果南「内浦がゾンビだらけに・・・」 (264)
前作
千歌「内浦がゾンビだらけに・・・」
関連
真姫「音ノ木がゾンビだらけに・・・」
ことり「音ノ木がゾンビだらけに・・・」
真姫「この荒廃した世界で」
ことり「この荒廃した世界で」
真姫「音ノ木がゾンビだらけに・・・」 Another Episode
タッタッタッタッ
千歌「ひぇぇ・・・待ってぇ・・・」
曜「置いてっちゃうよ~」
へたっ・・・へたっ・・・
花丸「善子ちゃん大丈夫?」
善子「この体は仮のからだ・・・こんなことで・・・ガクッ」
トッ・・・トッ・・・
ルビィ「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」
梨子「ルビ、、ちゃ・・・待っ・・・!」
ことり「おはよー。みんな頑張ってる?」
千歌「あっ!ことりさん!」
「おはようございます!」
ワイワイ ガヤガヤ
果南「うふふ・・・」
真姫「みんなすっかり馴染めてきたみたいね」
果南「はい。みんな優しくしてくれるから」
果南「本当に・・・助けてくれてありがとうございます。真姫さん」
真姫「ううん。こっちも大助かりよ」
真姫「こんなご時世で生きてる人はもうほとんど・・・」
真姫「貴方達を助けられてよかったって本当に思ってるわ」
果南「はい・・・・・・」
果南「・・・・・・」
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曜「あのさ、果南ちゃん・・・」
果南「んんー?」
曜「あの、ね・・・私は隠し事とか苦手だから言うね!」
曜「あの、鞠莉ちゃんがさ・・・」
果南「鞠莉?鞠莉を見つけたの!?」
曜「うん、一人で陸に降りた時、学校まで行ってさ・・・」
果南「鞠莉はどうしてた!?」
曜「その・・・」
果南「・・・?」
曜「し、死んでた!」
果南「・・・は?」
曜「胸に銃創・・・ゾンビに噛まれた感じじゃなかった」
曜「果南ちゃん・・・鞠莉ちゃんと仲良かったからショック受けると思ったけど・・・伝えたほうがいいかなって」
果南「銃創・・・誰かに、誰か生きてる人に撃たれた・・・ってこと・・・?」
果南「鞠莉は・・・人に殺された・・・?」
曜「・・・そうとしか・・・」
jfm2くぁお2うぃんgq@0い
真姫「果南?」
果南「あっ・・・すみません」
真姫「リハビリ、続けるわよ、大丈夫?」
果南「はい・・・」
超ヤマト戦艦
曜によるとあの伝説の伝説の、、伝説・・・の?戦艦だとか
大きさは・・・東京ドーム何個分とか分からないけど、とにかくめちゃくちゃ広い!
その伝説の戦艦にさらに、千歌の言う伝説のμ'sが乗船してるからやばーい!んだって
ってまぁ・・・あの日、私たちはこの船に救われた
私が怪我をして、曜が船から降りちゃって・・・やばーい状況になっちゃって
そんな時に来てくれたのがこの超ヤマト戦艦
行き場を失った私たちを快く歓迎してくれたんだ
この船はすごい!
食べ物飲み物に寝床に武器。もちろん物資は定期的に補給しているみたいだけど、なんでもあるんだ
ここに住まわせてもらっている代わりに、私たちは訓練に励んでいる
私たちは戦わなくちゃいけないみたいなんだ
ことり「撃ち方始め!」
パァンパァン!!ダァンダァン!!
ことり「千歌ちゃんもっと脇を締めて!」
ことり「花丸ちゃんはちゃんと肘を伸ばす!ヘタれたら顔に反動が来ちゃうよ!」
花丸「ずらっ!」パンパン!
ことり「うん!良くなってる!」
ことり「はいやめ!」
曜「ふぅ・・・」
ことり「みんな結構慣れてきたかな?」
千歌「あはは・・・まだ銃を握ったら手が震えちゃうかな・・・」
ことり「そうだね。千歌ちゃんは連射していくうちに照準が大きくズレて来ちゃってるみたいだね」
ことり「こんなのも慣れだよ。もっと落ち着いて、銃は自分や仲間を守るために使うんだよ」
ルビィ「ひぃっ!善子ちゃん銃をクルクルするのやめて!」
善子「安全装置掛けてるから平気よ」
ことり「もう・・・善子ちゃん?銃はおもちゃじゃないんだよ?」
善子「ククク・・・安心なさいことりさん。このヨハネに銃を持たせれば我の前に立つものはいないわ!」
ことり「あっ、でも曜ちゃんのほうが成績はいいみたい」
善子「うそっ!」
曜「ホント!?やったー!」
果南「楽しそうだな~」
真姫「そんな楽しむことじゃないはずなんだけどね」
真姫「それで?足の調子はどう?」
果南「う~ん・・・まだちょっと痛みます」
真姫「・・・寂しい?」
果南「あはは・・・確かに、なんだか置いて行かれちゃってる気がします」
アッ、カナンチャーン! オーイ!
果南「あっ!おーい!」フリフリ
真姫「あなたならすぐ追いつけるんじゃない?」
真姫「みんなの、お姉さんなんでしょ?」
果南「うん・・・みんな私を頼ってくれてるから・・・」
果南「こんな足、すぐに治さないとね」
真姫「ええ・・・」
医療係「あっ、果南ちゃん!今日も精が出るねぇ~」
果南「あっ、しゅかちゃん」
医療係「私も昔やっちゃったことあるけど、食べて寝てたら治ったからきっと大丈夫だよ!」
果南「あ、あはは・・・そう、だね」
医療係「真姫さんはちゃんとお薬飲んでますか?」
真姫「ええ。あれがないと夜とかキツイのよね、ありがとうしゅかちゃん」
果南「・・・・・・」
医療係「真姫さんそろそろ集会の時間です!」
真姫「そうね。果南、車いす押してくれる?」
果南「・・・はい!これもリハビリのうち!」
超ヤマト戦艦内部 集会場
真姫「みんな!集まったわね」
「「「はい!」」」
真姫「今日は改めて、私たちの理念と敵についておさらいをしましょう」
真姫「私たちは平和と正義のために戦っている」
真姫「さぁ!この平和だった日本を地獄の国にしたのは誰!?」
「「「親鳥製薬!」」」
真姫「そう!親鳥製薬!奴らがゾンビウイルスをばら撒きみなを殺した!」
真姫「ここにいることりの母!私も研究者の一人だった」
真姫「彼女は間違いを犯した!金のために日本を捨てた!」
真姫「私はこの国の平和のために戦った!代償は大きかった!私の足に、仲間を何人も失った!」
真姫「さあ!この悪の根源を倒し!この国に平和をもたらすのは誰!!?」
「「「私たち!!ヤマト隊!!」」」
真姫「ええ!!私たちが奴らを倒し!!自由と平和を手に入れる!!」
真姫「家族は!!?家は!!?友達は!!?日本の自由のために戦うのは誰!!?」
「「「ヤマト隊!!」」」
真姫「私は誓う!!仲間のために!!みんなのためにこの身を捧げつくすことを!!」
真姫「日本と!!世界と!!平和のために!!!」
「「「日本と!!世界と!!平和のために!!!」」」
・・・
超ヤマト戦艦内部 食堂
千歌「かっこよかったなぁ・・・真姫さん♪」
曜「うんうん!船長さんであり、ヤマト隊隊長であり! もぉ~~かっこよすぎ!」
千歌「果南ちゃんいいな~、リハビリ中は真姫さんが付きっきりで見てくれるんでしょ?」
果南「うん、優しいしかっこいいし・・・すごい人だよね、真姫さん」
千歌「すごいに決まってるよ!だって、あのμ'sにも所属してたんだもん!すごくないわけがない!」
真姫「もぅ・・・そんなに褒めてないでよ恥ずかしい」
西木野真姫さん
この超ヤマト戦艦の、いわゆる総支配人
そんな真姫さんは、昔はスクールアイドルだった
流行りオンチな私だってスクールアイドルくらい聞いたことがある
今や日本中の女子高生が目指すスクールアイドルの祭典、ラブライブ!の第二回優勝チーム
そして、なんと二十歳にして誰もが知る製薬会社、親鳥製薬の上級幹部になり世間様を大変騒がせた人
彼女と親鳥製薬は、このゾンビウイルスが原因で分裂した
金のためにウイルスを使いだした親鳥製薬をいち早く見限って、すぐに戦いの準備を始めた
真姫さんの右足は・・・先の戦いで負傷し、もう動くことはないらしい
それでも真姫さんは何一つ諦めていない。・・・真姫さんを見てたら、私のこんな小さな怪我、バカバカしく感じちゃうね
私たちはこの人の戦力になる。そう、日本と、世界と、平和のために
ことり「・・・♪♪」ジーッ
真姫「っ・・・何よ」
ことり「顔がにやけてる・・・♪」
真姫「見ないで!」
南ことりさん
真姫さんと同じスクールアイドルに所属していたすっごくかわいい人
でもかわいさの反面、戦いの技術にとても長けている
格闘技、関節術、銃の扱い、等々・・・
そして、今回の事件の黒幕、親鳥製薬の社長の娘でもある
母親とは理念の違いで分裂したらしい
真姫さんとはすっごく仲がいい。過去に何があったのかは知らないけど、互いに切れない絆で繋がってるみたい
真姫「親鳥製薬・・・ことりのお母さんが社長の製薬会社」
真姫「ご存知の通り、ゾンビウイルスを日本に拡散した元凶よ」
真姫「東京の本社を映像なんかで見たことある?奴らはそこを拠点にしてる」
真姫「今回の事件は計画されていた。今や親鳥製薬本社は要塞と化してる」
果南「じゃあ、ゾンビの隔離や武器管理も徹底されているんですか?」
真姫「ななかちゃん!」
監視員「はい。本社は分厚い壁に囲まれています。正門前、本社周辺各所も武装した部隊が点々としてます」
連絡係「事件前に親鳥製薬は自衛隊と連携をとり、人より武器が多くなったと謂われています!」
真姫「ありがと、あんじゅ」
真姫「本社内は理事長。あっあぁ、ことりのお母さん、親鳥製薬の社長の事ね」
真姫「私の通ってた高校の理事長だったからそのころの名残で。呼びやすいし、理事長って呼ばせてもらう」
真姫「理事長にことりの姉の南あやり。あやりの強さは・・・ことりを見れば何となくわかる?」
千歌「は、はは・・・」
曜「私たちが束になっても勝てないであります!」
ことり「なんか傷つくぅ・・・」
ことり「正直あやりには私でも歯が立たない。あいつが居なかったら私と真姫ちゃんで親鳥製薬潰せてるよ」
梨子「・・・ははっ・・・」
真姫「マジよ。あいつさえどうにかできれば親鳥製薬に勝てた」
真姫「でもあやり以外に、研究員や武装兵も本社内で生活してるから武力は相当よ」
真姫「そこで、武力以外の方法で奴らを崩壊させる。奴らに勝てる道はそれしかない」
ルビィ「親鳥製薬の研究員さんたちはどうして危険な薬の製造をやめないの?」
真姫「騙されてるのよ。みんな」
真姫「ゾンビウイルスは元々医療薬の開発をするうえでの副産物だった」
真姫「研究員たちはみな自分の作った薬でゾンビが発生した事実を知らない」
真姫「全てを知るのは上級幹部であった一部の人間だけ。私もそのうちの一人だった」
真姫「今やゾンビの治療薬開発とでも謳って、研究員や警備員を騙し続けているんじゃないかしら」
真姫「そこを突く」
ことり「親鳥製薬は実験データを機密文書扱いにして保管している」
ことり「その文書が公になれば、内側だけでなく世界中から親鳥製薬はバッシングを受けるはずだよ」
ことり「親鳥製薬が機能しなくなればゾンビはもう増えない。あとは治療薬さえ開発できれば平和が戻ってくる」
善子「文書を盗み出してやれば敵はもうお手上げになるのね!」
真姫「そう。だけどそう簡単にいくものじゃないわ」
真姫「私やことりは顔が割れてる。親鳥製薬に近づこうものなら一瞬で殺されかねないわ」
ことり「そこで、みんなの出番だよ」
ことり「ヤマト隊であることを隠し、親鳥製薬に匿われるんだ」
ことり「施設の構造は私たちが熟知している。私たちの作戦が有利に進むよう内部で作戦を実行してもらいたい」
真姫「奴らは表向きは人類の希望。人命救助活動には積極的に参加している」
真姫「まぁその実は人体実験のサンプルとしてでも使われてしまうんでしょうけどね」
真姫「奴らの信頼を得て作戦が有利に進むと確定した際、こちらから兵士を送り込む」
真姫「うまくいけば奴らに気付かれることなく文書を盗み出すことができる。それさえ成功すれば・・・」
ことまき「平和が戻ってくる!」
真姫「この内部作戦には参加してもらうのは・・・」
真姫「梨子!善子!花丸!ルビィ!」
よしりこまるびぃ「はい!」
真姫「みんなにはそれぞれ一つ、内部で作戦を実行してもらう」
ルビィ「ルビィ・・・できるかな・・・」
真姫「大丈夫よ。ことりの訓練なんかより全然簡単にこなせるはずよ」
真姫「みんなと接して、みんなの性格や好みを知った。この作戦に最適なのはこの4人しかいない」
真姫「その優しさで年下には好かれるし、年上には可愛がられる梨子」
梨子「そ、そんな・・・」
真姫「善子はちょっと変わったところがあるけど、それを十分武器にできる」
善子「ついに堕天使の出番ね!」
真姫「花丸は訓練の実績と見た目とのギャップがある。影を作るのが上手いと感じてるわ」
花丸「オラの持てる武器を使えるなら、力になりたいずら!」
真姫「ルビィは正直おっちょこちょい。だけど、それが奴らを欺く武器になる」
ルビィ「はい!お姉ちゃんの妹なんだもん、、ルビィもやるときはやる!」
監視員「親鳥製薬本社、東京の音ノ木坂に所在してる」
監視員「地上30階、地下3階建て。フロアごとにいろんな施設があるんだ」
善子「リラクゼーション施設があるとか、前ニュースでやってた」
監視員「んっ。公にされてる情報はこれだけだけど、実は地下は5階まで存在してるんだって」
監視員「この隠された地下施設でゾンビウイルスや、違法薬物の製造が行われてる。らしい」
連絡係「ビルの周囲は軍事用の防壁で囲まれてる。バズーカにも耐える固い壁だよ」
連絡係「正門だけは自動開閉可能なゲートになってるけど、常に親鳥製薬の兵士が大量に配備されてる」
花丸「未来ずら~」
連絡係「確かにw逆にこの人たちに一般人として認識されれば、侵入は簡単なはずだよ」
監視員「うん。親鳥製薬の周囲1キロ圏内は検問所が点在してるから、そこに保護されればなんとかなるかな」
監視員「近くまでヘリで移動して、ことりさんが知るルートを辿れば検問所へ安全に辿り着けるところがあるんだって」
ことり「音ノ木周辺は地元だからね♪侵入時にかわいい女子高生がマシンガン持ってたら疑われちゃうでしょ?」
真姫「親鳥製薬に侵入できれば、あとは時間掛けて信頼を得て、ゆっくりでも着実に仕事をしてもらう」
真姫「この作戦が日本を・・・いや、世界を変える」
真姫「平和のために。梨子、善子、花丸、ルビィ」
梨子「真姫さん。平和のために」
善子「平和のために!」
花丸「平和のために!」
ルビィ「平和のために!」
真姫「貴方達はゾンビパニックに巻き込まれた地方の女子高生。救難信号を聞きつけ親鳥製薬にやってきた」
連絡係「ヘリを降りてからは私たちはフォローできないから、最低限の装備を渡しとくね」
連絡係「町で入手できそうなゾンビ対策グッズを持って行って!」
梨子「これ、、ゾンビにも効くんですか?」ゴキブリジェット
善子「これっきゃないわね!」シャベル
花丸「渋谷の険しい谷に立ち向かうにはやっぱりこれしかないずら!」つるはし
ルビィ「衣装づくりと武器づくりって似てる?」ビリヤードキュー+ナイフの疑似槍
医療係「東京は至るところで火災が発生してるみたいだから、もしもの時のためにこれは忘れずにね」軟膏
医療係「それとルビィちゃんはころんじゃうかもしれないから、ガーゼと消毒とばんそーこーは入れといて」
ルビィ「ありがとうしゅかちゃん!」
監視員「みんなそれぞれお仕事道具も持ってって~」
善子「これが・・・かっこいい!」堕天ネックレス
・・・
梨子「・・・・・・ふぅ」
果南「梨子ちゃん・・・大丈夫?」
梨子「果南さん・・・」
果南「船酔い?慣れないとキツイよね~」
梨子「あっ、いえ・・・」
梨子「その・・・私、後輩とか全然できたことないから」
梨子「私が年上だからしっかりしなきゃですけど、その、不安で・・・」
果南「ああ、そういうこと」
果南「いいんだよ。梨子はそのままで」
果南「梨子は自分に自信がなさすぎなの。梨子は十分魅力的なんだからそんなこと心配しなくても大丈夫なのに」
梨子「え・・・へへ、そうかな?」
梨子「果南さんがそう言ってくれるなら、自信、持てるかも・・・」
果南「・・・・・・」
果南「梨子、震えてる」
ハグッ
梨子「んん・・・」
果南「知ってる?ハグするとストレスの80%が軽減されるんだよ!」
梨子「えっ?えへへ・・・もう・・・」
ルビィ「梨子ちゃんと果南ちゃんがデートしてる」
善子「デート・・・なの?あれ」
曜「いいな~みんな、とーきょーに行けるって凄いよ!」
善子「あんた・・・何のために東京に行くか聞いてた?」
曜「平和のために!」
ルビィ「えへへ、真姫さんかっこいいよね」
曜「あっ、もしゾンビに遭遇したらね、とにかく顔を攻撃するのがいいよ!」
曜「ゾンビは噛みつく以外の事をしてこないから、口さえ封じればなんとかなるよ!」
善子「むぅ・・・出来るやつのセリフは違うわね!」
曜「んーん。私なんか戦うことしかできないから」
曜「嘘だって付けないし、その点今回の作戦は善子ちゃんなんかピッタリすぎるよ!」
曜「ルビィちゃんだって、実はこの子が崩壊の引き金を握ってるなんて思う人ぜっったい居ないって!」
曜「ヤマトで待ってるからね!平和のために!ヨーソロー!」
ルビィ「ふふ、ヨーソロー!」
善子「もう!ヨーソロー!」
花丸「しゅかちゃんに貰った消毒薬をうまく使えばゾンビに引火させることができるずら」
千歌「かしこーい!」
千歌「すごいよマルちゃん!マルちゃんの知恵があれば親鳥製薬なんてイッパツだよ!」
花丸「えへへ~、全部本の知識ずら」
千歌「うまく行ったらまたいろいろ聞かせて?マルちゃんの話、わくわくできて大好きなんだ!」
花丸「ホント?」
千歌「うん!」
花丸「えへへ・・・嬉しいな、マルはいつも一人だったから・・・」
千歌「花丸ちゃんはかっこいい!千歌の知らないことたくさん知ってるし、体力だってあるし」
千歌「ずっと待ってるよ。絶対帰ってくるって、信じてる」
花丸「ずら!マル一人じゃ何もできないけど、みんなもいるから大丈夫。絶対に帰ってくるよ」
真姫「さて、準備はいい?」
よしりこまるびぃ「はい!」
真姫「無事を祈ってる」
真姫「梨子、みんなの事、見てあげてよね」
梨子「はい・・・!」
千歌「いってらっしゃい!絶対に無理しないでね!」
曜「頑張ってね!」ビシッ
果南「うまく行くよ。いってらっしゃい」
ことり「いってらっしゃい!」
真姫「みんな!」
真姫「平和のために!」
よしりこまるびぃ「平和のために!」
連絡係「離陸します!」
バタバタバタバタ!!
バタバタバタバタ!!
花丸「梨子ちゃんって、東京に住んでたんだよね?」
梨子「うん。音ノ木の高校に通ってたから親鳥製薬も見たことあるよ」
ルビィ「・・・ぁ」
地上は・・・
ガラクタにしか見えない車
至る所に火が燃え上っている
そして・・・
善子「生きているものはいずれ死ぬ」
梨子「うん・・・」
梨子「あっ・・・」
花丸「ん?」
梨子「あそこ・・・お気に入りだったんだ・・・」
善子「許せないわね!我がリトルデーモンの心を抉るなんて!」
連絡係「着陸するよ!」
「はい!」
連絡係「それじゃあ送ってあげられるのはここまで!しばらくはヘリの音でゾンビの注意をそらしておくから!」
梨子「ありがとう、あんじゅさん!」
連絡係「計画通りにね!ヤマトで連絡待ってるから!」
善子「まかせなさい!」
連絡係「いってらっしゃい!平和のために!」
ルビィ「ありがとう!」
花丸「平和のために!」
バタバタバタバタ!!
ゾンビ「ワァァウオ!?ワアアア!?」
善子「やばっ!もうあんなに集まってる!」
花丸「と、都会ずら・・・」
梨子「みんな、急ごう!こっちだよ!」
・・・
・・
・
ダダダダ!
善子「はぁはぁ!まだつかないの!?」
梨子「近すぎたら相手に警戒されちゃうから!でももうすぐだよ!」
善子「ゾンビ来てる!」
梨子「えっ!?え、えと・・・!」
花丸「ずら!」爆竹
パン!パンパン!
梨子「あ、ありがとう・・・!」
ルビィ「落ち着いて!指示通り動けば大丈夫だよ!」
梨子「うん!」
花丸「見えた!」
善子「見えた!」
梨子「!!」
梨子「助けてー!!」
ルビィ「助けてー!!」
花丸「助けるずらー!!」
警備「っ!!」
ツー ツー
警備「生存者4名確認!女性、十代後半」
無線『保護して!』
警備「了解!」
警備「走って!!こちらへ!!」
警備「エリア12番、起動します!」
カチッ 瞬間、付近のパチンコ店が動き始める!
ジャラジャラジャラ!!! カンカンカン!!!
ルビィ「ひっ!」
警備「こちらで起動したトラップです!今のうちに!」
花丸「すごい・・・!」
警備「急いで!」
ガーー ゲートが開く!
梨子「・・・っ」コクッ
善子「・・・!」コクッ
ダダダダ!
ガーー ガチャン!!
