モバP「脛に傷だらけの天使」 (119)
※オカズには使えません
※キャラ崩壊
ガチャ
島村卯月「お、おはようございますっ!」
P「おう、卯月。おはよう」
P「ずいぶん早いな。今日の番組収録まで、まだまだ時間あるぞ?」
卯月「あ、あはは……。やっぱりそうですよね」
卯月「でも今日は番組のゲストで……、しかも五代目シンデレラガールとしての出演ですから……」
卯月「もう昨日の夜から緊張しちゃって! なんだか居てもたってもいられなくなっちゃって、ですね……!」
P「まあ、気持ちは分かるけどな」
P「でも番組からのオファーも、それにシンデレラガールに選ばれたのだって、卯月自身がこれまで積み重ねてきたことの成果だ」
P「そこは自信を持って、胸を張っていいんだぞ」
卯月「そ、そんな! 私なんて……!」
卯月「確かに、私、頑張るのは得意ですけど……」
卯月「でも、それもプロデューサーさんのおかげですよ」
卯月「ずっとアイドルに憧れてて――だからアイドルになれた時はすっごく嬉しくて……」
卯月「でもアイドルになってからは、例えば凛ちゃんや未央ちゃんみたいに、一口にアイドルって言っても色んなカタチがあるんだなって知って――」
卯月「私の憧れていたものにはまだまだ先があって、知らない世界が広がっていて……」
卯月「それをすごいって思うと同時に――」
卯月「怖くも、なりました」
卯月「輝く人たちが創る、魅力的で、彩られた世界を知って――今まで自分の思い描いていたものや抱いていたものなんて、ちっぽけで、頼りないものなんじゃないかって……」
卯月「私の目標としていた地点は――ここでは、なんの価値もないんじゃないかって……」
卯月「でも――」
卯月「それでも、プロデューサーさんはそんな私をいつでも支えてくれました」
卯月「直接、褒めてもらったり励ましてもらったりもそうですし――」
卯月「プロデューサーさんが持ってきてくれる色んなお仕事や体験をしていると、私にもこんなに素敵な面や応援してもらえるような顔があるんだよって、そう言ってもらってるみたいで」
卯月「私、嬉しいんです」
卯月「『頑張ります』って、私の口癖ですけど――頑張りますって言えることがすごく嬉しい」
卯月「私は、ここで頑張れるんだって。輝くために頑張っていいんだって」
卯月「送り出してくれるプロデューサーさんに、そう自信を持って応えられるのがとっても幸せなんです」
卯月「アイドルになって広がった世界を、怖いじゃなくて、楽しみだって、今は思えるんです」
卯月「私の夢は叶ったけど――夢はまだまだ終わらないんだって」
卯月「その夢の先まで、私の夢だって言えるように――そう、育ててくれたのはプロデューサーさんです」
卯月「プロデューサーさん」
卯月「これから私、もっと頑張ります! だからこれからもプロデュース、よろしくお願いしますね!」ニコッ
P「………………」
卯月「って、なんだか私、恥ずかしいこと言っちゃってますよねっ///」
卯月「あ、あの、ちょっと舞い上がっちゃって!」
卯月「ごめんなさい、今のことは忘れて――」
P「天使」
卯月「へ?」
P「卯月……尊い……」
P「……天使……スゥウウウウウ……
卯月「ぷ、プロデューサーさん……?」
卯月(な、なに!?)
卯月(プロデューサーさんの身体、だんだん薄くなって……)
卯月(き、消えていってる!?)
卯月「こ、これって一体――!?」
ガチャ
五十嵐響子「おはようございます」
卯月「きょ、きょーこちゃんっ!」
響子「あ、卯月ちゃん。おはよ――」
卯月「きょ、響子ちゃん! あの、大変なんですっ!!」ガシッ
卯月「ぷぷぷ、プロデューサーさんが! あのっ!」
響子「プロデューサーさんが?」
響子「――ってこれはっ!?」
P「……とう…い……づき……てん……スゥウウウウウ……
P「ウヅキエル…スゥウウウウウ……
響子「プロデューサーさんが、き、消えかかってる!?」
卯月「さっきまで私とお話してたんですけど、そしたら突然こうなっちゃったんです!」
卯月「あの、何がどうなってるのか、さっぱりで」
響子「お話……」
響子「卯月ちゃん。そのお話の中で、プロデューサーさんに何を言いましたか?」
卯月「え……? それは今までの感謝とか、これからもよろしくお願いしますとか……」
卯月「特に変なことを言ったつもりはないんですけど……」
響子「これは恐らく――卯月ちゃんのかけたその言葉が天使のように尊過ぎて、プロデューサーさんが浄化されているんです!」
卯月「浄化っ!? ええっ!?」
響子「このままだとプロデューサーさん、完全に浄化され切って、消えちゃいますっ!」
卯月「そ、そんなぁ!」
卯月「嫌! そんなの嫌ですよプロデューサーさん!」
卯月「響子ちゃん……! 私……どうしたら……!」
響子「そ、そうですね……」
響子「もしかしたら――」
響子「尊過ぎる言葉をかけられたのが原因なら――その逆のことをやれば……」
卯月「ぎゃ、逆……?」
響子「つまり、卯月ちゃんの尊さを相殺できるほどの――ヨゴレ系のことを言えば、浄化を止められるかもしれません!」
卯月「ヨゴレ!? ですか!?」
P「とー…い……うづスゥウウウウウ……
響子「さあ、卯月ちゃんはやく! もう時間がありません!」
卯月「わ、分かりました! 島村卯月、頑張りますっ!」グッ
卯月「ぷ、プロデューサーさんっ――!!」
卯月「プロデューサーさんのちぢれ毛は私のお守りですっ!!」
P「え、卯月、それはどういう……」スッ
響子「やった……!」
卯月「や、やりました……やりましたよ響子ちゃん!」
響子「はい。すごいです卯月ちゃん。成功ですね」
卯月「はぁー……! もう一時はどうなるかと……」
卯月「ありがとう響子ちゃん。響子ちゃんのおかげです」
響子「そ、そんな! 卯月ちゃんが頑張ったからですよ♪」
P「あの、卯月……?」
P「今のは、どういう――」
卯月「あはは……! なんだかこんなビックリに比べたら、今日の収録はへっちゃらに思えてきちゃったなぁ」
響子「そっか! 卯月ちゃん、今日はテレビ収録でしたよね」
響子「良かったら私、練習相手になりますよ! 本番で話す内容とか、改めて整理しておきませんか?」
卯月「わあ、本当ですか! ぜひお願いしますっ!」
響子「じゃあ、向こうのレッスンルームを使いましょうか」
P「う、卯月、あのな――」
卯月「プロデューサーさん! 今日の収録、いいものになるよう頑張りますね!」
卯月「えへへ! ぶいっ!!」ニコッ
P「いや、卯月、あの――」
――――――
――――
――
小日向美穂「ふぅ……。番組収録、無事に終わってよかったねぇ……」
輿水幸子「久しぶりの歌番組でしたからね! ボクのカワイイ歌声はやっぱりああいう場でこそ活かさないと!」
