もこっち「モテないし、ヴレインズ」 (655)




喪1:モテないし、デュエルしてみる



ーー 放課後 『 黒木宅 “ 黒木智子の部屋 ” 』 ーー



もこっち「………………………………………」チラッ


VR空間ダイブ装置付きデュエルディスク『やあ』


もこっち「………………………………はあ、何でこんなことになったんだっけかな」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527429882




~~ 数時間前 『 原幕高校 “ 空き教室 ” 』 ~~



もこっち「ーーーおい、こんな所に連れてきて、いったい何のつもりだ?」

ネモ「いや、ちょっと、二人っきりでリンクヴレインズの話をしたいなーって」

もこっち「リンクヴレインズ?」

ネモ「そうだよ、クロもその存在くらいは知ってるよね?」

もこっち「確かVR空間でデュエルする…………って奴だろ?」





ネモ「そう、それだよーー」

もこっち「それがどうかしたのか?」

ネモ「クロも行ってみたくない?」

もこっち「ああ? 何でそんなこと聞くんだよ?」

ネモ「実は昨日ねー、福引していたら、リンクヴレインズに行けるデュエルディスクが当たったんだーー」

もこっち「なんだよそりゃ、自慢か?」

ネモ「………だけど、私はもう同じの持ってるし、私の友達も、もう持ってるか興味ない人しかいないんだよね」

ネモ「だから、クロにあげようかなって」





もこっち「お前な………いらないもん人に押し付けんなよ」

ネモ「アハハ、そんなこと言って、クロも本当は興味津々なんじゃないの?」

もこっち「………いや別に、そんなことは………第一、私デュエルしないし」

ネモ「ホントかなー? 今はそうでも、つい最近までやってたりするんじゃない?」

もこっち「!?」ビクッ





もこっち(ま、まさか、アレがバレたのか………!? いつ、どこで、誰がチクった!?)

ネモ(わかりやすいなー、クロは。すぐ反応に出るんだから)

もこっち「………っ、」アセアセ

ネモ(でも、この反応………後ろめたいことがあるみたいだね。考えられることとしてはーーー)スッ

もこっち(な、なんだよ………)ビクビク

ネモ(………まあ、クロが何をしていたかは知らないけどさ)ヒソヒソ

もこっち(え、あっ………?)

ネモ(大きな大会での出来事だったり、周囲に大迷惑をかけたり、結果としてカードや金銭を得ていたとかじゃなきゃ、大ごとにはならないと思うよ?)ヒソヒソヒソ

もこっち(ホ、ホントか!? 私たちが1年の頃、駄菓子屋で子供が自主的にやってるような、ノンアンティ大会でのイカサマドローなら問題ないのか!? それでクィーンとか呼んで貰っても大丈夫か!?)ヒソヒソヒソヒソ

ネモ(ああ、やっぱり………二人っきりになって正解だったみたいだね)ハアッー






もこっち(た、ため息ついた? じゃあやっぱりアレはーーー)サアッー

ネモ(………そのレベルの話なら大ごとにはならないよ)ヒソヒソ

もこっち(ーーーホ、ホントか!? ホントにホントなんだな!!)ヒソヒソ

ネモ(………今も継続してやってるとかなら話は別かもしれないけど、もう1年以上は過去のことで、それっきりでしょ?)ヒソヒソヒソ

もこっち(お、おう、あれ以降やってない!)ヒソヒソ

ネモ(なら通報されてどうこうって話にはならないよ)ヒソヒソ





もこっち「そ、そっかー、なら良かっーーー」

ネモ「………」ジーッ

もこっち「あ、いや、違うんだ! これは、そのーーー」

ネモ「もうやっちゃダメだよ、クロ」

もこっち「え、あ、そのーーー」

ネモ「いいね?」





もこっち「ーーーは、はい! すみませんでした………」

ネモ「うん、絶対だからね? ………それとわかってるとは思うけど、もうその話はしない方が良いよ。
大ごとにはならないけど、不愉快に思う人もいるだろうから」

もこっち「は、はい、ホントごめんなさい………」

ネモ「私に言われてもね………それで話を戻すけど、クロは最近までデュエルをやったことがあるんだよね?
だったら、普通にできるんじゃないかな?」

もこっち「………え、いや、でも………あれ、デュエルモンスターズとは違うカードだしーー」

ネモ「あ、そうなの? まあ、よくよく考えれば、世界最大手のカードゲームで何かするほど、クロもバカじゃないか」アハハ





もこっち(ぐっ、ネモのやつ、言いたい放題言いやがってーーー)

ネモ「アハハ………でも、クロのことだから、デュエルモンスターズのアニメは観ていたんでしょ?」

もこっち「えっ、あっ、それは………」

ネモ「どのくらいまで観てた?」

もこっち「………5作品目の2年目ぐらいまでは、まあ」

ネモ「じゃあ、だいたいルールは知ってるよね。まあ、今は少しルールが違うけど、その辺は、リンクヴレインズで教えてあげるよ」

もこっち「え、いや、まだ行くって決まったわけじゃーー」

ネモ「行くかどうかは、いま決めなくても良いよ。◯時までに行くか行かないか、連絡してくれれば良いから」





もこっち「そ、そうか………あっ!? いやでもーーー」

ネモ「一応言っておくけど、別に行かなくてもさっきのクロ歴史をバラすだとかはしないから、安心して良いよ」スッゴソゴソ

もこっち「ホ、ホントか、それ? 絶対絶対ホントだな?」

ネモ「普通にホントだから、安心して良いから………とりあえず、ディスクは渡しとくね」つディスク

もこっち「あ、ああ、ありがと………」つディスク

ネモ「ああ、リンクヴレインズ内でのクロのアバターはこっちで作っといたよ、データはディスクの中に入ってるから」スッ





もこっち「………えっ、マジでか? どんなだよそれ、どこ押せば見れるんだ?」つディスク

ネモ「………説明書も同封してあるから、それ見ればわかるよ。あと、デッキは好きなの1つ選んで無料ダウンロードできるから安心して」

もこっち「………お、おう。わかった」

ネモ「じゃあ、わたし先かえるねー、改めてデッキ調整もしたいしーーー」

ネモ「ーーーああ、それとクロはそろそろスマホ確認した方が良いよー、それじゃーー!」タッタッ


もこっち「ん? ああ………」(スマホ?)ピッ


もこっち「………あっ、」






〔黒木さん、まだ学校にいる?〕

〔ちょうど、ゆりの用事が終わったところで、いま私たち二人は教室にいるよ〕

〔よかったら、いつもみたいに三人で帰らない?〕


もこっち(………………あーー、話し中に連絡来てたのかよ、全然気づかんかった………)

もこっち(………つーか、ネモの奴、これに気づいてたのか?)

もこっち(いや、それとも単純にガチレズさんがどういう行動に出るか読んでいただけかーーー)

もこっち(………さっさと行くか。待たせるのは悪いしなーーー)


ゆり「………黒木さん」ガララッ





スタスタ………


もこっち「………おう、用事終わったんだろ? 行くか」

ゆり「………スマホ見てたの?」

もこっち「ああ、まあ、ついさっきな………」

ゆり「そう………」

もこっち「………つーか、よくここにいるってわかったな。何でだ?」

ゆり「………さっき、真子のスマホに根元さんから連絡来た。黒木さん今ここにいるって」

もこっち(ネモが? ああ、気を利かせたのか、やっぱリア充グループにいるだけはあるな………)

もこっち(つーか、ネモの奴、いつのまに連絡したんだ………?)

もこっち(ひょっとして、さっきアバターのことを話してた時ーーー)

ゆり「………黒木さん?」

もこっち「えっ、あーー、気づけなくて悪かった。いまから教室行くわ。(ガチレズさんが)待ってるだろうしな」スタスタ

ゆり「………」スタスタ





~~ 『 原幕高校 “ 廊下 ” 』 ~~



もこっち「………」スタスタ

ゆり「………黒木さん」スタスタ

もこっち「………ん? どうかしたか?」

ゆり「さっきまで、根元さんと二人で何話してたの?」

もこっち「ん、いや別にーーー」

ゆり「別にって何? 私たちに言えないこと?」

もこっち「えっ、いやそのーーー」

ゆり「………………」

もこっち(えっ、急に何? 怒ってる? 生理なの?)





ーー 現在 『 黒木宅 “ 黒木智子の部屋 ” 』 ーー



もこっち(あの後、ガチレズさんと合流して、なんやかんやで、あいつが落ち着いて………そんで帰宅して今に至るんだったかーーー)

もこっち(それにしても………)チラッ


VR空間ダイブ装置付きデュエルディスク『やあ』


もこっち(はあ、やっぱり気が進まねえな………)

もこっち(………そもそも私がデュエルモンスターズやってたのって、中1までなんだよな)

もこっち(はじめは小学校低学年から、アニメを見て影響された弟に付き合う形で始めてーーー)

もこっち(でも弟がサッカーの方に夢中になるようになってから、どんどんやらなくなっていってーーー私が中学に入る頃には、お互いすっかりやらなくなった)

もこっち(それでも、私はアニメの視聴は続けていたし、ネットでデュエル動画を観ていたりもしていたーーー)

もこっち(ーーーだが、2年前あの日から私はーーー)





~~ 2年前 『 駄菓子屋 』 ~~



ガヤガヤワイワイ………………


もこっち(ん? なんだ、あのガキども、カードゲームやってんのか)

もこっち(デュエルモンスターズじゃないようだがーーそれでも楽しそうだな)

もこっち(………やたらと称えられている奴がいるな………ああ、そうか、それだけあのガキは強いのか)

もこっち(………………私もそこなら、ひょっとしてーーー)

もこっち(………試しにやってみっかな。まずは絶対に勝てるデッキと絶対にバレないイカサマをーーー)






~~ 1週間後 『 駄菓子屋 』 ~~



もこっち「私のターン!」シュバッシュバッ

もこっち「ドローしたのは、当然、◯◯! これで私の勝ちだ!」

子供A「うわー、また負けた!」

子供B「ほんと、すげー引きだよ!」

子供C「やっぱクィーンはつえーや!」

もこっち「ふふっ、私レベルになれば、このくらい造作もない」(イカサマしてんだから)キリッ

子供A「クィーン!」

子供B「クィーン!」

子供C「クィーン!」

もこっち(ははっ………ははははは!!)






ーー 現在 『 黒木宅 “ 黒木智子の部屋 ” 』 ーー



もこっち「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!?」ゴロゴロゴロゴロッ


「うるせえぞ!」ガンッ


もこっち「」ビクッ

もこっち(うっ、うう………)

もこっち(~~~~っ、ホント、なんてことしてたんだ私は………! 承認欲求拗らせて………よりにもよって、あんなみっともない………!)







もこっち(………子供相手にイカサマ!? 恥ずかしくねーのか!?)

もこっち(………しかも、クィーンって呼ばせるだあ!? キャバ嬢でも無いのに女王様気取りか? 馬鹿なんじゃねーのか!?)


もこっち(やってた当時は麻痺してたが………きーちゃんのあの失望した目が、違う意味で変わったことで、ようやく覚めた………)

もこっち(タイムマシンがあるなら当時の私を、バラバラに引き裂いてやりたいくらいだ………!)ギュウッ

もこっち(………罪悪感を薄めるためか、私の持ってるカードのほとんどは、駄菓子屋のガキ共に差し出した)

もこっち(デュエルモンスターズのカードもそうでないカードも、ほとんど全部差し出して、あの場から逃げ出したんだ)

もこっち(そして、それ以降、アニメもデュエル動画も観なくなった。思い出したく無いからな………)







もこっち「………」チラッ


VR空間ダイブ装置付きデュエルディスク『やあ』


もこっち(やっぱり気が進まねえ………予定通り断るか?)

もこっち(だが………本当にそれでいいのか………)

もこっち(………そういや、ネモのやつ、私のアバター作ったって言ったけど、どんなやつなんだろ………)







もこっち(………アバターだけでも見てみっかな………)

もこっち(えーと、説明書説明書………ああ、あった)ガサゴソ

もこっち(どれどれ、アバターを見るにはーーー)パラパラ

もこっち(ーーースクロールで、この画面にして、ここのボタンを押せば良いのか。じゃあ、さっそくーーー)ポチッ


ぴょこんっ


もこっち(なっーーー)






クロっち『………』フリフリ


もこっち(か、かかかかかかかかかかかかかーーー)

もこっち(ーーーか、かわいい………!?)ズキュウンッ

もこっち(なんだよコレ、『ねんど◯いど・ぷち』か? クオリティ高すぎんだろ………)ドキドキ

もこっち(………つーかコレ、まさか、モデル私か?)


クロっち『………』


もこっち(ボサボサの長髪………上にはねた左側の髪癖………無駄にデカイ目とそのクマ………)

もこっち(………何より『クロっち』というアバター名………)

もこっち(やっぱり私がモデル………なんだよな?)






もこっち(………まあ、実物と違って、アニメ顔で二頭身のぷちきゃらみたいになってたり、左側の髪癖が、はね過ぎてチョウチンアンコウの頭から垂れ下がってるアホ毛みたいな何かになってたり、中ニ病っぽい黒パーカー着てたりとか、違いはあるが………)

もこっち(………しかし、ここまで私の特徴押さえてんのに、よくこんな可愛く作れるもんだ)

もこっち(やっぱ、ブスでもアニメ顔にすると、可愛く見えるもんなのか?)

もこっち(二次元の話になるが、原作漫画じゃ微妙でもアニメ化すると、途端に可愛くなるキャラとかも多いしな)

もこっち(それに、これくらい可愛くなってりゃ、まず中身が私だって気づけねー。身バレ対策も万全かよ………)

もこっち(………ホント、よくこんなの作れたな………いったいどんだけの手間と時間かけて………)

もこっち(………………)






もこっち(………しゃーない、行ってやるか)

もこっち(ここまでのもん作って貰って、行かないってもアレだし………仕方ないな、うん!)

もこっち(………別にこのアバターの姿になって、はしゃぎたいとかじゃねーからな! 絶対絶対ちげーからな!)


もこっち(………まずはネモの奴に連絡して、っと)ポチポチピッ


ピロリーン


もこっち(うおっ、連絡した途端に返信来やがった! 流石陽キャ、返信はえー………)スッ


〔ありがと、クロ。それじゃー、次はアカウント登録だね〕

〔やり方は説明書見ればわかると思うけど、わからないことあったら聞いてね〕

〔ちなみに集合は×時??分、△△でだよー。忘れちゃヤダよ?〕


もこっち(………そうだな。まずは垢登録しないとな)

もこっち(えーと、やり方は………なになに、まずはディスクのコードをPCに繋げてーーーそれからアバターに対して脳波登録ってのをしてーーー)






ーー 30分後 ーー



もこっち(………よし、これで垢登録は完了だな。長かったーーー)カタカタッカターンッ

もこっち(………そして最後は、いよいよ初期デッキを決めるわけだが………)

もこっち(………ん?)


〔利用規約〕

〔これらのデッキデータを利用した不正行為は絶対にしないでください〕

〔事例:カードに対するマーキング〕

〔マーキングされたカードは、不正カードとして扱われます。使用した場合、自動的にデュエルが中断され、運営まで通報されることになります〕

〔不正カードの使用に対し、運営は然るべき対処をさせて頂きます〕


〔これらのデッキデータを利用した不正行為は絶対にしないでください〕


もこっち(………こんな注意書きがあるってことは、やった奴がいるってことだよな………)

もこっち(………不正する奴は、どこにでもいるってわけだ。駄菓子屋だろうが、リンクヴレインズだろうが、それは変わらねーー………)グッ






もこっち(………くそっ、いつまでグダクダ悩んでんだ私は………もうネモと約束したんだ。それを破るわけにはいかねーだろうが)ブンブン

もこっち(………気を取り直そう。そんで初期デッキ決めねーとな………)

もこっち(………だが、どんなのがあるんだ?)カタカタ

もこっち(………うわっ、なんだこの量!? こんな大量にある中から選べってか?)

もこっち(………全部見ていると時間無くなりそうだな。ここは一つのテーマに絞って、検索した中から選んだ方がよさそうだ)

もこっち(だが、何のテーマにすっかな………相手がネモなことを考えりゃ、アニメテーマにすんのは確定として………どれにすべきか………)

もこっち(………せっかくだし、私が昔使っていたデッキテーマにすっかな。そん中で面白そうなのといえばーーー)カタカタッカターンッ

もこっち(おっ、出た出た)

もこっち(………とは言っても、一つだけかよ。あのテーマ、リンクヴレインズじゃ、あんま人気ないのか?)

もこっち(………まあいいや。とりあえずデッキレシピと回し方は………)カタカタ






ーー ??分後 ーー



もこっち(………今はこんなカードまであんのか………知らんかった………)

もこっち(てゆーかこのデッキ、あのテーマ以外にも、原作漫画やアニメ出身のカードが割と入ってんのな。原作やアニメ好き向けのファンデッキってとこか?)

もこっち(………実際、“このカード”には、あの演出が組み込まれてるらしいからなあ………本当にできんのかね?)

もこっち(………まあ、それはそれとして、エクシーズが入ってないんだよな。そこは少しキツイかな)

もこっち(………欲しけりゃ実物買うか課金しろってことなんだろーな、えげつねえ)

もこっち(だがそれでも、まあまあ回るようには作られてはいるわけか………)

もこっち(………ちとややこしい回し方だが、【インフェルニティ】とかよりはやりやすそうだ………)

もこっち(………よし、これにするか)カタッ


〔初期デッキが選択されました。しばらくお待ちください………〕


ピピーン


〔初期デッキのダウンロードが完了しました〕






もこっち(………結構はえーな。最近リンクヴレインズのデータ処理が一部遅くなったってネットニュースにあったが、ガセだったか?)

もこっち(いや、これでも遅くはなってるのか、それとも遅くなってるところが違うのかーーーん?)


〔ダウンロードした初期デッキのデータを、白紙のカードに移しますか?〕

【はい】【いいえ】

〔データを移す場合は【はい】を、データを移さない場合は【いいえ】をクリックしてください〕

〔【はい】をクリックした場合は、ディスクに付属されている白紙のカードを、必要枚数分、デッキ挿入口にセットしてください〕

〔セットした後は、改めて【はい】をクリックしてください。その直後、セットされた順番からデータの移し替えが行われます〕

〔移し替えが終了した際は、このウィンドウが閉じられます。その後、デッキ挿入口からカードを取り戻し、ディスクに反応するか確認してください〕

〔【いいえ】をクリックした場合は、このウィンドウが閉じられます。再び開く際は、メニュー画面に戻り、【カードデータ移し替え】をクリックしてください〕






もこっち(………ああ、そういや、最近じゃダウンロードしたカードのデータを、白紙のカードに移すことで、実物のカードとして使用することもできるんだったな。昔じゃ考えられない話だ)

もこっち(………でも今はいいか。現実でデュエルする気も無いしな。【いいえ】、っと)カチッ

もこっち(まあ、何はともあれ、あとは×時??分に間に合うようにーーって、うん?)


チクタクチクタク………


もこっち(………もうすぐ×時??分じゃねーか!)

もこっち(やべー! 早く行かないと、ネモにネチられる!)

もこっち(えーと、確か、まずはデュエルディスクに座標を打ち込んでーー)ピッポッパッ

もこっち(あとはVRダイバーってのを装着してーー、よしこれで良いはず………)ガチャッ


ヴォーンッ………!


もこっち(うおおっ、きたきた、ついに………!)


イントゥ ザ ヴレインズ!






ーー ??? ーー



もこっち(?)「………ん、ここは………」スッ

もこっち(?)「!?」スッスッ

もこっち(?)「………この頭身! このチョウチンアンコウみたいなアホ毛! そうか、ここがーーー」

クロっち「リンクヴレインズか!」


ネモ(?)「そうだよーー」

クロっち「うおっ、おまっ、ネモ!?」

ネモ(?)「ダメだよー、クロっち。ここはリンクヴレインズの中なんだから、そういう呼び方しちゃ」






ネモ(?)(………まあ、ここは電脳ビルの上で、他に人はいないから大丈夫だとは思うけど)

クロっち「えっ、いや、でもお前のアバター名なんて知らないしーーー」

ネモっち「ネモっち」

クロっち「へ?」キョトン

ネモっち「ネモっち、それが私のアバター名だから、ここではそう呼んで」

クロっち「お、おう………わかった」

ネモっち「………」






クロっち「………あー、わかったよ。呼べば良いんだろ? ネモっち!」

ネモっち「ふふふ、ありがと、クロっち」

クロっち(………なんつーか、アレだな。思ったよりも、こっぱずかしいなコレ………)カァッ

クロっち(………つーか、ネモのアバター、私のアバターをそのままネモに変換したようなデザインじゃねえか)

クロっち(いや、私と違ってアホ毛みたいなのが無かったり、格好がネズミーの時の服装っぽい感じだったり、ピンク髪に茶髪が混じってたりと、違う部分もあるが………)

クロっち(………かわいいじゃねえか、こんにゃろう)キュン






ネモっち「それじゃ………しよっか」キュッ

クロっち「えっ、」ドキリ

クロっち(え、ネモのやつ、手掴んで何をーーー)ドキドキ

ネモっち「どうしたの? ………しないの?」ギュッ

クロっち「す、するって、なにをーーー」ドキドキドキドキ

ネモっち「デュエルに決まってるじゃん。なーに期待していたんだろーねー? クロは」パッ






クロっち「………なっ、お前~~~!!」カアアッ

ネモっち「ネモっち」

クロっち「うっ、」

ネモっち「そうでしょ?」

クロっち「~~~~っ、………………ネモっち」ボソッ

ネモっち「もっと大きな声で言わなきゃ聞こえないよーー」

クロっち「………あー、もー、わかったよ、ネモっち! ほら、これで良いんだろ! さっさとデュエルするぞ!」ガチャ


ネモっち「………うん、いいよー」ガチャ

ネモっち(ホントはもっと遊んでいたかったけど………それはまた今度かなー、ふふふ)


クロっち(みてろよネモ! 私をからかったことを後悔させてやらあ!)


「「デュエル!」」




今日はここまでです。次回はデュエルパートから

投下します




クロっち「私のターン!」


クロっち(って………うおっ、!?)



ネモっち「………」



クロっち(て、手札が………浮いてやがる………)






クロっち(いや、説明書で知ってたけどさ。それでもビックリだわ………これがリンクヴレインズ………)



ネモっち(………手札が浮いてることに驚いてるのかな? まあ当然の反応だね………)



クロっち(………あー、落ち着け。電脳世界なんだから手札だって浮くだろ。そんなことよりもデュエルに集中だ、うん)

クロっち(………そうだ、さっきのことを思い出せ! ぜってー、ネモのやつをギャフンと言わせてーーー)






クロっち(ーーーって、ちょっと待て)チラッ


クロっち(………何だよこの手札!? モンスターが1体も来てねーじゃねーか! 手札事故じゃねーのかコレ!?)

クロっち(………いやまあ、こっちは過去にカードゲームでイカサマした身だし? ドロー運にはあまり期待はしてなかったが、まさか初っ端からこれとはな………)


クロっち(どうする? サレンダーでもして仕切り直すか?)



ネモっち(あの様子、手札事故でもしたのかな? でもクロならーーー)





クロっち(………いや待て待て、私はもうネモに啖呵きっちまったんだ。そんな中でサレンダーなんてしたら赤っ恥も良いとこじゃねーか! ぜってー、イジられるわ!)


クロっち(………このまま続けるしかないか)ハアッー



ネモっち「………………」



クロっち(そうなると、まずは手札の入れ替えからだな………えーと、確かカードを発動するにはーーー)


クロっち(………ああ、そうだ。確か口にするだけで良いんだったな。こいつは楽ちんだ………よしっ)


クロっち「速攻魔法、《手札断殺》を発動」

クロっち「お互いに手札2枚を墓地に送ることで、2枚ドローする」


クロっち「私は《ギャラクシー・サイクロン》と《スキル・プリズナー》を墓地に送る」

クロっち「そして、2枚ドロー!」



クロっち(よし、ちゃんと発動できた。それなら、お次はーーー)



ネモっち「こっちは《妖刀竹光》と《トイポット》を墓地に送って、2枚ドローさせて貰うね」



クロっち(………げっ、確かあのカード共は………)


ネモっち「この瞬間、墓地に送られた《妖刀竹光》と《トイポット》の効果発動!」

ネモっち「それぞれの効果で、デッキから《黄金色の竹光》と《ファーニマル・ウィング》を手札に加えるね」






クロっち(ちっ、向こうの手札を増やしちまったか。しかも結局モンスター引けなかったし、微妙な出だしだな)


クロっち(………にしても、《トイポット》っつーことは、ネモのデッキは【ファーニマル】みたいだな)

クロっち(確か動画での、あのデッキの戦術は………)


クロっち(………モンスターどうこう以前に守りを固めねーとヤベーな)タラリ

クロっち「………ひとまずカードを3枚セットしてーーー」



バババッ



クロっち(………なるほどな、わざわざ浮いた手札に触れずとも、頭ん中でカード選んで、その直後にセットと言えば自動的に伏せてくれる。説明書き通りだ)

クロっち(知らないうちに、随分とハイテクな世の中になったもんだ………)


クロっち(まあいい、ならお次はーーー)






クロっち「魔法カード、《命削りの宝札》を発動!」


クロっち「このカードを発動する場合、自分はこのターン、特殊召喚を行うことができない! また、このターン、相手が受けるダメージも全てゼロになる!」

クロっち「だが、その代わり、自分の手札が3枚になるようドローする!」


クロっち「私の手札は0枚! したがって、3枚ドロー!」


クロっち「………よし! 私はモンスターをセット、カードを2枚セットしてエンドフェイズに移行!」

クロっち「そして、エンドフェイズ、《命削りの宝札》の効果で残りの手札を全て墓地送りにする処理が行われるが、ハンドレスの私には関係が無い!」


クロっち「これでターンエンドだ!」






ネモっち「あれれー? クロっち、いきなりガン伏せして大丈夫なの? ほら、羽箒とか」



クロっち「………うるせえよ。早くやれ」



ネモっち「ははっ、『うるせえよ』は、禁止用語だから私以外にはしないでね? 私のターン、ドロー!」


ネモっち(………羽箒は来ないか、なら、ここはーーー)


ネモっち「メインフェイズ、魔法カード発動、《魔玩具補綴》!」

ネモっち「その効果でデッキから《融合》と《エッジインプ・シザー》を手札に加えるよ」






クロっち(なっ、ただ発動するだけで《融合》と素材のサーチだと!?)

クロっち(なんつーぶっ壊れだよ! これだから最近のカードは………)



ネモっち「続いて、《ファーニマル・ドッグ》を召喚!」



ドッグ『ワンッ』ATK1700



ネモっち「《ファーニマル・ドッグ》の効果発動! デッキからファーニマルモンスター、《ファーニマル・ベア》を手札に加える」

ネモっち「さらに、手札の《ファーニマル・ベア》を捨てて、その効果を発動!」

ネモっち「デッキから2枚目の《トイポット》をセットするよ」


ネモっち「そして、2枚目の《妖刀竹光》を発動! ドッグに装備!」






ポトッ



ドッグ『ワンッ?』つ妖刀竹光



ネモっち「《妖刀竹光》は装備モンスターの攻撃力を0ポイントアップさせるよ!」



ドッグ『ワワ~ン?』ATK1700→1700



クロっち(まったく意味ねーけど、ネモの手札にはアレが………)



ネモっち「さっき手札に加えた《黄金色の竹光》を発動!」



クロっち(ほら、きたきた)



ネモっち「このカードは、自分の場に『竹光』と名のついた装備魔法カードが存在する場合に発動できる!」

ネモっち「その効果で、私はデッキからカードを2枚ドローする!」


ネモっち「あっ、ラッキー、今ドローした2枚目の《黄金色の竹光》を発動! その効果で更にドロー!」






ネモっち「ここで、魔法カード発動、《ナイト・ショット》!」



クロっち「!」



ネモっち「その効果で、セット状態にある相手の魔法・罠カードを1枚選択して破壊する! 」

ネモっち「そして、この効果に対し、相手は選択されたカードをチェーン発動できない!」


ネモっち「私はクロっちから見て右から2番目のカードを選択して破壊するよ!」



クロっち「だったら、それにチェーンして、永続罠、《光の護封霊剣》を発動!」

クロっち「また、それにチェーンして、破壊対象にされた罠カード、《ダメージ・ダイエット》を発動だ!」



ネモっち「!」



クロっち「《ナイト・ショット》には直接チェーンできなくとも、こうして他のカードをチェーンし、それに選択されたカードをチェーン発動することは可能!」(ネットに載ってた)






クロっち「いくぞ、逆順処理だ! まずは、《ダメージ・ダイエット》の効果で、このターン、私が受けるダメージは半分になる!」



ネモっち「………次に《ナイト・ショット》の効果が適用されるけど、対象にされたカードが表側になったため、不発になるよ」


ネモっち(まあ、今回の場合、破壊できても意味は無いけどね)



クロっち「最後に《光の護封霊剣》の発動が完了する! このカードが場にある限り、お前がモンスターで攻撃してきても、その度にライフを1000支払うことで、その攻撃を無効にできる!」



ネモっち「してやられたね。だったら、お返しに魔法カード、《融合》を発動!」





ネモっち「場のドッグと手札の《ファーニマル・ペンギン》《エッジインプ・シザー》を融合!」

ネモっち「融合召喚! 現れ出ちゃえ! すべてを引き裂く密林の魔獣! 《デストーイ・シザー・タイガー》!」



タイガー『ガオオ!』ATK1900→2200



ネモっち「タイガーの永続効果で、場の『デストーイ』モンスターの攻撃力は、同カテゴリー及び『ファーニマル』モンスターの数×300ポイントアップする!」


ネモっち「さらに、融合召喚成功時、墓地に送られた《ファーニマル・ペンギン》の効果発動!」

ネモっち「そして、それにチェーンして、クロっちの伏せモンスター1体と伏せカード2枚を対象にタイガーの効果発動! さらにチェーンして、墓地に送られた《妖刀竹光》の効果発動!」



クロっち「だったら、《妖刀竹光》の効果にチェーンして、墓地から罠カード、《スキル・プリズナー》を除外して発動!」



ネモっち(うん、そうくるよね)





クロっち「逆順処理だ! まず、《スキル・プリズナー》の効果! このターン、私の伏せモンスター1体を対象を取るモンスター効果を無効にする!」



ネモっち「次のチェーン3で《妖刀竹光》の効果処理を行うね。デッキから3枚目の《黄金色の竹光》を手札に加えるよ」



ネモっち「そして、チェーン2でタイガーの効果処理を行う!」


ネモっち「タイガーの効果! 自身の融合素材にしたモンスターの数と同じ数のカードを対象に取って破壊する!」

ネモっち「私はクロっちの伏せモンスター1体と伏せカード2枚を対象に破壊!」



タイガー『ガオオ!』ジャキーンッ



クロっち「さっき発動した《スキル・プリズナー》の効果! このターン、私の伏せモンスターを対象に取るモンスター効果を無効にする!」



ピカーッガキンッ!



タイガー『ガオッ!?』



クロっち「タイガーの効果は無効だ!」



ネモっち「だよね。だったら最後のチェーン1の効果処理として、《ファーニマル・ペンギン》の効果」

ネモっち「デッキからカードを2枚ドローして、3枚目の《トイポット》を捨てるよー」






ネモっち「この瞬間、墓地に捨てられた《トイポット》の効果発動!」

ネモっち「その効果で、デッキから《ファーニマル・オウル》を手札に加える!」


ネモっち「そして、セットされた永続魔法、《トイポット》を発動!」

ネモっち「また、それにチェーンして、速攻魔法、《クリボーを呼ぶ笛》を発動!」



クロっち「!?」



ネモっち「《クリボーを呼ぶ笛》の効果で、デッキから《クリボー》を特殊召喚する!」


ネモっち「来て、《クリボー》!」ピピューイッ






ポンッ



クリボー『クリクリ~』DEF200



クロっち(………何のつもりだ? もう召喚権は使ってあるから、上級モンスター召喚のためのリリース要員にはできねーし、場のモンスターとレベルが違うからエクシーズもできねーはず………)


クロっち(いったい何を狙ってーーー)



ネモっち「出てきて、手と手を合わせるサーキット! 召喚条件は悪魔族モンスター2体!」

ネモっち「私は悪魔族のタイガーと《クリボー》を左ゾーンのリンクマーカーにセッティング!」



クロっち(!??)



ネモっち「リンク召喚! リンク2、《パーペチュアル・キング・デーモン》!」


今はここまでです。次回はデュエルパート続きから




パーペチュアル『グオオッ!』ATK2000



クロっち(ーーーーうおおっ、そうか! そういうことか! なるほど、これが噂のーーーー)



ネモっち「これがリンク召喚だよ。場に存在する指定条件のモンスターを、召喚先のモンスターのリンクの数値と同じ枚数のカードを墓地に送ることで、エクストラデッキからEX(エクストラ)モンスターゾーンに特殊召喚できるんだ」



クロっち「………ん? リンクの数値? エクストラモンスターゾーン? 何だそりゃ?」



ネモっち「うん、まずリンクの数値っていうのは、リンクモンスターにのみ存在する新しいステータスのことだよ」

ネモっち「エクシーズモンスターのランクみたいなものと言えばわかりやすいかな?」



クロっち「………ああ、なるほどな。わかりやすい」



ネモっち「そして、《パーペチュアル・キング・デーモン》はリンク2、つまりリンクの数値が2だから、召喚には2体のモンスターが必要なんだ」

ネモっち「そして、その2体は悪魔族に指定されているよ。だから、私は悪魔族であるタイガーと《クリボー》を素材にリンク召喚したんだよ」






クロっち(聞いてみると、凄い召喚法だな。召喚条件緩すぎるし、しかも、2体素材で攻撃力も割と高いとか………ゲームバランス大丈夫か?)



ネモっち「次に、EXモンスターゾーンについてだけど、それは通常のモンスターゾーンの横2列目と4列目の前の方に新設された新しいモンスターゾーンのことを指しているんだよ」



クロっち「えっ、今はそんなのがあるのか?」



ネモっち「あるよ。ディスクの表示画面を見れば一目瞭然だと思うけどなーーーあ、ここのボタン押せば表示されるからね」つ()



クロっち(へー、どれどれ………)ピッ


クロっち(………うおっ、マジだ。マジでそうなってる。つーか、展開力高いデッキだらけの環境で、モンスターゾーン増えるとか、何考えてんだ)



ネモっち「そうそう、エクストラデッキからモンスターを特殊召喚する場合は、基本そこにしか出せないルールに変わったから気をつけてね」



クロっち「………はあ!? ちょっと待て!? それじゃあ、エクストラからは二箇所にしかモンスター出せねーのかよ!?」



ネモっち「基本的に一箇所だけだよ。EXモンスターゾーンは二箇所あるけど、そのうち一箇所使用したら、そのプレイヤーがもう一箇所を使用することは基本的にできないし」



クロっち(マジかよ………このデッキなら回ればたぶん何とかなるが、まえ流行ってたペンデュラムとか終わったんじゃね? 大丈夫なのかよ、このルール)






ネモっち「他に質問はある?」



クロっち「………ある」



ネモっち「なあに? なんでも構わないよ?」



クロっち「ディスクの表示についてなんだが………何でお前のカード、テキスト欄にモザイクかかってんの? 卑猥なことでも書いてあんのか?」



ネモっち「クロっちはホントにバカだなーー」



クロっち「『バカ』!? おいっ、『バカ』は禁止用語じゃーーー」



ネモっち「二人きりだから大丈夫ーーー表示については、今はそういう仕様なんだよ。テーブルデュエル以外ではみんなそう」






クロっち「そ、そうなのか、へーー………」



ネモっち「………もし、カードについて詳しく知りたいなら、事前に勉強するか、説明してくれるサポートAIを買うか、相手が自分から言うのを待つしか無いよ」



クロっち「………ん? こっちから聞きに行っちゃ、いけねーのか?」



ネモっち「それはやっちゃいけないことになってる。まあ、状況にもよるけど、基本的にアウト扱いなんだよね」


ネモっち「だからデュエルの時は要注意だよ、クロっち?」



クロっち(マジかよ………ハイテクデュエルも案外不便なんだな)






ネモっち「他に質問が無いようなら、デュエルを進めるよ? 墓地の《エッジインプ・シザー》の効果発動!」

ネモっち「手札を1枚デッキトップに戻すことで、墓地から自身を特殊召喚する」


ネモっち「来て、《エッジインプ・シザー》!」



シザー『………』DEF800



クロっち(ネモの奴………あの有名なコンボを仕掛ける気だな)



ネモっち「そして、手札の《ファーニマル・ウィング》を捨てることで、場の《トイポット》の効果発動!」



ピューン………ガラガラガラガラ………



ネモっち「デッキからカードを1枚ドローし、そのカードが『ファーニマル』モンスターなら、手札からモンスターを特殊召喚! それ以外ならドローカードを墓地に送る!」


ネモっち「ドロー!」



ガラガラ………コロンッ



ネモっち「私がドローしたのは《ファーニマル・オウル》! よって、そのまま特殊召喚!」


ネモっち「来て、《ファーニマル・オウル》!」



ポンッ



オウル『ホーッ………』ATK1000






クロっち(ハイハイ、仕込みガチャ仕込みガチャ)



ネモっち「この瞬間、《ファーニマル・オウル》の効果発動! デッキから2枚目の《融合》を手札に加えるよ!」


ネモっち「墓地の《ファーニマル・ウィング》を除外して、その効果を発動! 墓地の《ファーニマル・ペンギン》を除外して1枚ドローする!」

ネモっち「さらに、場の《トイポット》を墓地に送ることで、もう1枚ドロー!」


ネモっち「墓地に送られた《トイポット》の効果発動! デッキから《ファーニマル・ラビット》を手札に加える」


ネモっち「3枚目の《妖刀竹光》を発動、《エッジインプ・シザー》に装備!」






ポトッ



シザー『………』ATK1200→1200



ネモっち「そして、3枚目の《黄金色の竹光》を発動! その効果で2枚ドロー!」



クロっち(………いま確か後攻1ターン目だよな? さっきから、ずっとネモのターンなわけだが)

クロっち(………ネモのやつ、二人っきりでもソロプレイなの? 焦らしプレイなの?)