梨子「はぁ・・・!はぁ・・・!」
善子「ふぅ・・・!ふぅ・・・!助かったの・・・?」
??「大丈夫ですか!?」
ルビィ「あっ、、!」
花丸「安全・・・ずら・・・?」
??「うん!もう大丈夫ですよ」
あやり「私は南ことり。よく頑張ったねみんな。もう大丈夫だよ」
ルビィ「南ことりさん!?」
あやり「あはは、知ってるかな?」
ルビィ「はい!μ'sの南ことりさん!こ、こんなところで会えるなんて・・・!」
あやり「あはは・・・何年前の話だっけ?照れるなぁ~」
梨子「・・・・・・」
『真姫「南あやり。ことりの双子の姉。理事長の娘」』
『真姫「でも奴は、自分の事を南ことりと名乗るわ」』
『真姫「自分の事が妹だと思い込んでる精神異常者よ」』
『真姫「でもその分、力のリミッターが外れてるんでしょうね。やつはおかしいくらい強い」』
梨子「・・・・・・」
善子「・・・・・・」
花丸「・・・・・・」
(似てる・・・)
梨子「あの、救難信号を聞いてきました。ここなら安全だって」
あやり「うん!ご覧の通り、ゾンビの隔離は徹底されてるし、武器も食料も寝床もある」
あやり「みんなは高校生かな?」
梨子「はい・・・私たちの住んでたところの食料がもう尽きてしまって・・・」
善子「もう、動くしかなくて!ここなら安全なんですよね!?」
あやり「うんうん♪大丈夫だよ」
あやり「みんな、ゾンビには噛まれてない?」
梨子「はい、誰も・・・」
あやり「一応検査させてもらうね?そしたら施設内で自由にしていいからね♪」
ルビィ「た、食べ物はありますか!?」
あやり「大丈夫だよ大丈夫。みんなの分もいっぱいあるからね♪」
身体検査中・・・
あやり「うん。みんな大丈夫そうだね」
あやり「そしたら、お母さんにもあいさつしてもらおうかな」
ルビィ「お母さんって、南社長ですか!?」
あやり「あ、知ってる?たまにテレビに出るからね」
あやり「社長って言っても、結構ふわふわした人だから緊張しなくていいよ」
善子「・・・会見で見た」
あやり「あはは・・・」
あやり「ついでに案内しよっか。みんなかわいいからすぐ気に入ってもらえると思うよ♪」
・・・
ルビィ「食堂・・・」
花丸「ブックフロア!?」
梨子「リラクゼーションサロン・・・すごい・・・」
善子「えっ?ゲーセンもあるの!?」
あやり「今ここには200人ほど暮らしてるからね。娯楽施設も必要でしょ?」
あやり「最上階に行くには役員用のエレベーターに乗らなきゃ行けないんだ」
ルビィ「えっ?えぇぇ・・・?」
あやり「あはは・・・最初は迷路みたいだよね」
あやり「さて、最上階に着くよ」
親鳥製薬最上階 社長室
ポーン ウィーン
あやり「お母さん!」
理事長「あら、こんにちは」
「「こんにちは!」」
理事長「みんな大変だったみたいね」
理事長「まぁお若い。平均年齢一気に下がっちゃう♪」
梨子「・・・はは・・・」
『真姫「理事長」』
『真姫「見た目は若々しいし、優しそうな雰囲気だけど・・・」』
『真姫「わかってるわね。ゾンビウイルスを開発し日本を地獄にした張本人よ」』
理事長「ここを我が家だと思ってゆっくりしてね」
「「ありがとうございます!」」
あやり「みんなおなか減ってるよね?食堂に行こっか」
善子「あっ・・・わたしは・・・」
あやり「んっ?」
善子「あの・・・外に出たいんだけど、いいかしら?」
あやり「・・・?」
親鳥製薬 ゲート前
ゾンビ「グアアア!!」
ゾンビ「グゥゥ!!ワアア!!」
善子「・・・・・・」
あやり「ここなら安全だけど・・・」
善子「ありがとうございます。その・・・」
善子「ママが・・・」
あやり「あっ・・・・・・」
あやり「・・・食堂で待ってるよ」
善子「はい・・・・・・」
善子は堕天ネックレスを握り、口元へ近づける
善子「ああ、我が主よ・・・」
あやり「・・・・・・」トコトコ
ゾンビ「ガアアアア!!」
善子「・・・・・・」
超ヤマト戦艦
ツー ツー
連絡係「善子からです!」
ようちかなん「!!」
ガチャ
真姫「もしもし善子?聞こえる?」
善子『こちらヨハネ。潜入に成功しました。オーバー』
真姫「おめでとう。みんな無事よね?」
善子『はい。敵にも疑われていません。オーバー』
真姫「よくやった。そのまま作戦を進めて」
善子『了解ボス。アウト』
ガチャ
千歌「・・・・・・」
真姫「あの子・・・」
曜「・・・・・・」
真姫「ぶふっ・・・私、オーバーなんて教えてないのに・・・クス」
果南「・・・はっ」
「あははは!」
真姫「順調、順調よ!潜入は成功した!」
千歌「やったやった!」
ことり「やれるよ絶対!」
曜「うん!よかった!」
真姫「毎日通信を送るように伝えておいたわ」
真姫「向こうは善子たちに任せて、私たちはできることをやるわよ!」
「「はいっ!」」
・・・
それから数日
親鳥製薬 社長室
ルビィ「上がり!」
善子「NOOOOO!! なぜ勝てないの!?」
善子「こんなところでも私は不幸なのね!」
あやり「いや、善子ちゃんは顔に出すぎなだけのような・・・」
ルビィ「ルビィおトイレ行ってくるね~」
善子「なっ!勝ち逃げは許さないわよ!」
あやり「まぁまぁ善子ちゃん・・・あはは・・・」
理事長「川に?」
梨子「はい。私たち、ここに来る前は海辺の居住地にいたんですけど・・・」
梨子「何かできることがないかなって、ずっと釣りをしてたんです」
梨子「なかなかうまくいかないけど、たまに釣れたら、みんなすごい喜んでくれて・・・」
梨子「ゾンビが水辺が苦手なのは知ってます。警備のみなさんにも迷惑はかけません」
梨子「だから、もしよければ、船を貸していただければって・・・」
理事長「なるほどね」
理事長「優しいのね、梨子ちゃん」
梨子「そんな・・・」
理事長「いいわ。許可しましょう」
梨子「! ありがとうございます!」
花丸「たいっっっへんずらーー!!!」
理事長「っ!!? 何!?」
花丸「理事長さん!!理事長さん大変!!侵入者ずら!!」
理事長「侵入者!!?」
花丸「今マルの手に!!あああーーー!!!」
理事長「へっ?」
カエル「ケロケロ」
花丸「理事長さん!!動かないで危険ずら!!」
理事長「か、カエル・・・?」
花丸「ああぁーー!!気を付けたほうがいいよ!!」
花丸「昔、そいつがおばあちゃんに向かってジャンプして、おばあちゃんびっくりしてころんじゃったずら!!」
理事長「あっ、あはは、そういうこと?」ポイッ
花丸「はっっ! すごいりじちょーさん・・・あのカエルを片手で簡単に・・・」
花丸「怪我はなかったずら!?びっくりしちゃってないずら!?」
理事長「うふふ・・・もう、かわいいわね花丸ちゃん♪」ナデナデ
花丸「あっ・・・ナデナデ、気持ちいいずら~」
花丸「えへへ・・・理事長さん優しくてお母さんみたい・・・」
理事長「ふふ、お母さんって呼んでもいいのよ?」
花丸「じゃあお母さん!えへへ~もっとナデナデしてほしいずら~♪」
理事長「かわいいかわいい♪」
あやり「ルビィちゃん遅いね」
善子「ああ、あいつ方向音痴なんですよ全く・・・」
あやり「そうなんだ、そろそろ慣れてきてると思ったけど・・・あはは・・・」
・・・
変電室
ルビィ「ふぇぇ・・・おトイレ・・・どこぉ・・・」
ルビィ「・・・・・・」
ルビィ(これをここにはめて・・・こうして・・・)
ルビィ「・・・・・・」
親鳥製薬周辺の川
ブォォォォン!
梨子「ここが・・・いいかな・・・?」
梨子「おさかなさん・・・釣れるかな・・・えいっ!」
ポチャ
梨子「う~ん・・・」
梨子「・・・・・・」
梨子(この建物に爆薬・・・こっちに引火薬・・・)
梨子(あとは、この橋と、建物を繋げて・・・)
梨子「・・・・・・」
ツー ツー
ガチャ
善子「こちらヨハネです。オーバー」
真姫『善子、近況を』
善子「はい。作戦は順調に進んでいます」
善子「理事長やあやりとも友好関係を築けています。クックック、まさか私たちがヤマト隊だとは思いもしていないでしょう」
真姫『うまくいってるみたいね』
善子「最近花丸なんか理事長に凄い懐いてて、みんな楽しそうにしてますよ。オーバー」
真姫『ちょっと・・・大丈夫?作戦の事忘れてないわよね?』
善子「あっ、もちろん!ずら丸には厳しく伝えておきます。オーバー」
真姫『まだしばらく施設で仕事を進めて。もっと奴らが警戒心を解いたとき、叩くわ』
善子「了解しました。引き続き作戦を実行します。アウト」
ガチャ
善子「ことりさん、薬剤の開発とかってどこで行われてるんですか?」
あやり「ああ、全部地下だよ。見てみたい?」
ルビィ「いいんですか!?」
あやり「地下では研究員さんたちが働いてるんだ。せっかくだから少し挨拶していく?」
善子「行ってみたいです!」
あやり「いいよ!じゃあいらっしゃい♪」
親鳥製薬地下
ポーン ウィーン
梨子「すごい・・・」
花丸「みんな白衣ずら」
あやり「薬局とかでうちの薬を見たことあるかな?大体はここで開発・量産されてるんだ」
研究員長「あっ、ことりさん。お疲れ様です」
あやり「お疲れ様です」
研究員長「みなさん最近保護されたっていう?どうも初めまして」
「「初めまして!」」
研究員長「ここでは今はゾンビ化を抑制する薬を開発しています」
研究員長「こんなご時世ですから、、いち早く配布できることが望まれていますね」
『真姫「今やゾンビの治療薬開発とでも謳って、研究員や警備員を騙し続けているんじゃないかしら」』
梨子「頑張ってください!日本が・・・世界中がこの薬を待ち望んでるはずです」
研究員長「はは・・・応援してくれるなんて嬉しいな。必ず、開発して見せます!」
・・・
・・
・
さらに数日後 超ヤマト戦艦
ツー ツー ガチャ
真姫「もしもし、善子?近況を」
善子『はいボス。各々準備は完了しています』
善子『敵も、私たちへの警戒心は全くなくなったと言っていいでしょうね。オーバー』
真姫「了解。よくやったわ。ありがとう」
真姫「それじゃあ、こちらから兵士を送る。その後の行動は忘れてないわね?」
善子『ラジャー!』
真姫「ふふ、いい返事よ。無事を祈る、平和のために」
善子『平和のために。アウト』
ガチャ
真姫「よし、いよいよね」
真姫「この作戦で世界が変わる。日本の、世界の、平和のために・・・」
真姫「覚悟はいいわね、果南!」
果南「はいっ!」
千歌「果南ちゃん!」
真姫「足はどう?」
果南「え・・・えっと・・・」
果南「・・・えへへ、どっちだっけ・・・?」
真姫「ふふ、大丈夫そうね」
今日はいったん区切ります、次は2,3日後に投稿します
監視員「親鳥製薬の地下に、下水道に繋がる隠し通路がある」
ことり「元々施設内に危険ウイルスが蔓延した際の緊急脱走路として設計された場所なんだ」
ことり「ま、ほとんど夜逃げ用だけどね」
ことり「この通路は上級幹部しか存在を知らない。用途が用途だからね」
監視員「うむ。そこから親鳥製薬の地下5階に入れる」
監視員「同じ階のロッカールームに、ターゲットがある」
真姫「見た目はただのロッカールームよ。従業員たちもここで着替えなんかをしてる」
真姫「ただ、ここのロッカーの一つが隠し扉になっていて、機密文書が保管されている」
ことり「それを無事盗み出せれば、私たちの勝ち!」
監視員「脱出する際は入ってきた道を辿って行き、梨子ちゃんが用意したボートを使いそのまま海へ。ヤマトで合流する」
ことり「もしも怪しまれた時のために施設外で仕掛けも用意してある。潜入組には準備万全の状態で待機しててもらうから」
真姫「貴方は機密文書を盗み出し、そのまま帰る。それ以外の事は考えなくていい」
連絡係「果南ちゃん一応、緊急用の武器だよ。使わずに済むことが前提だからね」
ことり「ショットガンにハンドガンにナイフ・・・扱い方は大丈夫だよね?」
果南「はい。練習しましたから!」
監視員「あと、無線とアイカメラは常に付けといて。果南の動きはこちらで確認してるから、その場ごとに指示を出す」
果南「ありがと、ななかちゃん」
連絡係「暗視ゴーグルに、ロックピックモジュールも持って行って。どこかで使う可能性がある」
果南「うん。あんじゅもありがと」
医療係「これ!使わないで済むことを祈るけど、真姫さんの開発したスティムパック!痛いところに使って!あと鼻栓!」
果南「うん、ありがとしゅか」
真姫「今や果南はヤマト隊一の実力を誇ってる」
真姫「でも、そのことを親鳥製薬は知らない」
真姫「当然潜入組のみんなも貴方の事を知らないていで動いてもらうわ」
真姫「もし見つかっても貴方がヤマト隊であることは隠して。潜入組にも被害が及びかねない」
果南「私はどこからか情報を聞きつけた一端の兵士・・・なんて感じですね?」
真姫「ええ」
千歌「果南ちゃん」
果南「千歌」
千歌「ねぇ・・・あの・・・」
果南「ん?なぁに?」
千歌「ハグ・・・して!」
果南「・・・!」おめめまんまる
千歌「・・・うぅぅ、いいでしょ」
果南「あっはは、千歌は可愛いな~♪」ハグッ
千歌「もう、いじわる」
果南「いじわるなんかじゃないも~ん」
曜「あっ!ずるい!私も!」ハグ!
果南「わっと!いた~い」
千歌「いた~いあたまぶつかった!」
曜「えへへ~~♪」
果南「ふふ・・・」
千歌「・・・・・・」
千歌「うまく、行くよね・・・?」
果南「とーぜんだよ。みんなだってうまくやってきたんだ。私もできるよ」
曜「真姫さんのお墨付きだしね!」
果南「そーだよ?みんなのお姉さんだよ?余裕だよ!」
バタバタバタバタ!!
連絡係「現場まで送ってく!以降はカメラで指示を出すから!」
果南「了解!」
真姫「果南!」
果南「はい?」
真姫「・・・行けるわよね?」
果南「はい!」
千歌「いってらっしゃい!」
曜「頑張ってね!」
果南「うん!行ってきます!」
ことり「平和のために!」
真姫「平和のために」
果南「はい!平和のために!」
連絡係「離陸します!」
バタバタバタバタ!!
親鳥製薬近郊
連絡係「ここがポイントだよ!」
連絡係「無線とカメラ、大丈夫?」
果南「真姫さん?見えてますか?」
真姫『ばっちりよ』
監視員『そこのマンホールを開けて下水に入って』
果南「うん」
連絡係「じゃあ私はここまで!無事を祈ってるよ!」
果南「ありがとあんじゅ。平和のために」
連絡係「平和のために!バイバイ」
バタバタバタバタ!!
果南「さて・・・ゾンビよし」
ズゴッ ガコン!
果南「うっ!!?」
千歌『果南ちゃん!?』
果南「がっ・・・マジ・・・?」
果南「しゅかありがと。鼻栓、重要だったよ」
千歌『脅かさないで!』
果南「ごめんごめん」
下水道
ドロドロドロ ザパーン
果南「ほれで、ここからは?」
監視員『ひたすらまっすぐ3キロ』
果南「3キロ?」
監視員『親鳥製薬に怪しまれないためにはね』
果南「・・・了解」
・・・
・・
・
果南「下水管の入り口に着きました。バルブを回せば空くのかな?」
果南「あっ、南京錠が付いてる」
真姫『ロックピックモジュールを使って』
連絡係『鍵穴に挿すだけで自動で開けてくれるよ』
カチャリ
果南「・・・こんなもの、この世にあるんだ」
真姫『平和のためよ果南』
果南「あはは・・・」
監視員『その先が親鳥製薬の地下に繋がってる。気を付けてね』
カンカン コンコン
果南「・・・辛い・・・」
果南「なんか、宇宙空間ですねここ・・・見たことない生き物とヘドロしかない・・・」
真姫『はは・・・平和のために・・・』
曜『大丈夫・・・?』
果南「ゲロ以下の臭いだよ・・・」
曜『・・・うへっ』
同時刻 親鳥製薬社長室
善子「ぬぅぅおおおおお!!!」
あやり「はは・・・」
ルビィ「善子ちゃん変なカードの持ち方してるからたまに見えちゃってるよ?」
善子「何ですって!?反則よ反則!」
ルビィ「あっ、見せてくれてるんだと思ってた」
善子「そんなわけないでしょ!くぅぅ~~!」
善子「あれ、そういえばずら丸は?」
ルビィ「あっ、地下の研究室にいるって言ってたよ。『応援してあげるずら!』って」
善子「そんで、リリーは釣りか。どうせまた釣れないのに健気よね~」
あやり「あ・・・あはは・・・」
親鳥製薬地下 下水
果南「出口に着きました」
果南「入り口と同じように塞がれてます。バブルは・・・」
ことり『果南ちゃん』
果南「はい?」
ことり『汚く思えるかもしれないけど、そこはもう親鳥製薬の施設内だよ』
ことり『細心の注意を怠らないように』
果南「・・・はい!」
果南「バブル・・・見つけました、でも南京錠が反対側に・・・」
真姫『外からは入れないようになってるのね』
果南「手は・・・んっ、どうしよう届きません」
真姫『ことり、どうかなこの位置なら・・・』
ことり『うん、たぶん・・・』
真姫『果南、銃を使っていいわ』
真姫『ショットガンで一発・・・その位置からなら銃声は問題ないと思う』
ことり『そこは上級幹部しか立ち入りできない場所だし、私ですら設計図見て初めて存在を知ったくらいだから』
真姫『跳弾だけに注意して』
果南「はい」
ジャキッ スー
果南「せーのっ!」
ダァン!!
社長室
あやり「・・・っ!」
善子「んっ・・・?」
あやり「ねぇ・・・なんか・・・今、何か聞こえた?」
ルビィ「・・・ぅぇ?」
善子「まぁ、耳を凝らせばゾンビのうめき声くらいは」
あやり「・・・?? 勘違いか」
ルビィ「ルビィおトイレ行ってくるね」
善子「また勝ち逃げする気!?」
ルビィ「そんなんじゃないよ~♪」
善子「むむ・・・なんかムカつく」
善子「まぁいいわ。私もあいさつしてくる」
あやり「あっ・・・うんわかった、行ってらっしゃい」
地下
ガギッ キー
果南「空きました。潜入します」
真姫『ご武運を』
ことり『右側に通路があるでしょ?そこを抜ければ資材庫に入る。そこも人は入らないかな』
果南「はい」
タッタッタッタッ
ことり『ドアを開けるときは、一応気を付けてね』
果南「・・・・・・」
ガチャリ ソー
果南「・・・誰もいません」
ことり『いい調子だよ』
ことり『次は左側の扉なんだけど、その扉の先は研究室になってる』
真姫『ここが関門よ。研究者は平常時50名はいる。広いエリアだけど、人の目がなくなることはあまりない』
ことり『通路と作業場は壁と窓で仕切られてる。しゃがみながら移動すれば作業場からは見えないはずだけど』
真姫『中の様子を確認できる?果南』
果南「やってみます・・・」
カチャ・・・
研究員「先輩、これなんですが・・・」
研究員長「ああ、なるほど・・・」
果南「・・・・・・っ」
ドク ドク
真姫『どう? ・・・果南?』
果南「あっ、えと、、結構いますね・・・」
真姫『果南?』
果南「っ・・・っ」
ドクドク ドクドク
真姫『果南!』
果南「ま・・・真姫さん・・・」
真姫『緊張してるのね』
真姫『落ち着いて、今までうまくやってきたんだ。貴方はできる』
果南「真姫さん・・・」
真姫『ここは想定されてた。対策はある。できるわね?』
果南「はい・・・やれます・・・!」
真姫『いい返事よ』
真姫『通路を突き当って左に曲がる。また突き当るところの右側に扉があるの、見える?』
果南「はい」
真姫『そこがロッカールーム。入れば中からカギが掛けれるわ』
果南「距離が・・・」
真姫『暗視ゴーグルを装着して。その階の電気を落とす。その間にロッカールームまで行くのよ』
ことり『あまり足音やドアで音は立てないようにして。影になるんだよ、果南ちゃん』
果南「わかりました・・・」
果南「ゴーグル準備、できました」
真姫『潜入組と通信をとる。電気が落ちたら開始よ。それまでは待機』
果南「はい・・・!」
親鳥製薬 ゲート前
善子「ああ、我が主よ・・・」
ツー ツー
善子「ボス、こちらヨハネ、オーバー」
真姫『善子、ルビィにプランAを伝えて』
善子「了解しました」
善子「・・・天に目覚めるのです!!」カァァ!
真姫『・・・・・・』
善子「・・・今のがプランAのサインです・・・」
真姫『・・・そう』
真姫『果南、時期電気が落ちるはずよ』
果南『了解』
善子「・・・・・・」
親鳥製薬地下
果南「・・・・・・」
フッ
研究員「えっ?きゃあ!」
研究員「わっ!停電?なに?」
真姫『果南!』
果南「行動開始します・・・!」
トコトコ
果南(違和感のないように・・・焦らず急ぐ・・・!)
ジーッ
果南(みんなからは見えてない・・・大丈夫、ロッカーへ行けばこっちのもの・・・)
研究員長「配電盤とかかな?ちょっと変電室見てくるよ」
研究員「いってらっしゃい」
研究員長「これで俺怒られんのかな~?やだよ俺」
研究員「あはは、役員様の辛いところだね」
研究員長「変わってよ~」
果南(突き当り!ここを左、大丈夫バレてない・・・!)
ドンッ!
研究員長「わっ!ごめんなさい大丈夫?」
果南「あっ・・・!」
真姫『果南普通に返事して。大丈夫よ』
果南「あっ、はい!大丈夫です!」
研究員長「ごめんね。危ないから立ち止まってたほうがいいよ。変電室見てくるからその場で待機ね」
果南「はい!」
トコトコ
果南「・・・っっっ」ドクドクドク
真姫『果南いいわ。歩いて、もうすぐそこよ』
果南「っ・・・!」
スタスタスタスタ
果南(遠い・・・!遠い・・・!遠い!)
真姫『いい調子。そこよ、入って』
果南「っ!」
ガチャ パタン ガチャリ
ドクドクドクドク
果南「はっ!はっ!はっ!」
真姫『果南!果南聞こえる?果南!』
果南「真姫・・・さん・・・」
真姫『・・・よくやったわ。全く違和感なかった』
真姫『相手は疑いもしてなかった。いい演技力よ』
果南「だ、、大丈夫だったかな・・・?」
真姫『ええ、よくやった。最高よ』
果南「そう、、ですか・・・?よかった・・・」
真姫『一度深呼吸しましょうか』
果南「はい・・・」
果南「すぅぅーーー・・・はぁぁーーー・・・すぅぅーーー・・・はぁぁーーー・・・」
真姫『落ち着いた?』
果南「はい・・・!」
真姫『ロッカールームに着いた。あともう少しよ』
変電室
ポーン
研究員長「ことりさん」
あやり「停電の原因は?」
研究員長「いや、よくわかんなくて・・・」
研究員長「あ、なんかUSBみたいなのここに落ちてたんですけど、何か知ってます?」
あやり「USB? う~んなんだろう・・・」
あやり「お母さん・・・いや、普段ここ誰も入んないですもんね?」
研究員長「ええ、ちょっとわかんないですね・・・」
あやり「・・・・・・」
あやり「なんだろ・・・とりあえず地下、私も行きますね」
ロッカールーム
果南「B-28のロッカー・・・」
ことり『その列だよ』
果南「ありました」
ことり『開けて、左上の奥にツッパリがあるんだ、わかる?』
果南「んーと・・・これかな」
ガタッ ガチャン
果南「!!?」
果南「あっ、あロッカーが空きました」
ことり『そのロッカーにPCが入ってるはずなんだ』
果南「ホントだ・・・すごい・・・」
果南「パスワードを入力してください」
ことり『パスワードを打てば文書が手に入る、いよいよだね』
果南「はい・・・!」
親鳥製薬地下
ポーン
研究員「おかえりなさい!なんだったんですか?」
研究員長「いやーよくわかんなくて・・・」
研究員「ことりさん、お疲れ様です」
あやり「お疲れ様です。停電以外でなにか変わったことありましたか?」
研究員「う~ん特には~~・・・」
研究員「あぁなんか爆発したみたいな音が聞こえたな」
あやり「爆発?」
研究員「はい。なんか遠くからかすかに聞こえたような・・・」
研究員「マジ?全然わかんなかったけど」
あやり「・・・・・・」
ロッカールーム
真姫『パスワードは、Take-it-Back!』
果南「えっ?」
真姫『・・・Take-it-Back!』
果南「英語・・・?」
真姫『・・・・・・』
真姫『T』
果南「てぃー・・・」
果南「てぃー・・・?どこ・・・?」
真姫『果南?』
千歌『果南ちゃんパソコンとかほとんど使わないから・・・!』
果南「あっ!あったT!」カタッ
真姫『次はaよ』
果南「a・・・えーえー・・・」
真姫『・・・キーボードの配置くらい教えておくんだった』
ことり『ごめん真姫ちゃん・・・私そこまで・・・』
真姫『いやいいのよ。果南も、ゆっくり焦らず打ちなさい?』
果南「は、はいごめんなさい・・・!」
親鳥製薬 地下下水付近
あやり(まさか・・・まさかね・・・)
ガチャ!
