【きんモザ】忍「私って……鬼畜なんですか?」アリス「シノ!?」 (22)

アリス「そ、そんなことないよ! シノはわたしの天使だよっ」

忍「ア、アリス……アリスも私の天使ですよ」

アリス「シノ」

忍「アリス」

カレン「2人とも何の話してるデス?」

綾「ょ、ょぅこは私の……ゴニョ」

陽子「え、何だって?」

綾「な、何でもないわよ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1528600972

~~
女子A「大宮さんってちょっと鬼畜だよね」

女子B「あ、わかる。特にアリスちゃんに対して鬼畜なときがあるよね」

女子A「悪気はないっぽいんだけどねー」

女子B「だねー」
~~

忍「という会話を廊下で聞いてしまいまして……」

アリス「ひ、ひどい! シノの陰口を言うなんて! 何組の子なの!?」

陽子「落ち着けアリス! 別に陰口ってほどでもないだろ」

カレン「そうデスよ。女の子はおしゃべり好きなのデス~」

綾「そうね。みんな裏ではいろいろ言ってたりするものよ」

綾(はっ……ということは皆も陰では私のことを)


~~
忍「綾ちゃんって面倒くさくて正直うざいですね」

アリス「アヤってわたしより胸がなくてぺったんこだよー」

陽子「私綾よりしののことが好きなんだー。ごめんな、綾」

カレン「アヤヤはガチデース」
~~

綾「いや……やめてぇぇ! 私の悪口を言わないでぇぇ!」

陽子「いきなりどうした!?」

忍「うう……」

アリス「大丈夫、シノ?」

陽子「まああれだよ。人の口にはなんちゃらって言うじゃん」

綾「戸は立てられぬ、ね」

カレン「どういう意味デス?」

綾「世間の人の口をむりやり閉じることはできないってこと。良いうわさも悪いうわさも止めるのは難しいの」

カレン「ナルホドー。じゃあ、そんなの気にしなければいいんデスよ」

陽子「まあ、カレンは人の言うことなんて気にしなそうだよなー」

綾「カレンのそういう性格はちょっと羨ましいわ」

カレン「シノも人の言うことなんて気にシナイ気にシナイ! 自分目線最優先で!」

忍「カレン。ですが……牛さんや豚さん扱いされるのって、ちょっとひどくないですか?」

カレン「牛さんと豚さん? What?」

アリス「どういう意味?」

忍「鬼畜ってお肉になる牛さんや豚さんのことですよね?」

綾「ってそれは家畜だから!」

陽子「え! 鬼畜って家畜のことじゃないの?」

アリス「それは違うよ~」


【鬼畜(きちく)】
 鬼や畜生(ケダモノ)。無慈悲で恥知らずな者のたとえ。(綾辞苑より)


綾「ようするに鬼畜っていうのは人の心を踏みにじるひどい人っていう意味ね」

カレン「まさに鬼のようなニンゲンってことデスね」

陽子「へー、ちょっと勉強になったな」

アリス「みんな納得してる場合じゃないよ! シノがっ……」

忍「うぅ……私そんなひどい人間じゃないです……」ポロポロ

アリス「泣かないでシノ……そんなに泣いたらわたしまで……うぅ」ポロポロ

陽子「おいおい、2人とも泣くなよー」サスサス

綾「そうよ。そんなに気にしなくても……」

忍「陽子ちゃん、綾ちゃん。私って、鬼畜じゃないですよね?」

陽子「……」

綾「……」

陽子(いやまあ、別に鬼畜ってほどじゃないんだが……)

綾(ちょっと『ええ……』って思うことはたまにあるのよね……)

陽子(でもだいたいアリスに対してなんだよな……)

綾(愛情の裏返しなのかしら……)

忍「なんですかこの沈黙は……?」

カレン「なるほど、事情は聞かせてもらったデス!」

アリス「カレン?」

カレン「ここはカレンにおまかせあれ!」

(翌日)

アリス「よかった……なんとか学校に間に合ったよ」

忍「すみません、私が寝坊をしたばっかりに」

――物陰

カレン「陰からこっそり様子を見て、本当にシノが鬼畜なのか確かめるデス」

綾「なるほど、それは名案ね」

陽子「この展開デジャブだなあ」

アリス「あっ……消しゴム持って来るの忘れちゃった」

忍「私、余りがあるので貸しましょうか?」

アリス「シノありがとう、助かるよ」

忍「アリスは小さいので小さい方が使いやすいですよね」ゴソゴソ

忍「どうぞ」つ消しゴム(ほぼカス)