ネモっち「2枚目の《融合》を発動!」

ネモっち「手札の《ファーニマル・ラビット》と場の《エッジインプ・シザー》を融合!」


ネモっち「融合召喚! もう一度お願い! 《デストーイ・シザー・タイガー》!」






タイガー『ガオオッ!』ATK1900→2500



クロっち「………いやいや、ちょっと待て! 何で、またエクストラから融合召喚してんだよ!? エクストラモンスターゾーンはもう埋まってるはずだろ!?」



ネモっち「あー、うん。実は、リンクモンスターにはリンクマーカーっていう矢印マークがあってね。それが関係してるんだ」



クロっち「………どういうことだ?」



ネモっち「リンクマーカーっていう、矢印マークの方向にあるモンスターゾーンは、特別にエクストラデッキからモンスターを召喚可能になるんだ」



クロっち「………マジで!?」



ネモっち「マジだよ大マジ。ああ、リンクマーカーがどこ方向に向いているかは、そっちのディスクの表示で確認してね。あれはイラストの一部扱いだからモザイクかかってないし」



クロっち「お、おう………」ピッ






クロっち(本当にあった………気づかんかったわ)



ネモっち「ちなみにリンクマーカーは、そのリンクモンスターのリンクの数値と同じ数あるからね」

ネモっち「《パーペチュアル・キング・デーモン》はリンク2だから、リンクマーカーも二つってわけ」



クロっち「なるほどな………リンクの数値が高ければ高いほど、リンクマーカーが増えて、エクストラからモンスターを出しやすくなるってわけか」



ネモっち「んーー、そこはリンクマーカーの向き次第だし、一概にそうとは言いきれないかな?」






クロっち(ああ? そりゃどういうーーー)



ネモっち「とりあえず融合召喚成功時、墓地のドッグを対象に《ファーニマル・ラビット》の効果をチェーン1、伏せカード2枚を対象にタイガーの効果をチェーン2、最後に《妖刀竹光》の効果をチェーン3で発動!」


ネモっち「逆順処理だよ! チェーン3の《妖刀竹光》の効果、デッキから《折れ竹光》を手札に加えるよ!」

ネモっち「次にチェーン2のタイガーとチェーン1の《ファーニマル・ラビット》の効果!」

ネモっち「クロっちの伏せカード2枚を破壊し、墓地のドッグを手札に加える!」



タイガー『ガオオ!』ジャキーンッ



ザクザクッ………バリーンッバリーンッ!!



クロっち「………だが、この瞬間、フィールドから墓地に送られた《運命の発掘》と《おジャマジック》の効果発動!」



ネモっち「!」



クロっち「逆順処理だ! それぞれの効果によって、デッキから、おジャマ三兄弟を手札に加え、1枚ドrーーー」



ネモっち「待って、だったら、《おジャマジック》にチェーンして速攻魔法、《相乗り》を発動!」






クロっち「!?」



ネモっち「逆順処理だよ! 《相乗り》の効果! このターン、相手がドロー以外でデッキか墓地からカードを手札に加えるたびに、私はカードを1枚ドローする!」



クロっち「………《おジャマジック》の効果、デッキから《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》《おジャマ・ブラック》の三兄弟を手札に加える」



ネモっち「この瞬間、相手がドロー以外でカードを手札に加えたことにより、《相乗り》の効果が適用され、1枚ドローする!」



クロっち「………最後に《運命の発掘》の効果! 相手によって破壊されたことで、墓地の《運命の発掘》の枚数分、デッキからカードをドローする!」

クロっち「私の墓地の《運命の発掘》は1枚! したがって、1枚ドロー!」






クロっち(おっ、このカードはーーー)



ネモっち(………《おジャマジック》ってことは、クロのデッキは【おジャマ】と見て良さそうだね)

ネモっち(なんていうか、まあ、クロらしいデッキだなあ………)


ネモっち(………それはそうと、伏せカードのうち4枚は《光の護封霊剣》《ダメージ・ダイエット》《運命の発掘》《おジャマジック》か………)

ネモっち(………実質フリーチェーンの防御札と破壊がトリガーの手札回復カードの嵐。どおりで羽箒を恐れなかったわけだよ)


ネモっち(特に《光の護封霊剣》は、墓地にある時、自身を除外することでダイレクトアタックを封じる効果がある)

ネモっち(しかも、それはフリーチェーンで発動タイミングを選ばないーーー、クロとしては、羽箒で破壊された方が良かったかもね)チラッ






クロっち(ん? 何だネモのやつ、こっち見てきて)



ネモっち(………まっ、とりあえず、手札を補充しておこうかな)


ネモっち「魔法カード発動、《融合回収》!」

ネモっち「また、それにチェーンして、2枚目の《クリボーを呼ぶ笛》を発動、デッキから2体目の《クリボー》を特殊召喚する!」



クロっち「なら、それにチェーンして手札の《増殖するG》を捨てて、その効果発動!」



ネモっち「!?」



クロっち「逆順処理だ。まず《増殖するG》の効果が適用され、次に《クリボーを呼ぶ笛》の効果で《クリボー》が特殊召喚される!」





ポンッ



クリボー『クリクリ~』DEF200



クロっち「この瞬間、《増殖するG》の効果! このターン、相手が特殊召喚に成功するたびにカードを1枚ドローする!」



ネモっち「………最後のチェーン1で《融合回収》の効果が適用される。融合素材として墓地に送られたラビットと墓地の《融合》を手札に加えるよ」



クロっち(………へっへーい、どうだネモ! 私の意外なる運命力は!)



ネモっち(まさか、あの1ドローだけで《増殖するG》を引き当てるなんてね………これはちょっと予想外だったかな?)

ネモっち(まあ、このターン中に勝つルートがある以上、取るプレイングは変わらないけどね)


ネモっち「魔法カード、《打ち出の小槌》を発動!」

ネモっち「その効果で、手札3枚をデッキに戻し、3枚ドロー!」



ネモっち(………ふふっ、リンクモンスターの真価はここからだよ? クロ!)



今日はここまで

投下します




ネモっち「ーーー出てきて、手と手を合わせるサーキット! 召喚条件は同種族モンスター2体以上!」



クロっち「ーーーまたリンク召喚か!」



ネモっち「私は悪魔族の《パーペチュアル・キング・デーモン》と《クリボー》を右ゾーンのリンクマーカーに再セッティング!」


ネモっち「リンク召喚! リンク3、《サモン・ソーサレス》!」



ソーサレス『フフフ………』ATK2400



クロっち「………ち、ちょっと待て!? そいつリンク3ってことは、素材も3体必要なんじゃねーのか!? 何で素材2体で出してんだ!?」



ネモっち「リンク2以上のモンスターは、そのリンクの数値と同じ数のモンスターとして、リンク素材にすることもできるんだよ」


ネモっち「リンク2の《パーペチュアル・キング・デーモン》は2体分のリンク素材にできる」

ネモっち「だから、《パーペチュアル・キング・デーモン》ともう1体のモンスターで、リンク3のモンスターをリンク召喚できたんだよ」



クロっち「………あーー、思ったよりもルール多いんだな………あ、《増殖するG》の効果で1枚ドローな」






ネモっち「デュエルし続ければクロっちも慣れてくると思うよ? 《サモン・ソーサレス》の効果発動!」

ネモっち「手札のモンスター1体を、相手フィールド上に向いてあるリンクマーカーの先のモンスターゾーン、通称リンク先に守備表示で特殊召喚できる!」



クロっち「何!? リンクマーカーってのは、自分モンスターゾーンだけに向いてるのではないのか!?」



ネモっち「そんなこと一言も言ってないからねーー? リンクマーカーが相手モンスターゾーンに向いているモンスターも普通にいるから」



クロっち(マジかよ………つーか、相手にもエクストラ召喚場所与えるとか、基本デメリットじゃね、それ?)



ネモっち「その効果で、手札の《クリッター》をクロっちのフィールドに特殊召喚!」



クリッター『ケケケッ』DEF600



クロっち(《クリッター》………面倒なモンスター押しつけやがって)

クロっち「だが、私の場とはいえ、相手によって特殊召喚されたことに変わりはない! 《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」






ネモっち「構わないよーー、《サモン・ソーサレス》のさらなる効果発動!」

ネモっち「相手フィールド上のリンク先にいるモンスターと同じ種族のモンスターを、デッキから守備表示で別のリンク先に特殊召喚できる!」


ネモっち「リンク先には悪魔族の《クリッター》がいる!」

ネモっち「よって、デッキから悪魔族モンスター、2体目の《エッジインプ・シザー》を左下のリンク先に特殊召喚!」


ネモっち「来て、《エッジインプ・シザー》!」



ポンッ



シザー『………』DEF800



クロっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」



ネモっち「《融合》発動!」

ネモっち「手札の《ファーニマル・キャット》と場のオウルと《エッジインプ・シザー》を融合!」


ネモっち「融合召喚! 現れ出ちゃえ! すべてを噛み斬る獰猛なる野獣! 《デストーイ・シザー・ウルフ》!」






ウルフ『ガルルッ!』ATK2000→2600

タイガー『………』ATK2200→2500



クロっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」



ネモっち「この瞬間、融合素材として墓地に送られた《ファーニマル・キャット》の効果発動! 墓地の《融合》を手札に加えるよ!」


ネモっち「メインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行! そして、バトルフェイズ開始時に、速攻魔法、《風魔の矢》を発動!」



クロっち「? 何だ、そのカード?」



ネモっち「《風魔の矢》の効果! このバトルフェイズ中、お互いに魔法・罠カードの効果を発動できない!」



クロっち「何ィ!?」



シュバババッ!



ネモっち「これで《光の護封霊剣》とその伏せカードは封じたよ!」






クロっち「いや、まだだ! 《風魔の矢》にチェーンして罠カードーーー」



ネモっち「無駄だよ。《風魔の矢》の発動にチェーンすることはできない!」



ガキーンッ!



クロっち「なっ!?」



ネモっち「そのままバトル! まずは《サモン・ソーサレス》で《クリッター》に攻撃!」



ソーサレス『フフッ………フフフッ!』ATK2400



バチバチバチ………ドゴォッ!



クリッター『ケケケーッ!?』DEF600



ドガーンッ!






クロっち「ぐっ………!」



ネモっち「この瞬間、墓地に送られた《クリッター》の効果発動! 攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える」

ネモっち「私は攻撃力500の《増殖するG》を手札に加えるよ」


ネモっち「続いて、《デストーイ・シザー・タイガー》で伏せモンスターを攻撃!」



クロっち「伏せモンスターは《おジャマ・ブルー》だ! 」



ブルー『ヘロー♪』DEF1000

タイガー『ガオオッ!!』ATK2500



バキィッ!



ブルー『プギャーッ!?』



ドガーンッ!






クロっち「この瞬間、戦闘破壊された《おジャマ・ブルー》の効果発動! デッキから《おジャマ・デルタハリケーン!》2枚を手札に加える!」



ネモっち「この瞬間、《相乗り》の効果で1枚ドローするね 」

ネモっち「なお、《相乗り》のドローはチェーンブロックを作らない効果だから、《風魔の矢》関係なくドローできるよ」


ネモっち「最後に《デストーイ・シザー・ウルフ》でダイレクトアタック!」

ネモっち「そして、《デストーイ・シザー・ウルフ》の効果! このカードは融合素材にしたモンスターの数だけ攻撃ができる!」


ネモっち「融合素材にしたモンスターは3体! よって、3回のダイレクトアタックが可能!」



ウルフ『ガルルーッ!』



クロっち「なっ………!?」



ネモっち「シザーウルフ・トリプル・ファング!」






ウルフ『ガールルーッ、ラー!』ATK2600 ×3



ダダダダダッ………!



クロっち「だ、《ダメージ・ダイエット》の効果! ダメージを半減………うおおおおお!?」



ガブガブガブウッ!!



クロっち「~~~~っ、!?」ATK4000→2700→1400→100



ドテッ………



ネモっち「………甘噛みだから、痛くなかったでしょ? ふふっ………」



クロっち(そ、そういう問題じゃねえよ………食われるかと思ったわ………これが映像付きデュエルーーー)ムクリッ



申し訳ありません。>>84は無しで




ウルフ『ガールルーッ、ラー!』ATK2600 ×3



ダダダダダッ………!



クロっち「だ、《ダメージ・ダイエット》の効果! ダメージを半減………うおおおおお!?」



ガブガブガブウッ!!



クロっち「~~~~っ、!?」LP4000→2700→1400→100



ドテッ………



ネモっち「………甘噛みだから、痛くなかったでしょ? ふふっ………」



クロっち(そ、そういう問題じゃねえよ………食われるかと思ったわ………これが映像付きデュエルーーー)ムクリッ






クロっち(………だがまあ、何とか耐えきったな………よし、次のターンでどうにか逆転してーー)



ネモっち「バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行。カードを3枚セットしてーーー」


ネモっち「永続魔法、《エクトプラズマー》を発動!」



オオ~~ンッ………



クロっち「げっ!?」(あのカードは………!)



ネモっち「そして、エンドフェイズに移行し、《エクトプラズマー》の効果発動!」



ソーサレス『………!!』シュウウ~~ッ



ネモっち「《サモン・ソーサレス》をリリースし、その元々の攻撃力の半分、1200のダメージを相手に与える!」



ソーサレス(プラズム体)『………オオ~~ンッ!!』



ネモっち「《ダメージ・ダイエット》の効果で半減しても600ダメージ! どうする? クロっち!」






クロっち「っ、だったら、手札から《ハネワタ》を捨てて、その効果発動!」



ネモっち「!」



クロっち「このターン、私が受ける効果ダメージをゼロにする!」



ハネワタ『ハネーッ!』ピカーッ



キラキラキラキラ………………



ソーサレス(プラズム体)『………オオ~~………』



………シュウンッ






クロっち(………あっぶねー! 《ハネワタ》ドローしてなけりゃ完全に負けてたぞ私!)



ネモっち「………あちゃー、防がれちゃったかー」



クロっち(あちゃー、じゃねーよ! つーか、ネモのやつ、新ルール教えるためのデュエルでワンキルしかけるとか何考えてんだ?)



ネモっち(………負けたらもう一度、そう思ってたけど、まさか防いじゃうとはね。でも次はどうかな?)


ネモっち「私はこれでターンエンド」



今はここまで

>>84でLPの部分がATKになってました
なので、>>84は無かったことにして、>>86を正しい内容にします。申し訳ない




ネモっち「………ふふっ、ここからどう逆転する、クロっち?」



クロっち「これだけ手札があるんだ。普通に逆転してやるよ。私のターン、ドロー!」


クロっち「《おジャマ・レッド》を召喚!」



レッド『レレ~!』ATK0



クロっち「《おジャマ・レッド》のモンスター効果発動! 手札の『おジャマ』モンスターを4体まで特殊召喚できる!」

クロっち「私は、おジャマ三兄弟を特殊召喚する!」



ネモっち「なら、手札の《増殖するG》を捨てて、その効果を発動するね。このターン、クロっちが特殊召喚するたびに、私は1枚ドローする」



クロっち「っ、《おジャマ・レッド》の効果、出てこい、おジャマ三兄弟!」



イエロー&グリーン&ブラック『『『ドモー!!』』』ATK0 ×3



ネモっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」






クロっち「さらに、魔法カード発動、《おジャマ・デルタハリケーン!》」

クロっち「こいつは私の場におジャマ三兄弟がいる時のみ発動できる! その効果で相手の場のカードを全て破壊する!」



ゴオオオオオオオオーーーーーーーーーーー



クロっち「くらえ、必殺! おジャマ・デルタハリケーーー」



ネモっち「させないよ。手札の魔法カード《融合》を捨てることで、カウンター罠発動、《封魔の呪印》」



クロっち「………げげぇっ!? そいつは確か………!!」



ネモっち「その効果で《おジャマ・デルタハリケーン!》の発動を無効にして破壊するよ」



ゴオオオオーーーーーーーシュウウンッ………



ネモっち「そして、《封魔の呪印》のさらなる効果! このデュエル中、クロっちは《おジャマ・デルタハリケーン!》を発動することはできなくなる!」






イエロー&グリーン&ブラック『『『エエーッ!?』』』



クロっち(嘘だろ………手札のもう1枚の《おジャマ・デルタハリケーン!》が完全に腐りやがった………)

クロっち(………一応、発動を無効にされた場合を考えて2枚手札に加えたってのに、まさかの《封魔の呪印》とか………完全に存在忘れてたよ、チクショウめ!)


クロっち(………だが、まだだ、まだ終わっちゃいねえ!)


クロっち「フィールド上に存在する表側表示の『おジャマ』カード、《おジャマ・レッド》を墓地に送ることで、手札から《おジャマッチング》を発動!」



レッド『アレマーッ!?』ヒューン



ネモっち「なら、それにチェーンして2枚目の《相乗り》を発動!」






クロっち「………《おジャマッチング》の効果、デッキの中の《おジャマ・ブルー》と《アームド・ドラゴン LV3》を手札に加える」



ネモっち「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」



クロっち「だがその後、手札に加えたモンスターを召喚できる。私は《おジャマ・ブルー》を召喚する!」


クロっち「来い、《おジャマ・ブルー》!」



ブルー『ヘッヘロー♪』ATK0



クロっち「まだだ! 手札の《サンダー・ドラゴン》を捨てて、その効果を発動! デッキから《サンダー・ドラゴン》2体を手札に加える!」



ネモっち「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」






クロっち「さらに、魔法カード、《貪欲な壺》を発動!」

クロっち「その効果で、墓地の《おジャマ・レッド》《おジャマ・ブルー》《サンダー・ドラゴン》《ハネワタ》《増殖するG》の計5体のモンスターをデッキに戻して、2枚ドロー!」


クロっち「まだまだァ! 通常モンスター、《おジャマ・ブラック》を墓地に送ることで、魔法カード、《馬の骨の対価》を発動!」



ブラック『ホワーッ!?』ヒューン


イエロー&グリーン『『アンチャーン!?』』



クロっち「その効果で2枚ドロー!」


クロっち「………来た! まずは、フィールド魔法発動、《おジャマ・カントリー》!」



ネモっち「それはーーー」



クロっち「これで、フィールドはおジャマ達の楽園へと変わる!」






アハハ………

ムホホ………

ヌヒヒ………



ネモっち「………」



クロっち「そして、この瞬間、《おジャマ・カントリー》の効果適用!」

クロっち「場に『おジャマ』モンスターが存在する時、場のモンスター全ての元々の攻守が入れ替わる!」



イエロー『ヒャーッ!』ATK0→1000
グリーン『ヌオーッ!』ATK0→1000
ブルー『ヘッヘーイ!』ATK0→1000

タイガー『ガオッ?』ATK2500→1800
ウルフ『………?』ATK2600→2600



クロっち「さらに、2枚目の《おジャマジック》を捨てることで、《おジャマ・カントリー》の効果発動!」

クロっち「その効果で墓地の『おジャマ』モンスター、《おジャマ・ブラック》を特殊召喚する!」


クロっち「来い、《おジャマ・ブラック》! 」



ブラック『モッヒョー!』ATK0→1000


イエロー&グリーン『『ワーイ!』』






ネモっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」



クロっち「この瞬間、墓地に捨てられた《おジャマジック》の効果発動! デッキから、おジャマ三兄弟を手札に加える!」



ネモっち「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」



クロっち(よし、あとは、このカードを使えば大量にドローできる)つ《打ち出の小槌》

クロっち(問題は、そのドローでどんな手札になるかだな。それで全てが決まるーーー)


クロっち(……………………………………………)






クロっち(………ゲームでこんなに緊張してどうすんだ。さっさとやるか)


クロっち「私は魔法カード、《打ち出の小槌》を発動」

クロっち「その効果で、手札を7枚戻しーーー」


クロっち「7枚ドロー!」



今日はここまで

投下します




クロっち(………………………………よっし、この手札ならいける!)


クロっち「まずは、魔法カード、《融合》を発動! 場のおジャマ三兄弟を融合!」


クロっち「融合召喚! 出でよ、《おジャマ・キング》!」



キング『オジャッ!』ATK0→3000



ネモっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」



クロっち「だが、この瞬間、《おジャマ・キング》の効果適用! 相手のモンスターゾーンを使用禁止にする!」

クロっち「当然、私はもう一つのエクストラモンスターゾーンとーーー」






ネモっち「ちょっと待って。《おジャマ・キング》の効果じゃEXモンスターゾーンは封鎖できないよ」



クロっち「………えっ!? なんで!?」キョトン



ネモっち「EXモンスターゾーンは正確には、誰のモンスターゾーンでも無いんだよ」

ネモっち「だから、相手モンスターゾーンを封鎖する《おジャマ・キング》の効果じゃ、EXモンスターゾーンを封鎖できないんだよ」






クロっち「………はあ? エクストラモンスターゾーンは、お互いに一箇所しか使えないんだろ?」

クロっち「だったら、自分が一箇所使っちまえば、残りは相手のモンスターゾーンになるじゃねーか」



ネモっち「『基本的に』って言ったでしょ。このデュエルじゃ起こらないだろうけど、一人のプレイヤーが二つのEXモンスターゾーンを使う方法はあるんだよ」



クロっち「えっ、そうなん?」



ネモっち「そう、だから厳密には誰のモンスターゾーンでもない扱いなんだーーまあその辺りはまたの機会に説明してあげるから、ここは納得してくれると嬉しいかな」



クロっち(ええー、マジかよ。せっかく、《おジャマ・キング》の効果を活かせると思ったってのに………)

クロっち(ーーーでも、まあいいか。これから取る手順に、《おジャマ・キング》の効果は関係ないし)


クロっち「ーーーなら、ネモっちの残りモンスターゾーンを全て封鎖する!」



キング『オジャッオジャッ』ポンポンポンッ






クロっち「そして、魔法カード発動、《融合回収》」

クロっち「その効果で墓地から融合素材となった《おジャマ・ブラック》及び《融合》を手札に加える」



ネモっち「《相乗り》の効果、相手がデッキまたは墓地からカードを手札に加えるたびにドローする」

ネモっち「《融合回収》の融合素材及び《融合》を回収する処理は、それぞれ別個に行われる。だから2枚ドローするね」



クロっち「そうか、なら、もう1枚くれてやる! 私はドローし直した《サンダー・ドラゴン》を捨てて、その効果発動!」

クロっち「デッキから2体の《サンダー・ドラゴン》を手札に加える!」



ネモっち「《相乗り》の効果で1枚ドロー、手札こんなにプレゼントしてくれてありがとね、クロっち」



クロっち「言ってろ! 2枚目の《打ち出の小槌》を発動! 手札を5枚戻して5枚ドロー!」


クロっち「そして、手札の《シャッフル・リボーン》を捨てることで、魔法カード発動、《ブラック・コア》!」






ネモ「!」



クロっち「その効果で、場のモンスターを1体選択して除外する!」

クロっち「私は《デストーイ・シザー・タイガー》を選択して除外!」



ズオーンッ………



タイガー『ガオオオッ!?』



ビュウンッ………!



『ガオー!?』



ウルフ『ガルルー!?』ATK2600→2000






ネモっち「タイガーが………!」



クロっち「お次はこれだ! 魔法カード、《強制転移》!」



ネモっち「!」



クロっち「その効果で、お互いに自分の場のモンスターを1体選び、それらのモンスターのコントロールを入れ替える!」


クロっち「もちろん私は、《おジャマ・ブルー》を選ぶ!」



ネモっち「………クロっちってば、イジワルだねー。私はウルフしか選べないじゃん」



クロっち「その通り! そういうわけでネモ! お前のウルフは頂いていく!」



ウルフ『ガルルッ?』ズルズルズル

ブルー『アーレー………』ズルズルズル






ネモっち「ウルフ………元気でね?」



ウルフ『………ガル!』フリフリ


ブルー『………』ショボーン



クロっち「そして、メインフェイズを終了し、バトルフェイズにーー」



ネモっち「待って、メインフェイズ終了時に手札の《エフェクト・ヴェーラー》を捨てて、その効果を発動! 《おジャマ・キング》の効果を無効にする!」



ヴェーラー『………!』ピピーッ

キング『オジャ?』キョトン



クロっち(あ? 何考えてんだネモのやつ、いまの状況、無効にすんなら、ウルフ一択じゃーーー)



ネモっち「メインフェイズ終了時に私がプレイしたことによって、クロっちはメインフェイズを続けるか続けないか選ぶことができる。どうする、クロっち?」






クロっち(ーーーまあいい、やることをやるだけだ)


クロっち「普通にメインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行!」

クロっち「バトル! 《デストーイ・シザー・ウルフ》で《おジャマ・ブルー》を攻撃!」



ネモっち「罠カード発動、《マジカル・シルクハット》!」



クロっち「!」



ネモっち「デッキから魔法・罠を2枚選び、攻守0の通常モンスター扱いとして、自分のメインモンスターゾーンのモンスターと合わせてシャッフルし、裏側守備表示でセットする!



クロっち(………なるほど、これの発動のために《おジャマ・キング》の効果を無効にして、モンスターゾーンの封鎖を解いたってわけだ)



ネモっち「私はデッキの中の《ギャラクシー・サイクロン》と《ブレイクスルー・スキル》を選び、《おジャマ・ブルー》と合わせてシャッフル!」



サッサッサッ



ブルー『ヘア?』スポーン



シュルシュルシュル……….………!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





シルクハット『………』
シルクハット『………』
シルクハット『………』



ネモっち「そして、シルクハット(裏側守備表示)で正体を隠す!」

ネモっち「さあ、どのシルクハットに《おジャマ・ブルー》が潜んでいるか当てられるかな?」



クロっち「だったら全部攻撃するまでだ! 3回攻撃できる《デストーイ・シザー・ウルフ》で3体のシルクハットに攻撃!」



ウルフ『ガルルルルッ!』ATK2000



ガブガブガブウッ!!



『ギャーッ!?』



ドガーンッ!






ネモっち「あはは、クロっちってば、ミもフタもないことするねーー」



クロっち「やかましいわ! とにかく、これでシルクハットは全滅!」


クロっち「そして、この戦闘によって破壊された《おジャマ・ブルー》の効果発動!」

クロっち「デッキから《おジャマ改造》と2枚目の《おジャマ・カントリー》を手札に加える!」



ネモっち「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」






クロっち「続いて、《おジャマ・キング》でダイレクトアタック! おジャマ・フライングボディ・アタック!」



キング『オッジャアーーッ!』ATK3000



ババッ!



ネモっち「この瞬間、手札から《バトル・フェーダー》の効果発動!」



クロっち「!」



ネモっち「相手がダイレクトアタックしてきた場合、自身を特殊召喚する!」


ネモっち「来て、《バトル・フェーダー》!」



シュバッ!



フェーダー『………』DEF0



ネモっち「その後、バトルフェイズを終了する!」



ガキーンッ!



キング『オジャ!?』ドテッ






クロっち(………ちっ、あのままダイレクトアタックに成功していれば、今ごろ向こうのライフは1000………)

クロっち(そうなりゃ、《エクトプラズマー》を逆利用して、ウルフをリリースして1000の効果ダメージ与えて、勝てたってのに………)


クロっち(でも流石に仕方ねーか。このターン、あれだけドローしてるんだ。そりゃあ《バトル・フェーダー》も手札にーーー)

クロっち(ーーーいや、ネモの終始余裕そうな態度から見るに、最初から握っていたと見るべきか?)


クロっち(つーか、《バトル・フェーダー》が無くとも《マジカルシルクハット》で《光の護封霊剣》を落とせばーーー)


クロっち(………まあ、何にせよ、さっきと同じでやることは変わらん。あんま待たせてもアレだし、さっさとプレイ続けるか)






クロっち「メインフェイズ2に移行。さらに、墓地の魔法カード、《ギャラクシー・サイクロン》を除外し、その効果を発動」

クロっち「フィールド上に存在する表側表示の魔法・罠カードを1枚選択して破壊する」


クロっち「私は《エクトプラズマー》を選択して破壊する」



ピュウウ………バリーンッ!



ネモっち「………あちゃー、破壊されちゃった」



クロっち「そして、《おジャマ・キング》をリリースして速攻魔法、《神秘の中華なべ》を発動」



キング『オジャーッ!?』ヒューン



クロっち「その効果で、《おジャマ・キング》の攻撃力、つまり3000ポイントのライフを回復する」LP100→3100


クロっち「さらに、エクストラデッキの《ABCードラゴン・バスター》を見せ、墓地の《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》《おジャマ・ブルー》の3体を除外することで、魔法カード、《おジャマ改造》を発動!」


クロっち「さっき見せた《ABCードラゴン・バスター》に記されている融合素材モンスターを、さっき除外した『おジャマ』の数だけデッキから特殊召喚する!」

クロっち「私は《ABCードラゴン・バスター》の融合素材、《Aーアサルト・コア》《Bーバスター・ドレイク》《Cークラッシュ・ワイバーン》の3体をデッキから特殊召喚する!」


クロっち「出て来い、合体(マグネット)モンスター達!」






A・コア『………』DEF200
B・ドレイク『………』DEF1800
C・ワイバーン『………』DEF2000



ネモっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」



クロっち「さらに、墓地の魔法カード、《シャッフル・リボーン》を除外し、その効果を発動!」

クロっち「私の場のカード1枚、《おジャマ・カントリー》をデッキに戻すことで、1枚ドローする!」


クロっち「まだまだぁ! 墓地の魔法カード、《おジャマ改造》を除外し、除外された3体の『おジャマ』をデッキに戻すことで、その効果を発動!」

クロっち「デッキからカードを1枚ドローする!」


クロっち「そして、場に存在するA・B・Cの合体(マグネット)モンスター達を除外することで、エクストラデッキから《ABCードラコン・バスター》を特殊召喚する!」



A・コア『………』ビュウンッ
B・ドレイク『………』ゴオオッ
C・ワイバーン『………』ガキーンッ



クロっち「合体召喚! 来い、《ABCードラコン・バスター》!」





ガキッゴキッガギッ………ガッキーン!



ドラゴン・バスター『………………』ATK3000



ネモっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」



クロっち「3枚目の《おジャマジック》を捨てることで、《ABCードラコン・バスター》の効果発動! 相手の場のカードを1枚除外する!」

クロっち「私は《バトル・フェーダー》を除外!」



ドラゴン・バスター『………………』ピュウン

フェーダー『………?!?!』ドゴッ



ドガーンッ!



クロっち「そして、手札から墓地に捨てられた《おジャマジック》の効果発動! デッキからおジャマ三兄弟を手札に加える!」



ネモっち「《相乗り》の効果で1枚ドロー」






クロっち「そして、カードを3枚セットしーーー」

クロっち「フィールド魔法、《サモンブレーカー》を発動!」



ネモっち「!」



バチバチバチ………………



クロっち「場にこのカードが存在する限り、ターンプレイヤーがそのターンのメインフェイズ1で、3回目の召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、強制的にエンドフェイズへと移行する!」



ネモっち「…………………………」



クロっち「そして、エンドフェイズに入る!」

クロっち「このエンドフェイズ時に、《シャッフル・リボーン》のデメリット効果が適用される! 手札の《おジャマ・デルタハリケーン!》を除外! 」


クロっち「これでターンエンドだ!」



今はここまで




ネモっち「………私のターン、ドロー」


ネモっち「メインフェイズ、墓地の魔法カード、《ギャラクシー・サイクロン》と罠カード、《ブレイクスルー・スキル》を除外し、その効果を発動」

ネモっち「それぞれの効果で、相手の場の表側表示の魔法・罠カードを1枚破壊し、相手モンスター1体の効果を無効にする」

ネモっち「私はクロっちの場のフィールド魔法、《サモンブレーカー》を破壊し、《ABCードラコン・バスター》の効果を無効にする。何か発動する効果はある?」



クロっち「………何も無い。全て通す」



ピュウウ………………バリーンッ!

ミワワー………………………



ドラゴン・バスター『………』シュウウ~~



ネモっち(ふーん、《ドラコン・バスター》を分離しないかーーーやっぱり破壊から守る手段ーーー2枚目以降の《スキル・プリズナー》を伏せてると見て良さそうだね)


ネモっち(だったらーーー)






ネモっち「………墓地の《エッジインプ・シザー》の効果発動! 手札を1枚デッキトップに戻すことで、自身を特殊召喚する!」


ネモっち「来て、《エッジインプ・シザー》!」



シザー『………』DEF800



ネモっち「さらに、2体目の《クリッター》を通常召喚!」



クリッター『ケケケッ』ATK1000



ネモっち「出てきて、手と手を合わせるサーキット! 召喚条件は悪魔族モンスター2体!」

ネモっち「私は悪魔族の《エッジインプ・シザー》と同じく悪魔族の《クリッター》をもう一つのリンクマーカーにセッティング!」


ネモっち「リンク召喚! リンク2、《パーペチュアル・キング・デーモン》!」






パーペチュアル『グオオッ!』ATK2000



ネモっち「リンク召喚成功時、墓地に送られた《クリッター》の効果発動!」



クロっち「それにチェーンして、永続罠、《リビングデッドの呼び声》を発動!」



ネモっち「!」



クロっち「その効果で、墓地から《おジャマ・キング》を復活させる!」


クロっち「出でよ、《おジャマ・キング》!」



キング『オジャッ!』ATK0



クロっち「この瞬間、《おジャマ・キング》の効果適用! 《パーペチュアル・キング・デーモン》の後ろ3マスを封鎖する!」



キング『オジャオジャ』ポンポンポンッ



ネモっち「………墓地に送られた《クリッター》の効果、デッキから攻撃力1200の《ファーニマル・ベア》を手札に加える」



クロっち「だが、これでリンクマーカーは封鎖された! もう、お前は融合モンスターを出すことはできない!」






ネモっち(なるほどね。墓地に《ギャラクシー・サイクロン》があるのをわかっていながら、《サモンブレーカー》を発動したのはーーー)

ネモっち(ーーーそれを囮に《リビングデッドの呼び声》を守り、《おジャマ・キング》の破壊を防ぐためだったんだね)


ネモっち(そうして、《おジャマ・キング》を維持してリンクマーカーを封鎖………悪くない手だと思うよ)


ネモっち「でも二歩先を行かせて貰うね! 速攻魔法、《禁じられた聖杯》発動!」



クロっち「げっ!?」



ネモっち「その効果で《おジャマ・キング》の攻撃力を400アップさせ、効果を無効にする!」



ピシャッ



キング『オジャジャ?』ATK0→400



ネモっち「これで、再びリンクマーカーが使用可能に! そして、3枚目の《融合》を発動!」






ネモっち「手札の《ファーニマル・ベア》2体と《エッジインプ・シザー》を融合!」


ネモっち「融合召喚! 現れ出ちゃえ、3体目の《デストーイ・シザー・タイガー》!」



タイガー『ガオオッ!』ATK1900→2200



ネモっち「そして、融合召喚成功時、《ABCードラゴン・バスター》と真ん中の伏せカードを対象に、タイガーの効果発動!」

ネモっち「自身の融合素材にした数、つまり2枚のカードを対象に破壊する!」



クロっち「だったら、その効果にチェーンして、罠発動! 《蠱惑の落とし穴》!」



ネモっち「!」



クロっち「特殊召喚された《デストーイ・シザー・タイガー》の効果の発動を無効にして破壊する!」



ズルズル………ゴポッ



タイガー『ガオオッ?!』



ドガーンッ!