あやり「なっ・・・!うそ・・・!」
あやり(下水管の塞ぎが空いてる・・・南京錠もかけてるはずなのに・・・)
あやり(誰か、逃げ出した・・・?)
あやり(違う!内側に銃痕がある!下水管側から銃で南京錠を破壊された!!)
あやり「ヤバいヤバい!!」
真姫『e』
果南「いー・・・あった」カタッ
真姫『‐』
果南「へっ?」
真姫『‐よ。横棒』
果南「はいふんてなんですか?」
真姫『横棒よ。半角くらいのただの横棒』
果南「はんかく?」
ことり『果南ちゃんほ!ひらがなの『ほ』のところ!』
果南「えっ・・・?」
果南「あの・・・ひらがなってどこに・・・」
真姫『カナ無刻印タイプね』
ことり『あぁん上から二段目の右から四個目!』
果南「え、えとえと・・・一番上と二番目にスペースあるんですけど、この上のほうからですか?」
真姫『果南!落ち着いて』
真姫『数字が並んでるわよね?1234・・・0の隣』
果南「あっ、え?これなんですか?」
あやり「ねぇ!誰か知らない人がいたとかそういうことありませんか!?」
研究員「えっ・・・?えっと・・・」
研究員長「あ、そういえばあの時誰かと・・・」
研究員長「なぁ!停電起きた時誰か通路にいた?」
研究員「い、いえ私は・・・」
研究員「わたしも・・・」
研究員長「そういえば、聞き覚えない声だったような・・・」
あやり「っ!!」
あやり「ロッカーが・・・!!」
研究員長「えっ?」
ガチャ!ガチャガチャ!!開かない!
果南「・・・!!!?」
真姫『果南?どうした?』
あやり「ねぇ!誰かロッカーのカギ掛けましたか!?」
研究員長「いや、普段開けっ放しにしてるはずですが・・・今は誰も鍵なんて・・・」
研究員長「鍵持ってきましょうか?」
あやり「っ!! 下がって!!」
研究員長「こ、ことりさん!?」
パァンパァンパァン!!! ズガッ!!
あやり「・・・!・・・っ!?」
ト・・・ト・・・
研究員長「ことりさん・・・?」
あやり「誰かいますか?出てきてください!」
「・・・・・・」
研究員長「・・・?」
あやり「誰もいない・・・」
研究員長「だ、大丈夫・・・ですか?」
あやり「うん・・・・・・」
あやり「ごめんなさい、私の勘違いだったのかも」
あやり「ドア、私からお母さんに話しておきますんで・・・ご迷惑おかけしました」
研究員長「あっ、いえ・・・じゃあ失礼します」
研究員長「じゃあみんな!作業に戻りましょう」
研究員「びっくりした・・・ことりさん銃持ってたんだ・・・」
ガチャン
あやり「・・・・・・」
B-28ロッカー
ガタッ ガチャン
あやり「・・・・・・」
パスワードを入力してください
Take-|
あやり「・・・・・・」
果南「動かないで」
あやり「っ・・・!」
果南「動いたら撃つ」
真姫『果南何やってるの?』
果南「続き・・・わかってるよね?入力してもらおうか」
あやり「・・・・・・」
真姫『果南?果南あんた・・・』
あやり「あなた、お名前は?そっちは私の事知ってるみたいだね」
真姫『答えなくていい』
果南「・・・松浦果南」
あやり「果南ちゃんか、ヤマト隊だよね?」
果南「何の話?」
あやり「とぼけなくていいよ。ここを狙ってるのはヤマト隊しかいない」
あやり「真姫ちゃん聞こえてるんでしょ?元気?」
真姫『さっさと入力させて』
果南「無駄話してないでさっさと入力して」
あやり「果南ちゃん、このパスワードが入力されたらどうなるかわかってる?」
果南「貴方達の悪事を公にできる」
あやり「へぇ?真姫ちゃんにそんなこと言われてるんだ」
真姫『奴の言うことに耳を貸さないで』
あやり「酷いよ真姫ちゃん。ちゃんと真実教えてあげないと」
あやり「嘘ばっか付いてたら誰もついてこなくなっちゃうよ?」
果南「さっさと入力して!」
あやり「平和のために活動してるんでしょ?ここには何の罪もない人たちが何人暮らしてると思ってるの?」
果南「どういうこと?」
真姫『果南、そいつを殺して』
あやり「このパスワードが入力されたらこの施設が爆発する。ここにいる人たちは全員死ぬだろうね」
果南「何言ってるの!?」
あやり「それが真実だよ。機密文書はここにはない、ウイルスのデータは全てヤマトにある」
真姫『果南!殺しなさい!』
果南「それが嘘じゃないって証拠は!?」
あやり「真姫ちゃんの言葉が正しいって証拠は?」
あやり「平和のために活動するヤマト隊は、いったい人を何人殺せば気が済むの?」
果南「いい加減にして!」ジャギ
あやりの後頭部に銃を突きつける。瞬間!!
あやり「っっ!!」
頭を素早くそらし、左手の裏拳で果南の腕を殴りつける!
ゴスッ!
果南「ふっ!」カラン
あやり「はらぁ!!」
そのままよろけた果南の顎に掌底打ちアッパーを仕掛ける!!
バチィーン!!!
果南「はぐっ!!?」
真姫『果南!!』
果南は体が浮き上がり、後頭部から転倒する!
果南「っ!!」ズゴッ!
果南「ふっ!?!ふっ??!」
真姫『果南!果南!!』
果南「はっ・・・!」
果南「あっ、、ヤバ!」
果南(ショットガン・・・あれ!?ナイフ!あれ!?)
あやり「探し物はこれ?」
果南「あっ・・・!」
あやり「動かないで。動いたら撃つよ?」
果南「・・・っっ!!」
社長室
ポーン
果南「っなして!!」
あやり「もう!暴れん坊だなぁ!」
理事長「お疲れ様ことり、ケガはない?」
あやり「今のところはね・・・!」
あやり「ヤマト隊だよお母さん、自爆シーケンスをいじってた!」
果南「うらぁ!」
あやり「動くなっ!!」
果南「いた! いたた・・・!」
理事長「初めまして、ヤマト隊の松浦果南さん」
果南「なんの話だよ!」
理事長「あなたが弄ってたのは施設内にウイルスが蔓延した時の最終手段、この施設を粉々に爆破するキーなの」
果南「嘘を付くな!」
理事長「西木野真姫の指示なのよね?奴について知ってること全部教えて頂戴」
果南「うわああ!!」
理事長「口を割らないなら無理矢理割らせるわよ?痛い思いをする前に喋りなさい?」
ポーン
花丸「ずらああーーー!!!」
花丸「たいっっっへんずらーー!!!」
理事長「花丸ちゃん?」
果南「・・・っ?」
花丸「んっ?その人誰ずら?」
花丸「ことりさんダメだよ!そんなに押さえつけたらその人痛いよ?」
あやり「花丸ちゃん、今は・・・」
花丸「あっ!!それよりもちょーーー大変なんずら!!」
花丸「侵入者!!侵入者ずらよ!!りじちょーーさん!!」
理事長「わかったわ花丸ちゃん。後で食堂でお話しましょう」
花丸「ちゃんと聞いてずら!!侵入者なの!!」
花丸「地下で知らない人がいて銃とか持ってたずら!!ぜっっっったいヤバいずらよーーー!!!」
あやり「っっ!?うそ、まさかもう一人・・・!?」
理事長「下には!?」
あやり「研究員さんたちしか!!」
理事長「くっ・・・!」
ブツン!! 社長室の電気が切れる!
理事長「っっ!!?」
あやり「なっ!!?」
果南「・・・っ!?」
花丸「ずらあああ!!!?!?!?」
花丸「き、きっとあいつの罠ずら!!殺されるずらああ!!!」
理事長「花丸ちゃん落ち着いて!」
果南「・・・!?」
あやり「もう一人いるんだとしたら、これって・・・!」
あやり「ねぇ!他に仲間が来てるの!?答えて!!」
あやり「もしホントに自爆シーケンスを起動したら誰も助からない!!お願い辞めさせて!!」
果南「知るか!!」
花丸「ずらああああ!!!!」ドタバタ ドタバタ
ドンッ!
花丸「わっ!」
あやり「きゃっ!!?」
果南(緩んだ!!!)
花丸「逃げるずら」コソッ
果南「・・・!?」
果南(マル・・・?)
花丸「窓に向かって飛び出すずら」
花丸「その後の事はマルたちがなんとかしとく」
花丸「果南ちゃんはとにかく生きるずら」
果南(マル・・・!!)
果南「ぶぅぅああああ!!!」ダッ!!
あやり「きゃっ!!止まれ!!!」
果南「ぅうん!!!」タックル!
理事長「ぐっっ!!」
窓へ!
窓へ!!
窓へ!!!
果南「うわああああ!!!!」
あやり「バカか!!死ぬよ!!?」
ガシャシャーーン!!
空!?空!?空しかない!!
地面!?地面!?落ちたら死ぬ!!!
果南「ぃぃいいいやああああ!!!!」
ジップライン!!?
ジップライン!!!
ガギッ!! ウウウゥゥゥゥゥ!!
果南「わあああああ!!?!」
あやり「ジップライン!!?なんであんなものが!!」ジャギッ!!アサルトライフル!!
ダダダダ!!ダダ!!ダダダダ!!
シュンシュン! ビスビス!
果南「うぅ!!ううぅぅぅ!!!」
理事長「どいてことり!!」ロケットランチャー!!
あやり「お母さん!? っっ!!」
ズゴン!!プシューー!!
果南「ふううっっ!!?」
ボガーン!!ドガアアア!!!
果南「うううああああああ!!!!!」
ウウウゥゥゥゥゥ!!!
ボォォオオオオオ!!!
果南(燃えてる!!突っ込んだら・・・!!)
果南(離し・・・!いやだめだまだ高い!!)
果南「うわあああああ!!!」
ウウウゥゥゥゥゥ!!! ボアボア!メラメラ!
果南「あちっ!!あちち!あちっ!!」
メラメラメラ!!ボォォォオオオ!!!
果南「ゲホゲホッ!!息が・・・!!」
果南「耐えられ・・・あああ!!!」
果南(手が・・・!!!)パッ
ヒューーーン!
果南「ああああああああ!!!!!」
果南(川!!川へ!!!)
ドッッッポーーーーンンン!!!
あやり「倒した!!?」
理事長「いや、わからない・・・!火の海に突っ込んで行ったけど・・・」
理事長「ロケットランチャーだけであそこまでの爆発はしないはず。なぜあんなに・・・?」
あやり「・・・あのジップラインはなんなの!?うちあんなの設置してた!?」
理事長「してない」
あやり「だよね・・・!じゃあ、・・・???」
理事長「電気は復旧した・・・」
ツー ツー
理事長「お疲れ様。そっちは電力に異常とかあったかしら?」
研究員長『えっ?いや、なにもありませんが・・・』
理事長「さっきも今も、特定の階だけ一時的に停電した・・・」
理事長「・・・・・・」
ドッッッポーーーーンンン!!!
ブクブクブクブク
果南「・・・!!・・・!!」
水中で体勢を立て直していると、目の前にいきなり人が現れた!!
果南「ぶぅぅ!!!?!?」
反射的にぶん殴る!!
ボゴォォ!!
謎の人「ばばば!!!?」
謎の人「んー!!んーんー!」
両手の平を前に。誰もが知る『冷静に!』のポーズ
果南「・・・!?」
謎の人「ブクブク・・・」
酸素ボンベを渡される
果南(仲間・・・なの・・・?)
果南「すーー・・・こーー・・・」
謎の人「ブクブク・・・」ガシッ
果南(ジェットポンプ・・・これに掴まれってこと?)ガシッ
ブオオオオ・・・
バシャン!
果南「ああぁ!!はぁ・・・!はぁ・・・!」
梨子「果南さん!!」
果南「梨子ちゃん!?」
梨子「手を!ボートへ上がってください!」
果南「っ!」パシッ
バシャン
梨子「大丈夫ですか果南さん!?」
果南「うん、何とか・・・」
果南「あれ、じゃあさっきの人は・・・」
バシャ カパッ
曜「酷いよ果南ちゃん!!」
果南「曜!?曜だったの!?」
梨子「曜ちゃん上がって!」
曜「ありがと・・・」
バシャン
曜「果南ちゃん酷い!」
梨子「な、なにがあったの?」
果南「ごめん、まさか曜だったとは・・・」
果南「いや、あの状況じゃびっくりするって!」
曜「そうかもしれないけどぉ・・・」
梨子「曜ちゃんほっぺ真っ青!何があったの!?」
曜「果南ちゃんに殴られたんだよーー!!」
果南「いやだから・・・! ご、ごめん・・・」
曜「むぅぅうう・・・」
梨子「果南さん怪我とかありませんか?」
果南「うん、大丈夫だよ。・・・曜のほうが痛い思いさせちゃったかも・・・」
梨子「あ、あはは・・・」
果南「っ・・・・・・」
果南「・・・真姫さんと連絡とれる?」
梨子「あっ、はい!」
ツー ツー
果南「真姫さん、果南です」
真姫『果南、よかった無事だったのね』
果南「真姫さん・・・」
果南「あの、真姫さん・・・その・・・」
真姫『ふふ、頭が真っ白でしょうね』
果南「その・・・すみませんでした。私が・・・」
真姫『いいのよ。貴方が無事だった。それが何よりの報酬よ』
真姫『内部でのことは潜入組が何とかしてくれる。貴方は・・・ヤマト隊ってバレたけど、みんなはまだ大丈夫なはず』
梨子「・・・」コクッ
果南「あの・・・ごめん、迷惑ばっかり・・・」
真姫『果南、疲れたでしょ?深呼吸でもしなさい』
果南「はい・・・」
真姫『梨子、プランBを』
梨子「はい」
梨子「失敗したとき用のプランも準備されてたんです」
梨子「曜ちゃん引き上げるの手伝って」
曜「了解!」
ザバッ バシャン
果南「黒焦げの・・・遺体?」
ツー ツー
梨子「理事長からです。絶対に声を出さないで」
ガチャ
梨子「梨子です」
理事長『梨子ちゃん?聞きたいんだけど、そっちに人が行かなかった?』
梨子「人?いや・・・」
梨子「あぁ、人かは分からないけど、さっき建物が爆発した後に川に何か重たいものが落ちたような音が・・・」
理事長『ごめんなさい梨子ちゃん。実はさっき侵入者が入ったのよ』
梨子「えっ!?」
理事長『その侵入者がそっちの方面に逃げて行った。その重たいものはそいつかもしれない』
理事長『それを引き上げて来てほしい。大変なことだと思うけど、協力してくれる?』
梨子「は、はい!やってみます!」
ガチャ
曜「・・・大した演技力だね!」
果南「黒焦げの女性の遺体・・・これが私って訳か・・・」
真姫『あなたは死んだ。果南』
真姫『ヤマト隊が派遣した一人で敵地に潜入させるほどの人間。奴らは貴方がヤマト隊のナンバーワンだと思うでしょうね』
曜「実際そうだしね!」
真姫『松浦果南が死んだ。これはヤマト隊にとって大きすぎるダメージになる。そう思うはずよ』
真姫『これで奴らの隙を作れるかもしれない』
果南「なるほど・・・」
真姫『・・・同時に、親鳥製薬はヤマト戦艦への監視を強めるでしょうね』
真姫『その状況であなたがのこのこヤマトに戻ったら・・・』
果南「・・・私は、どうすればいいですか?」
梨子「そこのボートがね・・・!指定された地点へ自動運転するよう設定されてる・・・」
真姫『ここから遠くの地。・・・今は分からないけど数週間前までは比較的安全だった場所よ』
果南「・・・・・・」
梨子「果南さん」
梨子「必ず迎えに行きます」
梨子「だからそれまで・・・どうか、元気で・・・!」
果南「梨子ちゃん・・・」
果南「・・・行くよ」
梨子「果南さん!」
梨子「必ず・・・!迎えに行きますから!」
曜「大丈夫だよ。今までうまくやってきたでしょ?今回だって!」
果南「うん・・・!」
ブォォォオオオ
梨子「果南さん!」
果南「梨子・・・!」
梨子「必ず・・・!!」
果南「バイバイ!」
曜「果南ちゃーん!」
果南「・・・!」
ブォォォオオオ
梨子「・・・いっちゃった・・・」
曜「うん・・・」
曜「私もそろそろ戻るよ」
梨子「うん。ありがとね」
曜「梨子ちゃん、頑張ってね!」
梨子「うん!任せて!」
曜「バイバーイ!」
カポッ バシャ
梨子「バイバイ・・・!」
梨子「・・・・・・」
梨子「・・・戻らなきゃ」
・・・
親鳥製薬 社長室
ポーン
梨子「お待たせしました・・・!」
あやり「お疲れ様梨子ちゃん・・・!」
梨子「ことりさんありがとうございます・・・!はぁ、はぁ」
ドサッ
梨子「理事長さん、これが・・・」
理事長「ありがとう梨子ちゃん」
理事長「・・・・・・」
梨子「・・・窓」
花丸「侵入者がぶち破ったずら!なんか怖い顔の女の人で、でかくて、髪長くて、おっかなかったずら!」
花丸「でもことりさん凄いんだよ!あの凶悪犯を力で押さえつけてたずら!」
ルビィ「怖い・・・ルビィおトイレにいてよかったよぉ・・・」
善子「・・・!!」イライラ
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「そいつ!絶対許せない!!こんなことしてただで済むとでも思ってないでしょうね!!」
梨子「善子ちゃん落ち着いて?犯人は、もう・・・」
善子「一発ぶん殴ってやるわよ!離してリリー!」
ルビィ「善子ちゃん落ち着いて!ダメだよ!」
花丸「どうずら?りじちょーさん」
理事長「う~ん・・・」
あやり「こんなに真っ黒焦げじゃあなぁ~・・・」
理事長「・・・・・・」
あやり「・・・・・・」
花丸「ひっ!怖くて見れないずら~~」
梨子「今まで何度も川に出てますけど、人が浮いてるのなんて初めてでした・・・」
ルビィ「でも!もう悪者は死んだんですよね?もうここは安全なんですよね!?」
善子「次来たらこの私がぶっ飛ばしてやるわ!みんなを怯えさせて絶対に許せない!」
理事長「・・・・・・」
あやり「・・・・・・」コクッ
花丸「りじちょーさん?ことりさん?何かあったずら?」
理事長「今回の件、不可解なことがあるのよね」
花丸「不可解なこと?」
理事長「ええ・・・」
理事長「・・・・・・」
理事長「ルビィちゃん」
理事長「貴方は松浦果南が来た時、偶然おトイレに行ってたわね?」
ルビィ「はいっ!もしルビィが遭遇してたら・・・」
理事長「最寄りのトイレはここから3階下の27階。乗り継ぎなしのエレベーターで行くのが早いと何度も伝えているわ」
理事長「なのに貴方は毎回わざわざ非常階段で降りている。カメラの届かない、階段を使っている」
ルビィ「る・・・るルビィは方向音痴で・・・」
理事長「そうかしら?ここのエレベーターの構造は割と複雑よ?乗り継ぎ、一般用、役員用、初めての子は迷路に見えるでしょうね」
理事長「あなたの行動を見ててもこの『おトイレ』以外で迷っている様子が見えないの」
理事長「善子さんを外へ送った後、一般用エレベーターと役員用エレベーターを使ってのここへのショートカットルート」
理事長「すっかり慣れたわね?こんなに使いこなせるのに、どうして『おトイレ』だけはわざわざ階段を3階も降りるのかしら?」
理事長「社長室のエレベーターは専用のもの、待たずに乗れることは分かっているわよね?」
ルビィ「ルビィはその」
理事長「そして、その階段の移動が非常に長いのよね」
理事長「あなたがカメラの付かない階段から、27階のカメラに映るまでまでいつも10分以上」
理事長「29階の映像には映っていない。28階の変電室にはカメラが付いていないのだけど、ここに迷い込んだのかしら?」
理事長「変電室と言えば、見たことのないUSBが隠されるように置いてあったの。これは何かしらね?知ってる?」
ルビィ「あ・・・いや、、・・・あ・・・」
あやり「花丸ちゃん」
あやり「果南ちゃんの侵入中、地下の研究室にいるって聞いたよ」
あやり「私が果南ちゃんとエレベーターでここに来た後、地下でまた侵入者を見つけたって言ったね」
あやり「あれは何だったのかな?侵入者なんていなかった」
花丸「あっ、、あの松浦果南と勘違いしたと思うずら」
あやり「そもそも、あの時地下の研究員さんたちはだぁれも花丸ちゃんのこと見てない」
あやり「社長室に着いた後、停電した時の花丸ちゃんの行動はとても不可解だった」
あやり「確かに暗くてなんにも見えなかったけどね、音は十分聞こえてたんだ」
あやり「花丸ちゃんは叫びながらゆっくり私の後方にヨタヨタ後ずさってた」
あやり「突然!足音は激しくなって私とぶつかった」
花丸「ま、マル、、その、あ、あの怖くなって」
あやり「ぶつかり方も、ただぶつかっただけじゃない」
あやり「両腕で一点に力を込めた上手なタックルだったよ。おかげで後肩がまだ痛いよ」
理事長「梨子ちゃん」
理事長「貴方は釣りでみんなを笑顔にしたいって言ってたわね。なかなか釣れないみたいだけどいいことだと思う」
理事長「貴方に貸したボートの航海記録を見るとね、必ず同じ場所で止まっているのよ」
理事長「親鳥製薬と対角線上にジップラインが引かれてた、あの場所」
理事長「ねぇ、私は釣りの事よくわからないんだけど、どうして釣れないあの場所にこだわり続けたのかしら?」
梨子「き、、、き、きゅ今日こそは・・・って・・・」
理事長「それとあの大爆発した建物」
理事長「この辺の建物はすべてこちらで探索済みなのよ。あれだけの爆発が起こるような状態だったら必ず報告が上がるはず」
理事長「そして、今日。松浦果南が侵入してきた今日」
理事長「貴方は今日に限って釣りのスポットを変えたみたいね」
理事長「それも、ここ親鳥製薬からは建物で死角になる場所」
理事長「今日に限って今日こそはってならなかったこと、ジップライン、建物の爆発」
理事長「今日に限って釣りポイントを川下に変えたこと。運よくすぐに死体を回収できたこと」
理事長「これらはすべて偶然なの?ねぇ梨子ちゃん」
梨子「っ・・・!っ・・・!ゃ、ぃゃ、、っ・・・!」
理事長「善子さん」
理事長「貴方の『儀式』・・・辛いわよね、毎日毎日・・・」
理事長「貴方の儀式を見ているとね、ある癖があることがわかったの」
理事長「左手を耳に添えること、そのかっこいいペンダントに向かって話しかけること、そしてセリフの度に、最後にこの口の動きをする」
理事長「『おー』『あー』」
善子「っっ・・・!!」
理事長「読唇術って知ってる?素人ながらやってみたのよ」
理事長「『あー』の発音の時、口を閉じた状態から発音する母音が『あ』の音」
理事長「やってみましょうか」
理事長「あ、か、さ、た、な、は、『ま』、や、ら、わ、が、ざ、だ、『ば』、『ぱ』」
理事長「すると、見えてきた」
理事長「無線は電話と違い聞くと送るを同時に行えない。自分の発言が終わった時にそれを知らせる言葉」
理事長「『オーバー』」
善子「ちゃ・・・ゃ・・・」
理事長「それが分かるとね、いろいろ理解できてきた」
理事長「締めの言葉は『アウト』」
理事長「ゾンビの前で儀式を行うのは、セリフを他人に聞かせないため」
理事長「ねぇ、善子さん?教えて頂戴?親に語り掛けると偽って誰かと無線を取っているの?」
善子「っ!・・・っ、ょ、、ょよヨハネよ!」
理事長「ふふ・・・ねぇ、『善子』さん」
理事長「あんまり大人を舐めるんじゃないわよ?」
理事長「拷問部屋へ連れて行きなさい」
ガシッ!
