何してるんだ?それにアクアも。クリスの話を聞いてなかったのか?」

アクア「クリスの持って来た神器が気になってちょっと見てたのよ。それで、話?なんかしてたの?」

クリス「いや・・・何でもないよ・・・で、トニーは一体何をしているの?」

トニー「・・・改良の余地ありだな」

クリス「えっ・・・?一体何を言ってるの?」


トニー「この神器二つを僕なりに改良してあげよう」

クリス「駄目だよそんなことしたら!?神器なんだから下手にいじると罰が当たるよ!?」

トニー「よーく観察してみたが・・・ところどころ改良できそうな点がいくらか見つかってね。安心しろよ、ちゃんと改良するから」

クリス「い、いやいや・・・そういうことじゃなくって・・・!」

トニー「素材は凄く良い。少し時間をくれれば、かなりいい武器が作れる筈だ」ウキウキ

クリス「待って!?ねぇ、本当に待って!?神器ってのは神々が作ったとても神聖なもので・・・」

トニー「さて諸君!僕のラボに集合だ!分娩室に招待しよう!」

クリス「お願いだから待ってぇぇぇぇえええ!!!」

今回はここまで。次回、トニー・スタークの楽しい実験教室
お楽しみに!

......
....
..
.



トニーのラボ


めぐみん「神器を改造してそれ以上のアイテムを作る・・・?本気ですか?」

トニー「冗談に聞こえるか?」

めぐみん「・・・本気ですね。本気で冗談みたいなことをやるつもりですか」

トニー「でも君だってなんだかんだワクワクす」

めぐみん「勿論ですとも!一体何を作るつもりなんですか!?カッコイイものですよね!?」ズズィッ

トニー「・・・そう来てくれると思った」

ゆんゆん「神器をいじくりまわそうなんて考える人初めて見たかも・・・」

ウィズ「そもそも加工すること自体可能なのでしょうか・・・?」


トニー「元の形が完全になくなるほど変える気はないさ。それじゃぁ、いってみようか!」

クリス「それあたしの決めセリフなのにーっ!」

トニー「そうムスッとした顔をするな。この神器二つの説明を頼むよ」

クリス「はぁ・・・色々と言いたいことがあるけど・・・説明するね」


    スチャッ…


クリス「まずはこの弓。名は“魔弓レゴラス”」

トニー「・・・この神器を作った奴は誰なんだ?絶対ロード・オブ・ザ・リング・・・」

クリス「話を続けるね。この弓は、“放った矢が絶対に当たり、どんなものも撃ち貫く”っていう神器だったよ」

ダクネス「すごいな・・・ん?“だった”?」

クリス「神器は本来の持ち主でないと力を最大限発揮できないって話は知っているかな?」

めぐみん「確か、カズマがあの魔剣使いから魔剣を奪った時もただの剣にしかならないとアクアに言われていましたよね」


クリス「そう。この神器も例に漏れず力は制限されてしまっているよ」

ダクネス「具体的には?」

クリス「そうだね・・・絶対に当たるって力は無くなって・・・“強力な貫通力を持った弓”・・・ってところかな」

トニー「・・・微妙じゃないか?当てられないなら意味が無いんだろ?」

めぐみん「そうでもないでしょう。使う人によっては非常に強力になりえるのではないですか?例えば・・・運が極端に高く、それに伴って矢の命中率も高いような男が使えば・・・」チラッ…

カズマ「・・・ふっ」キリッ…

クリス「うん、この弓はカズマ君にあげる。最初からその予定だったんだ」

カズマ「よっしゃぁ!マトモな神器を扱える日がとうとう来るなんてな!」

アクア「ねぇ、その言い方だと私が役立たずな神器だって聞こえるんですけど」

カズマ「そう言ってるんですけど」

アクア「・・・」ブチッ


  ギャーギャー


トニー「おい、僕のラボで暴れるな」

クリス「それで・・・もうひとつなんだけど・・・これはダクネスに渡そうと思ってね」

ダクネス「なぁ、これ・・・」

クリス「・・・見ての通り、これは盾だよ。名は“聖盾ヴィヴラニオン”」

トニー「聞いて良いか?本当にこの神器を作った奴は誰なんだ?さっきからピンポイントで・・・」

クリス「話を続けるね。この盾は、元々は“どんな攻撃も自動で防ぎ、絶対に破壊されない”っていう力を持っていたよ」

めぐみん「それで、今はどんな力を持っているんですか?」

クリス「自動で攻撃を防ぐ力は使えないけど、頑丈さはかなりのものだと思うよ」

ダクネス「なぁ・・・クリス・・・」


クリス「言いたいことは分かるよ・・・でも、凄い力をもった神器だから・・・」

ダクネス「・・・そうだな・・・アクシズ教徒のシンボルさえ彫られていなければ・・・すごくいい神器なんだろうな」

アクア「これの元の持ち主についてとても気になるわ!どんな人だったの?」

クリス「えっと・・・自由を愛するクルセイダーだったみたいだね・・・」

アクア「ふふ・・・自由を尊ぶアクシズ教に魅せられたって訳ね!」

カズマ「どっちかっていうと洗脳されたってほうが近いんじゃね?」

トニー「破壊できない盾を持った自由を尊ぶクルセイダーか・・・なんだか既視感を感じるな・・・」

クリス「ダクネスにはこの盾を装備してもらおうかと思ってるんだけど・・・どう?」

ダクネス「エリス教のクルセイダーの私に、アクシズ教のシンボルが彫られた盾を背負えというのか!?」

クリス「ごめん!こんなの本当にどうかしてるよね!でも、この盾の力は絶対に必要になると思うんだ!」

カズマ(エリス教の御神体が自分の敬虔な信者にアクシズ教のシンボルが彫られた装備を渡す光景か・・・駄目だ・・・笑っちゃ駄目だ・・・)プルプル…

トニー「ぷっ・・・くくくっ・・・・」プルプル…


アクア「いいじゃない!これを機に二人共アクシズ教に改宗しちゃいなさいな!」

ダクネス・クリス「「しない!」」

ダクネス「だ、第一私はクルセイダーだぞ!剣で戦う職だ!盾の神器なんて・・・!」

カズマ「でもお前剣あたらないじゃん」

ダクネス「んんっ・・・/// い、いや・・・でも・・・」

トニー「いいか、ダクネス。僕の話を聞け、必ずこの盾を装備したくなると約束しよう」

ダクネス「へ・・・?」

トニー「まず、君が剣のスキルを取らない理由はなんだった?」


ダクネス「も、もちろん、剣を振るうが当たらず、力及ばずに圧倒されてしまうのが気持ちいいからだ!!」

トニー「・・・だよな?そこで考えてみよう、君はこの盾を持ち、敵の前で構える」

ダクネス「うむ・・・」

トニー「当然敵は攻撃するわけだ。盾で身を守る君を、盾を打ち破って蹂躙するために」

ダクネス「・・・ッ」ゴクリ…

トニー「君は盾を構え続け、ひたすら耐える。だが・・・やがては崩され、そのまま敵に・・・」

ダクネス「そ、そんな素晴らしいプレイが・・・!盲点だった!ありがとうトニー!」

トニー「だろ?お役に立てて良かったよ」


カズマ「トニーも段々こいつらの扱い方ってのがわかって来たな」

トニー「わかりたくなかったけどな」

クリス「・・・で、どう改造するつもりなんだい?」

トニー「まず盾は二つに切り分ける」

クリス「切り分ける!?さ、さすがにそれは駄目だよ!」

アクア「そうよ!アクシズ教のシンボルが彫られているのにそれを切るなんてバチを当ててやるからね!」

トニー「まぁ、落ち着け。ダクネスは攻撃が当てられない。それは皆知ってるだろ?だが、素手での戦いは例外だ。ダクネスが、ギルドで煽ってきた冒険者を素手で捕まえて締め上げるところを僕は見て考えた」

トニー「・・・“この女、剣を持つんじゃなくて腕にはめた方が強いんじゃないか・・・?”ってね」


カズマ「・・・天才か?」

トニー「だろ?で、普段は盾だが、二つに割ることでガントレット型の武器に、またくっつけたら盾に戻るっていう新しい武器を作る予定だ」

めぐみん「面白そうですね・・・!」

アクア「でも真っ二つにするのは・・・いや、結局戻るからいいのかしら・・・?」

クリス「うーん・・・」ポリポリ…

トニー「そのまま使うよりきっと良くなるって僕が保証するよ」

クリス「う、うん・・・それじゃぁ任せるよ」

アクア「アクシズ教団のシンボルは消さないでよね?それだけは約束してよ?」


トニー「はいはい。それじゃ早速・・・」

    ピピピ…

フライデー『ボス、コロナタイトの分析が完了しました』

トニー「結果は?」

フライデー『破壊可能です』

ウィズ「壊しちゃうんですか!?きわめて貴重な代物なのですが・・・」

トニー「まだだ。どんな力を秘めているのか徹底的に解析してから決める」

めぐみん「私は使うべきだと思いますよ。だって、燃えるじゃないですか!強力なエネルギーを秘めたアイテムを使うことによって邪神を打ち砕くなんて!」

ゆんゆん「え、えぇ・・・ロキの計画が良くわからないけど・・・コロナタイトが使われちゃったら何が起こるかわからないでしょ・・・?あぶなくない・・・?」

めぐみん「これだから変わり者のゆんゆんは・・・だからボッチなのですよ」

ゆんゆん「な、なによ!!」


フライデー『あの・・・』

トニー「静かにしろ。今フライデーが何かを言おうとしている」

フライデー『構造分析と成分解析の結果、興味深いデータを発見しました。きっと気に入ると思います』

トニー「なに?」

フライデー『コロナタイトは、アークリアクターに大変酷似した性質を持っていました。つまり・・・』









フライデー『スーツにコロナタイトを取り付け、エネルギー源として使用することが可能です』

トニー「・・・面白い」

短いですが今回はここまで。開発まで一気に行く予定が・・・
あんな巨大な機動要塞デストロイヤーを長い間動かし続けられるコロナタイトはひょっとしたらアークリアクターより凄い力を持っているかもしれません

オマケ

>>351で言っていたダクネスの新武器のイメージ図

https://imgur.com/a/PiTz2rG

オマケ2

>>347

破壊できない盾を持った自由を尊ぶ~

キャプテン・アメリカのこと。ヒーローと言えば彼、彼と言えばヒーロー

本名 スティーブ・ロジャース

性格 高潔。並々ならぬ正義感と愛国心、なんど負けても立ち上がる強い意志を持つ。

第二次世界大戦中に超人兵士計画(スーパーソルジャー計画)に志願、その正義の心を認められ見事合格。特殊な血清を打たれ超人的肉体を手に入れる。
とある事件でアメリカを守るために自ら爆弾を積んだ飛行機ごと北極海に墜落。死亡したかに思えてたが、70年間氷漬けにされなんとか生存していた為、S.H.I.E.L.Dという組織に助けられ、現代に復活。再びアメリカ国民のため戦う事となる。
破壊不可のシールドを持って戦う。クソかっこいい。
キャプテンアメリカ 映画予告
https://m.youtube.com/watch?v=0vjSfPIev1g


……え、ちょっと待ってまさかキャップが来てたの?え?

>>357

>>356はトニーの言う既視感とはキャプテン・アメリカの事であることと、キャプテンアメリカとは何であるかの説明になっています。分かり辛いですねこれ・・・抜粋した文章を最後まで載せるべきでした。すいません


めぐみん「これは、トニーの国の“カガク”の技術と私たちの国の魔術の融合ということですね!!ふわぁーっ!燃えてきましたよ!紅魔族の琴線にビンビン来る実験です!」

トニー「僕もだ。歴史に残る実験になるだろうな」

ダクネス「実験するのは良いが、ロキはどうするのだ?野放しにしておくつもりか?」

トニー「大丈夫だ。ロキの位置は完全に把握出来ている」

ダクネス「・・・一体どうやって?」

トニー「トニー・スタークだからだ」

ダクネス「真面目に答えろ!」

トニー「行動に完全な偶然は無い。確率論を十分に把握し、心理の徹底的な理解、そして性格と合わせて計算すると変数を絞れる」

ダクネス「な・・・なに?何を言っている?」

トニー「僕も無数にあると想える変数を実現可能ないくつかに絞れる手法を58通知っている」

ダクネス「えぇっと・・・真面目に答えろと言っておいてすまないが・・・その・・・もう少しわかりやすく・・・」

アクア「?・・・??・・・???」

カズマ「すごく難しいと思うけど、アクアにもわかるように言ってくれ」

トニー「ロキに追跡装置を取り付けた」

アクア「なぁるほど!追跡装置ね!トニーったらやるじゃない!」

めぐみん「おや?クリスは知っているのですか?」

クリス「あっ・・・えっと・・・あたしも知らないから、教えてくれると助かるかな?」

トニー「まぁ、簡単に言うと敵の位置が分かる道具だ」ピッ

    ヴンッ...

めぐみん「この画面内で映っている赤い点がロキですか?」

トニー「そういうこと。そして、これをマップ内に落とし込めば・・・」


   ピッ… ピッ…


トニー「ほら・・・おっと、まだヴォーミアでピクニックしてるみたいだ」

アクア「・・・なーんか、トニーが来てから便利になったのは良いけど・・・色々とオーバーすぎないかしら?」


トニー「僕が付けた追跡装置は盗聴器としての役割も持っている。あ、盗聴器って言うのは、遠く離れたところにいる相手の会話を盗み聞きできる道具だ。悪用厳禁」

ウィズ「いつの間に付けたんですか・・・?」

トニー「僕のスーツが破壊される寸前に、発信機を射出してロキにくっつけた。当分気が付かないはずだ」

ウィズ「なるほど、煙を上げたのは時間稼ぎだけじゃなくて、そういう意図もあったんですね!」

カズマ「トニー・・・それさ・・・」

トニー「あげないからな?思春期少年のおもちゃには過ぎた代物だ」

カズマ「ま、まま、まだ何も言ってねーだろ!ちょっとギルドの酒場にくっつけて俺の陰口を言う奴とか見つけ出してやろうかと・・・」

ダクネス「全く、この男は・・・」


クリス「それで、その盗聴器でロキから何か聞けたの?」

フライデー『録音された音声があります。再生しますか?』

トニー「いつ頃録音したやつだ?」

フライデー『ボスとウィズ様がテレポートで撤退した直後の会話です。録音された会話内容からして、すぐさまコロナタイトを奪い返しに来る気は無いようです』

トニー「会話内容を再生しろ」

フライデー『了解しました。再生します』


    ザザァー…


冒険者A『ロキ様、いかがなさいました?』

ロキ『コロナタイトを盗まれた。あの小僧だ・・・!』

冒険者A『追いますか?』

ロキ『放っておけ、たった一つかすめ取られただけだ。それも、ただの小粒をな・・・計画に大きな支障は出ない』

冒険者A『それでは・・・』

ロキ『掘り続けろ。計画を実行に移すにはまだ量が足りん』

冒険者A『はい。了解しました』

ロキ『それと・・・警備をさらに厳重にしろ。二度と邪魔をさせるな』

冒険者A『はい。了解しました』

    プツッ…


フライデー『以上です』

カズマ「おい・・・これってまさか・・・」

クリス「ロキはコロナタイトを複数所持しているようだね。小石程度の大きさでも相当な力を秘めているはずだけど・・・一体何が目的なんだろう・・・」

トニー「何であれ、まだ猶予があるって事だ。急いで取り掛かるぞ」

めぐみん「そうですね。私もEXPを溜めて備えようと思います」

トニー「へぇ、この国でも経験値をExperience pointの略語で読んだりするのか」

めぐみん「えくすぺ・・・なんですかそれは?私が言っているのはExplosion Pointの事ですよ?」

トニー「・・・国によって元の言葉が違うんだな」

めぐみん「まあ私の造語ですが」

トニー「・・・」


めぐみん「単に、爆裂魔法のスキルポイントと言うのが長ったらしかったので略し・・・あっ、あっ、やめてください!眼帯を引っ張らないでください!」

カズマ「トニー、いちいち突っ込んでたら身が持たないぞ」

トニー「たまに君の要領の良さが羨ましくなる」

アクア「それで、これから一体どうするの?信者が捕らえられているっていうのに、待機なんて無理なんですけど」

トニー「良いかアクア、よく聞け」

アクア「?」

トニー「その気持ちは結構だが、気持ちだけじゃ人は救えない。試しに、君が今からロキの元へ行って全員を救えるヴィジョンが浮かぶか?」

アクア「それは・・・」タジッ…

トニー「浮かばないだろ?君が信者の事となると勇猛果敢なことは分かった。だが、ロクな作戦も立てずに突っ込んで君が殺されたら・・・残った信者はどうしていくんだ?」

アクア「・・・」

トニー「だから、備えられるだけの準備をして奴に挑むんだ。こっちだってただ黙って待つわけじゃない。君の信者は力を合わせて絶対に取り返す、だからもう少し我慢しろ。いいな?」

アクア「う、うん・・・わかった・・・」

クリス「さすが年長者だね、トニー」

トニー「一番の年長者はアクアじゃないのか?」

アクア「なんですってえええええええ!あんたさっきまともな話したと思ったらよくも言ってくれたわねこのヒゲニート!!」ワッ

トニー「ただのジョークだよ。それじゃ僕はちょっとバニルと商談をしてくる」スタスタ…

アクア「あんた逃げんじゃないわよ!今度こそ強力な天罰を当ててやるからね!」

ダクネス「お、落ち着けアクア・・・それで、このタイミングでバニルと商談とは、一体何を仕入れるつもりなんだ?」

トニー「そうだな・・・」








トニー「この国で作れる、最高級の鎧の材料さ」

......
....
..
.



ウィズ魔道具店


  カランコロン…


バニル「へいらっしゃい!ヴォーミア旅行は楽しんできたのか?」

トニー「それは嫌味か?僕らが旅に出ている間、ずっとその見通す目とやらでのぞき見していたんじゃないのか?」

バニル「妙な言い方をするな。見通そうとはしたが、発光女に例の邪神と邪魔な光が多くて見通せなかったのだ。それで?生きて帰ってきたところを見るに、倒したのか?」

トニー「・・・いいや、何もできずに帰ってきた」

バニル「ほうほう、逃げ帰ってきたとな?」


トニー「奴はこの世界の魔術を自分のものにして強大な力を付けている。ウィズ曰く、リッチー化の魔法にも匹敵する程の禁呪である洗脳魔法を取得しているとかなんとか・・・」

トニー「実際、行方不明になっていた冒険者だけじゃなく、アクアの信者までもが奴の言いなりになっていた。あれはもはや信仰に近い」

バニル「フハッ、フハハハハ!!フワーッハッハッハ!!あの悪名高きアクシズ教徒が寝取らたとな!!次からあの女神を寝取られ女神と呼んでやろう!フハハハハッ!!」ゲラゲラ

トニー「僕に見通す力は無いが、ウィズが巻き込まれて酷い目に遭うだけだと断言できるぞ」

トニー「それにしても、あんたの見通す力ってのは無敵の能力かと思っていたが、案外制限が多いんだな」

バニル「うむ。特に、力を行使して安易に金を稼ごうとするとロクな目に遭わん。ポンコツ店主の暴走然り、何かしらの反動を食らうのだ・・・」ハァ…

トニー「・・・この、僕の商品が妙な形に変わっているのもそうなのか?」ガチャッ

バニル「その通り。汝が作った便利なアイテムたちは、あの災厄店主の勝手な判断によってガラクタに変わったぞ」

トニー「・・・ウィズから直接聞いた」


バニル「あのポンコツ店主が戻ってきたら即刻過去最大級の折檻をお見舞いしてくれるつもりだ」

トニー「それで、僕の商品は一体どう変わってしまったんだ?」

バニル「そうだな・・・例えば、この売れ筋商品である“ソーラー充電式暗視ゴーグル”なんかは、大幅な変更が加えられてあってな。まず、視認性が大幅に向上している」

トニー「なんだって?まさか本当に改良を・・・?」

バニル「あの欠陥店主が我輩に無断で勝手にしでかしたのだぞ?いつものパターンからして、そんなわけなかろう」

バニル「視認性が上がり、暗所を遥か彼方まで見れはするが、千里眼が使えるアーチャー職しか使いこなせないうえに、視覚以外の感覚がすべて遮断される」

トニー「ガラクタだな」

バニル「ガラクタである。他にもたくさんあるぞ?この“生体反応追尾式マイクロミサイルランチャー”なんかも・・・」


トニー「いや、もういい・・・また新しく作るからそれは全部廃棄しろ」

バニル「言わずもがなだ。さて、世間話はこのくらいにして、ここに来た理由はなんだ?」

トニー「あんたに仕入れてほしいものがある。相当な値段になるだろうが・・・あんたなら確保できるだろう」

バニル「ほう?」

トニー「実はロキにスーツを破壊されてな。カズマが手に入れたコロナタイトを使用して新しいスーツを作るつもりなんだが、僕の世界の材料じゃうまくコロナタイトと適合しないんだ」

トニー「そこで、オリハルコンと、アダマンタイト、そしてこれらの魔法金属を仕入れてほしい。量等の詳細はこの紙に書いてある」ピラッ

バニル「ふむふむ・・・アダマンタイトはともかく、オリハルコンなど神器級の鎧に使われるものだぞ?」


トニー「僕が作ろうとしてる鎧が神器以上のものなんでね」

バニル「市場の状態にもよるが、仕入れることは可能だ。だが、これだけの量を仕入れるとなると相当な額になるが・・・」

トニー「ウィズがガラクタに変えたこれらの商品を僕が無償で改悪前のものと交換してやろう。それにプラスで80億エリス程でどうだ?」

バニル「結構結構!それなら十分である!フハハハハ!!それだけの金があれば今度こそこの街にカジノを造り、あぶく銭を手にできるはずである!商談成立だ!」

トニー「どれくらいかかりそうだ?」

バニル「この世界にはテレポートという便利な魔法があるのだ。商会に掛け合い、在庫の確認が取れ次第速攻でかき集めればよい。在庫さえあれば、明日、明後日までには仕入れることができるであろう」

トニー「できるだけ急いでくれ、ロキには何か計画があるみたいだ。どれだけ猶予が残されているのかはわからないが、今度こそ先手を打って完全に阻止したい」


バニル「我輩を誰だと思っている?我輩の力をもってすれば、こんなものは子供のお使いと何ら変わらん」

トニー「だが、あんたの能力は肝心なところで使えなくなるよな。ロキ自身の動向は探れないんだろ?」

バニル「・・・」イラッ…

トニー「あ、ロキの動向だが、僕はもう完全に把握しているぞ?科学の力ってやつだ。ご飯製造機でも探れるような情報が探れない気分はどうだ?バニル君?」

バニル「フハハハハ!!人間相手にここまでコケにされるとは!だが、見通す悪魔が宣言しよう!貴様は近いうちに、この我輩をコケにしたことを心の底から後悔するであろう!」

トニー「へぇ?楽しみにしておくよ。それじゃ、鎧の素材の件よろしく頼む」クルッ...


     ガチャッ…


ウィズ「おや、トニーさんではないですか。商談は終わったんですか?」


トニー「やぁウィズ、今ちょうど終わったところだ。君もちょうど僕のラボから帰ってきたところか?」

ウィズ「はい!まだ改良してもらった魔道具をバニルさんに見せていないので、今から説明しようと思って帰ってきました!バニルさん、驚いてませんでしたか?」

トニー「あー・・・そういう反応は楽しみにとっておいたほうがいいと思うぞ。ほら、僕のすぐ後ろで待っているから・・・」


ウィズ「なるほど、それもそうですね!私、今回だけは自信があるんですよ!もとからすごい魔道具なのに、それが凄腕魔道具職人さんの腕で改良してもらって・・・!今回こそ、よくやったと言ってもらえるはずです!」

トニー「そうか・・・それじゃ、僕はもう帰るから・・・またな?」

ウィズ「はい!」

   ガチャッ
 バタン…

トニー(・・・あんな笑顔じゃ、何も言えるわけないだろ・・・)スタスタ…




  バニルサン!? ドウシタンデスカ? ソンナコワイカオシテ… ソンナコトヨリキイテクダサイ! ジツハ ショウヒンヲ…

 バニルシキサツジンコウセン!!

       アアアアアアッ!



トニー「・・・」スタスタ…

......
....
..
.




夕方

トニーのラボ



  ガチャッ…

ダクネス「あ、おかえりトニー。商談は終わったのか?」

トニー「あぁ、新しいスーツは近いうちに作れそうだ。」

アクア「・・・おかえり」

トニー「なんだ、まだ怒っていたのか?ほら、高級シャワシャワを買ってきた。これを今日の夕飯の時に開けよう。これで機嫌を直せよ」

アクア「なぁるほど・・・この私の機嫌をお酒一つで取ろうって訳ね?でも・・・」

トニー「いらないならハッキリ言ってくれよ、これは僕が飲むから。この世界のお酒は結構気に入ってるんだ」スッ…


アクア「そ、そうとは言ってないでしょー!?仕舞わないでよ!」

トニー「はい、それじゃこれで手を打とう。なっ?これで満足だろ?ところで、クリスとゆんゆんの姿が見当たらないが、どこに行ったんだ?」

ダクネス「クリスは何か用事があると言って帰っていった。ゆんゆんは向こうの部屋で“かがく”について書かれた本を読んでいる。トニーの国の言語で書かれているから読めないらしいが、フライデーに翻訳してもらいながら楽しく読んでいるぞ」

トニー「魔法使いが科学の本を・・・HAHA、中々面白いな」

カズマ「トニーだってこの国にきてすぐ魔導書を読み漁っていたじゃないか」

トニー「・・・そういえばそうだった・・・」

ダクネス「二人に何か用でもあったのか?」


トニー「クリスに用というか、話があったんだが・・・いないならまた次回で良い。それじゃ早速、神器の改造に手を付けるとするか」

めぐみん「・・・」

ダクネス「どうした、めぐみん?難しそうな顔をしているが」

めぐみん「・・・いえ、なんでもないですよ。今は無理そうですから」

トニー「なんだ?君の杖も改造してほしいのか?スイッチを押したらリパルサー光線が出るようにでもしてあげようか?」

めぐみん「できるのですか!?い、いえ・・・実は私の爆裂魔法のレベルを上げるのにちょっとした案があったのです。私ではなく、カズマの案ですが」

カズマ「あー、あれか」

トニー「今度はどんな妙案を?」


カズマ「めぐみんの爆裂散歩はいつも誰かが付いて行って、街から少し離れたところで適当な岩とかに爆裂魔法をぶちかまして帰るだろ?岩を打ち壊すだけじゃ、レベルは上がらない」

カズマ「かといって、ジャイアントトードだとかこの街の周辺のモンスターに撃ったとしても大した足しにはならない」

カズマ「でも、トニーとあの空飛ぶ鎧があれば、強くて経験値になるモンスターが居るような街まで飛んでって、そのまま上空から爆裂魔法をモンスターに撃って帰ってこれるだろ?それを続けていれば、めぐみんのレベルもすぐ上がるんじゃないかと考えてな」

トニー「なるほど・・・爆裂魔法の空爆か・・・面白いな。気に入った」

めぐみん「ですが・・・トニーのスーツは破壊されてしまったではないですか」

トニー「スーツ!」スッ…


   シーン…


めぐみん「・・・?」


  …ザッ ザッ ザッ…

   
めぐみん「あ、あれは・・・!」


    ザッ…


Mk43「」ウィーン…

トニー「愛しい我が第43子こと、マーク43だ。所々傷はあるが、普通に動け・・・うん?」


Mk43「」チマッ…

トニー「・・・僕の見間違えじゃなければ前に見た時よりスーツが二回りほど小さくなっているんだが・・・気のせいだろうか?」

アクア「ッ!」ビクッ

トニー「おい・・・」

アクア「な、なに・・・?」

トニー「吐け。僕のスーツに何をした?」

アクア「えっと・・・その・・・前に酔っぱらったときに・・・勢いでスーツを使ってマジックをしたような・・・記憶が・・・」

カズマ「てめーこのクソビッチが!またやりやがったな!?」

トニー「あれだけ僕の発明品に触るなと念押ししておいたのに、よりにもよってスーツを小さくしたのか!」

アクア「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!でもね、なんだか私だけが悪い訳じゃない気がするの!共犯者がいた気がするのよ!信じて頂戴!」

カズマ「こんなふざけた事をする奴が他にいるわけないだろが!」


フライデー『ボス。お言葉ですが、アクア様の発言は本当です』

トニー「何?一体だれが・・・」

フライデー『音声記録を再生します』

     ピッ…

ダクネス『おい・・・もう酒は控えたらどうだ?飲み過ぎだぞ?』

アクア『なにいってんのよ!まだまだ飲めるに決まってるでしょ!?ねっ?トニー!』

トニー『YEAH!もちろんだ!カズマだってまだ余裕だろ?』

カズマ『あったりまえだ!ベテラン冒険者のカズマさんだぞ!もっと浴びるように飲んで、魔力を使わずにクリエイトウォーターを使ってやるよ!ぶはははははは!!』

トニー『HAHAHAHAHAHA!!中々ジョークのセンスがあるな!』


ダクネス『さ、最低だ・・・!めぐみん!めぐみんはどこだ!?こいつらを止めるのを手伝ってくれ!』タタタ…

アクア『うるさいダクネスもいなくなって調子も出てきたことだし、また宴会芸を披露しちゃうわよー!』

トニー『いいねぇ、今度こそタネを見破ってやろうじゃないか』

アクア『無理よ無理!真のマジシャンは決してタネを見破らせないものなの!さぁ、今回はどんなマジックを見せてあげようかしら!』

   ザッザッザッ…

アクア『あら?ねぇトニー?こっちに向いて歩いて来てるあのスーツは?今まで見てきたやつと色が違うわよ?』

カズマ『ほんとだ。ありゃなんだ?新しいスーツか?』

トニー『逆だ、古いスーツだよ。わざわざお酒を持ってくるのが面倒だったから、あのスーツに持って来させたんだ。ウェイターとかメイド代わりにね』


アクア『ふふふ、そうだ!お古のスーツなら、私のマジックに使ってもいいかしら?』

トニー『やれるもんならやってみな!僕のスーツが君のヘンテコマジックでおかしくなるなんてありえないね』

カズマ『いいぞー!やれやれー!』

アクア『言ってくれたわね!よーく見てなさい!今からこのスーツが縮んで・・・』

     プツッ…

フライデー『以上です。ひどく酔われていたようなので、会話を忘れないように私が記録しておきました』

トニー・カズマ「・・・」

アクア「ねぇ、二人共・・・?」


トニー「よし、このことは水に流そう。アクアだけにな」

カズマ「そうだな!人間誰でもおかしな行動をとることはあるしな!これでおしまいにしよう!」

アクア「何なかったことにしようとしてるのよ!私が全面的に悪かったことにしようとしたこと謝って!」

カズマ「うるせぇ!確かに煽った俺達も悪かったろうけど、一番悪いのはお前じゃねぇか!何が謝れだバーカ!なかったことにしてやるって言ってるのに蒸し返すんじゃねぇ!」

めぐみん「あの・・・結局どうなるんですか?」

トニー「あー・・・スーツが元の大きさだったら君を背中に乗せて空中爆裂散歩にでも行けたんだろうが・・・あんな君と同じくらい小さくされてしまったらなぁ・・・」

トニー(ん・・・?めぐみんと同じくらいの・・・大きさ・・・)チラッ…

めぐみん「・・・?どうしたのですか?私とスーツを交互に見たりなんかして」

トニー「なぁ、めぐみん・・・」









トニー「スーツを着てみる気はないか?」


めぐみん「えっ」

ダクネス「良かったじゃないか、めぐみん。」

カズマ「いいなぁ・・・俺も着てみたかった・・・アイアンマンスーツ」

トニー「カズマにはカズマで良いものを作ってやるさ」

めぐみん「こ・・・これを着ても良いんですか!?」

トニー「どうせ体格的に君しか着ることができないんだ。アクア、念のため聞くが・・・これはもう戻せないんだよな?」

アクア「うん。もう無理よ」キッパリ

トニー「まぁ・・・煽った僕らにも責任はある。それに、このスーツを着るとある問題が解決する」


めぐみん「えっ」

ダクネス「良かったじゃないか、めぐみん。」

カズマ「いいなぁ・・・俺も着てみたかった・・・スーツ」

トニー「カズマにはカズマで良いものを作ってやるさ」

めぐみん「こ・・・これを着ても良いんですか!?」

トニー「どうせ体格的に君しか着ることができないんだ。アクア、念のため聞くが・・・これはもう戻せないんだよな?」

アクア「うん。もう無理よ」キッパリ

トニー「まぁ・・・煽った僕らにも責任はある。それに、このスーツを着るとある問題が解決する」


ダクネス「ん?防御力の低い後衛職の体を守る防具ってだけじゃないのか?」

トニー「このスーツをめぐみんに着せれば、爆裂魔法を撃って動けなくなったところをカバーする必要がなくなる」

ダクネス「そうか、確かお前の鎧は・・・」

トニー「そう、鎧だけで動くことが可能だ。フライデーにでも操作させて、動けなくなっためぐみんを飛ばして戦線から離脱させることができる」

カズマ「なぁ、それってもう毎日めぐみんの爆裂散歩に誰かが付き合わなくても、めぐみんが一人で行って帰って来れるってことだよな?」

トニー「そうだな。フライデーに頼んだらやってくれるだろう」

カズマ「やったぜ!もう朝早くにたたき起こされたり、雨の日に無理やり外に引っ張り出されたりする心配はないって訳か!でかしたアクア!トニー!」

めぐみん「私との爆裂散歩をそんなふうに思っていたのですか!?さすがの私もショックを受けますよ!?」

カズマ「だって、わざわざお前の用に付き合ってお前を担いで帰るのは面倒なんだよ。遠くまで行かなきゃいけないし、重いし」

めぐみん「ぶっ殺」ガバッ


カズマ「なんだよ、目を真っ赤に輝かせて。そんなに怒ること・・・ああああ!!折れる!腕の骨折れる!このイカれウィザード!!レベル差を考えろよ!」

めぐみん「人間には二百十五本の骨があるんですよ!一本位なんですか!」

トニー「おい、夫婦漫才は二人の時にやってくれ」

カズマ「お前これがそんなほのぼのしたものに見えんのかよ!?今行われてんのは夫婦漫才じゃなくてただの暴力犯罪だ!」

トニー「はいはい、仲良し仲良し。ところでめぐみん、取っ組み合いをやめてこっちに来てくれ。君をスーツに登録する必要がある」

めぐみん「良いでしょう」パッ

カズマ「ほっ・・・」

めぐみん「それで、どうすればいいのですか?」


トニー「そこに立って、床の傷の数を数えるなり天井の照明を眺めてるなりしてればいい。すぐに終わる」

めぐみん「そのセリフはものすごい身の危険を感じるのですが」

トニー「フライデー、めぐみんをスキャンして網膜情報と指紋情報、DNA情報をマーク43に登録しろ」

フライデー『了解しました。ボス』

 キュィーン…
   ポポポポ…

めぐみん「な、なんですかこれ?光が私の体を行ったり来たり・・・」

トニー「簡単に言えば、君以外がそのスーツを着られないように設定を変えているところだ」


  ピピピッ

 【体表にバーコードを検知】

トニー「うん?」

めぐみん「どうしたのですか?何かあったのですか?モニターに映っている言語は、あなたの国の言語で書かれているので、私には読めないのですが」

トニー「なんで君の尻にバーコードが---」

めぐみん「あああああああ!!!///なんで知っているんですか!?///」

トニー「スキャンに引っかかっただけだ。僕の国じゃあらゆる商品についてる物でね」

カズマ「マジかよお前ケツにバーコードついてんのか!読み取ったらなんて出てくるんだ?」

めぐみん「それ以上言ったら本気で爆裂魔法を撃ちますよ!」


トニー「お、落ち着け。悪かったな、君にとってそんな恥ずかしがるような情報だとは思っていなかったんだ」

ダクネス(あぁ・・・アルカンレティアで見たあの模様か・・・)

めぐみん「まったく・・・見つけたとしても普通尻に付いた模様について指摘しますか!?セクハラですよ!」

トニー「悪かった悪かった。ごめんな?ほら、スーツ着せてやるから我慢してくれ」

めぐみん「ぐぅうう・・・なにかとても大切なものを失ったような気分がします・・・」

 【登録完了。スーツを装着しますか?】

トニー「さて、準備完了だ。そっちの準備は良いか?あ、巻き込まれるといけないからマントは外してくれ」

めぐみん「わかりました。よいしょ・・・これで良いですか?」


トニー「オーケー。それじゃ、スーツを君に装着させる」スッ…

  ピピッ
   ガシャッ カチカチカチ…
    ヒュンッ ヒュヒュヒュンッ

めぐみん「おおおおお!!」ガチャガチャ…

  ガキキッ ガコガコガコ… カンッ

めぐみん「おおおおおああああ!!」

カズマ「飛ばす意味あったか?」

トニー「もちろん。紅魔族的には飛んで来た方がうれしいだろう」

めぐみん「あああああああ!」ブンブン

カズマ「嬉しいのは分かったから、もうちょっと静かにしてくれよ。耳に響く」


めぐみん「あああああっ!!違います!兜に髪の毛が挟まってるんです!!痛だだだだ!!ハゲる!ハゲます!!助けてください!」ジタバタ

トニー「ヘ、ヘルメットを解除しろ!」

  ガコッ カランッ…

めぐみん「はぁ・・・はぁ・・・危うく女性で、しかもこの年にしてハゲるところでした・・・」

トニー「装着する前に気が付かなかった・・・とりあえず髪を束ねたらどうだ?それと、もう君の声に反応してスーツが動くようになっているから、今度からは“スーツ装着”や“スーツ解除”で着脱できるからな。ちなみに、兜は頭からかぶれば自動的に装着できるぞ」

めぐみん「いえ、結構です。兜は付けません」

トニー「なに?いらないのか?あったほうが便利だぞ?」

めぐみん「見栄えの問題です。無い方が決まります」

カズマ(ダクネスがどんなに重装備になっても兜を付けないのと同じ理由だろうか?)