ネモっち「………」




今はここまで

遅くなったけど投下します




クロっち「これで、お前はタイガーを3枚全部使い切った! もう融合召喚することはできない!」



ネモっち「それはどうかな?」



クロっち「っ、そのセリフはーーー」



ネモっち「悪魔族モンスターが墓地に送られたことで、《パーペチュアル・キング・デーモン》のモンスター効果発動!」

ネモっち「墓地に送られた悪魔族モンスターのうち1体を対象に、サイコロを振る。そして、出た目の数値によって、適用する効果を決める!」



クロっち「………ここに来てギャンブルに走るつもりか?」



ネモっち「いや、そうでも無いよ? 1の目が出たら対象モンスターを手札に加えて、2から5の目が出たら対象モンスターをデッキに戻して、6の目が出たら対象モンスターを特殊召喚できるからねーー」



クロっち「………えっ、それって………」



ネモっち「うん。普通に6分の5の確率で、タイガーをエクストラに戻せるってことだよ」



クロっち「なっ…………!?」



ネモっち「そういうわけでダイスロール!」



コロコロコロコロ………






[1]



ネモっち「出た目は1! よって、タイガーをエクストラデッキに戻す!」



クロっち「くっ………」



ネモっち「さらに、魔法カード、《魔玩具融合》を発動!」

ネモっち「墓地に存在する融合素材モンスターを除外し、『デストーイ』融合モンスターを融合召喚する!」

ネモっち「私は墓地のベア2体と《エッジインプ・シザー》を除外して融合!」


ネモっち「融合召喚! 現れ出ちゃえ、4度目の《デストーイ・シザー・タイガー》!」






タイガー『ガオオッ!』ATK1900→2200



ネモっち「そして、融合召喚成功時、タイガーの効果発動! 3枚のカードを破壊する!」

ネモっち「私は《ABCードラゴン・バスター》と2枚の伏せカードを選択して破壊する!」



タイガー『ガオオ!』ジャキーンッ



クロっち「ならば、チェーンして、セットされた《スキル・プリズナー》を発動!」



ネモっち(やっぱりね)



クロっち「このターン、《ABCードラゴン・バスター》を対象に発動したモンスター効果は無効となる! よって、タイガーの効果は無効だ!」



ピカーッガキンッ!



タイガー『ガオッ!?』






ネモっち(………これでクロの残りの伏せカードは1枚だけ。そしてそれはクロの先攻1ターン目で伏せられたカード)


ネモっち(クロの言葉によれば、あれは通常罠。また、《封魔の矢》にチェーン発動しようとしたことから見て、フリーチェーンと見て間違いない)


ネモっち(しかも、クロは、攻撃力400の《おジャマ・キング》を攻撃表示で立たせているのに、戦闘ダメージを心配する素振りが全く無い)


ネモっち(もちろん、クロの場には《光の護封霊剣》が残っているから、それで防ぐことはできる)

ネモっち(だけど、また私が《封魔の矢》を使ってくる可能性があることを考えればーーそのくらいで守りを固めたつもりになっているとも思えない)

ネモっち(少なくとも、バトルフェイズに入る前から、守りを固めることのできるカードが無ければ、ああも安心はできないはず)






ネモっち(実は《封魔の矢》の影響を受けない、手札誘発系モンスターを持っていてーーーなんて可能性も無い)

ネモっち(なぜなら、クロの手札は、おジャマ三兄弟とカントリー………手札誘発が無いことは、もう割れているんだから)


ネモっち(しかも、クロは《ABCードラゴン・バスター》をわざわざ攻撃表示で合体召喚した………)

ネモっち(壁にするなら、戦闘ダメージを受けない守備表示で特殊召喚した方が良いのにーーー)


ネモっち(ここから推察するに、クロのあの伏せカードはーーー)



ネモっち(………試してみるかな)







ネモっち「………私はメインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行ーーー」



クロっち「待った! メインフェイズ終了時、罠発動《重力解除》!」



ネモっち「!」



クロっち「その効果で、お互いのモンスターの表示形式を入れ替える!」



グワンッ………



キング『オジャッ?』ATK0→DEF3000
ウルフ『ガルッ?』ATK2000→DEF2000
ドラゴン・バスター『………』ATK3000→DEF2800

タイガー『ガオッ?』ATK2200→DEF1200



クロっち「これで、お互いの場のモンスターは全て守備表示! 守りは万全ーーー」



ネモっち「それはどうかな?」



クロっち「なっ、またそのセリフーーー!」



ネモっち(読み通りだよ、クロ!)ニヤリ



クロっち「お前、何を狙ってーーー」


クロっち「!?」






パーペチュアル『………』ATK2000



クロっち「攻撃表示のまま………だと!?」



ネモっち「あはは、それはそうだよ。リンクモンスターに守備表示なんて概念は無いからね」



クロっち「………えっ? えっ?」キョトン



ネモっち「リンクモンスターには守備力が無いんだ。守備力0とかじゃなくて、本当に『無い』」

ネモっち「だから守備表示になるという概念自体が無い」



クロっち「………はあ!? マジかよ、それ?!」



ネモっち「マジなんだよねー、これが。だから、《重力解除》みたいな表示形式変更系カードはもちろんのこと、《おジャマ・カントリー》の攻守入れ替え効果もリンクモンスターに通用しないんだ」


ネモっち「エクシーズモンスターにレベル系カードが使用できないのと同じようなものだと思えば、わかりやすいんじゃないかな?」



クロっち「………ああー、そういうことか」



ネモっち「納得した?」






クロっち(………攻守の部分もテキスト欄の一部だからな。モザイクかかっててわかんなかったわ………)


クロっち(………それに、まあ、ちょっと驚きはしたが、《パーペチュアル・キング・デーモン》の攻撃力は2000だ)

クロっち(その程度の攻撃力のモンスターが1体だけ攻撃できたところで大した問題は無い)


クロっち(しかも、まだ《光の護封霊剣》による守りが残っているーーーというか、そもそも攻撃力2000じゃ、《おジャマ・キング》たちを突破できないしな)


クロっち(そうだ、落ち着け、大丈夫だ、うん)



ネモっち「クロっちーー? どうかした?」



クロっち「ーーーいや、もう大丈夫だ。問題ない、続けてくれ」



ネモっち「そう? なら私はメインフェイズを続行してーーー」


ネモっち「速攻魔法発動、《エネミー・コントローラー》!」



クロっち「!?」






ネモっち「このカードはコマンド入力することで、相手モンスターを操ることができる!」


ネモっち「上・左・下・右・A!」



ピコピコピコ………ポチポチッ



ネモっち「このコマンドにより、《おジャマ・キング》を攻撃表示に変更する!」



キング『オ、オジャッ?』DEF3000→ATK400



クロっち(ふん、ネモの奴、 《おジャマ・キング》の攻撃力がいま400なのをいいことに、狙い打ちして大ダメージを与える気か)


クロっち(だが、まだ大丈夫だ。私にはまだ《光の護封霊剣》がーーー)



ネモっち「さらに、もう一枚、《エネミー・コントローラー》!」



クロっち「なっ!?」






ネモっち「コマンド入力! モンスターをリリースし、左・右・A・B!」



タイガー『ガオ!』ヒューン



ピコピコ………ポチポチッ



ネモっち「このコマンドにより、ウルフのコントロールを得る!」


ネモっち「戻ってきて、ウルフ!」


ウルフ『ガルーッ♪』ピョオーンッ


ネモっち「よしよし、良い子にしてたー?」

ウルフ『ガルルンッ!』フンス






クロっち「ぐっ………!」



ネモっち「ーーーそして、タイガーがリリースされ墓地に送られたことで、《パーペチュアル・キング・デーモン》のモンスター効果発動!」



ネモっち「ダイスロール!」



コロコロコロコロ………



[2]



ネモっち「出た目は2! よって、再びエクストラデッキに戻る!」



クロっち(ま、まだだ………それでも、まだ防ぎきれーーー)



ネモっち「ウルフを攻撃表示に変更し、装備魔法、《団結の力》を発動!」






クロっち「あっーーー」



ネモっち「ウルフに装備! そして、攻撃力を私の場のモンスターの数×800ポイントアップする!」

ネモっち「私の場のモンスターは2体! よって、1600ポイントアップ!」


ネモっち「《パーペチュアル・キング・デーモン》! ウルフに手を貸してあげて!」



パーペチュアル『………………』つ

ウルフ『ガゥーウ! ガッルル!』つ



コツンッ



パーペチュアル『………………』

ウルフ『ガゥーウ!!』ATK2000→3600



クロっち「こ、攻撃力3600!?」



ネモっち「メインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行!」


ネモっち「バトル! 《デストーイ・シザー・ウルフ》で《おジャマ・キング》に攻撃!」



ウルフ『ガーールーーウッッ!!』ATK3600



ダッダッダッ………!



キング『………オジャジャッ!?』ATK400






ネモっち「2体の攻撃力の差は3200! クロっちのライフは3100!」

ネモっち「どうする、クロっち?」



クロっち「ーーーこ、攻撃宣言時、永続罠《光の護封霊剣》の効果発動!」

クロっち「ライフを1000ポイント支払うことで、相手モンスターの攻撃を無効にする!」LP3100→2100



ガキーンッ!



ウルフ『ガーールウッ?!』ズザザッ



ネモっち「だったら、もう2回攻撃だよ!」



ウルフ『ガーーーー』



クロっち「2回目と3回目の攻撃宣言時、《光の護封霊剣》の効果発動!」

クロっち「それぞれの攻撃宣言時、ライフを1000ポイントずつ支払うことで、無効にする!」LP2100→1100→100



ガキーンッガキーンッ!!






ウルフ『………ガーールッルッルッルッ!!』



ネモっち「これでライフは100! もう攻撃を防ぐことはできない!」



クロっち「ぐうっ!?」LP100



ネモっち「トドメだよ! 《パーペチュアル・キング・デーモン》で《おジャマ・キング》に攻撃!」


ネモっち「パーペチュアル・シュート!」



パーペチュアル『グオオ………ガアッ!』ATK2000



ゴゴゴオオッ!!



クロっち「う、うおおおおおおおおおおおお!??」LP100→0



ピィーッ!



winner:【ネモっち】!



今夜はここまで

投下します




ネモっち「………うん、私の勝ちだねーー、クロっち!」LP4000


クロっち(ま、負けた………しかも、ネモは無傷、これじゃ私の完敗ーーー)LP0


ネモっち「………でもまあ、クロっちのデュエル、普通に凄かったと思うよ?」スタスタ

クロっち「………ああっ? 何言ってんだ、勝ったのはお前じゃねーか。しかも無傷だし………」

ネモっち「………いや、だって、そのデッキって普通に無改造の初期デッキでしょ? エクシーズもしなかったし」






クロっち「あっ、いや、まあそうだけど………」

ネモっち「それに加えて、クロっちは再開したばかりのプレイヤー。それがあそこまで戦えることの方が凄いと思うよ?」

クロっち「えっ、そ、そうかなーーー」

ネモっち「うん、もっと自分に自信を持って良いと思う」


クロっち「………………お、おう」カアッ

ネモっち「………あれれー、どうしたの? ひょっとして照れてる?」


クロっち「なっ、べ、別に照れてなんかーーー」

ネモっち「実はそのアバター、照れると、おちょぼ口になるんだよねーー」


クロっち(えっ、ちょっ、マジで!?)ババッ

ネモっち「………なーんてね。そんなわけないじゃん」






クロっち「なっーーー」カアアッ

ネモっち「なのに自分で口塞いじゃうなんてーー照れてるクロっち、おっもしろーい!」ニヤニヤ


クロっち「~~~~っ、ネモ! お前、いい加減にーーー!!」

ネモっち「でも、自分に自信を持っても良いっていうのは本当だよ? それと、ここではネモっちだよーー」


クロっち「~~~~っ、………………はあっ、お前と話してるとホント疲れるわ………」

ネモっち「………………ふーん、じゃあ、疲れない相手って誰?」


クロっち「ああっ、そんなのーーー」

ネモっち「そんなのーー誰かな?」

クロっち「えっ、あっ、」

ネモっち「」ジーッ


クロっち(………えっ、いや、なんで、そんなガン見してくんの!? 怖いんだが)

ネモっち「………正直に言うまで、この目やめないよ?」ジーッ


クロっち「………………」タラリ






ーー リンクヴレインズ 『 ビル屋上 』 ーー



???(………くそっ、どこもかしこも追っ手ばっか………)

???(リンクヴレインズから抜け出そうにも、“網”が張られてるから、出た途端に捕まっちまうしな………)


???(………やっぱココに来た当初の目的通り、アレやるしかないか? だけど、どいつもこいつも適合率低過ぎんだよな………)


???(あんなんじゃ、せいぜいーーー)


???(ーーーそれでも、やんなきゃ多分ずっとこのまんま………ハノイが変わらず活動しているところを見るに、あいつらまだ動けねーみてーだしな………)


???(………どうすっかな、いやマジで)



???(………ん? あれはーーーーーー)






ネモっち(………田村さんかーー、そっかーー………………)


ネモっち「最初からそう言ってよねーー」

クロっち「お、おう………」(お前がガン見してくるから言いづらかったんだろ!!)

ネモっち「アハハー………」(まあ、その辺りは『まだ』しょうがないかな? うん、『まだ』ね………)

クロっち「………でもまあ、ありがとな」


ネモっち「!」


クロっち「今のルール教えてくれて………それに、このアバターも………その、悪く無かったし」






ネモっち「………………そう、なら良かったーー、何日もかけて作った甲斐あったかな?」

クロっち「えっ、お前そんなにかけて………」


ネモっち「………本当、大変だったんだからねー? クロっちがクロっち自身にも可愛く見れるように作るのって」

クロっち「………ああ? そりゃどういう意味だ?」

ネモっち「さあ、どういう意味かなーー、ああ、そういえばこのあと時間大丈夫?」

クロっち「あ? そんなこと聞いてどうすんだ?」


ネモっち「いや、ちょうどこれからブルーエンジェルとGO鬼塚っていうカリスマデュエリスト同士のデュエルが始まるんだよね」

クロっち「ん、そうなのか?」


ネモっち「うん、だからもし良かったら、一緒に見ない?」


ネモっち「下にモニターあるし、二人で、ね」






クロっち「ああ、そういうことか………」

ネモっち「で、どうするの?」


クロっち「別に予定も無いし、一緒にーーー」ピピピッ

クロっち「ん、なんだ、メールかーー?………あっ!?」

ネモっち「………どうしたの?」


クロっち「………悪い、いまウチの母親からメール来た」バッ






〔ごめん智子。今日は×時からお客さんが来ることになったから、暫くリビングが使えなくなるの。だから、早めに晩御飯にするね。今すぐゲームやめてリビングに来て〕


クロっち「だとさ………」

ネモっち「………あー、そっかー、それじゃ、しょうがないかーー、ごめんね。その辺気にかけるの忘れてた」


クロっち「あー、まあ、気にすんな」(割と楽しかったし………)






クロっち「それより、ネモ…っちは、晩飯いいのか?」

ネモっち「うん、私はもっと後で食べる予定かな」


クロっち(………まあ、それが普通だよな。はあ………)

ネモっち「………それじゃあ、私はしばらくリンクヴレインズにいるから、また後でねーーー」

クロっち「ああ、ちょっと待て」

ネモっち「ん、なに?」


クロっち「………いや、そのブルーなんとかと鬼なんとかって、ここじゃ多分有名な連中だろ?」






ネモっち「………うん、そうだけど? それがどうかした?」

クロっち「いや、有名な連中同士のデュエルなら録画ぐらいされてんじゃないかなって、私らは後でそれ見れば良いんじゃないか?」


ネモっち「………へえ、それいいね、クロっち」キラーン

クロっち「そ、そうか? 割と普通のこと言っただけなんだがーーー」

ネモっち「ははは、じゃあ、晩御飯終わったら連絡してね。忘れちゃヤダよ?」

クロっち「わかってる、わかってる」


ネモっち「そういうわけで、今からそのデュエル見てくるねーー」






クロっち「あ? なんでだよ、後で一緒にーーー」

ネモっち「うん、後で一緒に見るときネタバラシするから! 楽しみにしててね!」

クロっち「!? おい、ちょっと待て! まさか、それが目的でーーー」

ネモっち「あはは、ネタバラシの部分は嘘だから安心して! すーぐ引っかかっちゃって、クロっちってばもーー」


クロっち「!? ………はあ、いいから行って来いよ。グズグズしてると始まっちまうぞ?」

ネモっち「うん、既に内容のわかってるデュエルを見た時のクロっちの反応、今から楽しみにしてるねーー、それじゃーー」ピュン


クロっち「………はあ、本当にやりづらいな、あいつは………」






???(………計測終了。どっちも適合率5パーセント以下、平均よりやや下とか………無駄骨だったか)ハア

???(しゃーねー、また別のアバター見つけてーーー)



ファンファンファン!



???(やべっ、見つかる! くそっ、リンクワープ!)ピュン



サクッ



???(………ふう~、ちょうど死角にできる物(アバター)があって良かったーーってアレ?)


クロっち「………ん?」ピョン


???(んーっ、! んんーっ!)ピョンピョン


クロっち(………いまアホ毛が揺れて………?)






???(う、動けねえ!? ひょっとして、刺さった!?)ピョンピョン

クロっち(………風でも吹いてんのか? 電脳空間だってのにーーいや、それだけリアルってことか?)


???(おいおい、なんつー無駄に長いアホ毛だ! 規制しろよ、運営! あぶねーだろうが!)

クロっち「」ピョンピョン


???(………くそっ、さっきから何故かワープもできねえし………まさか刺さったことで、データが破損しやがったか!?)


クロっち「………まあいい、そろそろ帰るか」


???(えっ、帰るかって………まさか、ログアウトする気か!?)


クロっち「えーと、ログアウト画面は………」


???(ま、まずい………いまログアウトされたら俺も引きづられてーーー間違いなく“網”にかかる!)


???(そうなったらーーー)タラリ


クロっち「ああ、あった、これだ。ならさっさとログアウトすっか」ピピッ



ピュウンッ………………






???(ーーく、くそっ、こうなったら、一か八かーーー)

クロっち「………時間かかってんな。やっぱ人とデッキじゃデータの重さがーーー」

???(フュージョン!)ギュイーン

クロっち「………………!?!?」



???(?っ、!?)

クロっち(がっ、!?)



『『うわああああああああああああああああ!??!?』』



………………………ヒュンッ






ーー 現実世界 『 カフェ・ナギ 』 ーー



遊作「ーーーーっ、!?」

草薙「急げ、SOLテクノロジー社のスキャンがーーー」

遊作「………が………えた?」

草薙「ーーーどうした、遊作?」


遊作「AIが………消えた?」

草薙「………何だと!? どこでだ!?」






遊作「わからない………」

草薙「なっ、お前ならわかるんじゃなかったのか!?」

遊作「さっきの状態でわかるのは、繋げているネットワークに例のAIが潜んでいるか否かまでだ………具体的な位置までは特定できない」

遊作「そして、今のリンクヴレインズからは、例のAIの気配を全く感じない………」

草薙「………なんだそりゃ、何がどうなっているんだ」


遊作「いや、俺にも、まったく………!?」

草薙「!? このプログラムは、ハノイの騎士!?」






ーー リンクヴレインズ 『 広域エリア 』 ーー



ハノイA(暴れろ、《クラッキング・ドラゴン》!)



クラッキング『グラアアアッ!!』



ボオオオオオオオオオオオオオオッ!!



「きゃああーー!?」

「た、助けてくれーー!!」

「う、うわああーー!?」



ハノイA(………さあ、イグニスよ! 貴様も我らハノイに恐怖し、その鼓動を昂ぶらせよ!)

ハノイA(それが貴様の居所をつきとめるための、良き狼煙となる!)






ーー 現実世界 『 カフェ・ナギ 』 ーー



草薙「ハノイの攻撃が始まったぞ………!」

遊作「………!」ザッ

草薙「っ、待て遊作、どこに行く気だ!?」ガシッ

遊作「リンクヴレインズだ! あのハノイと戦う!」バッ


草薙「何だと!?」

遊作「探していたAIはもうリンクヴレインズにはいない! 俺たちは捕獲に失敗した!」

遊作「ならば当初の予定通り、ハノイのデータ収集に移るまでだ!」


草薙「無茶だ! セキュリティレベルの低下した今、奴らがお前のデュエルに応じるとは限らーーあっ!」






遊作「………!」タッタッタッ



バタンッガーッ

ガーッガチャッ



草薙「なっ、遊作! お前、まさか南京錠で………!?」ガタンガタンッ



遊作「デッキ、セット!」



草薙「やめろ、よすんだ! くそっ、電源をーーー」



イントゥ ザ ヴレインズ!



今はここまで




~~ ??? ~~



もこっち(う、うわあああああああああ!??!)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「3つ………3つ考えるんだ」



ザザッ………



「クリンクリンク~~!」



ザザザザッ………



「ちゃらんぽらんが………」



ザザーザッ………



「消え去れ、サイバース!」



ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



もこっち(あ、頭がわ、割れ、れれ、れーーーーーーーーー!!??)






ーー 現実世界 『 黒木宅 “ 黒木智子の部屋 ” 』 ーー



もこっち「………………はっ、!?」ガバッ


もこっち(ここは………私の部屋………っ、っ、まだ、頭がっ、………!?)ズキズキ


もこっち(………………くっ、なんだったんだ、さっきのは?)

もこっち(急に頭が痛くなって、わけわかんない映像流れて………装置の故障か?)ガチャッ


もこっち(………なんにせよ、ここは一度病院にーーー)トテトテ


???「………あー、くそっ、壊れるかと思った………」


もこっち「………えっ?」クルッ


ぴょこんっ






???「………だがまあ、特に問題はねーみたいだな。やっちまって正解だったか?」


もこっち「………!?!?」


???「まあ結局、想定通り、このザマだったわけだけどよ………」

???「でも、このディスクやPCん中見る限り、ぜってー、ハノイやSOLじゃねえし………ギリセフギリセフ」


もこっち「………っ、!? ………っ、!?」パクパク


???「………ん?」


もこっち「あっ、あ、ああ、う………あっ、………!?」パクパク


???(ああ、そういう………)

???(………ちょーっと、からかってやるか)ニヤリ






???「………なんだお前? こっちの方見てよ。なんか気になることでもあんのか?」ニヤニヤ


もこっち「わ、わ、たたたしし、あ、あば、ばばたたたた………!?」


???「あー、なんだって? そんな、どもってちゃわかんねえっつの。もっと、わかりやすく大声で言ってくれよ」ニヤーリ


もこっち「わ、私の、ア、アバターが………………」

もこっち「しゃべってる!??」






クロっち(?)「あー、やっぱそー反応するよな、フツー」ニヤニヤ


もこっち(しかも、アホ毛の先になんかついてるし………?)


クロっち(?)「」ピョンピョン


もこっち(あれは眼か………? いや、そんなことよりもーーー)

もこっち「お、お前、い、いった、いいいい………………!?!」


クロっち(?)「なんかのバグか? コンピュータウィルスか? ただのドッキリか? 知りたいのは、そんなとこか?」


もこっち「………っ、っ、!?」


クロっち(?)「でも残念! そんなチンケなもんじゃありませーん! 俺はもっとスゲー存在、超超高性能のAIなのだ!」エッヘン


もこっち「えっ、えええっ、AIだあ!?」


クロっち(?)「超超高性能、な。そこらのAIと一緒にしてもらっちゃあ、困るぜ?」チッチッ






もこっち(な、なんだよそりゃ!? 意味わかんねーよ!)

もこっち「うっ、ううう………」


クロっち(?)「あー、なんだ? 言いたいことあんなら、唸ってないでちゃんと言ってくれよ」ニヤニヤ


もこっち「………っ、………なっ、な、ななな………」


クロっち(?)「んー? なんだってー? キコエナーイ!」


もこっち「………なんなんっ、だよ、お前は?!?」






クロっち(?)「またお前って………あー、そーか、まだ名乗ってなかったか………うーん、そうさなあーーーーーー」ニヤニヤ


もこっち(そういうこと言ってんじゃ………! つーか、さっきからその顔でニヤつきやがって………!! 腹立つ………!!)


クロっち(?)「ーーーよし、決めた! 今はこう名乗るってやるぜ!」


もこっち「………!?」


クロっち(?)「俺は謎の生命体ーーー『アンノウン・イグニス』、略して『A・I』)


Ai「まあ、親しみを込めて、『Ai』とでも呼んでくれや」ニンマリ






もこっち「………………」


Ai(へっへーん、どうだ! このネーミングセンス! カッコよくてたまんねーだろ!)


もこっち「………アンノウンのスペルは、頭文字Uで、Aじゃねーぞ」


Ai「………えっ、」


もこっち「つーか、イグニスに『生命体』なんて意味ねーし………何なら調べてみるか?」


Ai「あっ、えっ、ちょっと待って、いま検索して………あっ」


もこっち「………………」


Ai「………………」


もこっち「………………」


Ai「………………マジだったわ、うん」


もこっち「お前バカだろ?」


Ai「ば、バカ!?? お、俺がバカだとお!?」


もこっち「いや、実際バカだろ」


Ai「うぉい! バカって言う奴がバカなんだぞ! それに、バカは禁止用語………って、うああああああ!?!」






(………正直、この時の私はわからないことだらけだったがーーー、ただ一つ、このAIについて確信できたことがある)

(それはーーーーーー)









もこっち(やっぱりコイツはバーーー)


黒木母「ちょっと! いつまでやってるの!? さっさと、下に来て、ご飯食べちゃいなさい!!!」


もこっち&Ai「「ゴ、ゴメンなさい………!!」」












(ーーー結論、このAI、ビビリである)

(オマエモナー)


今日はここまで

そしてこれで喪1が終了
次回は喪2からスタートです

投下します




喪2:モテないし、Aiを知る



ーー 夜中 『 草薙宅 “ 寝室 ” 』 ーー



遊作「すまない、草薙さん………家に泊めて貰って」

草薙「気にするな、お前と俺の仲だろ。それよりも身体の調子はどうだ?」

遊作「ああ、このくらい問題ーーっ!?」ズキッ

草薙「全然大丈夫じゃないみたいだな………まったく、ハノイと連戦なんてするからそうなるんだ」


遊作「………すまない」






草薙「………あの状況で飛び込めば、お前だってハノイと連戦になることくらいわかっていたはずだ」

草薙「ハノイは、セキュリティが回復するギリギリまで暴れまわるつもりだったらしいからな」

草薙「邪魔をされても、新しいハノイが派遣され、暴れるだけの話だ。そのハノイとも戦おうとすれば、連戦にもなる」

遊作「………………」


草薙「派遣されたハノイたちには、GO鬼塚とブルーエンジェル………あともう一人も対処してくれたが、ハノイという組織の規模を考えれば焼け石に水」

草薙「もちろん、遊作たちのおかげで、より多くのハノイを観測し、データを得ることができたのは確かだ」

草薙「………仮にデータが得られなかったとしても、遊作たちの近くにいることで、結果的に守られた人間もいた」

草薙「ならば、無意味であるはずがない。それは事実」


草薙「………だが結局、SOLがスキャンを停止させてセキュリティを回復させるまでの間、ハノイの派遣も破壊活動も止まることは無かった」

草薙「それで、遊作は最後までハノイと戦い続けることになった。それもまた事実なんだ」






遊作「………………」


草薙「何より、ハノイの攻撃は、奴らのプログラムによって衝撃が増幅し、現実の肉体にフィードバックする」

草薙「今回のように、デュエルを重ね、カードによる攻撃を受け続ければ………アバターは無事でも現実の肉体がもたない」

遊作「………………………」


草薙「遊作がその程度のダメージで済んだのは、それ以上を食らう前にセキュリティが回復し、ハノイが撤退したことが大きい」

草薙「だけど、そうじゃなかったら今頃どうなっていたことか………」






遊作「………………」


草薙「それだけじゃない。そもそも俺たちのデュエルプログラムは、ハノイのそれと違って不完全なんだ」

草薙「ハノイのデュエルプログラムは、それが機能している間、持ち主に攻撃が受け付けられることは基本的に無い」

草薙「例外は、同じプログラムを持った者同士のデュエルで発生する衝撃とフィードバックくらいだ」

草薙「だが、俺たちの不完全なプログラムでは、そうはいかない」


草薙「俺たちの不完全なプログラムでは、カードを媒介とした攻撃ならば、デュエル時以外でもその攻撃を受け付けてしまう」

草薙「そして、現実の肉体にフィードバックされてしまうんだ」

草薙「しかも、その攻撃には、『ルール』という枷が無いため、アバターが破壊される」

草薙「それに加えて、ハノイのプログラムでは、デュエルで倒した相手のセキュリティを機能停止させ、好き放題できるがーーー俺たちのプログラムでは、機能停止にまでは至らない」


草薙「もし、ハノイ全員が、デュエルやその結果を無視して、破壊行為を続けていれば、遊作のアバターは壊され、たやすく排除されていた………」

遊作「………………」






草薙「………とにかく、デュエルプログラムが完成するまでの間、ハノイとのデュエルは、以前のようにセキュリティレベルの安定した状態の時に絞って行うべきだ」

草薙「今回のようにセキュリティレベルの低下した状態では、ハノイはデュエル以外でもカードによる破壊行為ができてしまう」

草薙「その攻撃を受けていたら、一般の被害者同様、何のリターンも無く時間を無駄にする羽目になっていただろう………」

遊作「………………………」



草薙「………すまないな、遊作。病院にも送ってやらない癖に、こんなこと言って………」

草薙「いや、それ以前に俺が電源を落としていればーーー」

遊作「………草薙さん、俺にはあんたに言うべきことが3つある」






草薙「………?」


遊作「一つ、病院に送らないのは当然だ」

遊作「俺が今回受けたダメージは、一般の被害者よりも大きい。それほどのダメージを受けているとなれば、不審に思った医者が警察に通報するだろう」

遊作「そうなれば、俺たちの目的を果たすことが難しくなる」







草薙「いや、それはそうだが………」


遊作「二つ、俺たちのVRダイバーは、市販品よりも遥かにハイスピードで電脳空間へと繋がる。それより前に電源を落とすのは困難だ」

遊作「無論、繋がったまま電源を落とすわけにもいかなかった」

遊作「それは、リンクヴレインズ全体の安全装置がハノイのクラッキングで機能しなくなっていたことを考えれば、自殺行為に他ならない」

遊作「そんな状態で電源を落とし強制ログアウトを試みれば何が起こるかわからない」


遊作「ーーー最悪、植物状態になる可能性だってあった。ならば、どのみち電源を落とすなど、できるはずがない」


草薙「………………」





遊作「そして、三つ………このダメージは俺の完全な自業自得だ」

草薙「遊作、お前ーーー」


遊作「草薙さんの言う通り、敵が都合よく動いてくれることに期待して、無防備を晒すなど正気の沙汰じゃない」

遊作「だから、草薙さんが気に病むことなんて、何一つとしてーーー」

草薙「………なら、今回と同じようなことが次に起きたら、遊作はどうするんだ?」






遊作「………………」

草薙「………まあ、デュエルプログラムに関しては、また改良を試みてみる。今回の件でハノイのデータも増えたわけだからな」

草薙「だから、しばらく休んでろ、遊作」

遊作「っ、それはーーー」


草薙「今のお前は休むべきだ。そんな身体で無理したら、目的を果たすことすらできなくなる。違うか?」

遊作「………………っ、」


草薙「荻野先生には俺からも伝えておく。うまく誤魔化してやるから、しっかり休め」

遊作「………本当にすまない」

草薙「気にするなって言っただろ? それより欲しい物があったら言ってくれ。PCとデュエルディスク以外なら渡してやるからさ」

遊作「………………」






ーー 『 SOLテクノロジー本社 “ 特別室 ” 』 ーー




「財前、これはどういうことだ?」



晃「申し訳ありません! 全ては、私の責任です!」



「ふざけるなよ、財前!」

「大規模スキャンを行わせてやったにも関わらず、イグニスを捕獲できなかっただと?」

「貴様は居眠りでもしていたのか?」



晃「そのようなことは、決して!」



「つまり正常な状態にありながら、イグニスをハノイに横取りされたというわけか」

「こんな無能な男を部長職に就かせていたとはな………」

「………観ろ、これを!」






ブウンッ



『やあ、SOLテクノロジー社の諸君。我々は見ての通り、ハノイの騎士だ』

『此度のセキュリティレベルの低下には感謝してもしきれない。おかげでイグニスを手に入れることができた』

『ああ、これでイグニスからサイバース世界の在り処を聞き出すことができる』

『尋問が終了次第、我々はサイバース世界に侵攻し、全てを滅ぼす!』

『サイバース世界が滅んだその時こそ、イグニスに依存することの無い、かつての世界が再誕する!』

『そうして貴様らは、イグニスに依存し続けてきたことがいかに愚かな行いだったか、身をもって知ることになるだろう!』

『我々ハノイの忠告を今まで散々無視してきた罰だ! 恨むなら、自らの強欲を恨むことだな! 金の亡者ども!』



『『『『『『『はははははははははははははは!!!』』』』』』』






プツンッ



晃「………………………」



「これは、我が社に届いた、ハノイからのメッセージのコピーだ! まったくもって、ふざけている!」

「これを観た時の我々の気持ちが君にわかるか?」

「何か言い訳はあるか? 財前!」



晃「………イグニスを捕獲できなかったことに関しては、弁解のしようも御座いません。いかなる処分も受ける覚悟です」






「………………」



晃「ただーーー発言してもよろしいでしょうか?」



「………一応聞いてやろう。発言を許可する」



晃「はっ、ありがとうございます! それではーーーおそらく、ハノイはイグニスを捕獲できておりません」



「………何?」



晃「イグニスは、ハノイから逃げ延びたのだと思われます」



「………何を言っているのだ。だったらさっきの映像でハノイ共が言っていたことは何だ?」



晃「あの発言は嘘でしょう」



「なぜ、そうだと言い切れる?」



晃「はい、イグニスがハノイの手に渡っているのであれば、その声明を出すはずが無いからです」






「………どういうことだ」



晃「まず、本当にハノイが我が社よりも先にイグニスを捕獲した場合、その後の我が社が取れる行動は一つに絞られます」

晃「それは、ハノイがサイバース世界に再び侵攻した後に、こちらもサイバース世界に侵入し、そこのイグニスを懐柔して我が社で管理することです」



「………………」



晃「サイバース世界消失当時の我が社は、常識外のイグニスに配慮し、サイバース世界への深入りは行わず、表面を監視するに留めておりましたがーーー現在はそれが許される状況にありません」

晃「また、ハノイがサイバース世界に侵攻するためには、ネットワークの構造上、サイバース世界を観測可能な状態に戻し、人の出入りを可能にする必要があります」

晃「つまりその時、我が社がサイバース世界を観測し、侵入するチャンスがあるということになります」

晃「逆に言えば、そのチャンスを逃したが最後、ハノイは本当にサイバース世界を滅ぼしてしまうでしょう」


晃「以上のことから、ハノイがイグニスを捕獲した場合、我が社がサイバース世界に侵入してイグニスを管理する方針にシフトしない理由はありません」

晃「そのことはハノイも理解しているはずです」






晃「ならば、ハノイとしては、自分たちがイグニスを捕獲したことを我が社に伝える理由はありません」

晃「そんなことをすれば、我が社の方針が、『サイバース世界への侵入、イグニスの懐柔及び管理』に絞られ、それに我が社のリソースが集中し、ハノイにとって不都合な事態を実現される恐れがあるからです」


晃「しかし、なぜかハノイは、イグニスを捕獲したという声明を出しました」

晃「それはつまり、未だハノイはイグニスを捕獲できておらず、捜索を邪魔されたくはなかった」

晃「そのため、我が社の方針からイグニス捜索が除外されるよう、誘導するために声明を出したーーー」



晃「ーーーそれが真相であると、私は考えております」





「ーーーふむ、言われてみれば確かに、あの声明は不自然極まりない………」

「冷静に考えてーーー、財前の推論が事実である可能性は高いか………」

「無論、その推論は、『我々SOLテクノロジー社が、イグニスを捕獲できていない』『その事実をハノイが知っている』という2つの前提条件の元で成り立つものではありますがーーー」



「我々がイグニス捕獲に失敗したことなど、ハノイは気づいていることだろう」

「ああ、我々がイグニスを捕獲したのであれば、迷うことなく別ネットワークの“檻”に閉じ込める」

「そして、万が一にも奪われることの無いよう、そこのセキュリティを強固なものとするでしょう」



「当然、全利用者をログアウトさせた後は、リンクヴレインズのサーバーの電源を落とし、その分の電力をセキュリティに回すことになる」






「だが、我々はそれをしなかった」

「その通り。警察の調査が終わるまで、リンクヴレインズの電源を切ることは無かった。警察など、我々ならいくらでも圧力をかけられるにも関わらずだ」

「それは、我々SOLテクノロジー社が、イグニスを捕獲できていないと証明しているようなもの。ハノイに気づかれていない方が不自然と考えるべきでしょう」



晃「………………………………………………………」






「………だが、財前。我々が先ほどの声明を信じ続けていた場合、結局はイグニスの懐柔及び管理に我が社のリソースを集中させ、そのための時間まで与えてしまう結果を招いていたはずだ。それについては、どう考える?」



晃「………イグニスを先に捕獲した者は、誰よりも先にイグニスに関する情報を得ることができます」

晃「つまり、そうでない側に対し、常に先手を打つことが可能となるのです」

晃「そして、そのタイミングは自らの思いのままに決めることができるーーーそれだけのメリットを得られるのならば、準備時間を与える程度のデメリットは、ハノイとしても必要経費かと」