美穂「でも緊張したよぉ。うまく歌えてたかな……」
幸子「もう、美穂さん。あれくらいで何を言っているんですか。しっかりしてください」
幸子「ボクとしてはむしろ、カワイイアピールをもっとしておけばよかったと思ってるくらいです」
美穂「さ、さすが……! 幸子ちゃんはすごいなぁ……」
幸子「フフーン! 当然です!」
幸子「――ですから美穂さん」
幸子「美穂さんだって、そんなカワイくてすごい輿水幸子と肩を並べて出演するくらいなんですから――もっと自信を持ってください」
幸子「そんなことで自分の魅力を抑えてしまったら、自分のカワイイに失礼ですよ」
美穂「幸子ちゃん……!」
美穂「ありがとう」
美穂「ホント、幸子ちゃんはすごいなぁ」
美穂「可愛くって、すごくって――優しいね」
幸子「ふ、フフーン! まあボクの魅力は留まるところを知りませんからね///」
幸子「もはや天使と言っても過言ではありませんから!」
幸子「もっともっと褒めてくれてもいいんですよ!」
美穂「ふふっ♪」
P「美穂、幸子。お疲れさま」
美穂「あっ、プロデューサーさん!」
美穂「ど、どうでしたか……?」
美穂「私、ちゃんとできてましたか……?」
P「そうだな。最初は目に見えて緊張してたけど……」
P「でも、後半――特に歌い始めてからはガラッと変わったな」
P「とても輝いていた。美穂の魅力は十分に伝わったと思うぞ」
美穂「あ、ありがとうございますっ!」
美穂「失敗しないか、上手くいくか……すっごく不安でしたけど……でもそんな風に思ってたら、同時に思い出したんです」
美穂「失敗しないように、上手くできるように――」
美穂「楽しめるように、いっぱい練習したなって」
美穂「トレーナーさんやアイドルのみんなや――」
美穂「プロデューサーさんがちゃんといてくれたなって」
美穂「トレーナーさんは厳しかったけれど、ダメなとこや直すべきとこをちゃんと言ってくれたし――」
美穂「仲間のみんなは一緒に笑ってくれて、支えてくれて、元気をくれた」
美穂「そしてプロデューサーさんは、こんな私をいつでも信じていてくれますから」
美穂「いつも、どんな舞台の前でも緊張はしちゃうけど――いつも、どんな舞台の前だって、私はたくさんの人たちに送り出してもらっているんだなって……」
美穂「そう考えたら、すごく力が湧いてきたんです」
美穂「縮こまってなんていられない」
美穂「私はこんなに支えられているし、助けてもらってる。今、そんな素敵な場所にいるんだって」
美穂「だからそれを歌声として――支えてくれたみんなに感謝として、応援してくれるファンの人たちに喜びとして――」
美穂「歌に乗せて伝えたいって」
美穂「そう思って頑張りました♪」
P「……美穂」
美穂「あっ、な、なんだか大げさでしたね……!///」
美穂「緊張が解けて、変なテンションになっちゃってるのかも……!」
P「…………天使」
美穂「へっ!?」
P「美穂……天使……」
美穂「あっ、あの! 天使だなんてそんな///」
幸子「――ちょっと、プロデューサーさん!」
幸子「美穂さんが可愛かったのは認めてあげますが、ここにカワイイカワイイ輿水幸子がいることを忘れてもらっては困りますね!」
幸子「さあ、ボクのことも思う存分褒めちぎってくれていいんですよ!」
P「天使……ミホエル……」
幸子「ちょっと、聞いてますかっ!?」
美穂「待って幸子ちゃん」
美穂「プロデューサーさんの様子……なんだかおかしくないですか……?」
幸子「え?」
P「みほ……尊い……スゥウウウウ……
P「てんし……スゥウウウウウ……
幸子「ぷ、プロデューサーさん!? なんだか薄くなっていってませんか……?」
幸子「向こう側が透けて見えてるんですが……」
美穂「な、何が起こってるの……!?」
卯月「あ、二人とも。お疲れさまです――って、わあ!?」
美穂「あ、卯月ちゃん!」
卯月「プロデューサーさん、また消えかかってるっ!?」
幸子「また!? 前にもあったんですか!?」
美穂「卯月ちゃん、何か知ってるの?」
卯月「――美穂ちゃん。こうなる前、プロデューサーさんとお話してたんじゃないですか?」
美穂「えっ、うん……。今日の収録について、私なりの想いみたいなことを……」
卯月「多分、そこで美穂ちゃんが言った内容が天使すぎて、それでプロデューサーさんが浄化されちゃってるんです!」
美穂「て、天使過ぎて!?」
幸子「浄化!?」
幸子「いやいや待ってください! そういうのってあくまで比喩的なものですよね!?」
幸子「少なくとも物理的に浄化されるなんて――」
美穂「で、でも実際にプロデューサーさん、消えかかってるし……」
卯月「このままじゃプロデューサーさん、跡形もなく消滅しちゃいます!」
美穂「ええっ!?」
美穂「そんな……私の……」ガクッ
美穂「私のせいで……!」
美穂「うぅ……」
卯月「美穂ちゃん。大丈夫」
卯月「まだ手はあります!」
幸子「卯月さん、それって……?」
卯月「プロデューサーさんを浄化している尊さをその逆――ヨゴレ系のことを言って打ち消すんです!」
幸子「はいっ!?」
美穂「よ、ヨゴレ……?」
幸子「な、何言ってるんですか卯月さん!」
幸子「ボクたちはアイドルなんですよ!? よ、ヨゴレ系のことなんて言えるわけ――」
美穂「…………」スクッ
幸子「み、美穂さん……?」
美穂「やるよ、私」
幸子「ええ!? いやでも――」
美穂「だってまだ、伝えきれてないから」
美穂「これまでの感謝も、これからの感謝だって――」
美穂「この想いは絶対、伝えたいから――!!」
美穂「プロデューサーさん!」
幸子「ちょっ――」
美穂「プロデューサーさんの机の角、いつもお世話になってますっ!!」
幸子「!?///」ボンッ
P「えっ、美穂、それってどういう……」スッ
幸子「!?」
美穂「やっ、た……?」
美穂「う、卯月ちゃん……、わ、私……!」
卯月「はい! プロデューサーさん元通りです!」
美穂「よかったぁ! 良かったよぉ……!」ヘナヘナ
P「あ、あの、美穂……?」
幸子「み、美穂さん……あの……///」
卯月「って、美穂ちゃん。そろそろ時間じゃない?」
美穂「そ、そうでした! 今日このあとは卯月ちゃんとラジオ出演だよね」
美穂「幸子ちゃん、今日はありがとう!」
美穂「緊張もしたけど……でも共演できて楽しかったよ!」
幸子「い、いえ、それよりも――」
美穂「あっ、プロデューサーさん」
美穂「今日の幸子ちゃん、すっごく素敵でしたから。いっぱい褒めてあげてくださいねっ!」
P「あー、ええと、美穂――」
美穂「それじゃあ行ってきますっ♪」
幸子「あの、美穂さん――」
P「お、おーい、美穂――」
デレラジ、ヒサシブリダナァ
エヘヘ! キットステキナラジオニナリマスヨ!