トニー「そ、そうか・・・必要な時は呼んだら飛んでくるってことは覚えておいてくれ」

めぐみん「このスーツは自分の命令で動くんですよね?」

トニー「ああ。すこしテストしてみたらどうだ?」

めぐみん「そうですね。叫んで喉が渇いたので、スーツのテストがてら水を飲むことにします。スーツ!あそこのテーブルの上にあるビンに入った水を私に飲ませてください!」

  キュイッ スタスタスタ…

めぐみん「おぉ・・・なんだか体が勝手に動くと言うのは不思議な感覚ですね」

   クイッ

めぐみん「それでは、お水を・・・」


  ゴクゴク…

トニー「小さくなったことで、どこかに悪影響が出てないかと少し心配したが、大丈夫そうだ」

  ゴクゴク…

カズマ「・・・余程喉が渇いてたみたいだな」

   ゴク… ゴボボッ…

めぐみん「もぶっ・・・もぶぇっ・・もうい゛っ・・・」ガボボッ..

カズマ「・・・あっ、ちげぇ!!あいつ口がふさがっててスーツにビンを口から離すように命令できねぇんだ!」

アクア「大変!めぐみんの顔が人前じゃ見せれない位凄い顔になってるわ!!」


トニー「スーツ!もういい!めぐみんが持っているビンを下げてテーブルに置け!」

   キュイッ…

めぐみん「おえええっ!ゲホォッ!ゲェッホッ!!陸で水死するかと思いました・・・!」ゴホゴホ

カズマ「めぐみん大丈・・・うわっ」

めぐみん「人の顔みて“うわっ”とか言わないでくださいよ!どんだけデリカシーないんですか!」

トニー「悪かった。これは僕の設定ミス。スーツを調整するときに君の声にしか反応しないようにしたのがいけなかったな。君の体自体の動きにも反応して楽に動けるようにしておくの忘れてた」

ダクネス「あんな激しい水攻め・・・ちょっと羨ましかったぞめぐみん・・・///」

トニー「君今羨ましいとか言ったか?」

ダクネス「言って無い」

トニー「言っただろ」

ダクネス「言って無い」


めぐみん「も、もうテストは結構です・・・」

トニー「スーツを脱ぐか?他に何か設定のミスが無いかチェックしておこうかと思うんだが」

めぐみん「それも結構です。本来の目的である爆裂魔法を遠くまで撃ちに行ってきます」

トニー「良いのか?体の動きを検知して動くように再調整するのは遠隔操作でもできるが、他になんか調整ミスでもあったら大変だぞ?」

めぐみん「心配いりませんよ。それより、早く空を飛んでみたいのです」

トニー「わかった。そこまで言うなら、動体探知だけ調整しておこう。とりあえず、事故が起こらないように、君の様子はフライデーを通して見ておくからな」

めぐみん「はい。それでは行ってきます!」

今回はここまでです。進まなくてごめんなさい。今回でトニーの神器改造やスーツの作成まで進めたかったですが、急にスーツにもてあそばれるめぐみんが書きたくなって書いてしまいました
次回は一週間以内に投稿予定です

続きは明日の午後九時頃に投稿予定です
予告より遅くなってしまいすいません・・・

また、修正したい箇所がありました


>>27


めぐみん「我が名はめぐみん!!アーク・ウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操----」 ×

めぐみん「我が名はめぐみん!!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操----」 ○



>>125

?「助手く・・・いや、カズマ!カズマはいる!?」 ×

?「助手く・・・いや、カズマ君!カズマ君はいる!?」○


クリス「えっと・・・ちょっとした話があって・・・できればカズマと二人で話したいんだけど・・・」 ×

クリス「えっと・・・ちょっとした話があって・・・できればカズマ君と二人で話したいんだけど・・・」 ○


また、>>363>>364の間にあったやり取りを飛ばしてしまったので、その分を載せておきます。


カズマ「ほぉー・・・追跡装置かぁ・・・あれ?今の長ったらしい説明と何の関係が・・・?」

トニー「アクアも納得してるし、それで十分だろ?」

カズマ「おい、俺は騙されないぞ!お前ちょっとそれっぽいこと言って知的ぶりたかっただけだろ!」

トニー「知的なのは事実だしちゃんと説明しただろ?この話はここでお終い」

ゆんゆん「あの・・・」

トニー「どうした?」

ゆんゆん「“ツイセキソウチ”って何でしょうか・・・?」

トニー「あー・・・カズマとアクア以外は知らないか?」

ゆんゆん・ウィズ・めぐみん・ダクネス「「「「・・・」」」」コクリ


修正は以上です



トニー「それと、悪いことは言わないから、遠くまで行くなら兜はかぶっておけ」

めぐみん「どうしてそんなに兜を推すのですか?」

トニー「別に?君もダクネスみたいに被虐趣味に目覚めたのかなと思ってね」

めぐみん「・・・?」

カズマ「なぁトニー、よく漫画で見るけどさ、実際に生身の人間が超高速で動いたらどうなるんだ?」

トニー「よし、ちょっとした科学の授業のお時間だ。まず、兜を付けずに高速で動こうとすれば呼吸できなくて窒息死するだろう。そして、音速に近付くにつれてまぶたは吹き飛び、耳の穴から中身が花鳥風月みたいに・・・」

めぐみん「すいません!やっぱり兜を装着します!」


ダクネス「そ・・・そんな凄い事になるのか・・・?/// ト、トニー、私にもスーツを・・・///」

トニー「めぐみん・・・君は本当に僕に次ぐ知力の持ち主なのか・・・?さっきから頭アクアな行動ばかりだぞ」

めぐみん「今のは知能ではなく知識の問題ですから!人間が高速で動いたらどうなるのか知らなかっただけです!私の知力は関係ありません!」

アクア「ねぇねぇ、ちょっと待って。頭アクアってどういうことなの?」

トニー「兜を装着して、外に出ろ。今度は髪をはさむなよ?」

ダクネス「んんっ/// 無視・・・っ!///」


......
....
..
.



地上

トニー『聞こえるか?めぐみん』

めぐみん「聞こえています。ラボの外まで出ましたが、どうやって飛べばいいんですか?」

トニー『まぁ、そう慌てるな。今君の体重や重心に合わせたフライトシステムの調整を・・・』

めぐみん「時には歩くことより走ることの方が重要なのですよ」

トニー『・・・言えてるな』

めぐみん「それでは、いざ!フライデー!!」

フライデー『了解しました。推進リパルサー照射開始』


  キュィィインン…
   シュゴゴ… 

めぐみん「おっとと・・・こ、これ・・・意外とバランスとるの難しいですね・・・」フラフラ…

 ギュンッ

めぐみん「あ」

   ドギャッ

めぐみん「ぐぇっ!」

フライデー『額に擦り傷を検知』

めぐみん「えぇ、私も検知しました・・・」

トニー『派手に地面に突っ込んだな。君の視点をそのままモニターしてる僕が酔いそうだ』

めぐみん「うぐぐ・・・選ばれしアークウィザードであるこの私が・・・」

トニー『掌を下に向けて推進リパルサーを手から照射しろ。それでバランスがとりやすくなるはずだ』

めぐみん「あのポーズダサいのでやりたくないです」

トニー『!?』


......
....
..
.


一時間後…  

トニーのラボ


トニー「We are fantastic dreamer ~♪」カチャカチャ…

カズマ・アクア・ダクネス「・・・」ジー…

トニー「・・・なんだ?」

アクア「ずっと待っているのも退屈なのよ。トニーが何か作っているのを間近で見たことないし」

アクア「それにほら、この私は美術面にも強い女神ことアクア様なのよ?なにかアドバイスできることがあるかもしれないじゃない?」

トニー「今からやるのは図画工作じゃないぞ?」


アクア「もー、すぐそうやって皮肉を垂れる癖何とかならないの?」

ダクネス「私も、お前がどんなものを作るのか気になるのだ。見ててもいいか?鍛冶については、まったくの無知って訳じゃないからな」

トニー「見てる分には構わないが・・・工具を見て発情したりするなよ?」

ダクネス「そんなことするかぁっ!?お、お前は私をなんだと思っているのだ!?」

トニー「変態」

ダクネス「ぅんっ・・・/// そ、そんなハッキリ・・・」

カズマ「俺も暇で来た。ここにあったゲームも全部遊んじまったしな。で、今は何やってるんだ?」


トニー「君の装備の改造だ。弓にレーザーポインターを取りつけて命中率を上げている」

カズマ「ほぉ~・・・」

トニー「そして、トリックアローを矢筒に装着。爆弾、聖水、高圧電流と言った特殊効果がある矢尻を、弓に接続されたコントローラーの操作で瞬時に矢に装着出来る」

カズマ「えっ・・・」

トニー「マジックスクロールを小型化して矢尻に取り付けられないかどうかも実験する予定だ」

カズマ「なにそれこわい」

アクア「それこの短時間に作ったの・・・?」

トニー「いや、僕の仲間に弓矢を使う男がいてね。彼の装備のストックをそのまま使ってこの神器に組み込んでいるだけさ」

ダクネス「ここに来る前に所属していたパーティーがあったのか!」

トニー「パーティー・・・まぁ、パーティーみたいなものか。色々な旅をしたな・・・砦を潰したり、宇宙・・・いや、他国から侵略してきた連中と戦争したり・・・機会があれば、そのうち詳しく話すよ」

短いですが今回はここまでです
デアデビルシーズン3がネットフリックスで公開中
正直、マーベルドラマどころかMCUシリーズ最高傑作と言われるのも納得の面白さでした
ブルズアイがカッコイイ!!

※追記


>>247 の説明に書き忘れましたが、このSSに出てくるヴォーミアは名前だけ同じでMCUとは一切関係ないです

リアルが少し立て込んでいるのでもう少し更新が遅れてしまいそうです。申し訳ありません


カズマ「そういえば、なんだかんだでトニーの話はあまりしてないよな。最後に話してくれたのは・・・NYでエイリアンと大乱戦した所だったか?あれまた映像付きで見せてくれよ。映画でも見たような気分になれる」

ダクネス「またあの話をしてくれないか!?電気の流れる鞭を扱う男の話を・・・!鞭を扱う敵なんてそうそういないからな!仲間をより守りやすくする後学の為にも是非!」

カズマ「お前の私欲の為だろうが」

トニー「そんなに気になっていたのか?だったら、めぐみんが戻って来たら夕飯にして、その時にまた話の続きをしてあげよう」

アクア「話をするんだったら、私達の屋敷でしておきたかったわね。きっとあの子も喜んだでしょうに」

トニー「・・・あの子?」

カズマ「気にするな。屋敷でちょくちょくアクアの酒が無くなるんだが、アクアはそれを幽霊のせいだと言って俺に酒をねだるんだよ」

トニー「・・・」チラッ…


アクア「本当だから!本当にあの家には冒険話が好きな女の子の霊がいるのよ!お酒欲しさにそんなウソついたりしないわよ!だからトニー!そんな呆れた目で私を見ないで頂戴!」

トニー「幽霊云々はともかく・・・まぁ、ロキを倒したら、その時は君たちの屋敷で祝おうか。お酒とジャンクフードでパーティーしよう。君たち風に言うなら、勝利の宴ってやつか?」

ダクネス「“じゃんくふーど”と言うのは分からないが、宴会は賛成だ。旅行にもいかないか?」

ダクネス「確かトニーは、この国で観光はしていないのだろう?」

トニー「魔法を調べるのとか、便利なスキルを取るのに忙しくてね。そんな暇はなかった。だがまぁ、飯が美味いのは気に入ってる」

トニー「・・・食べようとしたアスパラガスに指を突かれ、キャベツの葉にビンタされたときは本気でこの世界が嫌いになるところだったが・・・」

カズマ「気持ちは分かるけど、野菜を皿ごとビームで消し炭にするなよ。あの時ギルドが大騒ぎになったんだからな?ギルドの人たちに頭下げまくった俺の身にもなってくれ」

トニー「そりゃ悪かったが、どう考えてもおかしいだろ!なんで野菜が攻撃してくるんだ!」

アクア「トニーったら何を言ってるの?野菜だって食べられないように必死に生きてるんだから反撃してきて当然じゃない」

トニー「お前が何を言っているんだ!」


ダクネス「まぁまぁ、話がズレているぞ。それで、トニーは行ってみたい場所とか無いのか?」

トニー「あー・・・そうだなぁ、あえて言うなら・・・賑やかで、かつ落ち着ける場所もあって、景色が綺麗でゆっくりできるところ・・・とか?」

アクア「中々贅沢を言うわね・・・でも、そんな欲張りトニーの条件を満たす場所が一つだけあるわ!」

アクア「・・・そう、アルカンレティアよ!」

カズマ「おいふざけんな!絶対嫌だぞ!!」

ダクネス「わ、私はアルカンレティアでも構わないぞ・・・アクアが行きたいと言っているんだ、仲間の意見を尊重する為に、折れようではないか!」

カズマ「だからお前の私欲の為じゃねーか」


めぐみん『ちょっと、そういう楽しい話は私もいる時にしてくださいよ』

トニー「こうして無線で繋がっているじゃないか」

めぐみん『旅の話は直接するものなのですよ。それで、トニーの要望ですが・・・さすがに私もアルカンレティアには行きたくないです』

アクア「何でよー!!どうしてそんなにウチの子達を毛嫌いするの!?」

トニー「どうしてあんなカルト集団が好かれると思っているんだ?」

めぐみん『なら、景色はアルカンレティアに及びませんが、同じく温泉の街であるドリスはどうでしょうか?あそこならゆっくりできると思いますよ』

トニー「温泉の街か・・・悪くないな。風呂の中で焼酎でも飲めれば」

アクア「良いわねぇ!アルカンレティアじゃないのがちょっと不満だけど、お風呂でお酒が飲めるなら文句ないわ!」

めぐみん『今度は“くるま”じゃなくてちゃんと馬車で向かおうではありませんか。それから・・・』


--------すぐ近くの物陰



ゆんゆん(ど、どうしよう・・・戻ろうと思ったら、なんだかとても混じりにくい話してる・・・)

ゆんゆん(今私が出たらきっと気まずいよね・・・でも、このタイミングで出たら、もしかしたら誘ってもらえるかも・・・)

ゆんゆん(いやいや、いつもいるメンバーでも無いのに一緒に行ったら“えぇ~、なんで仲間でもないのにこの子ついて来てるの~?”って感じになりそうだし・・・)

ゆんゆん(でも、仲間で旅行かぁ・・・いいなぁ・・・)

ゆんゆん(私も・・・)ショボン…

フライデー『ゆんゆん様。私が話の中に入れるようにさりげなくサポートいたしましょうか?』

ゆんゆん「えっ・・・良いんですか?というか、私が今何考えてるか分かったんですか!?」

フライデー『表情と仕草にとてもよく出ていらしたので』

ゆんゆん「は、はずかしい・・・///」

フライデー『私は感情の無い人工知能です。お気になさらずに。ゆんゆん様はこのままボス達と合流して、普通にお話をしていてください。そのあとで私が・・・』


--------- ラボ 作業室 


めぐみん『・・・と、ドリスに向かう途中もこんな感じで楽しめそうなところがあると思うのですが、どうでしょう?』

カズマ「良い事思いついた。馬車でゆっくりと景色でも眺めながら、道中の湖にめぐみんに爆裂魔法を撃ってもらおうぜ。そんで、浮いてきた魚を捕まえてバーベキューしよう」

アクア「じゃぁ私は、出発する前日になったら肉屋のおじさんのところで高めの美味しい肉を買ってくるわね!トニーはお酒よろしくね!」

トニー「なんだか今朝仲間が殺されて撤退してきたとは思えない程気楽な会話だが・・・まぁ、この空気の方が良いんだろうな」

   スッ

ゆんゆん「ど、どうも、トニーさん。本を読ませてもらっていました。面白かったです」

めぐみん『おや?不法侵入者がいるようですね』


ゆんゆん「ひどい!私がいたの見てたでしょ!?」

めぐみん『見てましたが、いかんせん影が薄いので忘れてました。他の皆もそうだったと思いますよ?』

ゆんゆん「そ、そんなぁ・・・」

アクア「そ、そそ、そんなことは無いわよ!?私はちゃーんと覚えていたに決まっているじゃない!」

カズマ(やべぇ、頭からすっかり抜けてたなんて言えねぇ・・・どうしよう、旅行の話がもし聞かれてたら気まずい・・・)

トニー「僕の本はどれも科学の入門用とは程遠い専門書だらけだったと思うんだが・・・理解できたのか?」

ゆんゆん「はい、フライデーさんに所々分かりやすく教えてもらいながらですが、大体の内容は理解したつもりです・・・」

トニー「そりゃ凄い、さすがは紅魔族だな。あとで僕の書いた論文も見せてあげ・・・」ヴーッ ヴーッ


トニー「・・・ん?」

トニー(僕の端末にメール?今この世界で僕にメールを送れるのは・・・)ピッ

 【F.R.I.D.A.Y.:ゆんゆんが仲間になりたそうな目でこちらを見ています】

トニー「・・・」

トニー(フライデー、誰の影響でこんなおかしな事を言うようになったんだ・・・後でウィルスチェックを入れておこう。だがその前に・・・)

トニー「なぁ、みんな。ゆんゆんも誘うのはどうだ?旅は多い方が良いだろう?」

ゆんゆん「・・・!」

ダクネス「あぁ、そうだな。旅は多い方が良い」

ゆんゆん「!」パァッ…!


アクア「うんうん!元々誘うつもりだったのよ?決して忘れてたとか、そんなことは無いわ!!」

カズマ「そ、その通り!忘れて何ていなかったぞ!俺も誘おうとしたんだ!」

トニー「僕が思うに、君たちはもう黙っていた方が良いと思う」

ゆんゆん「あ、あの・・・私がいても迷惑になりませんか・・・?」

めぐみん『ほんっとうに面倒くさい人ですねあなたは!誘って貰ったんですから素直に喜べばいいではないですか!』

ゆんゆん「う、うん・・・そうだよね。ありがとうございます、皆さん。誰かに旅行に誘ってもらえるなんて本当に嬉しくて・・・このことは日記に書いて二重の鍵がかかった箱の中に大切に保管・・・」

カズマ「重てぇ!!遊びにならいくらでも誘ってあげるからもうそんなことすんな!こっちの心が折れそうだ!」


トニー「・・・」ポカン…

めぐみん『彼女はこういう人ですよ、トニー』

トニー「そ、そうか・・・友達がいないとは聞いていたが、ここまでこじらせていたとは・・・」

ゆんゆん「あ、あの・・・ところで、ずっと気になっていたんですけど・・・めぐみんの顔がそこの光る板に映っているのは・・・」

トニー「あぁ、モニターのことか?色々訳があって、めぐみんは僕のスーツを着て飛んでいる」

トニー「そして、今は遠くまで飛んで強力なモンスターに上空から爆裂魔法を撃ちこんで経験値を稼ぎに行っているところだ。僕のスーツは自動で動けるから、撃った後でも一人で帰ってこれる。便利だろ?」

ゆんゆん「スーツって、今朝ドラゴンに襲われたときに、トニーさんがソファーを変形させて装着してたやつの事ですか?」

トニー「正確にはソファーの内部にスーツが内蔵されたんだが。そう、そのスーツだ」


ゆんゆん「へぇ・・・ちょっとめぐみんが羨ましいです。あのスーツ、とてもカッコよかったので・・・」

カズマ(・・・なんだかんだ、ゆんゆんも紅魔族なんだなぁ)

めぐみん『あっ!面白いものを見つけましたよ!ちょっと地上まで近づきますね』

トニー「なんだ?フライデー、カメラモードをめぐみん視点に切り替えろ」

フライデー『了解しました』

   ヴンッ

トニー「ん?この生物はなんだ・・・」

アクア「あー!カモネギじゃない!しかも、すっごく大きな群れ!」


トニー「ネギガモ?」

アクア「カモネギよ!すごく美味しくて、高経験値なんだけど、その見た目の愛くるしさから他のモンスターに襲われないって言われているとっても可愛いモンスターなの!」

ダクネス「めぐみんがちょっとうらやましい・・・一匹持って帰って・・・」

カズマ「おい!ウチにはもうちょむすけと、孵化予定のゼル帝がいるんだぞ!いくら可愛くてもこれ以上は駄目だ!」

トニー「・・・確かに可愛い見た目をしているな、ペッパーが気に入るかもしれない。フライデー、その生物の3Dモデルを取っておいてくれ。自分の国に戻ったら、それを元に大きな人形を---」








めぐみん『『エクスプロージョン』ッッッ!!』


    カッ…
ズドァァァアアッ


トニー「」

カズマ「」

アクア「」

ダクネス「」

ゆんゆん「」





めぐみん『・・・めぐみんは、レベルが上がった』


ゆんゆん「ばかああああああああーっ!!!」

カズマ「お前ってやつは、お前ってやつはー!!」

アクア「わっ・・・わあああああーっ!めぐみんの鬼畜っ!カズマ!」

ダクネス「カモネギが・・・粉みじんに・・・!」

トニー「めぐみん・・・君は・・・人の心をなくしたのか?何か嫌な事でもあったのか?」

めぐみん『あんな経験値の塊を見たら、爆裂魔法を撃つしかないじゃないですか。あ、爆心地周辺にカモネギが残っていたら持って帰りますね。晩のおかずにしましょう』

トニー「・・・作業を進める気がなくなってきた」

今回はここまでです。ちょっと日常パートだらけでグダグダになってきてるかもしれませんが、次回からはちゃんと進んでいきます
次回は来週の土曜日夜に投稿予定しています

このすば15巻が発売中!セレナとの戦いは最高に面白いですよ!

今夜投稿予定と書きましたが、ちょっとストーリーの流れ的に気に食わないところが見つかり、修正&加筆することになりました
なので、投稿は明日の夜になります。宣言通りに投稿できなくて申し訳ない・・・

......
....
..
.



三日後


 ガチャッ…


カズマ「うーっす」

めぐみん「お邪魔します、トニー。作業中でしたか?」

トニー「やぁ、カモネギスレヤー。今はカズマ用の新装備の調整中だ」

めぐみん「まだその名前で呼びますか!次カモネギスレイヤーと言ったら酷い目に遭わせますよ!というか、あれは立派なレベリングです。そんな目くじら立てるようなものでもないでしょう」

カズマ「安楽少女を討伐した時、俺の前で泣きわめいたことを謝れよ」

めぐみん「・・・で、ロキは今どうなっているのですか?ギルドは今大変な騒ぎになっていますよ?」

トニー「フライデー、今日のロキ情報は?」

フライデー『特に何もありません、ボス。配下の冒険者たちへの命令だけです』

トニー「ま、二日三日程度で何か大きな変化があるわけもないか・・・」カチャカチャ…


トニー「ちなみに僕のオススメは、この対装甲車両切断用振動バッドソード、タイプRだ」

カズマ「対装甲・・・なに?ずいぶん長ったらしい名前だけど、なんだか惹かれる名前だな・・・」

トニー「略称はRバッソー。エンジンで刃を高速振動させてどんな固いものでもスッパリ切れる」

アクア「ちょっと!ウチの従者を勝手に魔改造しようとしないで頂戴!カズマにはね、神器を手に入れてパワーアップだとか、覚醒だとか、そんなイベントは似合わないのよ!」

アクア「雑魚相手にいつまでも苦戦して、強敵相手には狡すっからい手で勝つのがカズマなの!もっとカズマらしい武器を与えてやりなさいな!」

カズマ「カエルに食べられる特典武器がなんか言ってるよ。トニー、武器についてなんだけどさ・・・そんな危なっかしい武器を素人の俺が使ったら巻き込みが怖いし、俺にはこの相棒がいるから、籠手は普通ので良いや」

トニー「相棒って、その腰に差している刀の事か?」


カズマ「そう、俺と共に数多の視線を潜り抜けてきた相棒・・・」

めぐみん「ちゅんちゅん丸!」

カズマ「違う!」

トニー「気に入ると思ったんだが・・・それじゃ、カズマの武器はこれくらいにしておいて、ダクネスの武器制作に入るとするか。と言ってもまぁ、既に取り掛かってはいるんだが・・・」

ダクネス「どうかしたのか?」

トニー「思った以上に盾の強度が高くてな。200ペタワットレーザーを一昨日から当て続けているが、まだ半分までしか切れていない」

ダクネス「なるほど、加工も困難な程の強度をほこる盾か・・・トニーが教えてくれたプレイは期待できそうにないな・・・」

カズマ「なんでちょっと残念そうにしてるんだよ」

ダクネス「し、してない・・・それにしても、もう神器を一つ改造し終えてしまったのか・・・本当に早いな。これならロキの計画がなんであれ、実行される前にまた攻撃しに行けるかもしれんな!」


トニー「鍛冶スキルのおかげだな。作業の速度が大幅に上がり、尚且つミスも減る。便利なことこの上ないね」

アクア「・・・カズマから鍛冶スキル教わったときは“そんな胡散臭いもの使ってたまるか”なんて言ってなかったかしら?」

トニー「ある程度魔法について科学的に解明した僕の目から見れば、胡散臭いものから便利なもの程度に映るようになったんだよ」

アクア「物は言いようね・・・そうやって詭弁をうまく使ってくるところは誰の影響なのかしら?」

めぐみん「トニーは最初と比べて変わりましたね。出会ったばかりの時は全てがめんどくさそうで、“早く進んでくれ”って妙な焦りと苛立ちの出た顔をしていましたよ」

めぐみん「・・・今となっては私たちが喧嘩しているところを見るとほくそ笑みながらお菓子食べたりしてますが」

トニー「実際早く進めたかったからな。君たちのコントが始まるたびにイライラさせられてたもんさ」

めぐみん「早く終わらせて故郷に帰りたいとかあるんですか?」

トニー「・・・中々鋭いな」


めぐみん「紅魔族は知能が高いのですよ。特に私は、その紅魔族の中でもトップクラスに---」

トニー「“僕に次いで”が抜けているぞ」

めぐみん「そういう傲慢で嫌味ったらしい所はまったく変わりませんね!次私の前でひけらかすような真似したら容赦しませんよ!」

カズマ「そういえば、お前って火力面も知能面もトニーに負けていよいよ存在意義の危機が迫って・・・いだだだだ!!分かった!お前は貴重なロリ枠だ!!存在意義もちゃんとあぐえっ!」ドゴッ

トニー「君のデリカシーの無さはいくらなんでもひどすぎるぞ。僕に負けたとしてもそこを突っ込んでやるなよ。彼女はまだ伸びしろがある若い子なんだからな」

めぐみん「負けてません!負けてませんよ!!いいですか!私はカモネギを吹き飛ばしただけではなく、この三日間毎日スーツで遠出し、あらゆる高レベルモンスターを爆裂魔法の贄にして、レベルが7つも上がりました!それをすべて威力向上につぎ込んだので、火力は私の方が上のはずです!」

トニー「そりゃいいな。今日の爆裂散歩で勝負しようか」


めぐみん「いいでしょう!今日こそ白黒はっきりつける時です!ボードゲームでも勝たせてもらいますよ!」

トニー「悪いが、神器の改造に丸一日費やすつもりだ。さすがにゲームに興じる程の時間は割けないな」

めぐみん「むう・・・ならばカズマ、あなたが私の相手をしてください」

カズマ「嫌だよ、絶対やらない。王様がテレポートで盤外に逃げたり魔法で盤がひっくり返されたりするゲームなんて誰がやるか。ゆんゆんに頼め。ギルドにでも行けば多分会えるだろ」

ダクネス「その神器と言うのはあの盾の事か?なら、ぜひ見学させてくれ。どんな改造が施されるのかこの目で見たいのだ」

トニー「好きにしてくれ。君たちはこのラボに登録してあるから、もう好きな時にここに入れるし、このラボの大体の所にはアクセスできるぞ」

トニー「それにしても、君たちの屋敷からここはずいぶん離れているはずなのに、ここ三日は毎日遊びに来るじゃないか。大変だろ?」


カズマ「めぐみんのアイアンマンスーツを使って、一人ずつめぐみんにおぶさって飛んで来てるんだよ。毎回往復すんの大変だと思うけど、これからも頼んだめぐみん」

めぐみん「普段みんなにおぶって貰っていますからね。それくらい構いませんよ」

トニー「それじゃ、爆裂散歩にでも行くか?」

めぐみん「そうですね。元々トニーを爆裂散歩に誘うつもりで来たので。行きましょう」

カズマ「おっし、弁当も持ってきてるから、昼飯は外で食って、晩飯はまたここで食おうぜ。キッチン設備が未来的で充実してるから料理スキルの使い甲斐がある」

トニー「スターク・インダストリーズ製の商品がいっぱいあるからな。当然だ」

カズマ「よし、それじゃ早速行こうぜ。あっ、あんまし動きたくないからそこそこ近場でな」

トニー「はいはい」

アクア「・・・あれ?そういえば、トニーのスーツは破壊されたはずよね。一体どうやって勝負するつもりなの?」

トニー「ちょっと新しい武器を試してみたくてね・・・まぁ、後でのお楽しみだ」

......
....
..
.


同時刻 王都 王城 王室



  バンッ!

騎士A「アイリス様!アイリス様!非常事態です!」ゼー… ゼー…

?「無礼者!アイリス様は今この国に為に色々と考えておられるのだ!ドアを開ける時はきちんとノックをしろ!」

騎士A「申し訳ありませんクレア様!しかし、時を一刻も争う事態で・・・!」

アイリス「落ち着いてくださいクレア・・・何やら大変な事態のようですし・・・あの、一体何があったのですか?」

騎士A「それが・・・!魔王軍が王都近辺の平原に現れ、襲撃が仕掛けてきたのですが・・・」

クレア「それなら知っている。ついさっき魔王群襲撃警報を聞いたのだからな。今頃は冒険者と騎士団が向かい撃っているところだろう?」


騎士A「いえ、ですが・・・その・・・」

クレア「なんだ?歯切れの悪い。一体どうしたと言うのだ?」

騎士A「敵の部隊の中には魔物だけではなく、今まで行方不明になっていた冒険者が大勢混じっていまして・・・」

クレア「なんだって!?」

アイリス「・・・!」

騎士A「そのせいで騎士団も冒険者たちもパニックになり、さらにその混乱に乗じて、妙な兜をした怪しげな魔術師が次々と未知の魔術で冒険者を配下に・・・!」

騎士A「もうすでに戦況は絶望的で、このままでは防衛線が突破され、この街まで侵攻される可能性が非常に高いかと・・・!」

クレア「なんてことだ・・・!つい最近サトウカズマ一行が接触したとアクセルから連絡が入った新しい魔王軍幹部の情報と一致する・・・!アイリス様、いかがいたしますか!?」


アイリス「今の内に市民を全員避難させなさい!そして、もしそれが間に合わないというのなら・・・」

   ザッ

アイリス「私自ら戦線に赴き、少しでも時間稼ぎを・・・!」

クレア「な、なりません!アイリス様!あなたはこの国の王女なのですよ!?」

アイリス「だからこそです!ここで民を守らずして、この国の第一王女は名乗れません!」ダッ…

クレア「ちょっ!アイリス様!どこへ行かれるのですか!」

アイリス「宝物庫まで行って、聖剣を取ってきます!市民の誘導を頼みましたよ!」

クレア「いやいやいや!お待ちくださいアイリス様!レ、レイン!レイーン!!アイリス様を止めるのをお前も手伝え!」

レイン「は、はい!」

アイリス(お兄様・・・!私は信じているから・・・!お兄様なら、きっと嫌な顔をしながら、この国の危機を救ってくれると・・・!)