「なるほどな………理解も納得もできる話だ」

「だが、そうなると、イグニスはーーー」

「………既にリンクヴレインズから逃亡したと考えるのが妥当でしょう………」



「………一応、イグニスが外部のネットワークに脱出した場合は、展開した“網”で捕獲できる手筈だったがーーー」

「あの“網”は、長時間広範囲に展開できるような代物では無いからな………時間がくれば“網”を消さざるを得ない」

「あの“網”は、その維持のために消費する電力が桁外れです。長時間展開し続ければ、消費限界電力をオーバーしてしまいますから」



「だからこそ、早急に大規模スキャンを行わせたわけだがーーー」

「それも、ハノイのせいで完全に実行することはできなかった………」

「結局、9割スキャンした時点でサーバーに限界が近づき、オーバーヒート回避のため、終了せざるを得ませんでした………」



「その直後、イグニスがハノイから逃亡できるよう、我々で“網”を消した。もはやリンクヴレインズにイグニスはいないと見るべきだろう………」



晃「………………………………」






「………イグニスを見失ったことにより、また振り出しに戻ってしまった。これからどうするべきかーーー」



晃「………発言してもよろしいでしょうか?」



「………許可する。話したまえ」



晃「はっ、それではイグニス捜索の件についてですがーーーここは発想を転換し、サイバース世界を発見することにシフトしてはいかがでしょうか?」






「………財前、それは正気で言っているのか?」

「電脳ウイルスによる精神汚染を、疑わざるを得ない発言だな」

「サイバース世界の在り処は、イグニスが隠して以降、一向に不明のままだ。だからこそ、つきとめるために、こうしてイグニスを探し出しているのではないか」



晃「おっしゃる通りです。ですが、サイバース世界を発見する方法は逃走したイグニスを探し出すだけに限った話ではありません」



「何?」



晃「我々は現在、サイバース世界探知システムの改良を試みております」

晃「その作業が完了すれば、必ずやサイバース世界の在り処をつきとめることができるでしょう」






「………ああ、そういえばそんなものもあったな」

「サイバース世界は、イグニスの気分次第で別のネットワークにワープするからな………当時の我が社には欠かせないシステムだった」

「財前の言う通り、それの改良に成功した場合、隠されたサイバース世界の在り処をつきとめることも可能となるでしょう」



「そして、座標さえ特定できれば、サイバース世界を覆ったプログラムを解析し、解除することも検討できる………」

「そうして、出入り可能な状態に戻せば、侵入しイグニスの懐柔及び管理を行うことも夢ではない………」

「………しかし財前、探知システムの改良は、未だ滞っていると聞いていたが?」



晃「いえ、既に作業完了の目処は立っております」






「何!?」



晃「今回、プレイメーカーと名乗る謎のハッカーのデュエルを通し、サイバース族に関する更なるデータを観測することができました」

晃「それにより、サイバースに関するデータが増え、装置改良の更なる糸口となったのです」

晃「その後、我が社のスーパーコンピュータにシュミレーションを繰り返させた結果、先ほど作業完了の目処が立つに至りました」






「なんと! それを早く言わんか!」



晃「申し訳ありません! また、その資料については、早急に作成し、後ほど提出いたします」



「………まあいい、それで改良には、どのくらいかかるのだ?」



晃「現時点の計画では、最低3年はかかるかと」



「遅すぎる!」

「………3年も経過すれば、我が社のデータマテリアルは完全に底をついてしまう」

「その後の我が社の運命は火を見るよりも明らか………そんな状態でサイバース世界に侵入し、イグニスを管理する余裕などあるはずがない」



晃「お待ちください! 3年という時間は、あくまでも現時点での結論です!」

晃「1週間………いえ3日の猶予を頂きたい! その間に期間短縮の方法を………!」






「もういい、財前。貴様は下がれ」

「貴様のような無能な男に期待したこと自体が間違いだった」

「貴様は予定通り島流しだ………準備だけは前からさせてあったはずだ。先ほど言った資料とやらを早急にまとめ、次の役員会議の後、荷物を抱え本社から出て行け!」



晃「………大変申し訳ありませんでした。失礼いたします………」


タッタッタッ………


ガーッ………ガーッ………






「………まさか財前がこうも使えないとは………」

「………被害者が出たことで罪悪感に呑まれているのかもしれんな」

「ハノイの攻撃によって、アバターが破壊され脳と神経に軽度のダメージを負った者が多数、記憶データを奪われ廃人となった者が一名発生しました………無理も無いかと」



「前者は2~3日安静にしていれば完治するが、後者はそうもいかんからな………その事実は、財前には受け入れ難かったのかもしれん」

「偽善者め………我々の命令を受諾した時点で覚悟は決めていたはずだろうに」

「………ですが、もし、財前の要望通り、大規模スキャン準備中に全利用者のログアウトを実行していればーーー何かが違っていたかもしれません」






「何を言うか。ただでさえ、“網”の展開によって、サーバーに無視できない負荷がかかっていたのだぞ」

「それに加えて、短時間での全利用者ログアウトなど………実行したが最後、サーバーに負荷がかかり過ぎて、大規模スキャンどころでは無くなる」



「その通り、しかもイグニスを発見したのは学校及び仕事終わりの時間帯。その時点での利用者数を考慮すれば、負荷は相応のものになる」

「いや、それでも、厳密には大規模スキャン自体は可能だが………」



「今回のように、ハノイがサーバーに更なる負担をかけて来た場合、それにサーバーが耐えきれん」

「オーバーヒートを防ぐために、今回よりもはるかに早いタイミングでスキャンを止めざるを得ない」



「そうなれば、スキャンでイグニスを捕獲できる可能性が遠のく」

「それを考慮すれば、財前の要望を叶えることなど、できるはずがあるまい」






「………おっしゃる通りでした。妙な発言をして申し訳ありません」



「まあ、財前が不良品と化したことを惜しむ気持ちはわかるが………過ぎたことを気にしたところで仕方あるまい」

「………確かに、どんな理由があろうと、結果を出せない駒に用は無い。必要なのは、結果を出せる駒だ」



「それもおっしゃる通り………そして、そういう駒の目星は既につけております………『入れ、北村』」






ガーッ


北村「失礼します!」ザッザッ


ガーッ………


北村「役員の皆様! はじめまして、わたくし、新しくセキュリティ部長に就任予定の北村と申します! この度は、お呼び立て頂き、誠にありがとうござーーー」


「挨拶は後で良い」

「それよりもイグニスの捜索についてだ」

「北村、何か策はあるのか?」



北村「………はっ、それではおそれながらーーーここは今後の方針を、イグニスの捕獲からサイバース世界探知システムの改良に変更することを提案いたします」

北村「探知システムの改良に成功すれば、イグニスに頼ることなく、サイバース世界の在り処をつきとめることも可能かと」






「………それは財前が既に述べていたことだ」

「改良に3年はかかると聞いている………」

「そんな時間的余裕は無い。北村、貴様も財前と同じ目にあいたいのか?」



北村「と、とんでもございません! 私が提案する方法ならば、期間を大幅に短縮できます!」



「ほう………」

「興味深いな」

「それはどういう方法だ?」



北村「はい! 私が現在開発中のAIデュエリストーーーそれを量産体制に入れ、対ハノイ用のセキュリティプログラムとして売り出します!」

北村「そうして、資金を稼ぎ、それを探知システムの改良に当てるのです!」






「AIデュエリストーーーああ、報告にあった、あのプログラムのことか」

「だが、確かあれはデュエルシミュレーターとして売り出す予定だったはずではないのか?」

「その通りです。それ以前に、そもそもハノイがデュエルに応じるとは限りませんし、デュエルに勝ったところで引き下がるとも限りません。そうではないのか、北村?」



北村「確かに、今まで通りならば、そうでした………」

北村「………ですが先ほど、ハノイのデュエルプログラムのコピーに成功したとすれば、どうでしょうか?」






「何!? それは本当か!?」



北村「はい! 今回の事態で、ハノイのデータをより多く観測する機会に恵まれ、その結果、プログラムの半分をコピーすることが可能となりました!」



「半分………だと?」



北村「はい、ハノイのデュエルプログラムには、持ち主に対し、『攻め』と『守り』、両方の力を与える機能があります!」



「………………」



北村「『攻め』の力は、デュエルによる勝利を介することで、個人が有する、あらゆるセキュリティを機能停止状態にします!」

北村「また、カードで攻撃した場合、その衝撃を増幅し、セキュリティを一部無視して、現実の肉体にフィードバックさせる機能も付いております!」

北村「『守り』の力は、『攻め』の力以外の、個人に対する、全てのクラッキングを無効化します!」


北村「そのうち、『守り』の力のコピーに成功したのです!」






「………そんな不完全な代物でハノイに対処できるのか? 」



北村「おっしゃる通り、ハノイを撃退するには、『守り』の力だけでは不充分でしょう」

北村「『攻め』の力が無ければ、デュエルに勝ったところで、ハノイを完全に無力化することは不可能」

北村「ハノイを倒しても倒しても、いくらでもリベンジされてしまい、いつしか体力も兵力も尽きてしまうーーー」



北村「ーーー『人間』ならば、そうなるでしょう」






「………………なるほどな。そこでAIデュエリストの出番というわけか」



北村「はい! ご察しの通りでございます!」

北村「AIデュエリストは人間では無いため、体力が尽きることはありません!」


北村「無論、連戦となった際は、ダメージが蓄積され、壊れる可能性はあります」

北村「しかし、壊れたのならば、別のAIデュエリストを戦わせれば済む話! 我々が生産ラインを整えていれば、いくらでも補充が叶うでしょう!」


北村「そのAIデュエリストに、『守り』の力を与え、購入者を守らせるのです!」

北村「『守り』の力を与えられたAIデュエリストは、デュエル以外で排除できません! よって、ハノイが購入者に危害を加えたいのであれば、AIデュエリストとデュエルせざるを得ません!」

北村「また、ハノイが人間である以上、AIデュエリストの無尽蔵の体力と兵力に太刀打ちできず、結果として撃退されること間違い無し!」


北村「一部がハノイに負けたとしても、自己デリートプログラムを組み込んでおけば、ハノイに悪用される心配もありません!」

北村「また、普段はカードに閉じ込め、持ち主の危機に反応しAIデュエリストが解放されるようにしておけば、持ち運びも容易となります!」


北村「そして、AIデュエリストの活躍を、リンクヴレインズを通し世界に見せつけるのです!」

北村「そうすることで、AIデュエリストは対ハノイ用プログラムとして、必ずや世界に名声を轟かせることになるでしょう! 」

北村「その上で売り出せば、デュエルシミュレーターとして売り出す時の倍以上の利益を見込めるはずです!」






「………なるほど。そうして得られた資金を、探知システムに回し、完成を早めるというわけか………」

「ハノイを恐れる者は、世界にごまんといる………悪くないビジネスだ」

「だが、問題なのは、それでどの程度完成を早められるかだ。北村、お前はどの程度完成を早めることができる?」



北村「計画通りであれば、約1年で完成するかと!」



「1年か………もう一声欲しかったところだな」

「だが、3年かかるよりは良い」

「そうですね。1年ならば、データマテリアルも充分に残っているかと」






北村「それでは………!」



「良いだろう、お前の案を検討してやる」

「その案の詳細を資料としてまとめ、我々に提出しろ。それが我が社に益をもたらす内容であれば、採用してやる」

「せいぜい励むことだな、北村」



北村「ははーっ、ただちに!」



今はここまで

投下します




ーー 電脳空間 『 ハノイの騎士アジト “ 司令室 ” 』 ーー



スペクター「………以上がSOLテクノロジー社の動きになります。詳しくはその資料をご覧ください」


リボルバー「………一応確認しておくが、これらの情報も確かなものだな?」

スペクター「はい、今まで同様、SOLテクノロジー社の上層部に紛れ込ませたスパイからの情報です。間違いありません」

リボルバー「そうか………いつも苦労をかけるな、スペクター」

スペクター「全てはリボルバー様の為。それを思えば、イグニスの逃走先を突き止めることができなかった己を恥じるばかりです」


リボルバー「そう自分を責めるな。突き止められなかったのは私も同じ。それにあのイグニスはお前に対応したタイプではないのだ」

リボルバー「むしろ、お前ほどの男の力を借りておきながら、成果を上げられない程度の作戦しか立てられなかった、私の方に非がある」

スペクター「そんな、リボルバー様は間違ってなどーーー」

リボルバー「それに、今更そのようなことを言ったところで、イグニスが見つかるわけではない。ここは思考を切り替えるべきだろう」


スペクター「………おっしゃる通りでした。申し訳ありません」






スペクター「………なお、今回もまた、プレイメーカー………奴が現れ、我々の作戦を妨害しました」

リボルバー「………ああ、その通りだ。それがどうした」

スペクター「今回の一件で、奴のデュエルタクティクスが相当な領域に達していることを再確認しました」

スペクター「あれほどのハッカーデュエリストを放置すれば、我々の障害となる可能性は高いでしょう。よろしければ私が奴の始末をーーー」

リボルバー「放っておけ。今はイグニスの捜索が先決だ」


スペクター「………本当によろしいのですか? 奴はサイバース族を保有しております。イグニスと何らかの繋がりを持っている可能性がーーー」

リボルバー「その可能性は限りなく低い。仮にそうだったとしても、プレイメーカーを通じてイグニスをおびき出せるとは思えん」






スペクター「………」


リボルバー「理由は主に3つ」


リボルバー「一つ、プレイメーカー及びその協力者にイグニスの息が吹きかかっているのであれば、何度もハノイと接触などしない」

リボルバー「拘束され、イグニスに関する情報を奪われる可能性があることを考えれば、リスクが高すぎる」


リボルバー「二つ、無論イグニスが、ハノイのデータを収集するために、リスク覚悟で手駒となる人間をハノイに接触させている可能性はある」

リボルバー「だが、それならば、あれほどまでに強力なデュエリストを使う必要は無い。電脳ウイルスで洗脳された場合、脅威となるからな」






リボルバー「そして、三つ、今回の一件を通して、プレイメーカーとイグニスが主従関係を結んだ可能性もある」

リボルバー「だが、イグニスが主人となった場合は、一つ目で述べたように、機が来るまで我々と接触することは無いだろう」


リボルバー「プレイメーカーが主人となった場合は、今頃とうにイグニスを捕獲した声明を証拠付きで出しているはずだ」

リボルバー「それで我々ハノイの狙いをプレイメーカーのみに集中させるくらいはする。イグニスを人質に取られた場合、我々も奴の要求を無下にはできんからな」


リボルバー「プレイメーカー………奴はそれだけの知性と正義感を有していると私は見ている」


スペクター「………………」

リボルバー「その3つを考慮すれば、プレイメーカーとイグニスが繋がっている可能性はゼロに等しい」

リボルバー「仮に繋がっていたとしても、その場合、プレイメーカーが以前のように我々の前に姿を現わすことは無いだろう」

リボルバー「そんな者のためにリソースを割くのであれば、その分をイグニスの捜索にあてるべきだ。我々ハノイの目的を取り違えてはならない」


スペクター「………おっしゃる通り、重ね重ね申し訳ありません」






リボルバー「………これより、我々は第二プラン開始の準備に取り掛かる。頼りにしているぞ、スペクター」

スペクター「………はっ! 全身全霊をかけて努めさせていただきます!」



リボルバー(………そう、既に第二プランを開始する条件は整いつつある)

リボルバー(スパイからの情報によれば、SOLテクノロジー社のセキュリティ部長は、構成員たちに送らせたメッセージに込められたその意味を、当たり前のように看破したとあるがーーー)


リボルバー(ーーーーーーーーーそれで良い)

リボルバー(その男の言葉で、SOLテクノロジー社は、我々がイグニスを捕獲していないことに、ある程度の確信を持ったはずだ)

リボルバー(そうなれば奴らは、当然、サイバース世界探知システムの改良に躍起になる………)


リボルバー(しかも、奴らはようやくデュエルプログラムの一部コピーに成功した………)

リボルバー(………今回の一件も含め、今まで散々『デュエルを通して』『ハノイのデータを』『見せつけてやった』のだ。当然の結果だな)


リボルバー(これで奴らに、不自然なく、『守り』の力を与えることができた)


リボルバー(………SOLテクノロジー社は、与えられた力に酔い痴れ、より一層AIへの依存を深めるだろう)


リボルバー(ここまでの内容に加え、我々が準備を終えたその時こそ、第二プラン開始の条件は整い、実行に移すことが可能となる)

リボルバー(そして、その行き着く先はーーーーーー)



リボルバー(ーーーあまり好ましい手法では無い。だが、これ以外にイグニスをおびき出す方法が無い以上、やむを得ん………)






スペクター「………しかし、此度の一件を逆に利用し、次なる計画に活かすとは、流石はリボルバー様です」

リボルバー「………称賛を受けるようなことではない。第二プランは、あくまで第一プランが失敗した場合の保険に過ぎん」

リボルバー「今回、私が失敗した事実が消えることはない」


スペクター「………ご謙遜を」


リボルバー「………そして、準備に取り掛かる前に、3つ、構成員たちに向けて改めて通達することがある」


スペクター「それは、どのような?」

リボルバー「大したことではない。無論、第二プランとも関係はない」


リボルバー「ただ、単純にーーーーーー」






ーー 電脳空間 『 ハノイの騎士アジト “ 休憩所 ” 』 ーー



ハノイ「くそっ、俺が謹慎だと!?」


ハノイA「当たり前だろ」

ハノイB「そうそう、プレイメーカーに、あんな負け方したんだからよ」


ハノイ「お前たちだって負けたではないか!」


ハノイA「いや、俺たちは普通にデュエルして負けただけだし」

ハノイB「でもお前は違うだろ?」


ハノイ「ぐっ、」






ハノイA「手札事故起こして、モンスター1体に負けるって………そりゃあ謹慎くらうよ」

ハノイB「あの負け方は無いよな………本気で構築見直した方が良いんじゃないか?」


ハノイ「ぐぬう………!」


ハノイA「カエルとハトの実況動画見てみろ、コメント欄でのお前の評価散々だぞ?」

ハノイB「ハノイ(笑)とかつけられてやがるからな………頼むからこっちにまで飛び火してくれんなよ」


ハノイA「その通り、ようやくデュエルプログラムを『貰える』ところまで上り詰めたんだ………とばっちりはごめんだな」

ハノイB「そうそう、これからはハノイの名と貰ったプログラムに恥じない働きをしないとな………わかったか、 カッコ笑さんよ? 」


ハノイ「ぐぬぬう………!」






ピピピッ



ハノイ「ぬっ、これは………!」ピッ


ハノイA「おっ、上からの通達か」ピッ

ハノイB「どれどれ………なんだ、大した話じゃないな」ピッ


ハノイ「………………」


ハノイA「てゆーか、いつもやってることだろ?」

ハノイB「確かにな。まあ、ぶっちゃけ、これやって、その通りになるとは思わねーけど………命令である以上は従うまでだ」


ハノイA「だな………ああ、カッコ笑くんも忘れずやっとけよ? でないとクビになるぞ?」

ハノイB「そうそう、間抜けに加えて、命令にも従えないとなれば、クビ間違いなし。せいぜい気をつけることだな」


ハノイ「………っ、!」スタスタ



ピッ



…………………………………………………………………………。
















〔ハノイコード:【ーーーーーー】がログアウトしました〕






ーー 現実世界 『 アパート “ ハノイの部屋 ” 』 ーー



ガチャッ



ハノイ(素)「………………………」


ハノイ(………………………おのれ)


ハノイ(おのれ、おのれ、おのれ! プレイメーカー!)

ハノイ(よくも、俺の名誉と収入源を………!)


ハノイ(許さん………、許さん………、許さんぞ………!!)


ハノイ(いまに見ていろ………! 俺はこれからデッキを調整し、ドローの修行を積む!)

ハノイ(そして、いつか必ずやお前を倒し、名誉を取り戻す! 首を洗って待っていろ! プレイメーカー!)ガンッ



「ちょっと、うるさいよ!」ガンッ



ハノイ「あ、すいません、静かにします」ペコッ






ーー 深夜 『 財前宅 “ 玄関 ” 』 ーー



晃「………ただいま」ガチャッ

ロボ「オカエリナサイマセ、アキラ様」

葵「あっ、お兄さま、お帰りなさいーーー」



晃「葵、どうしてこんな時間に起きている?」

葵「えっ、あのっ、その」

晃「どうして起きていると聞いているんだ」

葵「………今日病院行って、何ともないってわかったので、その報告をと思ってーーー」



晃「その報告は病院から既に受けている。葵が改めて私に言う必要は無い」






葵「ご、ごめんなさーーー」

晃「………なぜ、リンクヴレインズに行った?」

葵「!」

晃「今日だけは絶対に行くなと言っていただろう? なぜ私の言葉を無視した?」

葵「それは、そのーーー」

晃「アイドルごっこがそんなに大事なのか?」


葵「………っ、」


晃「もうお前は高校3年生というのに………いや、それだけじゃない。なぜ、ハノイにデュエルを挑んだ?」






葵「………………」


晃「ログアウトできなかったのは仕方がない。ハノイのクラッキングの影響で、正規利用者は絶対にログアウトできない状態にあったからな」

晃「だが、それならばハノイから逃げる選択肢もあったはずだ。なぜ自らハノイと関わる道を選んだ?」


葵「………………!」


晃「ハノイにデュエルを挑んで負けた者がどうなるか………葵には教えておいたはずだ」

葵「そ、それは」


晃「その敗者は、見せしめとして記憶を奪われ廃人となる………そう、今回、葵よりも先にハノイにデュエルを挑んだ一般人のようにな」






葵「………っ、!」


晃「一歩間違えば、お前がそうなってたんだぞ、葵………!」

葵「わ、わたしはーーー」


晃「勝ち続けられるデュエリストなど、この世にはいない! 誰もが負けを経験する!」

晃「あの一般人はお前が辿っていたかもしれない未来でもあるんだ! それをわかっているのか!?」


葵「」ビクッ


晃「仮に勝ち続けられたとしても、ハノイの攻撃は、衝撃が増幅し現実の肉体にフィードバックする!」

晃「そんな相手と連戦などすれば、回数によってはタダじゃすまない!」


晃「今回なんともなかったのは、デュエルした回数が少なく、たまたま受けたダメージの数値が小さかったからだ!」

晃「だが、それ以上やっていたら、お前は学校に通うこともできなくなっていたかもしれないんだぞ!?」






葵「………っ、っ、」ビクビクッ


晃「一応言っておくが、GO鬼塚には持ち前の身体の丈夫さがある! だが、お前は違うだろう!?」

葵「お、おにいーーー」ブルブル

晃「お前はその掛け替えのない人生を、棒に振るところだったんだ! それが私たちにとって何を意味するかわかっているのか!?」

葵「………っ、………っ、」ビクビクッウルウル






晃「………………はあ、もういい! 続きはまた今度だ。今日はもう寝なさい」

葵「………」

晃「それと、とうとう千葉に引っ越しが決まったから、そのことは頭に入れておいてくれ」

葵「引っ越し………?」

晃「ああ、以前からその可能性だけは伝えて、準備はさせておいたはずだ」

葵「………」

晃「転校先も既に知っているだろう? 引っ越したらそこに通いなさい。いいな?」

葵「はい………わかりました。お兄さま」





晃「あとわかっているとは思うが、葵は今後アイドルごっこはできないからそのつもりでいなさい」

葵「っ、お兄さま、それはーーー」

晃「既に葵のアカウントは停止した」

葵「!??」


晃「自分で自分の身の責任も取れない学生が、ハノイとの交戦という危険行為を自ら行った………当然の処置だ」

葵「そんな!? お兄さーーー」

晃「意見は一切受け付けない。わかったら、すぐに寝なさい。いいな?」

葵「………………はい、わかりました………………お兄さま」


晃「よろしい、それでは私は準備でき次第寝る。おやすみ」スタスタ


葵「おやすみ………………なさい………………」



今日はここまで
次回はもこっち視点からスタート

投下します




ーー 1週間後 『 原幕高校 “ 教室 3-5 ” 』 朝のHR前 ーー



ガヤガヤワイワイ………



もこっち「………………」ポチポチ



【ハノイ被害者一名、未だに目を覚まさず。記憶データの奪取が原因か】

【ブルーエンジェル、失踪? 相次ぐコンサートの中止】

【偽プレイメーカー、また現る】



もこっち(あれから1週間経ったが、どこもかしこもリンクヴレインズのニュースで持ちきりか………まあ当然だな)


もこっち(だが、あのAIに関する情報は見当たらないときた………)

もこっち(まあ、他に知ってる奴がいるかもわからんし、書いたところで信じてくれるわけもねーしな………)






もこっち(………あのAI、1週間前のあの日から、私のパソコン占拠しやがった………)


もこっち(情報収集だが何だか知らないが………おかげで、こっちはスマホでしかネットできなくなっちまった。通信制限あるってのに………)

もこっち(それだけならまだしも、あのAIはネモから貰ったアバター乗っ取ったままだ。あんのクソAIが………!)


もこっち(しかも、抗議したら、私名義であちこちに悪戯メール送るとか言って脅してきやがった!)

もこっち(きーちゃんにあんな画像付きメール送ってみろ。速攻で親戚から連絡きて、家族会議まっしぐらじゃねえか!)


もこっち(………結局、私はあのAIから、アバターもパソコンも取り返すことができなかった)






もこっち(………だがあのAIは、おしゃべりなのか、たまに私に話を振ってきた)


もこっち(………自分が人類史上、はじめて自我を持ったAIの一つだということ)

もこっち(………ハノイがなぜか自分や仲間のAIを消そうとしていること、自分たちを守るために故郷を隠して逃げ続けていること)

もこっち(逃亡中、私のアバターにうっかり刺さったこと、私にログアウトされると“網”にかかって、金の亡者“SOL”に捕まりかねないこと、金儲けに利用されるのが嫌でとっさに私のアバターと合体して“網”からすり抜けたこと………)

もこっち(そんで、今はパソコンで情報収集しながら今後について考えていること………)


もこっち(………それらについて聞かされた)






もこっち(………最初はつまらんドッキリかと思ったが、ここまでして私一人騙したところでメリットが小さ過ぎる)


もこっち(それに、ドッキリなら1週間も私を放置しない。ドッキリ仕掛ける側だって、そこまで暇じゃないはずだ)

もこっち(もっと早くから私を振り回して、見世物にしようとするに決まってる。少なくとも、私ならそうする)


もこっち(だが、そうはなっていない。つまり、あのAIの言っていることは、ドッキリなんかじゃない、事実、ってことになるのか………?)


もこっち(………まあ、事実だとしても、私にやれることはない)

もこっち(向こうもそれをわかっているのか、私に何か特別に命令するようなことはなかった………)


もこっち(………ああも、ベラベラ自分のことを話したのも、私にバレたところで何ら脅威にもならないと判断したからだろうな………)

もこっち(それで私は………)チラッ


ネモ「………………」


もこっち(………ダメだな。無理やり別のこと考えようしても、やっぱーーー)

ゆり「………黒木さん」スッ






もこっち「ーーーん、どうした?」

ゆり(………根元さんのこと、気にしてる?)ボソッ


もこっち(………………まあ、普通は気になんだろ、あんなことがありゃ)ボソッ

ゆり「そう………」

加藤「………………」


真子(ゆり、黒木さん………)

吉田「………………ちっ」


岡田「陽菜………………」


ネモ「………………………」ボーッ






もこっち(ここ最近のネモは元気が無い。なんというか、どこか上の空な状態だ)

もこっち(理由はわかりきっている。あの日、ハノイに襲われたからだろう)


もこっち(………そう、私がリンクヴレインズから出て行った直後、ハノイが侵入して大暴れした………)

もこっち(その時の恐怖がまだ残って、ネモを縛り付けている………んだと思う)


もこっち(………私はあの時、何もできなかった………)

もこっち(あのAIの対処を考えたり、晩御飯に夢中で………ネモが、リンクヴレインズが今どうなっているかなんて、知ろうともしなかった)


もこっち(リンクヴレインズがハノイに襲撃されたことを知ったのは、晩御飯が終わって、パソコンの元に向かった後………)

もこっち(そして、その頃には全てが終わっていた………)






もこっち(………ネモとは急いで連絡を取って、無事を確認した)


もこっち(そう、ネモは幸運にもハノイからの攻撃を一切受けなかったらしい)

もこっち(その時、私の中には喜びが満ち溢れていた)

もこっち(ハノイの襲撃による試合中止もあって、一緒に録画を見る約束を守れなかったのは残念だったがーーーーーーそれでもネモが無事なことの喜びの方が大きかった)


もこっち(だけど、それで安心なんかしちゃいけなかった………それはネモがここ1週間ずっとこんな調子なのを見れば明らかだ)

もこっち(………デコと加藤さんは、毎日のようにネモをフォローしている)

もこっち(私たちもネモたちと一緒に学食行ったりして、いろいろ話したりしてみたが、あまり効果は無かった)


もこっち(いや………むしろ今のネモは私を避けているようにも見えた………何でだ?)

もこっち(………はあ、どうすりゃいいんだ………こんなん………)


ネモ「………………………」ボーッ






~~ 昨日 『 原幕高校 “ 空き教室 ” 』 放課後 ~~



ネモ「私はもう平気だから………そんなに気にしなくて大丈夫だよ、あーちゃん、加藤さん」

岡田「何言ってんだ、そんなボーッとしちゃってさ………それで平気だって? 嘘つくなよ………」

加藤「うん、無理は良くないと思う」


ネモ「………そう、かな?」

岡田「陽菜………やっぱり私、許せないよ」

ネモ「あーちゃん………」

岡田「あの日、何かが違えば、陽菜はこうして話すことすらできなくなってた………」ギュウッ

ネモ「………」

岡田「そうでなくても、ハノイが陽菜を怖がらせた事実は変わらないんだ」


岡田「それ思えば、ハノイを許せるはずなんてないよ!」






ネモ「………………」

加藤「茜………………」

岡田「許せないのはハノイだけじゃない! SOLもSOLだよ! 利用者がいる時に大規模スキャンなんてしてさ!」

岡田「黒木から聞いたぞ! 大規模スキャンってのをやったら、ハノイが暴れやすくなるって!」


岡田「黒木でも知っているなら、SOLは絶対わかってた! わかってた上で大規模スキャンしたんだ!」


岡田「会見じゃ、ハノイのせいでシステムが暴走してスキャンが止まらなかった、それでセキュリティ回復に時間がかかった、とか言い訳してるけどさ!」

岡田「全員退去させてからスキャンしていれば、何の問題も無かったはずだろ!」


岡田「そうしていれば、陽菜だって、ハノイなんかにーーー!」

加藤「茜、そこまで」






岡田「………あっ…!」バッ

ネモ「………………」フルフル

加藤「………声も大きかったし、気をつけてね?」


岡田「………うん、ごめん、陽菜………思い出させるようなこと言って、しかも大声出して………っ、」グッ

ネモ「………あーちゃんが謝ることなんて無いよ。さっきのは、私を想って言ってくれたんでしょ? だったら気にしないでーーー」

岡田「そういうわけにはいかないよ。私は陽菜を怖がらせるようなこと、大声で言ったんだ。だったら謝らないと………本当に、ごめん………っ、」

加藤「私からも謝らせて、根元さん。何もできなくて、本当に、ごめんなさい………」


ネモ(………あー…ちゃん………加藤さん………)キュウッ






ーー 現在 『 原幕高校 “ 教室 3-5 ” 』 朝のHR前 ーー



ネモ(………違う、違うんだよ、あーちゃん、加藤さん………)

ネモ(私が今こうなのは、ハノイに襲われたからじゃないんだ………)キュウッ


ネモ(いや、確かにあの時は怖かったよ? だけど………)

ネモ(………だけど、あの時、それ以上に気になることができたんだ)



ネモ(それはーーーーーー)






荻野「みんな! 今日もおはよう!」ガラッ



あっ、おはよーー!



ネモ「………………」

もこっち(………どうにかなんねーかな、この教師は)


荻野「前にも話したと思うけどーーー今日は転校生を紹介するわ!」



「うおーー、待ってました!」

「どんな人だろー?」

「美人来い美人来い美人来い………!」

「せんせー、この変質者は転校させた方が良いんじゃない?」

「そりゃねえだろ!」



あははははは!






もこっち(………私たちやネモたち以外は、すっかりいつも通りのノリに戻ったな。まあ、1週間も経てば、そうもなるのかもしれねーが………)

ゆり「………………」



荻野「はいはい、みんなその辺りでストップストップ! 今は転校生を紹介する時間よ?」



はーい!



荻野「そういうわけだから、もう入ってきて大丈夫よ! みんな注目ーーー!」



葵「………………」スタスタ



おおおおお!






もこっち(………ふーん、割と美人じゃねーか。だがーーー)



荻野「転校生の財前葵さんよ! みんな、拍手の用意!」スッ

葵「………よろしく、お願いします」



よろしくー!



パチパチパチパチパチパチ



葵「………」ペコッ



もこっち(ーーー明らかな陰キャだな)パチパチ

ネモ「………………?」パチパチ






もこっち(おいおい、割と美人で陰キャって、あいつとキャラ被ってんじゃねえか)

ゆり「………………」


もこっち(でも、まあ、あいつと違ってーーー)



葵「」ペターン



もこっち(胸ねーな、コイツ………)

もこっち(やっぱ女は胸デカい方が………)チョコン

もこっち(いや、あの貧乳は美人だし、乳が貧しくてもステータスになりうるか? そうなると、やっぱ私じゃーーー)






荻野「………財前ーー!!」

葵「」ビクッ



もこっち(うおおっ、!?)ビクビクッ



荻野「ダメよ、もっと大きな声で言わないと! でなきゃ、財前の、みんなと仲良くなりたい気持ち、伝わんないわよ!」

葵「えっ、あーーー」


荻野「そういうわけで、もう一度! はい!」

葵「あっ、………よっ、よろしくーーお願いしますっ、………」



………よろしくー!



パチパチパチパチパチパチ………



荻野「うーん、もうちょっと大きな方が伝わりやすいかしら?」

葵「………………………」



ネモ「………………………」

もこっち(………マジで、どうにかなんねえかな、この教師………)






荻野「でも今はいいわ。今日は時間も押してるし、質問コーナーとかも後回しよ。まずは、藤木の隣に座ってちょうだい」

葵「藤木………?」

荻野「ああ、あの空いた二つの席の右側が藤木の席。財前はその隣よ」

葵「あ、はい………わかりました」

荻野「藤木は、ここしばらく休んでいるけど、明日には登校できるみたいだから、仲良くしてやってあげて!」

葵「え、あ、その………」

荻野「返事は?」

葵「ーーーはい………」


荻野「ありがと! ああ、島も後で藤木のこと財前に教えてあげて!」






島「………えっ、俺ですか?」キョトン



荻野「他に誰がいるの? 藤木と島は、同じ時期に転入してきた仲間でしょ?」



島「いや、まあ、そうですけどーーー」



荻野「それに島が藤木を気にかけてるの、先生は知ってるわ! 自信持って教えてあげて!」



島「は、はあ、わかりました」(少し話した程度で、そんなに詳しいわけじゃねーんだけどな………わかることだけ話しとくか)



荻野「ありがと! それじゃーー、財前は席に座ったら授業を受けてーーーそうしたらーーーーーー」

葵「………………」



もこっち(あーあ、この教師のクラスに入れられるとか………あの貧乳もツイてねーな)

ネモ(………あの子の声、どこかでーーーーーー気のせい、かな?)






ーー 放課後 『 通学路 』 ーー



もこっち(あれから、放課後ーーーいま私は、 胸のある方の陰キャ………こいつと一緒に下校している)スタスタ

ゆり「………………」スタスタ


もこっち(それにしても………あの貧乳は本当災難だったな………)

もこっち(一時限目終わってから、クラス中から質問攻めにされて………、そんで困っている貧乳に、加藤さんが助け舟を出して………)


もこっち(それから別クラスの奴がやってきて………あの貧乳の兄貴について話題にされまくったときた)






もこっち(あの貧乳………驚いたことに、兄貴がSOLの元セキュリティ部長だったらしい)

もこっち(そう、例の大規模スキャンを実行に移して左遷されたと言われている、あの部長が、だ)


もこっち(それで興味本位で近寄ってくる奴や騒ぎ立てる奴が出てきて………加藤さんでも全部対処しきれなくて………)

もこっち(デコとヤンキーとガチレズさんまで加藤さんに加勢する事態になった)


もこっち(そんで、どうにか事態が鎮静化したもののーーそれでも貧乳はどこか落ち込んだ状態のままだったらしい)

もこっち(どうにかしようと加藤さん達はアプローチをかけたみたいだがーーそれは、あの貧乳自身が拒絶した)


もこっち(さっき、自分たちを含むクラスの何人かと一緒に下校することも提案していたが、それも拒絶して、そそくさとどっかに行っちまった………)


もこっち(………その後はみんな、あの貧乳のことで、少し落ち込んだ)


もこっち(それから、デコと加藤さんは、今まで通り、ネモのフォローに戻って一緒に下校して………)

もこっち(ヤンキーは、ヤンキー仲間と下校して、ガチレズさんは途中まで私たちと一緒に下校した………)


もこっち(そんで私とこいつはこうして二人で下校しているわけだが………)チラッ

ゆり「………?」






ゆり(黒木さん、いま私の方をーーー)

もこっち(………なんかここ最近、立て続けに問題が起きている気がする………何がどうなってやがんだ………)ズーン


ゆり(………でもすぐ下の方を見て………やっぱり根元さんや今日のことーーー)


ゆり(………あっ、そろそろ駅にーーー)シュン

もこっち(………ああー、くっそ、こういう時はアレだ。くだらないサイトでも見てーーー)スッ






ピピピッ



もこっち(ん? メール? 誰からだーーーって!?)