アリス「もうシノ、ちっちゃすぎて使いづらいよー」

忍「昨日お姉ちゃんからキャラメルをもらいまして」

アリス「え、そうなの? わたしはもらってないけど」

忍「北海道旅行に行った友達からのお土産だそうでして、1個しかないんです。アリス、よかったらどうですか?」

アリス「え、でも悪いよ。せっかくイサミがシノにくれたのに」

忍「いいんですよ。私はアリスが喜ぶ顔が見れればそれで満足です」

アリス「シノ……。じゃあお言葉に甘えて、もらっちゃおうかな」

忍「どうぞどうぞ」

アリス「今食べてみてもいい?」

忍「構いませんよ」

アリス「あんっ」モニュモニュ

忍「ご当地名物で、ちょっと変わった味がするそうです。名前は……」

アリス「……ん”っ!?」

忍「じんぎすかんキャラメルだったような」

アリス「そ……れを……先に言っ……てよぉ……」バタッ

忍「アリス!? どうしたんですかアリス! しっかりしてください!」

――物陰

カレン「Oh…」

陽子「Oh…」

綾「Oh…」


(審議中)

カレン「ジンギスカンキャラメルを無防備で食べさせるなんて……これは鬼畜の所業デス……」

陽子「右に同じ。消しゴムのカス渡すのも普通に鬼畜だな……」

綾「で、でも、しのに悪気はない……はずよね」

カレン「私、たまにシノの目が怖くなることがあるのデス……」

陽子「ちょっと分かる。付き合い長いけど、しのって何考えてるのかよくわからないんだよな……」

綾(たいへん。このままじゃ、しのの悪口大会になっちゃう。イジメはいけないわ。何とかしなきゃ!)