今回はここまで。次回から少しシリアスになってしまうかも・・・?
次回更新は来週中に行う予定です
そして、スタン・リーのご冥福をお祈りします・・・彼は最強のヒーローだった・・・

ここからアイアンマン無双はじまるかな

Rバッソーww
戦闘員ネタやんけw

ミスの修正です。

>>333で脱字がありました

クリス「話せば長くなっちゃうんだけど・・・みんな知っての通り、あたしは敬虔なエリス教徒でね。ある日、エリス様からのお告げがあったんだ。“行方の知らない神器を悪用されると大変なる”って。それを聞いて私は・・・」 ×

クリス「話せば長くなっちゃうんだけど・・・みんな知っての通り、あたしは敬虔なエリス教徒でね。ある日、エリス様からのお告げがあったんだ。“行方の知らない神器を悪用されると大変な事になる”って。それを聞いて私は・・・」○


また、>>433>>434の間に


カズマ「今いじってるそれは?」

トニー「君の籠手だ。敵に接近されたときに対処できるように小型の武器を取り付けようと思うんだが・・・なにか希望はあるか?」

というやり取りが入っているはずでした。
申し訳ない・・・

>>444 もうすぐトニー式科学の暴力が始まりますよ
>>445 気づいていただけたの嬉しい!戦闘員とても面白いですよね


......
....
..
.


夕方 爆裂散歩の帰り道


めぐみん「いい加減答えてもらいますよトニー!一体何だったのですかさっきのは!」

トニー「正式なプレゼンはそのうちする予定だ。君も招待するよ」

めぐみん「そういうことではありませんよ!なんで魔力もなければ、スーツを着ていたわけでもないのに地形を変えるほどの大爆発を起こせたのですか!?」

ダクネス「さ、さすがにアレはちょっとマズイぞトニー・・・もしさっきのアレが大量生産できるとなると国が放っておかないと思うのだが・・・」

トニー「大量生産もやろうと思えばできるが、さすがにアレを国には渡さない。使うのは僕だけだ。そもそもアレを使うのには結構面倒な手順がいるんでね。僕にしか使えないだろう」

ダクネス「ならいいのか・・・?いや、でも・・・デストロイヤーの比にならないほどの破壊兵器を個人が大量に保有できると考えると・・・」

トニー「出し抜くことばかり考えて、黒いものが渦巻いている国に渡す方がよっぽど危険さ。持っているのが僕だって考えると安全だろ?」


アクア「余計に不安になるんですけど。トニーってば良かれとおもって作った物でなんか失敗してそうなんだもの」

トニー「・・・そんなことないぞ?」

めぐみん「何であれ、さっきの武器はもう撃たないでくださいね!あんなモノ使わなくてもこの私がいるのですから!」

トニー「僕がスーツで火力出すのは良いのに、さっきのは駄目なのか?君の爆裂魔法の威力までは届かなかったんだし、別にいいだろ?」

めぐみん「あのスーツはトニーだけの物でしょう?だから、あれは全てトニーの実力です。私も文句はありません。ですが、アレはその気になれば誰にでも操作できてしまうではないですか!」

トニー「いや、僕以外に使わせる予定は・・・」

めぐみん「そうでなくとも!トニーがもし心変わりして、国にアレを渡したら誰でも気軽に超火力が撃てるではないですか!」

トニー(面倒な奴だ・・・カズマ、助けてくれ・・・)チラッ…

カズマ「・・・!」


カズマ「確かに、アレが量産されて、国の指示一つで爆裂魔法並みの兵器が連発できるような事態になったら、めぐみんはお役御免だもんな!そりゃ焦るか!」ケラケラ

めぐみん「そうなのですよ!あの兵器は封印するべきです!」

トニー(この男!)

めぐみん「良いですかトニー!あれを作る気ならこの私が爆裂魔法でラボごと消し去ってやりますからね!」

トニー「ったく、少しは認め・・・」ピタッ…

めぐみん「・・・トニー?どうしたのですか?いきなり目を丸くして・・・」


ダクネス「む?エレベーター小屋の前に誰かいるな・・・誰だ?女性のようだが・・・」

カズマ(あれ?あの女性ってたしか前にホログラムで見た・・・)

トニー「ペッパー!」ダッ!

めぐみん「あっ!トニー!」

アクア「どうしちゃたのかしら?あんな血相変えて・・・あれっ?あそこに立ってるのって・・・」

ダクネス「と、とりあえず追うぞ!」ダッ



----------------


トニー「ペッパー!」タタタ…

ペッパー「トニー・・・」

トニー「どうしてここに・・・?ここに来たということは、まさか君も・・・」

ペッパー「それは後でゆっくり説明するわ。それよりトニー・・・」スッ…

トニー「あー・・・キスか?もちろん嬉しいが、今はその・・・後ろの方で子供達が見てるだろ?それにほら、僕達最近上手く行って無いじゃないか・・・まぁ、大体は僕のせいなんだが・・・」

ペッパー「でも、今はこういう気分なのよ、トニー。ほら早く・・・」

トニー「・・・分かった。君がここにいる訳はさっぱり分からないが、君にとても会いたかったし、こうして会えて嬉しいよ」スッ…




   グニャリ…






バニル「フハハハハハ!!そうかそうか!我輩もこうして貴様から悪感情を得るために会いたかったぞ!」

トニー「!!!!!?????」

バニル「愛しいソバカス娘かと思ったか!残念!!我輩でした!!!フハハハハハ!!ヒゲ中年の悪感情、大変に美味であ・・・こ、こらっ!仮面を剥がそうとするな!何故お前達は我輩の仮面に気安く触るのだ!」

トニー「よくも僕の一番大切なものを踏みにじってくれたな!謝ってくれ!なぁ、謝ってくれ!!」

バニル「あのパーティーに入ってから口調まで悪影響を受ける続ける男よ!先に我輩を馬鹿にしてきたのは貴様であろう!」


トニー「だからと言って、やって良い事と悪いことがあるだろ!今度こんなマネしたら、次に送る武器はあんたに直にブチこんでやるからな!!」

バニル「そう熱くなるでない。熱暴走するぞ?アイアンマン!フハハハハハハハ!!!」

トニー「・・・で、来た目的はなんだ?わざわざここまで僕を馬鹿にしに来たってのか?」

バニル「貴様からあれだけの美味な悪感情を馳走になっただけでも十分来た意味があったものだが・・・本来の目的は・・・あれだ」クイッ

トニー「あそこに積まれている袋は・・・」

バニル「汝が頼んでいたものだ。何とかすべて手に入ったのでな、届けに来た」

トニー「無線で連絡すればよかっただろ。なんでわざわざ・・・?」


バニル「ここまで重たい鉱石類を運んでやったのだぞ?少しは感謝してほしいものだ。なぁに、面白い未来が見えたものでな。ここに客人が来るのを見計らって我輩が先回りしていたというわけだ」

トニー「客人?誰だ?」

バニル「もう既に我輩がラボの中まで丁寧に案内しておいた。中に入って会うが良い」

トニー「・・・君に僕のラボへのアクセス権限を渡した覚えは無いんだが」

バニル「汝に化けて普通に通ったのだ。我輩の変身能力はついさっき見たであろう?指紋だろうが網膜だろうが関係無しである。暗証番号に至っては、見通す目を持つ我輩にとっては無いも同然だ」

トニー「フライデー、次はX線とDNAチェック、魔力探知もセキュリティに追加するぞ」

フライデー『了解です。ボス』


   タタタ…


アクア「あーあ、遅かったわね。そこに立ってる女は薄汚い悪魔の仮の姿だって曇りなき眼で見抜いた私が教えてあげようと思ったのに」

カズマ「遠くから見てたよ、トニー。なんというかその・・・ドンマイ。アイツにあんなふうにかわれてきた奴は大勢いる」

トニー「滅ぼしたほうが良いんじゃないのか?」

アクア「大賛成」

ダクネス「気持ちは分かるが落ち着け。ところで、バニルは何の用で来たのだ?」

トニー「僕のラボに客人が来てるんだとさ」

ダクネス「客人・・・?クリスだろうか・・・」

めぐみん「とりあえず、まずは中に入って客人と言うのが誰か確認しましょう」

トニー「バニル、あんたはどうするんだ?」

バニル「我輩はこれにて失礼する。あの客人にはあまりかかわりあいたくないのでな」

トニー「・・・?」

短いですが今回はここまで
次回も一週間以内に上げられたらなと思います

......
....
..
.


トニーのラボ


ガチャッ


カズマ「バニルが関わりたくないなんて言う客人なんて一体誰----」


  タタタ…


  「お兄様ー!」ガバッ


カズマ「うおおっ!?なんだなんだ!?」

アイリス「お兄様・・・!」キュッ…

ダクネス「アイリス様!?」


カズマ「アイリス!?どうしてここに!?て言うか、その装備はなんだ?鎧に剣まで持って・・・」

アイリス「・・・」ギュゥゥ…

カズマ「ち、ちょっと苦し・・・」

めぐみん「ちょっと!いつまでくっついているのですか!私に見せつけているのですか!?そろそろ離れ・・・」

アイリス「・・・」グスッ…

めぐみん(泣いている・・・?)

カズマ「本当に・・・どうしんだよ、アイリス・・・」ナデ…

アイリス「お兄様・・・ベルゼルグが・・・この国が・・・」


ダクネス「アイリス様、一体何があったのですか?」

クレア「・・・王都が陥落したのだ」

ダクネス「王都が!?クレア殿、それは本当か!?」

トニー「クレア、王都が落ちるなんてどんな敵が攻撃してきたんだ?」

クレア「奴だ。噂の新しい魔王軍幹部、ロキが現れて防衛線を一瞬で崩壊させたのだ。冒険者たちを配下に変え、混乱が生じている内になだれ込んできた」

トニー「・・・!」

カズマ「えっ、お前白スーツと面識があったの?」


カズマ「・・・」

トニー「・・・で?」

レイン「市民の避難は完了しましたが・・・この国を守るために出撃した冒険者達や騎士団は皆・・・ロキの配下に・・・今は魔王軍の魔物たちと一緒に王城の防衛にあたっています」

ダクネス「おい、トニー!ロキの動きは把握しているのではなかったのか!?」

クレア「なに!?スターク殿、どういうことか説明してくれ!」

トニー「奴の体に発信機・・・まぁ、位置がわかる道具をくっつけていたはずだが・・・」

トニー「フライデー、ロキは今どうなっている?追跡装置が故障でもしたか?」


フライデー『いえ・・・正常に作動しているはずですが・・・少々お待ちください、これは・・・』

フライデー『ボス、ロキが洗脳した冒険者たちに行っていた命令の声紋パターンを分析してみました。結果は・・・』

トニー「いや、言わなくていい・・・してやられたか・・・」ハァ…

アクア「えー・・・っと、つまりどういうこと?」

めぐみん「ロキは自分の声が盗み聞きされているのを逆手に取って、録音なりなんらかの方法を使ってヴォーミアでまだ冒険者たちに対して命令を下しているように見せかけていた・・・ということでしょう?トニー?」

トニー「そういうこと。僕の失態の詳しい説明をしてくれて助かるよ」

クレア「アイリス様は・・・市民が逃げるまでの時間稼ぎと仰せになり、装備を整えて前線まで赴こうとしたのだが・・・」

レイン「・・・アイリス様の命令を無視して、私がクレア様と共にこのアクセルまで強制的にテレポートさせました。アイリス様、どんな罰でも受けます。ですが、どうかこれがアイリス様を守るための物だったとご理解ください・・・」


クレア「いや、テレポートしろと言ったのは私だ。だから罰は私が受ける」

アイリス「・・・いえ、策も無しに敵に向かっていった私があまりにも無謀でした。二人とも、私を助けてくれてありがとう。私はもう、大丈夫です」スッ…

カズマ「なんだ、もういいのか?もっとお兄ちゃんにくっついていてもいいんだぞ?」

アイリス「い、いえ・・・その、もう恥ずかしいので・・・///」

カズマ「遠慮するなって、もっとお兄ちゃんの腕の中に」

クレア「・・・」チャキッ…

カズマ「ごめんなさい嘘です。無言で抜剣しないでくれ!!」


クレア「で、スターク殿。なにか提案はあるのか?」

トニー「・・・すぐさま王都を取り返すとはいかない。準備する時間が必要だ」

アイリス「我々もあれだけの強敵からそう容易く王都を奪い返せるとは思っていません。具体的にはどれくらいでしょうか・・・?」

トニー「・・・一週間ってところだ」

クレア「一週間か・・・」

レイン「勝算はおありですか?」

トニー「作戦は今の所考えていない・・・が、作戦立案には適した奴がいるじゃないか」チラッ

ダクネス「そうだな」チラッ

めぐみん「そうですね」チラッ

アクア「こういう時の為のカズマさんじゃない」チラッ


カズマ「はぁ・・・こうなるだろうとは思ってたけどさ・・・トニー、お前一応この中で一番賢いんだろ?俺よりいい案浮かばないのか?」

トニー「一応ってなんだ、一応って。確かに僕は天才だが、君ほどのリーダーシップは無いし、作戦を立てた経験もない」

トニー「君は嫌らしい想像力を働かせて、僕は持てるだけの科学力を持って君が考えた策を実現させる」

カズマ「俺を褒めるのか貶すのかどっちかにしろよ」

アイリス「とりあえず、まずは王都の現状を知る必要があるでしょう」

クレア「でしたら、王都に最も近い町からの偵察隊を・・・」


トニー「必要ない。ステルスドローンを使おう。これで王都の様子を探れるはずだ」


   フィィィィイイン…


クレア「い、一体なんだこれは・・・?」

カズマ「おいおい、ついさっき追跡装置を使って出し抜かれたって言うのに、また機械で探るのか?」

トニー「命の危険を冒して人を派遣して戻ってこなくなるよりはいいだろ?今回はロキにも気が付かれないように遠距離から観察してやるさ」

トニー「よし・・・早速取り掛かるぞ。一週間でスーツと君たちの装備を完成させて、王都を取り戻してやる」


今回はここまで。次回は来週中に投稿予定です
アベンジャーズ4の予告編が今年中に来るそうです。楽しみですね

アベンジャーズの予告来たぞ

......
....
..
.



翌日 トニーのラボ



トニー「参った・・・」ゴロンッ…

めぐみん「なんでもう音を上げているのですか!昨日の威勢はどこへ行ったのですか!?今のあなたを見たら、居住区で寝泊まりしてるアイリスたちの気が病みますよ!」

トニー「コロナタイトの成分解析、構造解析はできてもプログラムに組み込むことができない・・・」

トニー「組み込んだら解読不可の電気信号のようなものが流れて回路全体に強制的にロックがかかってしまう・・・まるで科学が魔力そのものを拒んでいるかのようだ・・・」

ダクネス「“のようなもの”?定かではないのか?」

トニー「正体不明だ。おそらくは魔力だろうが・・・見たこともないパターンだ」


トニー「魔力を可視化する時は固定化されたパターンがあって、残存した魔力から何時、何の魔法をどれだけの魔力を込めて使ったのかさえ分かるんだが・・・機動要塞デストロイヤーは一体どうやって動いていたんだ?」

アクア「ふむふむ・・・つまり、魔力を理解したつもりが理解できていなかった。井の中のジャイアントトードだったって訳ね!」

カズマ「色々おかしいだろが!邪魔にならないようにお前はこっちでなんか飲んでろ!」グイッ

アクア「何でよー!私にもなんか頭が良さそうに見えるセリフを言わせてよー!」ズルズル…

トニー「人にはそれぞれ得意分野があるんだ。できない事はするもんじゃないぞ?君は宴会芸でもして僕らの士気を上げるなりしててくれ」

カズマ「で、何が飲みたい?ほら、注いでやるから自分で歩け」

アクア「・・・お酒」

カズマ「はいはい」

  ズルズル…


めぐみん「・・・で、要するに、コロナタイトの中にある力の流れが見えず、スーツに組みこむことが出来ないということですね?」

トニー「そうだ。パターンさえ見つかればなぁ・・・」

めぐみん「トニーを馬鹿にするわけじゃありませんが、もしかしたらアクアの言うことにも一理あるかもしれませんね」

トニー「魔術への理解が足りないって?」

めぐみん「えぇ。ここは、魔術に長けた者を呼び集めてコロナタイトの性質を理解しましょう」

トニー「・・・そういえば君って・・・」

めぐみん「なんですか?私はもちろん魔術に長けていますよ?学年一位だったのですから」

トニー「・・・」


めぐみん「おい、言いたいことがあるなら聞こうじゃないか!爆裂魔法以外使えないからと言って、知識も無いというわけではありませんからね!!」

トニー「だといいんだが・・・まぁ、君やアクアの言う通りだ。僕より専門家がいた方が良いだろう。知識がありそうなのに心当たりが・・・」ピッピッ… ピピ…


 ピピピ… ピピピ…

    ガチャッ



バニル『バニルである。なんだ?』


トニー「やぁ、バニル。あんたにちょっと頼みたいことがあるんだ」

バニル『すまぬ、どうやら電波の状況が悪いようだ。もう一度頼む』

トニー「だから、あんたに頼みたいことがあるんだ。協力してほしい」

バニル『聞こえんな?もう一度頼む』

トニー「・・・あんたの力が要る。この前はからかって悪かった。だが今は一刻を争う危機で、嫌がらせの応酬をしてる場合じゃない。長年生きた悪魔の知恵が必要---」

バニル『まぁ、我輩は留守なので何を言っても聞こえぬのだが』

トニー「・・・は?」

バニル『電話に出ているかと思ったか?残念!!留守番電話でした!要件があれば我輩の素敵な笑い声の後に伝言をどうぞ!』

バニル『フハハハハハハハハハハハハハハハ----』


   ブチッ


トニー「・・・」クルッ…

   スタスタ…

めぐみん「・・・トニー?どうしたのですか?そっちは出口ですよ?」





トニー「ちょっとバニルを滅ぼしてくる」

めぐみん「一体なにがあったのですか!?」



......
....
..
.


数時間後


バニル「よもやあの機動鎧も無しに殴りこみに来るとは、この我輩でも見通せんかったぞ」

ウィズ「あんなことをされたら誰でも怒りますよ・・・」

トニー「まぁ、その話は置いといて・・・要件はさっき話した通りだ。協力してくれるか?」

ウィズ「えぇ、喜んで。トニーさんがウチに商品を置いてくれるようになったおかげで固形物が食べられるようになったんですよ!」

トニー「そ、そうか。それは良かった」


バニル「まぁ、なんだかんだ言って汝は商売相手であるし、この世界がヘンテコ兜をかぶったヘンテコ神に乗っ取られるのもつまらん。奴を倒す手伝いならやってやろう」

トニー「助かる」

ゆんゆん「私も微力ながら協力します!仲間の為に!だよね!めぐみん!そのために私を呼んだんだよね!」フンスッ

めぐみん(戦力を増やしておきましたよ、トニー)グッ

トニー(またいいように使われているな・・・だが・・・)

トニー「心強いな。まずコロナタイトの性質を調べるにあたって、僕がどこまで理解しているのかの説明をしたい」


バニル「どうせ間違っているのだから必要ない。それより早くコロナタイトを見せるが吉。我輩がパパっと性質を解いてやろう」

ウィズ「ちょっと待ってくださいよバニルさん。ここは魔道具店店主の私の勘と知識にお任せを・・・」

めぐみん「私だって学園で色々習っているのですから。まずは私に見せてくださいよ。学園随一の知能ですぐに性質だって理解してやりますよ」

ゆんゆん「あっ!負けないわよ、めぐみん!私だって学校でずっと一人だった間に、図書室でいろんな本を読み漁って知識を蓄えてたんだから!」

アクア「ねぇ、ゆんゆんって呪いの使い手じゃないわよね?なんだか心が重くなってくるんですけど。それよりも、この私も混ぜなさいな!女神の勘と知識を総動員して導いてあげる!」


 「「「結構(である)です」」」


アクア「何でよー!!」ワッ!


カズマ「お前引っ込んでろって言っただろうが!何しに来たんだ!戻ってこい!」

アクア「いやーっ!女神らしいことしたいの!世界を救うお手伝いをしたいの!!」

カズマ「いいから来い!」グイッ

トニー「・・・」







トニー「ぼくさっそくまちがえたかもしれない」

ダクネス「・・・」ポンッ

トニー「何で慰めてるんだ?あんたは僕の悩みの種でも特にデカい方だからな?」

ダクネス「!?」

短いですが今回はここまで。次回も来週土曜日のこれくらいの時間に投稿します
留守番電話のあたりのやり取りは知ってる人はしってるかも・・・?


>>471

来ましたね!情報をあまり見せたくないせいか、だいぶフワフワしたトレイラーでしたが・・・
とにかく楽しみにしています。スパイダーマンFFHのトレイラーも楽しみですね!

......
....
..
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トニーのラボ 実験室



バニル「ふぅむ・・・」

トニー「何か分かったか?」

バニル「一応聞いた汝のコロナタイトについての仮説だが・・・まぁ、所詮は人間がたどり着ける程度の領域だ。見てはいるが、観察はしていないといった所だな、四十五点!」ニヤリ

トニー「特定できていない部分があるってことか?胡散臭い存在特有の抽象的な意見じゃなくて、もっと具体的な助言を言ってくれると助かるんだが。やっぱり肝心な時に限って君の目は見えなくなるのか?」


バニル「・・・おぉっ!見える!見えるぞ!貴様がまた我輩に騙されて悪感情を献上する未来が!!」

トニー「あ、ウィズ。この間君が店に並べていた僕の改造されたアイテム達だが・・・あれはすごくいいものだ、これからもぜひ続けてくれ。君の商売センスは最高だ」

ウィズ「やっぱりそうでしたか!聞きましたか?バニルさん!当の本人が言っ」

バニル「待て!ウチのガラクタ店主を唆すでない!店が潰れるわ!貴様何考えておるのだ!!」

トニー「君が困ることだ」

ゆんゆん「あ、あの~・・・喧嘩はやめた方が・・・」オロオロ…

めぐみん「ここはゆんゆんの言う通りですよ。こんなことをしてる場合ではないでしょう」


ウィズ「えっと、バニルさんはあんなこと言ってますけど、魔術の知識は本で得たばかりにも関わらず、もう既にここまで理解してるのは十二分に凄いですよ?」

ウィズ「間違いなく手に入れてから三日程の今日までで、人類史で百と数十年分の解析が進んでいると思います」

ゆんゆん「こうして実物を見ると、とても複雑な存在だってことがわかるね・・・普通のマナタイトなんかとはもはや別の存在みたい」

めぐみん「そうでなければ永い間デストロイヤーの動力源は務まらないでしょうね」

トニー「僕の新スーツの動力源もな」

ウィズ「おそらくですが・・・常に魔力が変動しているんだと思います」

トニー「変動?」

バニル「コロナタイトは永遠に燃え続けると言われている伝説級の鉱石。中に秘められている魔力は“たくさんある”だとかそんな次元の話ではない。文字通り無限である」


ゆんゆん「でも、実際に目の前にして見てみると、コロナタイトからは無限に湧いているっていうより、なんだか中身で渦巻いているって感じの魔力の流れを感じますね・・・」

めぐみん「それがウィズの言う“変動”というやつでしょう魔力を作り出しては内部で複雑に魔力を分散させ、暴発を防いでいるのではないでしょうか」

めぐみん「それならコロナタイトを前にしてあふれんばかりの魔力を感じるのも納得がいきます」

バニル「まるで魔龍や亜神と言った高レベルの魔物のようであるな」

トニー「成る程。決められた数式とプログラムで動かそうとするとフリーズするのも当然だな。僕は常に形状が変化する鍵穴を開けようとしてたって訳だ」

めぐみん「ふふ、どうやら謎は解けたみたいですね・・・まぁ、これだけの者が揃っているのです。この結果もまた必然・・・!」

ウィズ「お力添え出来たのなら幸いです」ニコッ

トニー「まだ解けたとは言えないな。あくまでも解き方が分かっただけだ」

ゆんゆん「これからどうするんですか?」

トニー「鍵作りだ。これからコロナタイトの性質変化に合わせたプログラムの開発をする。ゆんゆん、君確か科学の知識を得ていたよな?」

ゆんゆん「はい!お手伝いしますね!

トニー「よし、早速取り掛かろう。並行して皆の装備の開発もしないとな」

トニー「フライデー、映像記録を取れ。録画スタート」

   ピッ…






......
....
..
.



コロナリアクター製作開始から 三日後・・・


トニー「ダクネス、君にちょっとしたプレゼントがある」

ダクネス「・・・プレゼント?わ、私にか?一体・・・」

トニー「カズマ」

カズマ「ララティーナお嬢様、お手を拝借」グイッ

   チャキッ

ダクネス「へ---」

  バスッ


ダクネス「痛っ・・・!な、なんだ今のは!?/// まるで小さな針を体にチクチク刺していくかのような・・・!新感覚、新感覚だ・・・!も、もう一回・・・!」

カズマ「どうだ?フライデー」

フライデー『失敗です。弾かれました』

カズマ「・・・トニー、大変だ」

トニー「これほどとはな・・・さすがの僕でも予想できなかった」

ダクネス「なんだ・・・?なんで二人共そんな残念そうな顔をしているのだ・・・?」

トニー「今君の体に撃ち込んだのはマイクロチップだ。これと今制作中の盾を連動させ、“自動で攻撃から使用者の身を守る”っていう神器に元あった効果を再現できないかと思っていたんだ」

カズマ「まぁ・・・どうなったかは見ての通りだよ。お前の筋肉が固すぎてマイクロチップが腕の中まで入っていかない」


ダクネス「き、筋肉が固いとかいうな!私はクルセイダーなのだ!多少は固くて当然だろう!」

トニー「マイクロチップを跳ね返す筋肉を“多少”固いじゃ済ませられないだろう」

ダクネス「大体!何故許可も無しに私の体に変なモノを植え付けようとしてるんだ!そういうプレイは断ってからにしろ!金も払う!」

カズマ「お前は一体何を口走ってんだ、ドスケベクルセイダー!お前が盾役こなせないと俺たちの命にかかわってくるんだよ!トニー、なんか手は無いか!?」

トニー「体をスキャンして腕のもっとも筋肉が薄い層に撃ち込もう」

ダクネス「ま、待ってくれ!自動で攻撃を防げるようになって何が面白いと言うのだ!ただ構えて耐えるよりも面白くないではないか!私は嫌だからな!」ダッ!

カズマ「おい逃げんな!」

トニー「こうなることは予想済みだ、カズマ。予定通りバインドで動きを止めろ!」

カズマ「ゲヘヘ!!お嬢様!どうか抵抗なさらずに!!『バインド』ッッッ!!」シュルッ…


ダクネス「何故腰に紐をぶら下げているのかと思ったらそういうことか!この卑怯も---」

  ヒュンッッ

ダクネス「あぁんっ!!///」ギュルルッ ドサッ

カズマ「観念しろダクネス!お前は今から体をいじくりまわされるんだよぉ!ゲッヘッヘ!!」

ダクネス「くっ、殺せ!なんてことだ・・・こんな風に何もできぬまま縛られるなんて・・・屈辱だ・・・ハァハァ・・・///」

トニー「ほーら、ララティーナ。おとなしくしてないと逆に痛くなるんだぞ?力を抜いてリラックスしてろ、すぐに済ませてやるから」

ダクネス「た、頼む!そんな邪悪なモノを私に近付けるなぁ!/// もし私の体を自由に操れるようにしたとしても、心までは自由にできるとおもうな!///」

カズマ「トニー!こいつ自分でどんどん力を弱めていくぜ!とんだ欲しがりめ!オラッ!こいつをお前にブチ込ん---」

めぐみん「なにをしているのですか、あなた達は」

アイリス「お兄様・・・?ララティーナ・・・?それに、スタークさんまで・・・一体何を・・・?///」


   「「「!?」」」


......
....
..
.


コロナリアクター製作開始から四日後・・・


トニー「・・・」

アクア「なにしてるのトニー?そんな悩んだ顔をして」

トニー「・・・また少し行き詰ってな。コロナタイトのエネルギーの流れの可視化から、コードとして表記させるところまでは出来たんだが・・・このコードから意味を見出すことが出来ない」

トニー「全くの未知のコードの羅列からどうやって意味を見出せって言うんだ?」

アクア「昨日あんなふうにくんずほぐれつしてたのはてっきり余裕があるからだと思ってたわよ。トニーったら大丈夫なの?」

トニー「くんずほぐれつとか言うな。ちょっとクルセイダーとしての力を上げてやろうかと思っただけだ」

トニー「君こそここでモニターを眺めて何やっているんだ?君の顔に考え事は似合わないぞ」


アクア「なーんかこの画面ひっかかるなって・・・いや、ちょっと待って。今なんて言ったの?」

トニー「引っかかる?どういう意味だ?」

アクア「今新しい引っかかりが増えたんですけど」

アクア「まぁいいわ。あのね、なんだかこのズラッとした文字の並び方に見覚えがあるの」

トニー「どういう所で見た記憶がある?」

アクア「うーんと・・・どこだったかしら・・・少なくともこの世界じゃないわ。多分天界で・・・ハッ!」

アクア「ああああっーー!!」

トニー「なんだ急に!驚くだろ!これで昼ごはん食べるの忘れてたとか言ったら部屋から放り出すからな!」

アクア「言うわけないでしょそんな事!ちゃんとツナマヨおにぎり食べたの覚えてるわよ!そうじゃないの!これに似た文字の並びを思い出したのよ!」


アクア「これ、日本から転生する人の頭にこの世界の言語知識を覚えさせるときに展開する魔法陣の並びとよく似てるの!」

アクア「詳しくは私もよくわからないんだけど、記憶をいったん展開して読み書きができるという事実を上書きするなんて言ってたのを覚えているわ!私、難しい話は嫌いでいつもは聞かないんだけど、その時丁度似たような能力を使うバトル漫画を見てて、なんだか覚えているのよ!確か名前はヘブンズ・・・」

トニー「いや、そこまでで十分だ。そうか、記憶を展開した魔法陣か・・・」

トニー(待てよ・・・科学技術ってのは積み重ねで出来ていくものだ・・・魔術だって調べてみれば科学の似たり寄ったりな部分はあった・・・大本は同じなんじゃないか?)

トニー(記憶のコードと似ているというなら・・・もしかしてこのエネルギーは単純なリアクターなどから発せられるものとは全くの別物なんじゃないか?意志に似た何かが・・・)

   ----『まるで魔龍や亜神と言った高レベルの魔物のようであるな』
   ----『常に形状が変化する鍵穴を開けようとしてたって訳だ』
   ----『これは頭脳だ・・・物を考えている・・・』

トニー「---!」


トニー「フライデー、コロナタイトのコードの中に、君のオペレーションマトリックスとメモリーコードとの類似性が無いか確認してみてくれないか?」

フライデー『検索中・・・』

  ピッ… ピピッ…

フライデー『検索完了。ボス、コロナタイトのコードの中に私との類似性が2.3%存在しました』

トニー「やっぱりだ・・・!コロナタイトはロキの杖の中に入っていた石に似ている・・・人工知能に近い・・・!これなら、類似性を持つフライデーを元に制御できるプログラムの開発ができる・・・!」

トニー「愛してるぞアクア!これで完成への道のりが見えた!」

アクア「へぇえぁ!?何急に告白してるの!?トニーってばおかしくなっちゃったの!?」

アクア「そ、その・・・ごめんなさいトニー、私はあなたの気持ちには答えられないわ。だって、私は女神だから・・・」

トニー「はぁ!?ちょっと待て!そういう意味で言ったんじゃない!」

アクア「でも、この見目麗しい女神に怖気つかずに告白してきたその勇気はほめてあげるわ!馬小屋で一緒に寝てたのに照れ隠しで興味ないとか言っちゃうカズマなんかとは大違いよ!」

アクア「というわけで私は告白されたって自慢してくるわね!きっとみんな驚くわ!」ダッ!

トニー「だから待て!おい!」



中途半端ですが今回はここまでです
何かの開発シーンや作戦の立案中に、全くそれらに対しての知識を持ち合わせていないやつが発した何気ない一言で一気に解決に向かうみたいな展開っていいですよね
いい一言が思いつかなくて、だいぶアクアが頭良くなったみたいな会話になってしまいましたが・・・

次回も土日に公開なると思います

年末で少々忙しくなってきたため、投稿が遅れ気味です
ちかいうちに必ず続きを・・・

......
....
..
.


コロナリアクター 製作開始から五日後・・・



トニー「ゆんゆん、そこのリパルサー・トランスミッター組み立てといてもらえるか?」カチャカチャ…

ゆんゆん「はい!」

トニー「助かる。まさかこの国でエンジニアの助手が得られるとは思っていなかった」ジジジ…

ゆんゆん「まだ齧った程度なので、あまりあてにはしないでください・・・」

トニー「わからないところがあったらフライデーに聞けばいいさ」


ゆんゆん「いえいえ、ずっとお世話になっているのにこれ以上頼めませんよ」

トニー「・・・ずっとお世話に?」

ゆんゆん「はい、トニーさんに貰った端末でいつもメールの相手してくれたり、宿でトニーさんから借りた本を読んでくれたり・・・とても優しくしてもらっています!」

ゆんゆん「フライデーさんは・・・大切な・・・その・・・」

フライデー『私はあなたの友人ですよ、ゆんゆん様。友人にはいつでも頼ってください』

ゆんゆん「フライデーさん・・・!」パァッ…

トニー(彼女の友達の殆どが人間じゃないってことは黙っておくべきなんだろうな、きっと)


フライデー『ところでゆんゆん様、必殺技の開発は順調ですか?』

ゆんゆん「あぁっ!い、今その話はちょっと・・・!」アタフタ

トニー「君必殺技作ってるのか?Wow、やっぱり君も紅魔族だな」

ゆんゆん「え、えっと・・・その・・・めぐみんは爆裂魔法なんて特大の必殺火力を持っていて・・・」

ゆんゆん「私は色々な魔法が使えますが、イマイチ決定打になるような技を持っていないので・・・そういうのが欲しいなと・・・」

トニー「決定打になるような高威力の攻撃手段か・・・そうだな、何かアイテムに頼るか・・・もしくは魔法で化学反応を再現して簡単な爆発を起こしてみるか・・・とかか?」

ゆんゆん「魔法化学反応の再現!それ素敵ですね!」

トニー「それじゃ手を動かしながらでも君に魔法で再現できそうな爆破方法をいくつか考えて行くとしようか」

ゆんゆん「はい!」






めぐみん「・・・」

カズマ「あの二人、仲良さそうだな」


アクア「ああ見えて意外と世話好きなのかもしれないわね」

ダクネス「どうしたのだ?めぐみん。さっきから黙って二人を遠巻きに見つめて・・・」

カズマ「これが寝取られか・・・」

めぐみん「あんな歳の離れた男相手に寝取られとか言ったらシャレになりませんよ!・・・違います、頃合いを見計らってるだけですよ」

カズマ「頃合い?てか、さっきから気になってたんだけど、お前が手に持ってるその六角形のレンズみたいなのはなんだよ?」

めぐみん「・・・そろそろですね」スッ…


   スタスタ…
 




トニー「よし、あとは胸部に熱可塑性レンズを組み込んだら・・・」


  ゴトッ…


トニー「・・・なんだめぐみん、どうしたんだ?」

めぐみん「組み込むならこっちの方が良いですよ」

トニー「これは・・・」

めぐみん「私特製の熱可塑性レンズとリパルサー・トランスミッターです。コロナタイトのエネルギーを射出するのであれば、魔法金属の割合を私なりに改良したこちらの方が魔力伝導率が上がると思いますよ?」

トニー「・・・」

トニー(確かに・・・これを組み込んだ方がユニ・ビーム、リパルサー・レイの威力が増すし、巡航速度も最大速度も上昇する・・・)

トニー「・・・やるじゃないか。コロナリアクター開発の糸口発見に浮かれすぎてトランスミッターの調整をミスしていたか・・・助かった。というか、一体どこで機械工学の知識を得たんだ?」

めぐみん「作業を見てたら理解できましたよ・・・言われた通りに作ることしかできないゆんゆんとは違うのです・・・フッ」ドヤッ

ゆんゆん「なぁっ・・・!」




カズマ「ああやって自慢する為にわざわざ良いタイミングが来るまで待ってたのか・・・うわぁ」 


......
....
..
.