P「あー、うん……。美穂にはあとで話を聞くとして……」
P「幸子も、今日は一段と可愛かったぞ!」
幸子「えっ……いやあの……」ビクッ
P「幸子は自分のアピールするところを自覚してるからな!」
P「伊達にいつもカワイイと自称してないな」
幸子「い、いえ、あの、そんなことは……」
P「輝いて――まさに天使だったな!」
幸子「!?」
幸子「い、いや! 何を言ってるんですか!?」ブンブン
幸子「天使なんてそんなわけないじゃないですかっ!!」ブンブン
P「なんだ? 珍しく謙遜なんてして……。心配しなくても、もうスカイダイビングなんてさせないって」
P「いやー、お前は歌声や一つ一つの仕草に可愛さが詰まって――」
幸子「いやいやいや! そんなことまったくないですから!」
幸子「これっぽっちもボクは天使とかじゃないですからっ!!」
P「特に最後の感情を込めてるところには、俺も引き込まれ――」
幸子「やめてくださいやめてください!!」
幸子「ボクはヨゴレ系なんて絶対言いませんからっ――!!」
――――――
――――
――
響子「お疲れさまでーす」ガチャ
櫻井桃華「あら、響子さん。お疲れさまですわ」
響子「お疲れさま、桃華ちゃん」
響子「あれ――ずいぶんいっぱい本を広げてるね?」
響子「えっと、『食べさせ盛りのためのレシピ集コンプリートブック』、『あの人の胃袋に詰める! 厳選メニュー大全アルティマニア』……」
響子「『大丈夫。ワッホイ中の料理本だよ。』……?」
桃華「ええ」
桃華「実はわたくし、ちょっとお料理にチャレンジしようと思いまして。その勉強中ですわ」
響子「わぁ、素敵ですね!」
響子「あ、何か私にできることがあれば言ってください」
響子「味見とかはもちろんですし……ちょっとしたアドバイスならできると思いますから」
桃華「さすが、頼もしいお言葉ですわね」
響子「桃華ちゃんの料理かぁ……! 事務所のみんなも喜ぶと思いますし――」
響子「プロデューサーさんに作ってあげるのもいいですね!」
桃華「もう、響子さんったら……。まだまだ勉強し始めたばかりですのに、気が早いですわ」
桃華「……でも、そうですわね」
桃華「このところのプロデューサーちゃま、ドリンク類しか口にしているところを見ませんし――何か作って差し上げるのはいいアイデアですわ」
桃華「わたくしたちのプロデューサーとして、もっと栄養を摂っていただかないと……」
響子「やっぱり桃華ちゃんもそう思いますよね!」
響子「私もこの前聞いたら、『朝はテキトーに冷蔵庫のものにかぶりついてきた』なんて言っていて……」
響子「お仕事大変なのは分かりますけど、もっとちゃんとした食生活を送ってほしいなぁって」
響子「あんなにドリンクばかりじゃ胃が弱っちゃうし……絶対、あとでツケが回ってきますから」
桃華「これはわたしくも、早々にお料理を身に付ける必要があるかもしれませんわね」
響子「――でも、どうしてお料理を始めようと思ったんですか?」
響子「何かきっかけでも?」
桃華「きっかけと言うなら――」
桃華「響子さん、あなたですわ」
響子「わ、私……?」
桃華「この前――我が家のお庭で、アルバム収録の打ち上げをしましたでしょう?」
響子「はい。ガーデンキッチンとか、キャンプファイヤーとか……楽しかったですよね♪」
桃華「あの時の、響子さんがテキパキと色々なお料理を作っていく様子に、わたくし感動したんですの」
響子「ええっ!? か、感動だなんて……大げさだよー///」テレテレ
桃華「あら、謙遜なさらないで」
桃華「あのガーデンキッチンも並べられていた食材も、わたくしにとっては見慣れたものでしたけれど――それらが響子さんの手で次々とお料理へ変わっていく様は素晴らしいもので
した」
響子「あ、あはは/// あ、ありがとうございます……!」
桃華「メイド服姿はとても様になっていましたけれど――」
桃華「手際のよさ、細やかな気配り――服装だけでなくその立ち居振る舞いまで、櫻井家のメイドと遜色ないものでしたわ」
桃華「わたくしのほうからもお聞きしたいです。響子さんのあのような所作や――何よりそのまごころはどのようにして育まれたのか」
響子「そ、そんな! 別に特別なことは何もないんです……」
響子「お料理もお掃除もお洗濯だって、私が好きで、楽しくてやっている部分がおっきいし」
響子「失敗しちゃったことだって何回もあるし……、張り切って空回っちゃうのなんて今もだし……」
響子「でも、例えば料理を食べてもらって、おいしいって言ってもらったり……、部屋をきれいに整えて、ありがとうって言ってもらえるのは、やっぱり嬉しくて……」
響子「――そう。嬉しいから、なんです」
響子「本当は私、桃華ちゃんが感動してくれるようないい子じゃないんですよ?」
響子「誰かが、何かに取り組むためや、挑戦するために積み重ねてきたもの」
響子「努力や経験や感動――原動力って言えるもの」
響子「そんな原動力が、私のお料理やご奉仕で、ちょっとでも大きくなってくれたらいいなって……、そう思ってるんです」
響子「もちろん、無償じゃないですよ? ちゃんとお返しも期待しちゃうんです」
響子「ご飯を食べて、美味しいって笑ってくれる人の顔は美しくて――」
響子「綺麗にして、気持ちいいって喜んでもらえるのは気分がいいから」
響子「そんな素敵なお返しをしてもらえるのが私は嬉しいんです」
響子「――そう考えると、アイドルってお仕事は案外、私に向いていたのかもしれませんね」
響子「頑張ってアイドルとして成長して――私は、大切な人たちを『頑張ってね』って送り出せるようになりたい」
響子「たとえ挑戦する時はひとりでも、取り組むときは独りでも――でも、ここまでの道はひとりじゃなかったってそう思って臨めるようになってほしい」
響子「そういう形で寄り添い、支えたい」
響子「そして、やりきって、帰ってきたら――」
響子「今度は『頑張ったね』って迎えてあげられる」
響子「そんな人になりたいって思ってるんです」
響子「――なんて、あはは……///」
響子「ご、ごめんねっ!? なんだか語っちゃって……!」ワタワタ
桃華「いいえ。とてもよいお話でした」
桃華「誰かを優しく支え、暖かく包む――だからこそ響子さんは強いのでしょう」
響子「え、ええっ……!? 桃華ちゃんってば、だから大げさ――」
桃華「ねえ、プロデューサーちゃまもそう思いませんこと?」
響子「へっ?」
響子「プロデューサーちゃまって――」クルッ
P「………………」
響子「はぅわっ!?」
響子「ぷ、プロデューサーさんっ!? いつの間に!?」
響子「あああ、あの、これは――」
P「…………尊い」
響子「はっ!?」
P「……響子……尊い……天使……スゥウウウウ……
響子(ああっー! しまったぁー!!)