ゆり「………黒木さん、もうすぐ駅だけどーーー」


もこっち「………っ、お、おう! また明日だな!」(やべえ! 早く帰らねえと!)

ゆり「………? うん、そうだね………」















うっちー「………………………………………」






ーー 『 黒木宅 “ 黒木智子の部屋 ” 』 ーー



もこっち「はあ、はあ………っ!!」ガチャッ


Ai「おせーぞ、クロっち。もうちょい早く来れねーのかよ」


もこっち「………うるさい………時間内には来ただろーが………!」


Ai「知らねーのか? こういう時は、余裕をもってだなーーー」


もこっち「だいたい、なんだよ? いきなり呼び出して………!」


Ai「用があるからに決まってんだろ。それはーーー」


もこっち「つーか、お前いったい、いつまでウチにいるつもりだ! こんな旧式のPCにいるより、もっと良い場所があるだろ?」

もこっち「さっさとそのアバターから離れて、どっか行けよ!」


Ai「だから、それはできねーんだって。前にも説明したが、今の俺じゃ分離はできねーんだよ」






Ai「それに、他の電脳空間に行こうにも、今の俺は、本来違うデータを無理やり繋ぎ合わせたせいで、データの形がいびつになってるんだ」

Ai「そのおかげで特定の電脳空間以外には移動できねー。仮に移動したら俺が壊れる」


もこっち(知るかよ、そんなの………! いいから返せよ、そのアバター! それはネモから貰ったーーー)ギリッ


Ai「そんで新情報! 今の俺が行ける電脳空間は、クロっちのアバターを覚えている場所………言い換えれば、クロっちのアバターが存在していたことのある電脳空間だけだ」


もこっち「………ちょっとまて、それってーーー」


Ai「お前のPCとディスクとリンクヴレインズの中だけだな………」


Ai「ああ、『ネモっち』って奴の端末には移動できないから安心しとけ」






もこっち「ーーーああ?」


Ai「どうも合体の際、クロっちの脳波の一部が、データとしてアバターに吸収されたみてーでな」

Ai「そのせいか、このアバターが脳波登録する以前に入った場所にまでは移動できねえ。面倒なこった」


もこっち(脳波が混じった………!? ひょっとして、あの時………!?)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「3つ………3つ考えるんだ」



ザザッ………



「クリンクリンク~~!」



ザザザザッ………



「ちゃらんぽらんが………」



ザザーザッ………



「消え去れ、サイバース!」



ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



もこっち(あの、頭がぶっ壊れそうな………わけわかんねー、映像が流れていたあのーーー)






Ai「ーーって、話が逸れてやがんな。こんなことを言うために呼んだんじゃねーや」ハアッ

Ai「とりま本題に戻すけどよ、クロっち、お前に頼みがある」


もこっち「………………頼みだと? お前が、私に?」


Ai「なあに、簡単な話だ。いっしょにリンクヴレインズに来てくれりゃあ、それで良い」


もこっち「はあ? 何でだよ?」


Ai「俺がハノイに狙われているのは知っているだろ?」


もこっち「………ああ、お前に聞かされたからな。それがどうした?」


Ai「第一段階、【デュエルに関する情報収集】がだいたい終わった」

Ai「だから次は、第二段階、【実戦での学習】を開始する時だ」





もこっち「………?」


Ai「俺は、『デュエルを通して』『成長するように』『造られている』」

Ai「つまり、デュエルの実力が上がるほど、AIとして、できることが増えていくってわけだ」


Ai「そんで、どんどん成長していけば、いつかはデュエルプログラムを作成できるし、それでハノイを潰せるようになるだろうぜ」






もこっち「デュエルで成長………? ハノイを潰す………?」


Ai「ああ、やっぱり俺としてはデュエルでハノイを潰したい」

Ai「つーか、そもそもハノイは今のところデュエルでしか無力化できないしな」

Ai「それを考えれば、実戦踏んで、デュエリストとして強くなるべきだろ」


もこっち「………どういうことだ」


Ai「どういうことも何も、ハノイは基本的に、デュエル以外じゃ突破できないプログラムで守られているんだよ」

Ai「もっとも、あのプログラムを貰ってる奴は、上から認められた少数だけみてーだがーーープログラムが必要な時は、その時限定だが必ず持たされている」


Ai「だからデュエリストとして強くなって進化して、俺もプログラムを作って、鍛え上げたそのデュエルで相手のプログラムを突破する。理論的だと思うけどな?」






もこっち「………いや、意味わかんないんだがーーー」


Ai「あー、もー、とにかく、デュエル以外じゃ突破できないプログラムがあるんだよ」

Ai「逆に自分からデュエルをふっかけて勝利することで、どんなセキュリティも突破できる」


Ai「そう、デュエルさえ強けりゃ、無敵と呼ぶにふさわしいプログラムなんだ」

Ai「俺もそれを作って、同じプログラムを持ったハノイをデュエルで潰す」


Ai「そのためには、デュエリストレベル上げて、AIとしてもデュエリストとしても成長する必要がある」

Ai「それだけの話だ」






もこっち「………いやいや、だから何でわざわざデュエルで突破できるようになんかするんだよ?」

もこっち「つーか、それ以前にデュエルで成長とかマジで意味わかんないんだがーーー」


Ai「個人用セキュリティやAIが進歩すると、自然とそうなるんだよ。これだから情弱は」ハアッー


もこっち「」イラッ






もこっち「………ああっ? アンノウンのスペルやイグニスの意味も勘違いしていた奴が何言ってやがんだ?」


Ai「そ、それはーーそのーー、たまたま忘れてただけでーーー」アセアセ


もこっち「それ以外にも、この前話した時、人間には学校に行く文化があることすら忘れていたよな? それも、たまたま忘れただけだってのか?」


Ai「そ、それはーーほ、ほら、アレだ! お前は人間社会でいうところの引きこもりっぽかったし、それが人間のスタンダードなのかなーって思っただけだ!」


もこっち「そんなわけねーだろ! 私は毎日学校に通ってるし、そもそも学生全員引きこもってたら今ごろ世界が滅びてるわ、バカAIが!」


Ai「バカ!? お前またバカって言ったな!」


もこっち「バカにバカって言って、何が悪いんだよ! このバカバカAIが!」


Ai「だ~から! バカって言った奴がバカなの!」プンプン






Ai「つーか、お前こそわかってんのか!? お前の人間関係は俺が握ってんだぞ! いいのか、悪戯メール拡散してもよお!?」


もこっち「なっ、お前ーーー!」


Ai「嫌だったら、大人しく言うこと聞いてろ、バカバカバーカ!」


もこっち(こ、この、クソバカAIが………!)






Ai「………とにかく、いっしょにリンクヴレインズに来いや。それで全部解決すんだよ」ハアッー


もこっち「~~~~っ、………何で私までついていく必要があんだよ。リンクヴレインズに行きたきゃ、お前一人で行けばいいだろ………!」


Ai「そういうわけにもいかねえんだよ。あそこに再び入り浸るにはお前の脳波が必要になる」


もこっち「脳波だ?」


Ai「ああ、リンクヴレインズには、入った際に各アバターから脳波を受信して、それが正常な状態にあるか確かめる機能がある」

Ai「健康に問題は無いか、登録時と同じ人間の脳波が使われているか、ってな」


Ai「そんな中で、ちゃんとした脳波の無いアバターが入ってみろ。すぐに異常を検知されて運営に追い回されるのがオチだ」


もこっち「………」






Ai「そーいうわけで、リンクヴレインズに来い。でなきゃ、バラまくぞ? ん?」


もこっち「………ちっ、わかったよ。行けばいーんだろ、行けば………」


Ai「おしっ、そうこなくっちゃな!」


もこっち「………だけど、以前お前が言っていた話によれば、ハノイにはお前を探知する手段があるんだろ? その辺の対策はできてんだろーな?」


Ai「おうっ、心配ないぜ! 今の俺は以前の俺と構造に違いがあるからな! ハノイにもSOLにも嗅ぎつけられる心配はねーよ!」


もこっち「………そうなのか? でもーーー」


Ai「しつけー奴だな。脳波のあるアバターで行動するんだから、疑われる心配はまずねーよ」


Ai「それに、さっきも言った通り、以前の俺とは構造に違いがあるから、対イグニス用の“網”にかかる心配もねえ。つーか、そうでなきゃ、ここに俺はいねーー」

Ai「しかも、SOLは1週間前の件でかなりバッシングされてるから、もう通告無しに大規模スキャンもやらねーだろうよ」


Ai「つまり、前みたいにハノイが襲撃して、ログアウト不可になることもねーってわけだ」


もこっち「………………」


Ai「わかったら、さっさとリンクヴレインズに行けっての。時間は有限なんだぞ?」






もこっち「………ちっ」スタスタ

もこっち「………はいよ、これで良いんだろ? さっさとやんな………!」ガチャッ



ヴォーンッ………!



Ai「よーし、それじゃあ、さっそくーーー」



イントゥ ザ ヴレインズ!



今はここまで




ーー リンクヴレインズ 『 公園エリア 』 ーー



クロっち(………………これで2回目か………)


クロっち(………この姿、無事に到着したみたいだな)クルクルッ

クロっち(………って、ちょっと待て。私がこの姿ってことは、あのAIはーーー)


クロっち(Ai)(当然! お前の中よ!)


クロっち(うおっ、何だこの声!? どこからーーー)

クロっち(Ai)(そりゃ、もちろん俺の心の声よ! へっへーん!)


クロっち(こ、心の声だあ!? てゆーか、私喋って無いよな!? これってつまりーーー)

クロっち(Ai)(そう、今の俺はお前のアバターを身体にしている! そこにお前の意識データが入れば、脳内会話ぐらい楽勝なんだよ!)






クロっち(マジかよ………)

クロっち(Ai)(言っとくが、できるのはこれだけじゃないぜーーーそい!)ヒュンッ


クロっち(ぬおっ、!?)ポンッ

クロっち(な、何だ? いま一瞬、身体の感覚が………)


クロっち(Ai)「………………」フリフリ

クロっち(えっ、)

クロっち(い、いま、身体が勝手にーーー)


クロっち(Ai)「あ~~~~、本日は晴天なり、本日は晴天なり♪」

クロっち(なっ、し、喋ってないのに、喋った!? これってまさかーーー)






クロっち(Ai)(そのとーり! このアバターは俺の思い通りに動かせまーす!)クネックネッ

クロっち(………ふ、ふざけんな! 今すぐ、そのふざけた動きをやめさせーーー)


クロっち(ーーってアレ? 何だ、身体が言うことを聞かーーーーーー)

クロっち(Ai)(そりゃ俺の思い通りに動かせるんだから、お前には動かせないようになってるにきまってるじゃん。そんくらい想像働かせろよなーー)クネックネックニョン

クロっち(な、何だと!?)

クロっち(Ai)(俺がアバターの主導権渡せば、お前が動かせるけど、そんなつもりないしーーー)


クロっち(Ai)(つーわけでリンクヴレインズでは俺の思い通りに動きます! そこんとこ、シクヨローー)グニョーン






クロっち(くっ、お、お前ーー!?)

クロっち(Ai)(少しくらい良いだろ? 現実世界に戻れば元に戻るしーー、それにお前は先週充分にリンクヴレインズ楽しんだみてーじゃねーか)

クロっち(Ai)(逃亡生活続けてた俺にも少しくらい自由を分けてくれよ)


クロっち(知らねーよ、そんなこと! お前いい加減にーーー)

クロっち(Ai)(さーて、それよりもデュエル相手をーーって、アラ?)


クロっち(おい! いいから、私のアバターをーーー)

クロっち(Ai)(人………いなくね?)


クロっち(ああっ!?)






ガラーン………



クロっち(Ai)(いや、ホント、マジで人いない)キョロキョロ

クロっち(………………ああ、確かにいないな。それがどうしたよ?)

クロっち(Ai)(いや、普段のリンクヴレインズの状態考えれば、この時間帯でこんな風に閑散してるなんてありえないんだがーーー)

クロっち(ああ? 1週間前にハノイの襲撃があったばかりだぞ? だったら入らなくなるのは当然だろ?)


クロっち(Ai)(いやいや、お前が帰ってくる前にネットで情報収集してたけど、今日も利用者数はそこそこ維持されていたはずだぞ?)


クロっち(Ai)(もちろん、1週間前よりは、かなり減ってはいるが、それでも利用者数はそこそこ維持されていたんだ)

クロっち(Ai)(その数を考えれば、学校や仕事終わりのこの時間帯に人がいねーはずがねー)






クロっち(マジかよ………ハマるにしたって限度があるだろ)

クロっち(Ai)(だが、そういう人間が少なくないのは確かだ)


クロっち(Ai)(そして、そういう人間だらけの世界で、この時間帯に人がいねーはずがない)

クロっち(Ai)(よしっ、ちょっと情報検索してーーー)ピピピッ


クロっち(Ai)(………ああ、なるほど、そういうことか)

クロっち(あ? なんだよ、どういうことなんだ?)


クロっち(Ai)(どうにも、いまプレイメーカーがGO鬼塚って奴とデュエルしているみてーだな)

クロっち(Ai)(そんで皆、そのデュエルの場か、それが見れるモニター前に集まってるらしいぜ)






クロっち(………プレイメーカー? また偽者じゃねーのか?)

クロっち(Ai)(いや、実況によれば、サイバース族………ああ、プレイメーカーが持っているカードのことな。それを使っているし、間違いなく本物だ)

クロっち(Ai)(………なるほどねーー、どおりでこの辺から人がいなくなるわけだ)


クロっち(………サイバースって、確かお前が前にいた場所の名前だよな? なんか関係があるのか?)

クロっち(Ai)(………さあねえ、俺はプレイメーカーがどうやってカードを収集してんのかまでは知らねーし、なんとも言えねえな)


クロっち(ふーん………まあ別になんでもいいけどな)






クロっち(つーか、プレイメーカーのデュエル見るためにこんなに人がいなくなってるのか………いまさらだが、すげー人気だな)

クロっち(Ai)(そりゃー、誰よりもハノイを倒しまくった男だからな! にしし、俺としても鼻が高いぜーー!)

クロっち(ああ? 何でお前の鼻が高くなるんだよ?)

クロっち(Ai)(えっ、あーー、いや何でもない。気にすんな)


クロっち(んだよそりゃ………? 意味わかんねーー………)

クロっち(Ai)(それはそうと、デュエル相手がいなきゃ話にならねえ。えーと、この場で最も近い位置にいるデュエリストはーーー)ピピピッ

クロっち(Ai)(ーーーおおっ、いたいた!)


クロっち(Ai)(………しかも、良い感じに孤立してやがるみたいだな。よーし、待ってろ!)タタタッ

クロっち(なっ、ちょ、勝手に走んなーーー)タタタッ






ーー リンクヴレインズ 『 コンサートエリア 』 ーー



クロっち(Ai)(おーし、ここだな、反応があるのは)

クロっち(………ここはーーって、あそこにいるのは………!)



ネモっち「………………」ボーッ



クロっち(ネモ!? 何でまたリンクヴレインズに………!?)

クロっち(Ai)(おー、あいつは確か、『ネモっち』って奴じゃねーか。確かお前の知り合いだったな)

クロっち(あ、ああ………)

クロっち(Ai)(そして、デュエルディスク装備しているところを見るに間違いなくデュエリスト、こいつは良い!)


クロっち(!? おい、まさかお前ーーー)

クロっち(Ai)(おうともよ! あいつとデュエルするぜ!)


クロっち(ま、待て! 今のネモはーーー!)






クロっち(Ai)「おーい、ネモっち!」タッタッタッ

ネモっち「!」

クロっち(っ、お前、また勝手にーーー!?)


ネモっち「クロ…っち………?」

クロっち(Ai)「こんなとこで会うなんて奇遇だな。さっそくだけど、お…私とデュエーーー」



ネモっち「………………あなた誰?」






クロっち(Ai)「!?」

クロっち(ネ、ネモ………?)


クロっち(Ai)「な、なに言ってんだ? お…私は正真正銘、クロっちーーー」

ネモっち「クロっちは今そういう話し方しないし、いきなりデュエルを挑んだりはーー少なくとも今の今では、絶対にしないよ」


クロっち(Ai)(………そ、そうなのか?)

クロっち(あー、いやまあ、そのつもりではいたけど………)


ネモっち「それに何? そのアホ毛についた目玉みたいな何かは? クロっちのアバターにはそんなものついてないはずだよ」

クロっち(Ai)(あっ、………………)タラリ


ネモっち「………もう一度聞くよ? あなた誰?」






クロっち(Ai)「あ、えー、あ、そのーーー 」ダラダラ


ネモっち「」ジーッ


クロっち(お、おい! お前どうするつもりーーー)

クロっち(Ai)(あ、後は任せた! 頼んだぞ、クロっち!)


クロっち(はあ!? ちょ、お前ーーー)

クロっち(Ai)(チェーンジ!)ヒュンッ


クロっち「!?」ポンッ






クロっち(オイこれ………! あ、アバター、私が動かせるようになってる………!?)ギュッ

クロっち(あ、あのAI………! 私に押し付けやがった………!)


ネモっち「」ジーッ


クロっち(ま、まずい………このままだと下手したら通報されて、絶対面倒なことになる!)

クロっち(何より今のネモに迷惑をかけることになるしーーーど、どうすれば?)






クロっち(お、落ち着けーー私!)

クロっち(いま必要なのは私が黒木智子であると証明すること。そのためには、私とネモだけが覚えているようなことを言えば良い!)


クロっち(だが、何があるーーーネモと私しか知り得ない何かーーーそれはいったいーーー)


ネモっち「………」スッ


クロっち「!?」


ネモっち「………」つ


クロっち(あ、あの手の構えは………多分、デュエルディスクで通報をーーー)タラリ

クロっち(な、何か無いか! なんでも良い! ネモと私しか知り得ない、何かをーーー)ダラダラ


クロっち(うおおおおおおおおおおおお!!!)






ネモっち(………いかにも通報する、って感じでディスク構えてみたけど………何もなさそうだね)つ

ネモっち(ならこのままログアウトしてクロ本人に確認をーーー)つ


クロっち「…え………、…っ…ね………」ボソッ


ネモっち(? いまなんてーーー)つ

クロっち「………うえーーい やったね」つ



コツンッ



ネモっち「!!?」つ






ネモっち「ーーーーーーーーーーーーーー」


クロっち(………………やっちまったあああああああああ!!)

クロっち(バカだ私………つーか、なんでこのネタをチョイスしたし………ネモに嫌いなアニメ言われたりとか他にも色々あったのに………)


クロっち(………いや、ホント、なんでこのネタだったんだ? さっきは何となくこのネタやらなきゃいけない気がしたんだが………あれはいったいーーー)


ネモっち「………ぷっ、ははは………」






クロっち「………えっ、?」キョトン

ネモっち「うん、クロ…っちだ。間違いないや」


クロっち「えっ、あっ、えっーーー」

ネモっち「うぇーい!」つ


クロっち「!?」つ



コツンッ







ネモっち「ふふふ………!」

クロっち(えっ、何でネモの奴、こんなに嬉しそうなの? 何かのツボに入ったのか?)


ネモっち「疑ってごめんーーていうかなに? そのこと、覚えていたの?」

クロっち「お、おう? そ、そりゃまあ、あの時のお前の眼凄かったし………」

ネモっち「………ひょっとして、伊藤さんと話してた時のこと言ってる?」

クロっち「あ、ああ、普通にそうだけど………」


ネモっち「………………………なーーんだ、そっかーー、ふーん………まあ別にいいけどーーーーーー」






クロっち(何か急に不機嫌になったな………生理か?)

ネモっち「………ていうか、クロっち、さっきはどうしたの? いつものノリと違ったけど?」


クロっち「………あー、いや、そのーーー」

クロっち「………ほら、アニメや漫画なんかで元気無い時はデュエルで解決するだろ? あんなノリで元気出たら良いなーー、って思ってさ。中学生っぽいノリに戻ってみたんだ」

ネモっち「………………………そっか、ここでも心配してくれてたんだ」


クロっち「………あー、まあ、そうだな。学校でも調子悪いままだったみたいだし」

クロっち「そのあと、何となくリンクヴレインズに来てたら、たまたまお前を見つけて、今に至るってわけだ」


ネモっち「………そのアバターは?」

クロっち「………あー、いや、何もかもネモにデザインして貰っちゃ悪いと思って………自分なりにアレンジしてみたら、こんな感じにーーー」


ネモっち「ふーーーーーーーーーーーーーーん」

クロっち「えっ、あっーーー」


ネモっち「センスないねーーーーーーーーーーーーーー!!」






Ai(目玉)「…………………………………………」


クロっち「………あー、そう思うか?」(同感だけどさ………)

ネモっち「………………でも、」


クロっち「? どうした、ネモっーーー」

ネモっち「………ありがとね、クロっち」


クロっち「!」


ネモっち「その、心配してくれて………」


クロっち「………お、おう」(良かった、誤魔化せた)

ネモっち「………ふふっ、 」






クロっち「………なあ、ネモ…っち」

ネモっち「………なあに、クロっち?」


クロっち「話は変わるんだが………………お前が元気無いのって、ひょっとして、ブルーエンジェルと何か関係があるのか?」


ネモっち「!」


クロっち「………いや、だって、今お前がいるのって確か、ブルーエンジェルのコンサート会場だろ?」(ネットニュースにあったところで間違いないよな、うん)

クロっち「それも、1週間前、その………あんなことがあったってのに………その上で、リンクヴレインズのそこに来ているんだ」


クロっち「しかも、今は誰もがプレイメーカーとGO鬼塚のデュエルに夢中なのに、一人だけブルーエンジェルのコンサート会場にいる」


クロっち「それって、つまり………そういうこと、だよな?」






ネモっち(………これは、誤魔化せそうにない、かな………)


クロっち「なあ、ネモっち、お前はーーー」

ネモっち「………そうだよ、クロっちの推理通りかな」


クロっち「!」


クロっち「じゃあ、やっぱりーーー」

ネモっち「………うん、実は私………………1週間前のあの日、助けられたんだ、ブルーエンジェルに」






クロっち「………えっ、そうだったのか?」

ネモっち「………うん、言ってなかったけど、実はそうだったんだ………」


ネモっち「あの人は、ハノイから逃げ回ることしかできなかった私の前に現れて………ずっと近くで、デュエルで私を守ってくれた」

ネモっち「しかも、ハノイの違法プログラムで、デュエル中の衝撃が危険域にまで増幅していたはずなのに………それでも変わらず守ってくれた」


ネモっち「だけど私、あの時は本当に怖くて………無我夢中で縮こまって………お礼を言うこともできなかった」






クロっち「………」


ネモっち「それから、ブルーエンジェルが気になるようになって、そのデュエル動画やライブ映像を見るようになって………あっという間にファンになっちゃった」


ネモっち「でも、1週間前のあの日から、ブルーエンジェルはリンクヴレインズから姿を消したみたいで………」

ネモっち「今日この時間も本当ならライブする予定だったみたいだけど、この通り来てないんだ」


ネモっち「………最後にあの人を見た時は、普通に元気そうだったし、より多くハノイと戦って大ダメージだったGO鬼塚も退院しているから、無事だとは思う………」

ネモっち「でもそれでも諦めきれなくて………こうしてここにいるんだ………」



ネモっち「お礼も………まだ言えてないままだし」






クロっち(………………お礼、言えないままか………)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



着ぐるみ(今江)「………………」ギュウッ

もこっち「いや? え?」



スッ………クルッ



着ぐるみ(今江)「………………」ペタペタスタスタ


もこっち「………なんなんだ?



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






クロっち(今江、先輩………………………)


ネモっち「………それでも、何かできることないかなって、頭の中そのことばかりでーーー」

クロっち「………だったら、もっと楽しくすりゃ良いんじゃねーの?」


ネモっち「………えっ、?」キョトン

クロっち「その人は身を呈して、お前を助けてくれたんだろ? それって、お前には不幸になって欲しく無かったってことだろ」

クロっち「だったら………今という時間を思うままに楽しめば良いだろ」

クロっち「………少なくとも、いつまでもウジウジして、周りに心配かけてる方がよっぽど、その人に失礼だと思うけどな」


ネモっち「………………!!」






クロっち(………なあに、知った風なクチ聞いてんだ、私は。人のこと言えた立場かっつーの………)

クロっち(それに、ネモにはネモの事情ってもんがあるだろうに、それを、こんないかにも知った風なーーー)


ネモっち「………ありがとう、クロっち」

クロっち「!」


ネモっち「クロっちの言う通りだよ。お礼伝えることばっかり考えて、それ以外のことをおざなりにするなんて、どうかしてた………」

クロっち「………………」


ネモっち(こんな当たり前のこと、言われるまで気づかなかったなんて………バカだなーー、私………………)






~~ 2年前 『 原幕高校 “試験会場” 』 ~~



もこっち(中3)「うえーーい やったね」

根元「えっ!?」

もこっち「拳合わせて、拳」つ

根元「あっ、はぁ………」つ



コツンッ



もこっち「うえーーい」

根元「………」ポカーン






ーー 現在 リンクヴレインズ 『 コンサートエリア 』 ーー



ネモっち(あれから、結構変わったつもりでいたけど………いつの間にか戻ってた、ははっ、)


ネモっち(………また、変わらなきゃ)グッ


ネモっち(………変わり続けることは大切なこと。だから、そうしようと思えるし、楽しくなれる)

ネモっち(その当たり前に、気づかせてくれたのは、いつもーーー)


クロっち(何だ? また黙って………やっぱりさっきの発言はマズかったのか………?)






クロっち「………あー、その、さっきは知った風なクチ聞いちまって、本当にーーー」


ネモっち「………叱ってくれて、本当にありがとう、クロっち」

クロっち「えっ!? ………あ、いや、別に、私が言えたようなことでも無かったし………」カァッ

ネモっち「………ふふ、そうかもね」

クロっち「うっ、………」(なんだよ、言って良かったのか悪かったのかハッキリしろよ………これだからネモは)


ネモっち「………だから、やっぱり私、もっと楽しみたいなーー」






クロっち「………えっ、?」

ネモっち「さっき、思うがままに楽しんた方が良いって言ったでしょ?」

クロっち「あ、ああ………」

ネモっち「私もそう思う。だから、そうしたい」


クロっち「………そうか、なら良かっーーー」

ネモっち「でもそれは私だけじゃなくて、クロっちと、みんなと、一緒になって楽しみたい」

クロっち「!」

ネモっち「その方がきっと面白いと思うから………そうでしょ?」ニコッ


クロっち「っ、ああ、そうだな………」



クロっち(敵わなねーな、ネモには………)






クロっち「………まあ、それはそれとして、ブルーエンジェルのこと、何でもっと早く言わなかったんだ?」

ネモっち「!」


クロっち「ぶっちゃけ、お前のグループにまで、言わなかった理由がよくわからん。言ってりゃ、もっと早く………」


ネモっち(………言えるわけないよ)チラッ


クロっち「………?」


ネモっち(それってクロに、私が他に気になってる人がいるって、バレるかもしれないってことでしょ?)

ネモっち(それが嫌で、すぐに言えなかった………)

ネモっち(………そういう理由で、すぐに話せなかったなんて、言えっこないよ………)






クロっち「………まあ別に、言いたくなきゃ、言わなくても良いとは思うけどな」

ネモっち(………えっ、?)キョトン


クロっち「いや、別に親しい関係なら、何もかも話さなきゃいけないなんて決まりは無いだろ?」

クロっち「誰だって、知られたくないことくらい、割とあるもんだろうし………私にだってあるからな………」






ネモっち「クロ…っち………」

クロっち(まあ私の場合、知られたくないことは、星の数あるがな。バカAIやクィーンのこともそうだが、それ以外も知られたくないことのデパートだよチクショーめ)


ネモっち「………………」

クロっち「………まあ、いろいろ詮索した私が言えたことじゃないかもしれねーが………さっきも無理やり話させるようなことしたし」


ネモっち「………ううん、クロっちは悪くないよ。誰だって知りたいことは知りたいと思うし、私だってそうだもん」

クロっち「ネモ…っち………」(うん、私もゆうちゃんの性事情は知りたいしな)






ネモっち(そうだよ、誰にだって放っておけないことがある………)

ネモっち(それはクロだって同じーーーーーー)


ネモっち「ーーーでも言えないことは、やっぱり言えないかな………」

クロっち「………ああ、言いたくなきゃ別にーーー」

ネモっち「だから………この際、言えることは全部言っちゃうね」

クロっち「言えること? それってーーー」


ネモっち「ゴメンね」

クロっち「!」


ネモっち「今まで心配かけちゃったよね。だから、ゴメンなさい」ペコッ

クロっち「………………」


ネモっち「………今言えることはここまで。ゴメンね、少なくて」






クロっち「………いや、十分だ。ありがとな」

ネモっち「………それはこっちのセリフ。ちゃんと言えてスッキリしたし、言うことで、これから向き合わなきゃいけないこともわかったからーーー」

クロっち「………そうか? ならーーー」

ネモっち「うん、みんなにもキチンと全部言わないとね………」


クロっち「………それが良いな。お前の友達はもちろん、私の友達だって、お前のこと心配してんだかんな」

ネモっち「うん、そうだね。まずはスマホで伝えられる人から、伝えてみるよ。後は教室で、またね」






クロっち「………頼んだぞ、ホント」

ネモっち「もちろん、ちゃんと伝えて………って、あっ………!」ピーッピーッ

クロっち「ん、どうかしたか?」

ネモっち「………ごめん、親にリンクヴレインズやってることがバレちゃったみたい。今すぐログアウトしないと」


クロっち「!」

クロっち(………ああ、そうか。ハノイの襲撃に巻き込まれたんだもんな。だったら普通禁止にするよな、家族だったら)


クロっち(なら、仕方ないかーーー)






クロっち「………じゃあ、今度は現実世界で、だな」

ネモっち「うん、クロっちもしばらくリンクヴレインズはやめた方が良いよ? 危ないし」ピピッ



ピュウンッ………………



クロっち「………ああ、それじゃあな」

ネモっち「都合ついたら、またデュエルしよ? 今度は現実でさ」

クロっち「おう………!」

ネモっち「約束だよーーー!」ニコッ



………………ヒュンッ















〔アカウント名:【ネモっち】がログアウトしました〕






クロっち(………ふう、これで一安心………か?)

Ai(………………あー、あー、仲睦まじいこって。日常アニメの主人公とヒロインかっつーの!)


クロっち(………何だよお前、急にどうした?)

Ai(別にーー? 単に、クロっちみてーな奴でも、お仲間と上手くやってるんだなーー、って思っただけだしーー?)

クロっち(ああ? そりゃどういう意味だよ)

Ai(さあねーー? つーか、そんなことよりも、これからお前がちゃんとデュエルできるかどうかの方が心配だけどな)


クロっち(私がデュエル? 何言ってんだ、デュエルするのはお前だろ?)

Ai(いや、確かにその予定だったけどよーーー)


クロっち(けど? なんだ?)






Ai(………俺が表に出続けると、そのあまりのカッコよさに、ハノイやSOLが鼻を効かせる可能性があるって気づいてな)

Ai(だから今回、アバターの主導権はお前に譲ることにした)

クロっち「………………」


Ai(いや、俺としても、不本意だけどな? だけどハノイやSOLが寄ってくるよりはマシだし?)

Ai(それに、直接デュエルしなくとも、お前の脳波データが混じった今の俺なら、お前のそこそこのデュエルを見て、それを後から追体験する形で学習できて、俺も強くなれるはずでーーー)


クロっち(………なるほど、要するに、自分の演技力に自信がなくて、普通にしてるだけで目立ってハノイやSOLに嗅ぎつけられる可能性が高いから、代わりに私にデュエルさせるってことか)






Ai(うぐっ、!?)

クロっち(図星みてーだな。まあ、ネモに勘付かれたんだから、組織全体が相手じゃ、100パー、嗅ぎつけられるわな、うん)

Ai(う、うっさいわ! さっきからクロっちの癖に生意気だぞ!)

クロっち(さっきから、って………そういや、コイツさっき仲間と上手くやれてるのが、どうとかーーー)


クロっち(………ん? まさか、ひょっとして………)


クロっち(………………………………………)






Ai(………………何だ? 頭ん中で会話すんなら、もっと大声出す気で言葉思い浮かべてくれ。でないと聞き取りづらーーー)

クロっち(お前、ぼっちか?)


Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)


クロっち(………もう一度言うぞ、お前、ぼっちーーー)

Ai(ぼ、ぼ、ぼ、ぼっち!? 今お前、俺を『ぼっち』っつったか!?)


クロっち(ああ、やっぱり、ぼっちなのか………………)






Ai(ち、ちげーし! お、俺には、リンクリボーがいるし~~)アセアセ

クロっち(………リンクリボーだあ? 《クリボー》の亜種が何かか?)

Ai(お、おうよ! 確かにあいつはモンスターだが、俺の子分兼友達よ!)

クロっち(カードが友達って………そういうのが通じるのはアニメや漫画の世界だけだぞ? そんな痛いこと言ってるから、ぼっちに………)


Ai(いや、あいつには俺たちと一緒でれっきとした意思があるから! 痛くないから! 中二病とかじゃないから!)

クロっち(はあ? カードに意思って、そんなのーーー)






クロっち(………いや、このAIの存在が有りなら、カードの精霊も有りか?)

クロっち(………だが実際見てみねーと、なんとも言えねーな)

Ai(いやいやホントだから! あいつ今はサイバース世界にいて、そこに行けばわかるから!)


クロっち(………だったら、そのサイバース世界とやらに連れてってくれんのか?)

Ai(えっ、あっ、いや、今は無理ーーー)


クロっち(じゃあ証明しようがねえな)ハアッー

Ai(ぐ、ぐぐっ………!)






クロっち(………つーか、それが本当だったとしても、他の奴からは割と厄介者扱いされてたんじゃねーか?)

Ai(ぎ、ぎくうっ、!?)

クロっち(ああ、やっぱそうか。そりゃお前みたいな性格じゃな………)

Ai(ち、ちげーし! 俺は割と孤高なだけだから! 未来永劫働かないで生きていきたかっただから! それで、一目置かれていただけだから! 別に嫌われてなんかないんだからな!)


クロっち(ああ、こりゃ嫌われるわ………)






クロっち(つーか、生涯の目標【ニート】って何だよ? そんなこと、思っても周りに吹聴するもんじゃないだろ………)

Ai(うるせーし! 将来の夢が武器商人だった奴に言われたくねーし!)

クロっち(な、な、ななな、なんでそれを!?)カァッ

Ai(お前、中学ん時の進路カード、カッコつけてPC使って記入したろ? そん時のログが残ってたんだよ、バーカ!)

クロっち(お、お前! 人のPCん中、勝手に………! って、ちょっと待て、まさか他にもーーー)

Ai(モッチのロンよ! お前が普段どんなサイト閲覧してんのか、どんなアニメや動画見てんのか、全部まるわかりだっつーの!)






クロっち(なっ、な、な、な、………………!?)パクパク

Ai(………お前の趣味嗜好や性癖はどうなってんだ? ヤンデレ男子だの、妊娠だの、[ピーッ]だの何だの………ありゃあドン引きだわ)ハアッー


クロっち(………………っ、)


Ai(いや、人間にはそういう生理的欲求があることは知ってるけどよーー)

Ai(………それにしたって、あの量と内容、恥ずかしいったらありゃしねえ。そうは思わねえか? 喪女さんよ?)ニヤリ

クロっち(………………っ、………………っ、)


Ai(………ああーん? 何だよ、さっきも言ったが、言いたいことあんなら、もっとハッキリーーー)ニヤニヤ






クロっち(………………)ジワ

Ai(………………えっ、?)

クロっち(………あっ、………うっ、ううっ………………っ、………っ)ポロポロ

Ai(えっ、ちょ、おま、まさか泣いてーーー)


クロっち(………うっさい、話しかけんな………! クソバカAI………………!!)ヒッグヒッグ

Ai(あっ、またバカってーーー)


クロっち(ううっ………あうっ………………っ、)ヒッググスッ

Ai(あっ、あーーーーー)


Ai(………そうだった、こいつ、人間でいうところの『オンナノコ』だった)

クロっち(………………っ、)グスッグスッ


Ai(………………)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



クロっち「誰だって、知られたくないことくらい、割とあるもんだろうし………私にだってあるからな………」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






Ai(………………デリカシー、無さすぎたな、俺ーーー)シュン

クロっち(………………………っ、)グスッグスッ


Ai(………あー、その、アレだ。俺が悪かった。すまん)

クロっち(………うるせえ、話しかけんなって言っただろ………!)グスッグスッ

Ai(………あー、いやー、そのー………)

クロっち(うるさい、うるさい! お前なんか死んじまえ、この変態! 鬼畜! バカAI !!)


Ai(ううっーーどうすればーー、あ、そうだ!)ピコーン






Ai(な、なあ、クロっち、ここはデュエルでもして元気出そうぜ! デュエルの楽しさならそんな気持ちも吹っ飛ぶぜ! なっ、?)


クロっち(ーーーーーーーーーーーーーーー)


Ai(だ、だから、そう落ちこーーー)

クロっち(………………わかったよ)

Ai(へっ?)

クロっち(やりゃあ良いんだろ、やりゃあ………最初からお前はそれが目的だったもんな)


Ai(えっ、あっ、いや、そんなつもりじゃーーー)

クロっち(いいよもう、どうせお前は好き勝手、私を利用するだけなんだろ。だったらおとなしく言うこと聞いてやるよ)

Ai(あっ、えっ、あっ、うーーー)

クロっち(どうしたよ? さっさとやりたいことやっちまえよ)


Ai(う、ううっ………………どうしよ?)






タッタッタッ………



ハノイ(別アバター)「はあ、はあ………っ………くっ!」


ハノイ(くそっ、今日はいつも以上に相手がいない………!)

ハノイ(………ようやくデッキ調整が終わり、電脳ジャングルでのドロー修行も終わったというのに………!)


ハノイ(………どいつもこいつも、プレイメーカーのデュエルに夢中! これでは試し斬りができんではないか!?)


ハノイ(おのれ、プレイメーカー! デュエルする機会まで奪うとは………!)ググッ

ハノイ(………だが、どうする? 一度出直すか………?)


ハノイ(………否! ここで出直すなど、プレイメーカーに屈服したも同然! 何としてでもデュエルせねば………!)タッタッタッ

ハノイ(そうだ………また、逃げるなど、あってはならん………)タッタッタッ


ハノイ(何としても、相手を見つけねばーーー)タッタッタッ



ハノイ(………………ん? あれはーーー)






クロっち(どうしたよ? さっさとやりたいことやっちまえよ)


Ai(う、ううっ………………どうしよ?)



ハノイ「ーーーーーーーー見つけたぞ」ニヤリ



クロっち(ーーーとりあえず、ここを去る。また別の場所の奴をーーー)



ガバァッ!!



ハノイ「俺とデュエルしろオオオオオオオオオオオオ!!」


「「!?」」






クロっち(………えっ、………えっ、?)

Ai(な、なんだこいつ?)


ハノイ「おい、そこの貴様! 俺とデュエルしろ!」ザッ


クロっち「………っ、!??」

Ai(で、デュエルだあ? クロっちに言っててんのか?)


ハノイ「………!」


Ai(い、いやそれよりも………何だよこいつのアバターは?)

クロっち「………っ、! ………っ、!」パクパク


Ai(まんまテ◯フォーマーズの火星ゴ◯ブリじゃねえか………)


Ai(しかも、顔面はガ◯ダムシリーズのライバルキャラみてーな仮面男………一瞬コラ祭りかと思ったぞ………)

Ai(どういうセンスしてんだこいつは………?)






ハノイ「おい、無視するな! 聞こえているのだろう! さっさと俺とーーー」


クロっち「………………わかった。やろう」

Ai「!?」


ハノイ「よしっ、決まりだな! ならば、ディスク構えーーい!」


クロっち「………」スッ

Ai(お、おい、クロっち! あんなおかしな奴のデュエルを受けるつもりか?)


クロっち(………外見は関係ねえだろ。猥褻物ぶら下げてるわけでもねえし)

Ai(いやまあ、それはそうだがーーー)チラッ


ハノイ(ようやくだ………! ここからようやく俺の再起が始まる………!)



…………………………………………………………………………。



Ai(………外見抜きにしても、あいつからは何だか妙な空気が漂ってる気がしてならねー。ここはやめといた方がーーー)






クロっち(………何言ってんだ? あいつはこんな状況でもデュエルしてくれるってんだ。だったら、お前にとっちゃ、受けない理由は無いだろ)

Ai(いやまあ、それはそうだけどよーーでもーーー)

クロっち(何でも良い、私はさっさとお前に利用されてやる。それだけだ)

Ai(く、クロっち………………)


ハノイ「ふはははは! 生まれ変わった俺のデュエルを見せてくれるわ!」


クロっち「………………」


「「デュエル!」」



今日はここまで
次回はデュエルパートから

投下します




ハノイ「俺のターン!」



クロっち「………………」

Ai(ううっ、始まっちまったか………どうにも不安なんだが………大丈夫か?)



ハノイ(………ふむ、まずは実戦での運試しと行くか)ニヤリ

ハノイ「メインフェイズに移行し、魔法カード、《カップ・オブ・エース》を発動!」バンッ






Ai(………………ん?)



ハノイ「その効果で俺はコイントスを行う。表が出れば俺が2枚ドローし、裏が出れば貴様が2枚ドローする!」



クロっち(一か八かのギャンブルカード………こいつ、リアルじゃ遊び人か? いや、どうでもいいけど………)



ハノイ「くくくっ、生まれ変わった俺のドローを見るがいい!」

ハノイ「いくぞ、コイントス!」ピーン



チャリーンッ






(表)



ハノイ「出たのは表! よって、俺が2枚ドローする!」ババッ



クロっち(当てやがった………運良いなこいつ)

Ai(………………………………)



ハノイ「はははっ、見たか! 1週間かけて鍛え上げた俺のドローは! 今の俺は、最初のターンのドローだけは絶対に外さん!」



クロっち(………いや、ドローを鍛えるって何だよ。普通に運の問題だろ。つーか、最初のターンだけって、なんかセコイな)

Ai(………まさか)



ハノイ「《インヴェルズの先鋭》を召喚!」バンッ






先鋭『ケヒヒッ』ATK1850



シュウウ~~~………………



Ai(!?)

クロっち(ん? なんだこのにおい………)クンクン

Ai(おいおい、こりゃあ………!?)

クロっち(………間違いない。においの元は、あのモンスターだ。だけど、なんでモンスターから、においなんか………?)



ハノイ「カードを5枚セットしてターンエンドだ!」






クロっち「………私のターン、ドロー」


クロっち(………においは気になるが、そこまで気にすることもねーか。なら、さっさとデュエルをーーー)

Ai(ーーーなあ、クロっち、話がある)


クロっち(………………なんだよ? 今度はいったい何をーーーーーー)















Ai(あの仮面男、ハノイの騎士だ)






クロっち「………はあっ!?」



ハノイ「………どうした、急に? 何かあったのか?」



クロっち「えっ!? あああ、はい、だ、大丈夫………です!」オドオド



ハノイ「………そうか? 若干、声が裏返っているように聞こえるが………」



クロっち「えっ、えーと、それは、そのーーー」


クロっち(お、お、落ち着け私!? ここはひとまずーーー)

クロっち「………実は、その、ちょっと凄いコンボ思いついて、自分にビックリしただけなんで」



ハノイ「………ほう、それは楽しみだな」ニヤリ



クロっち「あ、いや、まだ、できるかどうか考え中なんですけど………私、再開したばかりの素人なんで………ははっ」

クロっち「でも、しばらくすれば、考えもまとまると思うんで、できれば少し時間いいですか………?」






ハノイ(………………正直なことを言えば、あまり時間をかけて欲しくはない)

ハノイ(だが、こいつは俺とのデュエルに、しかも今の状況で応じてくれた貴重な相手だ。多少は融通をきかせてやるべきか?)



クロっち「ううっ………………」ブルブル



ハノイ(………そうだ、それにこいつは、どうせ俺に負けて、その後ーーー)

ハノイ(それを考えれば………このくらいの我儘は見逃してやるのが筋か)ウンウン


ハノイ「………構わん。納得いくまで考えるといい」



クロっち「………あ、はい! ありがとうございます! それでは、お言葉に甘えてーーーーーー」






クロっち(…………………は、はああ~~~~、なんとか、誤魔化せた………………!!)

Ai(落ち着いたか?)

クロっち(『落ち着いたか?』じゃねえよ!? いきなり変なこと言うなよ! ビックリしただろうが!)

Ai(わ、悪い………)

クロっち(つーか、何? あの仮面男が、ハノイの? 騎士だって?)

Ai(ああ、そうだ)

もこっち(いや、何で急にそんなことになるんだよ? 意味わかんねーんだけど)


Ai(それは、単純に同じだったからだな)

クロっち(同じだ?)


Ai(ああ、あの仮面男、ハノイの騎士との共通点があるんだよ)






クロっち「………………」


Ai(共通点は主に3つ)

Ai(一つ、デュエル中の仕草だ。俺は1週間の情報収集の中、実況動画でプレイメーカーとハノイのデュエルをいくらか見た)

Ai(そして、その中の一人とあの仮面男の仕草が全く同じなんだ。カードを発動したところとか、ドローしたところとか)


Ai(二つ、あの動画のハノイは【インヴェルズ】使いだった。そして、あの仮面男も『インヴェルズ』のモンスターを使っている)



クロっち(………そんなの、ただの偶然じゃねーのか?)















Ai(そして三つ、あの仮面男のモンスターからはハノイの痕跡がある)






クロっち(痕跡?)

Ai(ああ、ハノイはデュエルプログラムを持たされるって話したろ?)


クロっち(………ああ、確かデュエル強けりゃ無敵がどうのって話か?)

Ai(そう、それだ)


クロっち(それがどうしたってんだ?)


Ai(そのプログラムを利用してクラッキングを行う場合、持ち主のデッキのモンスターを媒介にする必要があるんだ)

Ai(そのため、プログラムの一部がデッキのモンスターに内蔵された状態になっているわけだがーーーここまで言えば、もうわかんだろ?)


クロっち(………まさかーーー)

Ai(そう、俺にはその痕跡がわかるのさ)

Ai(………あの《インヴェルズの先鋭》には間違いなく、そのプログラムの一部が内蔵されている)






先鋭『ケヒヒッ!』



クロっち(なにぃ……!?)

Ai(ああ、間違いない、その痕跡は人間で言うところの『におい』に近いが、それがプンプンしてやがる。お前も既に嗅いでるんじゃないか?)


クロっち「!」(まさか、このにおいはーーー)

Ai(そう、ハノイのデュエルプログラムの『におい』だ)






クロっち(なん……だと……!?)

Ai(………あの仮面男は、ハノイの『におい』が出るカードを堂々と使っている)

Ai(その時点で、あの仮面男は自分がハノイの騎士って自白したようなもんなんだよ)

Ai(以上が、あの仮面男がハノイだとする根拠だ。納得したか?)



クロっち(………私をからかってるんじゃないのか? このにおいがハノイの騎士のそれとは限らねーだろ)

クロっち(だいたい、ここは電脳世界なんだから、『におい』の出るカードがあったっておかしくはーーー)

Ai(あのモンスターがそういうカードなら、今頃デュエル中断だな)


クロっち(中…断………?)

Ai(どんな形であれ、デュエルモンスターズのカードにマーキングなんてすれば、それは不正カードとして扱われる)

Ai(そして、不正カードを使った場合、即座にリンクヴレインズのシステムに検知され、いまやってるデュエルは中断されることになる)


Ai(たぶん、リンクヴレインズの利用規約にも同じことが書いてあったと思うぞ?)






クロっち(………!)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



〔利用規約〕

〔これらのデッキデータを利用した不正行為は絶対にしないでください〕

〔事例:カードに対するマーキング〕

〔マーキングされたカードは、不正カードとして扱われます。使用した場合、自動的にデュエルが中断され、運営まで通報されることになります〕

〔不正カードの使用に対し、運営は然るべき対処をさせて頂きます〕


〔これらのデッキデータを利用した不正行為は絶対にしないでください〕



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



クロっち(ーーー!)

Ai(カードに対する着臭は、お前が読んでたデュエルモンスターズの原作漫画にもあったイカサマだ)

Ai(しかも、『におい』の種類や嗅ぐ人間によっては、嗅がせ続けることで、集中力を削ぐことも可能だ)

Ai(そして、そんな有名で効果的なイカサマを、運営が対策していないと思うか?)


クロっち(………………思わねえ)

Ai(だろ? だったら、カードの着臭が確認できた時点で、不正カード扱いされる。規約通り、デュエル中断、まったなし、だ)






Ai(だが、この通り、デュエルは中断されていない。つまり、あのモンスターは、あれだけ『におい』をプンプンさせておきながら、システム的には不正カード扱いされていないってことになる)

Ai(なら、不正カードでないと判断された理由は何か? それは、リンクヴレインズのシステムじゃ、あのモンスターの『におい』を検知できないからだ)

クロっち「……………」


Ai(一定量以上の『におい』が発生していない限りは、リンクヴレインズのシステムに検知されることはない)

Ai(なぜなら、一定量以下の『におい』程度じゃ、人間にはもちろんのこと、機械にだって検知することができないからだ)

Ai(そんな、極々わずかの『におい』を検知できる存在は限られている)

Ai(それができるとすればーーーーーー)






Ai(ーーーーーー機械の一部でありながら、人間のような意思を持つことで進化した、俺たちイグニス)

Ai(そして、そのイグニスである俺と感覚を共有しているクロっち)

Ai(そう、今のところ俺たち二人だけだ)


Ai(逆に言えば、それ以外には絶対に検知することはできねえ)

Ai(リンクヴレインズのシステムだろうと、ハノイ当人だろうと、だ)


クロっち「………………………」


Ai(だからこそ、俺たちは『におい』を感じることができる。だからこそ、リンクヴレインズのシステムには検知できず、デュエルが中断されることも無いってわけだ)






クロっち「……………………………………………」

Ai(納得したか?)


クロっち(………ふん、もっともらしいこと言ってるが、お前のことだ。私をからかってるに決まってる)

クロっち(どうせリンクヴレインズのシステムにハッキングでもして、デュエルが中断しないようにーーー)

Ai(………なんでお前一人をからかうために、SOL相手にハッキングなんてハイリスクな真似する必要があるんだよ)

Ai(SOLに逆探知されたら終わりじゃねえか。割りに合わねえにも程がある)


クロっち「………………」

Ai(からかうだけなら、もっとリスクの低い方法取るっつーの。はい、論破)






クロっち(………じゃあ、お前が私に何かして、この『におい』をでっち上げてるんだ)

クロっち(お前なら私に『におい』を錯覚させるくらいーーー)

Ai(あのな、いくら俺でも嘘の感覚を与えることまではできねえよ)

Ai(できるのは、精々こうして頭の中で会話したり、さっきみたいにアバターの主導権を変更するくらいだ)


Ai(そもそも、嘘の感覚を与えるなんて、ふざけた真似ができるなら、俺と話す度にお前が快楽を感じるようにでもしてる)

クロっち(か、快楽!?)



クロっち(そ、それってつまりーーー)カアアッー


Ai(そんで、今ごろお前は俺の子分だよ、バーカ!)

クロっち(ぐっ、お前ーーー!!)


Ai(それをやっていないことが、俺が嘘をついていない何よりの証拠だろ。こんな風に怒りあったって、デメリットしかねえ)






クロっち(~~~~っ、っ、っ、っ、!!)


Ai(………なんだ、まだ反論があるのか?)


クロっち(~~~~落ち着け私! ここは冷静にーーー)


クロっち(ーーーやっぱりお前の言っていることはおかしい! あの仮面男がお前の言う通りハノイの騎士なら、何でさっさと私からお前を奪い取ろうとしないんだ!? 確か奴らはお前を血眼になって探してるんだろ!?)

Ai(それは単純に、俺がお前のところにいることが、バレてないからだろうな)

Ai(仮にバレているなら、こんな所でデュエルする前に、逃げられないよう捕獲プログラムで俺たちを拘束するだろうぜ。ハノイにはそれができることを俺は知っている)


クロっち(………マジかよ)

Ai(だが、いま俺たちは、そんなことされていない。つまり、このハノイは強引に俺たちを捕まえる気は無い、イコール俺がここにいることに奴らは気づいていないってわけだ)


クロっち(………じゃあ、何であのハノイは私に接触したんだ?)

Ai(………『デュエルしたい時に、その相手がたまたまお前しかいなかった』としか言いようがねーな)


クロっち(そんな偶然ーーーー)

Ai(俺だって、ありえねーって否定してーよ! だけど、それ以外に考えられないんだよ! それとも、お前は他に何か思いつくのか!? ああん!?)


クロっち(ぐっ、)






ハノイ「………………」



Ai(とにかく! この状況でやるべきことはただ一つ、デュエルで勝って逃げる、それのみだ)

クロっち(あ? 何でだよ。さっさと逃げてログアウトすればーーー)

Ai(VR空間において、デュエル中、健康に異常の無い人間が自らログアウトや回線切断を行うことはシステム上できねーよ)

Ai(それに加えて、お互いを知覚可能な範囲から離れることもできない。お前はデュエルモンスターズ保護法がVRシステムに与えた影響を知らねーのか?)

クロっち(し、知らんかった………)


Ai(一応言っておくが、外部に連絡して、自分のVRダイバー外させて強制ログアウトってわけにもいかねーー)

Ai(イカサマ防止のため、デュエル中は、基本的に通信を行えないシステムになってるからな)

Ai(例外は、健康に異常がある時か、通報する時くらいだ)

クロっち「………………」






Ai(そんで通報しようとすれば、目の前のハノイは確実にクロっちを警戒して、その真意を確かめようとするだろうな)

クロっち「!」

Ai(そうなりゃ、俺たちは通報する前に拘束されて、強制的に向こうの電脳空間に連れ去られるのがオチだ)

Ai(そんでココ来る前にも言ったが、俺が形を保っていられる電脳空間は、クロっちのPC、デュエルディスク、リンクヴレインズの3つだけだ)

Ai(向こうの電脳空間に連れ去られたら、その時点で俺は壊れるし、一体化したクロっちの意識データも同様に壊れる)


クロっち「………………っ、!?」

Ai(………絶対に通報するなよ。死にたくないんだったらな)






クロっち(………さっきから随分と頭が回るもんだな。簡単なスペルミスやらかしていた奴のセリフとは思えねえが………)

Ai(そりゃ俺だって、伊達に何年も逃亡生活していたわけじゃないんでね。本気出せば、この程度の計算くらい普通にやれるっつーの)


Ai(………頼れる相手がいれば、もっと楽できただろうが、ご覧の有様だからな………本気出すしか道はねーのよ)

クロっち(………はっ、こんなことなら、悪戯メールなんか恐れないで、さっさとお前をウイルスとして通報しとくんだったな………)






Ai(………それやった場合、お前の記憶、機密保持のために根こそぎ奪われるぞ?)イラッ


クロっち(………はっ? 何だよそれ、どういうことだよ!?)

Ai(どういうこともなにも、ハノイやSOLの情報網は相当なものだからな。専門機関にイグニスらしき情報が来た場合、即座に嗅ぎつけられるに決まってる)

クロっち(いや、そうじゃなくて、何で私の記憶をーーー)

Ai(あのな、あいつらはそのくらい平気でするぞ?)

Ai(実際、ハノイの被害者の中には、記憶を根こそぎ奪われて廃人化した奴がいる。お前もネットニュースとかで見たんじゃねーか?)






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



【ハノイ被害者、未だに目を覚まさず。記憶データの奪取が原因か】



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



クロっち(あっ………)

Ai(SOLだって、通告無しに大規模スキャンやらかして、利用者全員を危険に晒すくらいには、人権を踏みにじれる)

Ai(機密を守るためなら、記憶を根こそぎ奪うくらい普通にやってのける連中だと思うけどな?)

クロっち「………………」

Ai(そんで産まれてから今に至るまでの記憶を根こそぎ奪われてみろ、お前も廃人コース確定だ。それでも通報したかったか?)






クロっち(………………逃げられないことは、わかった………)

Ai(そりゃどーも、説明の甲斐あって何よりだ)

クロっち(………だが、それが何で、あのハノイに勝たなくちゃいけない理由になるんだ? 理由つけてデュエル中止を頼めばーーー)

Ai(そりゃ無理だ。デュエル中止を頼んだら、頼んだ側が敗者扱いになる)

クロっち(いや、別に敗者になったってーーー)

Ai(………俺たちが敗者になれば、俺がお前の端末にいることがハノイにバレる)


クロっち(………なんで、そうなるんだ)






ハノイ(長いな………いったい、いつになったら考えがまとまるのだ?)



Ai(前にも説明したが、ハノイはデュエルで勝てば、どんなセキュリティでも突破できるプログラムを持っている)

Ai(そして、ハノイは大規模スキャンの時、デュエルで勝った相手に何をしたかーーーここまで言えばわかんだろ?)


クロっち(………デュエルで負けたら、記憶を、奪われ、るーーー)

Ai(そういうこった)



ハノイ(他の連中もこういう輩と戦っているのだろうか………無論、全力でやってはいるのだろうがーーー)






Ai(もちろん、最初は騒ぎにならないように記憶を覗き見る程度で済ます可能性はあるが、その内容を知ったが最後、機密保持のために間違いなく全ての記憶を奪うだろうな)

クロっち(………でも、あの仮面男、ただデュエルしたいだけみたいだがーーー)

Ai(現在、ハノイの奴らは俺に関する情報が欲しくて欲しくてたまらないはずだ。だったら、どんなに可能性が小さくても、やることはやる)

Ai(なら、たとえ勤務時間外であっても、デュエルには全力で取り組み、勝ったら記憶データを覗き見て俺の情報が無いか探させるぐらいするさ。そう命令されているに決まってる)

Ai(デュエルで勝った時、セキュリティはプログラムで自動的に機能停止状態にできるんだ。ならその機会を逃す手はねーー)



ハノイ「………………………」






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ハノイ「ぬっ、これは………!」ピッ


ハノイA「おっ、上からの通達か」ピッ

ハノイB「どれどれ………なんだ、大した話じゃないな」ピッ


ハノイ「………………」



〔3つの通達〕


〔以下の内容は、勤務時間に関わらず実行するものとする〕


〔① デュエルプログラムを有する構成員は、必ずプログラムをデッキに内蔵すること〕

〔② ①の状態でデュエルを行い勝利した場合、相手の脳内にイグニスの情報が存在するか否か、プログラムを用いて確認すること〕

〔③ 対象に情報が存在する場合、その者の記憶データを全て奪取し、必ず直属の上司に提出すること〕


〔以上の3つを成し得た者は、ハノイの名において、栄光の未来が約束されるだろう〕



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ハノイ(………こんな、困った奴の記憶まで覗かねばならんとは………因果な商売だ)






Ai(ーーー負けたらどうなるか、俺とお前の関係がハノイにバレたらどうなるか、さっきも言った通りだ)

クロっち「………………」


Ai(以上のことから、今の状況を切る抜けるには………)

クロっち(勝って、この場を去るしかない………)

Ai(そういうこった。しかも、相手は明らかにプライベートのデュエルで、プログラムをデッキに組み込んでいる)

Ai(そこから察するに、向こうは上から認められた相応の実力者。舐めてかかれば、間違いなく負ける)

クロっち(っ………!)






Ai(わかったなら全力でやるぞ。でないと俺たちは終わりだ………くそったれ!)

クロっち(マジかよ………そんなの、そんなのって………)



ハノイ「あーー、そろそろ大丈夫か? いや、前言を撤回するつもりはないがーーー」



クロっち「………あっ、はいっ、ただいま!」

Ai(怯えてる暇はねーぞ、クロっち! 今はデュエルに集中だ!)

クロっち(う、ううっ………わかったよ! やってやるよ、やってやるよ、チクショウが!)



今はここまで




クロっち「わ、私はメインフェイズに移行しーーー」

Ai(クロっち、このカードを使え!)

クロっち(わかってるよ!)

クロっち「まずは、カードを1枚セット!」

クロっち「そして、速攻魔法、《ダブル・サイクロン》を発動! 私と相手の場の魔法・罠カードを1枚ずつ選択して破壊する!」

クロっち「お互いの伏せカード1枚を破壊!」






ハノイ(ようやく動いたか………ならば、ここはーーー)

ハノイ「俺はそれにチェーンして、対象にされた伏せカードを発動! 《相乗り》!」



クロっち「!」



ハノイ「逆順処理だ。まずは《相乗り》の効果が処理される。このターン、相手がドロー以外でデッキまたは墓地からカードを手札に加えるたびに、俺はカードを1枚ドローする」

ハノイ「そして、最後に《ダブル・サイクロン》の効果で《相乗り》が破壊されるが、何ら痛手ではない」



バリーンッバリーンッ!!






Ai(ちっ、《相乗り》たあ、厄介なカード使いやがるぜ)

クロっち「………だが、私の方で破壊されたカードは《おジャマジック》! その効果でデッキからおジャマ三兄弟を手札に加える!」



ハノイ「この瞬間、《相乗り》の効果が適用される! 1枚ドロー!」



クロっち「手札くらいくれてやる! 私はーーー」

Ai(おい、クロっち! 次はこのカードをーーー)

クロっち(わーってるよ! 言われなくとも取るプレイングくらいは判断できっから、いちいち言うな!)

Ai(むっ………ああそう? なら基本任せっけど、変なプレイングかまそうとしたら止めるからな?)

クロっち(………勝手にしろ!)「《おジャマ・ブラック》を召喚!」






ブラック『ホワーッ!』ATK0



クロっち「さらに、通常モンスター、《おジャマ・ブラック》を墓地に送ることで魔法カード、《馬の骨の対価》を発動!」



ブラック『ホビャアー!?』ヒューン



クロっち「その効果で、デッキからカードを2枚ドローする!」


クロっち「そして、魔法カード、《融合》を発動!」

クロっち「手札の通常モンスター、《おジャマ・イエロー》と《おジャマ・グリーン》を融合!」


クロっち「融合召喚! 来い、《始祖竜ワイアーム》!」






ワイアーム『ギャオオッ!』ATK2700



ハノイ「ふん、厄介なカードを………」



クロっち「さらに、魔法カード、《融合回s」Ai(ちょっと待て!!)

クロっち(うおおっ!? ………今度は何だ!?)

Ai(驚かせて悪いな、だが言わなきゃいけないことがあるぜ!)

クロっち(ああっ? なんだよそりゃ! プレミでもあったってのか!?)

Ai(おう、そうだな)


クロっち(………一応聞くが、どの辺がだ?)

Ai(だってお前さっき《融合回収》発動しようとしたじゃん)

クロっち(それがどうした?)

Ai(どうもこうもねえよ! そんなことしたら、《相乗り》でドローされちまうだろうが! それよりも、まず《打ち出の小槌》で手札の入れ替えをーーー)



クロっち(んなことは言われなくともわかってるわ!)






Ai(ああ? だったら何でーーー)

クロっち(考えてもみろ! 今の段階で《打ち出の小槌》使っても、ドローできるのは3枚だけだぞ!)

クロっち(そんな手札じゃ、このターン中に奴を倒せねえだろうが!)


Ai(このターン中………? お前まさかハノイ相手にワンキルしかけるつもりか!? そんな無謀な真似ーーー)

クロっち(………逆だ逆。長期戦の方が無謀だろ)


Ai(えっ?)


クロっち(………いいか、今は攻められるチャンスなんだ)


クロっち(こっちは、デュエルの経験に乏しい素人! デッキも無料ダウンロードした無改造ファンデッキに過ぎない!)

クロっち(それに対して、向こうは、デュエルプログラムを『貰えている』ほどの実力者! 使ってるデッキも魔改造されたガチモンに決まってる!)


クロっち(その条件で、こっちが勝ちを狙うとしたら、地力の差の出づらい短期決戦が一番だろ!)






Ai(い、言われてみれば確かに………)

クロっち(だったら、ドローされること覚悟で突っ走るっきゃねえだろ? 計算すんなら、こっちの実力も勘定に入れてからにしな!)

Ai(むっ、………むむう………!)ムカッ

クロっち(………ちっ、とにかくデュエルは続けさせて貰う。この話はこれで終わりな、いいな?)


Ai(~~~~っ、)



ハノイ「………………」



クロっち「改めて魔法カード、《融合回収》を発動!」






クロっち「融合素材にされた《おジャマ・イエロー》と《融合》を墓地から手札に加える!」



ハノイ「………《相乗り》の効果で2枚ドロー!」



クロっち「魔法カード、《闇の量産工場》を発動!」

クロっち「墓地の通常モンスター、《おジャマ・グリーン》と《おジャマ・ブラック》を手札に加える!」



ハノイ「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」



クロっち「手札から《サンダー・ドラゴン》を捨てて、その効果を発動! デッキから《サンダー・ドラゴン》2体を手札に加える!」



ハノイ「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」



クロっち「魔法カード発動、《打ち出の小槌》!」

クロっち「その効果で、手札6枚をデッキに戻し、6枚ドロー!」






ハノイ「………なるほどな。サーチや回収で増やした手札を、そうやって別のカードに変換し、プレイングの幅を広げるというわけか。長時間考えただけはある」ニヤリ



クロっち(余裕こいているのも今の内だ………)「速攻魔法、《手札断殺》を発動! お互いに手札2枚を墓地に送ることで2枚ドローする!」


クロっち「私は残り2枚の《おジャマジック》を墓地に送ることで、2枚ドロー!」



ハノイ「ならば、俺は《クリッター》と《リビングデッドの呼び声》を墓地に送ることで、2枚ドローだ」



クロっち「この瞬間、墓地に送られた2枚の《おジャマジック》の効果発動!」

クロっち「それぞれの効果で、デッキから、おジャマ三兄弟を二組手札に加える!」



ハノイ「《相乗り》の効果で2枚ドロー!」



クロっち「そして、魔法カード、《手札抹殺》発動!」

クロっち「その効果で、お互いに手札を全て捨てて、その枚数分ドローする!」

クロっち「私は手札を10枚捨てることで、10枚ドロー!」






ハノイ「ほおう、まさか10枚もの手札交換とはな………俺は7枚捨てて7枚ドロー!」


ハノイ「そして、この瞬間、墓地に捨てられた《暗黒界の狩人 ブラウ》の効果発動!」



クロっち「!?」



ハノイ「このカードがカードの効果で捨てられた時、デッキからカードを1枚ドローする!」

ハノイ「また、相手のカード効果で捨てられたため、さらに1枚ドローする!」






クロっち(………余計に手札を増やされちまったか………まあいい、このターンで倒すなら関係ない」

クロっち(………それよりも、向こうの墓地に送られたカードは、っと)ピッ



ハノイ「………」ピッ









ハノイ(………《光の護封霊剣》が落ちたか。厄介なカードを………)



クロっち(………ダメだ。『インヴェルズ』モンスターの効果が全くわからん………!)


クロっち(くそっ、これならもっといろんなデュエル動画観とくんだったな………っ、)






Ai(………安心しろ、攻撃を防ぐ類のカードは落ちていない)

クロっち(………ああ? そうなのか?)

Ai(そもそも、『インヴェルズ』モンスターに墓地から攻撃を防ぐようなカードなんかねーよ。だから安心して攻撃するこった)

クロっち(そうかよ………)「魔法カード発動、《貪欲な壺》!」

クロっち「その効果で、墓地のおジャマ三兄弟と《サンダー・ドラゴン》《ハネワタ》の計5体をデッキに戻して2枚ドロー!」

クロっち「まだだ! ドローし直した《サンダー・ドラゴン》を捨てて、その効果を発動!」

クロっち「デッキから2体の《サンダー・ドラゴン》を手札に加える!」



ハノイ「《相乗り》の効果で1枚ドロー!」



クロっち「さらに、2枚目の《手札断殺》を発動!」

クロっち「その効果で、《サンダー・ドラゴン》2体を墓地に送り、2枚ドロー! 」



ハノイ「ならば、俺は《インヴェルズ・ギラファ》と2体目の《クリッター》を墓地に送ることで、2枚ドローだ!」






クロっち(………さーて、ドローカードは………)チラッ



つ《Cークラッシュ・ワイバーン》《貪欲な瓶》



クロっち(~~~~っ、結局、このターン中に倒すのは無理か………?)

Ai(おい、何ボケーッとしてんだ! さっさと勝って逃げようぜ!)

クロっち(ああっ? 何言ってんだお前? この手札で、どうやって勝つんだ?)

Ai(そっちこそ何言ってんだ? 手札のーーーーーーーーーーとーーーーーーーーーを発動するだけでーーーを出せて、その攻撃力はそれぞれーーーーになって、向こうの攻撃力はーーになって、後はーーーとワイアームで総攻撃するだけでーーー)


Ai(ーーーほら、こっちの勝ちじゃねえか!)

クロっち(いや、だから何で、相手の攻撃力が大幅に下がる前提なんだよ。そうと決まったわけじゃないだろ?)


Ai(………あのなー、いいか? 『インヴェルズ』ってのはな………………先鋭ってのはなーーーーーー)






クロっち(………!? 何だよ! それならそうと早く言えよ!)

Ai(そのくらい言われなくても知っとけっつーの! 比較的有名なカテゴリーの有名な特徴なんだからよ!)

クロっち(うるせえよ! 私があのテーマで知ってるのは、昔流行ったカードガチャのテーマってことだけ ………って、あ)



ハノイ(………また長考か)ジーッ



クロっち(………~~わかったよ、お前の言った通りやってやる!)

Ai(ん? そうか? なら、さっそくーーー)


クロっち(わかってるっつってんだろ!)「私はフィールド魔法、《おジャマ・カントリー》を発動!」






アハハ………

ウヒヒ………

エヘヘ………



ハノイ「………………」



クロっち「さらに、魔法カード、《トライワイトゾーン》を発動! 墓地からレベル2以下の通常モンスター3体を特殊召喚する!」

クロっち「来い、おジャマ三兄弟!」



イエロー&グリーン&ブラック『『『ドモー!!』』』ATK0 ×3



クロっち「この瞬間、《おジャマ・カントリー》の効果適用!」

クロっち「場に『おジャマ』モンスターが存在する時、場のモンスター全ての元々の攻守は入れ替わる!」






ワイアーム『………』ATK2700→2000

イエロー『アチョーッ』ATK0→1000
グリーン『トヤーッ』ATK0→1000
ブラック『ホイサーッ』ATK0→1000


先鋭『ケッ………ケヒッ?』ATK1850→0



ハノイ「………攻撃力ゼロだと!?」



Ai(そう、『インヴェルズ』モンスターは、一部を除けば、みんな守備力ゼロ! 攻守が逆転すれば、戦闘破壊も容易になる!)

クロっち(………そして、こいつが言うには、《インヴェルズの先鋭》には墓地に送られた時、場の融合・シンクロ・儀式モンスター1体を選択して破壊する効果があるらしいがーーー)


クロっち(ーーー《始祖竜ワイアーム》はモンスター効果を受けないため、破壊されない)

Ai(だから、相手の伏せカードの中に《インヴェルズの先鋭》を墓地に送るカードがあったとしても、《始祖竜ワイアーム》の攻撃を止めることはできねえ!)






Ai(どーよ! 俺様が学習した知識から生み出された、この素敵アイデアは!)

クロっち(ちっ、)



ハノイ「なるほどな、こうきたか………!」



クロっち「………メインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行!」

クロっち「バトル! 私は《始祖竜ワイアーム》で《インヴェルズの先鋭》を攻撃し、おジャマ三兄弟でダイレクトアタック!」


Ai(よし、これでこっちの勝ちだ!)

クロっち(あっ、バカ!?)



ハノイ「甘いわ! 手札の《インヴェルズの歩哨》を捨てることで、罠カード、《レインボー・ライフ》を発動!」



今日はここまで
前半は、デュエルと直接関係ない台詞ばかりで申し訳ない




Ai(だが、この通り、デュエルは中断されていない。つまり、あのモンスターは、あれだけ『におい』をプンプンさせておきながら、システム的には不正カード扱いされていないってことになる)

Ai(なら、不正カードでないと判断された理由は何か? それは、リンクヴレインズのシステムじゃ、あのモンスターの『におい』を検知できないからだ)

クロっち「……………」


Ai(一定量以上の『におい』が発生していない限りは、リンクヴレインズのシステムに検知されることはない)

Ai(なぜなら、一定量未満の『におい』程度じゃ、人間にはもちろんのこと、機械にだって検知することができないからだ)

Ai(そんな、極々わずかの『におい』を検知できる存在は限られている)

Ai(それができるとすればーーーーーー)



>>345はミスです

いま投下した>>383が正解です。以下と未満を間違えてました。申し訳ない


これから、前回からの続きを投下します




Ai(えっ、)

クロっち(~~~っ、っ、!)



ハノイ「《レインボー・ライフ》の効果によって、俺がこのターン受けるダメージは全て回復へと変換される!」

ハノイ「そして、俺のモンスターの数が変動したわけではないため、巻き戻しは発生せず、貴様の《始祖竜ワイアーム》の攻撃は問題なく続行される」



ワイアーム『ギャオオオッ!』ATK2000



ビビューンッ!



先鋭『ケヒヒッ!?』ATK0



ドガーンッ!



ハノイ「《レインボー・ライフ》の効果! 俺がこのターン受けるダメージは全て回復へと変換される!」






ハノイ「ふっはっはっは!」LP4000→6000



Ai(なっ、マジかよ………逆に回復されちまった!?)

クロっち「くっ………だったら、バトルフェイズを終了してメインフェイズ2にーーー」



ハノイ「させん、《始祖竜ワイアーム》の攻撃終了後に永続罠発動、《竜星の極み》!」



クロっち「!?」

Ai(げっ、それはーーー!)



ハノイ「《竜星の極み》の効果によって、攻撃できる相手モンスターは全て攻撃を行わねばならない!」

ハノイ「よって、その三兄弟にも俺を攻撃して貰うぞ!」



クロっち「くっ………!?」






イエロー&グリーン&ブラック『『『キ、キエ~~!?』』』ATK1000 ×3



ポンッポンッポンッ



ハノイ「ふはははは! ライフのお恵み感謝する!」LP6000→7000→8000→9000



Ai(くっそー! このターンで倒すどころか、逆にライフと手札を回復させちまった!? やべーぞコレ!)


クロっち(………おい、何で失敗フラグ立てた!?)


Ai(はっ? フラグ? 何言ってんだ?)

クロっち(さっき『これでこっちの勝ちだ!』って言ったことに決まってるだろ!)







Ai(あ? それがどうしたってーーー)

クロっち(あれは失敗フラグって言って、言うと作戦が失敗する確率がデカくなるんだよ! そんなことも知らねえのか!)

Ai(はあっ!? なんだよ、その迷信! 本当にあるわけねーだろ、そんなこと!)

Ai(つーか、それよりも、お前が《相乗り》や《手札抹殺》でドローさせまくったおかげで、向こうの手札9枚もあるぞ! それはどうしてくれんだ!)

クロっち(ああ!? そんなの結果論だろ! つーか、そもそもお前が調子こいて、ハノイのいるリンクヴレインズに戻ってきたのが悪いんだろ!!)

Ai(うっ、それは、以前の俺の嗅覚なら、デュエル前にハノイがいるって、気づけただろうし、その時点でログアウトすれば大丈夫って思って、それでーーーーーー)



やべ、またミス
>>388は無しでお願いします




Ai(あ? それがどうしたってーーー)

クロっち(あれは失敗フラグって言って、言うと作戦が失敗する確率がデカくなるんだよ! そんなことも知らねえのか!)

Ai(はあっ!? なんだよ、その迷信! 本当にあるわけねーだろ、そんなこと!)

Ai(つーか、それよりも、お前が《相乗り》や《手札抹殺》でドローさせまくったおかげで、向こうの手札9枚もあるぞ! それはどうしてくれんだ!)

クロっち(ああ!? そんなの結果論だろ! つーか、そもそもお前が調子こいて、ハノイのいるリンクヴレインズに戻ってきたのが悪いんだろ!!)

Ai(うっ、それは、以前の俺の嗅覚なら、リンクヴレインズに入る前にハノイがいるって、気づけただろうし、その時点で引き返せば大丈夫って思って、それでーーーーーー)






クロっち(あああ!??)


Ai(いや、その、以前の俺の嗅覚なら、ハノイの『におい』は、もっと高精度に嗅げたんだ)

Ai(それこそ、ハノイの『におい』が漂ってる電脳空間があれば、その入り口に差し掛かった時点で嗅げたんだ)

Ai(しかも、ハノイは基本的にデュエルプログラム持ってるから、絶対に『におい』は発生するし、持ってないハノイは脅威じゃない)

Ai(だから、以前の俺は、これから行く電脳空間にプログラム持ちがいれば、その入り口に差し掛かった時点で、『におい』でハノイの存在に気づけたんだ)

Ai(そんで、『におい』が漂ってきた時点で、引き返せば絶対に安全だと思ってた。だからリンクヴレインズに戻ってきたんだ)


Ai(ーーーだけど、今回は召喚されるまで、『におい』に気づけなかったんだ)

Ai(さっきわかったことだが、どうにも今の俺は嗅覚が落ちているみてーでな。今になって思えば、違うデータを無理やり繋ぎ合わせたことの影響だと思う)

Ai(それで、入り口に差し掛かった時点じゃ気づけなくてーーー)


Ai(目の前にあの仮面男が来た時も、相手が変な空気を漂わせているのに勘付くだけに留まって、それ以上気づけなかった)

Ai(だから、そのままリンクヴレインズにーーーーーー)






クロっち(………だから、なんだよ)

Ai「」ビクッ


クロっち(だから、私からネモのアバター奪って、やりたい放題したのか!? ふざけんな!!!)

Ai(お、俺にだって事情がーーー)


クロっち(事情があるなら、何やったって良いのかよ!?)

Ai「!」


クロっち(事情さえあれば、人の平穏を壊しても良いのかよ!?)

クロっち(人が大切にしているもの奪って、人を傷つけても良いのかよ!?)

クロっち(いったい、お前は、何の権利があって、そんな酷いことができるんだよ!)






Ai(ーーーーーーっ、!??!)


クロっち(………お前なんか、お前なんか、最低最悪のクソバカAIだ!)


Ai(お、俺………は…っっ、!?!?)


クロっち(………………くそっ! 向こうにあんなに手札あるんじゃ次で逆転されてもおかしくない! このままじゃマジで負けて記憶を………!)

クロっち(そうなったらーーーーーー)サアアッー



ハノイ(またしても長考か………1ターンに、1~2回ならまだしも、この頻度………再開したばかりとは困ったものだな………)






クロっち(………いや待て待て、落ち着け、冷静になれ。そもそも、記憶や廃人がどうのっていうのは、このクソバカAIが勝手に言ってるだけだ。本当にそうなる確証は無い)


Ai(………………………っ、)


クロっち(………だったら別に負けてもーーー)















クロっち(………だけど、もし本当にそうなったら?)

クロっち(負けて廃人になったらーーーどうなる?)






クロっち(………………また、ああなるのか? ………ぼ、ぼっちだった、あの頃………………いや、そうですら無い存在にーーー)ガクッ



ハノイ「………ん?」



クロっち(………ネットニュースの通りなら、目覚めることができなくなる。そうなったら、あいつやネモ、ヤンキーやガチレズさんとは、これからどうなるーーー)

クロっち(………もう、会えなくなるのか?)ガクガクッ


Ai(………えっ、あっ、)


クロっち(いや、ひょっとして、智くん、お母さん、お父さん、ゆうちゃんすらもーーー?)ガクガクガクッ



ハノイ(………何だ? 様子が変だぞ)



クロっち(今江先輩、きーちゃん、加藤さん、デコ、絵文字、あとコオロギにもーーー会えない?)ガクガクガクッ

クロっち(ーーーもう会えない? 記憶も、繋がりも、消える?)ガクガクガクガク


Ai(………お、おい?)



クロっち(何もかもがーーー消えるーーー?)ガクガクッガクガクッ






クロっち(ネモとの、約束でさえーーー)




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ネモっち「都合ついたら、またデュエルしよ? 今度は現実でさ」

クロっち「………おう!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





クロっち(ーーーーーーーーーーーーーーー)





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ネモっち「約束だよーーー!」ニコッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




クロっち(消え…る………?)






パリィンッ………!



クロっち(ーーーーーーーーーーーー嫌だ)

クロっち(嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)ガクガクッガクガクッガクガクッ



ハノイ「………おい、お前大丈夫かーーー」



クロっち(………絶対に嫌だ!!!)キッ



ハノイ(………今度は睨まれた? しかし何故ーーー)






Ai(お、落ち着け?! ひとまず冷静にーーー)


クロっち(………………悪かったな。フラグとか変な言いがかりつけて)


Ai「!?」


クロっち(向こうのライフと手札増やしちまったのも確かだ。本当に悪かった)


Ai「………………!」


クロっち(………デュエルが始まる直前にしたってそうだ。お前は、危険に気づいて、私を止めようとしたってのに、ヤケ起こして振り切っちまった)

クロっち(しかも、その前にはお前の過去をほじくり返すようなことまで言った………)


クロっち(誰にだって、知られたくないことはある………ネモにそう言ったばかりだってのに………)



クロっち(本当に………悪かった………)






Ai「………………」


クロっち(………だけど、それでも、これからもさっきみたいに協力してくれ! もし、プレミかまそうとしていたら止めてくれ!)

クロっち(素人の私がハノイを倒すには、どうしたってお前のカード知識が必要なんだ………!)


Ai「………!」


クロっち(お願いだから協力してくれ。でなきゃ、あのハノイに勝てない! 頼むーーー『Ai』!!)






Ai(ーーーーーーっ、)


Ai(………そうだな、『クロっち』!! 今は喧嘩なんてやってる場合じゃない。いま俺たちがやるべきことは、勝って逃げるための計算だけだ!!)


クロっち(………! ありがーーー)


Ai(………だが、一ついいか?)


クロっち(………?)


Ai(………巻き込んで、ごめん)


クロっち「!」






Ai(………クロっちの言う通りだった)

Ai(どんな理由があったって、平穏を壊して良いはずがねーんだ………)

Ai(傷つけたり、大切にしているものを奪うなんざ、ダメに決まってる………!)


Ai(俺はそのことを『知っていた』はずだってのに………)



Ai(本当、ごめんな………………っ、!!)






クロっち(………………Ai………)


Ai(もう、クロっちを俺の都合には、巻き込まないし、巻き込ませない………………)

Ai(いや、アバターから離れたり、クロっちの端末から出ることはできねーけど、それでも………………)


クロっち(………………)


Ai(………また時間取らせちまったな。本当にごめん)

Ai(そして、最後にーーーーーー)






Ai(俺からも、頼む)


クロっち「!」


Ai(あのハノイに勝つにはクロっちの協力が必要だ。だからーーー頼む)


クロっち「ーーーーーーーーーーーーーーー」






ハノイ「………おい、本当に大丈夫なのか? 無理なら別にサレンダーしてもーーー」



クロっち「………いえ、もう大丈夫です。ごめんなさい、待たせてしまって。今すぐ再開します」



ハノイ「………そうか? ならいいがーーー」



クロっち(やってやるーーー改めて頼むぞ、『Ai』!!)キッ

Ai(………こっちもだ、『クロっち』!!)






ハノイ(また睨んできたぞ、こいつ………)

ハノイ(………侮蔑や好奇の視線なら、このアバターじゃいつものことだがーーー睨むとは、どういうつもりだ?)

ハノイ(はっ………まさかーーー!?)















ハノイ(ーーー俺、割と、やべー奴に当たってしまったのではーーーーーー)



クロっち「私はバトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行!」

クロっち「カードを5枚セットしてターンエンドだ!」






ハノイ(………本当に何なんだこのチビは?)

ハノイ(燻んだ目でグダクダ悩んでいるかと思えば、顔を紅潮させ、さらには蒼白させる………)

ハノイ(挙げ句の果てには、ガタガタと震え、ガンを飛ばしてくる………ヤベー奴としか言いようがない)


ハノイ(………だが、まあいい。向こうがデュエルを再開すると言うのであれば、こちらもデュエルを続けるまでのこと)

ハノイ「………まず、俺はエンドフェイズ時に罠カード発動、《強制脱出装置》!」



クロっち「!?」



ハノイ「その効果で場のモンスターを1体選択して、手札に戻す!」

ハノイ「当然、俺は《始祖竜ワイアーム》を選択する!」






ビューンッ………



ワイアーム『ギャオオッ!?』



ドーンッ!



Ai(《始祖竜ワイアーム》の耐性はモンスター効果だけ。罠の効果は普通に効いちまう………)

クロっち「………融合モンスターは、手札に戻る場合、エクストラデッキに戻る………!」



ハノイ「ここでようやく、俺のターンが始まる、ドロー」

ハノイ「メインフェイズに移行。そして、永続罠、《竜星の極み》を墓地に送ることで、魔法カード、《マジック・プランター》を発動」

ハノイ「その効果で、デッキからカードを2枚ドローする」


ハノイ「魔法カード発動、《終わりの始まり》!」






ハノイ「このカードは、俺の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する時に発動可能!」

ハノイ「そして、墓地の闇属性モンスターを5体除外することで、デッキからカードを3枚ドローする!」

ハノイ「俺の墓地に闇属性モンスターは10体存在しているため、条件は満たしている!」

ハノイ「そのうち、《インヴェルズの門番》《インヴェルズの歩哨》《暗黒界の狩人 ブラウ》と2体の《クリッター》の計5体を除外し、3枚ドローする!」


ハノイ「そして、魔法カード発動、《悪夢再び》!」



Ai「!」






ハノイ「その効果で墓地から守備力ゼロの闇属性モンスター2体を手札に加える!」

ハノイ「俺は《インヴェルズ・ガザス》と《インヴェルズの魔細胞》を手札にーーー」



Ai(おい、クロっち! 手札のこれをチェーン発動してくれ!)

クロっち(えっ、なんで今ーーー)

Ai(頼むからやってくれ! 効果処理が始まっちまう!)

クロっち(………わかった!)「手札から《増殖するG》を捨てて、その効果を発動!」






ハノイ「!」



クロっち「逆順処理だ。まずは《増殖するG》の効果が適用される!」

クロっち「このターン、相手が特殊召喚に成功するたびに、私はデッキからカードを1枚ドローする!」



ハノイ「………次に《悪夢再び》の効果が適用される。俺は《インヴェルズ・ガザス》と《インヴェルズの魔細胞》を手札に加える」

ハノイ「そして、手札に加えた《インヴェルズの魔細胞》の効果、このカードは自分の場にモンスターが存在しない時、手札から特殊召喚できる!」

ハノイ「来い、《インヴェルズの魔細胞》!」






魔細胞『………』ATK0→0



もこっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」

Ai(よしっ、ドロー1枚貰ったぜ!)



ハノイ「《インヴェルズの魔細胞》の特殊召喚はチェーンブロックを作らない………」

ハノイ「特殊召喚前に《増殖するG》を発動しなければ、このドローはなかった。なかなかやるじゃないか」



クロっち(そっか、だからAiの奴、さっきあの指示を………)


クロっち(………ありがとな)

Ai(………へへっ、そうだ! 俺はスゲーんだぞー! もっと褒めろ褒めろ~~!)ニヘラ


クロっち(こういうところがなきゃあなあ………)

Ai(なんか言ったか?)

クロっち(………いーからデュエルに集中すんぞ! モタついてる内に次のプレイングがーーー)



ハノイ「無論、これで終わりではない。俺は2体目の《インヴェルズの門番》を召喚!」






門番『………』ATK1500→1900



ハノイ「そして、《インヴェルズの門番》の効果! このターン、通常召喚に加えて『インヴェルズ』モンスターのアドバンス召喚を行える!」



クロっち「!?」



ハノイ「これより俺は《インヴェルズの魔細胞》と《インヴェルズの門番》をリリースし、最上級モンスターをアドバンス召喚する!」

ハノイ「出でよ、《インヴェルズ・ガザス》!」






ガザス『GYAAAA!!』ATK2800→0



クロっち(《おジャマ・カントリー》で攻撃力はゼロに………だがあれは最上級モンスター………!)

Ai(確かあのモンスターの効果はーーー)



ハノイ「召喚成功時、《インヴェルズ・ガザス》の効果発動!」

ハノイ「場の魔法・罠カードを全て破壊する!」



クロっち「!」



ガザス『GYAAAAAA!』



ドドドドッ………!



ハノイ「これで貴様の魔法・罠は全滅だ!」






クロっち「タダじゃやられない! 《インヴェルズ・ガザス》の効果にチェーンして、速攻魔法発動、《瞬間融合》!」



ハノイ「っ、だったら、それにチェーンして永続罠、《群雄割拠》を発動!」



クロっち「っ、ならこっちもチェーンして、《貪欲な瓶》《ダメージ・ダイエット》、そして場の4枚のカードを墓地に送ることで、《非常食》を発動!」



ガザス『GYAAAAAAAAAAAAA!!』ATK0→2800

イエロー『ヘッ?』ATK1000→0
グリーン『ンア?』ATK1000→0
ブラック『ウアー?』ATK1000→0



クロっち「逆順処理だ! まずは《非常食》の効果! 自分の場の魔法・罠カードを墓地に送り、その枚数×1000ポイント、ライフを回復する!」

クロっち「私が墓地に送ったのは《瞬間融合》《ダメージ・ダイエット》《貪欲な瓶》《おジャマ・カントリー》の4枚!」

クロっち「したがって、その数×1000、つまり4000ポイントのライフを回復する!」LP4000→8000



ハノイ「だが、《おジャマ・カントリー》が消えたことで、場のモンスターの攻守は全て元に戻ったな」ニヤリ






クロっち「それがどうした! 次は《ダメージ・ダイエット》の効果! このターン、私が受けるダメージは全て半分となる!」

クロっち「そのまた次に《貪欲な瓶》の効果! 私の墓地のカード5枚を選択してデッキに戻し1枚ドローする!」

クロっち「私は墓地の《おジャマジック》3枚と《闇の量産工場》《貪欲な壺》の計5枚をデッキに戻して、1枚ドロー!」



ハノイ「ならば、さらに次に《群雄割拠》の効果が適用される! お互いにモンスターは一種族しか場に出すことはできない!」

ハノイ「そして、貴様の場の『おジャマ』は全て獣族、《始祖竜ワイアーム》はドラゴン族!」

ハノイ「これで貴様は《始祖竜ワイアーム》を融合召喚することは不可能となった! 」



クロっち「だったら、《瞬間融合》の効果! 場の獣族モンスター、おジャマ三兄弟を融合し、同じく獣族、《おジャマ・キング》を融合召喚する!」

Ai(ユー! ゴー!)

クロっち「出でよ、《おジャマ・キング》!」






キング『オジャッ!』DEF3000



クロっち「この瞬間、《おジャマ・キング》の効果! 相手モンスターゾーンを三箇所使用不能にする!」



キング『オジャオジャ』ポンポンポンッ



ハノイ「最後に《インヴェルズ・ガザス》の効果! 場の魔法・罠を全て破壊する!」



ドドドドッ………バリーンッバリーンッ!!



クロっち「この瞬間、破壊された《運命の発掘》の効果発動!」

クロっち「その効果で、墓地の《運命の発掘》の数と同じ枚数分のカードをドローする!」

クロっち「墓地の《運命の発掘》は2枚! したがって、2枚ドロー!」






Ai(よしっ、これで、かなり持ち堪えられるようになったな!)

クロっち(………確かに、このターン、私が受けるダメージは半減し、手札とライフは大幅に増加した)

クロっち(だが、油断はできない。向こうにも充分な数の手札があるんだ。これから何をされるかーーー)



ハノイ「永続魔法、《王家の神殿》を発動」

ハノイ「その効果で、俺はこのターン、一度だけ、罠カードを伏せたターンに発動できる」

ハノイ「さらに、カードを1枚セットし、2枚目の《カップ・オブ・エース》を発動!」






クロっち(なっ、またギャンブルか!?)

Ai(へっ、あんなマグレがもう一度起きてたまるかよ。ハズレに決まってるぜ)

クロっち「………」



ハノイ「コイントス!」ピーン



チャリーンッ



(裏)



ハノイ「結果は裏だ。したがって、貴様が2枚ドローする」



クロっち「………2枚ドロー」






Ai(はっ、確証も無いギャンブルなんかに頼ってるから、そうなるんだよ! ざまあみやがれ!)



ハノイ「この瞬間、永続罠、《便乗》を発動!」



クロっち「!?」

Ai(あっ、)



ハノイ「このカードは、相手がドローフェイズ以外にドローした時に発動できる!」

ハノイ「そして、場にこのカードが存在する限り、相手がドローフェイズ以外にドローするたびに、俺はカードを2枚ドローする!」






Ai(ま、まずい………この流れは………)



ハノイ「3枚目の《カップ・オブ・エース》を発動! コイントス!」ピーン



チャリーンッ



(裏)



ハノイ「結果は裏だ。したがって、貴様が2枚ドローする」



クロっち「………2枚ドロー」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」






ハノイ「さらに、速攻魔法、《手札断殺》を発動! お互いに手札を2枚墓地に送ることで、お互いに2枚ドローする!」

ハノイ「俺は《ADチェンジャー》と《ツインツイスター》を墓地に送ることで2枚ドロー!」



クロっち「………《おジャマジック》と《Cークラッシュ・ワイバーン》を墓地に送ることで2枚ドロー」



ハノイ「この瞬間、相手がドローフェイズ以外にドローしたことで、《便乗》の効果! 2枚ドロー!」



クロっち「くっ、だが《おジャマジック》が手札から墓地に送られたことで、デッキからおジャマ三兄弟を手札に加える!」



ハノイ「構わん! 俺は2枚目の《手札断殺》を発動! 2体目の《インヴェルズ・ギラファ》と《シャッフル・リボーン》を墓地に送り、2枚ドロー!」



クロっち「《置換融合》と《スキル・プリズナー》を墓地に送り、2枚ドロー!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」






ハノイ「さらに、《暗黒界の取引》を発動! お互いにデッキからカードを1枚ドローし、その後、お互いに手札を1枚捨てる!」

ハノイ「俺はドロー後に2枚目の《ツインツイスター》を捨てる!」



クロっち「私は《ギャラクシー・サイクロン》を捨てる!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」


ハノイ「まだまだあ! 2枚目の《暗黒界の取引》を発動!」

ハノイ「お互いにデッキからカードを1枚ドローし、その後、お互いに手札を1枚捨てる!」

ハノイ「俺は《彼岸の悪鬼 アリキーノ》を捨てる!」






Ai(っ、あのカードは………!)

クロっち「なら私は《強制転移》を捨てる!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」


ハノイ「そして、墓地に送られた《彼岸の悪鬼 アリキーノ》の効果発動!」

ハノイ「相手モンスターを1体選択し、その効果を無効にする!」

ハノイ「俺は《おジャマ・キング》の効果を無効にする!」






ミュオオ~ン………………



キング『オジャ?』キョトン



クロっち「っ、」



ハノイ「これでモンスターゾーンの封鎖は解かれた!」

ハノイ「さらに、墓地の《シャッフル・リボーン》を除外して、その効果を発動! 俺の場のカード、《王家の神殿》をデッキに戻して1枚ドロー!」



今はここまで

ちなみにこの作品世界ではメインデッキ枚数に制限はありません(エクストラは15枚制限あるけど)

なので、デッキ枚数が61枚以上になっても気にしない方向でお願いします




Ai(これで、ハノイの手札は14枚………嫌な予感しかしねえ………)



ハノイ「まずは、墓地の《ADチェンジャー》を除外し、その効果を発動!」

ハノイ「そして、それにチェーンして速攻魔法、《ハーフ・シャット》を発動!」



クロっち(このタイミングでーーー)

Ai(まさかーーー)






ハノイ「さらに、チェーンして速攻魔法、《サモン・チェーン》! さらにチェーンしてを《奇跡の蘇生》を発動だ!」



クロっち「!」

Ai(やっぱりかーーー!!)



ハノイ「逆順処理だ! まずは《奇跡の蘇生》の効果! このカードはチェーン4以降でのみ発動可能!」

ハノイ「そして、その効果で墓地からモンスターを1体特殊召喚する!」

ハノイ「俺は墓地から《インヴェルズの門番》を特殊召喚!」

ハノイ「来い、《インヴェルズの門番》!」






門番『………』ATK1500



クロっち「………《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」


ハノイ「《便乗》の効果で2枚ドロー!」


ハノイ「次に《サモン・チェーン》の効果! このカードはチェーン3以降でのみ発動可能!」

ハノイ「そして、このターン、俺は3回の通常召喚を行える!」

ハノイ「そのまた次に《ハーフ・シャット》の効果! モンスターを1体選択し、そのモンスターの攻撃力を半分にする!」

ハノイ「さらに、そのモンスターはこのターン、戦闘では破壊されない!」

ハノイ「俺は《おジャマ・キング》を選択し、その攻撃力を半分にする!」



バシュッ



キング『オジャッ?』ATK0→0



ハノイ「もっとも、《おジャマ・キング》の攻撃力はゼロなので、半分にした場合でもゼロのままだがーーー何の問題も無い」ニヤリ






クロっち「………」



ハノイ「最後に《ADチェンジャー》の効果! モンスターを選択し、表示形式を変更する!」

ハノイ「当然、俺は《おジャマ・キング》を攻撃表示に変更する!」



チェンジャー『………』クイッ

キング『………オジャッ!?』DEF3000→ATK0



Ai「………」



ハノイ「これで《おジャマ・キング》は攻撃表示で棒立ちとなり、戦闘破壊耐性が与えられたことでサンドバッグにすることが可能となった!」


ハノイ「行くぞ! 俺は《サモン・チェーン》で得た3回目の召喚権を行使し、アドバンス召喚を行う!」

ハノイ「俺は《インヴェルズの門番》をリリースしーーー」

ハノイ「出でよ、《インヴェルズ・マディス》!」





マディス『GYOOO!!』ATK2200



Ai(来やがったな、マディス! あ、ちなみにこいつも守備力ゼロな)

クロっち(サンキュ、そんで効果は?)

Ai(それはーーーーーー)



ハノイ「召喚成功時、ライフを1000支払うことで、《インヴェルズ・マディス》の効果発動!」LP9000→8000

ハノイ「『インヴェルズ』モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、墓地の『インヴェルズ』モンスターを1体選択し、墓地から特殊召喚する!」

ハノイ「来い、《インヴェルズの先鋭》!」






先鋭『ケヒヒッ』ATK1850



クロっち(釣り上げ効果か………だが利用させて貰う!)

クロっち「この瞬間、《増殖するG》の効果で1枚ドロー!」



ハノイ「ならば、この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」


ハノイ「そして、永続魔法、《一族の結束》を発動!」

ハノイ「このカードが俺の場に存在し、俺の墓地のモンスターの種族が一種類のみの場合、俺の場にその種族と同じ種族のモンスターがいれば、そのモンスターの攻撃力は800ポイントアップする!」

ハノイ「俺の墓地、フィールドは、どちらも悪魔族一種類のみ! したがって、俺の場のモンスターたちの攻撃力は800ポイントアップ!」






ガザス『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』ATK2800→3600
マディス『GYOOOOOOOOOOOOOOOO!!』ATK2200→3000
先鋭『ケーヒッヒ!』ATK1850→2650


Ai(あんにゃろ、一気に俺たちのライフを削る気だな)

クロっち「………」



ハノイ「さらに、フィールド魔法、《真帝王領域》を発動!」



Ai「なっ、!?」

クロっち(あのカードは………)



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………!!



ハノイ「《真帝王領域》の効果! 俺のエクストラデッキにカードが存在せず、なおかつ俺の場にのみアドバンス召喚したモンスターが存在する場合、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない!」



クロっち「………」



ハノイ「【おジャマ】でエクストラからモンスターを出せなければ、選択肢は大幅に狭まる! これで貴様のデッキ戦略は破壊されたも同然だ!」






Ai(………ふーんだ、確かに厄介な効果だけど、こっちの墓地には《ギャラクシー・サイクロン》があるもんねー)

Ai(次のターン、それで《真帝王領域》を破壊してやんよ)ニヤニヤ

クロっち「………」



ハノイ「貴様、墓地の《ギャラクシー・サイクロン》で《真帝王領域》を破壊するとか考えているだろう?」



クロっち「!」

Ai(ドキッ、な、なんのことかな!?)



ハノイ「そのくらいお見通しだ! 魔法カード発動、《魂の解放》!」






クロっち(Ai)「!?」



ハノイ「その効果で俺は墓地のカードを5枚選択してゲームから除外する!」

ハノイ「俺は貴様の墓地に存在する《光の護封霊剣》《スキル・プリズナー》《Bーバスター・ドレイク》《Cークラッシュ・ワイバーン》、そして《ギャラクシー・サイクロン》の計5枚をゲームから除外する!」



クロっち「っ、だったら、それにチェーンして、対象となった《光の護封霊剣》を除外し、その効果発動!」

クロっち「このターン、相手モンスターのダイレクトアタックを封じる!」

ハノイ「だが、対象のうち1枚が除外されても、残りは問題なく除外される。貴様の《ギャラクシー・サイクロン》には墓地から消えて貰う!」



クロっち「くっ………!」






Ai(ああっ、俺たちの《ギャラクシー・サイクロン》が~~)

クロっち(しかも、マグネットモンスターまで除外されたせいで、このデュエル中、《ABCードラゴン・バスター》を出せなくなった………)

クロっち(おジャマと同じで2~3積みならともかく、ピン積みだからな………帰還させる手段もねえし………クソッ、)



ハノイ「さらに、永続魔法、《禁止令》を発動」






クロっち(Ai)「!?」



ハノイ「その効果でカード名を宣言する。そして、このカードが場に存在する限り、宣言したカードをプレイすることはできない」

ハノイ「宣言するカードは、そうだな………《オネスト》を選択しよう!」



Ai(なっ!?)

クロっち「ぐっ、」(フラグは立ってなかったはずなのに………!!)チラッ

《オネスト》
《オネスト》
《オネスト》






ハノイ「………その様子だと手札にいるようだな」


クロっち「っ、」(しまった!)

Ai(まずい、本格的にヤバくなってきやがった………!)

クロっち「~~~~っ、」



ハノイ(くくっ、なんだ………わけのわからん奴かと思えば、中々どうして、わかりやすいところもあるじゃないか)

ハノイ(しかも、あの狼狽えようから察するに、他に発動可能な手札誘発は握っていないーーーならば!)






ハノイ「俺はメインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行!」

ハノイ「バトル! 俺は《インヴェルズ・ガザス》で《おジャマ・キング》に攻撃!」

ハノイ「そして、ダメージ計算時、《真帝王領域》の効果! アドバンス召喚したモンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算時のみ攻撃力は800ポイントアップする!」

ハノイ「やれ、《インヴェルズ・ガザス》!」



ガザス『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』ATK3600→4400



バキィッ!!



キング『オジャーッ!?』ATK0



ドーンッ!



クロっち「ダ、《ダメージ・ダイエット》の効果で受けるダメージを半分にする!」

クロっち(Ai)「ぐううっ!」LP8000→5800






クロっち(………って、アレ? 全然痛くない………?)

クロっち(確かハノイのデュエルはダメージが現実化するんじゃーーー)

Ai(あー、どうも今回は仕事じゃないみてーだから、衝撃増幅モードをオフにでもしてんだろうぜ)

クロっち(ああ、なるほどーーーまあ、衝撃増幅なんてしたら、自分がハノイだって明かしているようなもんだしな。痛くしないのは当然ーーーーーー)



ハノイ「さっきも説明したが、《おジャマ・キング》は《ハーフ・シャット》の効果で、このターン中は戦闘破壊されない!」

ハノイ「お楽しみは(サンドバッグ)はこれからだ!」






クロっち「っ………!?」

Ai(あわわ………! そうだった。まだ攻撃がーーー)



ハノイ「続いて、《インヴェルズ・マディス》で《おジャマ・キング》に攻撃!」

ハノイ「そして、ダメージ計算時、《真帝王領域》の効果! 800ポイントアップ!」



マディス『GYOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』ATK3000→3800



バキィッ!!



キング『オジャバーッ!?』ATK0



ドテーンッ!



クロっち(Ai)「ぐあっ!」LP5800→3900



ハノイ「これで最後! 《インヴェルズの先鋭》で《おジャマ・キング》を攻撃!」



先鋭『キヒヒーーヒッー!』ATK2650



バキィッ!



キング『オジャジャーーッ!?』ATK0



ドッターンッ!



クロっち(Ai)「ぐぐっ!」LP3900→2575






クロっち(………ううっ、痛くないけど怖えーわ、やっぱ………!)

Ai(しかも、相手はハノイだしな………ぶっちゃけ、俺も怖えーわ………)



ハノイ(………今回はダメージが現実化していないはずだが、あの反応ーーーーーー再開したばかりの素人じゃそうもなるか)

ハノイ「まあいい。ならば、これよりバトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行!」

ハノイ「まずは、《インヴェルズ・ガザス》をリリースすることで、速攻魔法、《神秘の中華なべ》を発動!」

ハノイ「また、それにチェーンして、3枚のカードを墓地に送り、《非常食》を発動する!」



ガザス『GYA!?』ヒューン

マディス『GYO?』ATK3000→2200
先鋭『キヒヒー?』ATK2650→1850



ハノイ「逆順処理だ! まずは《非常食》の効果! 《禁止令》《一族の結束》《神秘の中華なべ》の3枚を墓地に送ることで、3000ポイント、ライフを回復!」LP8000→11000



Ai(自分から《禁止令》を解除した!?)

クロっち(つまりそれはーーーーーー)






ハノイ「次に《神秘の中華なべ》の効果! リリースした《インヴェルズ・ガザス》の攻撃力、つまり3600ポイント、ライフを回復する!」LP11000→14600


ハノイ「これで発動条件は満たした! 俺の墓地に闇属性モンスターが7体存在することによって、2枚目の《終わりの始まり》を発動!」

ハノイ「墓地の闇属性モンスター、《インヴェルズ・ギラファ》2体と《インヴェルズの門番》《彼岸の悪鬼アリキーノ》《怨邪帝ガイウス》の計5体を除外することで3枚ドローする!」


ハノイ「さらに、2枚目の《悪夢再び》を発動!」

ハノイ「その効果で墓地の《インヴェルズ・ガザス》と《インヴェルズの魔細胞》を手札に加える!」


ハノイ「そして、カードを3枚セットしてーーー魔法カード、《手札抹殺》を発動!」






Ai(げげっ!?)

クロっち(やっぱり来やがったか!)



ハノイ「お互いに手札を全て捨てることで、捨てた枚数と同じ枚数のカードをお互いにドローする!」

ハノイ「俺は手札を7枚捨てて、7枚ドロー!」



クロっち「………16枚捨てて16枚ドローだ!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」






ハノイ「どれどれ、貴様の墓地に捨てられたカードは………」ピッ



クロっち「………」ピッ









クロっち(………あいつ、《ゾンビキャリア》と《スキル・サクセサー》を墓地に送りやがったか………)



ハノイ「………ふはは! まさか《オネスト》が3枚も手札にあったとはな!」

ハノイ「他にはもう1枚の《強制転移》に、《サイクロン》《ハーピィの羽箒》と………くくっ、悪くないハンデスだ!」



Ai(あんにゃろ、よくもーーー)



ハノイ「ならば予定通り、伏せた2枚目の《魂の解放》を発動!」






クロっち(Ai)「?!」



ハノイ「《手札抹殺》で墓地に捨てられた《オネスト》3枚と、同じく墓地に捨てられた《ギャラクシー・サイクロン》2枚を除外する!」

ハノイ「これで《オネスト》が再利用される可能性は無いも同然!」ニヤリ



クロっち(くっ、)

Ai(しかも、さりげなく《ギャラクシー・サイクロン》まで除外しやがって! どこまで追い込む気だあいつ!)






ハノイ「そして、3枚目の《暗黒界の取引》を発動!」

ハノイ「お互いにカードを1枚ドローし、その後、お互いに手札を1枚捨てる!」

ハノイ「俺は《インヴェルズを呼ぶ者》を捨てる!」



クロっち「………私は《おジャマ・ブルー》を捨てる」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果! 2枚ドロー!」


ハノイ「さらに、魔法カード、《マジック・ガードナー》を発動!」



Ai(!?)






クロっち(何だ、あのカード?)

Ai(あのカードはーーー)



ハノイ「《マジック・ガードナー》の効果! 自分の場に表側表示で存在する魔法カード1枚を選択し、カウンターを1つ置く!」

ハノイ「当然、俺は《真帝王領域》を選択し、1つカウンターを置く!」



ピピーンッ



ハノイ「そして、そのカウンターが置かれているカードが破壊される場合、代わりにカウンターを1つ取り除く!」



クロっち(なにィ!!?)



ハノイ「ふははは、これで《真帝王領域》の除去から一歩遠ざかったな!」



クロっち「くっ………!?」






ハノイ「カードを2枚セットし、エンドフェイズに移行!」

ハノイ「そして、エンドフェイズ、《瞬間融合》の効果で融合召喚された《おジャマ・キング》は破壊される!」



キング『オジャーッ!?』ピカーッ



ドガーンッ!



クロっち(っ、キングが………!)



ハノイ「さらに、《シャッフル・リボーン》のデメリット効果で手札を1枚除外する。俺は2枚目の《怨邪帝ガイウス》を除外」

ハノイ「これでターンエンド。さあ、次は貴様のターンだ」



今日はここまで

ちなみに作品の内容に気になる点があれば、遠慮なく質問して大丈夫です。

ネタバレにならない範囲で答えたく思います。

投下します




クロっち「私のターン、ドロー!」


クロっち(………この手札ならいけるか、だがその前にーーー)

クロっち(なあ、Ai)

Ai(ん? どうかしたか?)

クロっち(いやほら、お前さ、【インヴェルズ】使いのハノイとプレイメーカーのデュエル動画見てたんだろ?)

Ai(ん、いや、まあ、そうだが………)

クロっち(じゃあ、その中で倒すのに役立つような情報とかあったりはーーー)


Ai(………あー、あいにくだけど、そういうのはねーかな………)

クロっち(えっ、なんでだよ?)