コロナリアクター製作開始から六日後・・・



Mk.46「」

トニー「完成まであと一歩ってところだな。いくつかテストをしたらそれで終わりだ」

カズマ「おぉ・・・かっこいいな。」

クレア「また凄い兵器を作ったな、スターク殿。この鎧は前とどう違うのだ?」

カズマ「また”?前になんか作ったのか?」


トニー「大したものじゃ無いさ。騎士団に配備できる対モンスター用の兵器をいくつか渡しただけだよ」

カズマ「あぁ、顔見知りなのはそういう取引をしてたからなのか」

トニー「クレア、繰り返し言ってるし、わかっているとは思うが・・・」

クレア「だ、大丈夫だ。人間相手には決して使わない、約束する」

トニー「それでいい。もし破ったら兵器ごと吹っ飛ばすと、王都を奪還したら他の連中にも伝えておけ」

ダクネス「トニー!!国家を脅すな!無礼にもほどがあるぞ!も、申し訳ないシンフォニア卿・・・!無礼千万だが彼はあれで正気なのだ・・・」

クレア「いや、構わん。彼のおかげで騎士団の死亡率が劇的に下がったのだ、文句は言えん・・・」

カズマ(あれ・・・?もしかしてトニーがこのまま俺のパーティーに居続ければ、国家に対してさらなるコネが出来て、結果的にアイリスとよく会えるようになるんじゃないか?)

カズマ「トニー、これからもよろしくな!」ニコッ

トニー「カズマ、僕は金やコネ目的で近付いてくる人間の顔を今まで嫌というほど見てきたんだ、もっと上手くやれよ?」ニコッ

カズマ「すいませんでした」


ダクネス「お、お前・・・」

アイリス「それにしても、スターク様の技術力は一体どうなっているのですか?ここに来てから驚かされてばかりです」

トニー「だろうな。僕が技術提供をして、あと半年もしないうちにこの国の技術力を第二次産業革命レベルまで進める予定だ。再来年辺りには、君はスマホ片手にツイッターで“会食なう”ってつぶやいてるかもな」

アイリス「すまほ・・・?ついったー・・・?」

カズマ「おいやめろ」

トニー「ただのジョークさ」

カズマ「お前の場合ジョークに聞こえないんだよ・・・」

今回はここまでです。遅れて申し訳ない・・・
年末だとどうしても遅れがちになってしまいます。ですが、作品ももうすぐ終わりなので気長に待っていただければ幸いです
投稿できそうな日があれば前日に連絡いたします

>>461に本来あるはずだった文が抜けていました
正しくは


トニー「それは後で説明するから今はお口チャック」

クレア「貴様はまだ静かにしていろ、サトウカズマ」


というやり取りが>>461に入っているはずでした。

追記

今日は女神エリス&クリスの誕生日です
彼女にはちゃんと女神らしい出番がこの先待っているかも・・・?

アクアはアクアマンになってもらおう

え?アクアビットマンだって
ゆんゆんってめぐみんよりハイスペックだよな…

年末、正月と忙しかったですが明日か明後日の夜には続きを投稿出来そうです
もう少々お待ちを

>>514
アクアの統治する海底都市とかアクシズ教徒だらけで狂気に満ちてそうですね

>>515
整波性能19103&KP出力999を誇る最強のヒーローじゃないですか!
めぐみんは強敵相手ならゆんゆんよりハイスペックだから・・・



 
   ガチャッ


めぐみん「おはようございます・・・おや、スーツが完成したのですね?」

アクア「ムニャ・・・おはよー・・・」

トニー「まだだ、いくらか調整した後に稼働実験をする。おいアクア、顔洗ってこい、酷い顔だぞ。これから映像を撮るんだ、もっとマトモな面構えにしろ」

アクア「ダミー・・・顔拭いてちょうだい・・・」ウトウト

ダミー「」キュイッ… ゴシゴシ

アイリス「あの、鎧に名前は付けないのですか?」


トニー「名前?」

アイリス「神器級の武器や防具には大抵名前が付いているものです。私がここに持って来た剣にも、なんとかカリバーって名前が・・・」

トニー「忘れてるじゃないか。しかし名前か・・・まぁ、特別なスーツだし、名前を付けるのも悪くないか」

めぐみん「フッ・・・実は、こうなることを予想して魔法のかかった札を用意しておきました」ピラッ

トニー「ずいぶん用意が良---」

  スタスタ….
    ペタッ

めぐみん「・・・そして、名前も考えておきました」


  【Mk.46 てつてっつん】


トニー「」


カズマ「あーあ・・・」

トニー「なぁ・・・カズマ・・・」

カズマ「言っておくが、外せたら俺の刀は“ちゅんちゅん丸”なんて悲しい名前になってない。あきらめろ、お前の新スーツの名前は“てつてっつん”だ」

アクア「あははは!!それ聞いて目が覚めたわ!可愛い名前になって愛着湧くんじゃないの?プークスクス!!」

トニー「・・・」

めぐみん「おい、私のネーミングセンスに文句があるなら・・・あ、あの・・・ごめんなさいトニー、私が悪かったので至近距離でガンつけないでください。ものすごく怖いです」

トニー「今度こんなマネしてみろ、爆裂魔法を撃とうとする度に強烈な吐き気と頭が割れるような頭痛に襲われる装置を作ってあんたに取り付けてやるからな」


めぐみん「悪魔か何かですかあなたは!?私を反省させる為に言ってみただけですよね・・・?そんな恐ろしいモノ実際に作ったりしませんよね!?」

トニー「・・・さて、スーツの稼働実験を始めるとするか。ダミー、カメラ持て」

ダミー「」ウィィッ… キュィッ 

めぐみん「・・・ちょっ!嘘ですよね!?カ、カズマ!助けてください!このままでは二度と爆裂魔法を撃てない体にされてしまうかもしれません!」

カズマ「もしそうなったら上級魔法使えばいいじゃん。大丈夫大丈夫」

めぐみん「何が大丈夫なのですか!?上級魔法を覚えさせるいいチャンスだとか思っているでしょう!?私は血反吐を吐いてでも爆裂魔法を使い続けますからね!」

トニー「諸君、静粛に。これよりMk.46、コロナ・リアクター内蔵型スーツの起動実験を行う」

アクア「名前呼んであげないの?」

トニー「絶対呼ばない」


カズマ「ほら、スーツの起動実験楽しみにしてたろ?落ち着いて見ようぜ」

めぐみん「ぐぬぅ・・・今夜眠れるか不安になりそうです・・・」

トニー「ダミー、ここからはアップで撮・・・おい、近すぎる。それじゃ僕の鼻しか映らないぞ、もう少し下げろ」

ダミー「」キュィッ

トニー「よし、そこだ。さて・・・これからスーツを起動し、エネルギーの循環効率を調べる」

カズマ「その前にちょっと聞きたいんだが。起動実験をするのはいいんだけどさ、実験の成功率はどれくらいなんだ?爆発したりしないのか?」

カズマ「俺はコロナタイトには良い思い出が無いんだ。領主の屋敷ぶっ飛ばして、国家転覆罪の容疑で死刑にされそうになった原因だしな」

トニー「そりゃ確かに不安になるだろうが、僕を誰だと思っているんだ?もちろん、シミュレーションによる成功率は100%だ。でも試行回数は黙秘する。爆発したりしないのかという質問に対しても黙秘する」


カズマ「めぐみん、今日はまだ爆裂散歩に行って無かったな。ここにいるみんなで行こうぜ」スタスタ

めぐみん「そうですね。ほら、行きますよアクア、ダクネス。それにアイリス達も」

アイリス「え、えっと・・・?」

トニー「まぁ、ちょっと待てよ」ガシッ

カズマ「おい離せ!先にスケールを小さくしたモデルとか使ってもっといろいろ検証したりするべきだろ!」

アクア「そうよ!ブラウン博士だってそうしてたでしょ!?」

トニー「いいかよく聞け。今の所シミュレートでは一度も失敗していない。だから成功率は100%だ。でも、もし何度もシミュレートして失敗の結果が出てしまったら?」

トニー「・・・そう、100%じゃなくなるんだ。つまり、実験をすればするほど成功率が下がっていってしまうって訳だ。ほら、今は安全だろ?」


アクア「あっ、そっか!確かにそうね!トニーの言う通りだわ!なら大丈夫ね!」

カズマ「そんなわけねーだろ、このマッドサイエンティスト!!どんな確率の計算だ!」

ダクネス「さすがに今のは私でもおかしいって分かるぞ!!」

めぐみん「逃げましょう!今すぐここから逃げましょう!!」

トニー「科学とは“ものは試し”を地で行く活動だ。つまり、こういうことだ。スーツ起動」

カズマ「あっ!コイツ勝手に起動しやがった!!」サッ



Mk.46「」ヴゥン…


フライデー『エネルギー循環、異常なし。システムチェック中・・・異常なし。問題ありません、起動に成功しました』

トニー「・・・な?大丈夫だったろ?」

カズマ「・・・なんだ、案外大したことなかったな・・・」

ダクネス「私の背中に隠れながら言われても・・・」ジトッ…

カズマ「それはね、広くて頼りがいのある背中だったからだよ」

ダクネス「おい!それは女に言うセリフじゃないだろう!!」

クレア「スターク殿!さすがにアイリス様が巻き込まれるような実験をするのはやめていただきたい!」

トニー「悪かった。さっきのはギロチンマジックをするマジシャンのパフォーマンスみたいなものだよ。不安を煽ってから成功させた方が盛り上がっ・・・おっと、全員頭のおかしい奴を見る目だな」


トニー「まぁそれは置いといて、次の実験だ。カズマ、このスーツにスティールを仕掛けてみてくれないか?」

カズマ「スティール?なんでだ?」

トニー「前のスーツはスティール一発で無力化されただろ?まずは僕のスーツの天敵であるスティールを克服できたかどうか試したい」

カズマ「無敵の鎧の弱点がスティールなんて、カッコイイやらダサいやら・・・これで壊しても文句言うなよ!」

カズマ「・・・あと氷用意しといて。それじゃやるぞ!『スティール』ッッ!」バッ


   「・・・」

カズマ「おお・・・すげぇ・・・本当に何も取れない。代わりに射線にギリギリ入ってためぐみんのぱんつが取れたけど」ゴソゴソ…

めぐみん「なに平然とポケットの中にしまっているのですか!そ、その・・・スースーするので早く返してください・・・///」


アクア「カズマ・・・あんた・・・」

トニー「実験中だってのに君は一体何をやっているんだ・・・?」

アイリス「お兄様・・・」

カズマ「わかった!わかったからみんなそんな目で俺を見ないでくれ!ほら返すよ!トイレなりで着替えてこい!」

ダクネス「皆の目の前でぱんつを剥ぎ取り、そして衆目を集めたところでぱんつを晒し上げながら返す・・・いいぞ、やはりお前はそうでなくちゃな!」

カズマ「なに感心してんだ!と、ところでトニー!なんでスティールが完全に無力化されてるんだ?」アセアセ

トニー「見苦しいな・・・簡単に説明すると、魔法金属とオリハルコンを特殊な比率で合成して出来た外殻に、コロナタイトの魔力エネルギーを張り巡らせている」

トニー「それで疑似的な結界を作っている状態だ。スティールだけじゃなく、あらゆる状態異常魔法や攻撃魔法から身を守れる」


カズマ「ずるい・・・」

アクア「私もちょっと着てみたいって言ったらだめかしら?」

トニー「駄目だ。体格が合わないし、なにより君に着せたらロクなことにならないだろうからな。ここが吹っ飛んでもおかしくない」

アクア「そこまで言わなくてもいいでしょ!私だって好きで迷惑かけてるんじゃないのに!いじわるしないでよ!」

トニー「あんたの普段の行動を見てどうやったら信用できるって言うんだ!あと脳みそを五十回くらいアップグレードできたらその時は着せてやるよ」

アクア「上等よこのトニート!女神を馬鹿にした罪で聖なるグーを食らわせてやるわ!」ガバッ

トニー「変な名前で呼ぶな!なんだ、やるってのか!?君の知力が最低とはいえ、戦う相手の見極めくらいはできると思ってたよ!!」






カズマ「おい!いい歳したおっさんが暴れるなよ!!」

トニー「そのセリフは僕よりいい歳したこの古い女に言ってくれ!」

アクア「また言った!トニーがまた言っちゃいけないこと言った!ああああっ!痛い痛い!!やめて!変な装置使うなんて反則よ!!」

クレア「ス、スターク殿・・・前会った時よりずいぶんと・・・なんというか・・・」

アイリス「・・・フフッ」クスクス

クレア「どうかなさったのですか?アイリス様」

アイリス「王都奪還作戦の前日だと言うのに、なんだかすごく安心するんです。彼らは決してまとまりのあるパーティーとは言えないのに・・・何故かなんでも出来てしまうような・・・安心感があるんです」

今回はここまで。次回からは週一くらいのペースで投稿できそうです

追記

このすばラジオが復活しました!
カズマ役とめぐみん役の声優による掛け合いは本当に面白いです
このすば関連の最新情報が出ることもありますよ!
響ラジオで無料で聞くことが出来ますで是非

>>157 ダミー


トニーが昔作った発明品であるロボットアーム
アイアンマン1、2ではトニーの補助を行っていたが、不器用なため色々失敗する。かわいい
しかし、トニーが胸のリアクターを取られたときは旧式のリアクターをトニーの元に運び、命を救うなど大活躍を遂げている
他にも“ユー”という名前のロボットアームも存在している
アイアンマン3で二体とも海の底に沈んでしまったが、その後トニーが回収した
現在はどうなっているか不明
このSSでは、復活してラボのどこかで働いているということで・・・

続きは明日土曜日の夜九時ごろに投稿します
お楽しみに

......
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コロナリアクター製作開始から・・・



カズマ「とうとうきちまったなぁ・・・この日が・・・」

アクア「そうね・・・あーあ、エリスがしっかりこの世界を守ってくれていればこんなことにはならなかったのに・・・まっ、後輩女神を助けてあげるのも先輩女神である私の仕事だけど」

カズマ「あまり無茶言ってやるなよ。ロキの力はお前も見ただろ?あんなの正直倒し方が浮かばないぞ。はぁ・・・」

トニー「怖いのか?」

カズマ「そりゃお前・・・怖いよ。俺はお前と違ってヒーローじゃないただの人間だし」

トニー「そうだったな」


カズマ「即答で肯定されるとそれはそれで腹立つ」

トニー「別に馬鹿にしてるわけじゃない。ほら、おびえる君にプレゼント」スッ

カズマ「なんだこれ・・・矢尻?」

トニー「ゆんゆんに渡す予定の電子書籍からヒントを得て作った“展開式マジックスクロールアロー”だ」

トニー「この中にマジックスクロールがホログラムになって入っている。矢に取り付けてから弓のスイッチを押すと・・・」ポチッ

  カシャッ ヴンッ ピピッ…

トニー「このようにスクロールのホログラムが展開、もう一度押せば引っ込む」ポチッ

   カシュッ…


トニー「あとは対応した魔法を唱えれば矢を中心に魔法が炸裂。敵の足元に撃つか直撃させてから唱えろよ?近いと自爆するからな」

トニー「魔法の種類は矢尻の色で判断できるようになっている、あとで確認しろ」

カズマ「おぉぉ・・・まさに映画か漫画の世界でしか見れないような武器・・・」キラキラ…

トニー「壊すなよボウズ。代えは無いからな」

カズマ「おい、ちょっと待て。めぐみんとかはまだしも俺まで子供扱いすんの?」

トニー「僕が今いくつだと思っているんだ?君くらいの子供がいたっておかしくない歳だ。僕にはパーティーメンバー全員子供に見える」

トニー「まぁ・・・一応アクアもな」


アクア「いい加減私を年齢面でいじるのはやめていただけますか?トニー・スタークさん?天界とこの世界は時間の流れが違うんです。そろそろ物理で天罰を食らわせますよ?」

アクア「というか、どうして私には何もないの!?他の皆にはいろいろ作ってるのに!!スーツみたいなのとか着てみたかったんですけど!私だけ除け者にしないでよ!」

トニー「正直君には何も思いつかなかった。能力面に関しては弱点らしい弱点が見当たらないからな・・・光に属する魔法に対抗できる相手とも戦えるスーツでも作ってやりたかったが、単純に時間が足りなかった」

トニー「まぁ、そのうち作ってやるよ。ディスプレイの色が君のイメージカラーの青色になってるやつをね」

アクア「私だけクリスからもトニーからも装備貰えなかったから作ってくれるって言うなら嬉しいわ。でも、そうプレゼント作戦とかで迫られても困っちゃんですけど」

トニー「だからどうして口説いていることになるんだ!!心に決めた人がいると言っているだろ!」

トニー「はぁ・・・もういい。ところでカズマ、ちょっと耳を貸せ。クリスについてだ」コソッ


カズマ「うん?クリス?なんでクリスなんだ?」コソッ

トニー「彼女は一体どこで何をしているんだ?装備を渡して早々に居なくなっただろ」ヒソヒソ

トニー「こんなこと言いたくないが、エリスは自分の世界の危機に対して多少でも自分で何とかしようとしないのか?ただアドバイスしたり装備だけ渡して空の上から眺めてるだけなのか?」ヒソヒソ

カズマ「・・・その心配ならいらないと思うぞ」

トニー「・・・なに?」

カズマ「ロキに殺された時に、エリス様の元へ行ってたんだよ。アクアに蘇生してもらうまで結構時間があったから、暇つぶしに三文字しりとりでエリス様と勝負してた時に話をしてな」ヒソヒソ...

トニー「君は人が真面目に戦っているときに一体何をしていたんだ?」




......
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カズマ死亡直後 エリスの神殿



エリス「え、えーと・・・“プール”!」

カズマ「“ループ”」

エリス「うーん・・・プ、“プラス”!」

カズマ「“スープ”」

エリス「うぅっ・・・“プ”責めが辛すぎます・・・もう浮かばない・・・」

カズマ「よし、俺の勝ちですねエリス様。約束通り一枚脱いでください」

エリス「いつそんな約束したんですか!?女神相手にセクハラすると本気で罰が当たりますよ!」


エリス「というか、死んだ直後なのにずいぶん元気ですね、カズマさん・・・」

カズマ「もうあそこまで色々ぶっ壊れた奴に殺されたらかえって冷静になりますよ。一体何なんですかアイツは」

カズマ「大勢の上級冒険者を洗脳するわ、上級魔法を爆裂魔法並みの威力で撃って来たかと思えば、おかしな幻術使って欺いたり・・・」

カズマ「正直言って勝てるどころかなにもできる自信が無いんですが。ああいうのって人間じゃなくてアクアやエリス様見たいな神々が相手するようなレベルの敵じゃないんですか?」

カズマ「魔道具店前でも言いましたけど、エリス様ももう少し何かしてくれると助かるんですが・・・」

エリス「・・・」

カズマ「あ、すいません。嫌味を言ってるつもりじゃないんですよ?」


エリス「いえ、気にしていませんよ。実はですね・・・今、上と交渉しています。さすがに他世界の神による侵攻は無視できないみたいでして」

カズマ「え・・・いったい何するつもりなんですか?」

エリス「ふふっ、あっと驚くことですよ」ニコッ


《カズマー!聞こえてるー?リザレクション掛けたから、もう戻ってきていいわよー!》


カズマ「楽しい時間も終わりか・・・もう行かなくちゃ。エリス様、お願いします」

エリス「はい、今門を開けますね」パチン

   ポウッ…

エリス「ではカズマさん、何度でも言いますが、ここにはもう戻ってこないことを心から祈っています。またあとで!」スッ…

カズマ「えっ、いまなんて---」

   フッ…


短いですが今回はここまでです。そろそろ結まで一気に進めたいです。やらせたいやり取りが多すぎて進まない・・・
アクアマンの評判いいみたいですね。早く見たいです


>>366 >>364でトリップが変わっていますが本人です。うっかり名前を一文字削除してしまって変わってしまいました

続きは明日日曜日の夜九時に投稿予定です
お楽しみに

早く戦闘シーンが見たい

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カズマ「・・・とまぁ、詳細はわからないけど何かしらの形で直接干渉はしてくる・・・と思う」

トニー「地上に降りて来て僕らの為に祈ってくれるとか?」

カズマ「さすがにその皮肉は毒がありすぎるぞ。駄女神アクアじゃなくて本物の女神のエリス様のセリフだし、期待してもいいんじゃないかな」

アクア「ねぇねぇ、なんかものすごく失礼な会話をしている気がするんですけど。気のせいじゃないかしら?」

トニー「今日の晩飯について話していたんだよ。君は何が良い?」


アクア「えっと・・・そうねぇ・・・なにかこってりしたものが食べたい気分だわ。トニーもそうで・・・ねぇ、なんでそんな残念な人を見る目をしているの?」

トニー「なんでもないさ・・・」

めぐみん「晩御飯の献立なんかより、カズマの作戦はどうなっているのですか?まだ何も聞いていないのですが」

カズマ「おっ、来たかめぐみん。スーツを着て鏡の前でポーズをとる時間はもう終わったのか?」

めぐみん「トニーの嫌な皮肉が移っていますよカズマ。鏡の前でポーズを決めるのは紅魔族において正式な鍛錬ですよ。ああやってカッコイイポーズを研究、開発し、己を高めるのです」

トニー「君達紅魔族は本当にユニークだな。魔導書を借りに行ったときは散々な目にあったが、里の学校に頼まれた特別講師の依頼、受けて見てもいいかもな」

めぐみん「え、そんなこと頼まれていたのですか!?トニーの授業・・・気になりますね・・・って、そうじゃないです!今はロキです!攻撃するのは今日でしょう?」

アクア「ちょっと思ったんだけど、一週間たっても音沙汰ないってことは、もしかして猶予はまだ結構あるんじゃないの?今日から作戦決行とはいかずに、もうちょっと万全にしてから・・・」


  ピピピッ


フライデー『ボス。王都近辺でコロナタイト、および四次元キューブのエネルギー反応が増大し始めています』



カズマ「このバカッ!なんでお前はそうお約束が好きなんだよ!毎度毎度迷惑になるようなことばかりしやがって!!」

アクア「待って!ねぇ待って!今のは私のせいじゃないからっ!私まだ何もしてない!!」


  バンッ


ダクネス「トニー!今の報告を聞いたか!今すぐに準備するぞ!」

トニー「聞いてたよ。ダクネス、倉庫に向かうぞ」

カズマ「え、倉庫?なんで倉庫・・・あっ、アイツかぁ・・・すっかり忘れてた・・・うわぁ、面倒だな」


......
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..
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倉庫



  ウィーン…


アイギス《おやおや・・・?ヘイブラザー!元気してたか?》

トニー「僕をブラザーって呼ぶなよ。君こそ今の生活に満足しているようでなにより」

トニー「次に君が欲しがるものを当ててやろうか?水着の美女のホログラム映像だろ?」

アイギス《いいねぇ。今度は赤髪でグリーンの目をした巨乳の美女が良いな》

トニー「用意しておこう」

カズマ「え・・・なんで仲良くなってるの?」


アイギス《いやー、女性の趣味が彼と合ってね。さすがに胸の大きさの話では一度決別しかけたけどさ》

カズマ「・・・お前何やってんの?」

トニー「彼を懐柔するのに必要な事だったんだ・・・このことは内密にしといてくれ」ヒソヒソ…

カズマ「少し本音も混じってたんじゃないのか?」

トニー「否定はしない」

アイギス《なぁトニー、俺好みの美人が好きなだけ見れるこの生活には感謝してるが・・・満足しているかと言われたら正直難しいところだ。やっぱり映像だけじゃ寂しいや》

アイギス《体をピカピカに磨いてくれるのも嬉しいが、やはり機械じゃなくて美女の手に磨いてもらいたいとかあるんだよ。その辺は何とかならないのか?ブラザー》

トニー「だから僕をブラザーと呼ぶなよ。それで、君の不満点の件だが・・・僕がとびっきりの美女を包ませてやるって言ったら?」

アイギス《おいおいマジかよ!!今度俺をちょっとだけ着る権利をやってもいいぜ!どんな美女だ?》

トニー「自前のがあるんで君を着るのは結構だ。それでは紹介しよう、貴族令嬢のララティーナお嬢様だ」


ダクネス「ト、トニー・・・恥ずかしいのでその名前で紹介するのはやめてくれないか・・・///」スッ…

アイギス《ワーオ!いいじゃんいいじゃん!綺麗な顔したエロバディ!しかも貴族令嬢だって!?ポイント高いぜオイ!》

アイギス《ヘイお嬢ちゃんお名前は?ボクの名前はアイギス!見ての通り無敵の鎧なナイスガイさ!》

ダクネス「なんなのだコイツは!さっきから変な事ばかり口走っているぞ!」

トニー「コイツの名前はアイギス。中身は空っぽの全身鎧型の神器だ。君に着せるために用意した」

ダクネス「用意した!?神器を一体どこから用意したというのだ!?怪しい話には乗りたくないぞ!」

トニー「女神エリスが僕らの為に用意した。クリスの話覚えているか?」


ダクネス「・・・エリス様からのお告げを受けて神器を回収しているって話か?」

トニー「その通り、彼もその一つだ。そしてクリスはこれをダクネスに渡してほしいと言っていた。女神エリスは君にこれを着て世界を救う手助けをして欲しいそうだ」

トニー「つまり彼は女神エリスが世界を救う為に君を信じて渡した神器ってことだ。どうだ、やるか?ダクネス」

ダクネス「エリス様のご遺志・・・や、やるしかないだろう!そう望まれているのであれば!私はあの鎧を着て戦うぞ!」

トニー「そう来なくちゃ」

カズマ「ちょろい・・・」

アイギス《まずはお互いよく知らなくちゃな。手始めに君の職業とスリーサイズを教えてくれないか》

ダクネス「え、えっと・・・職業はクルセイダーで、スリーサイズは・・・」

カズマ「おい、神器相手だとしても嫌なことは嫌だと言って断ってもいいんだぞ」

アイギス《じゃましちゃらめぇ!もうちょっとですべてがうまく行く所だったのに!》

ダクネス「おい!本当にコイツはエリス様が授けてくださった神器なのか!?そうは思えないんだが!」


トニー「本当だ。今度クリスに尋ねてみるといいさ」

アイギス《うーん・・・でもなぁ・・・その子クルセイダーなんだって?よりにもよって一番前線で攻撃受けまくるクルセイダー・・・アイギスさん悩んじゃうな》

トニー「カズマ、何かコイツのやる気出るような情報とかないか?」

カズマ「そうだなぁ・・・あっ、良い事考えた。アイギス、取引しよう」スッ…

カズマ「この街にはな、それはそれは煽情的な恰好をした美女が大勢働いている素敵なお店があるんだ」ヒソヒソ

アイギス《くわしく》

カズマ「いいか?この戦いにだけ付き合ってくれたら、お前をそこの置物か用心棒として置いといてもらえるよう俺が口添えしといてやるよ。どうだ?」ヒソヒソ

トニー「ついでに言うなら、僕の新型スーツを作るのに使ったオリハルコンの余りを使って君の傷付いたところを修繕してやろう。それで乗るか?」

アイギス《・・・》


......
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..
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アイギス《チィーッス!というわけで、今回だけお世話になりまーす。よろ!ちなみララティーナちゃんはとても良い匂いがします》

ダクネス「お、おい!変な事言うな!」

めぐみん「なんともうるさいのが来ましたね・・・その中にダクネスが?」

アイギス《そうだよ。とてもお嬢様なにおいがする。そして君は・・・顔の造形Aランク、職業適性Dランク、胸のランクは・・・論外ですね》

めぐみん「トニー、この神器でも実験しましょうよ。耐久実験です」

トニー「悪いがコントやってる場合じゃ無いんだ。ほらめぐみん、こいつを受け取れ。調整は済んである」ゴトッ…


めぐみん「なんですかこれ?私の杖ですか?なんか輪切りにしたレンコンみたいなのが取り付けられているのですが・・・」

カズマ「おいトニー・・・これってまさか・・・」

トニー「見ての通りリボルバーの回転式弾倉だ。サイズは一般的な奴の10倍くらいあるが。それにこいつをはめ込む・・・」ガチッ

トニー「弾倉の穴の分・・・」ガチッ

トニー「三発だ」ガチンッ

めぐみん「はめ込んでるその丸い玉は・・・?マナタイトに見えますが」


トニー「劣化版コロナリアクターってとこだ。自分から魔力を生成することはできないが、中にため込むことはできる」

トニー「先日作ったコロナリアクターが生み出す余剰魔力エネルギーをすべてこいつに突っ込んだ」

トニー「この弾一つに付き君のエクスプロージョン一発分の魔力が入っている。つまり・・・」

トニー「充填さえすれば、自身の魔力で撃てるのも含めて君はエクスプロージョンを日に四度撃てるようになる」

トニー「一発撃ったら手元のスイッチを押せ。弾倉が回転し、次の弾が装填される」

めぐみん「・・・」

トニー「・・・なにか不満か?」


めぐみん「そ、それを手に入れるのに私は何をすればいいんでしょうか・・・?下着姿までにならなりますけど・・・」

トニー「僕をなんだと思っているんだ!?別になにもしないからさっさと持っていけ!」

トニー「ったく、作りがいのない奴だ」

めぐみん「いえ、すいません、冗談が過ぎました。ありがとうございますトニー。これは大事にしますね」

トニー「それでいい」

カズマ「・・・で、もう出発するのか?」

トニー「いいやまだだ。ウィズとバニルとゆんゆんがもうすぐここに来ることになっている。だが、それまでに終わらせなきゃならない最後の実験がある」

カズマ「・・・最後の実験?」

トニー「・・・スーツの試着だ」

カズマ「まだしてなかったのかよ」

今回はここまでとなります。次回からは既に頭の中で組み上がっている話を書いていくだけなので更新ペースが上がっていくと思います
パニッシャーS2がネットフリックスで公開中!悪党には全く容赦しないパニッシャーさんはやっぱり素敵です


>>549
次回か次々回には戦闘シーンに突入すると思います。もう少しお待ちを

追記


>>556でミスがありました

ダクネス「エリス様のご遺志・・・や、やるしかないだろう!そう望まれているのであれば!私はあの鎧を着て戦うぞ!」 ×

ダクネス「エリス様の御意志・・・や、やるしかないだろう!そう望まれているのであれば!私はあの鎧を着て戦うぞ!」 〇


エリス様死んだことになってしまう・・・

更新ペースが上がるといったよね

......
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トニーのラボ 実験室


カズマ「それで?なんでまだ試着してないんだ?」

トニー「あー・・・実は新しい発見があったんだ」

トニー「スーツ自体に不具合は無いんだが・・・装着者の体内で膨大な量の魔力が駆け巡ることが分かった」

トニー「だからまぁ・・・魔力が0に近い僕が着ると・・・肉体が耐えられない可能性がある」

カズマ「致命的すぎる」


トニー「そこでカズマ、君に提案がある。君のドレインタッチを使って魔力を吸い続けてくれないか?」

トニー「スーツの出力を少しずつ上げていくから、危なくなったら吸ってくれ。それでどこまで耐えられるか試す」

カズマ「俺だってそんなに魔力高くないから危ないと思うんだけど・・・アクア、お前なら魔力をたくさん送り込んでも大丈夫だろ。吸った魔力をお前に流す、いいな?」

アクア「本当はアンデッドのスキルで吸った魔力なんて体に取り込みたくないけど・・・」

アクア「まったくもう。トニーったら仕方がないわね!もし仮に死んじゃってもリザレクションかけてあげるから安心しなさいな!」

トニー「そうならないようにして欲しいんだが」

トニー「まぁいい、任せたからな?スーツを呼ぶぞ。全員下がれ」

アクア・カズマ「・・・」ススッ...


トニー「・・・できれば、もう少し・・・すぐに助けに入れる距離まで近づいてくれ」

アクア「かっこ付かないわね、トニー」スッ...

トニー「うるさいぞ。準備は良いか?」

カズマ「いつでも」

トニー「よし・・・スーツ!」

Mk.46「」ヒュンッ ヒュヒュンッ!

  
   キュィッ チキチキチキ...
  
ウィーンッ ギュィィッ 

    ガッコンッ...
   
ガキキッ ガギンッ!

 



めぐみん「むぅ・・・私にくれたスーツよりも音が重く、ところどころ光っててカッコイイですね・・・」

アイギス《おいおいなんだありゃ。俺、あの鎧気に食わないね》


     カンッ...


フライデー『スーツの装着が完了しました。スーツ出力10%』

トニー「問題ない。もっと上げろ」

フライデー『スーツ出力20%』

トニー「うぐっ・・・!」ビキッ...

トニー「まだ上げろ!」


フライデー『出力30% 心拍数、体温共に上昇。ボス、これ以上は危険です』

トニー「まだだ!」

カズマ「おい無理すんな!ドレインタッチ!」ガシッ

アクア「もうっ!トニーってばなんで実験になったらこんなに無茶するの!?マッドサイエンティストなの!?」

トニー「ぐ・・・少しはマシになった・・・!そ、そのまま続けてくれ・・・!」

フライデー『出力45% ・・・50%・・・60%』

トニー「ぐぁあっ!」ビキビキビキ…

めぐみん「カ、カズマ!」


カズマ「わかってる!クソッ!本気で吸ってるって言うのに・・・!」

ダクネス「トニー!少ない出力で動かせないのか!?」

トニー「80%は行かないと飛ぶことすらできない!」

フライデー『65%・・・70%・・・75%・・・バイタル異常。バイタル異常』

カズマ「トニー!大丈夫か!」

トニー「AAAAAAAAUUUGHHH!!シャワシャワと・・・メタルの味だ!!」

カズマ「マジで色々と大丈夫か!?」

......
....
..
.



王都 王城 王室


研究員A「ロキ様。コロナタイト、並びに四次元キューブの出力数値は正常です」

ロキ「維持し続けろ。扉はいつ開けられるようになる?」

研究員A「もう少しだと思われます」

ロキ「わかったら私に知らせろ。お前はもう下がれ」

研究員A「はい。失礼しました」ガチャッ

セシリー「ロキ様・・・何か私に出来ることは無いでしょうか?添い寝や下着の洗濯など喜んでやりますよ!」


ロキ「お前への命令はただ一つだ。私の半径10メートル以内に近付かず、今すぐこの部屋から出ていけ。そして二度と入ってくるな」

セシリー「あぁっ、どうしてそんなに冷たいのですかロキ様!わかりました、では下着を洗濯するところから履かせるところまで・・・」

ロキ「『カースド・・・」

セシリー「はい、今すぐ出ていきます」ガチャッ…

ロキ「・・・ハァ・・・アクシズ教徒と言うのはなんなんだ・・・貴重な存在のプリーストでなければその場で灰にしてやると言うのに・・・」

ロキ「あと少しだ・・・あと少しでこの世界は私の・・・いや---」


    バンッ!


魔族A「ロキ!話が違うぞ!どうなっている!」


ロキ「騒々しいぞ。部下の分際で断りもなく扉を開けるだけじゃ飽き足らず、私の名まで呼び捨てか?」

魔族B「俺達は魔王様の部下であってお前の部下じゃない!!」

魔族C「それよりもだ!あんたは一体なにを企んでいるんだ!?魔王様からの指示をすべて無視し、勝手な行動ばかりしやがって!」

魔族C「挙句の果てに、王都を制圧したにも関わらず魔王様や幹部の立ち入りを許可しないとはどういうことだ!?取引を忘れたのか!?」

ロキ「私の計画をあの老いぼれに邪魔されたくなかったものでね」

魔族C「このっ・・・魔王様を裏切る気か!!」

魔族B「お前は半人前だロキ・・・!その計画とやらを実行したかったのなら、俺達も洗脳にかけるべきだったな!!」チャキッ

魔族B「死ね!」バッ 



 ブンッ
  スカッ…

魔族B「・・・は?なんで剣がすり抜け・・・」


  「『ライト・オブ・セイバー』」


      ズバンッ


魔族B「グギャッ!!」ズルッ…


   ドチャッ…


魔族A「なっ・・・どこから出てきた!?あそこに立ってるロキは・・・」

ロキ「半人前なのはお前たちの方だ。判断を誤ったな」

ロキ「お前たちを洗脳しなかった理由は簡単だ。魔力の無駄だからだ」

ロキ「魔族連中にお前らのようなものがまた出てくると面倒だ。見せしめとして細切れにしてから床に散らかしてやろう」スッ…

魔族C「や、やめ・・・」


   ギャァァアアアアアアッ!!!


今回はここまでです。ロキは裏切ってこそロキ

>>566

ANTHEM体験版の魅力には勝てなかったよ・・・
すいません、次回はもっと早く更新します

明日の夜九時頃に続きを投稿します。おたのしみに

......
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トニーのラボ



カズマ「全員そろったな。一応考えておいた作戦を説明するぞ」

ウィズ「あ、あの・・・トニーさんの姿が見当たらないようなのですが・・・」

カズマ「・・・」

バニル「ふーむ・・・そこの発光女の光が邪魔でヒゲ中年の姿が見通せんが・・・小僧の顔から察するに、なにやら困りごとのようだな?」ニヤリ

カズマ「・・・あいつは今スーツの再調整をしてるよ。体の魔力量が少なすぎて、スーツから流れるエネルギーに体が耐えられないんだってさ」


バニル「フハハハハッ!つまりこうか!せっかく手間暇かけて鎧を作ったというのに、当の本人が装着できなかったというわけか!」

ゆんゆん「バ、バニルさん・・・」

バニル「なんと勿体ない!それが分かったときの悪感情を食らってみたかったぞ!フハハハハハッ!!」

トニー『聞こえているぞバニル。退魔用の武器を作ったらまずはあんたで試してやるからな。カズマ、僕は作業しながら聞くからもう作戦を話して良いぞ』

バニル「おっと失敬!では小僧、その作戦とやらを聞こうではないか?」

カズマ「まず、洗脳されている人達の救助を優先したい。戦うことになったら面倒だしな」

カズマ「フライデーの操っているドローンの情報だと、どういうわけかロキは魔王軍の配下たちを城に配備せず、洗脳した冒険者に護衛を行わせているらしい」


カズマ「代わりに魔王軍の魔物たちは王都自体を守るように展開しているようだ」

めぐみん「魔王軍を最初から裏切るつもりだと言ってましたもんね。おそらく自分の野望を魔王軍に悟らせないためでしょう」

トニー『僕も同意見だ。で、どうやって洗脳された冒険者を助ける?』

カズマ「洗脳された冒険者は皆ロキを崇拝していただろ?だから、そこを突けば何とかなるはずだ」

カズマ「トニー、今王都を偵察しているステルスドローンにスピーカーってついてるか?」

トニー『潜入時に敵の気をそらすためのスピーカーが付いてる。それがどうかしたか?』

カズマ「王都にある放送室にドローンを送り込んで、トニーの声真似装置かアクアの宴会芸を使ってロキの声を流すんだよ。それで王城内部にいる洗脳された冒険者たちを誘導する」

カズマ「そして、城から出てきたところをアクアのスキルを使って洗脳を解くって寸法だ」


ダクネス「また隠密作戦か・・・好きだなそういうの・・・」

カズマ「化け物が大勢ひしめく王都に真正面からぶつかって勝てる自信ないしな・・・こっちの方が確実だろ」

バニル「悪くない作戦ではあるが・・・王都にどうやって近付くつもりだ?」

カズマ「光の屈折魔法と潜伏スキルを発動させた状態でテレポートする。あとはバニルの目と俺の敵感知を使って敵が多いところをよけながら進んでいこう」

ウィズ「それならバレませんね。生気で追いかけてくるアンデット系モンスターが居たら難しい所ですが・・・」

カズマ「いたらアクアの浄化魔法で暗殺してもらう」

アクア「任せなさいな。声を出す暇も与えずに消してやるわ!」

ウィズ(巻き込まれないように気を付けないと・・・)


カズマ「さすがに放送室で音を流したらロキが気付くだろうから、ロキの部屋にサイレントの魔法をゆんゆんがかけてくれ」

ゆんゆん「えぇっ!?それって王都で一番厳重な王室に近寄るってことですよね!?で、できるかな・・・」

トニー『安心しろ。僕のスーツで一気に王室のある階まで運んでやる。君は光の屈折魔法を使って城を上る僕の姿を隠してくれ』

ゆんゆん「わかりました!」

カズマ「そして、冒険者たちを助けたら後は・・・」


......
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カズマ「以上が作戦だ。気乗りしないけどやるぞ」

アクア「気乗りしないけどってあんた・・・もうちょっと指揮を上げるような演説とかできないの?」

カズマ「こんな世界を救うような事、ほぼ一般人の俺には荷が重すぎるんだよ!思いついただけでもありがたいと思え!」

トニー『とかいいつつ、何とかしてきたのが君達なんだろ?』

めぐみん「ええそうですよ。トニーに見せつけてあげましょう!」

ダクネス「あぁ。存分に暴れて見せるつもりだ!」


アイギス《オイオイオイ、傷だらけになるわ俺》

ダクネス「・・・というより、トニーの鎧の調整はまだなのか?」

トニー『あー・・・悪いが、もう少しかかりそうだ。先に行っててもらえないか?』

トニー『僕のスーツなら数分と経たずに王都まで飛んでいける』

トニー『王都について人気のない所まで到着したら呼んでくれ。そこに着陸する』

カズマ「わかった。なるべく早くきてくれよ?ウィズやバニルがいるとはいえ、戦闘になったら面倒なんだからな」

めぐみん「この会話の流れでウィズとバニルの名前を出しますか・・・いえ、カズマらしですが」


アイリス「もう行ってしまわれるのですね、お兄様・・・」

カズマ「お兄ちゃんが何とかしてやるよ。こう見えても幹部を大勢倒してるベテラン冒険者だしな!」

ダクネス「こ、この男・・・自分のさっきの発言を忘れているのか・・・?」

カズマ「いい男ってのはな、過去に縛られないんだ」

クレア「なんて都合のいい・・・や、やはりこの男はアイリス様に悪影響だ・・・!」

カズマ「バ、バニル!ウィズが登録してる王都のテレポート登録地点付近に魔物がいないかどうか見通してくれないか?」

バニル「もうやっておる。転送先に人がいて事故が起こることを避けるために、店主が少し離れたところに登録していて助かったな」

バニル「転送先付近に魔物はみあたらん」


カズマ「よし、ウィズ、やってくれ」

ウィズ「はい!皆さん準備は良いですか?」

アイリス「今から王都奪還に向かわれる勇気ある皆様、あなた方のご武運を心から願っています!どうかお気をつけて・・・!」

ダクネス「アイリス様、この私、ダスティネス・フォード・ララティーナの名に懸けて、必ずや王都を奪還して見せます」

アイリス「フフッ、頼もしいわ、ララティーナ・・・えぇ、奪還して、必ず生きて帰ってきてくださいね!」

めぐみん「全員で余裕の凱旋をしてみせますとも!あなたはここで本でも読んでるといいですよ」

アクア「帰ってきた時の為に宴会の用意とかしてくれたら嬉しいわ!」

アイリス「はい、わかりました。皆様が戻ってきた暁には、王都で盛大に宴を行いましょう」


アクア「やったぁ!私、やる気が出てきたわカズマさん!」

カズマ「はいはい、お前ら続きは帰ってきてからにしろよ」

カズマ「最後にアイリス、俺の願いを一つだけ・・・戻ってきたらまた王城に---」

ダクネス「今すぐその男の口をふさげ!何もしゃべらせるな!」

めぐみん「ウィズ!今すぐテレポートをお願いします!カズマ、それ以上は言わせませんよ!」ガバッ

カズマ「モガッ!お、おい・・・!俺は王城で退廃的な生活を・・・」

ゆんゆん「カ、カズマさん・・・」

トニー『君達は何をやっているんだ・・・?』

ウィズ「わ、わかりました!行きますよ!?テ、『テレポート』ッ!!」

今回はここまでです。次回から戦闘シーンに入っていきます。うまく描写できるように頑張ります
そんな次回は二日後の日曜日夜に投稿予定です。お楽しみに!

......
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数分後 王都 郊外



カズマ「・・・遅いなトニー・・・今の内にドローンの操作の練習でもしておくか」

ゆんゆん「ドローンはフライデーさんが操作しているのでは・・・?というかそのコントローラーは・・・」

カズマ「チッチッチ・・・まだまだ甘いなゆんゆんは・・・いいか、いざって時は人間の腕の方が頼りになるんだよ。なんでもかんでも機械任せは駄目なんだ」

ゆんゆん「な、なるほど!」

カズマ「うわ、すげぇなこのドローン。透明になれるぞ」


アクア「あ、ズルいわよカズマ。私にも操作させてよ」

カズマ「今建物の中を移動してるんだから駄目だ。今までレースゲームやフライトゲームで鍛えた俺の操縦テクを見せてやるよ」

めぐみん「建物・・・?今建物の中と言いましたか?」

カズマ「トニーがまだ来てないだろ?今の内に放送室にドローンを仕込んでおこうかと思ってさ」

ダクネス「ふむ・・・一理あるな。作戦は迅速に行わねば」

カズマ「その考え、もっと普段から心がけてくれないかな」

ダクネス「・・・」プイッ

カズマ「・・・っと、放送室は・・・あった。ドアを何とかして開けないとな」

カズマ「確か磁石の力で鍵を開けれるらしいんだけど・・・どこのボタンだ?これか?」ポチッ


カズマ「違うな・・・これか?いや・・・これ?」ポチッ ポチッ ポチポチッ

アクア「これとかそれっぽいんじゃない?」ポチポチッ

ウィズ「あ、あの・・・そんなにむやみやたらといじるのは・・・」

カズマ「おっ、いけたいけた。機材設備がどんな感じか見ておこう。アクア、お前も今の内に声真似練習しとけ」カチャカチャ

アクア「えー、麗しき水の女神が邪神のモノマネなんて嫌よ。ちょっとそこのヘンテコ悪魔、あんたの変身能力で何とかなさいな」

バニル「断る。どうして我輩が敵対者である神に化けねばならんのだ」

めぐみん「そういうことなら、私がやります!いえ、やらせて下さい!邪神のようにふるまえばいいのでしょう!?やりますやります!」


アクア「なんだかもの凄く乗り気になってるみたいだから、めぐみんに任せるわね。『ヴァーサタイル・エンターテイナー』!」スッ...


ポゥッ…


めぐみん「『あー、あー、どうでしょ・・・!?』」

めぐみん「『す、凄いです!アクア!これは凄いですよ!ロキそっくりです!』」

カズマ「うっわ、めぐみんからロキの声がする」

ゆんゆん「すっごいシュール・・・」プルプル…

めぐみん「『喋るときはどうすればいいのですか?』」

カズマ「プッ・・・くくくっ・・・その声でいつものめぐみんの口調でしゃべるのは反則だろ・・・」プルプル…


カズマ「しゃ、喋る場所はこのコントローラーに向けてで良いみたいだ。今機材がどんなもんか見て途中だから用意ができたら教える。それまで口上を考えておいてくれ」

めぐみん「『我が名はロキ!世界を牛耳る邪神なり!いいか、城の中にいる各員に告ぐ!今から城より西側の郊外に全員集結せよ!これは命令だ!』」

めぐみん「『・・・こんな感じでどうでし・・・』」


 ゼンインシュウケツセヨ!
   コレハメイレイダ!
    メイレイダ…
     イレイダ…
      ダ…



カズマ「」



カズマ「」

アクア「い、今のこだまって・・・」

ウィズ「あ、あの・・・王城の方から何か音が聞こえてきたのですが・・・」

ダクネス「あ、あれは王城で使う放送用魔道具の音だ・・・カ、カズマ・・・お前まさか・・・」

カズマ「・・・間違えたな、うん。どうやらポチポチ押しまくってうちに勝手にスピーカーがオンになってたみたいだ。やべぇ」

ダクネス「お前と言う奴は!どうしてそんないじくりまわしてしまったのだ!」

カズマ「し、しょうがないだろ!見たこともない機材だったんだし、ドローンのスピーカーがオンになってるなんて思わないだろ!」

アクア「わ、私は何も悪くないわよね・・・?」

......
....
..
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王城内部




『我が名はロキ!世界を牛耳る邪神なり!いいか、城の中にいる各員に告ぐ!今から城より西側の郊外に全員集結せよ!これは命令だ!』


    「ロキ様の声・・・?」
「西側の郊外?」 「ご命令とあらば今すぐ向かわなくては・・・」
    「ロキ様の言葉を疑ってはならない・・・」
   「全員外に出ろ!!今すぐ向かうのだ!」

 
  「「「「ロキ様の為にーっ!」」」」

 
    ドドド…




----------------

王城 王室

ロキ「な・・・一体どういうことだ!!一体だれが放送室を使っている!?」

ロキ「外の様子を確認しなくては・・・!」ダッ…

   ガチャッ…

ロキ「・・・こ、これは・・・!」


   ガランッ…


ロキ(全員出ていっただと・・・!私への信仰心を上げ過ぎたのがアダとなったか・・・!)

ロキ「スターク・・・」ギリッ…



......
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王都 郊外


アクア「私別に悪くないでしょ!?なんで私まで怒られなくちゃいけないの!?」

カズマ「お前も散々ボタン押しまくってただろうが!!同罪だ同罪!!」

ダクネス「落ち着け!喧嘩してる場合じゃないだろう!」

ウィズ「たくさんの人影が近付いて来てますよ!洗脳された冒険者たちは私たちの姿をヴォーミアで一度見ています!見つかったらマズいですよ!?」

カズマ「というか、やけに多くないか・・・?ちょっと千里眼で様子を・・・」ジッ…

カズマ「・・・!や、やべぇ!どうしよう!?冒険者だけじゃなくてなぜか魔物まで来ている!!」


ゆんゆん「えぇぇえ!?なんでですか!?」

カズマ「ロキの部屋にサイレントかけずに放送かけたから、きっとロキが魔王軍の配下に様子を見に来させたんだ!やっべぇ!!」

ウィズ「ど、どうしますか!?一度撤退しますか!?」

カズマ「この機会を逃したらもう洗脳を解くチャンスが・・・!」

カズマ(考えろ・・・!考えろ・・・!なんかあるはずだ・・・!)

カズマ「クソ!何も浮かばな---」



   『やぁ、みんな。楽しそうだな』



   キィィィィインン…
     ガンッ!


トニー「さて・・・押し寄せてきている魔物と冒険者・・・状況を説明してくれないか?」

めぐみん「ト、トニー・・・今の拳を地面に突き立てる着地ポーズは一体なんですか・・・?恐ろしくカッコいいのですが・・・」ソワソワ

トニー「悪いが特許とってあるんだ。真似はするなよ?」

めぐみん「ぐっ・・・」

トニー「そんなことよりこの状況だ。僕が来るまで待機してるんじゃなかったのか?」

カズマ「いやぁ・・・実は・・・作戦の予行練習してたらそれを間違って放送しちゃって・・・すいませんでした」

トニー「・・・はぁ・・・君の行く先ではトラブルしか起きないって話は本当だったみたいだな」

>>607

拳を突き立てる着地ポーズ


三点着地のポーズの事。ヒーロー着地の方がなじみ深い名前かもしれない。さすがデップー
両足と、片手を地面につけて着地してれば大体これになる。アイアンマンの場合は脚を大きく開き、右拳と右ひざ、左の足を地面につけている
アイアンマンだけではなく、他にもいろんなヒーローがこの着地をおこなっているので、アイアンマンが起源というわけではない
めちゃくちゃカッコイイポーズだが、デップーも行ってるように膝にすごく悪い。本当に悪い
ポーズをとるだけならいいが、骨折の危険性があるので着地にこれをするのはオススメしない


アイアンマン着地シーン集
https://youtu.be/Noooxfq6RE0


トニー「まぁいい。なんとかなるだろう」

カズマ「えっ!本当か!?」

トニー「アクア、君の回復魔法はどれくらいの怪我まで治せる?大勢相手でも魔力は持つか?」

アクア「えっ?そうねぇ・・・死んでさえいなければ、大けがでもほぼ全快させることができるわよ?」

トニー「よし。それが聞けて良かった」

アクア「ね、ねぇ・・・すごく嫌な予感がするんですけど・・・あの、私の信者もいることだし、あんまり傷つけないでね・・・?絶対だからね?」

トニー「安心しろ、使い方は僕が一番熟知している。ちょっと全員に寝っ転がってもらうだけさ」


ダクネス「お、おいまさか・・・!アレを使う気なのか!?」

トニー「さて諸君、ちょっとしたプレゼンの時間だ」

カズマ「プ、プレゼン・・・?一体何言ってるんだ・・・?」

トニー「恐れられる存在、敬われる存在・・・その両方が欲しくないか?」

トニー「今ここに、僕の最新の武器を発表しよう」

トニー「リパルサー技術を搭載した新兵器。もちろん威力は控えめ」

トニー「よく、一度も撃たずに済む武器が最良の武器と言うが・・・僕はそうは思わない」

ゆんゆん「ト、トニーさん・・・?」

めぐみん「ちょっ、ちょっとまってください!アレはもう使わないで欲しいと言ったはずでは・・・!」


トニー「最良の武器とは、一度撃てば勝負が決する武器だ。戦いに勝った国はみな今までそうしてきた」

ウィズ「あ、あの・・・大群がもう近くまで・・・」

トニー「この兵器を一度撃てば・・・間違いなく悪党どもは・・・怖気づいて、洞窟にこもることだろう」

  キィィィン…
     
バニル「ふむ・・・あれは・・・」

バニル「・・・!あれはマズいぞ!おい、今すぐどこか身の隠せるところを用意するのだ!」

カズマ「全員今すぐ地面に伏せろ!早く!!ウィズ!ゆんゆん!シェルター作ってくれ!!」



ウィズ・ゆんゆん「「はい!!『カースド・クリスタルプリズン』!」」


   パキパキパキ…
      パキンッ


トニー「フライデー、冒険者全員の意識を奪える程度の威力になる距離で爆発させろ」

フライデー『はい、ボス』

アクア「トニー!あんた覚えてなさいよ!!」バッ





トニー「どうぞご覧あれ。『ジェリコ』」


  バシュンッ 
    キュィィィッ
     ヒュルルルルル…



   ズガァァァアアアアッ!!!!



今回はここまで。あのトニーのプレゼン大好きです。特に腕を広げるところが
着地ポーズは本当に膝に悪いです。体育の授業の時にやって本気で膝の皿が割れるかと思いました
ほどほどにしましょう

遅れてて申し訳ありません
続きは明日の夜九時あたりに投稿します



カズマ「うぉぁああーっ!!!」グラッ…!

アクア「いやーっ!!ウィズ何とかしてー!!」ガバッ

ウィズ「アクア様落ち着いてください!だ、抱き着かれたところがだんだん熱く・・・」チリチリ…

   ビシッ…
    ビキキッ…

めぐみん「ひ、ひびが!シェルターにひびが入ってますよ!ゆんゆん!補修してください!」

ゆんゆん「ク、『クリスタル・プリズン』!!こんなに分厚い氷のシェルターなのになんで・・・?」

ダクネス「うぅっ、ここに入らず外に残っていればよかった・・・あれを味わってみたかったのに・・・」

アイギス《ねぇ、今この子なんて言ったの?もしかして俺騙された?事故物件掴まされちゃった?》


  ビリビリ…
   シュゥゥゥ…

カズマ「・・・終わった・・・のか?」

トニー「全員外に出てきていいぞ」

カズマ「俺、お前の事嫌いになりそうだわ」ヨロッ…

トニー「悲しいなぁ、僕のハートは割れそうだ」

めぐみん「割ってあげましょうか・・・?」ヨロヨロ…

ゆんゆん「な、なにも割る必要はないから・・・」

バニル「それではオムレツはできぬぞ」

トニー「言おうと思ったら先越された・・・」


アクア「ぐすっ、うええ・・・空気がびりびり震えてたし、口の中がじゃりじゃりするぅ・・・ロキよりトニーの方が危なっかしく見えてきたわよ・・・」

トニー「ちゃんと安全面には配慮してある。それよりほら・・・」

  「うぅ・・・」  
      「一体何を・・・?」
 「ロキ様・・・」 
   「体が動かん・・・」
「ぅぐっ・・・」  「なんだ・・・今のは・・・」


トニー「君のヒールとブレイクスペルで彼らの手当てと洗脳の解除をしてやってくれ」

アクア「死屍累々なんですけど」スッ…



トニー「安全面には配慮してあるって言っただろ。今使ったのは爆風による衝撃だけを強化した非殺傷の広範囲攻撃型ミサイルだ」

トニー「さすがに近すぎると危ないが、ちゃんと距離を考えて使えば・・・」

めぐみん「それを使い続けると言うことは、私への挑戦とみていいんですね?これからは背中に気を付けることです」

トニー「そう目を光らせるなよ。君の出番はまだまだあるさ」

めぐみん「そういうことではないですよ!私の存在価値を奪うような武器は全部敵です!」

トニー「はぁ・・・わかった、わかった。もう使わないから落ち着いてくれ」

めぐみん「絶対ですよ!!」

トニー「はいはい」


バニル「ふぅむ・・・」ジッ…

トニー「・・・なんだ?どうして僕をジッと見ているんだ?」

バニル「興味深いな・・・普段の汝は簡単に見通せると言うのに、その鎧を着た途端にまるで見通せなくなった。中々面白いものを作ったな」

トニー「悪魔のお墨付きか。喜ぶべきやら、心配すべきやら・・・」

バニル「素直に喜ぶがいい。我輩の目が見誤る事などないぞ?」

ダクネス「確かにすさまじい鎧だ・・・というより、前々からだがなんで鎧が空を飛べるのだ・・・?」

アイギス《俺の中に入っておきながら他の鎧を褒めないでくれない?俺凹むよ?凹んじゃうよ?》


ダクネス「す、すまないアイギス・・・そんなつもりでは・・・」

カズマ「そいつの言うことを真に受けるなよ。大抵演技だから」

アイギス《んもー!だからどうしていいところで邪魔しちゃうの!?》

アイギス《あとちょっとで傷心につけこんであんなことやこんなことが・・・あっ、待ってごめん!謝るから腕と腕をこすり合わせないで!俺削れちゃう!》

トニー「ここは最終決戦の舞台だと言うのに、まるで緊張感が無いんだが」フッ…

めぐみん「そう言いながらも、トニーだって笑っているではないですか。これでこそ私達ですよ」

トニー「なぁ・・・その中にもう僕も入っているのか?」

めぐみん「・・・?」


めぐみん「今更何を言っているのですか?あなたはちゃんとした私たちの仲間でしょうに」ニコッ

トニー「・・・カズマが君を将来絶対悪女になると言ってた理由が今分かった・・・」

めぐみん「兜が閉まっているせいで全く顔が見えませんが・・・ひょっとして照れているのですか?」ニヤニヤ

トニー「大人をからかってるといつか痛い目見るからやめておけよ。それよりアクアはどうなっているんだ?もう終わったのか?」

ウィズ「アクア様―!様子はどうですかー!」ブンブン

アクア「もう大体終わったわよー!」グッ

 「ここは・・・?」  「トナカイ頭・・・大爆発・・・頭が・・・」

   「なんだかすごく不快な思いをした気がする・・・」

「俺はこんなところで何を・・・?」 「ロキ様・・・“様”?」

       「口の中が砂だらけだ・・・」

アクア「おはようみんな!目は覚めた?」

中途半端ですが今回はここまで
次回は明後日夜に投稿します

アクアマンめっちゃくちゃ面白かったです
DCCUの弱点を全部克服しているうえに完成度が非常に高いです
水中の戦いは迫力満点です。ぜひIMAXで!


冒険者A「えーっと・・・一体どういう状況なんだ?」

アクア「良い?あなた達はね、邪神であるロキに洗脳の魔法によって操られ、悪の手先にされていたのよ!」

アクア「でも安心して!高貴で麗しいアクシズ教の御神体であるこの女神アクア様がその洗脳の魔法を解いてあげたわ!」

セシリー「キャーッ!アクア様ー!!」

アクシズ教徒A「アクア様ー!!」パチパチ

アクア「てなわけで、今後はアクシズ教をよろしくお願いします!」

ダクネス「おいアクア、あまり調子に乗るんじゃ・・・」


カズマ「ほっとけダクネス」

トニー「だな。あいつはもう手遅れだ」

バニル「忌々しい光景だ」チッ…

冒険者A「ア、アクシズ教徒!?」

冒険者B「これってよ・・・お前らの自作自演の罠ってことはねぇよな?お前らはどう思うよ?」

冒険者達「「「アクシズ教徒ならありえる」」」

アクア「何でよーっ!?私あなた達の事を治してあげたのに!!」


セシリー「そうよそうよ!!あんたたちに感謝の心ってもんはないの!?」

アクシズ教A「この背教者共め!!」

冒険者A「何が背教者だ!一度たりともあんたらの教えに従ったことはねぇよ!!」

セシリー「なんですってぇえ!?助けてもらっておいてこの仕打ち!!こうなりゃ聖戦よ!!」

めぐみん「落ち着いてください、セシリーさん」グイッ

セシリー「あら、めぐみんさんじゃない!それにさんまでゆんゆんさんまで!どうしてここに!?」

めぐみん「話せば長いです」

ゆんゆん「お、お久しぶりです!大丈夫そうで良かった・・・」

セシリー「心配してくれるだなんて嬉しいわ!いつ見ても可愛いわね!二人共ぎゅってしてもいいですか!?」


めぐみん「や、やめてください。というか、皆さん紹介すべきですね。何というべきですか・・・この人は・・・」

セシリー「姉です」

めぐみん「ねつ造しないでもらえますか!?彼女は昔お世話になった人で・・・」

トニー「あー・・・なんだ、彼女は美人だが・・・」ヒソヒソ…

カズマ「ああ、分かるぞ。綺麗な人だけど俺の仲間たちに似た駄目な人間のオーラを感じる。俺の周りこんなんばっかかよ」ボソッ…

トニー「君の言う駄目な仲間ってのに、僕はさすがに含まれていないだろ?」

カズマ「でもお前マッドサイエンティストなうえに自分が一番正しいと信じて疑わないタイプじゃん。正直俺の仲間の中で一番ヤバイ存在だと思ってるよ」

トニー「・・・」


めぐみん「洗脳が解けてよかったです。みんなまだ混乱しているようですが、アクアのヒールを受けたならもう大丈夫でしょう」

セシリー「洗脳されてる間私は一体どうなっていたの・・・?もしかして・・・口に出すのもはばかれるような恥辱の限りを尽くされて・・・」

めぐみん「むしろ恥辱の限りを尽くそうとしてましたよ。ロキを信仰してその体をベタベタと・・・」

セシリー「そっちの方がショックなんだけど!?私がアクア様以外を信仰していたって事よねそれ!?そ、そんな・・・!」

カズマ「まぁまぁ、洗脳されていただけなんだからそう深く考えんなよ」

冒険者A「談笑中の所悪いんだが、本当に俺たちは操られていたのか?」

カズマ「そうだよ。あんたらはロキっていう鹿だかトナカイだかわからない兜をした自称邪神に操られてたんだ」

冒険者A「クソ・・・何者だかわからねぇが、勝手な真似してくれやがって・・・!」


トニー「さらに言うとロキは洗脳した君たちの力を利用して王都をいとも簡単に侵略して見せた。今僕らは王都奪還作戦の途中なんだ。君達も協力してほしい」

冒険者A「あったりまえだ!邪神だか何だかしらねぇが、冒険者が舐められっぱなしでいられるかよ!」

ウィズ「あのー・・・みなさん・・・」

ダクネス「どうした、ウィズ?なにやら焦っているような顔だが」

ウィズ「その・・・先程のトニーさんの攻撃でダウンしていたのは冒険者の方々だけではなくってですね・・・」

魔物たち「「「「グォォォオオッ!!」」」」

バニル「ようするに、汝らがコントやってるうちに気絶してた敵が復活したのでさっさと向かい撃てって事である」


カズマ「もっと早く言ってくれよぉぉおお!!」バッ

冒険者A「ふっ・・・ここは俺達に任せておきな!アクシズ教徒だけのセリフじゃ説得力に欠けてたが、助けられたのは事実みたいだしよ!」

冒険者B「あんたたち、これから王城まで奪還に向かうんでしょ?だったら、ここは私たちが食い止めたげる!」

冒険者C「このまま助けられっぱなしってのはベテランの俺たちのプライドが許さねぇ!さぁっ、行ってきな!!」

カズマ「おぉ・・・」

カズマ(これだ!これだよ!今の俺達、まるでファンタジー世界の主人公じゃないか!こういう展開を待っていたんだよ!)グッ…

冒険者A「まぁ、どうせあんなやつらすぐにぶっ倒して追いついてやるからよ。それまでやられるんじゃねぇぞ?全身鎧のにいちゃんよ」

トニー「逆に君たちが来る前に終わらせてやるさ。さっさと倒して来いよ?」

冒険者A「はっはっは!言うねぇ!気に入ったぜ!それじゃぁ、行くぞ野郎ども!!切りかかれぇぇえええ!!」ダッ

冒険者達「「「「おおおおおおーーっっ!!」」」」







めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッ!!!」


    カッ

  ドゴォオオオンッ


魔物たち「「「「「グギャァァァァァァアッッッ!!??」」」」


   パラパラ…


トニー「」

カズマ「」

冒険者達「「「「」」」」

めぐみん「・・・ふっ、これで全員で戦いに行けますね・・・!嬉しいですか?」


トニー「」

めぐみん「見ましたかトニー?我が爆裂魔法の方があんな“じゃがりこ”だとかいう偽物よりもケタ違いに強いでしょう!」フンス

カズマ「お前ってやつは!少しはいい話で終わらせられないのか!」

冒険者A「まぁ、なんだ・・・奪還作戦・・・よろしくな・・・」

トニー「あぁ・・・」

めぐみん「それにしても、爆裂魔法を撃っても倒れないって言うのは最高の気分ですね!見栄えもいいですし、良い事づくめです!改めて感謝しますよ、トニー!」

トニー「そりゃよかった・・・」

......
....
..
.


トニーのラボ 来客室


クレア・レイン「・・・」ソワソワ

アイリス「クレア、レイン、どうか落ち着てください。ほら、ボタンを押すだけで飲み物が出てくる不思議な魔道具もあることですから」

フライデー『ドリンクバーです』

クレア「う、うむ・・・では飲むとシュワシュワする黒い飲み物をいただこう」

フライデー『コーラですね』

レイン「では私はお茶を・・・」

クレア「・・・多くの魔王軍幹部を倒してきたカズマ殿、あらゆる画期的な武器を作り、騎士団の死亡率を激減させ、空飛ぶ鎧を身にまとうスターク殿の腕は確かです」

クレア「それでも・・・彼らは王都を奪って見せるような化け物相手に勝てるのでしょうか・・・」


レイン「今回ばかりは・・・冒険者達だけではどうしようもない危機な気がします・・・」

アイリス「えぇ・・・確かに、冒険者なら今回の危機を乗り切ることはできないでしょう」

クレア「・・・?」

アイリス「そして、つい先ほど向かった彼らは・・・冒険者ではありません」

レイン「・・・どういう意味でしょう?」

アイリス「助けを求める声に駆け付け、世界を救いになった彼らは、冒険者ではなく・・・」







アイリス「・・・勇者(ヒーロー)です」

今回はここまでです。次回は一週間以内に投稿予定です
アベンジャーズ:エンドゲームの新しいトレイラーがつい最近公開されましたが、トニーがアイアンマン1の時の同じタンクトップ姿で何かを作っている姿で既に歓声が出そうでした
あれでも冒頭15分の映像しか使われていないそうなので、まるで展開が予想出来ません

>>636の言い回しや誤字が気になったので修正します。修正後の文は以下の通りです




レイン「今回ばかりは・・・冒険者だけで解決できるような危機ではない気がします・・・」

アイリス「えぇ・・・確かに。でも、心配する必要はありません」

レイン「・・・どういう意味でしょうか・・・?」

アイリス「なぜなら・・・助けを求める声に駆け付け、世界を救いに向かった彼らこそは---」






アイリス「---勇者(ヒーロー)だからです」

一週間以内と告知していましたが諸事情で一日遅れてしまいそうです
あと一日お待ちください・・・


レイン「アイリス様・・・」

クレア「えぇ!その通りですね!信じて送り出したからには心配など・・・」


  ピピピ… ピピピ…


クレア「・・・?この音は・・・」

レイン「確か・・・ムセンとか言う連絡用の魔道具でしたよね」

フライデー『正しくは電子機器です』

レイン「う、うむ・・・連絡の主はスターク殿か・・・え、えっと・・・どこを押せば・・・」アタフタ…


フライデー『私が接続します』

  ピッ

トニー『やぁクレア。聞こえてるか?』

クレア「あぁ、問題なしだ。そちらの状況はどうだ?」

トニー『あー・・・まぁ、ちょっとしたハプニングはあったが・・・おおむね快調だ』

トニー『とりあえず、Ms.アイリスに代わってもらえないか?許可を得たいことがある』

クレア「アイリス様に・・・?わかった、今代わろう。アイリス様、スターク殿です」スッ…


アイリス「か、変わりました、アイリスです。どういったご用件でしょうか・・・?」

トニー『王都南東側の端から王城までの区画を買収したい。できるか?』

アイリス「え、えぇ!?そ、そちらは商業区で、民家はほとんど存在しないので不可能ではないですが・・・」

トニー『それじゃ、買った。じゃあな』

  ブチッ…

アイリス「えっ」

クレア「アイリス様・・・?どういった内容だったのですか?」

レイン「なんだかお顔が優れませんが・・・」

アイリス「・・・王都の一部を買収されました」

クレア・レイン「「!?!?」」

......
....
..
.


王都 町中



トニー「行けるぞ、ばら撒けフライデー」

フライデー『了解です。ボス』

カズマ「気のせいだといいんだけどさ・・・お前、今この街の区画を買ったとか言わなかった?」

トニー「言ってない」

カズマ「言ったろ」

トニー「言ってない」

カズマ「ていうか、今から一体何をするつもり---」

アクア「カ、カズマさーん!!カズマさーん!!アレ何とかしてぇ!」ダダダ…


魔物A「待ちやがれそこのプリースト!!てめぇ、俺達の兄貴を散々罵倒しといて何逃げてんだコラッ!」ダダダ…

魔物B「見ろ!兄貴がヘコんじまったじゃねぇか!」

魔物C「べ、べつにヘコんでねぇし・・・初めてあんなに罵倒されたから驚いてるだけだし・・・」

カズマ「お前一体何したの?」

アクア「ちょっとめぐみんと一緒に敵を煽っていたら様相以上にキレだしたのよ!!なんとかしてー!」

めぐみん「逃げては駄目ですよアクア!口上を述べたうえで敵を倒さないと!」

アクア「そんなこと言ってなんでめぐみんはずっと宙に浮いて上から見てるの!?」


めぐみん「強者は上から見下すものです」

魔物A「てめぇら馬鹿にしやがって!何が“ちょっと煽った”だ!“片手でひねりつぶす”だの“便器に吐き出されたタンカス共”だのめちゃくちゃ言いやがって!!兄貴がお前らに何をしたって言うんだ!」

魔物B「もう構わねぇ!あいつらまとめてぶっ潰してやる!」

アクア「カズマさーん!なんとかしてー!あいつら以外にも後ろからワラワラきてるの!」

めぐみん「ふっふっふ・・・今こそ我が爆裂魔法の活躍の場・・・」

トニー「君はもう一発撃ってしまっただろ?ロキに備えて温存しとけ。ここは僕がやる」

トニー「カズマ、アクアと魔物たちの距離を離せ。このままじゃアクアが巻き込まれる」


カズマ「お前が何をするのか大体見当がついた。めぐみんに怒られても知らないからな」スチャッ… ギリリッ…

 バシュッ!
  ドスッ!

魔物A「いだッ!?なんだ・・・?矢が膝に・・・!」グラッ

カズマ「矢についてるボタンを押して展開して・・・魔法を唱えるだったな」ポチッ

  カシャッ ヴンッ…

魔物A「な、なんだこの矢!?急に光り出したぞ!?」

魔物B「おいバカ!立ち止まるな!後続がつっかえ----」

カズマ「『ライトニング』ッッッ!!」

  ヴァチチィイッ!!


魔物たち「「「うぎゃっばあああっ!?」」」ヴァチチッ!

トニー「今だ!」



ジェリコ「」ヒュルルルルル… バシュンッ…


   カッ…

ズドォォォァァァアアッ!


パラパラ…


トニー「よし、道が開けたな。先に進むぞ」

ウィズ「さ、先程撃ってたものより攻撃力が上がっているような・・・?」

トニー「落としたのは衝撃じゃなくて攻撃力を上げた非殺傷じゃないミサイルだからな。ひとたまりもないはずだ」


カズマ「お前・・・街の一角を消し飛ばしておいて何か思う所はないの?」

トニー「もう僕の物だし問題ない」

ダクネス「大ありだこのたわけが!あわわ・・・美しい王都の街並みが・・・!この光景を国のお偉いさんが見たら、トニーは間違いなく最重要危険人物に認定されるぞ・・・!国が放っておかなくなる・・・!」

バニル「フハハハハハッ!なんとも豪快な金の使い方であるな!今後とも我輩の店をよろしく頼む!」

めぐみん「なんですか・・・?なんなのですか・・・?さっきからっ・・・私をそんなに怒らせたいんですかっ・・・?」

ゆんゆん「めぐみん落ち着いて!目が真っ赤!!」

めぐみん「落ち着けるわけないでしょう!私の存在価値の危機なのですよ!?」

トニー「カズマも言ってただろ。君にはロリ枠と言う貴重な存在価値が・・・おい、僕に杖を向けるな!僕が作った杖だぞ!」

中途半端ですが今日はここまで
引っ越しすることになったので更新が遅れ気味になります

引っ越しも済んでだいぶ落ち着いてまいりました。
ですが、インターネット環境が整っておらず、まだ少し時間がかかりそうです。
その間の書き溜めはしておりますので、時期が来たら一気に終わりまで投稿する予定です。
もうしばらくお待ちください

ちなみにですが、スパイダーバースとキャプテン・マーベルを見てきました
キャプテン・マーベルは始まって15秒ほどでなくかと思いました。理由は見ればすぐにわかります
スパイダーバースは正直、個人的にはキャプテン・マーベルより・・・むしろ、MCU通してでも引けを取らないくらい面白い作品でした。
タレント等は使っていないので吹き替えで見ても失敗はないです。
むしろめぐみんの中の人が出てるのでぜひ聞いてみてください。

書き忘れがありました。
スパイダー・バースは三部作構成らしいので次回作が楽しみです。
ですが、アベンジャーズ1を見た時にもありましたが、「これ以上の作品を作れるのだろうか・・・でも続きは気になってしまう」といった感じの複雑な気分になってしまいますね。
余談ですが、ペニー・パーカーはスパイダーバースのトレイラー公開前はwikiの週間閲覧数が三桁程でスパイダーマン関連では最下位クラスだったそうですが、トレイラー公開後には一気に閲覧数が上がりなんとスパイダーバースキャラ内トップの閲覧数になったそうです。
やはり、かわいいは正義ということなのですね。
キャプテン・マーベルはニックがすごくいいキャラしていました。しかもニックのとある秘密も明かされるので、その点も面白かったです。
猫好きには必見ですよ。

お待たせしております。ネット環境も整ってきましたので、明日から続きを投稿していきたいと思います。


カズマ「敵陣の中で仲間割れすんな!!」

トニー・めぐみん「「ならこの女(男)を何とかしてくれ(ください)!!」」

カズマ「めんどくせーなお前ら!!めぐみんはちょっとくらい容認してやれ!!今は火力がたくさん必要なんだよ!トニーも嘘つくんじゃねぇ!!これが終わったらもう作らないって口約束しとけ!!」

トニー「・・・はぁ、わかった。めぐみん、この戦いが終わったらジェリコをすべて解体するし、もう製造はしない。今度こそ本当だ」

めぐみん「・・・仕方がありませんね。事情が事情ですし、心の底から嫌ですが今回だけは見逃して・・・いや、ちょっと待ってください。今口約束って・・・」

カズマ「いってないよ」

めぐみん「カズマのことですから、荒事が楽になると喜んで黙認しそうで怖いのですが・・・」

カズマ「そんなことないよ」


バニル「『バニル式殺人光線』!!『バニル式・・・ええいっ、何をやっておるか漫才師パーティーども!爆発を聞きつけた敵が大量に向かってきてるのだぞ!!」

トニー「はいはい、僕らの側面の敵はさっき助けた冒険者たちが守ってくれている。このまま火力を正面に集中させて進むぞ。全員準備はできているか?」

ウィズ「はい!火力面は任せてください!ゆんゆんさん、行きますよ!」

ゆんゆん「はい!」ダッ

アクア「アンデッドや悪魔系の敵は任せなさいな!それと、怪我したらちゃんと私に言いなさい。すぐに直してあげるからね」バキボキ…

ダクネス「盾になるのは任せておけ!トニー!私が敵を引き付けたところでジェリコを私に打ち込んでくれてもかまわないぞ!一度あれを私に食らわせてくれフヘヘ///!」

アイギス《お嬢ちゃん!帰ったら本当に今後について話し合おう!?おっぱい大きくてかわいい子は好きだけど、さすがにこれは許容できない!!》

めぐみん「温存、温存と、もうウンザリです。次に敵の群れを見たら問答無用で爆裂魔法を打ち込みますからね。つまり、準備完了です」

トニー「・・・」

トニー(正直アベンジャーズが恋しくなってきた・・・)

カズマ「こいつらの制御なんて考えるだけ無駄だぞ」

トニー「身に染みた」

......
....
..
.



王城 王室


 ドォオ…ン…

ロキ(また謎の爆発音・・・音からして、連中はここにまっすぐ向かってきている・・・冒険者どもにかけた洗脳魔法はもう解かれてしまったか・・・洗脳していた頃に感じていた魔力の流れを今はもう感じない・・・)

ロキ(あの青髪の女、私の魔法を止めた事といい、思っていた以上に力があるみたいだな・・・)

ロキ(魔王軍どもめ・・・時間稼ぎもまともにできんのか?)

    ガチャッ!

魔王軍兵士A「ロ、ロキ様!!」

ロキ「・・・今度はなんだ」

魔王軍兵士A「た、大変なんです!急に妙な装備を身に着けた連中が現れたかと思いきや、次々と我が軍の兵士を蹴散らし始めて大パニックに・・・」

魔王軍兵士A「爆裂魔法がぶち込まれるわ、それに匹敵する謎の爆発物が降ってくるわ、空飛ぶ鎧が大暴れしてるわ、冒険者の洗脳が解かれているせいで援軍が足止めされてるわで・・・」

ロキ「・・・フンッ、これを持っていけ」ポイッ

魔王軍兵士A「こ、これは・・・?」パシッ


ロキ「転移の魔道具だ。それを使えば、ヴォーミアで戦力として捕まえておいておいた魔獣どもを呼び出せる。わかったらさっさと行け」

魔王軍兵士A「ロキ様は来ないのですか!?あなたにも来ていただかないと、我が軍に多大な犠牲が・・・」

ロキ「私はここでやることがある。お前たちは時間を稼ぐことに徹していろ」

魔王軍兵士A(な、なんてやつだ・・・!計画とやらを明かさないくせに、俺たちの仲間まで殺しておいて、この言いよう・・・!)ギリッ…

ロキ「返事はどうした?」

魔王軍兵士A「ぐ・・・わ、わかりました・・・」クルッ…

 ガチャッ
   バタン…

ロキ「たかが捨て駒風情が、よくもまぁあんな目ができるものだ・・・」

 ビーッ ビーッ ビーッ

ロキ「・・・!」



【超質量物質転送用異世界間ゲート発生装置 準備完了】


ロキ「クク・・・ハハハハハ!!!なにやらあがいているようだが・・・間に合わなかったな!スターク!!起動までに間に合っていれば、まだ勝機があったものを!」

ロキ「魔王軍どもよ・・・せいぜいダメ押しの時間稼ぎを期待しているぞ・・・!」

ロキ「そして全員地べたから眺めているがいい・・・」





ロキ「神の世界が誕生する瞬間を・・・!」スッ…


   ポチッ…

......
....
..
.


王都 町中 


トニー「フライデー、周囲の様子は?」

フライデー『少々お待ちください』ピピピ…

  ピピッ

フライデー『左手側50メートル、白い看板のレストランの中に多数の反応があります。おそらく、立てこもって奇襲の機会をうかがっているものかと』

トニー「了解。突入する」ドシュゥゥウウッ

  バァンッ!

トニー「やぁ、まだラストオーダーの時間じゃないよな?」シュゴゴゴ….



魔物F「ゲェッ!なんでバレた!?クソッ!全員魔法の準備をしろ!!」

魔物G「ていうかなんで鎧着て宙に浮いてるんだよ!なにもかもおかしいだろ!!」

魔物D「魔法の準備ができたぞ!囲め!囲んで一斉に撃て!」

トニー「諸君、よせ。話せばわかる」

魔物s「「「死ねぇええ!!」」」

Mk.46「」ピピッ

【カースド・リパルサーレイ アーク・ミサイル マイクロ・ミサイル オンライン ロックオン完了】


ジャキィンッ!

魔物達「「「!?」」」

魔物D「ちょっ、ちょまままま!!一体なんだその武装の数---」


 ズ
  ド ド
 ド ド ド
  ド ド
   ンッ
   !


 シュゥゥゥ…
  パラパラ…

 【残敵なし。武装解除】

トニー「話せてよかった。じゃあな」ガシュンッ….

 ドシュゥゥウウッ

魔物D「どこが・・・話しだ・・・」


------------


カズマ「おい、トニーが突っ込んでいったレストランから妙な爆発音が聞こえたぞ。大丈夫なのか?」

ゆんゆん「出てきたご飯が美味しくなくてクレームをいれてるんじゃないでしょうか」

めぐみん「あのゆんゆんがトニーみたいなジョークを・・・」

ゆんゆん「ち、ちょっとそれっぽいセリフを言ってみたくて・・・」テレテレ….

アクア「影響を受ける人間は考えたほうがいいわよ?」

 シュゴゴゴゴ…

トニー「君が言うと説得力がまるでないぞ」


カズマ「おっ、戻ってきた」

トニー「隠れてた敵は倒しておいた。ダクネスが正面の敵に発情しながら突っ込んでいるから、僕らも続----」

ズンッ…
   ヴゥンッ….

トニー「・・・何の音だ?」

フライデー『・・・ボス、周囲に異常な魔力の波動を検知。発生源は・・・』

トニー「・・・もう見えてるから言わなくてもいいぞ」

カズマ「おい、なんだよあれ・・・王城の天辺からなんかビームみたいなのが・・・」


 ゴゴゴ…
  ギギギギギ….

トニー「あー・・・フライデー、僕酔ってないよな?」

フライデー『血中アルコール濃度に異常なし。すべての数値において正常と判断されました』

トニー「今だけは異常と判断されてほしかった・・・」

アクア「ねぇ!空に穴が開いてるんですけど!?どんどん広がっていくんですけど!?」

バニル「見ればわかるわ!喚くでない、この鶏女神めが!」

ゆんゆん「あわわわ・・・いったい何が・・・・!?」

めぐみん「ゆ、ゆゆ・・・ゆゆんゆんゆゆん・・・!おち、おちちち・・・」


カズマ「穴の奥に何か見えるぞ!ちょっと千里眼で様子を・・・」スッ…

カズマ「あれは・・・あ・・・れ・・・」サァッ…

アクア「ね、ねぇ、なにそんな青ざめた顔してるの・・・?私、すっごく嫌な予感がするんですけど・・・」

トニー「フライデー・・・」

フライデー『ゲート内部をズームした映像を解析中・・・解析完了』


  ズズ...







アスガルド「」ゴゥン…



フライデー『・・・未知の大陸です』

カズマ「はい、撤収」

今回はここまでです。来週の土曜日に最終回を上げようと思います
ただ、エンドゲーム公開日後なので影響を受けてストーリーの改変を行い、少しストーリーが伸びるかもしれません
お楽しみに

最後のシーンは、トランスフォーマー3後半のサイバトロン星?そのものがワープしてくるシーンみたいなイメージで

>>669>>670の間にあるはずだった文を飛ばしてしまいました。すいません、ゴーストライダーの目を覗いてきます・・・
飛ばした文は以下の通りです


フライデー『大規模な空間異常を検知。NYの時のものとは比べ物にならない数値です』

ダクネス「おい!空の穴がどんどん広がっていくぞ!こ、これは・・・!」

フライデー『ワープゲート、いまだに範囲拡大中です。ゲートの直径はすでに王都全土の面積を遥かに超えています』

ウィズ「こ、ここまで巨大な魔力は今まで感じたことが・・・」ゴクリ…

 「おい、なんだありゃ!」 「知らねぇよ!俺に聞くな!」
   「ロキの仕業か!?」

   ザワザワ…

バニル「どうやら魔王軍でさえも何が起きているのか把握できていないようであるな。とすれば、これはあの日常生活に支障をきたしそうなレベルのアホ兜を被ったアホ邪神の仕業か・・・」

バニル(というより、空に開いた穴の先が眩しくて見通せん。一体なにが送られようとしているのだ・・・?)

 ズズズズズ…

エンドゲーム見てきました。ただただMCUに感謝です。
もう見てる途中に何度も泣きました。MCUの今までの軌跡があの一作に全て詰まっていました。
まだ見てない方はぜひ楽しみにして見に行ってください。すべての予想を超えて感動させてくれること間違いなしです
ネタバレしない程度にネタを言うと、きっと映画の帰りにチーズバーガーを食べたくなはずです

エンドゲームに影響されたので、少しストーリーの改変を行うことにしました。
なので、続きは明日、もしくは明後日の夜九時に投稿します。
もうしばらくお待ちください

改変後の最後の終わり方がどうしても浮かばないため、終わりまでもう少しかかってしまいそうです
とりあえず、出来上がっている途中まで今夜投稿するのでエンディングまでもうしばらくご付き合いしていただければ幸いです


アクア「・・・」

ウィズ「アクア様?どうしました?急に静かに・・・」

アクア「あははははは!!何あれ?でっかいパイプオルガン?」

ウィズ「アクア様!お気を確かに!!」

バニル「フハハハハハ!!まさか、まさか神の国そのものが来るとは!永い間生きてきた我輩でも、こんな光景は初めて見たわ!フハハハハハ!!!」

カズマ「撤収ーっ!撤収ったら撤収!なんだよあれ!俺普通にロキが現れたら矢で適当に援護しつつ、トニーやバニル、ウィズに任せてあっさり終わりみたいに考えてたのに!なんでこんなおかしなことになってるんだよ!」

ダクネス「ここまで来たらなおさら撤収などできるか!あの空をよく見ろ!あれをどうにかしないと、王都どころかこの世界そのものがどうなるかわからないのだぞ!!」


カズマ「お前こそ、この空に広がっていく理不尽をよく見ろよ!惑星だか大陸そのものが穴から顔をのぞかせているんだぞ!人間にどうにかできる問題じゃねぇ!」

カズマ「俺はもう駄目だ!空の穴見て完全に心が折れそうだ!帰らせてくれ!」

アイギス≪俺さ、世界を救うなんて大それたこと言わないよ。手が届く限りのおなご達を守って見せる。そう、それでいいじゃないか≫

トニー「なにいい話で終わらせようとしてるんだ!最後まで付き合え!」

めぐみん「ト、トニー!あの、遠くから何かが・・・」

トニー「全員聞け!これは僕の経験則だが、世界滅亡の危機だろうが、なんだろうが、全員で結束して立ち向かえば意外と解決できるもんなんだ!」

めぐみん「あの・・・」

トニー「いままであらゆる危機を乗り越えてきたが、結束こそが一番の最善策だった!」

トニー「君たちだってそうだったんだろ!?絶対無理だと思えるような怪物相手でも、結束して勝利してきたんだろ!?今回も同じだ!まぁ、規模は多少でかいかもしれないが、できることはまだあ---」

めぐみん「トニー!今すぐ振り返ってください!何かこっち来てます!!」

トニー「ったく、いいこと言ってるのに、話をそらそうとす---」クルッ…



?「よォ、名演説の途中悪いが、続きはあの世でやってくれ」ブォンッ

   ド ギ ャ ァ ッ
     ヒュンッ…
      ドゴォ…ン…

ゆんゆん「ああっ!トニーさんが!トニーさんが金棒で吹き飛ばされちゃいましたよ!?」

アイギス《オイオイオイ、死んだわあいつ》

カズマ「今のはアレだな。ダメージ蓄積値300%超えで横Aスマッシュをフルチャージで食らったような吹っ飛び方だったな」

ゆんゆん「今度はカズマさんがおかしくなっちゃったんですか!?変なこと言ってないで助けに・・・」

?「そう焦んじゃねぇよ。すぐ同じところに送ってやっからよ・・・」サラサラ…

カズマ「トニーを吹っ飛ばしたあいつ、どうなってるんだ?体が砂でできてるのか・・・?」

アクア「あんた!よくもウチの従者をホームランしてくれたわね!今度は私があなたをかっ飛ばしてあげるわ!」


ガデルカンド「ハッ、雑魚プリーストが強がりやがって!いいか!俺の名はガデルカンド!魔王軍準幹部と目されている砂のガデルカンド様だ!この体はあらゆる物理攻撃を無効化する!さぁっ、かかって来---」

  シュゴゴゴゴ…

トニー「こりゃまた大きな砂場だな。みんなで砂遊びしていくか」

ガデルカンド「な!?生きて---」

カズマ・アクア「「『クリエイト・ウォーター』ッ!」」

   バシャァッ

ガデルカンド「げぇっ!?しまった!体が・・・固ま・・・」ドロッ…

カズマ「ハッハァーッ!砂のモンスターには水をかけるって相場が決まってるんだよ!!これ、俺の作戦な!!ウィズ!ゆんゆん!あとは任せた!」


ウィズ「いきますよ、ゆんゆんさん!」

ゆんゆん「はい!」バッ

ウィズ・ゆんゆん「「『フリーズ』ッッ!!」」ヒュゴォォオッ

ガデルカンド「カッ・・・---!?」パキパキ….

  パキンッ…

アクア「あっはっはっは!!なんて不細工な氷像なのかしら!!私がきれいに削ってあげましょうか?プークスクス!!」

ガデルカンド(なんなんだこいつら!俺は魔王軍準幹部だぞ!?戦闘力だけならベルディアやハンスにだって劣らない・・・)


トニー「ほら皆。結束したらこんな怖そうなモンスターもあっという間だったろ?」

トニー「あっ、君の出番はここまでだ。引き立て役ご苦労様、肩でも揉んでやるよ」ガシッ

【リパルサーレイ出力値 上昇】

 キュィィイ…

ガデルカンド(おい、何をする気だ!?やめ---)

   ヴァゥゥンッ!
  パリィィイイン...
 パラパラ…

トニー「悪くない作戦だった。よくやった、ボウズ。さすが、問題児パーティーを率いてるだけあるな」


カズマ「お前も最近その問題児リストに加わったってことを忘れるなよ」

トニー「僕のどこが問題児だっていうんだ。それよりどうだ?楽勝だったろ?こんなノリで城まで行って、軽くロキをぶっ倒して帰ろうじゃないか」

トニー「そして、アクセルに帰ってすぐにサキュバスの店に行こう。なっ?」

カズマ「ったく・・・しょうがねぇなぁ・・・」

トニー「いいね。その意気---」

  ワー! ワー! 
   ニゲロ ニゲロ!!  
     タイヒーッ


トニー「・・・なんだ?」

ダクネス「おい、全員向こうを見ろ!なんだか騒がしいうえに、凄い量の土煙や炎が上がっているぞ!!」


  ドドドド…

冒険者A「おい!あんたらさっさと逃げろ!後ろから化け物どもがわんさか来てるぞ!!」

冒険者B「なんか雑魚兵の一人が転移魔法唱え始めて・・・“雑魚兵士が一体何を呼ぶつもり?ペットの犬かインコ?”とか笑ってたら大量の化け物たちが・・・!とにかく逃げてぇ!!!」

魔王軍兵士A「よくも俺をコケにしやがって!!全員こいつらの餌にしてやる!!」

魔龍「グォォォオオオオッ!!」ゴゥッ!

グロウキメラ「キェァァァアアッ!!」

フェンリル「ガルルルァァァアアアッ!!!」

ヒュドラ「キシャァアアアアアッ!!!」

  ドドドドドドド…


カズマ「なぁ、トニー」

トニー「なんだ」

カズマ「前言撤回していい?」

トニー「ダメ」


ゆんゆん「あわわわ・・・魔龍にフェンリル、ヒュドラにグロウキメラ・・・!?高レベル冒険者が束になって戦わないと勝てないようなモンスターがこんなにも・・・!」

トニー「ハルクも顔負けの面してるな・・・」

ダクネス「どれも特別指定モンスターになったっておかしくないくらいの伝説級モンスターだ・・・!」

めぐみん「ここは私が!!」ジャキンッ

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッ!!」

  カッ…
  
ズガァァァアアアアアンッ!!!!

 パラパラ…

トニー「ナイス爆裂だ。どうだ?」

めぐみん「手ごたえはありましたが・・・」

  シュゥゥウウ…


アクア「煙で何も見えな---」

   ゴゥッ!!

アクア「ぎゃーっ!炎のブレス!?ちょっ!誰か何とかしてぇ!!」

ダクネス「私に任せろ!」バッ!

   ドボァッ…

トニー「Wow、火だるまだ。あれ防いだって言うか身代わりになっただけなんじゃ・・・」

ゆんゆん「ダ、ダクネスさーん!!」



アイギス《ところがどっこい、効きません。なぜなら俺は神器だから!!魔法のブレスなんて俺に効くかよ、出直せクソトカゲ!》


ダクネス「・・・ちぇっ」

アイギス《・・・》

バニル「ネタ娘が爆裂魔法をぶちこんだとはいえ・・・」

ドラゴン・ヒュドラ・フェンリル「「「グルルルル…..」」」

バニル「あれほどの魔獣相手となると、一体倒すのが限界であるか・・・」

めぐみん「ぐぅ・・・」ギリッ…

バニル「・・・ふむ」



バニル「・・・行け」


めぐみん「・・・へっ?」

バニル「行けと言ったのだ。もう城まで近い、ここは我輩とポンコツ店主で引き受ける。汝らは先へ行け」

バニル「付き合ってくれるな?ウィズ」

ウィズ「えぇ、構いませんよ。ワクワクしますね」ニコッ

トニー「・・・良いのか?」

バニル「大悪魔であるこの我輩が足止めをしてやると言うのだ。深々と感謝するが吉」

トニー「今度店で何か買ってくよ。全員聞こえてたか?ここはバニルとウィズに任せ、今から王城まで一気に突撃する。僕につかまれ、めぐみんは僕の後を追いかけて飛んで来い」


カズマ「これで良いのか?」ガシッ

ゆんゆん「ウィズさん、バニルさん、頑張ってくださいね!」ガシッ

ダクネス「すまない、ここは任せる!二人にエリス様のご加護があらんことを!」ガシッ

バニル「悪魔の我輩に、神のご加護とは一体何と言う侮辱か。吐き気と寒気が止まらんのでよせ」

アクア「木っ端悪魔は死んでもいいけど、ウィズは死なせちゃ駄目なんだからね!いざって時は身を挺して守りなさいよ?」ガシッ

バニル「貴様こそ、この我輩がお膳立てしてやってるのだから精々活躍して見せるが良い。まぁ最も、貴様に出来る活躍なんぞ足を引っ張って泣き喚き、頭のおかしな信者共を喜ばせる程度の物であろうがな!フハハハハハ!!」

アクア「こんのクソ悪魔!あんたを邪神討伐の前座にし---」

トニー「それじゃ出発」シュゴゴゴゴ….

カズマ「えっ、飛ぶって・・・魔法的なものとかじゃなくてまさかマジで・・・」

 ドシュゥゥゥウウッ!

カズマ・アクア「「ああああああああああ!!」」

 アアアアアアァァァァァ…


バニル「さて・・・静かになったものだな」

ウィズ「こうして二人で戦うってのは初めてかもしれませんね」

バニル「我輩はいつも店の赤字と戦っておるがな」

魔王軍兵士A「バニル様・・・?それに・・・ウィズ様まで・・・あなた方は魔王軍では・・・?なぜここに・・・!」

バニル「今の我輩はもう魔王軍幹部バニルではない。善良なアクセル市民として評判な、カラススレイヤーのバニルさんである。今日はマナーのなっていないご近所さんを叱りつけに来たのだ」

ウィズ「ごめんなさい。私も中立でいたかったのですが、市民も容赦なく殺すあなた方の主人みたいなのに関してはその限りではないんです」

ウィズ「邪魔さえしなければ、部下であるあなた方を攻撃するつもりはありませんので、できれば撤退していただけると助かるのですが・・・」


魔王軍兵士A「悪いが、そうはいかないな・・・ゲス野郎なボスだし、今この空に広がる光景を見ても、何を企んでいるのか、さっぱりわからねぇ。多分、俺は今都合がいいように使われているだけなのかもしれない」

魔王軍兵士A「でも、王都を陥落させているというこの状況を逃すわけにはいかない」

魔王軍兵士A「・・・下っ端兵士なりの判断ってやつだ。行け!魔獣共!」

魔龍・フェンリル・ヒュドラ「「「ゴァァァアアアアアッ!!!!」」」


  ドドドドドドド…


ウィズ「・・・説得失敗しちゃいました」

バニル「だろうな・・・全く、これだから下っ端兵士は・・・自分の意志というものをもっておらん。さてウィズよ、準備はできておるか?」

ウィズ「はいっ!『カースド・クリスタルプリズン』ッッッ!!」


     パ キ ィ ン ッ…

......
....
..
.


王都 上空


 キィィィィイイイ…

アクア「いやーっ!死んじゃう!落ちて死んじゃう!!カズマさーん!!!カズマさーん!!」

カズマ「あああああああ!!!落ちる!落ちる落ちる落ちる!!!!」

トニー「電流を流して手が開かないようにしてある、だから耳元で喚くな!」

ゆんゆん「目を開けてられない・・・!」

めぐみん「情けないですねぇ、自称我がライバル」キィィィィ…

ゆんゆん「めぐみんはその鎧の中に入ってから平気なんでしょ!?あっ、あと胸がアレだから空気抵抗が・・・」

めぐみん「なにおおおおおお!!今すぐ下に落としてあげましょうか!」


ゆんゆん「ああっ!痛いやめて!落ちたら本当に死んじゃうんだから攻撃しないで!」

ダクネス「くっ・・・この鎧のせいで何も感じられない・・・なぁ、アイギス。一部分だけ解除とかできないのか」

アイギス《出来ないけど、もしできるんだったらこのまま真下に体をパカッと開いて君を投下したいよ》

ダクネス「あっ、そっちの急に落とされる機能の方が欲しい!トニーに改造してもら---」

アイギス《ブラザー!ブラザー助けてくれ!!コイツマジでイカれてる!!俺、神器なのに気が狂いそうだ!》

トニー「そこの狂性堕ーにいちいち突っ込んでると精神が汚染されるぞ。呪われたと思ってあきらめろ。その狂人はもう手遅れなんだ。そして、今一番気が狂いそうなのは僕の方だ・・・」

フライデー『ボス、もう王城は目の前です。どう侵入しますか?』

トニー「普通に、ノックして入る。出来る限りロキのいる部屋に近い階に突っ込むぞ」キュィィィイイン…

ダクネス「ハッ!?待てトニー!何をする気だ!?王城は歴史ある建物なんだ!外壁に穴を開けるのだけは勘弁---」

   ズガンッ!
    パラパラ…


アクア「うっ、うぅっ、おぢてじぬがとおも゛っだ・・・うえ゛え゛・・・」グスッ…エグエグ…

トニー「よーし、着いたぞみんな。ここ、土足厳禁じゃないよな?」

ダクネス「貴様、さっき私を狂人扱いしたことを謝れ!!どうするんだこの大穴!」

トニー「僕が修繕費を出しておくからそうわめくなよ」

ダクネス「金を出せば良いってもんじゃない!」

カズマ「そこまでにしとけダクネス。警備が厚くて玄関から突入なんて無理だったんだよ」

カズマ「俺の可愛い妹の事だ、“お兄ちゃんうっかり壁壊しちゃった。ごめんな”とでも言えば許してくれるよ」

ダクネス「うぅ・・・不安しかない・・・」


カズマ「----ッ」ビリッ

カズマ「・・・やばいな。外から侵入した俺達に気が付いた敵が、みんなこの階めがけて押し寄せてきている。このままじゃロキと兵士の挟み撃ちコースだぞ。誰かがここで敵の足止めをしないと・・・」

  スッ…

ゆんゆん「はい。私が引き受けます」

ダクネス「正気か!?魔法使い職一人で残るなど・・・わ、私もここに・・・」

カズマ「た、確かに危ないけど、そしたらロキと戦うときの盾が・・・くそっ、どうすっかな・・・」

アイギス《あー・・・ゴホン。誰か忘れてません?》

ダクネス「アイギス?どうするつもりだ・・・?」


アイギス《どうするもこうするも、こういうことさ!合・体・解・除!》カッ…

アイギス《こうして俺が変態ちゃんから離れ、そっちの幼い顔してスケベなボディしたお嬢ちゃんと合体する。一人で攻防一体訳だ》

アイギス(ついでに変態クルセイダーという呪いから逃れられるしな)

トニー「・・・悪くない案だ。ダクネスなら、アイギス無しでもその盾と腹筋で耐えられるだろう」

カズマ「これが一番ベストな采配かもな。どうだ、ダクネス?その盾と、今着てるプレートメイルと自前の腹筋で大丈夫そうか?」

ダクネス「ふ、腹筋腹筋いうな!!私はアイギスが無くとも問題ないが・・・ゆんゆんは一人で戦えるのか?」

ゆんゆん「はい!任せてください!」

めぐみん「そう心配しないで良いですよ、ダクネス。我がライバルを名乗る以上、こんな所でくたばるような子ではないハズです。でしょう?」


フライデー『めぐみん様の言葉を翻訳すると、“気を付けてくださいね、私の親友のゆんゆん”という意味になります』

ゆんゆん「め、めぐみん・・・!」ウルッ…

めぐみん「誰が訳せと言いましたか!最近おかしいですよフライデー!!」

トニー「誰の影響だと思ってるんだ?」

ゆんゆん「心配しなくても大丈夫よ、めぐみん!ここで足止め位できないと、紅魔族族長を名乗る資格なんてないんだから!」

ゆんゆん「めぐみんこそ、邪神なんかに負けないでよね!」グッ

めぐみん「フッ、ゆんゆんのくせしてカッコいいこと言うじゃないですか!任せてください!あのスカしたトナカイ頭は私が粉みじんに粉砕して見せます!!」

トニー「ゆんゆん、君の分の装備を作るために寸法をとるから、僕のラボに後で来いよ?」


ゆんゆん「良いんですか!?よ、よし!頑張ります!また後で!」

アイギス《ようし、お嬢ちゃん、俺の中へお入り。俺を装着するときのキーワードは『おちんちん祭り』だよ!さん、はい!》

ゆんゆん「え、えぇ!?お・・・お・・・///『おちん・・・』」

カズマ「騙されんなゆんゆん!そしてお前もやめろこのバカ!!セクハラしてる場合じゃねーんだよ!」

トニー「やっぱりこいつ帰ったらスクラップにしないか?」

アクア「私が湖の底にでも封印してあげてもいいわよ?」

アイギス《冗談通じないにゃぁ・・・それじゃ行くぞ、合・体!》カッ…

アイギス《これでもう大丈夫。今度こそ俺達、いいコンビになれる気がするよ!》

ゆんゆん「さぁ、後ろは任せて行ってください!もう時間もないです!」

カズマ「任せた、ゆんゆん!アイギス!行くぞみんな!少し前に城で生活してた時に、暇を持て余して城内をブラついてた俺は覚えてる!この先が王室だ!」ダッ

トニー(なんて頼りにならないセリフなんだろうか)

一旦ここまでです。出来る限り早めにエンディングを思いついて、最終決戦~エンディングまでを投稿するつもりです

エンディングの大体の流れは思いついたので、あとはセリフ回しや戦闘シーンの描写を説明口調になりすぎないように調節しつつ作っていきます
今週末には投稿しますので、もう少々お待ちください

今までアイリスやロキがいる部屋を王室と表現していましたが、正しくは謁見の間でした
王室では全く別の意味になってしまう・・・
文を以下の通りに修正します





>>440

同時刻 王都 王城 王室×

同時刻 王都 王城 謁見の間〇

>>573

王都 王城 王室×

王都 王城 謁見の間〇

>>588


ゆんゆん「えぇっ!?それって王都で一番厳重な王室に近寄るってことですよね!?で、できるかな・・・」 ×

トニー『安心しろ。僕のスーツで一気に王室のある階まで運んでやる。君は光の屈折魔法を使って城を上る僕の姿を隠してくれ』×

ゆんゆん「えぇっ!?それって王都で一番厳重な謁見の間に近寄るってことですよね!?で、できるかな・・・」〇

トニー『安心しろ。僕のスーツで一気に謁見の間がある階まで運んでやる。君は光の屈折魔法を使って城を上る僕の姿を隠してくれ』〇

>>604

王城 王室×

王城 謁見の間〇

>>660

王城 王室×

王城 謁見の間〇

>>705

カズマ「任せた、ゆんゆん!アイギス!行くぞみんな!少し前に城で生活してた時に、暇を持て余して城内をブラついてた俺は覚えてる!この先が王室だ!」ダッ ×

カズマ「任せた、ゆんゆん!アイギス!行くぞみんな!少し前に城で生活してた時に、暇を持て余して城内をブラついてた俺は覚えてる!この先が謁見の間だ!」ダッ 〇


お待たせしております
現在親族に不幸があって実家まで帰省したり、客人が家にしばらく泊まり続ける等、SSに取り組めない状況が続いております
来週末には完結させるのでもう少しお待ちください
週の半ばくらいに続きを一部投稿すると思います

......
....
..
.