ガチャ
卯月「お疲れさまでーす――って、わあ!?」
美穂「卯月ちゃん、どうしたの――って、ひゃあ!?」
響子「あ、ふ、二人とも……!」
P「……きょうこ……てんし……スゥウウウ……
P「キョウコエル……スゥウウウ……
卯月「あのー、響子ちゃん。これってもしかして……」
響子「ご、ごめんなさいー! 私ってばうっかりしててー!」
美穂「あはは……」
美穂「でも大丈夫! もう私たちはこうなった時、どうすればいいか知っているんだからっ!」
卯月「そうですね! こういう時は慌てず騒がず――」
卯月・美穂「「さあ、響子ちゃん! ヨゴレ系の言葉をっ!」」
響子「あ、あはは……。やっぱりそうですよね……そうなりますよね……」
卯月「響子ちゃん?」
美穂「どうしたの?」
響子「あの、その……なんていうか……」
響子「ちょっとだけ……ちょっとだけなんですけど……」
響子「恥ずかしいなぁって……」
卯月・美穂「「ええっーー!?」」
「きょ、きょーこちゃんっ! 恥ずかしがってる場合じゃないよー! 頑張ってっ!」
「大丈夫! 響子ちゃんはできる子だって私知ってますよっ!」
「ええと……ええと……!」
桃華「……事情はよく分かりませんけれど」
桃華「でもいい機会ですわ――プロデューサーちゃま」
桃華「このところ、満足に食事もされていないようですわね。響子さんが心配していましたわよ」
桃華「もちろんこの桃華も、そして事務所の他の方々だって心を痛めておりますわ」
桃華「あなたのお仕事が多忙なのは分かっていますし、そのおかげで今のわたくしたちがあるのも承知しています」
桃華「勝手なことを言っているのかもしれません」
桃華「ですが、もっと自身を顧みて、ご自愛くださいな」
桃華「わたくしたちアイドルのためにと奔走するお姿には感謝しています」
桃華「でも、そのせいで倒れでもすれば――『自分のせいで』と、呵責に苛まれる方だって出てくるでしょう」
桃華「ですからせめて、あなたの抱えている辛さや苦労を、わたくしたちに話し、明かすくらいはしてくださいな」
桃華「そしてできればもう一歩、それを分け合い、手助けさせてくださいな」
桃華「この事務所にはあなたを頼りにし、だからこそあなたに頼られたいと思っている方もたくさんいますのよ?」
桃華「そんな素敵な方たちがこの事務所にはたくさんおりますの」
桃華「それは、皆さんをここまで連れてきたプロデューサーちゃま、あなたが一番分かっているでしょう?」
P「桃華……」スッ
P「いや、すまなかった……」
P「確かにこのところ、ちょっと根を詰め過ぎてたみたいだ」
P「そうやって心配かけてちゃ、みんなのプロデューサー失格だな」
桃華「それが分かっているならば――失格だなんてことはありません」
桃華「それでこそ、わたくしたちのプロデューサーですわ」
P「桃華……!」
響子「ぷ、プロデューサーさんっ!」
P「ああ、響子」
P「悪かったな。色々心配かけたみたいで――」
響子「ティッシュがないからって皮の中に出しちゃうのは良くないですよ!」
P「!?」
桃華「……?」
美穂「あっ、戻った?」
響子「あ、や、やりました……?」
卯月「はい! さすが響子ちゃんです!」
響子「はぁー……! よかったぁー……!」ホッ
卯月「やっぱり響子ちゃんはやればできる子でしたね!」
美穂「うんうん! いつも頼りにさせてもらってるもんね!」
響子「え、えへへ……! そんなことないですよー///」
P「あ、あの、響子……?」
P「いや、響子だけじゃない。卯月も美穂もな」
P「ちょっと聞きたいことが――」
桃華「プロデューサーちゃま? 皮の中に出すって、どういう意味ですの?」
P「い、いや、桃華、それはその……」
響子「そういえば卯月ちゃん、今日の収録はどうでしたか?」
卯月「はい、バッチリでした♪ 響子ちゃんとのリハのおかげです」
響子「そ、そんな! 大したことはできなかったけど……でも、上手くいったなら良かったです」
美穂「実はこれから、卯月ちゃんの収録大成功をお祝いしようって話してたんだ」
美穂「ぜひ、響子ちゃんも参加してほしいな」
卯月「むしろ響子ちゃんは立役者ですから。感謝も込めておいしいスイーツでも食べにいきましょう!」
響子「いいですね! ぜひ!」
P「きょ、響子、あの――」
響子「あ、プロデューサーさん!」
響子「これからは、お料理、お掃除――私にできることならなんでも言ってくださいね」
響子「なんでしたら、プロデューサーさんのお家まで行って温かい料理を……、な、なんて、あはは///」
P「きょ、響子、その前に聞きたいことが――」
桃華「プロデューサーちゃま。まだわたくしの質問に答えていませんわよ?」
桃華「もしかして、何かお身体に悪いことですの……?」
P「いや……桃華には、その、言うようなことじゃなくてだな……」
桃華「……言えないようなことなんですの?」ジトー
「じゃあ早速行きましょう!」
「そうですね。あのお店は人気だし、すぐに席がなくなっちゃいますから!」
「楽しみですっ!」
「Pちゃま! 答えてくださいましっ!」
「こんな厳しい追及は骨身にこたえちゃいますね~、ふふっ……」
「さ、三人とも、ちょっと待ってくれ――!!」
――翌日――
ガチャ
卯月「おはようございます!」
美穂「あっ、卯月ちゃん! お、おはよう……!」ゼーハー
卯月「美穂ちゃん、どうしたの……? そんなに汗だくで……」
美穂「実は……、実はね……」
「うわ、プロデューサーどうしたんすか!?」
「か、身体が薄くなってますよ……!?」
「天使……サキエル……スゥウウウウ……
美穂「どうも今日はプロデューサーさん、昨日以上に浄化されやすい日みたいで……」
美穂「さっきから色んなアイドルに浄化されかかっているの」
卯月「ええっ!? た、大変じゃないですか!」
「さ、沙紀さん! ここは私がっ!」
「プロデューサーさんっ!」
美穂「朝から私と響子ちゃんとでなんとか食い止めてはいるんだけど……」
卯月「な、なるほど……」
「昨日のも含めて、時間停止ものは九割フェイクですよ!」
「!?」スッ
響子「はぁ……、なんとかなりました……」トボトボ
響子「あっ、卯月ちゃん……おはようございます……」
美穂「響子ちゃん。あとは私が交代するから休んでて?」
響子「ふあぁ……すみませーん……」グッタリ
「わ、我が友!? その身に何がっ!?」
「天使……堕天使だけど……天使……スゥウウウウ……
「任せて蘭子ちゃん! こういうときはね――!」
卯月「はい響子ちゃん! お水飲んでください!」
響子「あ、ありがとうございます……!」ンクンク
卯月「やっぱりプロデューサーさんのこと、他のみんなにも知らせておいたほうがいいのかな」