善子「きゃっ!?な、何よ!離しなさいよ!!」
理事長「全て教えてもらいましょうか?あなたの生きる道はそれしかない」
理事長「ふふっ、普段クールな善子ちゃんのかわいい声。いっぱい聞かせてもらいましょうか」
善子「やめて!離して!助けてーーー!!!」
梨子「ぁっ!はっ、あっ!」
理事長「耐えれるかしらね。あんなにかわいい女の子が・・・」
理事長「まぁいいわ。もしあの子が耐えきれなくなっても・・・」
理事長「代わりはたくさんいる」
梨子「っっ!!」
花丸「ぁ・・!!」
ルビィ「ひっっ!!ひっひっ!!」
あやり「・・・・・・」
・・・
・・
・
超ヤマト戦艦
真姫「あんじゅ、どう?」
連絡係「真姫さん・・・いいえ、まだ来ません・・・」
真姫「そう・・・」
千歌「真姫さん・・・それじゃあ・・・」
真姫「・・・通知を送って」
連絡係「はい!」
ツー ツー
ツー ツー
真姫「・・・・・・」
千歌「・・・・・・」
曜「でない・・・」
連絡係「ダメです・・・出ない・・・」
千歌「真姫さん・・・」
真姫「・・・・・・」
千歌「ねぇ真姫さん!」
真姫「千歌・・・」
千歌「大丈夫ですよねみんな!ねぇ!みんな無事なんですよね!?」
真姫「・・・最悪の事態を、、想定するしかなさそうね・・・」
曜「最悪・・・の、事態・・・?」
真姫「・・・・・・良くて、殺されてるでしょうね」
千歌「・・・・・・っ」
曜「・・・・・・『良くて』?」
真姫「ええ。良くてよ」
真姫「ホントの最悪、生きてることすら後悔するような、最悪の拷問・・・」
真姫「きっとヤマト隊の情報は全部奴らに伝わったでしょうね。果南が生きてることも、二人の事も・・・」
ことり「真姫ちゃん・・・」
真姫「・・・・・・」
・・・
親鳥製薬 拷問部屋
理事長「さぁ、装着完了よ善子さん」
右手の平を上向きに、各指に固定具がはめられる
指の第一関節と第二関節の丁度上部に、所詮コンパス程度の粗い針が妖しく光る
理事長「ここにぜんまいがあるでしょ?これを回すと・・・」
クリクリ
理事長「針が降りていく」
理事長「針は貴方の指に刺さっていくわ。最後には指を貫通する」
善子「なっ、な何よ!こんなのでこの私がビビると思ってるの!?」
理事長「焦りが見えるわね。当然よね、あなたもホントはただの女子高生」
理事長「ヤマト隊で何を聞かされたの?いいや、西木野真姫に何を聞かされたのかしら?」
善子「何の話よ!誰よそんなの知らない!」
理事長「とぼけるつもり?痛い思いをする前に全部話したほうがいいわよ?」
善子「だからそんなの知らないって言ってるの!さっさと放して!」
理事長「そう・・・そうか善子さん。貴方はもっと利口だと思ったんだけどね」
クリクリクリ
中指の針が降りてくる
善子「っ、ひっ!」
クリクリクリ
善子「まっ!待て待て待て!やめなさい!!」
理事長「指示できる立場かしら?」
善子「しらないのよホントに!!何もいうことはないの!!だって何も知らないんだから!!」
理事長「そうね。痛い思いをすれば思い出せるかしら?」
クリクリ ピトッ
善子「ひやっ!!知らない!!知らない知らない!!」
理事長「まだ痛くはないわね。もー少し進めてみましょうか」
クリ クリクリ
善子「いたっ・・・!知らないの!ホントに!!」
理事長「教えて善子さん。貴方達の目的、ヤマト隊の事、すべてを」
善子「し、、知らない・・・!」
理事長「・・・・・・」
理事長「そう・・・」
クリクリ プシュ!!
善子「ああああああああ!!!!!!」
理事長「刺さった刺さった♪痛いわよね、普段こんなところ怪我しないものね?」
善子「いっっっつつつ!!いたいた!!」
理事長「さぁ教えて?ヤマト隊のこと」
善子「知らないって言ってるでしょこのクソババア!!」
理事長「そう」
ゴリゴリゴリ!!! ブスブス!!!
善子「ううぅぅああああああわかったわかた!!!全部話します!!お願い!!」
理事長「ホントかしら?」
ゴリゴリゴリ!!!
善子「あああ!!!はっはっはああああ!!!!」
善子「ヤマト隊です!!私たちはヤマト隊ですホントです!!!だから止めてお願い!!!」
理事長「あ~あ、痛そうね」
理事長「痛いわね善子さん。あぁ、血が溢れて来ちゃってる」
善子「やぁっ、やああぁぁぁ・・・!」
理事長「拭いてあげる、痛いわよね」フキフキ
理事長「さぁ教えて?」
善子「は、はいっ!あの、ヤマト隊で、私たちは、!」
善子「その、ここの、あの機密文書を盗むために潜入したんですっ!」
善子「それで、一人一人役割を持って、果南の支援をするためです!任務が成功するように!」
理事長「どんな任務なの?」
ゴリゴリ!!! ガチッ!!
善子「あああ!!!あうう!!!あああああ!!!!!」
理事長「硬い。もう骨に達したみたいね」
善子「いたい・・・・・・いたいやめてホントに・・・・・・」
理事長「痛いわよねわかる。辛いわよね、大変よね」
理事長「さぁ教えて?痛い思いをしたくないなら話すしかない」
理事長「お願いよ善子さん。貴方が全部教えてくれればそれで済む。全部教えて?」
善子「あ・・・はい・・・はい全部話します・・・」
善子「真姫さんに指示されて・・・みんなでここに潜入したんです・・・」
善子「私が通信担当・・・リリーが外の仕事担当・・・ルビィが電力操作担当・・・」
善子「花丸は内部をかき回したり、失敗したときのフォローとかの担当・・・」
善子「それで、果南が潜入して、機密文書を盗む計画です・・・」
理事長「そう・・・今回は失敗しちゃったわね」
理事長「失敗したらどうする予定だったの?」
善子「わ、わからないんです・・・成功すると思って動いてたから・・・」
善子「花丸は失敗した時の事聞いてたみたいです・・・梨子も、何か知ってるみたいだった・・・」
善子「でも果南が死んで、もうダメなんです・・・!もう失敗してどうするかは聞いてないんです・・・!」
理事長「ふ~ん・・・」
グリグリグリ!!!
善子「いやああああああ!!!!ああ!ああああああああ!!!」
理事長「嘘は良くないわね善子さん。ホントの事教えてって言ってるでしょ?」
グリグリ!!!!
善子「ぐりぐりやだ!!いたいいたいいたい!!!!」
善子「ぐりぐりやめて!!!いたぁああぁぁぁぁ・・・・・・!」
理事長「教えて善子さん。松浦果南はホントは生きてて、次の計画ももう決まってるのよね?」
善子「いきてないです・・・!果南は死んだ!だからもうどうすればいいかわからないです!」
善子「絶対成功するって動いてたから!果南が死んだのは計画じゃなかったんです!!ホントです!!」
理事長「善子さん・・・」
理事長「まだわからないかしらね。嘘を付いたらどうなるのか」
善子「うそじゃない・・・」
善子「りじちょう・・・うそじゃないの・・・!」
善子「もうホントの事ぜんぶいったの!ぜんぶなの!もうむり・・・!!」
理事長「嘘を付くのがいけないのよ善子さん」
グッ!!!ガガガガッ!!!!
善子「あう!!?!!?あああああああああ!!!!!!!!!」
理事長「骨はやっぱり固いわね・・・!!」
グリグリグリ!!!メリメリメリ!!!
善子「あああぁぁぅぅあああああ!!!!!ホントだって!!!!あああああああ!!!!!!!」
理事長「そろ、、そろ・・・!!」
善子「いいっっっ!!!いいいぃぃぃぃああああああああ!!!!!!!!」
ゴリゴリ!!!ゴリゴリゴリ!!!
理事長「これで・・・!!!」
ブチュン!!!!!!!
善子「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドサッ!!
善子「あっ・・・・・・・・・ああっ・・・・・・」
理事長「痛い・・・痛いわね善子さん・・・」
理事長「さぁ、教えて?松浦果南は生きてるのね?」
善子「果南は・・・・・・」
理事長「・・・・・・」
善子「・・・死にました・・・・・・」
理事長「・・・・・・」
あやり「お母さん!もう・・・!」
あやり「いくらヤマト隊だからって、ただの女子高生だよ!?」
あやり「ヤマト隊に入ったのだってつい最近のはずだよ!こんな拷問受けて、もう耐えれてるわけない!」
理事長「そうかしらね?」
あやり「もうやめだよ!今日はもう終わり!善子ちゃんは解放する!」
理事長「ことり・・・もう・・・」
・・・
留置部屋
ああああああ!!!!
ルビィ「ひぃっ!!」
ルビィ「隣では何が起こってるの・・・?」
花丸「ごめんなさいごめんなさい・・・マルはもう悪いことしないから・・・許してください・・・」
梨子「善子ちゃん・・・みんな・・・!」
梨子(私が・・・私が一番年上なのに・・・!)
ガラガラ!
ルビィ「きゃっ!」
梨子「善子ちゃん!!」
ドサッ!!
善子「ぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」
梨子「よ、よしこ・・・ちゃ・・・」
理事長「善子ちゃんは嘘が得意なようね・・・」
理事長「さっ、明日は誰にしようかしらね?」
梨子「ひっ・・・!っ・・・!」
ガラガラ!
梨子「っ・・・よ、善子ちゃん!」
ルビィ「善子・・・ちゃん・・・!指が・・・!」
花丸「ま、ま、ま、マル・・・」
善子「いわな・・・かった・・・」
梨子「え・・・?」
善子「果南が・・・生きてること・・・・・・それだけは言わなかった・・・!」
善子「それだけは・・・・・・!」
梨子「わかった・・・!わかった善子ちゃん!約束・・・!」
ルビィ「指・・・」
善子「いたい!!いたいいたいいたい!!」
ルビィ「きゃっ!!ご、ごめんなさい・・・!!」
梨子「善子ちゃん・・・かわいそう・・・」
梨子(私が・・・)
梨子(私が・・・一番お姉ちゃんなのに・・・!!)ギリッ
トコトコ
花丸「誰か来る!!」
梨子「っっ!!?」
ガラガラ!
あやり「・・・・・・」
花丸「やぁっ・・・!マル、許して・・・!」
ルビィ「きゃああ!!お姉ちゃん!!助けてお姉ちゃん!!」
梨子「っ・・・!!っ・・・!!」
梨子「わ、、わ私の事はどうしてくれてもいい!!!」
梨子「だか、だ、だからみんなは・・・!!みんなには・・・!!!」
あやり「みんな・・・ヤマト隊なんだってね・・・」
梨子「え・・・!?」
あやり「ねぇ・・・」
あやり「あやりは、いや・・・」
あやり「ことりは元気?」
梨子「・・・!?」
・・・
海
ブオオオオ!
梨子「あやり・・・さん・・・」
『あやり「お母さんに見つかる前に、早くこのボートに」』
『あやり「みんなのよく知る人のところへ連れて行ってくれる」』
『あやり「もうヘタに外出ちゃダメだよ?ヤマト隊とももう関わらないで。お願い」』
ルビィ「どうして・・・助けてくれたんでしょう・・・?」
『あやり「もしホントに自爆シーケンスを起動したら誰も助からない!!お願い辞めさせて!!」』
梨子「もしもあれが、本当だったら・・・」
梨子「果南さんも、あやりさんたちも、私たちも・・・」
花丸「マル・・・」
花丸「ことりさんが・・・嘘を言ってるとは思えないずら・・・」
花丸「施設での生活も、マルたちを助けてくれたのだって、真姫さんから聞いた『南あやり』とは全然違う・・・」
善子「理事長を・・・・・・」
梨子「善子ちゃん!」
善子「止めてくれたのも・・・・・・ことりさんだった・・・・・・」
梨子「・・・・・・!」
梨子「ことりさん・・・貴方はいったい・・・?」
ルビィ「っっ!!?っ!!?っっああああああ!!!!」
梨子「ルビィちゃん!?」
「ルビィィィーーー!!!」
ルビィ「お、おお、、」
ルビィ「おねぇぇちゃあああああ!!!!」
親鳥製薬
ガタン!
理事長「ことり!貴方ね・・・」
あやり「善子ちゃんが全部話した。もうみんなをいじめる必要はないよ」
理事長「あなた・・・」
理事長「わかっているんでしょうね。我々がどうしてヤマト隊に手を出せないか」
理事長「我々が圧倒的に負けているのは情報量の差。いくら戦力があってもこの差が埋められないことには状況は変わらない」
理事長「奴らが松浦果南のような人物をまた拾ったとき、次の襲撃には耐えられないかもしれない」
理事長「少しでも情報が必要なのよ。我々は奴らが超ヤマト戦艦を拠点にしていることしか知らない」
あやり「もちろん、わかってるよ」
あやり「この責任は私が全部取る」
あやり「私が出るよ。もしホントに果南ちゃんが生きてたなら・・・今度は決着を付ける!」
・・・
・・
・
超ヤマト戦艦
ツー ツー
ツー ツー
連絡係「真姫さん・・・」
真姫「・・・・・・」
ことり「真姫ちゃん・・・」
ことり「どうする?これから・・・」
真姫「・・・・・・う~ん・・・」
真姫「どうしましょうね?」
ことり「真姫ちゃん・・・」
監視員「ま、真姫さん!モニターが!」
真姫「・・・!」
ダイヤ『こんにちは。ヤマト隊のみなさん』
千歌「だ、ダイヤさん!?」
曜「生きて・・・たんだ・・・!」
ダイヤ『我々は今、黒澤一派として浦の星女学院を拠点に活動させていただいております』
ダイヤ『我々は、平和のために・・・活動しています』
ダイヤ『西木野真姫さん。貴方のことは、ことりさんとルビィたちに詳しく聞きました』
千歌「ルビィちゃん!?」
ダイヤ『そう、ルビィが大変お世話になりましたが・・・』
ダイヤ『西木野真姫さん。貴方の真実を知っています』
ダイヤ『貴方の親鳥製薬での活動。ヤマト隊の本当の活動理由』
ダイヤ『平和とは程遠い・・・貴方の真実』
真姫「・・・・・・」
ダイヤ『三日後、浦の星女学院で・・・武器を持たず、待っています』
ダイヤ『話し合いをしましょう。私は、血を見たくはない』
ダイヤ『貴方が本当に平和を望んでいるのなら、約束を守って頂けると信じていますわ』
ダイヤ『それでは、またお会いしましょう』
ブツン
千歌「真姫さん!ダイヤさんと協力できれば!」
曜「ルビィたちって言ってた!みんな無事なんだよ!」
真姫「何言ってるの?」
千歌「ま・・・真姫さん・・・?」
真姫「黒澤ダイヤ・・・あぁ思い出した。あの地元ヤクザの娘ね」
真姫「奴の言葉を信じて丸腰で浦女に行ったらどうなるか、わかる?」
千歌「ダイヤさんとお話して・・・それで・・・」
真姫「甘い」
真姫「まず間違えなくハチの巣にされる」
真姫「奴の言葉を聞いた?まるで私が悪魔かのような言い草だったわね」
真姫「そうして内部分裂を起こし我々を崩壊させる。そんな目的だったんでしょうね」
真姫「奴の名前を知ったのは親鳥製薬でのことよ。小原鞠莉って親鳥製薬の協力者と連携を取ってるっていうので聞いた」
真姫「本人もあやりからなんだか聞いたなんても言ってたしね」
真姫「どっちも・・・親鳥製薬派ってことよ」
千歌「そんな・・・」
真姫「奴らの平和って何?ゾンビウイルスを撒き散らしてこの世を地獄にした!そんな奴らが平和の何を語るの!?」
曜「でも・・・ダイヤさんは・・・ダイヤさんはそんな人じゃ・・・!」
真姫「この混乱よ。何があっても不思議じゃない」
真姫「でも、まずいわね・・・」
真姫「親鳥製薬に黒澤一派。仲間を多く失った今、二つの組織に目を付けられるなんて」
真姫「今まで親鳥製薬が襲撃をしてこなかったのは我々の戦力がわからなかったからよ」
真姫「果南に潜入組の四人。こっちの戦力は大きく落ちたと思うでしょうね」
真姫「そのタイミングで黒澤一派からの宣戦布告」
真姫「我々は今、窮地に立たされている」
千歌「・・・・・・」
曜「私たちだけじゃ・・・太刀打ち・・・できないのかな・・・」
真姫「難しいでしょうね・・・」
曜「・・・そっか・・・」
真姫「すぅぅーーー・・・ふぅぅーーー・・・」
真姫「果南を呼び戻しましょう」
千歌「果南ちゃん・・・!」
真姫「奴らを牽制するにはそれしかない」
真姫「果南の力を奴らは肌で感じたはずよ。果南が戻れば、ヘタに手は出せなくなる」
真姫「ななかちゃん!果南を連れ戻してきて」
真姫「平和のために・・・急がなければならない!」
監視員「はい!」
・・・
連絡係「真姫さん!果南が戻りました!」
果南「ただいま戻りました、真姫さん」
真姫「お帰り果南」
果南「お久しぶりです。その・・・ご迷惑をおかけしました」
真姫「いいのよ。それよりも今は、やらなきゃいけないことがある」
真姫「果南が出ている時、ある組織から我々に宣戦布告があったのよ」
千歌「ダイヤさんだよ、果南ちゃん」
果南「ダイヤ!?生きて・・・たんだ・・・!」
曜「でも今は、黒澤一派って親鳥製薬派の組織で活動してるらしいんだ・・・」
真姫「・・・そういえば・・・」
真姫「そっか、ホテルオハラと・・・沼津の方だったわね、そういうことか」
果南「えっ?」
真姫「果南、小原鞠莉が殺されてたって話してくれたわね」
真姫「例の映像は貴方達の浦女で撮影されたものだった」
真姫「背景にね、目立つピンクのヘリが映ってたの」
果南「・・・!?」
真姫「黒澤一派は小原家の物資を保有してる。ホテルオハラ日本代表の小原鞠莉は銃で殺された」
果南「それって・・・!」
真姫「私の予想、小原鞠莉は黒澤ダイヤに殺された」
果南「!!?!?!?」
真姫「・・・理由までは分からない。理念の違い、物資強奪・・・」
真姫「黒澤一派は・・・やっぱ危険としか思えない」
果南「っ・・・!っ!そんなでも・・・!」
真姫「果南」
真姫「この混乱よ・・・何があっても・・・不思議じゃない」
果南「・・・っ・・・」
・・・
あやり「果南ちゃん・・・生きてたんだ・・・」
あやり「・・・すごいよ善子ちゃん・・・拷問に耐えきったんだね・・・堕天使パワーか、ふふ・・・」
あやり「やるしかないね・・・」
・・・
連絡係「ま、真姫さん!何者かがボートで近づいてきています!」
真姫「何者か?」
連絡係「一人・・・あれは・・・!みんな衝撃に注意!」
ゴロゴロゴロ
連絡係「バズーカを撃ち込まれてます!」
真姫「牽制ね・・・!」
ことり「あれ・・・!」
真姫「ことり?」
ことり「ちっ・・・あやりだよ・・・!」
真姫「あやりが・・・!」
果南「あやりさん・・・!」
連絡係「砲撃を行いますか!?」
真姫「いや・・・この距離じゃ避けられる」
連絡係「また撃ってきます!」
ゴロゴロゴロ
連絡係「くそっ!好き勝手に・・・!」
真姫「このヤマト戦艦に外からのダメージが少ないのは分かってるはずよ」
真姫「これは・・・『お呼び出し』ね・・・」
果南「真姫さん!私が戻ったとこ、見られてたんでしょうか・・・?」
真姫「きっとそうよ。あの距離で牽制を続けてもどちらも埒が明かないのはわかってるはず」
真姫「誰かが行かないと・・・」
ことり「真姫ちゃん・・・!」
千歌「このままじゃ・・・」
曜「・・・!」コクッ
果南「真姫さん!指示を!」
真姫「果南!」
果南「はい!」
真姫「行けるわね?」
果南「・・・はい!」
真姫「曜と千歌、貴方達も行きなさい。果南をフォローするのよ」
真姫「あやりの強さは貴方が肌で感じてるはず・・・あなた一人じゃ勝てないかもしれない」
真姫「でも貴方達なら・・・!」
千歌「はい・・・!」
曜「みんな幼馴染なんだ・・・!チームワークじゃ絶対に負けないよ!」
真姫「3人でボートに乗って奴をヤマトから引き離して」
真姫「あのボートであんだけバズーカ撃ち込んだんじゃもう武器は少ないはずよ」
真姫「貴方達はいくらでも武器を持っていきなさい。人数と武器で優位を取るのよ」
真姫「うまく逃げ回れれば奴の武器は尽きて、いずれ逃げに回るはずよ」
真姫「その時が、最大のチャンス・・・!」
果南「わかりました・・・!」
真姫「生きて帰ってくるのよ」
ようちかなん「はい!」
・・・
果南「よし、行くよ!」
千歌「うん!」
曜「準備オッケー!」
果南「ヨーソロー!!」
ブオオオオオ!!
あやり「・・・!」
ブオオオオオ!!
曜「ついてきた!!」
果南「流石真姫さんだよ・・・!」
ブオオオオ!!
果南「頭を低くして!!」
パパパパン! ヒュン! カンカン!
千歌「うぅっ!撃ってきてる!」
果南「一応、計画のうちだよ!」
パンパン!
曜「よし!こいつを撃ち込む!」ミサイルランチャー!
果南「銃声が鳴りやんだ時にして!標的にされちゃうよ!」
曜「うん!」
カンカン! ・・・
曜「今だ!!」
ズゴン!!プシューー!!
ブオオオオオ!!
ドッポーーーンン!!!
曜「うそ!?避けられた!」
果南「伏せて!!」
パパパパン!! ヒュンヒュン!!
果南「うぅ・・・!」
千歌「はぁはぁはぁはぁ・・・!!」
曜「千歌!?千歌どうしたの!?」
千歌「ご、ごめん曜ちゃん・・・!怖くて・・・!」
曜「・・・千歌は伏せてな!私があいつを倒す!!」
果南「曜!!曜無理しちゃダメ!!」
曜「私だってヤマト隊の隊員なんだ!ことりさんの訓練だっていつも一番でこなしてきた!」
曜「あいつのせいで果南ちゃんが大変な目にあった!潜入組のみんなが捕まった!」
曜「この世を地獄にした!!千歌を怖がらせた!!」
曜「絶対に許さない!!私があいつをぶっ殺す!!!」
果南「・・・っ!!今は無理をしちゃ絶対ダメだよ!!あやりさんの銃声を聞き分けて!!」
パパパン!カンカン! ・・・
曜「死ね!!」
ズゴン!!プシューー!!
あやり「・・・!」
ドッポーーーンン!!
曜「なんで避けれるんだ!?」
曜「果南ちゃん速度を落として!次は絶対当てる!」
果南「ダメだよ!近づいたら危険すぎる!」
曜「もう!奴を殺せない!」
果南「曜!!!落ち着くんだ!!!気持ちが前に出過ぎだ!!!」
曜「奴を殺さないといけないんだよ!!!」
曜「オラアア!!」
ダダダダ!!!ダダダダダ!!!
曜(奴は撃つたびにハンドルから両手を離してる!)
曜(そのタイミングに合わせてミサイルを撃てば・・・!!)
曜「千歌!!ミサイルを取って!!」
千歌「み、ミサイル・・・!ミサイル・・・!」
曜「喰らえ・・・!!」
ダダダダダ!!!
千歌「曜ちゃん!」
曜「よし!」サッ
カンカン! パンパン!
曜「今だ!!」
ズゴン!!プシューー!!
ドッポーーーンン!!!
曜「よし!!」
果南「やったの!?」
バシャン!バシャバシャ!ブオオオオオオ!
曜「しぶといなぁ!!」
曜(やっぱり奴が撃ってるときに撃てば、今度は当てれる!)
曜「千歌!もう一発!!」
千歌「う、うん!」
曜「もう一発・・・!もう一発・・・!」
ヒュンヒュン!カンカン!
千歌「曜ちゃん!」
曜「よし!!」ジャギッ!!
ブスン!!
曜「うぅっ!!?」
ゴロゴロ! ドサッ!!
果南「わぐっ!?曜!?」
千歌「曜ちゃん!!?」
曜「うい・・・ぐ・・・」
千歌「曜ちゃん!」
曜「ぃ・・・いた・・・」
曜の右肩に・・・グロテスクな穴が・・・
ジュワジュワーー・・・ ボタッボタッ
曜「いっ・・・!ひっ!ひっ!」
曜「ぐっ!あっ、ああああああ!!!!」
千歌「曜ちゃん!!」
千歌「曜・・・!ちゃ・・・!」
曜「いたいいたいいたい!!!うーーーいいい!!!」
果南「曜しっかり!!よおーーー!!!」
曜「あああ!!!いたいいたい!!!ぅあああああぁぁぁあああ!!!」
千歌「やっ・・・!ひぃ・・・!」
jg389gはw9pじゃ3fsこp
病院
千歌「よーちゃん!!」
曜「あっ、千歌ちゃん!来てくれたんだ!」
千歌「大丈夫なの!?」
曜「全然余裕だよ~、骨折なんていつもの事だし!」
千歌「ホントに!?痛くない?」
曜「平気だよ~。ほら、叩いても全然大丈夫!」ベシッベシッ
曜ママ「こら!」
曜「あっ、あはは~・・・」
千歌「もう!心配して損した~!」
fj3えいgwなおpだrv;ぜおあ
曜「いたい!!ああぁいたいいたい!!ああぁ、あああああぁぁ!!!」
千歌「やっ・・・やっ、やああ!!」
果南「千歌ぁ!!!」
千歌「っっ!!」
果南「血が止まらない!!患部をタオルで強く縛って!!」
千歌「う、うん!」
ヒュンヒュン!!パンパンカン!!
千歌「ひぅぅ・・・!!」
千歌「ようちゃん!た、タオル当てるよ!」キュ
曜「いやっ!!いたい!!!いたいいたいいたい!!!!」ゲシッ!
千歌「きゃぁ!!」
果南「千歌!!早く!!」
千歌「よ・・・ちゃ・・・」
曜「いいいぃぃあああああ!!!」
千歌(怖い・・・!!怖い・・・!!怖い怖いこわい!!!)
果南「千歌ぁぁ!!!」
千歌「か・・・!」
果南「ちかあああ!!!!」
千歌「はっ!はは・・・!」
果南「早く血を止めて!!!曜が死んじゃう!!!」
千歌「うん・・・!!うんうん!!!」
千歌「曜ちゃんごめん!!」
ギュウウウウ!
曜「ああああああ!!!!いいいいいっっっってぇぇああああああ!!!!!」
ギュッ!ギュッ!
千歌「こ、これで・・・!」
曜「うぅぅ・・・!!ううぅぅぅ・・・!!!」
果南「ダメだ・・・!顔が真っ青・・・!!ちゃんとした場所で休ませないと・・・!」
パンパンパン!
果南「くっ・・・!くそ・・・!」
果南「千歌!一度地上に降りるよ!曜を回復させないと!」
千歌「うん!でも、どこで!?」
果南「ここからなら淡島ホテルが近い!あそこなら医務室もある!ヤマトに戻るより確実かも!」
千歌「わかった!」
ブオオオオオオ!
果南「着いた!」
パンパン!パパパパン!
果南「くっ!いい千歌!?訓練したことだよ!あやりさんに撃つスキを与えるな!」
果南「私がマガジンを撃ち尽くしてリロードする間、千歌があやりさんを足止めするんだ!!」
千歌「・・・!!」
ダダダダ!!ダダダダダ!!!
果南「今だ!!」
千歌「うぅぅ・・・!!」
ダダダダダ!!ダダダダダ!!
果南「曜!頑張って歩いて!ほら!」
ダダダ!!ガチッ!
千歌「果南ちゃん!!」
果南「了解!!」
ダダダダ!!ダダダダ!!
千歌「曜ちゃん!肩貸すよ歩ける!?」
果南「千歌!!」
千歌「はい!」
ダダダダ!!ダダダダダ!!
淡島ホテル エントランス
千歌「やった!医務室まで急ごう!」
果南「いやっ・・・!待って!」
果南(あやりさんは曜が怪我してることは分かってる!私たちが医務室に向かうことは予想される!)
果南(もし鉢合わせたら・・・!!)
果南「千歌!こっちだ!」
千歌「果南ちゃん!?」
果南「私は子供のころからここを知ってる!私たちは地の利で有利にならなきゃ!」
果南「二階の事務室にも簡易治療キットがある!そこに向かう!」
千歌「うん!わかった!」
果南「さぁ曜!もうちょっとだよ頑張って!」
トコトコ!
淡島ホテル 二階事務室
バタン カチッ
果南「よし、曜?大丈夫?」
曜「」グラッ
果南「曜!?曜!」
曜「かな・・・」
果南「・・・!これ・・・!血が止まってない!」
果南「千歌!こんなんじゃダメだよ!もっと強く縛ってあげなきゃ!」
千歌「やっ・・・だ、だって・・・ようちゃん・・・いたそうで・・・」
果南「痛くてもしっかり縛ってあげないと!出血多量で死んじゃうよ!」
千歌「っ!・・・ご、ごめんなさい・・・!」
果南「曜?我慢してよ・・・!」
ギュウウウ!!
曜「うぅぅぅぅっっ!!!?うっ!!」
曜「ふぅ・・・ふぅ・・・!」
果南「とりあえず、ゆっくりしてれば大丈夫かな・・・!?」
果南「・・・・・・」
果南「・・・ん・・・?」
果南「血が・・・止まってない・・・?」
来た道を・・・見てみると・・・
曜の血の跡が・・・
果南「ダメだ・・・ヤバいダメだ!ここはすぐバレる!」
果南「血の跡を追われる!早く逃げないと!」
曜「果南ちゃん・・・ちょっと・・・」
果南「ドア・・・いやダメだ鉢合わせる!」
果南「千歌!窓から飛び降りる!曜は私が抱える!」
千歌「ここから!?た、高いよ!」
果南「いや!何とかなる!」
果南「ほら曜!行くよ!」
果南「はぁぁ!!」
ズダッ!
果南「千歌!」
千歌「う・・・!う、はぁ!」
グギッ!!
千歌「きゃあ!!」
果南「千歌!」
千歌「うぅぅ・・・いたい・・・」
果南「千歌!大丈夫!?」
千歌「か、果南ちゃ・・・!」
果南「立って!歩ける!?」
千歌「なん・・・とか・・・」
果南「ほら!肩を貸すから!頑張って!」
曜「」グラン
果南「曜!曜!」
曜「かな・・・ごめ・・・ちょ、無理・・・」
曜「横にならないと・・・しにそう・・・・・・」
果南「曜・・・!」
果南「ダメだよ連れて行かないわけには!」
曜「果南ちゃん・・・お願い・・・」
曜「そこのビニールシートを被ってじっとしてるから・・・」
果南「曜・・・!」
果南「曜いいね!?絶対に迎えに来る!」
果南「大人しくしてるんだよ!」
曜「りょーかい・・・」
果南「千歌!歩いて!頑張って!」
千歌「うん・・・!」
ヨタ・・・ヨタ・・・
曜「あぁ・・・やっぱ横になってたほうが・・・いくらか・・・」
曜「・・・死ぬのかな・・・?」
バンッ!
曜「ドアが・・・開いた音・・・!」
曜(もう近くに・・・!)
ズダッ!
曜(来た・・・すぐそこにいる・・・!)
曜(果南ちゃん・・・千歌ちゃん・・・うまく逃げきれたか・・・?)
トコトコ
曜(足音が・・・)
曜(お願い見逃して・・・!)
ガバッ!
曜「あっ・・・!」
あやり「・・・・・・」
曜「死んだ・・・・・・」
淡島ホテル内
果南「千歌、足は?」
千歌「捻っちゃったみたい・・・ちょっと痛いかな・・・」
果南「・・・よし、これで」
果南「テーピングしといた。いくらかマシになると思う」
千歌「ありがとう・・・」
果南「曜・・・大丈夫かな・・・」
千歌「・・・・・・果南ちゃん・・・」
果南「んっ?」
千歌「・・・ごめんなさい・・・チカ、足引っ張ってばっかり・・・」
果南「・・・いいんだよ千歌・・・無事ならそれで・・・」
千歌「でも、チカだってヤマト隊なのに・・・なんにもできなくて・・・!でも怖くて、でも悔しくて・・・!」
果南「・・・千歌、いい?」
果南「私たちは、真姫さん率いるヤマト隊の隊員なんだ!」
果南「一度失敗したのなら、次は失敗しなければいい」
果南「千歌は今までの生活で何を学んだ?」
果南「平和のために生まれる、誇り高き魂だ!」
果南「私は誓う。仲間のために、千歌と曜のためにこの身を捧げつくすことを!」
千歌「果南ちゃん・・・!うん・・・!」
キィィィィ
千歌「・・・!」
果南「館内放送だ・・・!」
あやり『果南ちゃん。聞こえてるよね?ここのどこかにいることはわかってる』
あやり『曜ちゃんは私が預かったよ』
果南「曜・・・!?」
あやり『二人で話をしようよ』
あやり『屋上で待ってる。あんまり遅いとどうなるか・・・わかってるよね』
ブツン
千歌「果南ちゃん・・・!」
果南「千歌・・・」
果南「千歌・・・ここで待ってて」
果南「ご指名は・・・私らしい・・・!」
千歌「大丈夫・・・!果南ちゃん!」
果南「曜に言ったんだ。必ず迎えに来るって」
果南「それに、今の千歌じゃ・・・一人のほうが動きやすい」
千歌「果南ちゃん・・・!お願い、曜ちゃんを助けて!」
果南「もちろんだよ・・・!」
屋上
果南「すぅぅーー・・・はぁぁーー・・・」
ガンッ!
あやり「・・・・・・」
果南「・・・曜、待たせたね・・・」
曜「果南ちゃん・・・」
あやり「武器を捨ててもらおうか」
果南「曜を離して」
あやり「・・・武器を捨てろって言ってんだよ」
果南「っっ!」ゾワッ
果南「・・・・・・」ポイッ
あやり「よし」
果南「よ、曜を離してよ・・・」
あやり「その前に、話をしようよ。話がしたいんだ」
果南「・・・・・・」
あやり「果南ちゃんはさ・・・平和って何だと思う?」
果南「・・・・・・」
果南「毎日海で・・・ぷかぷか泳いで・・・」
果南「幼馴染が声を掛けに来て・・・蟹でも食べて・・・昼寝する・・・」
あやり「私は、お菓子作って、お裁縫して、友達と遊んで」
あやり「私は平和を求めてる」
果南「だったらなぜ!?」
果南「ウイルスを開発して・・・平和を壊したのはお前じゃないか!!」
あやり「違うよ。ウイルスを開発したのも拡散したのも真姫ちゃんだ」
果南「騙されると思う!?」
あやり「それが真実なんだよ。ヤマト隊だって、人を殺すために作られた組織だ」
果南「私は真姫さんの理念に感動した!平和の為ならこの身を捧げつくす!」
果南「私から!世界から平和を奪ったあんたたちを滅ぼす!それが私の使命だ!」
あやり「ふふっ・・・そうか・・・そう・・・か・・・」
あやり「もう・・・完全に・・・」
あやり「洗脳されちゃってるんだね、果南ちゃん」
あやり「怖いな・・・真姫ちゃんの呪縛は、こんなに平和を求める子を狂わせてしまうんだ・・・」
あやり「私がその呪縛から・・・解放してあげるからね・・・!」
ダァァン!!
曜「うぅぅっっ!!!?」
撃たれた曜は吹っ飛び、屋上から落ちていく!
果南「よおおおお!!!!うわあああああああ!!!!!」
ダダダダダ!!
あやり「これで・・・正当防衛だよ・・・!」ジャギッ!!
ダァァン!!
果南「ふっ!!」
あやり「なっ・・・!」
あやりの銃撃をかわした果南。その勢いのまま猛烈なタックルを仕掛ける!!
果南「らああ!!!」
ズゴン!!!
あやり「うわっっっ!!?! くっ・・・!」
吹っ飛ばされたあやりは華麗に態勢を整える!
直後、果南の拳が顔面に飛んでくる!!
あやり「ふんっ!」
ガシッ!!
果南「ふっ!!ぐっ!!」
果南の拳を両腕の前腕部で受け止めたあやり!
そして、全身を回転させ果南の顔面に蹴りをかます!
果南「きゃはっ!」
あやり「これならどう!!?」
回転の衝撃でそのまま倒れこみ、腕挫十字固を掛ける!
ギチギチ・・・
果南「うっ・・・!」
あやり「はあああぁぁ!!」
果南「ぅぅぅうううらああああ!!!!」
果南は腕力であやりを投げ飛ばす!!
あやり「うっ・・・!はぁはぁ!・・・マジかよ・・・!」
果南「はぁ!はぁ!」
果南「しゃっ!」
あやり「っ!ぅっ!」
シュシュ! パシッパシッ!
果南「うらあぁ!!」
あやり「甘い!」サッ
果南「くそっ・・・!」
果南(なんて動体視力だ・・・!私のパンチもキックも全部ガードされる!)
果南(私もあやりさんも武器は持ってない!拳だけで勝てるのか・・・!?)
果南「はぁっ!」
あやり「どうした!?」
ゴギッ!!
果南「ぶっ!!?」
ザザ!
果南「いっ・・・く・・・!」
シュッ!シュッ!
ボグッ!バキッ!!
果南「あうぅっ!!」
あやり「ふぅ・・・!」
果南「いぅぅ・・・!はぁ!はぁ!」
グラッ
果南「ぅぅぅ・・・」
果南「はっ!はっ、くぅぅ・・・!」
あやり「どうしたの?ヤマト隊ナンバーワンの実力はこんなもの?」
果南「くそっ・・・!」
果南(勝て・・・ない・・・!)
あ~あ
痛いしもう疲れたよ。早く家に帰ってシャワー浴びて寝たい・・・
ちょっと前なら、こんなこと簡単に言えたのにな・・・
ごめん曜・・・もう、無理だよ・・・仇、討ってあげられない
ごめん千歌・・・守ってあげられない・・・
このまま負けたら・・・あやりさんは千歌を追って・・・千歌は・・・
やだ・・・やっぱり・・・いやだ・・・!
果南「すぅぅーー・・・」
あやり「やる気になったね・・・」
果南(なぜあやりさんに勝てない?)
果南(動体視力も、パンチの鋭さも全部負けてるから)
果南(冷静になるんだ。じゃあ何なら勝てる?)
『果南「らああ!!!」ズゴン!!!』
『果南「ぅぅぅうううらああああ!!!!」』
果南(・・・っっ!!)
腕力は私のほうが上・・・!!
あやり「はぁぁ!!」
バギィッ!!
果南「っっぅ!!!」ギロッ!!
あやり「!!?」
あやりのパンチを根性で耐えた果南は、そのままあやりの腰回りにしがみ付く!!
ガシッ!!
メリメリメリ!!
果南「はぐううぅ!!!!」
あやり「ぅぅ!!?!あぁっ!はぁっ!」
あやりの身体を浮かせ、腕力と重力であやりを締め付ける!!
あやり「くっ!!っっはせ!!」
抵抗を続けるあやり!
果南「はぁぁぁぁ・・・!!」
メキメキメキ!!
あやり「ううぁぁぁ・・・!!あぁぁ・・・!」
あやり(ぐっ・・・!力・・・が・・・!入らな・・・!)
果南「ああぁぁぁ・・・!!!」
あやり「ぅぅぅわあぁぁ・・・!!」
果南「はぁ・・・!はぁ・・・!」
果南「ふぅぅぅ・・・!!!」
グリグリグリ!!
あやり「あが、っく・・・!ああ、ぁぁぁ・・・!」
果南「ふぅ!ふぅ!ふぅ!」
果南(このまま・・・締め落とす・・・!!!)
果南「ぐぅぅぅぅ・・・!!!」
ゴリゴリゴリ!!
あやり「あっ・・・・・・ぁ・・・・・・!」
果南「終わりだ・・・!!」
あやり「は・・・・・・」
あやり(かべ・・・・・・)
あやり(かべ・・・!!)
ダンッ!
果南「っ!!?」
ヨタヨタヨタ!
ズゴッ!!
果南「あぅぅ!!?」
あやり(緩んだ!!)
あやりは果南の首に両腕を回し、果南の身体を蹴った反動で締め付けから解放される!
その反動のまま、果南の顔面を地面に叩きつける!!
あやり「はあぁ!!!」
バーーンン!!!
果南「ぶあっっっはぁぁ!?!!?」
あやり「来いっ!!」
うつ伏せに倒れた果南の胸倉を掴み無理矢理引き起こす!!
バキャアア!!
果南「うぐっっ!!」
右側頭部を殴られた果南は必死に両腕で顔をガードする!!が!!
ズブッッ!!
果南「ぶっっっお!!!」
果南の両腕を縫ってあやりの拳が突き刺さる!!
あやり「らっっ!!」
ズゴン!!
果南「っっっ!!?」
顔を守る果南に不意打ちのボディーブロー!!
果南「あっは・・・!!!」
顔も腹も、どこをガードすればいいかわからない果南!!
空いた右側頭部にもう一撃、あやりの強烈なフックが襲う!!
バキャアア!!
果南「がっっ!!かっっ!!」
あやりの蹴りが脇腹を襲う!!
果南「っっ!!?」
だがその蹴りはフェイント!!顔面へ蹴りが襲ってくる!!!
あやり「はぁぁぁらあああ!!!」
バキャアアア!!!!
果南「あああああ!!!」
ケンカを極めしあやりの、冷酷無比な旋回砲火のラッシュコンボ!!!
果南「ぁぁ・・・ぁっ・・・!」
あやり「はぁぁ!!」
仰向けに倒れた果南に馬乗りになって両手で首を締めにかかるあやり!!
果南「あぐっ・・・はっ・・・!!」
あやり「ふぅぅ!!」
果南「あぁぁ・・・!」
あやり「これで・・・!終わりだよ・・・!」
果南「はっ・・・はっ・・・・・・はっ・・・」
あやり「これで・・・!!」
果南「かっ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」
果南「ぁ・・・・・・」
シャクッ!
あやり「!?!!?」
果南(ゆるん・・・だ・・・・・・!)
ガバッ!!
あやり「うぅぅっ・・・!」
果南「ゲホッ!ゲホッ!あはっ!ケホッ!」
果南「・・・!?」
果南「ち、千歌!!」
千歌「はぁ・・・!はぁ・・・!」
あやり「ぅぅぅ・・・!」
果南(今しかない!!)
果南「千歌!!その包丁を貸して!!早く!!」
千歌「果南ちゃん!」
果南「うわあああああ!!!!」
ザクッ!!
あやり「あああああ!!!!」
果南「あああ!!!はああああ!!!!」
ザクザクザク!!!
あやり「ああっあ・・・あっ・・・!」
果南「はぁ!はぁ!はぁ!」
果南「曜を殺した!!」
ズンッ!!
あやり「うぶっ!」
果南「みんなに酷い目を合わせた!!」
ズンッ!!
あやり「あぁぁうっっ!!」
果南「この世を地獄にした!!」
ズンッ!!
あやり「あああ!!あぁぁぁ!!」
果南「これ以上!!私の平和を奪う気か!!?」
果南「らあああああ!!!!!」
ザンンッッ!!!!
あやり「ああああああああ!!!!!」
あやり「あ、あ・・・あっ・・・」
ドンッ
果南「はぁ!はぁ!はぁ!」
あやり「さすがに・・・もう・・・」
果南「やっと・・・諦めた・・・?」
あやり「うん・・・ふふ・・・」
あやり「強いんだね・・・果南ちゃん・・・」
果南「・・・いいや、私だけが強いんじゃないよ・・・」
果南「千歌がいたから・・・曜がいたから勝てたんだ・・・」
あやり「そっか・・・『愛はすべてに勝つ』か・・・ふふ、若いね・・・」
果南「・・・・・・」
あやり「果南ちゃん・・・よく聞いて・・・」
あやり「曜ちゃんは・・・死んでない・・・」
果南「えっ・・・!?」
あやり「曜ちゃんを撃った銃は空砲だよ・・・あのまま海に落として・・・今は私の協力者が保護してるはず・・・」
果南「なんでそんなこと・・・!」
あやり「・・・出来れば人を、殺したくなかった・・・」
あやり「真姫ちゃんに洗脳された子に襲われた・・・正当防衛だった・・・そんな自尊心のため・・・」
果南「あなたが・・・もし本当に平和を望んでいるんだとしたら・・・」
果南「平和を望む私たちが殺し合う・・・この戦いの意味は何ですか!!?」
果南「どうして私たちは手を取り合えないんですか!!?戦わなければならない理由は何ですか!!?」
果南「平和を望む貴方を殺した私はこれからどうすればいいの!!?何が正解なの!!?」ポロポロ
果南「教えてよ!!!どうして私たちは殺し合うんですか・・・!!?」ポロポロ
あやり「果南ちゃん・・・」
あやり「真実を見極めるんだよ・・・」
あやり「全てを知ったうえで、あなたなりの正解を見つけるんだ・・・」
あやり「この言葉だけは・・・覚えておいて・・・」
あやり「『人は過ちを繰り返す』・・・」
あやり「果南ちゃんなら・・・この言葉に答えを出せるって・・・」
あやり「信じてるよ・・・」
果南「・・・・・・っ!」
果南「・・・そんなのわからないよ!!」
果南「答えなんかわからない!!私は人の意思であなたを殺した!!」
果南「答えを教えてください!!私は何をすればいい!!?『平和』ってなんなんですか!!?」
あやり「それを見つけ出すのは・・・あなただよ・・・」
果南「わからないよ!!答えてよことりさん!!!」
あやり「・・・ふふ・・・」
あやり「はじめて・・・なまえをよんでくれたね・・・・・・」
あやり「わたしたち・・・・・・つぎはなかよく・・・・・・なれるよね・・・・・・?」
あやり「」クタッ
果南「ことりさん!!ことりさん!!!」
果南「返事してよ!!!答えを教えてよ!!!ことりさーーーんん!!!!」
果南「ううっ・・・ひぐっ・・・うっ・・・」ポロポロ
千歌「果南・・・ちゃん・・・」
果南「千歌・・・」
ギュ
果南「帰ろう・・・千歌・・・」
千歌「果南ちゃん・・・うん、帰ろう・・・」
果南「帰ろう・・・」
バタバタバタバタ!!
果南「ヘリの音・・・!」
千歌「あんちゃんかな!?」
果南「いや・・・!」
バタバタバタバタ!!
千歌「あのピンクのヘリ・・・!」
果南「ダイヤ・・・!!」
バタバタバタバタ!!着陸!
ガラッ
ダイヤ「お久しぶりですわ。果南さん、千歌さん」
果南「ダイヤ・・・!」
千歌「ダイヤさん!」
ダイヤ「・・・っ!ことりさん・・・!」
果南「ダイヤ・・・いや、今は・・・」
果南「黒澤一派の、黒澤ダイヤだったね・・・」
ダイヤ「果南さん、千歌さん。お話したいことがあります」
ダイヤ「着いてきていただけませんか?」
ダイヤ「いや、貴方たちはついて来ざるを得ない」
美渡「よう千歌。久しぶり」
千歌「美渡姉!!?生きてたの!!?」
志満「さっ、曜ちゃん」
果南「志満姉・・・!」
曜「果南ちゃん・・・千歌ちゃん・・・」
果南「曜!!」
千歌「ようちゃん・・・みんな・・・」
千歌「生きて・・・たんだ・・・!!」
ダイヤ「ついてきて・・・いただけますね・・・?」
果南「・・・・・・」
バタン
バタバタバタバタ!!
ダイヤ「ありささん。しばらくこの辺を飛んでください」
操縦士「ラジャーー」
果南「曜、大丈夫なの?」
曜「うん・・・なんとか・・・」
曜「あの後・・・ことりさんが治療してくれたんだ・・・」
果南「ことりさんが・・・?」
曜「輸血をしてくれて・・・傷口も縫ってくれた・・・」
果南「・・・・・・」
ダイヤ「みなさんにお話したいことは・・・」
ダイヤ「紛れもない・・・真実です」
美渡「それはあんた達にはショックなことかもしれない」
志満「だけど・・・抵抗しないでよ・・・」
志満「抵抗すれば・・・みんなを撃たなきゃならない・・・そんなことさせないでよ・・・」
千歌「志満・・・ねぇ・・・?」
ダイヤ「まずお話することは、貴方達の従う、西木野真姫の真実です」
ダイヤ「単刀直入に、ゾンビウイルスを開発したのは西木野真姫です」
ダイヤ「それは、彼女が親鳥製薬で勤務していた時の事」
ダイヤ「ウイルスを開発し、開発データをすべて超ヤマト戦艦に持ち逃げした」
ダイヤ「ご覧ください。当時、親鳥製薬で撮られた監視カメラの映像です」
ダイヤ「西木野真姫はデータをすべて盗み出した後、親鳥製薬のシステムに不正にアクセスしました」
ダイヤ「この映像は加工のされていないものです。不正アクセスを何とか掻い潜り見つけ出しました」
ダイヤ「ウイルスをばら撒き、ゾンビの習性を生かし安全な船上に逃げこんだ」
ダイヤ「ヤマト隊なる組織を指揮し、行き場を失った人間を助け、自らの兵器として活動させた」
果南「みんな、真姫さんが悪いって言うんだね・・・」
ダイヤ「仕方ない・・・それが真実なのです」
ダイヤ「果南さんは親鳥製薬の地下に機密文書があると知らされていますね?」
ダイヤ「文書はない・・・西木野真姫が盗み出し、今は恐らく超ヤマト戦艦にあるはずです」
ダイヤ「そして、あなたの弄っていたPCは自爆シーケンスの起動スイッチです」
ダイヤ「あのままパスワードが入力完了していたら・・・親鳥製薬は・・・貴方も今頃灰になっているでしょうね」
ダイヤ「西木野真姫ももちろんそのことは知っている。じゃあなぜ仲間が大勢いるなかで自爆をさせようとしたか」
『あやり「もしホントに自爆シーケンスを起動したら誰も助からない!!お願い辞めさせて!!」』
果南「・・・・・・」
ダイヤ「ことりさんに聞いた話では・・・彼女は『死』を知っている」
ダイヤ「『死』こそが救いだと考えている」
ダイヤ「ウイルスを開発したのも、効率よく人間を殺せるため」
ダイヤ「ヤマト隊は、全てを殺すために生まれた組織」
千歌「真姫さんは・・・平和のために活動しているんじゃ・・・」
ダイヤ「親鳥製薬への潜入作戦は、機密文書を盗み出すためだと言われていたんですよね?」
ダイヤ「確かにいい作戦でした。ことりさんの強い警戒がなければ作戦は成功していた」
ダイヤ「もしあれが、本当に自爆シーケンスだったらあなたたちはどうなっていた?」
ダイヤ「あの場にいたルビィたちも・・・みんな死んでいたはずです」
千歌「ルビィちゃん・・・そうだ!みんなを保護してるって・・・!」
ダイヤ「ええ。ルビィに梨子さん、花丸さん、善子さん。みんな今浦女で生活していますわ」
ダイヤ「みんなにこの真実を伝えました」
ダイヤ「みんな・・・ルビィの影響もあるでしょうが、今はヤマト隊を離れ我々に協力していただいています」
ダイヤ「みんな元気です・・・いや、善子さんは・・・」
ダイヤ「善子さんだけは・・・彼女はヤマト隊でした。最後まで口を割らなかったそうですわ・・・」
千歌「みんな・・・!やっぱり生きてるんだ・・・!」
ダイヤ「そして、南あやり」
ダイヤ「いえ・・・皆さんから見て、『南ことり』、ですわね」
ダイヤ「彼女は、人造人間です」
果南「人造人間・・・?」
ダイヤ「理事長が開発した・・・今はもう本物の人間と見分けは簡単にはつきません」
ダイヤ「・・・ことりさんの戸籍情報です。彼女に兄弟はいません」
ダイヤ「南あやりは最初の人造人間です。親鳥製薬の中だけで生活していました」
ダイヤ「ことりさんと西木野真姫は理念が合わず対立しました。ことりさんは死を望まなかった」
ダイヤ「南あやりは貴方達と同じように西木野真姫に騙されたのでしょうね」
ダイヤ「親鳥製薬が悪だと信じているから・・・自分のオリジナルとなった人間とも敵対した」
果南「私が戦ったのは・・・本物の・・・南ことり・・・?」
ダイヤ「ええ・・・彼女は平和のために、貴方と・・・いや、西木野真姫の理念と敵対した」
ダイヤ「わたくしはことりさんと繋がっています」
ダイヤ「黒澤一派として内浦を拠点に活動を始めた後、事件を調べ行きついたのは親鳥製薬」
ダイヤ「平和を求めるため、親鳥製薬に接触した時・・・受け付けてくれたのがことりさんでした」
ダイヤ「ことりさんは平和を望んでいる。血を流さずに解決できる方法をいつも探し求めていた」
ダイヤ「敵対しているはずのヤマト隊にだって、大きな慈悲を与えていたはずです」
『あやり「真姫ちゃんに洗脳された子に襲われた・・・正当防衛だった・・・そんな自尊心のため・・・」』
ダイヤ「ルビィたちを解放したのも彼女です。善子さんだけは間に合わなかったそうですが・・・」
ダイヤ「・・・きっと切ない誓いがあったのでしょう」
ダイヤ「彼女は・・・平和のために活動していた」
果南「平和の・・・ために・・・」
果南「私は・・・・・・私が悪だったの・・・?」
ダイヤ「貴方は・・・人の命を奪う西木野真姫の手助けをしていた」
ダイヤ「わたくしには・・・貴方が悪に見えますわ・・・」
果南「・・・・・・」
果南「ダイヤ」
ダイヤ「はい?」
果南「真実を教えてくれるって・・・言ったよね・・・?」
ダイヤ「ええ」
果南「・・・・・・」
果南「鞠莉・・・」
ダイヤ「・・・!」
果南「このヘリは・・・小原家のもんでしょ」
果南「鞠莉をどうしたの・・・?知ってるんでしょ・・・?」
ダイヤ「・・・・・・」
ダイヤ「鞠莉さんは・・・・・・」
ダイヤ「彼女は、真実を知らなかった」
ダイヤ「内浦と、盗み出した人造人間技術を使い・・・戦争を起こそうとした」
ダイヤ「彼女は世界のために・・・私たちの町を潰す覚悟だった」
ダイヤ「理念の違いですわ・・・そんなこと私が許せるはずがない」
果南「・・・・・・」
ダイヤ「・・・彼女と別れ、私は内浦で呼びかけを始めました」
ダイヤ「志満さんや美渡さん。みんなわたくしに着いてきて頂けました」
ダイヤ「わたくしは平和のために、悪と戦うと誓った」
果南「鞠莉と・・・・・・」
果南「『別れ』た・・・?」
ダイヤ「っ・・・」
ダイヤ「・・・・・・」
ダイヤ「彼女は・・・わたくしが殺めました」
果南「・・・!!!」
果南「なんで言ってくれなかったの・・・?」
果南「昔からいつだって・・・私たちは3人で決めてきた!」
果南「スクールアイドルやるときだって!何食べに行くか決めに行くときだって!」
果南「なんで殺したの!?もっと他にやり方があったはずでしょ!!」
ダイヤ「それが!・・・わたくしの覚悟ですわ」
ダイヤ「彼女の事を親身に受け止め、私はこの選択をした」
ダイヤ「平和のためなら・・・わたくしは・・・」
果南「わかんないよ・・・平和のためなら親友を殺すのかよ!?」
果南「もう平和ってなんなの・・・!?」
果南「鞠莉を迎えに行って、3人で散歩でもして・・・!そんな日はもう戻ってこないの!!?」
ダイヤ「・・・大人になりなさい、果南さん・・・」
果南「・・・これが大人なら・・・私は一生子供のままでいるよ」
ダイヤ「・・・・・・!!」
ダイヤ(このセリフ・・・わたくしも同じ事を・・・)
果南「曜、千歌・・・ごめん」
千歌「え・・・?」
果南「私は、大人になれないみたい」
果南「ことりさんの思うような・・・立派な人間じゃない」
果南「『答え』なんて・・・のんきな私にはわからないよ」
果南「でもね・・・これだけは・・・」
果南「これだけはやらなきゃいけないんだって・・・感じる・・・」
果南「ごめんね・・・ダメなお姉ちゃんで」
千歌「かな・・・」
ドク ドク
果南「すぅぅーー・・・」
ドク ドク
ドク
ドガッ!!!
美渡「うぅっ!!?」
果南「・・・っ!!」
パシッ
果南「だいやああーーーー!!!」
ダイヤ「・・・!!!?」
果南「っっ!!!」
ジャギッ!!
ダイヤ「っっっ!!!?」
ダアァァァンン!!!!
ダイヤ「ぅっ!!? ・・・!??」
果南「ぁ・・・・・・ぁ・・・ぁ・・・・・・」
ダイヤ「はっ・・・!?」
ダイヤ「志満・・・さん・・・!?」
志満「・・・っ!!」
カラーン
果南「」
ドサッ!!
千歌「か・・・!」
曜「か・・・!」
千歌「かな
「動くなああああ!!!!!」
志満「動くな!!!」
美渡「う、動くな!!!」
美渡「動くな!!!」
千歌「ぃ・・・!!?」
曜「か、果南ちゃ・・・!!」
志満「あああああああ!!!!!!!」
千歌「しま・・・」
志満「だから言ったのよ・・・!!絶対に抵抗しないでって・・・!!!」
ダイヤ「志満さん・・・」
ダイヤ「これで何度目でしょうね・・・また命を救われました・・・」
ダイヤ「ありがとうございます、志満さん」
志満「言ったでしょダイヤちゃん・・・ダイヤちゃんのためならなんでもやるって・・・」
ダイヤ「ええ・・・ありがとう、志満さん・・・」
志満「うん・・・!」
千歌「果南ちゃん・・・!」
果南「」
千歌「果南ちゃん!果南ちゃん!」
曜「果南ちゃん!!」
果南「」
美渡「無理だよもう・・・頭を撃たれてんだよ・・・」
美渡「頼むから・・・二人は抵抗しないでくれよ・・・」
美渡「私を・・・志満姉と同じ境遇に・・・妹を殺させないでくれよ・・・!!」
曜「・・・っ」
千歌「果南ちゃん・・・!!」
果南「」
操縦士「なになに!?なにがあったの!?」
ダイヤ「ありささん落ち着いて?大丈夫ですわ、このまま飛んでて」
操縦士「あ、そう?」
バタバタバタバタ!!
んっ?
あれっ?んーー?
あっ、そっか
私、死んだのか
あー、そうだ、ダイヤ撃とうとして志満姉に撃たれたんだ
あ~あ、死んじゃったな
結局、なんにもできなかったな
千歌と曜を守れなかったな
ダイヤを許せなかったんだ
だって、殺す必要なんてないでしょ?
鞠莉にあの世でお詫びしてきなって、説教してやろうと思ったのに
できなかった・・・
いや、やってやるよ
ここまで頑張ってきたんだもん。今更簡単にはあきらめないよ
千歌、曜、ごめんね。迷惑かけちゃうけど
私はダイヤが許せない
ピー ピー
美渡「何の音!?」
千歌「果南ちゃん!!?」
曜「果南ちゃん!!」
ダイヤ「果南さん!!?」
志満「・・・!!?」
果南「」スッ
仰向けに倒れ、目を見開き、硬直したまま・・・果南は右手だけを天に掲げた
その右手には、ヘリを爆破させるには十分な爆弾が握られている
果南「」パク パク
ピー ピー
美渡「おいなんでだよ!!?あんた頭撃たれたんだろ!!?」
美渡「こんなの・・・!!」
ダイヤ「美渡さん・・・!」
美渡「なんだよ・・・!!なんで離さないだよ!!!」
美渡「抵抗してるのか!!?あんた死んでるんだろ!!なんで離さないんだよ!!!」
千歌「果南ちゃん・・・!」
曜「っ・・・!っ・・・!」
ピー ピー
ダイヤ「美渡さんどいて!!」
美渡「っ!!?」
ダァンダァン!!
ダァンダァンダァンダァンダァンダァン!!!
ダイヤ「・・・っっ!!?」
ダイヤの銃撃は確かに全弾果南の右腕を捉えた
でも果南は動かない
美渡「なっ・・・!?おかしいだろ・・・!!?」
ピー ピー
美渡「離せよ果南・・・!!そうまでしてダイヤちゃんを殺してぇかよ!!!?」
果南「」
ピー ピー
ダイヤ「そうか・・・そんなに・・・」
ダイヤ「果南さん・・・それが・・・」
ダイヤ「貴方の覚悟、なのですね・・・」
ダイヤ「ふふ・・・」
ダイヤ「負けましたわ果南さん」
ダイヤ「やっぱりこういう面では・・・わたくしは貴方にはかなわない」
美渡「ダイヤちゃんも志満姉も手伝ってくれよ!!」
美渡「くそっ!!くそくそくそ!!!」
美渡「こうなったらこのまま引き摺り下ろしてやる!!」
ガチャン!ドアを開ける!
ビュオオオオオ!!!
千歌「ううぅ・・・!!」
曜「千歌ちゃん!捕まって!!」
美渡「おら!!動けよ!!!」
美渡「なんで動かないんだよ!!あんた死んでんだろ!!?」
美渡「なんで抵抗してるんだよ!!やだ・・・!死にたくない!!!」
ピー ピー
ダイヤ「美渡さん」
ダイヤ「今まで、ありがとうございました」
ダイヤ「わたくしに協力してくれるって言っていただいたとき、とっても嬉しかったですわ」
美渡「やめろよダイヤちゃん!!」
美渡「私たちはまだ死なない!!死にたくない!!」
志満「美渡ちゃん・・・」
千歌「曜ちゃん・・・!」
曜「・・・!!」コクッ
志満「っっ!!?千歌ちゃん!!曜ちゃん!!」
志満「無理よこの高さじゃ!!絶対に死ぬ!!」
曜「じゃあ銃で止める!!?」
曜「千歌ちゃん!!」
千歌「曜ちゃん!!」
ガバッ!! ビュオオオ!!!
志満「待ってーーーー!!!!」
志満「バカ!!!助かるわけない!!!」
ダイヤ「千歌さん・・・曜さん・・・」
ビュオオオオオ!!!!!!
曜「千歌ちゃん!!」
千歌「よーちゃん!!」
曜「千歌ちゃん!!!」
千歌「よー、、ちゃん!!!」
曜「うぅうっっうう!!」
曜「千歌・・・ちゃ・・・!!」
千歌「曜ちゃん!!!」
ギュッ!!
曜「千歌ちゃん!!」
千歌「よーちゃん!!」
ビュオオオオオオ!!!!!!!
ピー ピー
ダイヤ「志満さん・・・」
ギュッ
志満「ダイヤちゃん・・・」
ダイヤ「ありがとう、志満さん・・・」
志満「ダイヤちゃん・・・ありがとう」
志満「美渡ちゃん・・・」
美渡「志満姉!!手伝って!!」
志満「美渡ちゃん・・・!」
ギュッ
美渡「志満・・・ねぇ・・・」
志満「ありがとう」
美渡「志満姉・・・・・・」
美渡「グズッ・・・ありがとう・・・」
ダイヤ「ありささん、ありがとう・・・」
ギュッ
操縦士「え?なに?なにこの状況?」
ダイヤ「・・・ありがとう」
操縦士「・・・ありがとう、ダイヤ」
果南「」
ピー ピー
ダイヤ「果南さん・・・」
ギュッ
ダイヤ「ごめんなさい」
ダイヤ「みんなで・・・そちらに逝きますわ」
志満「ダイヤちゃん」
美渡「ダイヤちゃん・・・」
ギュッ
ダイヤ「ありがとう」
志満「ありがとう」
美渡「ありがとう」
ダイヤ「ありがとう・・・」
ダイヤ「ルビィ・・・」
「ごめんなさい」
ピー ピー
ピー ピー
ピー
ズウウウウウアアアアアアアアア!!!!!!!
ドガドガドガアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
曜「千歌ちゃん!!」
千歌「よーちゃん!!」
ズガアアアアア!!!
曜「!!!?」
ブワッ!!!ゴオオオオオ!!!!
千歌「ううううう!!!!」
曜「千歌・・・ちゃん・・・!!!」
千歌「よう・・・ちゃん・・・!!!」
曜「千歌ちゃーーーん!!!」
千歌「よーちゃーーーん!!!!」
ズゴゴゴゴゴゴ!!!!!!
ズガガガガガガ!!!!!!
・・・
・・
・
・
・・
・・・
鳥「ちゅんちゅん」バサバサ
鳥「ちゅん?」
鳥「つんつん・・・」
鳥「おえっ」
鳥「ちゅんちゅん!」バサバサ
ザバーン ザバーン
千歌「」
曜「」
ちょうちょ「パタパタ」
ちょうちょ「ピトッ」
千歌「」
ちょうちょ「・・・?」
ちょうちょ「パタパタ」
曜「」
・・・
・・
・
千歌「」
曜「」
第二部 完
また後日このスレに特別編を投稿します
特別編2
ブゥゥゥン!
果南「はぁ・・・寒い・・・」
果南「はぁぁーー・・・はぁぁーー・・・」
果南「あっ・・・エンジンであっためられるかな・・・」
ホワァァァ
果南「あったかぁぁーー・・・」
果南「・・・・・・」
北海道 函館
親鳥製薬への潜入作戦に失敗した私は、真姫さんの計画通り、遠くの場所まで来た
果南「・・・・・・」
ゾンビ「アァァ・・・」
一面が輝く白銀の世界
どうやらここでも、ゾンビの被害は拡大してしまっているらしい
ドガアアアアア!!!!
果南「えっ!!?」
果南「・・・・・・」
学校が爆発した
果南「な・・・・・・?」
果南「・・・向かうか・・・」
バイクを走らせる
猟銃を携え
梨子ちゃんが・・・迎えに来てくれるまで
絶対に生き残ってやる
ブゥゥゥン キキッ
果南「あれ・・・!」
女の子がゾンビに襲われている
果南「助けてあげる・・・!」
サプレッサー代わりに銃口に分厚くタオルを巻き、猟銃を構える
ゾンビは音に強く反応する
弾に限りがある。前みたいにいくらでも撃てるわけではない
無駄な戦いは避ける。外す余裕もない
ジャキッ
果南「すぅぅーー・・・」
果南「・・・・・・」
バシュ!
グスッ!
ゾンビ「ウゥゥ!!?」
ドサッ
果南「よし・・・!」
理亞「姉様・・・姉さまぁぁ!!」
理亞「姉様!姉様!なんで・・・!」
果南「大丈夫?」
理亞「・・・!!」キッ
理亞「お前かああ!!!」
果南「やっ!ちょ、ちょっと!?」
理亞「この人殺し!!殺す!!ぶっ殺してやる!!」
果南「待って!あの子はゾンビ化してた!君を助けたんだよ!」
理亞「助けただと!?姉様の意思を邪魔しやがって!!」
果南「姉様・・・?君のお姉ちゃんなの?」
果南「彼女はもう手遅れだったんだ。お姉ちゃんのためにも、君は生きなきゃならないんじゃないの?」
理亞「てめぇに・・・!!」
理亞「てめぇになにがわかる・・・!?」
果南「わからないよ・・・!でも・・・」
果南「生きてなきゃ・・・何も変わらない・・・!」
理亞「・・・・・・」
理亞「姉様・・・」
瞳孔が赤く光った死体・・・
理亞「ねえさまぁ・・・!」
果南「・・・お姉ちゃんのためにも、できることがあるはずだよ」
理亞「できること・・・?」
理亞「・・・・・・」
果南「安全地帯を知ってる」
果南「一緒についてきてくれるね?」
理亞「・・・あぁ、わかった」
果南「よし、行こっか」
果南「しっかり捕まっててね」
理亞「・・・・・・」
ブゥゥゥン
果南「私は松浦果南。君は?」
理亞「・・・鹿角理亞」
果南「お姉さんは?」
理亞「聖良・・・」
果南「その、お姉さんの事・・・」
理亞「うるせぇ」
果南「えっ?」
理亞「・・・・・・」
果南「・・・あはは」
理亞「姉様の事笑ってんのか!?」
果南「ちょ、違うよ!謝りたかったんだって!」
果南「事情は分からないけど私は理亞ちゃんを救えたと思ってる!」
果南「お姉さんだとは知らなかったんだ!君を助けたかった、それだけなんだよ!」
理亞「・・・うるせぇ・・・この人殺し」
果南「・・・・・・」
理亞「・・・!」
理亞「止まって!止まれ!!」
果南「っ!?」
キキー!
果南「何!?」
理亞「トイレ」
果南「えっ・・・?」
理亞「コンビニ」
果南「・・・中は危険かもしれない。安全地帯にもトイレあるから、そこまで我慢できる?」
理亞「お前が見に行けばいいだろ。殺すのは得意なんだろ?」
果南「・・・・・・」
果南「・・・はいはい、わかったよ」
ジャキッ!
果南(マガジンにあと4発、予備は3発しかない・・・)
果南(銃口は厚く巻いておこう。銃はなるべく使わない。ナイフを構えて・・・)
果南「すぅぅーー・・・はぁぁーー・・・」
果南「私のすぐ後ろにいて。周りをよく見て・・・ゾンビが居たら必ず教えるんだよ?」
理亞「・・・・・・」
果南「・・行くよ」
ウゥーン テルレルレル
果南「・・・・・・」
トコ・・・トコ・・・
果南「・・・・・・」
理亞「・・・・・・」
果南「いなそうだね」
果南「じゃあ行っておいで。待ってるから」
理亞「・・・ん」
果南「・・・・・・やっと返事してくれた」
果南「手間のかかる妹だな・・・ふふ・・・」
果南「・・・あっ、ラッキー!食べ物残ってる!」
果南「って言っても、曜ちゃん大好きカロリーメイト1袋(2本)」
果南「これだけじゃあ・・・みんなには・・・」
グゥゥ・・・
果南「・・・・・・」
果南「雑誌は揃ってるね。これが食べられればなぁ・・・」
果南「・・・唐揚げもチキンもおでんも何にもない。探索済み、だね・・・」
果南「・・・お金もない・・・」
果南「・・・・・・」
果南「・・・遅いな」
果南「・・・・・・オトメイク」
果南「キュートジャパン、キュンキュンランド(函館編)」
果南「・・・///」カァァ
ジャーー
理亞「・・・・・・」
果南「あっ、おかえり」
理亞「ん・・・」
果南「あっ、ねね・・・理亞ちゃん・・・」ニコニコ
理亞「ん・・・?」
果南「これ・・・食べる?半分こ!」
理亞「・・・食べる」
果南「やった!食べちゃお食べちゃお!」
果南「お腹減ってたんだ~」モグモグ
理亞「・・・・・・」
理亞ちゃんを連れて安全地帯へ
安全地帯って言っても、周辺にゾンビがほとんどいなく、入り口を一つにしたってだけの魚市場
こんな場所に、20人くらいかな
みんな女性
食料不足、水不足に、寝床不足
みんな・・・今日を生きるのもやっとだ
果南「ただいま!戻ったよ!」
女性「・・・・・・」
理亞「ここかよ・・・」
果南「・・・え・・・?」
果南「・・・なに・・・?みんな・・・」
果南(雰囲気が違う・・・)
リーダー「お帰り果南ちゃん」
果南「あいな・・・」
リーダー「来て」
女性「裏切者!飢え死にさせる気か!」
女性「独裁者め!お前は地獄に落ちる!」
果南「みんな・・・?あいな何があったの?」
リーダー「いいから」
リーダー「・・・理亞ちゃん!?」
理亞「よぉ、人殺し」
果南「・・・??」
リーダー「・・・来て」
関係者部屋
果南「ねぇ、なにがあったの?」
リーダー「管理することにしたんだよ。ここを・・・」
果南「管理?」
リーダー「うん。食料のね」
リーダー「もう・・・尽きかけてるんだ」
果南「そんなに・・・?」
リーダー「20人もの人数分、毎食提供したらあと二日も持たないくらいなんだ」
リーダー「お年寄りと子供にはやっぱり優先してあげないといけない」
リーダー「だけど、みんなは・・・違うんだ」
リーダー「自分さえ食べられれば・・・」
リーダー「みんな、自分が可愛いのは自分だけなんだ」
リーダー「いずれ来る救助のために、私たちは少しでも長く生きてなきゃならない」
リーダー「だから・・・管理した」
果南「支配するためじゃ・・・ないんだよね」
リーダー「うん。みんなを少しでも長生きさせるため」
リーダー「不器用だけど、こんなことしか私にはできないから」
リーダー「お年寄りと子供と、探索に出てくれる果南ちゃんにはもちろん多く食料を渡す」
リーダー「健常な人たちは弱い人のために我慢をしてもらうしかない・・・」
リーダー「それを強要してしまうのは心苦しいけど・・・弱い人を見捨てられない」
果南「ふふ・・・よかった。やっぱりあいなは優しかった」
リーダー「ううん、私なんかただの栄養士もどきだよ」
リーダー「私に外を歩く力はない・・・果南ちゃん、貴方に任せるしかない」
果南「任せてよ・・・私が食料を見つければあいなちゃんの苦労はなくなるんだよね」
じqfh9q83hpくぁふぁふぁ
事件はどのくらい前だったかな
あの頃は、東京は大変なんだなぁくらいにしか思ってなかった
ここまで広まるのはすぐだった
リーダー「東京が大変なことになってるんだってね?」
聖良「そうみたいですね・・・感染症って、怖いですね・・・」
リーダー「聖良ちゃんでも怖いことってあるんだw」
聖良「ありますよ・・・」
リーダー「ヤバいよヤバいよwウケるw」
聖良「そんなに・・・?」
他人ごとにしか思えなかった感染症事件
テレビでよく見る著名人が感染したことをきっかけに被害はいきなり大きくなった
リーダー「全国放送は永遠の放送中止」
リーダー「地方局のアナウンサーも都市部に派遣されてるけど、そんなに人手不足なの?」
このころ都心からの観光客が大幅に増えて、道路はずっと渋滞
もちろんただの観光じゃない、みんな逃げてきたんだってことをこのころは知らなかった
コンビニやスーパーには都心ナンバーの車が盗みを働く事件が多発
みんなあてがなかったんだ
生きるためにはこうするしかないことを、当時の情報不足の私たちは知らなかった
リーダー「あの、すみません」
男「な、なんだよ!文句あんのかよ!」
リーダー「い、いえ・・・!」
男「どいてくれ!」
男「ごめんよ・・・かーちゃんのためなんだ・・・!」
リーダー「都会人こわ・・・」
男「さぁ、かーちゃんこれでも食って・・・」
かーちゃん「ガアア!!」
ガブガブッ!!
男「あああああーーー!!!」
リーダー「っ!?」
リーダー「ねぇ・・・!ねぇ大丈夫ですか!?」
男「あっ・・・あ・・・あ・・・」
リーダー「救急車・・・!」
かーちゃん「アァァ・・・」
リーダー「っ!?・・・ねぇ、あの・・・」
かーちゃん「グアア!!」
リーダー「きゃっ!!」
感染者を見たのは、それが初めてだった
赤く光った目
腕の怪我から絶えず流れる血
人とは思えない呻き声
これが噂の感染症であること
そして、もうこの町も手遅れであること
気付くのが遅すぎた
リーダー「はぁ・・・!はぁ・・・!」
「うわあああ!!」
「きゃあああ!!」
リーダー「こんなに早く・・・広まるんじゃ・・・!」
聖良「あいなさん!?」
リーダー「聖良ちゃん!」
聖良「大丈夫ですか!?噛まれてない!?」
リーダー「うん、私はなんとか・・・」
聖良「早く来て!逃げましょう!」
聖良「ほら、理亞も!」
理亞「うん!」
聖良ちゃんはすごい
ニュースを見て、すぐに対策を始めてた
家族や友人に協力を仰ぎ、あらゆる武器や食料を集め人々を学校に集めた
感染者の音に対する習性、戦い方
生きる術を聖良ちゃんはみなに教えた
次第に町の人間は全て感染し、この学校以外に生存者はいなくなった
ここもじき襲われ全滅する・・・その恐怖の中立ち上がってくれたのは男の人たちだった
男「みんないいか!一人になるんじゃない!必ず誰かと助け合え!」
男「顔を狙うんだ!遠慮するんじゃない!こいつらはみな化け物だ!」
「「うおおお!!!」」
学校周辺の感染者の群れを倒しきってくれた
なんとも頼れる人たち・・・だけど・・・
男「食い物だけ消費するんだろ!?誰がお前たちを守ってやったと思ってる!」
男「まぁまぁ!子供だっているんですよ!」
男「知ったこっちゃねぇ!俺の飯をあのガキが勝手に食いやがったんだぞ!」
男「なんにもしねぇのに飯ばっか食っていいご身分だな!」
男「落ち着いてよ!いずれ救助が来る!それまで耐えしのげばいいんだ!」
女「男なんだから戦うのは当然でしょ!」
男「てめぇを守ってやる筋合いがどこにあるんだ!」
食料が問題になったんだ
100人以上が暮らすここは、いくら食料があっても足りなかった
聖良「落ち着きましょう!みんなが手を取り合わないと!」
男「あぁ、鹿角姉・・・お前がここにみんなを集めたのは知ってるよ」
男「武器だってお前が中心にここに集まったことは知ってる。おかげで俺たちは危機を一時乗り越えた」
男「だがな・・・腹が減っては戦はできねぇって知ってんだろ?」
男「俺の分のパンを食いやがったのは誰だったかわかってんだよ!!」
男「お前の妹だよ!!あのクソガキが!殺してやる!」
聖良「待ってください!妹の不肖は謝ります!だから落ち着いて!」
聖良「私たちは手を取り合わないと!」
男「手を取るだと!?じゃあ女は今まで何をした!?」
男「戦ったか!?食料のために危険な街を探索したか!?」
男「お前らは俺らの枷でしかないんだ!!」
男「選べ!!ここを出てくか、俺に殺されるか!!どっちだ!?」
パァン!!
男「ぐおおああああ!!」
聖良「!!?」
理亞「調子に乗るなよクソジジイ!姉様がお前を助けたんだぞ!!」
「てめぇ何してんだ!!」
パァンパァン!! きゃあああ!!!
学校は一瞬で地獄に変わった
聖良ちゃんと理亞ちゃんと私と・・・何とか逃げ出した数名でわずかな武器とともにあてもなく歩いた
学校には即座に感染者が集まっていき・・・みんな死んだ
あれだけ銃を撃ったんだ・・・集まらないわけがなかった
何とか埠頭近くの魚市場を見つけ、そこに住むことにした
もちろん快適ではない。食料もない。噛まれた人だって数人いる
みんなを導いた聖良ちゃんと、ただ知り合いってだけで私がその中のリーダー格になった
食料の在庫を管理し、みんなに平等に食べ物がいきわたるように・・・
だけど、母数が少なすぎるんだ
平等にしても何をしても、文句しか出てこない
みな、自分が可愛いのは自分だけ・・・
ヴぃ3うぇあgなえ@39hgん3あq
果南「聖良・・・さん・・・」
果南(ヤマト隊の協力者ってもしかして・・・)
『理亞「てめぇになにがわかる・・・!?」』
果南「さっき学校が爆発したのと、どんな関係が?」
リーダー「学校はもう町中の感染者が溢れかえってた」
リーダー「聖良ちゃんだよ・・・学校を爆破させれば、周辺の感染者は大幅に減る」
リーダー「彼女が命を懸けて・・・みんなを救ってくれたんだ」
果南「・・・・・・」
理亞ちゃんにも事情が・・・ありそうだね・・・
果南「とにかく、私はまた出るよ」
果南「家を一軒一軒回れば絶対に何かあるはずだよね」
リーダー「果南ちゃん・・・!」
リーダー「気を付けてね・・・!」
果南「うん、任せて」
ガチャ
女性「何を話した!?お前も支配者になるのか!?」
果南「支配なんかじゃない!あいなはみんなを平等にしようと・・・!」
女性「そんなの嘘に決まってる!」
果南「私が食料を探してきます!みんなのために!」
女性「嘘だ!すべて独り占めする気だ!」
果南「違うんだって・・・!」
理亞「人殺しの次は独裁か・・・」
果南「そんなんじゃない」
果南「みんなのために・・・行ってくる!」
女性「この嘘つきめ!お前のせいで私たちは死ぬんだ!」
果南「・・・・・・」
ブゥゥゥン!
果南(あいなは・・・悪にならざるを得なかったんだ)
果南(みんな、自分が可愛いのは自分だけ・・・か)
ツー ツー
果南「・・・っ!」
果南「公衆電話・・・?」
果南(ゾンビは音に反応する・・・)
果南「・・・・・・」スルー
ツー ツー
果南「・・・・・・」
果南「・・・・・・」スルー
ツー ツー
ガチャ
果南「もしもし?」
公衆電話『よかっ・・・ザザ・・・で・・・』
果南「えっ?電波が・・・」
公衆電話『迎え・・・埠頭に来て・・・』
果南「この声・・・ななかちゃん!?」
公衆電話『埠頭・・・これから・・・』
ツー ツー
果南「切れちゃった・・・」
果南(埠頭にって、言ってたよね・・・?)
果南(ヤマトが来るんだ!助けが来るんだよ!みんなを助けられる!)
果南「知らせなきゃ!」
ブゥゥゥン!
魚市場前
果南「みんな・・・!?」
果南(様子がおかしい・・・)
ガラッ
果南「っっ!!?!?」
死んでる・・・
全員・・・
果南「あいな・・・?あいな!!」
リーダー「果南・・・ちゃん・・・」
果南「あいな!あいななにがあった!?」
リーダー「」クタッ
果南「あいな!!あいなぁ!!!」
「やっと帰ってきたか」
果南「っ!?」
理亞「言ったろ?あんたをぶっ殺すって・・・なぁ!!」
パァン!!
果南「うわっ!!?」
コンテナに隠れる!
果南「理亞ちゃん!?理亞ちゃんあんたがやったのか!?」
理亞「そうだよ悪いか?お前と同じことをしただけだよ、人殺し」
果南「みんなに罪はない!」
理亞「姉様にも罪はない!!!」
パァン!!パァン!!
果南「ううっ・・・!」
理亞「わかったかよ・・・!?大切な人を殺される感覚が!!」
理亞「自分の命よりも大きなものを奪われた感覚が!!」
果南「・・・っっ!!」
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聖良「ここなら・・・!みんな早く!!」
女性「いたい・・・噛まれた・・・」
聖良「もう大丈夫です!」
・・・
理亞「姉様・・・」
聖良「猟銃三つに爆薬・・・食料は・・・」
理亞「姉様は悪くない」
理亞「悪いのはあの男たちだ」
聖良「理亞。今は悪い悪くないじゃない」
聖良「ここでみんながどうすれば生きていけるのか、それを考えなきゃ」
理亞「姉様・・・うん」
姉様は完ぺきだった
みなを平等に、これから生きるための策を考えた
でもそれは、この少なすぎる物資の中では文句しか生まれなかった
姉様は何も悪くない
誰のために姉様は危険な外を出歩いてると思ってる
自分の身を自分で守れないお前らがどうして文句を言えるんだ
私は周りとは馴染めなかった
それが姉様に・・・あんな苦労を・・・
理亞「なんだよ!!?放せ!!」
女「あの女が私たちを支配しようとしてるんだ!そんなの絶対許さない!」
理亞「姉様の苦労も知らないでなに言ってやがる!!」
女「あんたを誘拐すればあの女は話を聞いてくれるはずだ!」
感染者「グワア!!アアアア!!」
理亞「やめろ!!やめろ!!!」
聖良「理亞ああああ!!!」
女「鹿角さん!私たちの話を聞いて!そうじゃなきゃこの子は噛ませる!」
聖良「お願いやめてください!話は聞きます!」
感染者「ガアア!!」
理亞「っっ!!?!」
聖良「理亞・・・!!!」
聖良は理亞を庇う!!
ガブッ!!!
聖良「ううぅぅぅ!!!?」
理亞「姉様!!!」
パァン!!
感染者「グワッ!」
聖良「はぁ!はぁ!」
左手が・・・!!
ダンッ!!
聖良「ふーっ!ふーっ!」
理亞「姉様やめろ!!やめるんだ!!」
聖良「私はまだ感染するわけにはいかない!!」
理亞「そんなことして死んだら元も子もないだろ!!」
女「ちがう・・・こんなつもりじゃ・・・」
聖良「切り落とすしかない!!」
聖良「ウイルスが体内を巡る前に!!!うわあああああ!!!!」
理亞「やめろ姉様あああ!!!!」
ガシッ!!!
ザキュッ!!!!!
聖良「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
理亞「きゃああああ!!!!姉様ぁぁ!!!!!」
聖良「邪魔を!!!!邪魔をしないで理亞!!!!!」
聖良「うううぅぅぅああああああああ!!!!!!」
ザパァッッ!!!!!! ボトッ
聖良「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
・・・
・・
・
本来、腕を切り落として生きてるほうがおかしいんだ
姉様は激しい体調不良に襲われながら、生きていた
理亞「姉様・・・飲んで?」
聖良「いいんだよ理亞・・・みんなに回してあげて・・・」
理亞「それじゃあ姉様が死んじゃうよ・・・!」
聖良「いいんだよ・・・これで・・・」
姉様も察していたんだろう
目の充血が酷いことは・・・言わなかった
リーダー「聖良ちゃん!?大丈夫なの!?」
聖良「あいなさん・・・お願いが・・・」
リーダー「なに?何でも言って?」
聖良「・・・・・・」
聖良「もう私も長くない・・・さっき鏡見て・・・ここまで酷いとは思わなかった」
聖良「ウイルスは血を巡るんでしょうね・・・・・・早い対応だと思ったけど、間に合わなかったみたい」
リーダー「聖良ちゃん・・・」
聖良「爆薬を」
聖良「私はこのままじゃ死ねないの」
聖良「みんなのために・・・平和のために、一矢報います」
リーダー「聖良ちゃん・・・!」
聖良「理亞には・・・言わないで・・・」
・・・
コンコン
理亞「姉様?開けるよ」
ガラッ
理亞「姉・・・様・・・?」
ダダダッ!
理亞「おい!!」ダンッ!
リーダー「理亞ちゃん・・・っ!」
理亞「姉様をどうした!!?どこにやった!!?」
リーダー「落ち着いてよ・・・!」
理亞「どうしたかを聞いてるんだよ!!」
リーダー「・・・爆薬を持って、学校へ行ったよ」
理亞「はっ・・・!!?!?」
リーダー「聖良ちゃんには口止めされてるんだけど・・・」
理亞「ふざけんな!!お前は姉様を見殺しにした!!」
リーダー「理亞ちゃん・・・バカな真似はしないで」
理亞「うるせえ!!!」
ダダダダッ!!
・・・
・・
・
理亞「姉様・・・!姉様・・・!」
理亞「姉様・・・!!」
・
・・
・・・
函館聖泉女子高等学院
理亞「姉様ぁ!!どこだ!!?」
理亞(倉庫にゾンビが・・・!!)
理亞「うわああ!!!どけぇ!!!」
ガンッ!!ガンッ!!
ゾンビ「グゥワッ!」
理亞「姉様!!姉様ここにいるのか!!?」
ガラガラ!
聖良「理亞!!?」
理亞「姉様!!」
聖良「理亞!!理亞もうダメかと思って押しちゃった!!」
聖良「これを学校の家庭科室に!!お願い急いでもう5分もない!!!」
理亞「姉様・・・!!姉様わかった!!すぐに終わらせてくる!!」
理亞「いい姉様!!?必ず戻ってくる!!だからここでじっとしてて!!いいね!!?」
ガラガラ!ガシャン!
ピー ピー
00:03:24
00:03:23
理亞「嘘・・・!嘘5分なんて全然ない!!!」
ダダダダッ!!
校内
理亞「どけっ!!」
理亞「ぅっ!!?」
「グワアアア」「アアアアア」「ワアアア」
理亞「嘘・・・こんなに・・・!!」
ピー ピー
ゾンビ「グアアア!」
理亞「挟まれ・・・!!」
窓の淵に立つ!
理亞「はあぁぁ!!」
パシッ!
理亞「はぁはぁ!次はあそこに・・・!!」
理亞「ふぅぅ!!」
パシッ!
ゾンビ「グワアア!!アアアアア!!」
理亞「邪魔をするな!!」
理亞「あそこか・・・! ふんっ!!」
パシッ!
家庭科室
理亞「よしっ!」
理亞「ガス・・・ガスを開けて・・・!」
カチッ カチッ
プゥゥゥゥーー・・・
理亞「臭いが・・・!」
カチッ カチッ
理亞「よし、これで・・・!」
ピー ピー
00:00:14
00:00:13
理亞「うそっ・・・!?!?うそうそうそ!?!?!」
ゾンビ「グガアアアア!!」
理亞「っっ!!?」
理亞「どうする・・・!?飛び降りるしか・・・!!?」
理亞(雪がクッションに!!?もうやるしかない!!!)
ガバッ!!
ヒュウウウウ!!!
理亞「きゃああああああ!!!!」
ボッフォッッ
理亞「はぁ!はぁぁ!!はぁ!っ!!」
理亞「ヤバい!!ヤバいヤバいヤバい!!!」
ピー
ズドガアアアアアア!!!!!
バカバカバカーーーーンンン!!!!
理亞「うああああああああああ!!!!!!」
・・・
・・
・
理亞「っっ!!?」
理亞「はぁ!はぁ!はぁ・・・!」
バチバチ!
プスプス・・・
理亞「やった・・・」
理亞「やった姉様・・・やった!!」
理亞「やったやった!!見たか姉様!!?姉様の作戦だぞ!!」
理亞「帰ろう姉様!!うまくいったんだ!!」
倉庫前
理亞「姉様!姉様開けるよ!成功したんだ!」
ガラガラ
理亞「姉様にも見せたかった!!もう最高だよ!勝ったんだ私たち!!」
ガラガラン!
聖良「・・・・・・」
理亞「姉様!・・・姉様?」
聖良「グワアア!!」
理亞「姉様!!?姉様おい!!姉様!!?」
聖良「グアアウ!!ガアアア!!!」
理亞「やめて姉様!!やめてくれ!!」
理亞「私だよ姉様!!理亞だよ!!姉様やめて!!」
聖良「ガウウウ!!!グワアアア!!」
理亞「姉様!!姉様ぁ!!!」
ガッ ドサッ!!
理亞「姉様・・・」
理亞「そうか・・・わかったよ姉様・・・」
理亞「寂しいんだよね・・・せっかく頑張ったのにね・・・」
理亞「いいよ姉様・・・私もそっちにいく・・・」
聖良「アアアァァ・・・」
理亞「私は姉様を裏切らないよ」
理亞「いつだってそうだったでしょ・・・?」
理亞「どんな姉様だって・・・姉様は姉様だ」
理亞「受け入れるよ、姉様・・・!」
聖良「アアア!!」
理亞「っ・・・!」ギュッ!
ブスッ
ドサッ
理亞「姉様・・・姉さまぁぁ!!」
理亞「姉様!姉様!なんで・・・!」
果南「大丈夫?」
jふぁいおうぇvhなw3br3
理亞「姉様は人に殺された!!」
理亞「てめぇのことを守ってくれた姉様をそいつらが殺したんだ!!」
理亞「姉様の仇を討つ!!私に生きる意味を見つけさせたのはお前だろ!!?」
果南「・・・!」
『果南「・・・お姉ちゃんのためにも、できることがあるはずだよ」』
理亞「私は悪か?私が全部悪いと思うか?」
理亞「私が70億人いたら、悪はてめぇの方だったってだけだ」
理亞「よかったな・・・てめぇは大勢の側で・・・」
果南「・・・っっ!」
理亞「あとはお前だけだよ・・・お前を殺せば姉様は報われる」
果南「戦いたくなんてない!!」
理亞「お前は姉様を殺した!!」
理亞「今更ゾンビがどうだか!!綺麗ごと吐くんじゃねぇ!!」
理亞「お前が死ぬか!!私が死ぬか!!」
果南「人は殺さない!!」
理亞「だったら死ね!!!」
ブンッ!!
果南(火炎瓶!!?)
果南(避けなきゃ・・・!いや、避けたら・・・!!)
『リーダー「果南・・・ちゃん・・・」』
果南(・・・っっ!!あいな・・・!!!)
サッ!
バリーン!!
果南「っ!!」ジャギッ!!
理亞「死ね!!」ジャギッ!!
パァン!!!
グスグスグス!!!
理亞「うあっ!!?ああああああ!!!!!」
ドサッ!!
・・・
トコトコ
果南「・・・・・・」
理亞「・・・・・・ふっ」
理亞「ショットガンってのは・・・案外死なないもんなんだな・・・」
果南「・・・弾の号数にもよるよ。バードショットだからね」
キュッキュッ
理亞「・・・なにしてやがる・・・」
果南「簡易的な治療だよ」
理亞「殺せよ・・・情けなんていらねぇ・・・」
果南「言ったでしょ。人は殺さないって」
理亞「やめろよ・・・」
果南「・・・!」
理亞「情けねぇ・・・」ポロポロ
果南「・・・生きてれば、きっと何かが変わる」
果南「聖良さんに守られた命を・・・粗末にしないで」
理亞「・・・・・・うるせぇ・・・」
果南「・・・・・・クスッ」
果南「はい、できた」
理亞「後悔するぞ・・・」
理亞「私を・・・ここで殺さなかったこと・・・」
果南「・・・いいよ。いつでもかかってきなよ」
果南「何度来たって私が返り討ちにしてあげるから」
理亞「・・・覚えとけよ・・・」
理亞「いつか必ず・・・ぶっ殺す」
果南「楽しみだな」
「かなーーん!!かなんどこーー!!?」
果南「・・・じゃあね、お迎えが来たみたい」
理亞「覚えとけよ・・・」
果南「ふふっ、忘れるってほうが無理だよ」
「かなーーん!!?死んじゃってないよね!!?」
果南「ななかちゃーん!!」
監視員「かなーん!!」
果南「ななかちゃん!」
ハグッ
監視員「よかった果南・・・生きてた・・・」
果南「死ねないよ。こんなところで」
監視員「果南・・・帰ろ?」
果南「うん・・・帰ろ、ななかちゃん」
ジェットスキー
監視員「乗ってー」
果南「えっ・・・?」
果南「ななかちゃんが運転するの?」
監視員「うん」
果南「・・・・・・私が運転するよ」
監視員「えぇー?ヤマトから運転してきたの私だし」
果南「いいからいいから、あはは・・・」
監視員「じゃあ任せた」
果南「任されました♪」
ブオオオオ!!
果南「なんか意外と・・・早かったな」
監視員「そう?」
果南「うん・・・もっと時間が必要だと思ってたけど・・・」
監視員「・・・・・・」
果南「みんな元気にしてる?」
監視員「果南・・・」
果南「んっ・・・?」
監視員「・・・事態は最悪だよ。潜入組と連絡が取れない」
果南「えっ・・・」
監視員「あんじゅが通信送ったりもしたけど全部応答なし」
果南「それって・・・!」
監視員「真姫さんは、最悪の事態を想定してる」
果南「そんな・・・!」
果南「私が・・・失敗したから・・・」
監視員「それと、黒澤一派ってところからも目を付けられた」
果南「黒澤・・・?」
監視員「親鳥製薬派の組織だよ・・・ヤマトは今、壊滅の危機にある」
果南「そんな・・・だから、呼び戻されたってことか」
監視員「うん」
パァン!
監視員「!!?」
果南「なに!!?」
監視員「後ろ!!」
ブオオオオ!!
理亞「はぁぁぁぁ・・・!!」
果南「理亞・・・ちゃん・・・!!」
理亞「言っただろ!!絶対ぶっ殺すって!!」
果南「やめて!!ななかちゃんもいるんだ!!」
理亞「なら一緒にぶっ殺す!!」
監視員「誰なの!?」
果南「ライバル・・・かな!」
ブオオオオ!!
パァン!