綾「まだ結論を出すのは早いわ。アリス以外の人達との関係を見た方がいいと思うの」

――職員室

忍「烏丸先生、英語の課題終わりました」

烏丸「よくできましたね。大宮さん、偉いですよ」

忍「先生……。ありがとうございます」

烏丸「これからも一緒に頑張りましょうね」

忍「はい!」


忍「それでは失礼します。先生、さようなら」


烏丸「はい、また明日ね~」

久世橋「……。先生。その課題って、赤点を取った生徒の救済用ですよね」

烏丸「そうですよ~」

久世橋「まず赤点を取らないよう指導するのも、私は大事だと思いますが……」

烏丸「大宮さんも大宮さんなりに頑張っているんです」

烏丸「赤点を取った生徒のこともしっかりフォローしてあげることが、教師として大事だと思いますよ」

久世橋「烏丸先生……(教師の鑑です!)」ジワァ

――物陰

綾「普通の接し方だったわね」

カレン「ふむ。鬼畜要素は見当たりマセン」

陽子「ていうか、また赤点だったのか……」

カレン「アリスとカラスマ先生で何でこんなに変わるんデショウ? 好感度の違い?」

陽子「しのはからすちゃんのこと憧れてるし好感度は高いと思うけど」

綾「やっぱり先生だし、年上だから変わるのかしら?」

カレン「では、次はアリス以外の同級生との――」

久世橋「九条さん」ザッ

カレン「クゼハシ先生!?」

久世橋「家庭科の課題、九条さんだけ未提出なのですが」

カレン「課題? あっ、忘れてマシタ~。また今度ちゃんと提出するので今日のところは」

久世橋「提出期限は今日なんですが?」

カレン「Oh…」

久世橋「今から家庭科室で仕上げましょう。私も付き合いますから」ズルズル

カレン「Nooo!! 私には大事なミッションが~! クゼハシ先生は鬼畜女教師デス!」

久世橋「な、誰が鬼畜ですか!」


綾「連れていかれちゃったわね」

陽子「まったくカレンは人のこと言えないな。でもクッシーちゃんってカレンには特に厳しいような」

忍「私はこの雑誌がお気に入りでして」

穂乃花「わぁ~、綺麗な金髪だね」

忍「世界の金髪少女全集。なんという目の保養……すばらしいです」ウットリ

穂乃花「あ、この金髪……カレンちゃんの髪に似てる。カレンちゃん、こんな髪形も似合いそうだよ~」キラキラ

香奈「また金髪眺めてるの?」

穂乃花「あ、香奈ちゃん」

忍「香奈ちゃん、ちょうどよかったです」

忍「この前借りていたまじょっ子金髪少女のフィギュア、返そうと思って。すみません、ずいぶん長く借りてしまって」スッ

香奈「あ、うん。いいよ全然。も、もともと妹のためって思って買っただけだし別に!」ニコッ

穂乃花「香奈ちゃん本音が隠せてないよ~」

忍「貸してくれたお礼といってはなんですが」ゴソ

香奈「え、これDVD?」

忍「この前カレンと一緒にレンタルのお店にいったとき、パッケージが可愛かったので思わず借りてきたんです」

穂乃花「ほんとだ、可愛い絵柄だね。子供向けアニメかな」

忍「魔法少女になった中学生の女の子達が戦うお話らしくて」

香奈「魔法少女……へぇ」

忍「香奈ちゃん、魔法少女好きなのでよかったら見てみてください。きっと面白いと思いますよ」

香奈「ありがとう忍ちゃん。帰ったら妹と一緒に見てみるよ」ニコッ

――物陰

綾「平和ね」

陽子「ほんわかした光景だなあ」

綾「やっぱりしのが鬼畜になるのはアリスに対してだけなのかしら?」

陽子「だけかはわからないけど、それだけアリスが特別ってことじゃないかな」

綾「特別って?」

陽子「んー、何ていうか……好きな子にはいたずらしたくなるような? しのは無意識っぽいけど」

綾「え、す、好きな……」

陽子「ま、私に対する綾のツンデレみたいな感じかな!」

綾「え、な、何言ってぇ~~~」//////

綾「もーバカバカバカ! 変なこと言わないで~!」

陽子「わ、ちょっ、痛い痛い~」ハハハ

忍「二人とも、テニス頑張ってくださいね」

穂乃花「うん、またね忍ちゃん」

香奈「また明日」


アリス「シノー」

忍「アリス、もう保健室で寝てなくても大丈夫なんですか?」

アリス「うん、もう大丈夫だよ。そろそろ帰ろうか、みんなは?」

陽子「おいっすー」

綾「ここよ」

忍「陽子ちゃん、綾ちゃん」

カレン「ふう……やっと解放されたデス。シノ! アリス!」

忍「カレン」

忍「今日はみんなとあまりお話できなくて寂しかったです。アリスとはいっぱいお話できましたが」

アリス「え、シノ? わたしとのお話だけじゃ満足できないの?」

忍「いえ、そういうわけでは」

アリス「わたしはシノと学校でもいっぱい話せて楽しかったよ」

忍「はい、私も楽しかったですっ」


陽子「何ていうか……しのはちょっとアレなところがあってもやっぱり優しいんだよな」

忍「陽子ちゃん?」

綾「しの。人からどう思われようと、みんなで仲良く過ごせるならそれでいいんじゃないかしら」

忍「綾ちゃん」

カレン「シノはありのままが一番デース! 多少アレでもノープロブレム!」

忍「カレン……」

カレン(実はたまにアリスも鬼畜キャラになってることは内緒デス)

アリス「一緒に帰ろう、シノ」ニコッ

忍「アリス……」

忍「みんな、これからもよろしくお願いしますっ」ニコッ

(翌日)

穂乃花「香奈ちゃん、おはよう」

香奈「あ、おはよう……穂乃花」

穂乃花「眠そうだね。どうしたの?」

香奈「ちょっと遅くまでDVD見てて……」

穂乃花「あ、昨日忍ちゃんから借りた魔法少女の? どうだった?」

香奈「……」

穂乃花「香奈ちゃん?」

香奈「ねえ穂乃花。魔法少女って……幸せになったらいけないのかな」

穂乃花(香奈ちゃんが何かを悟ったような顔をしてる……)

「あ、こけし先輩だー」

「こけし先輩おはようございまーす」

忍「!」


忍「というふうに挨拶されたのですが。私って……そんなにこけしみたいですか?」

アリス「そうだよ。シノはこけしだよ」

カレン「YES!」

陽子「うん」

綾「そうね」

忍「全員一致!?」


                                         (おしまい)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom