先生「ふたなりの授業を始めます」 (15)

先生「じゃあ今日はふたなりの生態と歴史について学んでいくよー」

先生「ちなみにこのクラスにふたなりはどれくらいいるのかな?」

先生「1,2,3……うん、だいたいクラスの半分くらいだね」

先生「じゃあ今手を挙げた人に聞くけど」

先生「自分のこと女だと思う?それともそれ以外だと思う?」

先生「はい、あなた」

ギャル「え、ウチっスか?」

ギャル「えーっとウチはー、自分のこと女だと思ってるかなー」

ギャル「だって普通にメイクもするしスカートも履くし」

ギャル「ちんちん付いてる以外は普通の女だと思ってます」

先生「うん、ありがとう。じゃああなたは?」

ショート娘「……ボクですか?」

ショート娘「ボクは自分のこと、女だとは思っていません」

ショート娘「化粧っ気がないとか、男っぽいとかそういうの抜きにして」

ショート娘「ちんちんが付いてる自分を女だと思ったことは生まれてこの方一度もありません」

先生「そう。じゃあ自分をカテゴライズするとしたらなんて表現する?」

ショート娘「あまり考えたことはありませんが、俗に言う『ふたなり』だと思います」

ショート娘「男でも女でもない存在です」

先生「うん。二人ともありがとう」

ギャル「えー、絶対おかしいってー。だってあんたまんこ付いてるんでしょ?」

ギャル「穴あったらそれもう女でしょ!」

ショート娘「相変わらず下品だな。お前は」

先生「そうね。ちょっと前、具体的に言うと昭和の時代はふたなりはちんちんが付いてる女として扱われてきました」

先生「でもね、最近になってその傾向が変わりつつあるの」

先生「あなたの様に自分を女だと思わないふたなりの人がすごく増えているんです」

先生「だから世界的にふたなりを第三の性と扱うことに決めたんですね」

ギャル「えー、でもウチ性別の欄は絶対女に丸付けるよ」

先生「それも間違いじゃないよ。でもね、世の中にはいろんな考えを持った人がいるの」

ギャル「ふーん……」

先生「じゃあ次はふたなりの歴史について勉強しよう」

先生「ふたなりの起源は紀元前のアフリカ人だと言われています」

先生「当時ふたなりは悪魔の子として忌み子扱いされていたんですね」

先生「だからなかなか人口は増えなかったんだ」

先生「ところが時を経てふたなり人口が増える時期がやってきます」

先生「誰かわかる人いるかな?」

委員長「はい」

先生「じゃあ、あなた」

委員長「古代ローマの時代です」

先生「はい、正解。数は少ないですがヨーロッパ中にふたなりがいたとされています」

先生「で、爆発的に増えたのは13世紀のモンゴル帝国の時代と言われています」

先生「ここはテストに出すのでよく覚えておくように」

先生「じゃあ日本でふたなりが増えだした時期についてわかる人はいるかな?」

「・・・・・・」

先生「これは最近ニュースにもなったよー。みんな新聞とか見てないかな?」

委員長「はい」

先生「はいキミ」

委員長「安土桃山時代です」

先生「うん!正解だね」

ギャル「すげー。委員長、ふたなり博士じゃん」

委員長「こんなの基礎知識よ」

先生「これには織田信長が深く関わっているんだ」

先生「織田信長へ当時のふたなりが家来として献上されたんだ」

先生「そして信長はその人を妻にしたと言われているのよ」

ギャル「マジ!?じゃあウチらの先祖って織田信長なの!?めっちゃかっけーじゃん!」

根暗「わ、私は竹中半兵衛か上杉謙信が良かったな。イケメンだし声もかっこいいし」

委員長「……言っておくけどあなたが言ってるのはゲームの話よ」

先生「いや残念ながらそういうわけじゃないんだ」

先生「織田信長はそのふたなりを妻にしたんだけど」

先生「まあ簡単に言うと信長はネコだったんだ。だからそのふたなりは信長とではなく」

先生「10人近く与えられた絶世の美女たちと子作りをしたんだ」

先生「外国人でしかも美人とのハーフだからそれ以降のふたなり増加に拍車をかけたんだね」

根暗娘「ち、ちなみに歴史上の人物だと卑弥呼や小野妹子もふたなりって説があるよ」

ギャル「え!?小野妹子って男だべ!?」

委員長「当時は男として振舞っていたらしいわ。まあどれもあまり信憑性のない説だけどね」

先生「はい、じゃあ最後に」

先生「みんな自慰行為はしてるかな?」

ザワザワザワ

ギャル「え、そういうのってセクハラじゃないんスか」

先生「ううん。ふたなりにとって自慰行為はとても大事なことなんだよ」

先生「昨日自慰行為した人、恥ずかしがらずに手挙げてみて」

ショート娘「///」スッ

委員長「はい。しました」

根暗娘「わ、私もしました」

先生「君たちは偉いです。じゃあキミは最近いつした?」

ギャル「なんでそんなの言わなきゃいけないんスか!」

先生「キミの今後に関わることだよ」

ギャル「……一週間くらい前かな」

先生「本当!?今すぐにしてください!」

ギャル「はぁ!?なんなんすか!」

先生「ふたなりはね、ある期間精子を出さないと体内で自分の精子と卵子が受精してしまうの」

ギャル「え・・・」

先生「知識があやふやなまま望まない妊娠をする中高生って多いのよ」

ギャル「ちょ、ちょっと待ってよ!その期間ってどのくらいなんスか!?」

先生「長い人だと1ヶ月、短い人だと1週間と言われているわ」

ギャル「ウチやべーじゃん!!ちょっとシコってくるわ!」

先生「他にもいない?恥ずかしがらずに言ってね」

スポーツ娘「……」サーッ

日焼け娘「……」サーッ

根暗娘「ど、どうしたの二人とも。顔青ざめてるよ」

スポーツ娘「あ、あの先生。それってセックスしてれば大丈夫なんですよね?」

先生「うーん……それは今ちょっと話題になっててね」

先生「セックスをしてても自慰行為をしてないふたなりの人が妊娠してしまった症例が出たの」

スポーツ娘「す、すぐ行ってきます!」

日焼け娘「私も!」

先生「はい。頑張ってね」

先生「じゃあ、時間だし授業終わりにしましょうか」

先生「あっ、ふたなり大学の推薦を考えてる人は授業終わったら私のとこに来てください」

先生「じゃあ日直」

委員長「起立、礼」

ありがとうございましたー

終わり

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