響子「そうですね……。でも年少組の子たちとか、みんながみんなヨゴレ系のことを言えるってわけでもないですし……」
卯月「た、確かに……」
「ぷ、プロデューサーさんっ!」
「私、最近後ろの穴でもイケるようになったんです!」
「!?」スッ
響子「とにかく、今は私たちが一番頑張らないと」
卯月「そ、そうですね! 頑張るのなら任せてください!」
美穂「た、ただいま……。ちゃんと引き戻してきたよ……」
卯月「美穂ちゃん。美穂ちゃんも休んでてください。あとは私が頑張ります」
美穂「うん、ごめんね……! お願いします……!」
卯月「はい!」
「うわっ、プロデューサー!? なんで消えかかってんの!?」
「……天使……純潔……ミカエル……スゥウウウウ……
「島村卯月、頑張ります!」
響子(卯月ちゃんにはああ言ったけど……)
美穂「――響子ちゃんも薄々感じてるよね」
響子「は、はい……。今日はなんだか、いつになく――」
美穂・響子「「は、波乱の予感……!」」
「プロデューサーさん!」
「歯ブラシは硬めのほうが私も気持ちいいですっ!」
「!?!?」スッ
――――――
――――
――
響子「……ど、どうでしょうか美穂ちゃん、卯月ちゃん」
美穂「うん。みんなお仕事やレッスンに行って、だいぶ人もはけてきたね」
卯月「プロデューサーさんを浄化しちゃいそうな人も、みんな直帰の予定ですし――とりあえず、ピークは過ぎたと見ていいんじゃないかな」
響子「ふぅ……。大変だったけど、なんとかなりましたね」
美穂「そうだね。私ひとりじゃ、多分途中で挫けてたと思うから……心強い二人がいてくれて良かったよ」
卯月「どんなことだって、私たち三人なら乗り越えられるんです!」
響子「そうですね! ピンクチェックスクール、ファイトー……」
「「「「おーっ!」」」
ガチャ
緒方智絵里「お、おはようございます」
「「「!!?」」」
智絵里「あ、三人とも、おはよう」
響子「あっ……ち、智絵里ちゃん……」ガクガク
美穂「だ、大天使……チエリエル……」ブルブル
卯月「さ、最強の――」ゴクリ
「「「浄化タイプ――!!」」」ガタガタガタ
智絵里「……?」
P「おー、智絵里。おはよう」
智絵里「プロデューサーさんっ。おはようございますっ♪」
P「なんだか機嫌良いな? いいことでもあったか?」
智絵里「あ、分かっちゃいますか? 大したことじゃないんですけど――」
智絵里「実は事務所に来る途中で、四つ葉のクローバーを見つけたんです」
P「それはラッキーだな。良かったら見せてくれないか」
智絵里「はい♪」
智絵里「――あっ、でも摘んできてはいないんです」
P「ん、そうなのか?」
智絵里「最初は持っていこうとも思ったんですけど――」
智絵里「でも、もう今の私は、素敵な仲間のみんなや、支えてくれるプロデューサーさんや――」
智絵里「そういう幸せって呼べるものをたくさん持っていますから。これ以上欲張ったらバチが当たっちゃいます」
智絵里「むしろこれからは、クローバーに頼るんじゃなくて――それを目標にしようって思ってるんです」
智絵里「道端で四つ葉のクローバーを見つけた時に感じる、小さな感動」
智絵里「幸運のお守りとしてのそれから分けてもらう、少しの勇気」
智絵里「大きくはないし、大そうなものとは言えないけど――だからこそ日常のちょっとした時に力をくれる存在」
智絵里「私はアイドルとして、ファンの皆さんにそういう幸せを届けられる存在になりたい」
智絵里「アイドルの経験や、仲間のみんなとの毎日を通して感じてきたいくつもの幸せをおすそ分けして――ファンの人たちの毎日が少しだけでも素敵なものになりますように」
智絵里「みんなの四つ葉のクローバーになれるよう、私、頑張りたいんです♪」
P「……尊い」
P「…………天使」
響子「!!」
智絵里「あ、でも写真は撮ったんですよ」
智絵里「ええと、ちょっと待ってくださいね……」ゴソゴソ
P「チエリエル……てんし……スゥウウウウ……
響子「――――!!」シュババババッ
響子(プロデューサーさん!)ミミウチ
響子(ヌいたあとすぐのお手洗いはよくないですよ――!)
P「響子!?」スッ
智絵里「あっ、ありましたっ!」
響子「」シュバッ!!
智絵里「これですっ。結構立派な葉ぶりですよね!」つスマホ
P「ん? お、おお、そうだな。なかなか見事だな……」
キョウコチャン、グッジョブ!
サスガフライパンオウ!
エヘヘ……!
P「そ、そうだ智絵里!」
P「この前撮影した分の雑誌がな、さっき届いたんだ。見てみるか?」
智絵里「わっ、ホントですか!」
P「――ええと、これだな」
P「智絵里たちのページはここからだ」ペラッ
智絵里「わ、わぁ……!」
智絵里「わ、私、こんなにおっきく載ってるんですね……!」
智絵里「ちょっと恥ずかしいです……///」
P「いやいや。よく撮れてるし、いい顔してる」
智絵里「えへへ……。一緒だったウサギさんたち、みんな可愛くて……」
智絵里「ついつい撮影だって忘れて夢中になっちゃったんです」
智絵里「この子、大人しかったなぁ……」ペラッ
智絵里「ふふっ。この子はちょっとやんちゃだったけど、寝ちゃった姿は可愛くって……」ペラッ
智絵里「プロデューサーさんは、どの写真が可愛いと思いますか?」
P「そうだなー……。どれも甲乙付け難いが……」
P「これがいいな。このウサギポーズの智絵里がひと際可愛いぞ!」
智絵里「ふぇっ!?」
智絵里「あ、あの……その……」
智絵里「ご、ごめんなさいっ。ウサギさんの話だったんですけど……///」
P「あ、そ、そうか……!」
P「そ、そうだな! ウサギだったら――」
智絵里「……ぴょーん、ぴょーんっ」
智絵里「う、うさちえりんだぴょんっ!」
P「!?」
智絵里「……か、かわいい、でしょうか?」
智絵里「な、なんてっ! ご、ごめんなさいっ!///」カァアア
P「………………尊い」
美穂「!!」
P「てんし……」
智絵里「あ、こっちは乃々ちゃんだ。リスくぼ可愛いなぁ……」ペラッ
P「チエリエル……ウサチエリエル……スゥウウウウ……
智絵里「こっちは拓海さん。か、カッコイイ……。それに、おっきい……!」ペラッ
美穂「――――!!」シュババババッ!!
美穂(プロデューサーさんっ!)ミミウチ
美穂(プロデューサーくんも種付けプレスが好きなんですよ!)
P「美穂!?」スッ
智絵里「あ、雑誌ありがとうございました。お返ししますね」スッ
P「ん? あ、ああ……」
美穂「」シュバッ!
ナイスデス、ミホチャン!
コレガヒノクニノチカラデスカ
エヘヘ……!
P「そ、そういえば天気! 今日のこれからの天気予報はどうなるのかな」
P「買い出しに行ってもらってるし、確認しておくかっ!」ピッ
TV<CMのあとは、いよいよ東豪寺チームとセクシーギルティが対決!
TV<果たしての勝負の行方はっ!?