監視員「うぅっ!」
果南「頭を下げて!」
監視員「やられてばっかじゃいられない・・・!」ジャギッ!
果南「ななかちゃん!?」
監視員「倒してやる・・・!!」
パァン!!パァン!!
果南「ななかちゃん銃撃てたの!?」
監視員「私もことりさんの訓練受けたことあるの!」
パァン!!パァン!!
理亞「素人が!!」
監視員「当たらない!」
果南「脇を締めて!肘を伸ばして!」
監視員「当たらない!」
ブオオオオ!!
パァン!
ガンッ!!
監視員「きゃっ!」
ウアアアア!!ウアアアア!!前に進まない!
果南「あれっ!?」
監視員「果南!追いつかれちゃう!」
果南「なんで!?まさかギアが・・・!」
ブオオオオ!!バシャアア!!
理亞のジェットスキーが並走する!!
ジャギッ!!
果南「っっ!!」
理亞「死ね」
パァン!!
果南「うっっ!!?」
果南「・・・! っっ!!?」
果南「ななか・・・ちゃ・・・!」
監視員「かなん・・・」
ドッポーン!!
果南「ななかちゃん!!ななかちゃん!!!」
果南「ううぅぅぅああああああああ!!!!!!!」
理亞「!!?」
ジェットスキーを乗り捨て理亞に捨て身の飛び蹴りを放つ!!!
ドッッッゴォォォォ!!!
理亞「ぐおっっほおおおお!!!!」
ドッポーンドッポーン!!
果南「ガバガバガバ・・・!!」
果南「ブクブク・・・!ブクブク・・・!」
バシャン!
果南「ぷはっ!!はぁ!はぁ!はぁ!」
果南「さ、、さむ!!つめた!!」
果南「ななかちゃん!!ななかちゃーーん!!」
果南「どこだ!?ななかちゃん!ななかちゃん!!」
プクプク・・・
果南「っ!!すぅぅーー・・・」
ガパン! ブクブクブク・・・
果南(いたっ!)
果南(沈んで行ってる・・・!待ってて!)
果南(靴邪魔!)
グイーン グイーン
果南(ななかちゃん!!)
監視員「」ブクブク
果南(ヤバいこれ・・・!息してない!)
果南「コォォーー・・・!」
監視員「」
果南「がほっ!ブクブク!」
果南(ななかちゃん・・・!)
バシャバシャ
バシャン!!
果南「ゲホッ!はぁ!はぁはぁ!」
果南「ななかちゃん!!ななかちゃん起きて!!」
監視員「」
果南「ななかちゃん・・・!」
監視員の背後から抱き付き、両手の甲を胸の間に合わせる!
グンッ!!グンッ!!
果南「起きるんだ!!目を覚ますんだ!!」
グンッ!!グンッ!!
果南「すぅぅぅぅーーーー・・・」
果南「はぁぁぁぁーーーー・・・!!」
ダイバーの果南なら海上での救命活動もこなせる
監視員「」
果南「ダメだ、ななかちゃん・・・!死んじゃヤ!」
グンッ!!グンッ!!
果南「起きるんだ、ななかちゃん!!」
果南「すぅぅぅぅーーーー・・・」
果南「はぁぁぁぁーーーー・・・!!」
監視員「ボホッ!!ゲホッ!ゲホッ!おえっ!」
果南「ななかちゃん!!」
監視員「おぉえっ!ゲホッ!ぺっ!ぺっ!」
果南「ななかちゃん!ななかちゃん大丈夫!?」
監視員「かなん・・・」
果南「ななかちゃん!」
監視員「さむい・・・いたい・・・」
果南「わかった!わかったななかちゃん!すぐにヤマトに戻るからね!」
監視員「さむい・・・」
果南「大丈夫だよ!もうちょっとの辛抱だよ!頑張って!」
「うぅああああ!!!」
果南「っ!!?」
理亞がナイフを振りかざす!!
パシッ!!
理亞「殺す!!ぜってぇ殺す!!」
果南「やめて!!ななかちゃんが死にかけてるんだ!!」
理亞「知るかよ!!死ね!!」
果南「なな・・・!」
監視員「ガボガボ・・・!」
果南「ううああああ!!!」
ボゴッッ!!!
理亞「ぐあああああ!!!」
バシャン!!
果南「ななかちゃん!!!」
ガボン!ブクブク・・・!
バシャン!!
果南「ばぁぁ!!はぁはぁ!」
監視員「ゲホッ!ゲホッ!」
果南「ななかちゃん掴まってて!」
監視員「かなん・・・」
理亞「うああああ!!!」
果南「ぅんっっ!!?」
パシッ!!
果南「理亞ちゃんお願い!!ななかちゃんが死にそうなんだ!!彼女を助けたい!!」
理亞「だったら選べ!!」
理亞「私を殺すか!!そいつと一緒に死ぬか!!」
果南「どっちも断る!!」
理亞「姉様は殺せて私は殺せないのか人殺し!!!」
果南「いい加減にしろ!!!」
グググググ!!!
理亞「うっ・・・!!ううぅ!!?」
果南の握力に負けた理亞はナイフを落とす!
ポロッ!
果南「っっ!!!」
パシッ!!
果南「ああああ!!!」
ブンッッ!!
理亞「ふっ!!!?」
スパッ
果南「・・・っっ!!?」
理亞「はっ・・・!はぁ・・・!?」
果南「・・・あっ・・・!」
理亞「はぁ・・・?ゆ、ゆび・・・?」
右手の人差し指と、中指と、薬指と、小指が・・・?
理亞「あっ・・・ああ、、あ・・・」
プシャプシャプシャプシャ!!プシャープシャー!!
理亞「あああああ!!!!あああああああああああああ!!!!!!!!!!」
理亞「うあああああああああ!!!!あああああああああああああ!!!!!」
理亞「あっはあああああああぁぁぁああああ!!!!はあああああああああああ!!!!!」
果南「はぁ・・・!はぁ・・・!」
果南「ななかちゃん・・・!ななかちゃん行くよ!」
ザバザバ!バシャバシャ!
果南(理亞ちゃんのジェットスキーを・・・!)
ガバッ!
果南「ななかちゃん!」
バシャン!
果南「来て!よいっしょ!」
監視員「かなん・・・」クタッ
果南「ななか・・・!!?」
果南(血・・・血だらけ・・・!)
監視員「さむい・・・かなん・・・いたい・・・」
果南「お腹から血が・・・!!止まらない!!」
果南「顔真っ青・・・!ななかちゃん!!ななかちゃんしっかりして!!」
監視員「かな・・・・・・」
果南「大丈夫だよ!!すぐにヤマトだよ!!絶対に助かる!!大丈夫!!」
ブオンブオン!
果南「掴まってて!!すぐに着くよ!!あともうちょっとだよ!!」
果南「・・・っ!!」
理亞「」プカプカ・・・
果南「理亞・・・!」
ブオオオオ!!
・・・
・・
・
千歌「来た!!来たよ!!かなんちゃーーん!!!」
果南「千歌ーーー!!!」
曜「かなんちゃーーーん!!!」
果南「しゅかを呼んで!!ケガ人が二人!!」
果南「二人とももうヤバい!!!絶対に助けたいんだ!!!急いで!!!」
千歌「わ、分かった!!呼んでくる!!」
曜「果南ちゃんこっちに降りて!!運ぶの手伝うよ!!」
・・・
ピー ピー
果南「二人は!?」
医療係「安心して。なんとか大丈夫だよ」
医療係「ななかは傷口は縫ったし、あとは時間が治してくれると思う」
医療係「理亞ちゃんの方は・・・指は、どうしようもないけど、一命は取り留めたよ」
果南「よかった・・・よかった・・・!」
医療係「大変だったんだね果南・・・」
果南「ううん、私なんかみんなに守られてばっかで・・・」
曜「しゅかごめん!果南ちゃん、真姫さんが呼んでる!」
果南「うん、わかった」
果南「じゃ、しゅか。二人をよろしくね」
医療係「任せて!」
トコトコ
ヤマトに戻った私は、今の危険な状況を知らされた
潜入組の状況に、あのダイヤが生きてたこと・・・
そして、鞠莉が・・・もしかしたら・・・
そんな折、あやりさんがヤマトに攻めてきた
私を・・・呼んでるらしい・・・
いいよ、あやりさん。ケリを付けようか
・・・
・・
・
ピー ピー
?「・・・・・・」
監視員「すーー・・・すーー・・・」
?「ななかちゃん・・・」
ピー ピー
?「・・・・・・」
ピー ピー
ピー
?「ごめんね、ななかちゃん。貴方にはまだ活躍してもらわなきゃ」
?「痛いよね。苦しいよね。辛いよね。怖いよね」
?「だけど、ごめんね?もうちょっと頑張ってね・・・」
ピー ピー
?「・・・・・・」
理亞「すーー・・・すーー・・・」
?「貴方は・・・」
?「大丈夫よ。すぐに楽にしてあげるから・・・」
ブツン
理亞「・・・っ!? ・・・っっっ!!?」
?「すぐに楽になる」
理亞「あっ、あっ・・・!!かっ・・・!!?あ・・・!!?」
理亞「」
?「うん、お疲れ様」
理亞「」
?「・・・もう少し・・・もう少しよ・・・」
?「みんなわたしが・・・」
?「救うから」
特別編2 完
以上で第二部は終わりです。ありがとうございました。
次スレが最後の予定です。タイトルは『曜「内浦がゾンビだらけに・・・」』で投稿します。
またよろしくお願いいたします。
おまけ
ずら丸定期
理事長「善子さん」
理事長「貴方の『儀式』・・・辛いわよね、毎日毎日・・・」
理事長「貴方の儀式を見ているとね、ある癖があることがわかったの」
理事長「左手を耳に添えること、そのかっこいいペンダントに向かって話しかけること、そしてセリフの度に、最後にこの口の動きをする」
理事長「『おー』『あー』」
善子「っっ・・・!!」
理事長「読唇術って知ってる?素人ながらやってみたのよ」
理事長「『あー』の発音の時、口を閉じた状態から発音する母音が『あ』の音」
理事長「やってみましょうか」
理事長「あ、か、さ、た、な、は、『ま』、や、ら、わ、が、ざ、だ、『ば』、『ぱ』」
理事長「すると、見えてきた」
理事長「無線は電話と違い聞くと送るを同時に行えない。自分の発言が終わった時にそれを知らせる言葉」
理事長「『オーバー』」
善子「ちゃ・・・ゃ・・・」
理事長「それが分かるとね、いろいろ理解できてきた」
理事長「締めの言葉は『アウト』」
理事長「ゾンビの前で儀式を行うのは、セリフを他人に聞かせないため」
理事長「ねぇ、善子さん?教えて頂戴?親に語り掛けると偽って誰かと無線を取っているの?」
善子「っ!・・・っ、ょ、、ょよヨハネよ!」
理事長「ふふ・・・ねぇ、『花丸』さん」
理事長「あんまり大人を舐めるんじゃないわよ?」
花丸「えっ?今マルの流れだったずら?」
・・・
花丸「ぎいぃいいぃいやぁ~~!!何するずらァー!!!
やめてずら!!!
マルが何したって言うんずらぁー!!!!!!
痛いずらよぉー!!!!!!!
読書が出来なくなっちゃうずら・・・
ペンも握れなくなっちゃうずらよぉー!!
千歌ちゃーん!!!!助けるずらぁー!!!!!!!!」
顔文字で再現したいAQUARIUM
∫∫( c||^ヮ^||「なんで言ってくれなかったの・・・?」
∫∫( c||^ヮ^||「昔からいつだって・・・私たちは3人で決めてきた!」
∫∫( c||^ヮ^||「スクールアイドルやるときだって!何食べに行くか決めに行くときだって!」
∫∫( c||^ヮ^||「なんで殺したの!?もっと他にやり方があったはずでしょ!!」
|c||^.- ^|| 「それが!・・・わたくしの覚悟ですわ」
|c||^.- ^|| 「彼女の事を親身に受け止め、私はこの選択をした」
|c||^.- ^|| 「平和のためなら・・・わたくしは・・・」
∫∫( c||^ヮ^||「わかんないよ・・・平和のためなら親友を殺すのかよ!?」
∫∫( c||^ヮ^||「もう平和ってなんなの・・・!?」
∫∫( c||^ヮ^||「鞠莉を迎えに行って、3人で散歩でもして・・・!そんな日はもう戻ってこないの!!?」
|c||^.- ^|| 「・・・大人になりなさい、果南さん・・・」
∫∫( c||^ヮ^||「・・・これが大人なら・・・私は一生子供のままでいるよ」
|c||^.- ^|| 「・・・・・・!!」
|c||^.- ^|| (このセリフ・・・わたくしも同じ事を・・・)
∫∫( c||^ヮ^||「曜、千歌・・・ごめん」
从/*^ヮ^§从「え・・・?」
∫∫( c||^ヮ^||「私は、大人になれないみたい」
∫∫( c||^ヮ^||「ことりさんの思うような・・・立派な人間じゃない」
∫∫( c||^ヮ^||「『答え』なんて・・・のんきな私にはわからないよ」
∫∫( c||^ヮ^||「でもね・・・これだけは・・・」
∫∫( c||^ヮ^||「これだけはやらなきゃいけないんだって・・・感じる・・・」
∫∫( c||^ヮ^||「ごめんね・・・ダメなお姉ちゃんで」
从/*^ヮ^§从「かな・・・」
ドク ドク
∫∫( c||^ヮ^||「すぅぅーー・・・」
ドク ドク
ドク
ドガッ!!!
美渡「うぅっ!!?」
∫∫( c||^ヮ^||「・・・っ!!」
パシッ
∫∫( c||。`Д´。||「だいやああーーーー!!!」
|c||^.- ^|| 「・・・!!!?」
∫∫( c||^ヮ^||「っっ!!!」
ジャギッ!!
|c||^.- ^|| 「っっっ!!!?」
ダアァァァンン!!!!
|c||^.- ^|| 「ぅっ!!? ・・・!??」
∫∫( c||^ヮ^||「ぁ・・・・・・ぁ・・・ぁ・・・・・・」
|c||^.- ^|| 「はっ・・・!?」
|c||^.- ^|| 「志満・・・さん・・・!?」
志満「・・・っ!!」
カラーン
∫∫( c||-ヮ-||「」チーン
ドサッ!!
从/*^ヮ^§从「か・・・!」
(*> ᴗ •*)ゞ「か・・・!」
从/*^ヮ^§从「かな
「動くなああああ!!!!!」
志満「動くな!!!」
美渡「う、動くな!!!」
美渡「動くな!!!」
从/*^ヮ^§从「ぃ・・・!!?」
(*> ᴗ •*)ゞ「か、果南ちゃ・・・!!」
志満「あああああああ!!!!!!!」
从/*^ヮ^§从「しま・・・」
志満「だから言ったのよ・・・!!絶対に抵抗しないでって・・・!!!」
|c||^.- ^||「志満さん・・・」
|c||^.- ^||「これで何度目でしょうね・・・また命を救われました・・・」
|c||^.- ^||「ありがとうございます、志満さん」
志満「言ったでしょダイヤちゃん・・・ダイヤちゃんのためならなんでもやるって・・・」
|c||^.- ^||「ええ・・・ありがとう、志満さん・・・」
志満「うん・・・!」
从/*^ヮ^§从「果南ちゃん・・・!」
∫∫( c||-ヮ-||「」
从/*^ヮ^§从「果南ちゃん!果南ちゃん!」
(*> ᴗ •*)ゞ「果南ちゃん!!」
∫∫( c||-ヮ-||「」
美渡「無理だよもう・・・頭を撃たれてんだよ・・・」
美渡「頼むから・・・二人は抵抗しないでくれよ・・・」
美渡「私を・・・志満姉と同じ境遇に・・・妹を殺させないでくれよ・・・!!」
(*> ᴗ •*)ゞ「・・・っ」
从/*^ヮ^§从「果南ちゃん・・・!!」
∫∫( c||-ヮ-||「」
|c||^ -.^|| 「なになに!?なにがあったの!?」
|c||^.- ^||「ありささん落ち着いて?大丈夫ですわ、このまま飛んでて」
|c||^ -.^|| 「あ、そう?」
バタバタバタバタ!!
んっ?
あれっ?んーー?
あっ、そっか
私、死んだのか
あー、そうだ、ダイヤ撃とうとして志満姉に撃たれたんだ
あ~あ、死んじゃったな
結局、なんにもできなかったな
千歌と曜を守れなかったな
ダイヤを許せなかったんだ
だって、殺す必要なんてないでしょ?
鞠莉にあの世でお詫びしてきなって、説教してやろうと思ったのに
できなかった・・・
いや、やってやるよ
ここまで頑張ってきたんだもん。今更簡単にはあきらめないよ
千歌、曜、ごめんね。迷惑かけちゃうけど
私はダイヤが許せない
ピー ピー
美渡「何の音!?」
从/*^ヮ^§从「果南ちゃん!!?」
(*> ᴗ •*)ゞ「果南ちゃん!!」
|c||^.- ^||「果南さん!!?」
志満「・・・!!?」
∫∫( c||-ヮ-||「」スッ
仰向けに倒れ、目を見開き、硬直したまま・・・果南は右手だけを天に掲げた
その右手には、ヘリを爆破させるには十分な爆弾が握られている
∫∫( c||-ヮ-||「」パク パク
ピー ピー
美渡「おいなんでだよ!!?あんた頭撃たれたんだろ!!?」
美渡「こんなの・・・!!」
|c||^.- ^||「美渡さん・・・!」
美渡「なんだよ・・・!!なんで離さないだよ!!!」
美渡「抵抗してるのか!!?あんた死んでるんだろ!!なんで離さないんだよ!!!」
从/*^ヮ^§从「果南ちゃん・・・!」
(*> ᴗ •*)ゞ「っ・・・!っ・・・!」
ピー ピー
|c||^.- ^||「美渡さんどいて!!」
美渡「っ!!?」
ダァンダァン!!
ダァンダァンダァンダァンダァンダァン!!!
|c||^.- ^||「・・・っっ!!?」
ダイヤの銃撃は確かに全弾果南の右腕を捉えた
でも果南は動かない
美渡「なっ・・・!?おかしいだろ・・・!!?」
ピー ピー
美渡「離せよ果南・・・!!そうまでしてダイヤちゃんを殺してぇかよ!!!?」
∫∫( c||-ヮ-||「」
ピー ピー
|c||^.- ^||「そうか・・・そんなに・・・」
|c||^.- ^||「果南さん・・・それが・・・」
|c||^.- ^||「貴方の覚悟、なのですね・・・」
|c||^.- ^||「ふふ・・・」
|c||^.- ^||「負けましたわ果南さん」
|c||^.- ^||「やっぱりこういう面では・・・わたくしは貴方にはかなわない」
美渡「ダイヤちゃんも志満姉も手伝ってくれよ!!」
美渡「くそっ!!くそくそくそ!!!」
美渡「こうなったらこのまま引き摺り下ろしてやる!!」
ガチャン!ドアを開ける!
ビュオオオオオ!!!
从/*^ヮ^§从「ううぅ・・・!!」
(*> ᴗ •*)ゞ「千歌ちゃん!捕まって!!」
美渡「おら!!動けよ!!!」
美渡「なんで動かないんだよ!!あんた死んでんだろ!!?」
美渡「なんで抵抗してるんだよ!!やだ・・・!死にたくない!!!」
ピー ピー
|c||^.- ^||「美渡さん」
|c||^.- ^||「今まで、ありがとうございました」
|c||^.- ^||「わたくしに協力してくれるって言っていただいたとき、とっても嬉しかったですわ」
美渡「やめろよダイヤちゃん!!」
美渡「私たちはまだ死なない!!死にたくない!!」
志満「美渡ちゃん・・・」
从/*^ヮ^§从「曜ちゃん・・・!」
(*> ᴗ •*)ゞ「・・・!!」コクッ
志満「っっ!!?千歌ちゃん!!曜ちゃん!!」
志満「無理よこの高さじゃ!!絶対に死ぬ!!」
(。`Д´。)ゞ「じゃあ銃で止める!!?」
(*> ᴗ •*)ゞ「千歌ちゃん!!」
从/*^ヮ^§从「曜ちゃん!!」
ガバッ!! ビュオオオ!!!
志満「待ってーーーー!!!!」
志満「バカ!!!助かるわけない!!!」
|c||^.- ^||「千歌さん・・・曜さん・・・」
ビュオオオオオ!!!!!!
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌ちゃん!!」
从/*>ヮ<§从「よーちゃん!!」
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌ちゃん!!!」
从/*>ヮ<§从「よー、、ちゃん!!!」
(*> ᴗ <*)ゞ「うぅうっっうう!!」
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌・・・ちゃ・・・!!」
从/*>ヮ<§从「曜ちゃん!!!」
ギュッ!!
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌ちゃん!!」
从/*>ヮ<§从「よーちゃん!!」
ビュオオオオオオ!!!!!!!
ピー ピー
|c||^.- ^||「志満さん・・・」
ギュッ
志満「ダイヤちゃん・・・」
|c||^.- ^||「ありがとう、志満さん・・・」
志満「ダイヤちゃん・・・ありがとう」
志満「美渡ちゃん・・・」
美渡「志満姉!!手伝って!!」
志満「美渡ちゃん・・・!」
ギュッ
美渡「志満・・・ねぇ・・・」
志満「ありがとう」
美渡「志満姉・・・・・・」
美渡「グズッ・・・ありがとう・・・」
|c||^.- ^||「ありささん、ありがとう・・・」
ギュッ
|c||^ -.^|| 「え?なに?なにこの状況?」
|c||^.- ^||「・・・ありがとう」
|c||^ -.^|| 「・・・ありがとう、ダイヤ」
∫∫( c||-ヮ-||「」
ピー ピー
|c||^.- ^||「果南さん・・・」
ギュッ
|c||^.- ^||「ごめんなさい」
|c||^.- ^||「みんなで・・・そちらに逝きますわ」
志満「ダイヤちゃん」
美渡「ダイヤちゃん・・・」
ギュッ
|c||^.- ^||「ありがとう」
志満「ありがとう」
美渡「ありがとう」
|c||^.- ^||「ありがとう・・・」
|c||^.- ^||「⌒°( ^ω^)°⌒・・・」
「ごめんなさい」
ピー ピー
ピー ピー
ピー
ズウウウウウアアアアアアアアア!!!!!!!
ドガドガドガアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌ちゃん!!」
从/*>ヮ<§从「よーちゃん!!」
ズガアアアアア!!!
(*> ᴗ <*)ゞ「!!!?」
ブワッ!!!ゴオオオオオ!!!!
从/*>ヮ<§从「ううううう!!!!」
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌・・・ちゃん・・・!!!」
从/*>ヮ<§从「よう・・・ちゃん・・・!!!」
(*> ᴗ <*)ゞ「千歌ちゃーーーん!!!」
从/*>ヮ<§从「よーちゃーーーん!!!!」
ズゴゴゴゴゴゴ!!!!!!
ズガガガガガガ!!!!!!
・・・
・・
・
・
・・
・・・
(・8・)「ちゅんちゅん」バサバサ
(・8・)「ちゅん?」
(・8・)「つんつん・・・」
(・8・)「おえっ」
(・8・)「ちゅんちゅん!」バサバサ
ザバーン ザバーン
从/*-ヮ-§从「」
メパーント「」
ちょうちょ「パタパタ」
ちょうちょ「ピトッ」
从/*-ヮ-§从「」
ちょうちょ「・・・?」
ちょうちょ「パタパタ」
メパーント「」
・・・
・・
・
从/*-ヮ-§从「」
メパーント「」
おわり
おまけ
なんかかっこいいから言わせただけ定期
果南「ゲロ以下の臭いだよ・・・」
なんかかっこいいから言わせただけ定期2
果南「千歌は今までの生活で何を学んだ?」
果南「平和のために生まれる、誇り高き魂だ!」
なんかかっこいいから言わせただけ定期3
ダイヤ「・・・きっと切ない誓いがあったのでしょう」
なんかかっこいいから言わせただけ定期4
理亞「私は悪か?私が全部悪いと思うか?」
理亞「私が70億人いたら、悪はてめぇの方だったってだけだ」
理亞「よかったな・・・てめぇは大勢の側で・・・」
ホントに終わりです。ありがとうございました。
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