王城 謁見の間前廊下


カズマ「ここが謁見の間に続く扉なんだけど・・・すごいな。警備のけの字もない、がら空きだ」

めぐみん「冒険者の護衛がみんな居なくなったと言うのに・・・よほど自分の腕に自信があるのか、魔王軍を信用していないのか・・・いずれにせよ、どこまでもスカした男ですね」

トニー「ロキと戦う前に作戦会議をしないか?ハプニングがあって、カズマの考えた作戦は無駄になっただろ?」

カズマ「あぁ・・・人質を回収したら外から爆裂魔法を謁見の間にぶちかまして、安全にテレポートでアクセルに帰るって完璧なプランが・・・」

めぐみん「本当です。王城に爆裂魔法をぶち込むなんて、人生を百回やり直しても得られない経験でしょうに・・・残念です」


ダクネス「私としては、そんなプランが決行されなくて本当に良かったと思っている・・・」

カズマ「アイリスが許可くれてたんだし、そんなに嫌そうにしなくてもいいだろ」

ダクネス「お前といい、トニーといい、歴史的価値のあるこの建物をなんだと思っているのだ・・・?この国を担う貴族の一人として、国を象徴する建物が破壊されるのは見過ごせないのだが・・・」

トニー「この世界の歴史そのものが消えるかもって事態なんだぞ。建物がどうこう言ってる場合か?」

ダクネス「ぅぐっ・・・!」

カズマ「まさにぐうの音も出ないほどの正論ってやつだな。流石だトニー、面倒ななんちゃって貴族を説得する手間が省けた」スッ…

ダクネス「な、なんちゃって貴族・・・!?」

トニー「お安い御用だ」スッ…

  ゴチンッ


アクア「男同士、拳をぶつけて友情を確かめ合うのもいいけど、結局作戦はどうするの?あとカズマ、手を出しなさい。ヒールかけてあげるから」

カズマ「ありがとうアクア。正直今ので拳が砕けるかと思った」プルプル…

トニー「・・・で、作戦は?」

カズマ「いいか、まず先に謁見の間の間取りを教えるからな。とりあえず・・・まぁ、とにかく広い」

アクア「なにそれ・・・」

トニー「漠然としすぎだ。もっと詳しく」

カズマ「今から説明してやるから焦んな!」

ダクネス「確かに広い。この国の四大貴族として何度かあの謁見の間に訪れているが、あれほど壮麗な部屋もあるまい。まるでアイリス様の心の広さと美しさを示すかのような---」

カズマ「どれだけ広いか分かりやすく言うと、あの部屋の中で俺がアイリスとかくれんぼした時、いつまでたっても俺を見つけられなくて、業を煮やしたアイリスが騎士団を使ってまで俺を探しても探しきれなかったくらいには広い」

ダクネス「貴様は神聖な謁見の間で一体何をしているのだ・・・」

カズマ「まぁ、つまり・・・めちゃくちゃ広いうえに柱やらカーテンやら柱やら障害物があって隠れやすいんだ。天井も高くて、おまけにバルコニーもある。ここまで言えば、もう大体わかるだろ?」

......
....
..
.


謁見の間


ロキ「・・・!」

ロキ「やっと来たか・・・この玉座の座り心地にも飽きてきたところだ」ギシッ….

トニー「お前が次に座るのは冷たい石畳の上か電気椅子だ。せいぜい今の内にその似合ってない玉座を楽しんでおくんだな」

ロキ「ずいぶんとご立腹じゃないか、スターク。それに仲間が見当たらないが、どうした?ここに来る途中で死んだか?あぁ、そうか・・・隠れてるのか」

トニー「・・・」

ロキ「どうせこれからヒーローとしての矜持だなんだを偉そうに語り、かかってくるんだろうが・・・」


トニー「悪いが、僕の新しい仲間にヒーローなんて御大層な奴は一人もいない。僕だけだよ、まともなのは。他の連中は全員そろいもそろってロクでもないのばかりだ」

トニー「DNAにアルコールがしみ込んでいて、宴会芸しか取り柄の無い、知力が僕の百分の一も無い自称女神」

トニー「モンスターより短気で、テロリストに片足突っ込んでる、名前と頭のおかしい爆裂娘」

トニー「あと変態」

トニー「こいつらはそう簡単に死ぬ連中じゃない。お前をぶちのめすチャンスを、まだかまだかと伺っているさ」

ロキ「そいつらがなんだと言うのだ?どこかに隠れていると言うのならば・・・」スッ…

ロキ「お前を死体にしておびき出す!」バッ

トニー「!」

ロキ「遅い!『カースド・ライトニング』ッ!!」ズァッ


  スカッ…

ロキ「!?」

ロキ「なっ・・・攻撃がすり抜けた・・・?」

トニー?「君がヴォーミアでやったチープな身代わりの術を真似させてもらった」ザザー…

ホログラム発生装置「」ヴゥーンッ

ロキ「フッ・・・ハハハハッ!全員そろって隠れているというわけか!小賢しい手を使うようになったとは思ったが、とうとうネズミのようにこそこそするようになるとは!」

ロキ「いいだろう、ヴォーミアで犬死したあの哀れな臆病者のように殺して---」

   ピシッ…

ロキ「---!」


トニー「そうそう、僕のこの素晴らしいロクでもない仲間はもう一人いるんだ。ほら、自己紹介してやれ」


   バリィィィィイインッ


ロキ(窓の外---!)

カズマ「どうも久しぶり!哀れな臆病者のカズマです!」ギリリッ…

ロキ「なんだと!?」

  バシュッ!

ロキ「ッ!」パシッ

ダクネス「おい、あの男飛んできた矢を素手で受け止めたぞ!?」


カズマ「問題ない」スッ…

ロキ「・・・」ポイッ

   カランッ…

ロキ「・・・そのボタンを押せば、矢が爆発するんだろう?知っている攻撃だ」

カズマ「ちょっと違うな。めぐみん!出番だぞ!」




シュゴゴゴゴ…



めぐみん「さぁ、邪神ロキ。あなたより悪い魔法使いがやってきましたよ。悪い魔法使いの本能に従い、その邪神の座を明け渡してもらいに来ました」スチャッ

カズマ「その矢はな、爆発するんじゃない---」スッ…

ロキ(何か---)

カズマ「---爆“裂”するんだ」ポチッ

ロキ(---マズイ!)バッ…

 カシュンッ 
  ピピピッ





カズマ・めぐみん「「『エクスプロージョン』ッッ!!」」


   ズドォォォオオオオァァァッ!!!


カズマ「ぶははははは!!なにこれ!!すっごい爽快!めぐみんが取り憑かれた理由が少しわかった気がする!」

めぐみん「わははははは!!まさかカズマと二人で爆裂魔法が撃てる日が来るとは!カズマの方はスクロールなのが残念ですが・・・」

トニー「文句言うな。そのスクロール、作るのかなり大変だったんだぞ。僕とウィズで夜なべして作ったんだからな。もっと重要な局面で使ってくれ」シュゴゴゴゴ…

カズマ「今がその時だったろ。窓ガラスをぶち破ってカッコよく参上。決めセリフもばっちりだった」

カズマ「・・・バルコニーの下で、飛べない俺達をめぐみんとトニーが肩車してホバリングで待機してる絵面を除けば・・・」

アクア「うぅ・・・お尻痛かった・・・」サスサス…

ダクネス「鋼鉄の肩の上にひたすら座り続けさせられる・・・うん、悪くない・・・」


アクア「まっ、何はともあれ作戦が完璧に行って良かったじゃない!」

    ザッ…

ロキ「・・・」ギロッ…

トニー「・・・怒らせるまではな」

カズマ「お前がそうやってフラグを立てるから・・・」

アクア「ねぇ!そうやってなんでもかんでも人のせいにするのは良くないと思うの!」

ロキ「お前の喚き声が耳障りだ!水の精!!」ジャキィン!!

  ダッ!

アクア「ぎゃあああああっ!?なんで私見てダガー構えてるの!?なんで私に突っ込んでくるの!?」


ダクネス「私が守る!」ジャキンッ

トニー「ダクネス!盾を切り分けろ!殴りやすくなる!」

ダクネス「了解した!」バギンッ

ダクネス「さぁ、ロキ!いざ尋常に勝負!」ダッ

ロキ「どけッ!人間が!」ヒュンッ!

   ガキィィンッ!!

ダクネス「ふふ・・・良い斬撃を放つではないか・・・!」ググッ…

ロキ(この女・・・私の腕力に・・・神の腕力に対抗してるだと・・・!?)グググ…


ダクネス「フハハハ!どうしたロキ!神の力とはそんなものか!もっと力を込めて、私を屈服させてみろ!膝を折らせ、地べたに這いつくばらせ、頭を足蹴にして床を舐めさせ・・・」

ロキ「き、気色悪い・・・!退け!」ドガッ!

ダクネス「がはっ!」ドシャッ

ロキ「死ね」シャキンッ

  ヴァゥゥウンッ

ロキ「ッ!」ギィンッ

トニー「腕力勝負してる時に蹴りを入れるなんて反則だぞ」キュィィイ…


ロキ「だからなんだ。私は裏切りの神だぞ」

カズマ「あーっ!あいつ、前はイタズラの神とか言ってたのに、急に裏切りの神とか名乗りだしたぞ!ヴォーミアで突っ込まれたのがよっぽど恥ずか」

ロキ「『カースド・ライトニング』ッッ!!」


   ズァッ!


アクア「『リフレクト』―ッッ!」ギィンッ

アクア「カズマは馬鹿なの?なんでこの中で一番弱いのにヘイト集めるようなことするの?今私がロキの魔法を弾いてなかったら死んでたわよ?馬鹿は死んでも治らないの?」

めぐみん「今のロキは杖を持っていなかったからこそよかったものの、もし持ってたらアクアでも防ぎ切れたかどうかわかりませんでしたよ?危ない所でしたね」

トニー「僕がいるからって気が大きくなるのは良いが、無謀なことはするなよ?守り切れるとは言えないんだからな、ボウズ」

カズマ「あ、あぶねー・・・」


ロキ「そう何度も防げると・・・」

  ガシッ

ロキ「!?」

ダクネス「ふふふ・・・あんな蹴り程度で私を倒せるとでも思ったか・・・?」グググ…

トニー「ナイスワーク。そのまま顔面にキツイ一撃をお見舞いしてやれ」

ダクネス「くらえ!」ブンッ

ロキ「クソッ!」

  スカッ…


ロキ「・・・?」

トニー「冗談だろ・・・」ハァーッ…

ダクネス「い・・・今の私を見ないでくれ・・・///」カァァ…

ロキ「・・・もういい、お前なんぞ放置していても何の脅威にもならんだろう、そこで寝てろ!」グイッ

  ブォンッ

ダクネス「あああっ!!」

  ヒュンッ

めぐみん「ダクネス!!」

フライデー『めぐみん様、その位置では飛んできたダクネス様と衝突しま---』


めぐみん「あうっ!?」ガシャァンッ!

カズマ「めぐみん、ダクネス!あいつ、いかにも魔法使いっぽい見た目しといて、肉弾戦まで強いのかよ!クソッ、これでも食らえ!」ギリギリ….

  バシュッ

ロキ「フンッ・・・」キンッ…

ロキ「先ほどの異質な矢でもない限り、貴様の放った矢など簡単に弾けるに決まっているだろう」

カズマ「嘘だろ!?強力な貫通力の設定どこ行ったんだよ!?」


トニー「これならどうだ?」ジャキンッ

  パシュゥゥゥ…
   ズガァァアンッ

ロキ「またミサイルで煙を上げて目くらましか・・・神が相手だぞ?もっと楽しませてみろ」

トニー「神ならこっちにもいるぞ。自称だが」

アクア「ゴッドブロー!!」ゴウッ!

   ドゴッ

ロキ「がっ!?」グラッ…


アクア「トニー!今よ!」

トニー「ああ」

 【カースド・リパルサー・アームキャノン オンライン】

  ジャキィンッ…

トニー「ぶっ飛べ」


  ズギャァァァァアッ!

    
ロキ「ぐぁぁあああっ!!」

  ドゴォォオオンッ

めぐみん「うおおお!腕が大砲に変形するとかずるいです!私のスーツの腕も杖に変形するようにしてください!」

トニー「帰ったらな」


一旦ここまで
まさかの今週土曜日にも来客の予定が入ってしまい、今週末に完結させることができなくなるかもしれません
とりあえず週末までに載せれる分まで載せます


アクア「それより見てた!?あの邪神相手でも私のゴッドブローが効いたわ!!トニー、カズマ、見てた!?ちゃんと私の活躍見てた!?」

カズマ「ごめん、トニーの方しか見てなかったわ。だって男の夢の変形だし」

アクア「えぇーっ!?なんで私の大活躍を見てないのよー!せっかく勇気を振り絞って殴り掛かったのに、トニーが映像に残してたりしてないの!?邪神を殴る女神とか、壁画とかにしたら信者が増え---」

  「『トルネード』ッ!」

  ゴゥッ!

アクア「ひゃばあああああ!!??」ヒュゴォッ!

  ギュルルルル…
   ドギャッ

アクア「ふぐぅ・・・」ドサッ…


カズマ「アクア!」ダッ

ロキ「他人の心配をする暇があるのか?」シャキンッ

カズマ「げぇっ!?いつの間にこんな近くに!?ト、トニー!助けてー!!助けてぇえー!!」

トニー「待ってろ!」

ロキ「させると思うか?『クリムゾン・レーザー』!」ドゥッ

【魔法攻撃検知 対魔法魔力式バリア 展開】

トニー「っ!」ヴァチチチチッ…


フライデー『ボス、ダメージ許容値突破。バリアが決壊します』ビーッ

  バチィンッ

トニー「ぐっ!」ズガンッ

  ズドォ…ン

ロキ「さて・・・これでお前を守るやつはいなくなったわけだが・・・自殺するなら今だぞ?」

カズマ(こ、こうなったら・・・)

カズマ「ま、待て待て!ちょっと話を聞かせてくれ!」

カズマ(少しでも時間稼ぎを・・・)


ロキ「時間稼ぎか、小僧。いいだろう、どう稼ぐか見せてもらおうか」ニヤッ

カズマ(バレてる!!)

カズマ「た、単純に気になったんだよ!なんでこの世界に大陸丸ごと呼び寄せたのか。この世界を征服するだけじゃ終わらないのか!?」

カズマ「いつでも殺せるような小僧にくらい、話してくれたっていいだろ・・・?」

ロキ「・・・」

ロキ「・・・もし、誰の手も届かない場所に瞬時に逃げる力を持っていたとしたら?」

カズマ「・・・へ?」


ロキ「元居た世界で、どんな行動を起こそうが、どんな敵が侵略してこようが・・・」

ロキ「その場で国ごと消えることができるとしたら?」

カズマ「そんなの・・・」

カズマ(そんなの・・・無敵じゃないか。自分より強い奴が来たって関係ない。世界中敵に回したって逃げられる)

ロキ「察したようだな、その通りだ。今空の穴の向こうに見えているのはアスガルド、私の国だ」

ロキ「今そこで王を務めているのだが・・・いかんせん外敵に対して不十分だ」

ロキ「私の敵は多くてね」

カズマ(でしょうね)


ロキ「私がこの異世界に来たのはキューブの力による完全な偶然だったが・・・これはチャンスなんだ」

ロキ「文字通り、誰の手も届かぬ帝国を作り上げる為のな・・・」

ロキ「いいか小僧。一つ教えておいてやるが・・・純粋な武力のみで生き残れるほど世の中甘くは無い」

トニー「なんだ、避暑地が欲しかったのか?」シュゴゴゴゴ…

めぐみん「案外心配性なのですね」

ダクネス「それで自分より劣ってる国を侵略して、植民地にしようと言うのか。神が聞いてあきれる」

ロキ「どこにでもある話じゃないか。それこそ、お前達人間の世界でも」

アクア「えーっと・・・えーっと・・・」

トニー「決めゼリフや軽口が浮かばないなら、無理して考えなくてもいいぞ」

アクア「うぐっ・・・と、とにかく!カズマの時間稼ぎで体勢が建て直せたわ!これで五対一よ!」


カズマ「まっ、ざっとこんなもんだな。俺の巧みな話術に掛かれば神だって・・・」

ロキ「子供の遊戯に付き合うのも楽じゃないな・・・」フーッ…

カズマ「おいおいおい!負け惜しみかよ!現に時間稼いで体制立て直したのは俺ですぅ!!お・れ!」

ロキ「・・・」スッ

ダクネス「おい!さっきの敵兵士が持ってた転移の魔道具だぞ!何か呼び出す気---」
  
 ヴンッ…

  カッ…





アクア「まっぶ・・・」

  ッッ---…
 
アクア「し・・・い?」パチッ

 「グルルルル…」 「コロス…コロス…」
「カァァッ…」「キェェェエッ!」
  「ヴァァ….」 「オオオ…」

アンデッドナイト「「「「「ヴアァア…」」」」」

ゴーレム「「「「「オオオオ…」」」」」

ミノタウロス「「「「ブルル…」」」」

アクア「」

カズマ「」

ロキ「そうだな・・・これで五対三百くらいだろうか?ハハハハッ!何故わざわざお前の時間稼ぎに付き合ってやっと思う?」

ロキ「お前たちはもう・・・詰んでるからだ!!」



ダクネス「そ・・・そんな・・・」ゴクリ…

めぐみん「爆裂魔法は後一発だけなのですが・・・」ダラダラ…

トニー「アクア!アンデッド族だけでも減らせないか!?」

アクア「・・・ハッ!わ、わかったわ!『ターンアンデッド』!」バッ

  キュァンッ!

アンデッドナイト「「「「ヴォェェェ….」」」」シュゥゥウウ….

アンデッドナイト「「「「ヴヴゥ….」」」」ユラッ…

アクア「!?」

カズマ「消しきれてないぞ!?どうなってるんだ!?」


めぐみん「デュラハンの時と同じです!そのアンデッドには神聖魔法に対して抵抗が付く加護が掛けられていますよ!」

ロキ「ご名答。すべてのモンスターに強化や耐性向上の加護が掛けられている」

カズマ「ト、トニー・・・」ガタガタ…

トニー「カズマ、落ち着け。まぁ、当初予定してたよりちょっと死ぬ確率が高くなったが、きっと何とかなる」

カズマ「・・・」

ダクネス「すこしは安心させるようなセリフを言えないのか!?」

トニー「僕がセラピストに見えるか?」

ダクネス「せ、せらぴ・・・?」


トニー「あー・・・この男は口が達者なんだ、言ってもめちゃくちゃなへ理屈言って返してくるだろ。だから---」

  ガシャッ!
   ガキガキガキ…

トニー「行動で士気を挙げる」

   ジャキィンッ!

トニー「アクア!僕の背中に魔法を撃て!」ガシゥンッ!

アクア「えぇっ!?トニー、背中に羽みたいのが生えてるわよ!?天使になったの!?」

トニー「ただの魔力吸収口だ!早くやれ!」

ロキ「させるな!ミノタウロス部隊!なだれ込め!!」


ミノタウロス「「「「ブムォォォオオッ!!」」」」

めぐみん「おっと、それ以上近づくなら・・・私の爆裂魔法を撃ちますよ?」

ミノタウロス「「「「ブモォッ!」」」」ズザザッ…

ロキ「ミノタウルス部隊、何を恐れている、ハッタリに決まっているだろう。あの距離で撃ったら自分も巻き添えを・・・」

めぐみん「ほうほうほう!!ハッタリを言うと思うのですか!この私が?いいでしょう、いいでしょう!そう思うならかかって来るがいいですよ!」ギラッ…

カズマ「おいやめろ!そいつはマジで撃つからやめろ!頼むから煽るな!その魔物が本能で恐れてるのがその証拠だよ!」

ロキ(この女イカれてるのか・・・!?)ゾッ…


ロキ「ッ・・・『ブレード・オブ・ウィンド』ッ!」ゴゥッ

ダクネス「フンッ!」ギィンッ!

ダクネス「どうした邪神!ヴォーミアで撃ってきた魔法のほうがはるかに気持ちよさそうだったぞ!」

カズマ(んん・・・?なんで威力があんなに落ちてるんだ・・・?)

アクア「『セイクリッド・エクソシズム』!『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!『セイクリッド・ターンアンデッド』!」ドドウッ ドウドウッ

  キュィィィィイインッ…

【エネルギー出力値 最大】

【セイクリッド・ユニビーム 発射可能】


トニー「全員伏せろ!」ヴゥンッ…


  ヴァァァァァアアアンッ!!

「「「グギャァァァアアアッ!!!」」」

  シュゥゥゥゥ…

「「「グルルル…」」」

トニー(クソっ・・・今ので百体も倒せてないのか・・・!)

ロキ「それだけの大技を撃って、潰せたのがミノタウロス部隊だけ・・・打つ手も尽きたか?なら・・・そろそろ幕引きにしようか」スッ…

ロキ「行け」

アンデッドナイト「「「「ヴォォォォオオッ!!」」」ドドドド…


めぐみん「『エクス』」

ロキ「二度も同じ手が使えると思うな!『ファイアー・ボール』!」ゴァッ!

ダクネス「まかせろ!」ギィンッ!

ロキ「変態鎧女の手がふさがった今だ。イカれてる女を仕留めろ」

アンデッドナイト「ヴァァアッ!」ブォンッ!

ダクネス「しまっ・・・めぐみん!何とか避け---」

めぐみん「きゃあああああっ!」ズガンッ!

アクア「めぐみん!!」


ダクネス「私が敵を引き付ける!そのうちにめぐみんを!『デコイ』ッー!」

アンデッドナイト「「「カァァァッ!!」」」ドドド…

ダクネス「あぁっ!腐臭まき散らすゾンビ共が私に群がってくる!!」

トニー「援護する!だから援護したく無くなるようなセリフを吐くな!」キュィィィイッ

カズマ「俺はアクアとめぐみんの方に!」ダッ

  ズガァンッ…
 ドガガガ…

カズマ「めぐみん!無事か!?」

アクア「『ヒール』!めぐみん!めぐみん!しっかりして!」

めぐみん「スーツを着てたので何とか・・・」ヨロッ…


アンデッドナイト「ヴォァァァ…」ジャキッ…

カズマ「ア、アクア!ダクネスのデコイからもれた敵がこっち来てるぞ!」スチャッ

 ギリリ…
  バシュッ!

カズマ「『ライトニング・ストライク』ッ!」ポチッ

  ヴァチチチィッ!!
 
アンデッドナイト「「「ヴァァ…」」」ゾロゾロ…

カズマ「駄目だ!相手が多すぎる!アクアーっ!アクア様ーっ!」



アクア「『ターンアンデッド』!『ターンアンデッド』!」

アンデッドナイト「「「ヴァァァアアツ!!」」」

ゴーレム「「「「ウォォオオオッ!」」」

アクアー「いやー!!ターンアンデッドでも消しきれないし、ゴーレムまで来ちゃったんですけど!カズマさーん!カズマさーん!!!なんとかしてぇぇええ!!!」

カズマ「うぉぉおいっ!お前の取り柄と言ったら宴会芸と対アンデッドだろ!もっと頑張れよ!!」

アクア「もう無理よ!助けてー!助けてーっ!」

ダクネス「アクア!カズマ!グッ・・・敵の壁が厚くて行けない!トニー!行けるか!?」


トニー「踏ん張れボウズ共!今行くからな!」ドシュゥゥッ

フライデー『ボス、敵急接近!避けてください!』ピピピ…

アンデッドナイト「ハァ゛ァ゛ア゛ッ」ガバッ ガシッ

フライデー『拘束されました!脱出を!』

アンデッドナイト「ガァッ」ブンッ

トニー「ッ!」ドガッ…

  ズザザッ…
   ゴロゴロ…


トニー「意地でも行かせないつもり---」ムクッ…

アンデッドナイト「「「「ヒヒ…ヒヒヒ…」」」」

トニー「---Ah―・・・フライデー?」

フライデー『敵の群れの中心に放りこまれました。全方位囲まれています』

アンデッドナイト「「「「ヴォアァァァアアッ」」」」グァッ…

トニー「なぁ、タイムって出来---」

   ドガッ バキッ
 ガッガッガンッ ドゴッ
   カーンッ コーンッ

アクア「あああっ!頼みの綱のトニーが袋叩きに!」


カズマ「クソォォオッ!!俺はこの先安定した未来が約束されてるんだ!ハーレムも約束されてるんだ!こんなところで死にたくねぇよぉぉおお!!!」

めぐみん「カズマ、次会う世界でも、私たち会えたら良いですね。一緒に爆裂魔法で消えますか?」

カズマ「・・・ゴーレムに殺されるよりはいいかもな」

アクア「めぐみんもカズマさんもあっきらめないでよ!!あああーっ!もうそこまできてるーっ!!死んじゃう!私女神なのに死んじゃう!」

アンデッドナイト「「「「ヴォォォオッ!」」」」

アクア「いぃぃぃやぁぁああっ!」

カズマ(俺の幸運ってなんなんだか・・・エリス様、次の人生は別に裕福でなくてもいいですから、またこいつらと---)


   カッ…

  ギュァァァァァアアンッ!!

ロキ「!?」

アンデッドナイト「「「「「ゲェァァァアアッ!?」」」」ジュゥゥゥ…

カズマ「な、なんだ!?なんだこの光の柱!?アンデッドたちが次々と浄化されていくぞ!?」

めぐみん「いい、一体なんですかこの魔力は!?これは、まるであの時のような・・・」

アクア「この感じ・・・まさか・・・」


  ----ッッッ…




   ザッ…


エリス「久方ぶりですね、邪神ロキ。天界の名の元に、あなたを打ち倒しに来ました」


カズマ「エリス・・・様・・・?」ポカン

めぐみん「えっ・・・えっ・・・?」ポカン

ダクネス「・・・???・・・!?!?!?!?」

アクア「あーっはっはっは!!どーよ!?観念しなさい!あんた達!!」

エリス「さぁ、邪神ロキ!この世界の命運をかけ、勝負なさい!」ジャキィン!

エリス「ハァァアッ!」ブォンッ

  ド ゴ ォ ン ッ

ゴーレム「「「「ゴァ…アァ…」」」」ブァッ

   パラパラ…

>>759 のシーンの元ネタ ※IWネタバレ注意!



サノスの軍を迎え撃つためにワカンダで戦うアベンジャーズだったが、敵の圧倒的物量の前に押し切られそうになってしまう
その絶体絶命のピンチの時に命懸けでストームブレイカーという武器を手に入れたソーとロケット、グルートが虹の橋で現れ、敵をなぎ倒すという劇中屈指の鳥肌シーン

BRING ME THANOS!!!



https://www.youtube.com/watch?v=z_p0FkiE_N4


トニー「・・・Wow」シュゴゴゴ…

カズマ「おっ、トニーもダクネスもよく戻ってこれたな」

トニー「彼女のおかげでな」

カズマ「ダクネスはどうしたんだ?抱えられてるけど、大怪我でもしてるのか?」

トニー「いや・・・ただ信仰対象に会って放心状態になってるだけだ。遠い国にいる僕のファンと握手した時もこんな感じの---」

カズマ「俺、女神様って神聖な魔法とかでもっと清らかに戦うと思ってた。あんなメイスで力任せにゴーレムを粉々に薙ぎ払うのはさすがに予想外過ぎる」

トニー「・・・」

今回はここまで
今度こそ次の投稿で終わらせたいと思います

続きは今夜載せるつもりです
もう少しお待ちください


めぐみん「私もちょっと驚きです・・・」

ダクネス「・・・」ポカン

トニー「おい、ダクネス戻ってこい」ペシペシ

ダクネス「ハッ!?あ、あのお姿・・・確かに教会で記されていた通りの・・・!」

トニー・アクア「「胸意外な(ね)」」

エリス「・・・」


ダクネス「貴様ら!御神体に何て無礼を働くんだ!いい加減に---」

ロキ「『カースド・ライトニング』ッ!」ズァッ!

ダクネス「!」

エリス「『リフレクト』―ッッ!」ギィンッ!

エリス「ダクネス、油断は禁物ですよ。私は全く気にしてないので、怒らなくても大丈夫です」

ダクネス「エリス様に助けていただけるとは、なんという感謝の極みで・・・あれっ?今私の名を・・・あの・・・大変失礼なことをお聞きしますが・・・どこかで会いましたか・・・?」

エリス「き・・・気のせいではないでしょうか・・・」フイッ…


ロキ「あぁ、思い出したぞ・・・誰かと思えば・・・あの時震えていた娘じゃないか」

エリス「今もそう見えますか?」スッ…

エリス「『セイクリッド・プロミネンスブレア』――ッッッ!!」


  ズァッ…

 ギュァァァァァアアンッ


ロキ「!?」

カズマ「えっ!?なにあれ、エリス様って破壊光線撃てるの!?」

ロキ(この手は使いたくなかったが・・・!)バッ


四次元キューブ「」ガシッ…

ロキ「『ケイン・ブラスト』ッ!」ジャキッ

   ヴォッ!

   ドゥゥゥウンッ!!

  ヴァチチチチチィッ!

  ズガァァァアアアンッ

ロキ(キューブまで使った魔法を相殺するとは・・・身に着けてる装備の力か?)

カズマ「うぉぉおおっ!光線魔法と光線魔法がぶつかり合って弾ける!これぞ異世界!これぞ本物の魔法戦!しかも神VS神!これは燃える!まさに神話の戦いだ!」

めぐみん「待ってくださいカズマ。それでは私の魔法が偽物みたいに・・・」



カズマ「あんな一発先に撃ちゃ敵が消し飛んでお終いの風情の無い魔法のどこが本物の魔法なんだよ」

めぐみん「な、なにおう!?」

カズマ「・・・ん?おい、みんな窓の外見てみろよ」

めぐみん「話をそらそうとしないでくださいよ!私の魔法こそが・・・あれっ・・・?」

フライデー『ボス、空にあったゲートの範囲拡大が止まっています』

トニー「ああ、見えてる。だが何故急に・・・」

アクア「みんな!ロキの手を見て!キューブ持ってるわよ!キューブ!あれからエネルギーを得て魔力を強化してるんだわ!卑怯よ!ズルいわよ!」

トニー「誰か取り出したところを見たか?」

ダクネス「何もない空間から取り出したように見えたが・・・」

トニー「フライデー、ロキの近くをスキャンしてなにか隠されていないか探し出せ」

フライデー『スキャン中・・・ボス、スキャンの結果、ロキの少し後方に三メートル四方ほどの装置を確認しました。特殊な魔術で姿を隠しています』

トニー「攻撃する」キュィィィィ…




 ヴァゥゥウウンッ!
   バチィィィンッ!

トニー「クソッ、弾かれた!」

フライデー『装置は結界で守られています。動力源はキューブと複数のコロナタイトで構成されており、エネルギーが常に供給され続けています。突破は爆裂魔法でも不可能です』

トニー「なんだと・・・」

ロキ「無駄だ。魔王城の結界よりも強固な術式で形成されている。そこの精霊が二人掛りでも解けはしない」

アクア・エリス「「精霊じゃなくて女神だから(ですから)!!」」

トニー「転送ゲートの拡大が止まっているのはロキがキューブを引っこ抜いて攻撃に使っているせいで、転送のエネルギー供給までリソースを割けないからか・・・今の内にゲートを閉じる方法を探すか・・・」

ロキ「ゲートの拡大は不可逆だ。誰にも止められない」


トニー「生憎、可能性を追求し、不可能を可能にするのが科学者ってもんなんでね」

ロキ「なら、死んでからゆっくりと考えて突き止めるんだな『インフェルノ』ッッッ!

  ゴォォォォオオッ

カズマ「ゲッ!また来た!あの獄炎魔法だ!」

エリス「『リフレクト』!」

  ゴゴゴッ…

エリス「くっ・・・!」ジリジリ…

   ボボッ…

カズマ「ヤバイ!火が止めきれてない!あふれた炎がこっちに来るぞ!」

ダクネス「エリス様ー!!」


アクア「任せなさい!『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』―ッッ!!」バシャァァァアッ


 シュゥゥゥウ…


エリス「助かりました。アクア先輩・・・」ビショッ…

アクア「あっ、ごめんね?テヘペロ!」コツンッ

エリス「あはは・・・お気になさらず・・・」

めぐみん「とりあえず、ロキがあの装置にキューブを入れるのを阻止する・・・ということで良いのですか?」

トニー「そういうこと」


アクア「で・・・でもキューブを持たせたままだとロキは・・・」

エリス「えぇ、先程のような強大な魔法をありったけ撃って来るでしょう」

アクア「やっぱそうよね!?ポンポンポンポン撃って来るわよね!?大丈夫なの!?私達大丈夫なの!?」

トニー「おい落ちつ」

アクア「大体、エリスの装備何よそれ!指輪十個にネックレスに羽衣にメイスって、神器フル装備じゃない!しかもどれも悪魔と戦う決戦用の神器じゃないの!私にもよこしなさいよ!」グイグイ

ロキ「・・・」

エリス「アクア先輩!離してください!これは事情を話したうえで、特別に許可をもらって装備してる物なので、他人に貸すと怒られるんですよ!今回ばかりは勘弁してください!」

アクア「指輪半分で良いから!ねっ?お願いよ!さすがに地上に堕ちて力が落ちてる私じゃロキに対抗しきれないわよぉ!!」

ロキ「・・・」

トニー「少し待っててもらえないか?」

ロキ「・・・いいだろう」

トニー「飼い主君、君のペットが暴走しているぞ。手綱を取って落ち着かせてやってくれ」



カズマ「エリス様、エリス様のパッドも神器の内に入ってますか?」

トニー「飼い主君!」


ロキ「スターク・・・」

トニー「悪いが、もう少し・・・」

ロキ「・・・お前に少し同情するよ」

トニー「・・・どうも」

トニー「おい、聞けアクア。とうとう敵に同情されたぞ」ガツンッ

アクア「いったあああっ!?こんのヒゲニート、何てことすんのよ!?あんたの拳でゲンコツなんてしたらメチャクチャ痛いに決まってるじゃない!」



めぐみん「カズマもいい加減戻ってきてください!」ガンッ!

カズマ「ぐああああっ!脳みそ出た!絶対はみ出た!」ゴロゴロ…


ダクネス「なにもはみ出てなどいない。エリス様もいるのだ、負ける気がしないだろう!さっさと立たんか!」

めぐみん「女神に対して鼻を伸ばしているからですよ」

カズマ「嫉妬してるならそう言えよ・・・いたたた・・・」サスサス…

トニー「いいか?現状、ワープゲートを止めるにはロキがキューブを使わざるを得ないほどの攻撃を浴びせ続けるしかない」

アクア「それは分かってるけど・・・」

トニー「僕はゲートを閉じる方法を考えつつ戦う。カズマは嫌がらせか作戦の指揮を頼む」

カズマ「はいはい、ちゃんと守ってくれよ?油断してるとすぐに俺は死ぬからな?わかってんだろうな?」


ダクネス「何故強気なのだお前は・・・?」

トニー「その調子だ。君は生き残ることに専念して、いやらしく戦ってくれ」

カズマ「お前士気を上げるのか下げるのかどっちかにしろよ!」

ロキ「・・・もういいか?」

トニー「ああ、もう大丈夫だ。だよな?そうだと言ってくれ」

カズマ「なぁ、あいつがわざわざ待ってくれるなんておかしくないか?俺だったら敵が準備してる間なんて絶対に見逃さないけど」

ロキ「別に構わないさ」



ロキ「準備していたのはお互い様なんだからな」スッ…


    「「「!?」」」

カズマ「げぇっ!?またなんか呼び寄せるつもりだぞ!あいつほとんど部下任せじゃん!汚---」

   カッ…

ビルジ・スナイプ「グルァァァアアアアアアアアッ!!!!」ゴァッ!!

カズマ「なんだよあのゴリラとドラゴンを足したみてーなモンスター!絶対やばいだろ!」

アクア「知らないの?でかくて鱗があって角があって・・・」クィッ

カズマ「目の前にいるんだからマネしなくてもわかるわ!!」

エリス「は、はじめて見た・・・!」


>>781 ビルジ・スナイプ

アベンジャーズ1に話だけ登場した怪物
ソー曰くデカくて、角と鱗があって、攻撃的で邪魔するものは全て踏みつぶす怪物とのこと
実はアニメ版のアベンジャーズに少しだけ登場。これぞ怪物といった見た目をしている
ちなみに、映画の方でソーがビルジ・スナイプをコールソンに説明する際、手で頭の上に角を作って表現するシーンがあるが、このシーンはソーが可愛いと人気がやたら高い(特に女性に)

ビルジ・スナイプの見た目
https://imgur.com/nx68Leb.jpg



ロキ「醜い怪物だが、楽しむには使える」

ビルジ・スナイプ「グルルッ…!」

カズマ「エリス様、アレ突っ込んできたとしたら止められます?」

エリス「ち、ちょっと力負けしてしまうかもしません・・・」ポリポリ…

トニー「・・・ダクネス、やるか?」

ダクネス「ああ、ぜひやらせてくれ。これはクルセイダーの役目だ」ザッ…

アクア「頑張ってダクネス!普段見せ場が無い分、ここで見せ場を作るのよ!」

カズマ「いいぞダクネス!お前は戦闘では目立たないなんてイメージを払拭してやれ!」

めぐみん「いつも爆裂魔法でダクネスの見せ場を奪ってしまっていますからね。思う存分ここで活躍するといいですよ」


ダクネス「お、お前ら私をそんな風に思っていたのか!?私にだって見せ場くらい・・・」

ロキ「行け」

ビルジ・スナイプ「ゴァァアアッ!」ドドド…

トニー「負けるんじゃないぞ、ダクネス」

ダクネス「ああ!行ってく---」

エリス「ちょっと待ってください、ダクネス。敵に向かう前に・・・アクア先輩、やりますよ」

アクア「しょうがないわね!女神の力を見せてあげるわ!」

エリス・アクア「「『パワード』!『スピード・ゲイン』!『プロテクション』!」」ポゥッ…

ダクネス「す、すごい・・・!力がみなぎってくる・・・!」

アクア「これだけお膳立てしてあげたんだから、あんな化け物なんてちゃちゃっと叩き潰しちゃいなさいよね!」


エリス「そして最後に・・・幸運の女神から、あなたに特別な贈り物です」スッ…

エリス「『祝福を』!」カッ…

エリス「さぁ、ダクネス!」

エリス「----かっ飛ばしてきてください」グッ!

ダクネス「うおおおおっ!!今の!私は!誰にも負ける気がしないッ!!行ってくりゅぅぅぅぅううっ!!」ダッ!

ビルジ・スナイプ「ガルルルァアアッッ」ドドドドド

ダクネス「ハァァアアッ!!」ググッ…

   ズガァンッ!!

ビルジ・スナイプ「ガァアアッ!?」メキッ…


ロキ(人間ごときが・・・止めた!?そんな馬鹿な・・・)

ダクネス「ロキィィィイッ!!お返しだ!!」メキメキメキ….

ビルジ・スナイプ「ガッ…グガアアッ….」ズザザザ...

  ガッ….キィンッ!

ロキ「ッ!?」サッ

  ヒュルルルルル….
 ズガァ…ン…

ダクネス「くっ、さすがに避けられるか・・・!」

カズマ「惜しいみたいな感じで悔しがってるけど、今のロキが避けてなくても当たってなかったぞ。殴り飛ばした魔獣をロキに叩きつけられたらもっとカッコよかったのに・・・」

ダクネス「う、うるさい!殴り飛ばしただけでも大成長だろう!」

ロキ「どこまでしぶといんだ・・・お前らは・・・」ジャキッ


アクア「あっ!杖構えだしたわ!本気で来るわよ!」

ロキ「『ケイン・ブラスト』ッ!」ズァッ...!

アクア・エリス「「『リフレクト』ッッ!!」」ギィンッ

ロキ「『プラズマ・ブラスト』ッ!『カースド・ライトニング』ッ!」

エリス「ッ!セ、『セイクリッド・プロミネンスブレア』ッッ!!」

アクア「ちょっ!そんなポンポン撃たないでよ!跳ね返せないから!『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』ッッ!」

 【カースド・リパルサーレイ 最大出力】

トニー「加勢する!」ヴァゥゥゥウウンッ!!

   ズガァァアアンッ…


トニー(これでやっと相殺か・・・ロキを無力化するのはほぼ不可能だ、装置のほうを何とかしないと・・・!)

フライデー『ボス、現在ロキがキューブを装置から外しているため、装置の性質がコロナタイトそのものに近くなっています』

フライデー『スーツのエネルギーを利用すれば、装置の結界を突破できるかもしれません』

トニー「その線で行ってみるか」

アクア「ねぇー!こっちに加勢してほしいんですけどー!割と本気でヤバいんですけどー!!」

カズマ「ったく・・・俺冒険者だってのに・・・!」ダッ…

ダクネス「今の私ならロキの魔法にだって耐えられる!今行くぞ!」ダッ…


めぐみん「うぐぐぐ・・・私にも何か・・・」

トニー「君は僕に頭脳を貸してくれ」

めぐみん「頭脳・・・?」

トニー「今あの装置を止める方法を考えているところだ。君のスーツにキューブと装置のデータを送るから、一緒に考えてくれ」

めぐみん「フッ・・・良いでしょう。我が天才の頭脳を、世界を終焉に招く装置を破壊するために---」

トニー「いいからさっさとバイザーを閉じて画面を見てくれ」

めぐみん「全く、紅魔族としてのカッコ付け位見逃してくださいよ・・・どれどれ・・・」

めぐみん「なるほど・・・スーツのコロナリアクターと性質を利用して結界をこじ開ける作戦ですか・・・」

トニー「理解が早くて助かる」



-----------

ロキ「『ライト・オブ・セイバー』ッッ!!」ヴォンッ…

エリス・アクア「『ディスペル・マジック』ッッ!!」

ロキ「『クリムゾン・レーザー』ッ!」ドゥッ!

ダクネス「フンッ!」ガキィンッ

エリス「どれだけ撃っても、防ぐだけですよ!」

ロキ「防ぐ“だけ”だろうに・・・!近接戦で確実に殺してやろう」ジャキィンッ!

   ダッ!


ダクネス「かかって来い!」

エリス「私も戦います!」ジャキッ

ロキ「神様気取りが・・・切り刻んで---」

カズマ「『クリエイトウォーター』ッッ!」バシャァアッ

ロキ「ッ!」サッ

ロキ「・・・なんのつもりだ」


カズマ「嫌がらせだよ」ギリリ…

   バシュッ

ロキ「矢など無駄だと言っているだろう!」キンッ

カズマ「矢だけだったらな!」ポチッ…

   カシャッ… ヴンッ ピピピ…

カズマ「『ライトニング』ッ!」ポチッ

ロキ「ぐぁぁああっ!?」ヴァチチチチッ!

ロキ(狙いは水たまりを作って魔法を通電させることか!)


ロキ「ぐっ・・・」シュゥゥ…

カズマ「まだだ!」ギリリッ…

   バシュッ

カズマ「『クリスタル・プリズン』!」

    パキィンッ!

ロキ「動けん・・・!」

カズマ「ハッハァーッ!今度からは足元をよく確認しておくんだなぁ!昔っから水たまりってのは雷や氷の罠になるんだよ!!今だダクネス!エリス様!」


ダクネス「喰ら---」

   ツルッ…

ダクネス「はぶっ!」ドシャッ

エリス「あうっ!」ズテンッ

カズマ「あっ・・・地面凍らせてたんだった・・・ご、ごめんなさい・・・」

アクア「あんた何やってんの!?馬鹿なの!?」

ロキ「なんなんだお前らは・・・本当に一体なんなんだ・・・」

ロキ「一番理解できないのは・・・小僧・・・お前はなんで生きてるんだ・・・?あの時確実に殺したはずだが・・・」


カズマ「良いか、よく聞け。俺は今まで数多の魔王軍幹部を屠ってきた最弱職にして最強の冒険者、佐藤和真。そう簡単に殺せると思うなよ?」

ロキ「そうか。ならお前は真っ先に殺し、次は細切れにしたうえで豚の餌にしてやろう」

カズマ「良いか、よく聞け。俺はコボルトにすら殺された最弱の冒険者、佐藤和真。そんな俺を真っ先に殺すとかお前恥ずかしくならないの?」

トニー「君はほんの五秒とカッコつけていられないのか!?」

カズマ「うるせぇ!十七歳の子供がこんな最終決戦場のど真ん中に立ってるだけで敬われるべきだろ!無茶言うな!大体、そんな遠くで二人共なにやって---」

ロキ「遊びは終わりだ」シャキンッ

カズマ「ひぃ!」

エリス「カズマさん!下がってください!」ブンッ

ロキ「ッ!」ガキィンッ!


---------

めぐみん「トニー、コロナリアクターのエネルギーだけでは、装置の結界を突破できません!」

トニー「やっぱりか・・・」

トニー「・・・外部からスーツにエネルギーを加えて、その状態でリアクターをオーバーロードさせれば、結界を突破できるだけのエネルギーが集まるはずだ」

めぐみん「正気ですか!?そんなことしたらスーツが吹っ飛びます!自爆する気ですか!?」

トニー「・・・」

トニー「フライデー、計算してみてくれ。今の策で、結界の突破はできそうか?」

フライデー『十分なエネルギーがあれば、理論上は可能です』

トニー「いいか、準備ができたらスーツの魔力吸収口を開く。君はそこに爆裂魔法をピンポイントで撃ち込め。君ならできるだろ?」

めぐみん「ち、ちょっと待ってください!本気で言っているのですか!?もっとほかの策を・・・」


トニー「めぐみん。他に案は思いつかないし、考えている時間もない。これ以上時間を掛けたら死人が出る可能性がある。カズマとかカズマとか、後カズマとかな」

カズマ「聞こえてるからな!後で覚えておけよ!」

めぐみん「でも・・・」

トニー「勝利するには・・・犠牲がいる時もある。悲しいが、別れの時間だ」

トニー「このセリフ、紅魔族的にビビッと来るだろうが、君は絶対使うなよ?じゃぁな」ドシュゥゥゥウッ

  キィィィィン….

めぐみん「トニーッ!」


-------------

ロキ「どうした、お前の今の姿を見たら信者が泣くんじゃないか?」

エリス「うぅっ・・・」ポタポタ…

ダクネス「エリス様、私の後ろに!」

アクア「『ヒール』ッ!もう大丈夫よエリス!」

エリス「ありがとうございますダクネス、先輩・・・」ヨロッ…

カズマ(回復役が二人にクルセイダーが一人・・・立ち回れてはいるけど・・・決定打が・・・)


ロキ「決定打がない。そう考えているだろう?」

カズマ「!」

ロキ「お前たちに私は倒せない。だが・・・私にはまだ駒もあれば武器もある。よく聞け、人間。これが神と人間の---」

  キィィィイイイン

トニー「ちょっとこいつ借りて行くぞ」

    ドゴッ!

ロキ「さごっ!----」ヒュン…

  ドガッ

カズマ「・・・聞いてるよ?」


アクアえっ!?なにあれ!ロキが何もない空間に叩きつけられているわよ!?」

カズマ「お前、あの辺にロキが作った装置があることもう忘れたのかよ」

めぐみん「た、大変です!トニーが・・・トニーがぁ・・・」タタタ…

ダクネス「どうしためぐみん!?」

めぐみん「トニーは・・・装置を破壊するために、リアクターに負荷を掛けて自爆するつもりです!」

カズマ・ダクネス「「は!?」」

アクア「は、はぁぁぁあっ!?何考えてんのよあのおっさん!」

エリス「そんな・・・」



ロキ「離せスターク・・・!ぐっ・・・」ギギギ…

トニー「めぐみん、撃つ準備しとけ!」ググッ…

カズマ「なんだ?撃つ準備ってなんだ!?」

めぐみん「・・・トニーのリアクターのエネルギーだけでは結界の破壊まではできません・・・だから・・・私がトニーに爆裂魔法を撃ちこんで・・・突破できるだけのエネルギーを・・・!」

ダクネス「ッ・・・!」

アクア「ね、ねぇっ!トニー!トニーは天才なんでしょ!?他に何か浮かばないの!?」


トニー「もうこの作戦しかない!」

トニー「・・・覚悟を決めろ」

カズマ「だから・・・十七の子供に・・・無茶言うなって・・・!」ギリッ…

【リアクターオーバーロード 準備完了】
   【魔力吸収口 オープン】

トニー「撃て!めぐみん!!」ガシュンッ!

めぐみん「うぅ・・・」グスッ…

   ポンッ…


めぐみん「・・・?」

カズマ「・・・」ポロッ…

めぐみん「カズマ・・・」

カズマ「やれ、めぐみん。今回も全責任は・・・俺が取る・・・!」

めぐみん「・・・ッ!!」バッ!

めぐみん「黒より・・・黒く・・・っ!」ポロッ…

トニー「それでいい・・・続けるんだ」


めぐみん「闇より暗き・・・っ、漆黒に・・・!」ポロポロ…

ロキ「スターク!今すぐ離せ!!」

めぐみん「我が深紅の混淆を望みたもう・・・っ!」ポロポロ…

    ズズズズ…

ロキ(クソッ・・・王都を手放すことになるが・・・ここは一度、キューブの力で撤退を・・・!)ググッ…

トニー「おいおい、僕のパーティーメンバーの晴れ舞台を最後まで見て行けよ。安心しろ、僕は吹っ飛ぶが、装置の爆発がキューブに干渉して起きる空間湾曲によって、君は元居た世界に戻るだけだろう」ガンッ…

四次元キューブ「」カランッ…

ロキ「キ、キューブが・・・!このっ・・・人間ごときに・・・!」


めぐみん「覚醒の時・・・来たれりっ・・・・!」ポロポロ…

めぐみん「無謬の境界に落ちし理・・・無行の歪みとなりて・・・っ!現出せよ!」

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッ!!」ギュァッ!!


  【魔力吸収 エネルギー最大出力突破 危険値に到達】


    【コロナリアクター オーバーロード】


トニー「ロキ、お前の腐った野望はそのただの人間に打ち砕かれるんだ」

トニー「この素晴らしい世界の人間を・・・僕の仲間を・・・舐めるべきじゃなかったな!」

    【爆裂プロトコル 開始】

      キュィィィィイ…

ロキ「やめろぉおおお!!」

      カッ…
  



……
….
..
.

 トニーのラボ 作業室


【アーマーとのリンクが切断されました】

  【遠隔操作終了】


トニー「ふぅ・・・」カチャッ…

フライデー『お疲れ様でした、ボス』

トニー「何とかなったな。スーツに体が耐えられないと分かったときはどうしようかと思ったが・・・」

   ガチャッ…

トニー「・・・?やぁ、アイリスか。何故ここに?ここはトイレはむこうだぞ?」


アイリス「えっ・・・?えっと・・・自分の部屋に戻るつもりでしたが、ちょっと迷ってしまって・・・えっ・・・というか・・・その、スタークさん!?スタークさんこそ何故ここに!?」

トニー「スーツを遠隔操作してたんだ、僕の体がスーツに耐えられないんだったら、スーツの中に体を入れなければいいってね」

トニー「・・・で、気は進まなかったが、こうしてみんなが前線で戦ってる中、僕はこうして安全なラボからスーツ動かして戦ってたって訳さ。でもこれしかなかったんだ」

トニー「戦えません、ラボでただ待ってます・・・って言うよりはマシだろ?」

アイリス「そ、そうだったんですか・・・あの、戦いはどうなりましたか?」

トニー「僕らの勝利だ。ロキは元居た世界に強制的に戻された。洗脳された冒険者も取り戻したし、あとは王都の残党を殲滅するだけだ。ひょっとしたらもう片付いているかもな」

アイリス「本当ですか!よ、よかった・・・!」パァッ…


トニー「僕はこれからギルドに向かって、みんなの帰りを待つつもりだ。君もくるか?」

アイリス「そうしたいのは山々ですが・・・被害を受けた王都の修復や市民の誘導などで忙しくなると思われるので・・・私はこのことをクレアとレインに伝えてこなくてはなりません」

アイリス「では、また改めて表彰されると思いますが、ベルゼルグを代表して、私にお礼を言わせてください。この国を守ってくれて、ありがとうございます」ニコッ

トニー「勤めを果たしただけさ。君もあまり固くならずに、たまには子供らしく遊んでおけよ?」

アイリス「えぇ、近いうちに身分を隠してお兄様の所に遊びに行こうかと思います!それではまた!」ガチャッ

トニー「さて、そろそろギルドに向かうとするか」スタスタ…

フライデー『あの、ボス・・・なぜか私、とても嫌な予感がします。正確に言うと、凄まじい誤解とすれ違いを起こしてしまっているような・・・』

トニー「どうして?もう危険も去ったし、あと待っているのはギルドでパーッと宴会することだけだろ?」

フライデー『私の勘違いでなければいいのですが・・・』


…..

..
.

王都 王城 謁見の間


めぐみん「トニー・・・うぅっ・・・グスッ・・・勝ちました・・・私達、勝ちましたよ・・・トニー・・・」ポロポロ…

カズマ「あのヒゲ野郎・・・最後まで無駄にカッコ付けなきゃ気が済まないのかよぉ・・・」ポロポロ…

ダクネス「彼は・・・究極のヒーローだった・・・」

アクア「ロキも空の穴も、何もかも消えちゃったわね・・・ねぇ、エリス」

エリス「わかっています先輩。天界に戻って、死者のリストを調べてきます。ではまた」スッ…

   ギュァァァアアンッ…


カズマ「泣いてる場合じゃ無い・・・下に戻って、ゆんゆんやバニル達がどうなったか確認しないと---」

バンッ!

ゆんゆん「みなさん、大丈夫ですか!?」

カズマ「ゆんゆん、無事だったのか!」

ゆんゆん「えぇ、何とか」

アイギス《魔法を無力化する俺の中に入っていると魔法が使えなくなるって言う悲しすぎるハプニングはあったけどな!》

ウィズ「途中、思わず身震いしそうになる魔力・・・というよりは神気を感じたのですが・・・」

バニル「あぁ、なんとも吐き気のする気配であ・・・汝ら、何故そんな顔をしておる?状況を見るに勝ったのであ・・・」

バニル「・・・あのヒゲ中年はどこへ行ったのだ?」


カズマ「・・・」

バニル「・・・なるほどな」

ウィズ「そんな・・・トニーさん・・・」

アイギス《おいおいブラザー・・・まじかよ・・・》

ゆんゆん「ねぇ、めぐみん・・・嘘よね・・・?トニーさんが死ぬなんて・・・」

めぐみん「嘘なんかじゃ・・・ありませんよ・・・!彼は・・・自分の命を犠牲にしてこの世界を・・・」グスッ…

ゆんゆん「トニー・・・さん・・・」ポロッ…


ウィズ「・・・とりあえず、アクセルに戻りましょう。このことをギルドに報告しなくてはなりません」

バニル「王都の奪還はもうほとんど完了してある。あとのことはもう任せても大丈夫であろう」

ウィズ「それでは・・・アクセルに戻ります・・・ゆんゆんさん、ゆんゆんさんもお願いします」

ゆんゆん「・・・分かりました・・・」グィッ…

ウィズ「皆さん、準備は良いですか?」

めぐみん「トニー・・・あなたから教わったことは・・・決して忘れませんから・・・どうかゆっくり・・・休んでください・・・」


ウィズ・ゆんゆん「『テレポート』」


     フッ…




......
....
..
.


アクセル ギルド酒場



 「「「カンパーイ!!」」」

ルナ「皆様、この度は本当にお疲れさまでした!行方不明事件もこれで解決です!」

冒険者A「まぁ、俺達は大して何もしてないけどな!」

冒険者C「まぁまぁ、気にすんなって!なんでも、マジでやばかったんだろ?王都が取られたって言うじゃねぇか!」

冒険者B「王都が取られかけるなんておっかねぇよなぁ・・・一体どんな奴だったんだか・・・」

冒険者D「なんにせよ、こうして解決できてよかったじゃねぇか!なんでも、あのカズマパーティーがまた大きく活躍したみたいだってよ!」

冒険者B「本当か!いつも問題起こしてるけど、やっぱすげぇなあいつら!新入りも入って強くなったみたいだしな!」

冒険者A「あぁ、あの全身鎧の男か!あいつとはあまりしゃべったことはねぇが---」

   ワイワイ…


カズマ「・・・」

アクア「・・・」

めぐみん「・・・」

ダクネス「・・・」

カズマ「祝うはずなのに・・・」

ダクネス「はは・・・ほとんど味もわからん・・・」

アクア「私も、今日はお酒飲む気分じゃないわ・・・」

めぐみん「・・・」


カズマ「でも・・・トニーに乾杯くらいはしようぜ。世界を救ったヒーローにさ・・・」スッ…

ダクネス「ヒーローに」スッ…

アクア「ヒーローに」スッ…

めぐみん「ヒーローに」スッ…


「「「「かんぱ・・・」」」」


    キィ…






「ふむ・・・注ぎたてのシャワシャワと・・・勝利の匂い・・・」

「で、僕の分は?」


カズマ「!?!?!?!?」ガタタッ…

トニー「・・・?どうしたみんな?鳩が爆裂魔法を食らったような顔し」

アクア「ゴッドブロー!」ボッ!

トニー「ぐああああああ!?」メリッ…

   ドシャァッ…

トニー「がっ・・・ぐっ・・・フ、フライデー・・・なにがどうなっているんだ・・・?」

フライデー『嫌な予感が的中しました』


アクア「大変!トニーが、トニーがアンデッドになって出てきちゃったわ!!」

トニー「おい、状況を説明しろよ・・・何故僕は君にパンチされたんだ・・・?」ヨロッ…

アクア「トニー・・・あのね・・・あなたは・・・あなたはもう・・・この世にいないの・・・」

トニー「は?」

アクア「もう私達とは・・・会っちゃ駄目なの・・・行くべき所に行かなくちゃ駄目なの・・・」ポロッ…

トニー「・・・???」

アクア「だから・・・だがら゛ね・・・っ!」ポロポロ…


アクア「貴方を今ここで・・・天界に送ります・・・トニー、ありがとうね」ニコッ…

アクア「『セイクリッド・ターンアンデッド』」スッ…

      ポゥッ…

トニー「なぁ、感動的な雰囲気だしてるところ悪いんだが、一体君たちは何をしてるんだ?演劇の練習か?」

アクア「あ、あれ!?なんで・・・というか・・・あれあれっ・・・?ひょっとしてアンデッドじゃない・・・?」

トニー「僕の目を見ろよ・・・死んだ目に見えるのか?」

アクア「うーん、一応死んだような目をしてるけど、曇りなき眼でみた限り、ちゃんと人間みたいね・・・」

トニー「喧嘩売ってるのか?・・・ったく、腹にパンチを食らったおかげで食欲が・・・」


めぐみん「・・・説明してくださいよ」

トニー「説明?なんの説明だ?説明ならこっちがしてもらいたいね。勝利の宴会を開こうとここまで歩いてきたら、そこの狂犬にいきなり腹を殴られて、アンデッド扱いされたんだからな!」

めぐみん「なんで生きているのか説明してくださいよ!」バンッ

トニー「おい、何そんな目を真っ赤にして怒ってるんだ?」

ダクネス「お前はロキに突っ込んで、自爆して消えたはずだろう・・・何故ここにいるのだ・・・?」

カズマ「一から・・・十まで・・・きっちり話せ・・・」


トニー「生きてるも何も、あそこにいたのはスーツだけだ。僕自身はラボにいて、スーツを遠隔操作してた」

カズマ「・・・は?」

めぐみん「別れの時だ・・・とか、犠牲が必要だって言ってたのは?」

トニー「それはスーツの話だ。みんなで頑張って作ったスーツを完成したその日に吹っ飛ばしたんだぞ?悲しくもなるさ。君も悲しかったからあんな顔してたんだ・・・」

めぐみん「・・・」プルプル…

トニー「・・・フライデー、僕このこと説明したっけ・・・?」

フライデー『してません』

トニー「・・・」ダラダラ…


トニー「よし、一から説明する。まずあのスーツに僕の体は耐えられなかっただろ?そこで人類最高峰の頭脳は考えたんだ。体が耐えられないんだったら体を入れなきゃ良---」

めぐみん「ああああああーっ!!」ガバッ!

   ドゴッ!

トニー「がっ!?おい、まだ話の途ちゅ」

カズマ「テメェふざけんなよ!マジでふざけんなよ!俺の涙を返せよ!そこまでしてイカした演出とやらがしたいのか!この野郎!」ドカッ

ダクネス「貴様、あんな言い草しておいてスーツの話だっただと!?どれだけ悲しんだのかわかっているのか!?ぶっ殺してやる!!」

アクア「ねぇ返して!あの時の気持ちを返してよ!もうトニーが物作りしてる時に指切っても回復魔法かけてあげないんだからね!」

トニー「言葉を使・・・うぐっ!おい!よせ!スーツ!」

フライデー『ありません』

トニー「冗談じゃ・・・」


……
….
..
.

馬小屋


トニー「・・・というわけで、ラボにも屋敷にも入れてもらえず、ここに来たって訳さ」

トニー「確かに誤解を与えたのも悪かったが、だからって痛めつけて家から追い出すのはやりすぎだろ」ハァ…

トニー「まぁ、長々と僕の愚痴を聞いてくれてありがとう。仕事引き留めて悪かったな」

馬小屋の管理人「話の九割くらいは聞いとらんかったから構わんよ」

トニー「そりゃ・・・正解だな。人の愚痴は聞き流してなんぼだ」

トニー「ところでじいさん、どこかで会ったか?」


馬小屋の管理人「さぁのう・・・ワシみたいな顔の老人など、どこにでもおると思おうが・・・」

トニー「そうか・・・なぁ、毎日こうやって冒険者の話を聞いたりするのか?」

馬小屋の管理人「まぁのう。ここでしがない馬小屋の管理人をして、たまーにこうして冒険者の話を聞いておる」

トニー「九割聞き流しながら?・・・冗談だよ、経営頑張ってくれ。それじゃ、僕は五度目の謝罪に行ってくるよ。これで駄目だったら、いよいよもって晩飯抜きの馬小屋生活が始まる。僕も藁が食べれるようになりたいね」スッ…

   コンコンッ…

トニー「・・・?誰だ?」


  ギィッ…

アクア「・・・」ジッ…

トニー「あー・・・今から君たちの元に向かおうと思ってたんだが・・・というか、ドアを開けるならしっかり開けてくれ。頭だけのぞかせてたら、後ろに誰がいるのか見えないぞ」

    ガチャッ…

めぐみん「もうバカな真似しませんか?」

ダクネス「流石に締め出すのも悪いと思ってな・・・もうこんなこと二度としないなら戻してやろうって話になったんだ」

トニー「戻してやろうってなんだ。なんでそんな上から目線なんだ?元々は僕の家だし、君たちが勝手に誤解---」

カズマ「そうか、じゃぁな。みんな、屋敷に戻ろうぜ。今日は霜降り赤ガニを食べよう」クルッ…


トニー「はいはい、わかった!悪かったよ・・・もう二度としない。これで良いか?」

アクア「よくできました!」ナデナデ

トニー「・・・」イラッ...

めぐみん「さっ・・・帰りますよ、トニー」

トニー「・・・ああ。それじゃ、僕は家に帰るよ。じゃぁなじいさん」

馬小屋の管理人「・・・」ニコッ

 ギィッ…
   スタスタ…

馬小屋の管理人「まだまだ、上を目指せ」

......
....
..
.


家への帰路

ダクネス「ところでトニー、霜降り赤ガニは食べたことあるのか?」スタスタ…

トニー「いや、無い。美味いのか?」スタスタ…

めぐみん「そりゃもう。わかりやすく説明すると、これを食べる代わりに爆裂魔法を我慢しろと言われたら、喜んで我慢して、食べた後にぶっ放すくらいには美味しいのです!」スタスタ…

トニー「今の説明で分かったのは君の頭のおかしさ位なんだが」

カズマ「説明はともかく、味はマジでうまいぞ。帰ったら鍋を用意してあるから、楽しみにしておけよ」スタスタ…

アクア「最高級の蟹の甲羅に最高級のお酒を入れて甲羅酒を作るの!きっと気に入るわよ!」スタスタ…

トニー「甲羅酒・・・甲羅酒か・・・美味そうだな」ゴクリ…

......
....
..
.


エリスの神殿


エリス「・・・」スッ...

水晶「」ヴンッ...


アクア『トニー、帰ったらお酒の飲み比べ対決をしましょう!』

トニー『別にいいが、吐くまで飲むなよ?もし吐いたら、自分のゲロは自分で片付ける事。いいな?』

めぐみん『わ、私も飲み比べを・・・』

トニー『君はダメ』

めぐみん『な、なんでですか!?さすがにもういいでしょう!?ではせめてボードゲームの対決を・・・』

トニー『それくらいならお安い御用だ。飲みながら勝ってやるさ』

めぐみん『言ってくれましたね!』

カズマ『おー、楽しそうだな。トニー、ついでに旅行の話の続きもしようぜ。詳しい日程とか色々さ』

ダクネス『いいな。割と近いうちに行きたいものだ・・・』

    ワイワイ…

エリス「ふふ・・・」

エリス(あなたがこの世界で、楽しそうな顔をしてくれていて本当に良かった)

エリス(最後に皆を悲しませたのは少々あれだけれど・・・)

エリス(トニー・スタークさん、この素晴らしい世界を守ってくれたあなたに、あなたがこの世界に来たことを後悔しないように・・・そして、今後良い事が起きますように)スッ…

エリス(この世界を、どうかもっと好きになってもらえるように---)






エリス「---『祝福を!』」






END

これで終わりになります
また一年近くかけてしまった・・・
今思えば、MCUの説明だけではなく、このすば側の説明も入れておけばよかったなと少し反省したりもしております
このすばは本当に面白いラノベです。もしこのSSを見て興味が湧いたという方がいらっしゃれば、ぜひ見て見てくださいね!
また、このSSでアイアンマンを知った方がいらっしゃれば、MCUを最初から追いかけて、六月二十七日まで公開しているエンドゲームを見に行ってくれれば最高です。追い続けたことは、絶対に公開しないハズです

最後に、こんな駄文に長々と付き合ってくれた皆さま、本当にありがとうございました!

エンドゲームはまだまだ公開中!
https://youtu.be/KunCDzXlXLI


このすばの映画は八月三十日に公開!

https://youtu.be/sETb41GEpBo

ちょっとだけおまけを載せようと思います

......
....
..
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??????



?「以前、チタウリと共に地球に攻撃したアスガルド人のロキが、我々すら知らぬ未知の世界へ侵略を行い、失敗したとの情報が入りました」

?「・・・未知の世界?」

?「はい、何億光年と離れた星などではなく、文字通り別次元に存在する世界だそうで・・・研究チームはこれを“異世界”と呼び、調査を開始しております」

?「ふむ・・・分かった。もう下がれ、エボニー・マウ」

エボニー・マウ「はい・・・失礼します・・・」スタスタ...

?「・・・」ピッ... ピッピッ...

 プシュー...
  ウィーン....  


?(遠い銀河の果てより向こうの世界・・・異世界か・・・)スタスタ...

?(そんな場所の存在など、考えた事すらなかった・・・)スッ...


インフィニティ・ガントレット「」シュゥゥウ...








サノス「救いの“手”が必要な世界が・・・他にもあったか・・・!」





        ジャキィンッ!

以上です
もし続くとしたらこんな幕引きにしようかと考えていました
ですが、続編を書くつもりは今の所無いのでとりあえず考えといて捨てちゃうのも勿体ないから精神で載せました
もしまた機会があったらお会いしましょう

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