P「えーと、ニュースでいいかな……って、これは」
P「お、この前撮ったブライダルのCMだぞ、智絵里」
智絵里「ええっ!?」
P「いやー、こうして改めて見ても似合ってるなぁ」
P「さすが智絵里だ!」
智絵里「え、えっとあの……あの……!」ワタワタ
智絵里「だ、だめですっ! 恥ずかしいですからっ!///」アセアセ
智絵里「は、はい! ニュースはこっちのチャンネルですよ!」ピッ
P「おっと。そんなに照れなくてもいいのに」
智絵里「は、恥ずかしいものは恥ずかしいんですっ」
智絵里「それに、どうせ見てもらうなら……本当の――」
智絵里「って、なんでもありませんっ! ごめんなさいっ!」
智絵里「あの、お茶! お茶、入れてきますからっ!」パタパタ
P「はっはっは! 智絵里は可愛いなぁ!」
P「ああ、まったく可愛いなぁ」
P「可愛い……」
P「可愛い……かわいい……智絵里……」
P「天使……」
卯月「!!」
P「てんし……チエリエル……スゥウウウウ……
卯月「ぷ、プロデューサーさんっ!」ダッ
卯月「床でするのは――」
智絵里「プロデューサーさん?」
卯月「あっ!?」
P「ちえ……り……とうと……スゥウウウウ……
智絵里「えっ、あの……」
智絵里「どうしたんですか……?」
智絵里「な、なんで……薄く……」
卯月「ち、智絵里ちゃん、これはその――」
智絵里「プロデューサーさんっ!」ダキッ
卯月「!!」
智絵里「だ、大丈夫ですか!? こ、これ何がどうなって……」
P「て…し……チ…リエ…スゥウウウウゥウウウウウ……
智絵里「だめですっ! 行かないでくださいっ!」
智絵里「プロデューサーさんっ!」ギュゥゥ
響子「いけないっ! 智絵里ちゃんを離してください!!」
響子「このままじゃプロデューサーさんが人でなくなってしまいますっ!」
卯月「ち、智絵里ちゃん! ごめんなさい、こっちに――!」
智絵里「えっ、あ、あのっ!?」
――――――
――――
――
智絵里「……じょ、浄化? プロデューサーさんが?」
卯月「はい」
卯月「智絵里ちゃんのその言葉、行動、存在。それらが放つ天使のような尊さで、プロデューサーさんは浄化されてしまうんです」
智絵里「そ、そんな……私の……せいで……」
卯月「智絵里ちゃんが悪いわけじゃありませんっ! 責めているわけでもないんです」
智絵里「でも……でも……」
智絵里「う、卯月ちゃん」
智絵里「何か、何か私にできることはないですか!?」
智絵里「何か力になれることは……」
卯月「智絵里ちゃん」
卯月「あなたはもう――」
卯月「何もしないで」
卯月「……ください」
智絵里「えっ……」
卯月「ごめんなさい……ごめんなさい智絵里ちゃん……」
卯月「こんなこと、私だって言いたくはないんです……」
卯月「でも、智絵里ちゃんの尊さは、かつてないほど強力なもの――あなたをプロデューサーさんとこれ以上接触させるのはリスクが高すぎます」
卯月「今は、美穂ちゃんと響子ちゃんとでなんとか食い止めてはいますけれど……それでもいつまでもつか……」
智絵里「食い止める……」
智絵里「でも、じゃあ方法は――ああなっちゃったプロデューサーさんを助ける方法自体は、あるんですよね?」
卯月「は、はい……。それはそうですけど――」
智絵里「教えてください!」
智絵里「お願いですっ! 卯月ちゃんっ!」
卯月「で、でも……」
智絵里「卯月ちゃん」
智絵里「聞いてください。私は」
智絵里「私は――」
――――――
――――
――
美穂「プロデューサーさんっ! 長さの平均なんて気にしなくていいんですよ!」
響子「プロデューサーさん! ちょっとずつ剥けるようにしていきましょう!」
P「て……し……ち……りえる……だいてん…………スゥウウウウ……
美穂「浄化の力が強すぎる……。これだけヨゴレ系を言っても止められないなんて……」
響子「もう一度! もう一度プロデューサーさんの性癖まわりからやり直しましょう!」
美穂「う、うん……」
響子(なぜ……。なぜ私たちを拒絶するんですか……プロデューサーさん……!)
智絵里「やらせてくださいっ!」
美穂「智絵里ちゃん!?」
響子「どうしてここに……」
智絵里「私にも、プロデューサーさんを助けさせてくださいっ!」
美穂「でも、それは……」
卯月「――やらせてあげてください」スタスタ
響子「卯月ちゃん……?」
美穂「どういうこと?」
卯月「それは――」
智絵里「美穂ちゃん」
智絵里「響子ちゃん」
智絵里「私は――」
智絵里「トイレで力んでいるプロデューサーさんを眺めるのが日課のアイドル、緒方智絵里ですっ!!」
ここはどこだ……
いや……いいんだもう……
もうなにもかも……どうでも……
「――――――さんっ!」
「プロデューサーさんっ!!」
これは……
この声は……
智絵里「プロデューサーさんっ!」
智絵里「行かないでください! 戻って来てください!」
智絵里「ここにいてくださいっ!」
「だめなんだ」
智絵里「プロデューサーさん!?」
「俺はもう、そこでは生きていけない」
「いいんだ」
「俺が爆死んでも、代わりはいるから」
智絵里「違います!」
「え?」
智絵里「プロデューサーさんはプロデューサーさんしかいません!」
智絵里「だからいま――助けます!」
――いま私の願いごとが
美穂「やめて智絵里ちゃん!」
美穂「キャラが戻らなくなる!」
――かなうならば
卯月「行ってください智絵里ちゃん!」
美穂「卯月ちゃん……?」
卯月「誰かのためじゃない!」
卯月「あなた自身の願いのためにっ!」
――翼がほしい
響子「人の域に留まっていた智絵里ちゃんが、本来の姿を取り戻していく……」
響子「人のかけたモラルを解いて――人を超えた雌に近い存在へと変わっていく」
響子「テントと膣と万物を紡ぎ、相補性の巨大なうねりの中で、自らをエクスタシーの凝縮体へと変身させているんです……」
――この背中に鳥のように
響子「純粋に自分の想いを伝える――それだけのために」
――白い翼
――つけてください
――この大空に翼をひろげ
智絵里「初めてのお仕事で褒めてもらった夜は、右手が止まりませんでしたっ!」
――飛んで行きたいよ
智絵里「一緒にうさぎカフェに行った後は、頑張ってプロデューサーさんのと同じ形のニンジンを探したんです!」
――悲しみのない自由な空へ
智絵里「でも新妻の寝取られものは控えてほしいですっ! やっぱり初夜はイチャラブで抜かずの三発が理想ですから!」
――翼はためかせ
――行きたい
P「ちえり……」
智絵里「――!!」
智絵里「プロデューサーさん! 戻って来てくれたんですね!」
P「ちえりの……ことば……」
智絵里「はい!」
P「あのちえりのくちから……あんな卑猥なことばが……でるなんて……」
P「うっ……!!」ビクッ
―― Freude―― Freude
智絵里「えっ!?」
―― Freude ―― Freude
P「ウォオオオオオオオオオオオ――――!!」ビクビクビクビクッ
P「ああああああああああああ――!!!!」ビクビクビクビク
―― Freude, schöner Götterfunken,
―― Tochter aus Elysium,
卯月「一体何が……」
卯月「まさか、暴走!?」
響子「違います……これは覚醒……!」
美穂「ぷ、プロデューサーさんのえんとりーぷらぐ……!」チラチラ
――Wir betreten feuertrunken,
――Himmlische, dein Heiligtum
響子「……まさか大天使の智絵里ちゃんが第一のオカズに落とされるなんて」
卯月「きょ、響子ちゃん! どういうことなの!?」
響子「――私たちが浴びせ続けたヨゴレ系の言葉が相殺されきれず、プロデューサーさんの中で生きていたんです」
美穂(男の人って……ああなるんだ……///)チラチラ
―― Deine Zauber binden wieder, was die Mode streng geteilt;
―― alle Menshen werden Brüder, wo dein sanfter Flügel weilt.
響子「それが、さっきの智絵里ちゃんの発言をトリガーにして、一気に発露した……」
響子「プロデューサーさんの……新しい性癖の扉が開く……」
―― Deine Zauber binden wieder, was die Mode streng geteilt;
―― alle Menshen werden Brüder, wo dein sanfter Flügel weilt.
智絵里「プロデューサーさんっ!」
智絵里「落ち着いて! 落ち着いてください!」
智絵里「ほ、ほら、私を見て――」
P「ああああああああああ――!!」カチャカチャジー
P「あひぃいいいいいいいい」シュッシュッシュッシュ
智絵里「操作系がっ!?」
―― Wem grosse Wurf gelungen,Eines Freundes Freund zu sein,
―― Wer ein holdes Weib errungen,Mische seinen Jubel ein!
響子「普段の放出量を超えている……」
響子「このままじゃプロデューサーさんが昇天しちゃいますっ!」
卯月「そ、そんなっ!」
美穂「///」プシュー
―― Ja, wer auch nur eine Seele
―― sein nennt auf dem Erdenrund!
―― Und wers nie gekonnt, der
―― stehle weinend sich aus diesem Bund.
智絵里「プロデューサーさん……」
智絵里「私の……私のせいなんですか……」
P「あああ……あがが……あが……」ビクビクビクビク
―― Ja, wer auch nur eine Seele
―― sein nennt auf dem Erdenrund!
―― Und wers nie gekonnt, der
―― stehle weinend sich aus diesem Bund.
智絵里「私……どうしたら……」
ヴーヴー
智絵里「メール? こんな時に……」
智絵里「――これって!?」
P「あ……ああ……」ピクピク
P「ちえ……り……」ピクピク
智絵里「――プロデューサーさん」ギュッ
P「ちえり……ちえ……り……」
智絵里「希望が消えても――願いと呪いはこの世界に残る」
智絵里「遺志は情報として世界を伝い――変えていく」
P「……ち、えり……?」
智絵里「ごめんなさい」
智絵里「これはあなたが望む幸せじゃなかったですよね」
智絵里「性癖の扉は私が閉じます。安心してください」
P「なにを……いって……」
智絵里「そんな顔、しないでください」
智絵里「また会えますよ。プロデューサーさん」
P「ちえ――」
智絵里「『――プロデューサーさん』」
―― It all returns to nothing,
智絵里「『ただいま、まったりのんびりぽかぽか温泉ガシャ開催中です!』」
智絵里「『ぜひこのチャンスに限定アイドルをゲットしてくださいね!』」
P「ぎゃぁああああああああああああああああ――――――!!」
―― it all comes tumbling down, tumbling down, tumbling down …………
――――――――――
――――――――
――――――
――――
――
愛野渚「ん? 薫ちゃん、何見てるの?」
龍崎薫「あれだよ! みてみて、渚お姉ちゃん!」
薫「あっちのほう、光がぶわーってしてるの。きれいだなー」
渚「ホントだ。なんだか十字架みたい」
渚「……でも、あっちって事務所がある方向だったような」
薫「事務所で何か、あったのかな?」
渚「まあ、うちには芳乃ちゃんとかこずえちゃんとか、超常現象には事欠かないメンバーが揃ってるしね」
渚「そんなことより薫ちゃん。買い出し済んだから、何か好きなお菓子買っていいってさ」
薫「ホントー!? やったぁ!」
渚「買い出しを手伝ったご褒美だって」
渚「ですよね――」
渚「ちひろさん」
千川ちひろ「ん?」
ちひろ「ええ、はい。二人がいてくれて今日は助かりましたから。特別です♪」
ちひろ「あっ、でもあまり高いものはダメですよ?」
薫「何がいいかなー! みんなが喜んでくれるものがいいなー!」ウキウキ
渚「ちひろさん、ずいぶん笑顔でメールしてましたけど――」
渚「もしかして、カレシとか?」
ちひろ「ふふっ、違いますよ」
ちひろ「プロデューサーさんのために、ちょっと必要事項を伝えていただけです」
渚「いやいや。あながち間違ってもいないんじゃないですか?」
渚「実際、プロデューサーとはそれなりの付き合いなわけですし……」ニヤニヤ
薫「ええー!? せんせぇと!?」
薫「むぅ……そうなの……?」
ちひろ「もう、渚ちゃんったら……」
ちひろ「大丈夫ですよ薫ちゃん」
―― In my heart of hearts
―― I know that I called never love again
―― I've lost everything
―― everything
ちひろ「期待されても、心配しなくても――プロデューサーさんとは良き仕事仲間です」
ちひろ「だってプロデューサーさんは、アイドルみんなのプロデューサーですし」
ちひろ「そして私は――」
ちひろ「あくまで、アシスタントですから♪」
―― Everything that matters to me, matters in this world
終
おまけ
P(つ、疲れた……)
P(おかしいぞ。なんだこの疲労感……)
P(いや、肉体のほうはちひろさんが置いといてくれたドリンクで回復したからいいんだが……なぜか精神まですり減ってる気がするんだよな)
P(そもそも今日の記憶自体、なぜか曖昧だ)
P(気づいたらソファで寝てたし……何があったんだ……?)
「――――――さん」
P(そういえば、寝てる間にものすごい夢を見た気がするんだが……駄目だ、思い出せん……)
「――――――さん?」
P(それに起きた時、上半身が寝汗でぐっしょりだったのに、下半身はなぜかスッキリしてたんだよな)
「――――サーさんっ」
P(っていうかこれ、ズボンもパンツ新品じゃないか?)
P(でも、着替えた記憶なんてまったくないし……)
「プロデューサーさんっ!」
P「うおっ!?」
P「お、おお、どうした、まゆ」
佐久間まゆ「いえ……、女子寮に着きましたよ、と……」
P「お、おお! そ、そうだったか……!」
まゆ「……ごめんなさい」
まゆ「やっぱり、お仕事でお疲れのプロデューサーさんに送ってもらおうだなんて、ご迷惑でしたよね」
P「いやいや気にするな! そもそもこんな時間じゃ物騒だって、言い出したのは俺なんだから」
P「こっちこそ悪かったな……。大切なアイドル乗っけといて、ボーっと運転してたなんて……」
まゆ「そ、そんな! そんなことないですよ! まゆ、とっても嬉しくて、それで……」
まゆ「――そうだ。良ければこのまま、まゆのお部屋に来ていただけませんか?」
まゆ「今日のお仕事はもうないんですし、ちょっと休憩して――なんでしたら、そのまま泊まっていただいても構いませんよぉ」
P「だめだめ。そんなの女子寮に上がりこんだ時点で、世間的にも事務所的にもアウトに決まってるだろ。一発でスキャンダルだ」
P「特にまゆは今や注目集まる人気アイドルなんだぞ」
P「アイドルとして、いつどこで何を見られてるか分からないんだから。脅かすわけじゃないが、用心しないと」
まゆ「それは、そうですけど……でも……」
P「お前たちはまだまだこれから、もっと活躍できるんだ」
P「丁度今だって、ディレクターさんと話して、まゆやウチのアイドルを出させてもらえる番組を企画中なんだぞ」
まゆ「本当ですか!」
まゆ「うふふ。嬉しいです♪」
P「そうだろうそうだろう!」ウンウン
まゆ「楽しみ、ですね。みんなと一緒に……うふふ♪」
P「……まゆはさ」
P「最近、いい笑顔で笑うようになったよな」
P「出会ったばかりの頃だって光るものは当然あったけど……、最近はそれが輪をかけて、より磨きがかかった感じだ」
P「なんて言うか――まゆ自身も楽しんでるのが伝わってくるよ」
まゆ「そうですか?」
まゆ「――うふふ。そうですね」
まゆ「そんな風になれたのは、きっとみんなのおかげです」
まゆ「プロダクションの皆さん――仲間のみんなと出会えたから」
まゆ「プロデューサーさんにスカウトされて、アイドル業をって心に決めて――その決断を後悔したことはありません」
まゆ「でもあの頃の自分は、単身でこちらに移ってきて、身の回りもガラッと変わったことで――やっぱり、心のどこかで、寂しくて不安を感じていたんだと思います」
まゆ「だから、私の周りにたくさんの優しい仲間が居てくれるって分かって、良かったなぁって……」
まゆ「プロデューサーさんとの出会いが運命だとすれば――彼女たちのとの出会いもまた運命、なんでしょうね」
まゆ「あっ、でもみんなには内緒ですよ?」
まゆ「こんなこと、加蓮ちゃんなんて絶対からかってくると思いますし……、李衣菜ちゃんならロックだねって、言ってくれるかなぁ」
P「まゆ……」
まゆ「当然、プロデューサーさんだって、そんな大切なみんなのひとりです」
まゆ「ですから――まゆのお部屋で、とはもう言いませんけれど――お休みすることも大事にしてください」
まゆ「プロデューサーさんは、みんなにとってかけがえのない存在。だからこそ、時にはお仕事から離れることだって必要ですよ?」
P「ははは……。耳が痛いなぁ……」
P「でもこれはさ、ある種、職業病みたいなもんでな――」
P「たまの休みの日とかでもさ――みんなのプロデュースのことを考えちゃうんだよ」
P「次はこういう仕事はどうかとか、こんな一面だって活かせるんじゃないかとか……」
P「それにまゆも言ってたように、他のアイドルとの出会いでも――お前たちはお互いに響き合って、磨かれて――」
P「色んな輝き方やその可能性を見せてくれるからな」
P「アイドルのプロデューサーとして、そうやって成長していくみんなの姿を一番早く、一番近くで見続けていきたい」
P「一緒にその軌跡を追い続けたくて仕方がない」
P「俺はお前たちの魅力に、すっかり射抜かれてるのさ」
まゆ「…………」
P「な、なんて! なんかクサイこと言ってるよなー!」
P「こんなことで引き留めて悪かった。まゆは明日はオフだしゆっくり休んでくれ――」
P「……ま、まゆ?」
まゆ「……Pさん」
まゆ「ああ……Pさん……Pさぁん……」
まゆ「うふふ……スゥウウウウ……
P「!?」
P(な、なんだ!?)
P(まゆの身体、だんだん薄くなって……)
P(消えていってる!?)
P「お、おいまゆ! しっかりしろ!」
まゆ「Pさん……ぴぃさぁん……スゥウウウウ……
P(だめだッ! どんどん姿が消えていってるぞッ!)
P(こ、こういう時は……)
P(なんだっけ……確か、そう……)
P(ヨゴレ系のことを言えば――!!)
P「ま、まゆ――!」
P「オナ禁明けの一発目はいつもお前でヌイてるぞっ!!」
カチッ ピー
ロクオンヲ カンリョウシマシタ
P「……えっ」
まゆ「――うふふ」
まゆ「駄目じゃないですか、プロデューサーさん」
まゆ「プロデューサーさんは今や注目集まる人気アイドル――そのプロデューサーなんですよ?」
まゆ「アイドルに携わる人として、いつどこで何を聞かれているか分からないんですから」
P「ま、まゆ――」
まゆ「脅すわけじゃあ、ないですけど」
まゆ「用心しないと、ね?」
P「あ、あのな……」
まゆ「あ、誤解しないでくださいね」
まゆ「まゆ自身はとっても嬉しいんですよ?」
まゆ「プロデューサーさんの気持ちを聞けて、天にも昇る気持ちなんです」
まゆ「背中に羽根が生えたように、身体も心も軽やかで――今にもパタパタ飛んでいきそう……!」
まゆ「でも、まゆ的には良くても……事務所的にはどうでしょう?」
まゆ「世間的には、どうでしょう」
まゆ「どうなっちゃうんでしょうか?」
まゆ「誤解されないといいですねぇ?」
P「ま、まゆ……あの……」
まゆ「うふふ」
まゆ「これからまゆのお部屋で休憩しませんか」
まゆ「――なんて、もう言いませんよぉ」
まゆ「そんなこと言いません」
まゆ「まゆは」
P「」ダラダラダラ
――――――
――――
――
チュンチュン
チュンチュン
「」ピクッ……ピクッ……
まゆ「はぁ……///」
まゆ「すごかったです……あんなになんども……」
まゆ「すっかりあなたに射抜かれて――」
まゆ「まゆ、汚されちゃいましたぁ……💛」
了
久しぶりにスレ立てたらエラーやら規制やらでたいへんだった(小並感)
第九部分は書式の保存の問題で実際とは違うかも
その他、誤字脱字、冗漫な長さはごめんなさい
読んでくれてありがとう
>>34 修正
桃華「この前――我が家のお庭で、アルバム収録の打ち上げをしましたでしょう?」
響子「はい。ガーデンキッチンとか、キャンプファイヤーとか……楽しかったですよね♪」
桃華「あの時の、響子さんがテキパキと色々なお料理を作っていく様子に、わたくし感動したんですの」
響子「ええっ!? か、感動だなんて……大げさだよー///」テレテレ
桃華「あら、謙遜なさらないで」
桃華「あのガーデンキッチンも並べられていた食材も、わたくしにとっては見慣れたものでしたけれど――それらが響子さんの手で次々とお料理へ変わっていく様は素晴らしいものでした」
響子「あ、あはは/// あ、ありがとうございます……!」
桃華「メイド服姿はとても様になっていましたけれど――」
桃華「手際のよさ、細やかな気配り――服装だけでなくその立ち居振る舞いまで、櫻井家のメイドと遜色ないものでしたわ」
桃華「わたくしのほうからもお聞きしたいです。響子さんのあのような所作や――何よりそのまごころはどのようにして育まれたのか」
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