Ai(その動画じゃ、そいつ手札事故起こして、プレイメーカーに1体のモンスターでワンキルされたんだよ)

クロっち(マジか)

Ai(マジなんだな、これが。だからこれといった情報は無いんだよな。すまん)

クロっち(………だったら、しゃーないか)


クロっち(………まあそれ以前に、その手札事故起こしたハノイが、このデッキぶん回しハノイと同じとは限らねえしな)






クロっち(なら予定通りに行くとするかーーー)



ハノイ(………また長考か? もっとも、今回は目が燻んでいないようだがーーー)



クロっち「いくぞ! 私は手札の《おジャマ・ブルー》を捨てることで、速攻魔法、《ツインツイスター》を発動!」

クロっち「その効果で《真帝王領域》と伏せカード1枚を破壊する!」



ビュウウーーッ………



ハノイ「やらせん! 手札の魔法カード、《テラ・フォーミング》を捨てることで、カウンター罠、《封魔の呪印》を発動!」



クロっち「!」



ハノイ「その効果で《ツインツイスター》の発動を無効にして破壊する!」



ビュウウーーシュウウンッ………



ハノイ「また、このデュエル中、貴様は《ツインツイスター》を発動することができなくなる」ニヤリ






Ai(………これで残りの《ツインツイスター》が使えなくなっちまった………)


クロっち(………だが、そのくらい読めてないとでも思ったか! ここからが本番だ!)


クロっち「2枚目の《トライワイトゾーン》を発動!」

クロっち「その効果で墓地からレベル2以下の通常モンスター3体を特殊召喚する!」

クロっち「来い、おジャマ三兄弟!」



イエロー&グリーン&ブラック『『『イエー!!』』』ATK0 ×3



クロっち「さらに、魔法カード発動、《おジャマ・デルタハリケーン!》」

クロっち「その効果で相手の場のカードを全て破壊する!」






ゴオオオオオオオオーーーーーーーーーーー



ハノイ(なるほどな。アドバンス召喚したモンスターが全て破壊されたが最後、《真帝王領域》の効果は無効になる)

ハノイ(単純な手ではあるが、それ故に効果的だ)



クロっち「やれ、三兄弟! 必殺! おジャマ・デルタハリケーーー」



ハノイ「だが、やらせはせん! 手札の魔法カード、《ソウル・チャージ》を捨てることで、2枚目の《封魔の呪印》を発動!」



Ai(ファッ!?)

クロっち「に、2枚目だとお!?」



ハノイ「その効果で《おジャマ・デルタハリケーン!》の発動を無効にして破壊する!」



ゴオオオーーーーーーシュウウンッ……………



ハノイ「また、このデュエル中、お前は《おジャマ・デルタハリケーン!》を発動することができなくなる!」ニヤリ






Ai(おいおい、これで残りの《おジャマ・デルタハリケーン!》も使えなくなったぞ! ガチでやべーぞこれ!)

クロっち(いや、まだだ………まだ手は残されている!)


クロっち(………だが、そのためには、また奴に手札をーーー)

Ai(………気にすんな、クロっち。今の手札じゃロクに動けねえ。だったら、やるしかねえさ)

クロっち(………そうか、なら遠慮しねえぞ!)


クロっち「私の場の通常モンスター、《おジャマ・イエロー》を墓地に送ることで、2枚目の《馬の骨の対価》を発動!」






イエロー『イヤン』ヒューン



クロっち「その効果でデッキからカードを2枚ドローする!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果! 2枚ドロー!」



クロっち「2枚目の《貪欲な壺》を発動!」






クロっち「その効果で墓地の《サンダー・ドラゴン》3体と《サイバー・ドラゴン》《増殖するG》の計5体をデッキに戻して、デッキからカードを2枚ドローする!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」



クロっち「もう一丁! 《貪欲な壺》!」


クロっち「その効果で墓地の《バトル・フェーダー》《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》と《おジャマ・ブルー》2体の計5体をデッキに戻して、デッキからカードを2枚ドローする!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果で2枚ドロー!」






クロっち「………よしっ、まずはドローし直した《サンダー・ドラゴン》を捨てて、その効果発動! デッキから2体の《サンダー・ドラゴン》を手札に加える!」


クロっち「そして、《おジャマ・グリーン》をリリースし、《サイバー・ドラゴン》をアドバンス召喚! 」



サイバー・ドラゴン『………』ATK2100



ハノイ「!」



Ai(へへっ、《真帝王領域》の効果は、コントローラーの場にのみアドバンス召喚したモンスターが存在する時に適用される効果!)

Ai(アドバンス召喚モンスターが俺たちの場にもいれば、適用されることは無い! これでーーー)



ハノイ「させん! 召喚成功時に罠カード発動、《奈落の落とし穴》!」






クロっち(Ai)「!」



ハノイ「このカードは、相手が攻撃力1500以上のモンスターを、召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動可能!」

ハノイ「その攻撃力1500以上のモンスターを破壊して除外する! 《サイバー・ドラゴン》には奈落へと消えて貰うぞ!」



ズルズル………



サイバー・ドラゴン『………』



………ドボンッ!



ドガーンッ!






ハノイ「これで《真帝王領域》の効果は有効のまま。残念だったな」



クロっち(Ai)「それはどうかな?」



ハノイ「何!?」



クロっち「策は何重に講じておくもんだ!まずは、3枚目の《トライワイトゾーン》を発動!」

クロっち「そして、それにチェーンして、手札の『おジャマ』カード、《おジャマジック》を墓地に送ることで速攻魔法、《おジャマッチング》を発動!」



ハノイ「なっ、《おジャマッチング》だと!?」



クロっち「逆順処理だ! まずは《おジャマッチング》の効果! デッキから《おジャマ・ブルー》と《アームド・ドラゴン LV5》を手札に加える!」

クロっち「その後、手札に加えたモンスターを1体召喚することができる!」

クロっち「私は場の《おジャマ・ブラック》をリリースし、手札に加えた《アームド・ドラゴン LV5》をアドバンス召喚する!」

クロっち「来い、《アームド・ドラゴン LV5》!」






アームドLV5『グオガアア!』ATK2300



ハノイ「ぐっ、貴様ーーー」



クロっち「わかっているとは思うが、この召喚に対し、『召喚に成功した時に発動できる』カードを、発動することはできない!」

Ai(そう、《奈落の落とし穴》みてーな召喚成功時に発動できる任意効果は、チェーン2以降に行われた召喚には発動できねえ! タイミングを逃しているからなあ!)



クロっち「私の場にもアドバンス召喚モンスターが存在することにより、《真帝王領域》のエクストラ封殺効果は無効! これで、再び融合召喚が可能となる!」



ハノイ(やってくれるな………!)



クロっち「そして、次に《トライワイトゾーン》の効果! 墓地からおジャマ三兄弟を特殊召喚する!」

クロっち「来い、おジャマ三兄弟!」






イエロー&グリーン&ブラック『『『ヒャハー!!』』』ATK0 ×3



クロっち「その後、墓地に送られた《おジャマジック》の効果発動! デッキからおジャマ三兄弟を手札に加える!」


クロっち「さらに、《おジャマ・ブラック》を墓地に送ることで、3枚目の《馬の骨の対価》を発動!」



ブラック『アア~』ヒューン



クロっち「その効果で、2枚ドロー!」



ハノイ「この瞬間、《便乗》の効果! 2枚ドロー!」






クロっち「さらにさらに、2枚目の《闇の量産工場》を発動だあ!」

クロっち「墓地の通常モンスター、《おジャマ・ブラック》 2体を手札に加える!」


クロっち「そして、ドローし直した《融合》を発動!」

クロっち「手札の通常モンスター、《おジャマ・ブラック》2体で融合!」

クロっち「融合召喚! 2体目の《始祖竜ワイアーム》!」






ワイアーム『ギャオオッ!』ATK2700



ハノイ「またそいつを出すとはな………だがまだまだ甘いな! 2枚目の《奈落の落とし穴》を発動!」



クロっち「!」



ハノイ「融合召喚を封じきれぬのなら、融合モンスターを直接手にかけるまで! 《始祖竜ワイアーム》には消えて貰う!」



ズルズル………



クロっち「読み通り! チェーンして速攻魔法、《融合解除》を発動!」



ハノイ「!?」



クロっち「その効果で、場の融合モンスター1体をエクストラデッキに戻す!」

クロっち「そして、そのモンスターの融合素材が自分の墓地に存在する場合、その一組を墓地から特殊召喚する!」

クロっち「私は《始祖竜ワイアーム》をエクストラデッキに戻し、その融合素材として墓地に送られた《おジャマ・ブラック》2体を特殊召喚する!」






ワイアーム『………』ヒューン



ポンッポンッ



ブラック×2『『ワワーイ!』』ATK0



ハノイ「っ、………最後に《奈落の落とし穴》の効果処理が行われるがーーー攻撃力1500以上のモンスターがいないため、不発となる」ギリッ



ズルズル………シュウッ……



クロっち「その通り! そして、お次は2枚目の《融合》発動だ!」

クロっち「私の場の通常モンスター、《おジャマ・ブラック》と手札の《おジャマ・ブラック》で融合!」

クロっち「融合召喚! 3度目! 《始祖竜ワイアーム》!」







ワイアーム『ギャオオッ!』ATK2700



ハノイ「ちいっ………!」



クロっち「2枚目の《おジャマ・カントリー》を発動!」

クロっち「この瞬間、《おジャマ・カントリー》の効果! 場に『おジャマ』モンスターがいる時、フィールド上の全てモンスターの元々の攻守は逆転する!」



ワイアーム『ギャオ………』ATK2700→2000
アームドLV5『グオガ?』ATK2300→1700

イエロー『フッフーン!』ATK0→1000
グリーン『ヒーハーッ!』ATK0→1000
ブラック『フヒャハア!』ATK0→1000


マディス『GYOOO………GYO?』ATK2200→0
先鋭『………』ATK1850→0






ハノイ「ぬうっ、また攻撃力ゼロだと!?」



クロっち「そして、手札の《おジャマ・ブルー》を捨てることで、《アームド・ドラゴン LV5》の効果発動!」

クロっち「捨てたモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ相手モンスター1体を選択して破壊する!」



ハノイ「攻撃力………以下だと!?」



クロっち「捨てた《おジャマ・ブルー》の攻撃力はゼロだが、現在お前の場のモンスターは全て攻撃力ゼロ! したがって、問題なく破壊できる!」

クロっち「私は《インヴェルズの先鋭》を選択して破壊する! デストロイド・パイル!」



アームドLV5『グオガァッ!』ドオンッ

先鋭『ケヒヒーーッ!?』ドガッ



ドガーンッ!






ハノイ「くっ、《インヴェルズの先鋭》が墓地に送られたことで、その効果が《始祖竜ワイアーム》を対象に発動するがーーー」



クロっち「意味をなさない! 《始祖竜ワイアーム》はモンスター効果を受けない!」



ワイアーム『ギャオオオ!』ピカーンッ



クロっち「さらに、2枚目の《融合回収》を発動!」

クロっち「その効果で、墓地の《おジャマ・ブラック》と《融合》を手札に加える!」


クロっち「そして、ここいらで手札交換させて貰う! 2枚目の《打ち出の小槌》発動!」

クロっち「その効果で、手札を9枚戻して9枚ドロー!」






ハノイ「《便乗》の効果で2枚ドロー!」



クロっち「なら、墓地の《置換融合》を除外し、その効果を発動!」

クロっち「墓地の融合モンスター、《始祖竜ワイアーム》をエクストラデッキに戻すことで、デッキからカードを1枚ドローする!」



ハノイ「《便乗》の効果でーーー」



クロっち「させるか! 《置換融合》の発動にチェーンして、速攻魔法、《サイクロン》発動!」



ハノイ「!?」



クロっち「その効果で、《便乗》を破壊する!」






ヒューウウウッ………バリーンッ!



ハノイ「くっ、」



クロっち「これで、お前はもうこのターン、私に《便乗》してドローすることはできない!」



ハノイ「本当にやってくれるな、貴様………!」



クロっち「そして、《置換融合》の効果で1枚ドロー!」






クロっち(ーーーーーーと、啖呵切ったは良いが、この手札じゃ結局このターン中には倒せそうにないーーーなら!)


クロっち「私は手札の《おジャマ・デルタハリケーン!》を捨てることで、《おジャマ・カントリー》の効果発動!」

クロっち「墓地から《おジャマ・キング》を特殊召喚する!」

クロっち「復活しろ、《おジャマ・キング》!」



キング『オジャッ!』ATK0→3000



クロっち「《おジャマ・キング》の効果! 相手のモンスターゾーンを三箇所使用不能にする!」



キング『オジャオジャ』ポンポンポンッ






クロっち「さらに、手札の《シャッフル・リボーン》を捨てることで、装備魔法、《閃光の双剣ートライス》を発動! 《おジャマ・キング》に装備!」



キング『オジャ?』ATK3000→2500



Ai(装備されたモンスターの攻撃力は500ポイントダウンするがーーー)

クロっち「装備モンスターは、2回の攻撃が可能となる!」



キング『オッジャー!』キラーンッ



ハノイ「ぬうっ、」






クロっち「メインフェイズを終了し、バトルフェイズに移行!」

クロっち「バトル! まずは《アームド・ドラゴン LV5》で《インヴェルズ・マディス》を攻撃!」

クロっち「アームド・バスター!」



アームドLV5『グオガオガァァ!!』ATK1700



ドドオンッ!



マディス『GYOーーー!?』ATK0



ドガーンッ!



ハノイ「ぐぐっ………!」LP14600→12900



クロっち「《始祖竜ワイアーム》でダイレクトアタック!」



ワイアーム『ギャオオオッ!』ATK2000



ビビューンッ!



ハノイ「ぐあうっ………!」LP12900→10900



クロっち「おジャマ三兄弟でダイレクトアタック!」

クロっち「おジャマ・デルタ・アタック!」



イエロー&グリーン&ブラック『『『ドリャアアアッ!!』』』



デデッデッデ………グルルンッ!!



ハノイ「ぬおおっ!?」LP10900→9900→8900→7900






クロっち「まだまだあ! 《おジャマ・キング》でダイレクトアタック!」

クロっち「おジャマ・フライング・ソードアタック! ダイイチダアッ!」



キング『オジャーッ!』ATK2500



ババッ!



ハノイ「させん! ダメージ計算時、手札から《クリボー》を捨てて、その効果を発動!」

ハノイ「この戦闘によるダメージをゼロにする!」



クリボー『グリー!』



ガキーンッ!



キング『オジャ!?』ボヨーンッ



ドテッ






クロっち「だったら、《おジャマ・キング》で2回目のダイレクトアタック!」

クロっち「おジャマ・フライング・ソードアタック! ダイニダァ!」



キング『オ、オジャーッ!』ATK2500



ババッ!



ハノイ「ならば、ダメージ計算時、手札から2枚目の《クリボー》を捨てて、その効果を発動!」

ハノイ「この戦闘によるダメージをゼロに!」



クリボー『ググリー!』



ガキーンッ!



キング『オオジャー!?』ボヨーンッ



ドテッドテッ………






ハノイ「さらに、攻撃終了後に手札から《ジュラゲド》の効果発動!」

ハノイ「その効果で自身を特殊召喚する!」

ハノイ「来い、《ジュラゲド》!」



ジュラゲド『………』DEF1300→1700



ハノイ「特殊召喚成功時、《ジュラゲド》のさらなる効果を発動! ライフを1000回復する!」LP7900→8900






Ai(結局モンスターを残しちまったか………しかも《おジャマ・キング》の攻撃も防がれちまうなんてな………)

Ai(エンドフェイズに《アームド・ドラゴン LV5》を進化させようにも、進化先は入ってねえし、難儀な話だぜ)

クロっち(はっ、だったら守りを固めるまでだ!)


クロっち「バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行!」

クロっち「そして、墓地から《シャッフル・リボーン》を除外し、その効果を発動!」

クロっち「場の《閃光の双剣ートライス》をデッキに戻して1枚ドローする!」



キング『………』ATK2500→3000



クロっち「さらに、3枚目の《手札断殺》を発動!」

クロっち「《命削りの宝札》と《光帝クライス》を墓地に送り、2枚ドロー!」



ハノイ「ならば、2枚の《スキル・プリズナー》を墓地に送り、2枚ドロー!」






Ai(抜け目ねえ奴………)

クロっち「そして、《おジャマ・ブラック》をリリースすることで、魔法カード、《モンスターゲート》を発動!」



ブラック『アー………』ヒューン



クロっち「通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚する!」

クロっち「そして、それまでにめくったカードは全て墓地に送られる!」

Ai(何が出るかはめくってからのお楽しみよ!)






クロっち「1枚目、魔法カード、《嵐》!」

クロっち「2枚目、魔法カード、《強制転移》!」

クロっち「3枚目、速攻魔法、《サイクロン》!」

クロっち「4枚目、魔法カード、《ブラック・コア》!」

クロっち「5枚目、魔法カード、《おジャマ改造》!」

クロっち「6枚目、装備魔法、《閃光の双剣ートライス》!」

クロっち「7枚目、罠カード、《ブレイクスルー・スキル》!」

クロっち「8枚目、永続罠、《リビングデッドの呼び声!」

クロっち「9枚目、通常モンスター、《千年の盾》!」



クロっち「《千年の盾》は通常召喚可能なモンスターカード! したがって、特殊召喚できる!」


クロっち「来い、《千年の盾》!」






千年の盾『………』ATK0→3000


Ai(《千年の盾》か………良いカードだが、それまで墓地に送られたカードがなんとも………)ウーン

クロっち「そして、カードを5枚セットし、エンドフェイズに移行!」


クロっち「エンドフェイズ時、《シャッフル・リボーン》の効果! 手札の《ツインツイスター》を除外する!」

クロっち「これでターンエンドだ!」



今日はここまで

投下します




ハノイ「俺のターン、ドロー!」



Ai(クロっち、今だ!)

クロっち(わかってる!)「自分ライフが相手ライフよりも1000以上少ない場合、ライフを1000支払うことで、罠カード、《活路への希望》を発動!」LP2575→1575



ハノイ「!?」



クロっち「その効果で、お互いのライフの差2000につき1枚、デッキからカードを1枚ドローする!」

クロっち「私とお前のライフの差は7325! したがって、3枚ドロー!」






ハノイ「………まさかライフ4000ルールのデュエルで、そのカードを投入する者がいるとはな………」



クロっち(ああ? んなこと私が知るか! 苦情はSOLにでも出してろ)

Ai(でも、これで手札を増やせた! 今回ばかりは礼を言っても良いかもな。いや、言えねえけど)



ハノイ「まあいい、ならばメインフェイズに移行し、3枚目の《手札断殺》を発動!」

ハノイ「手札の《ブレイクスルー・スキル》と3枚目の《スキル・プリズナー》を墓地に送り、2枚ドロー!」



クロっち「………《アームド・ドラゴン LV3》と《融合》を墓地に送り、2枚ドロー!」






Ai(………あいつ何考えてんだ? 《ブレイクスルー・スキル》の墓地発動効果は、墓地に送られたターンや相手ターンには発動できねえから、伏せた方が得すんのに)

クロっち(普通に考えれば、次のターンを待つ気がない………守りを捨ててまで、引き当てたいカードがあったってことか?)

クロっち(あの野郎、いったい何を狙ってーーー)



ハノイ「………よし、魔法カード、《使者蘇生》を発動!」



クロっち(Ai)「!」



ハノイ「その効果でモンスターを1体選択して墓地から特殊召喚する!」

ハノイ「蘇らせるモンスターは、貴様の墓地の《光帝クライス》だ!」






クライス『………』ATK2400→1000



ハノイ「この瞬間、《光帝クライス》の効果発動! 場のカードを2枚まで破壊し、そのカードの持ち主は、破壊された自分のカードの数だけドローできる!」

ハノイ「俺は自分の場の《光帝クライス》と《ジュラゲド》を破壊する!」



クライス『………』ピピーッ
ジュラゲド『………!?』



ドガガーンッ!



ハノイ「2枚ドロー!」






クロっち(ちっ、逆に利用されちまったか………こんなことなら別のカード墓地に送っとくんだったか………?)



ハノイ「そして、2枚目の《彼岸の悪鬼 アリキーノ》を捨てることで、魔法カード発動、《鳳凰神の羽根》!」



Ai(げっ、アリキーノ………!)



ハノイ「その効果で俺の墓地のカードを1枚選択して、デッキトップに戻す!」

ハノイ「俺は《終わりの始まり》を選択する!」






クロっち(アリキーノが再び墓地に送られたっつーことは………)

ハノイ「この瞬間、墓地に送られたアリキーノの効果発動!」

ハノイ「その効果で、《おジャマ・キング》の効果を無効にする!」



ミュオオ~ン………………



キング『オジャー?』キョトン



クロっち(くっ、)



ハノイ「これでモンスターゾーンの封鎖は解かれた!」



Ai(ふーんだ、モンスターゾーン使えるようになったって、展開できなきゃ、意味ねーぞ? その辺どーするつもりだコイツ?)



ハノイ「ここからが本番だ! 3枚目の《終わりの始まり》を発動!」






Ai「!?」

クロっち(さ、3枚目だとお!?)



ハノイ「墓地の闇属性モンスター、《彼岸の悪鬼 アリキーノ》《インヴェルズの魔細胞》《ジュラゲド》と《クリボー》2体の計5体を除外することで、3枚ドロー!」



Ai(おいおい、あんな重いカード3枚も入れてるとか、こいつのデッキどーなってんだ!?)

クロっち(………いや、3枚どころじゃない。あのハノイがドローしたカードの中にはーーーーーー)





ハノイ「そして、俺は永続魔法、《冥界の宝札》を3枚発動!」



クロっち(Ai)「3枚!?」



ハノイ「このカードがある限り、俺がモンスターを2体以上リリースしてアドバンス召喚した場合、俺はデッキからカードを2枚ドローする!」


ハノイ「さらに、手札から3枚目の《シャッフル・リボーン》を発動! このカードは自分の場にモンスターが存在しない時に発動できる!」

ハノイ「その効果で、自分の墓地のモンスターを1体選択して特殊召喚する!」

ハノイ「俺は《インヴェルズを呼ぶ者》を特殊召喚するぜ! 出て来い、《インヴェルズを呼ぶ者》!」






呼ぶ者『………』ATK1700→0



ハノイ「この瞬間、速攻魔法、《地獄の暴走召喚》を発動だあ!」

ハノイ「このカードは、攻撃力1500以下のモンスターがそれ1体のみ特殊召喚された時に発動可能!」

ハノイ「その効果で、デッキから同名モンスターを可能な限り、特殊召喚する!」

ハノイ「《インヴェルズを呼ぶ者》の攻撃力は、特殊召喚成功時には《おジャマ・カントリー》の効果でゼロとなっている。よって、問題なく暴走召喚可能!」






クロっち(マジかよ!? こいつ、攻撃力ゼロ化まで逆利用しやがった!?)



ハノイ「さあ、《インヴェルズを呼ぶ者》どもよお! 出会え出会えーー!!」



呼ぶ者×2『『………………』』ATK1700→0



Ai(これで『インヴェルズ』モンスターが3体………まさか!)



ハノイ「これより、俺は3体の《インヴェルズを呼ぶ者》をリリースして、超重量モンスターをアドバンス召喚する!」

ハノイ「出でよ、《インヴェルズ・グレズ》!」






グレズ『GYAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』ATK3200→0



クロっち(で、でかい!?)

Ai(やっぱりきやがったか………!)



ハノイ「くくっ、さあ、ショーの始まりだ!」



Ai(あのモンスターはいま、《おジャマ・カントリー》の効果で攻撃力ゼロになってはいる)

Ai(だが、あのモンスターの効果はーーー)



ハノイ「まずは、召喚成功時、3枚の《冥界の宝札》と3体の《インヴェルズを呼ぶ者》の効果発動!」

ハノイ「逆順処理だ! 3体の《インヴェルズを呼ぶ者》の効果! このカードが『インヴェルズ』モンスターのアドバンス召喚のリリースに使用されたことにより、デッキからレベル4以下の『インヴェルズ』モンスターを特殊召喚できる!」

ハノイ「俺は《インヴェルズの歩哨》2体と《インヴェルズの斥候》を特殊召喚する!」






歩哨×2『『………』』ATK1100→0
斥候『………』ATK200→0



ハノイ「最後に、3枚の《冥界の宝札》の効果! モンスターを2体以上リリースしてアドバンス召喚したことで、それぞれの効果で2枚ドローする!」

ハノイ「場の《冥界の宝札》は3枚!したがって、合計6枚のドローだ!」

ハノイ「そして、ライフを半分支払うことで、《インヴェルズ・グレズ》の効果発動!」LP8900→4450



Ai「!」



ハノイ「フィールド上のこのカード以外のカードを全て破壊する!」



クロっち「!」



ハノイ「くらえ、ビッグバン・グレズ・インパクト!」



グレズ『ーーーーーーーーーーーーーーー!!』ビカーッ



ドゴガアアアアアアアッ!!






Ai(クロっち!)

クロっち(わかってる!)「罠カード発動、《重力解除》!」

クロっち「それにチェーンして、《八汰烏の骸》! さらにチェーンして、3枚のカードを墓地に送り、2枚目の《非常食》を発動だ!」



グレズ『ーーー』ATK0→3200
歩哨×2『『………』』ATK0→1100
斥候『………』ATK0→200


キング『オジャー?』ATK3000→0
イエロー『アヒー?』ATK1000→0
グリーン『ンアー?』ATK1000→0

千年の盾『………』ATK3000→0
ワイアーム『ギャオオ!』ATK2000→2700
アームドLV5『グオガアア!』ATK1700→2300






クロっち「逆順処理だ! 《非常食》の効果! 《おジャマ・カントリー》《重力解除》《八汰烏の骸》の3枚を墓地に送ったことにより、ライフを3000ポイント回復する!」LP1575→4575

クロっち「その次に《八汰烏の骸》の効果! 1枚ドロー!」

クロっち「そのまた次に《重力解除》の効果! 場のモンスターの表示形式を入れ替える!」



グワンッ………



グレズ『ーーー』ATK3200→DEF0
歩哨×2『『………』』ATK1100→DEF0
斥候『………』ATK200→DEF0


キング『オジャー』ATK0→DEF3000
イエロー『アラ?』ATK0→DEF1000
グリーン『ンへ?』ATK0→DEF1000

千年の盾『………』ATK0→DEF3000
ワイアーム『ギャオッ………』ATK2700→DEF2000
アームドLV5『グオガッ………』ATK2300→DEF1700






ハノイ「………………最後に《インヴェルズ・グレズ》の効果! フィールド上に存在する自身以外のカードを全て破壊する!」



ドガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!



歩哨×2『『………!?』』
斥候『………!?』


キング『オジャー!?』
イエロー&グリーン『『ギョエー!?』』

千年の盾『………』
アームドLV5『グオガッーーー!?』



ドドガガーンッ!!






クロっち「くっ、《始祖竜ワイアーム》の効果! このカードは他の効果モンスターの効果の影響を受けない! つまり破壊はされない!」



ワイアーム『ギャオ!』ピカーンッ



ハノイ「ならば、こちらも《真帝王領域》に乗せられたカウンターを1つ取り除き、《真帝王領域》の破壊を防ぐ!」



ピキーンッ!



クロっち「だが、私の伏せカード1枚の方は破壊される!」

クロっち「破壊されたカードは、《運命の発掘》!」

クロっち「その効果で墓地の《運命の発掘》と同じ枚数のカードをドローする!」

クロっち「墓地の《運命の発掘》の枚数は3枚! したがって、3枚ドロー!」






Ai(よしっ、こっちの場が全滅しちまったとはいえ、3枚ドローできたし、その上、《始祖竜ワイアーム》を守備表示にできた!)

Ai(守備表示なら戦闘ダメージは受けねえし、《始祖竜ワイアーム》は効果モンスターとの戦闘では破壊されねえ!)


Ai(へっへーん、どんなもんよ!)


クロっち(………それに加えて、《始祖竜ワイアーム》にはモンスター効果も通じないから、また《ADチェンジャー》を使ってきたとしても、攻撃表示にされることはない………ないんだが………)


クロっち(………あいつの手札にはーーー)タラリ



ハノイ「ドローし直した《終わりの始まり》を発動!」



Ai「!?」


クロっち(ほらな………)



ハノイ「俺は墓地の闇属性モンスター、《インヴェルズの先鋭》と《インヴェルズの歩哨》2体、《インヴェルズを呼ぶ者》2体の計5体を除外して3枚ドロー!」






Ai(一度のデュエルで《終わりの始まり》を4回も発動だあ!? あいつムチャクチャだ!)

クロっち(ホントだよ。いやまあ私も《おジャマジック》を使いまわしちゃいるが、発動条件は比べるべくもないからなあ………)


クロっち(ドロー運鍛えたって話、あながち眉唾じゃねーのかも………)

Ai(落ち着いている場合か! 次が来るぞ!)







ハノイ「墓地の《シャッフル・リボーン》を除外し、その効果を発動!」

ハノイ「俺は《真帝王領域》をデッキに戻し、1枚ドロー!」

ハノイ「そして、新たなフィールド魔法、《暗黒界の門》を発動!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
………………!!



ハノイ「《暗黒界の門》の効果! このカードが場に存在する限り、場の悪魔族モンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップする!」



グレズ『………』DEF0→300



ハノイ「さらに、墓地の悪魔族モンスター、《インヴェルズ・マディス》を除外することで、《暗黒界の門》の効果発動!」

ハノイ「手札の悪魔族モンスターを1体捨て、1枚ドローする!」

ハノイ「俺は手札の悪魔族モンスター、《カードガード》を捨てることで、1枚ドロー!」






ハノイ「さらに、永続魔法発動、《進撃の帝王》!」

ハノイ「それにチェーンして、速攻魔法、《帝王の烈旋》を発動!」



クロっち「!?」



ハノイ「さらに、速攻魔法、《サモン・チェーン》、それにチェーンして《奇跡の蘇生》を発動!」






ハノイ「逆順処理だ! まずは《奇跡の蘇生》の効果! 墓地からモンスターを1体選択して特殊召喚する!」

ハノイ「俺は墓地から《カードガード》を復活させる!」

ハノイ「来い、《カードガード》!」



カードガード『………』ATK1600→1900



ハノイ「次に《サモン・チェーン》の効果! このターン、俺は3回の召喚権を得る!」

ハノイ「そのまた次に《帝王の烈旋》の効果! このターン、俺は一度だけ相手モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚ができる!」



クロっち「っ………!!」

Ai(そうだった………【アドバンス召喚】にはそのカードがあるんだった………!)



ハノイ「最後に《進撃の帝王》の効果! このカードが存在する限り、俺の場のアドバンス召喚したモンスターは効果の対象にならず、効果で破壊されない!」






ハノイ「さあ、トドメの時間だ!」

ハノイ「俺は《始祖竜ワイアーム》をリリースして再びモンスターをアドバンス召喚する!」



ワイアーム『ギャオオッ………!?』ヒューン



ハノイ「2回目の召喚権を行使しーーー出でよ、《虚無魔人》!」






虚無魔人『………………』ATK2400→2700



クロっち「!?」

Ai(やべえ! あのカードはーー!)



ハノイ「《虚無魔人》の効果! このカードが存在する限り、お互いに特殊召喚を行うことができない!」

ハノイ「これにより、貴様が《バトル・フェーダー》などを握っていたとしても、その効果を使うことはできん!」



クロっち(くっ、読まれてやがる………!)チラッ

《バトル・フェーダー》



ハノイ「無論、これで終わりではない!」

ハノイ「俺は3回目の召喚権を行使! 《インヴェルズ・グレズ》をリリースしてモンスターをアドバンス召喚する!」



Ai(グレズをリリース!?)



ハノイ「《インヴェルズ・グレズ》! その余りある力と魂を捧げ、ここにいま、最強の魔獣を顕現させる!」

ハノイ「アドバンス召喚! 出でよ、《偉大魔獣ガーゼット》!!」






ガーゼット『………………………………………』ATK0



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド………!!



クロっち「ガー………ゼット………!?」

Ai(で、でけえ!)



ハノイ「アドバンス召喚成功時、《暗黒界の門》とガーゼットの効果が適用される!」

ハノイ「《暗黒界の門》の効果でガーゼットの攻守は常に300アップし、ガーゼットの攻撃力は、アドバンス召喚の際にリリースしたモンスターの元々の攻撃力の倍になる!」



クロっち「バイ!?」

Ai(倍な!? つーことはーーー)



ハノイ「リリースした《インヴェルズ・グレズ》の元々の攻撃力は3200! つまり、その倍プラス300アップで攻撃力はーーーーーー」






ガーゼット『………………………………………!!!』ATK0→6400→6700



クロっち(Ai)「こっ、攻撃力、6700ゥ!?」



ハノイ「ふっふっふっ………メインフェイズを終了してバトルフェイズに移行!」

ハノイ「バトル! ガーゼットでプレイヤーにダイレクトアタック!」


ハノイ「喰らえ! グレートビックバン・ダブルグレズ・ダークネスクラッシャー!!!」






ガーゼット『………………………………………………!!!!』ATK6700






グワンッ………………ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!






Ai(クロっち! 手札のーーー)

クロっち「お、お、おうよ! 手札から《クリフォトン》を捨てて、その効果を発動!」



ハノイ「!?」



クロっち「ライフを2000支払うことで、このターン、私が受けるダメージはゼロになる!」LP4575→2575

クロっち「守ってくれ、《クリフォトン》!」



クリフォトン『クリフォ~~!』ビカーッ



ガーゼット『………………………………!!!』



スカッ



ガーゼット『………!?!?』






ハノイ「ちいっ!」



クロっち(………あっぶねー、危うくヤられるところだった………)

Ai(いや、確かに防ぎきったがーー気をつけろクロっち、あのハノイのデュエルは、魔法・罠ゾーンを全部埋めるまでが本番だ)

クロっち(ああ、今度は何をしでかしてくるかーーー)


ハノイ「ならばバトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行!」

ハノイ「そして、魔法カード発動、《光の護封剣》!」






クロっち「!」



ヒュウ………………ガキガキガキーンッ!



ハノイ「これで貴様のモンスターは、貴様のターンで数えて3ターンの間、攻撃宣言を行うことができない!」

ハノイ「それに加えて、永続魔法、《禁止令》を発動! 宣言するカードは《ダブル・サイクロン》だ!」



クロっち(Ai)「!?」






ハノイ「また、《カードガード》のモンスター効果発動! 場のカード1枚にガードカウンターを1つ乗せる!」

ハノイ「俺は《進撃の帝王》にガードカウンターを1つ乗せる!」



ピピーン



ハノイ「そして、ガードカウンターの乗ったカードは、《マジック・ガードナー》のカウンターの乗ったカードと同様に、そのカウンターを取り除くことで破壊を免れる!」

ハノイ「さらに、魔法カード、《マジック・ガードナー》を2枚発動!」






クロっち「2枚!?」



ハノイ「そう、2枚! そして、その2枚の効果で《光の護封剣》と《禁止令》にカウンターを1つずつ乗せる!」



ピピーンッピピーンッ



ハノイ「そして、カードを2枚セットして、エンドフェイズに移行!」

ハノイ「エンドフェイズ時、《シャッフル・リボーン》の効果で、手札を1枚除外する処理が発生するが、手札ゼロの俺には関係の無い話だ」



ハノイ「これで俺はターンエンドだ! さあ、貴様のその手札でどこまで抗えるかな?」






クロっち「………」チラッ



《スキル・プリズナー》
《ダブル・サイクロン》
《バトル・フェーダー》
《おジャマ・レッド》
《融合回収》
《闇の量産工場》
《サンダー・ドラゴン》



クロっち(これでどうやって戦えばいいんだ………)ズーン

Ai(《打ち出の小槌》だ! 3枚目のそれをドローしねーと、勝ち目はねー!)


クロっち(………そ、そうだな! なんとしても引いてやる!)






クロっち「………私のターン、ドロー!」

クロっち(っ、このカードは………)



ハノイ「スタンバイフェイズ、永続罠発動、《生命吸収装置》!」

ハノイ「その効果で、直前の自分ターン、俺が支払ったライフの半分を回復する!」

ハノイ「俺が支払ったライフは4450! したがって、その半分の2225ポイント、ライフを回復する!」LP4450→6675






Ai(またライフが回復した!?)

クロっち「………………………」



ハノイ(まだだ! 俺の場に《虚無魔人》がいる限り、貴様はモンスターの特殊召喚を行うことができず、行動は大幅に制限される!)

ハノイ(貴様の墓地には、《ブレイクスルー・スキル》があるが、それを発動して《虚無魔人》の効果を無効化することはできん!)

ハノイ(なぜなら、《進撃の帝王》によって、俺の場のアドバンス召喚モンスターは全て、対象を取る効果の耐性を得ているからな!)

ハノイ(したがって、対象を取る《ブレイクスルー・スキル》で《虚無魔人》の効果を無効にすることは不可能!)


ハノイ(《進撃の帝王》の耐性をすり抜けられる《強制転移》は、全て墓地に行っていることが確認されている………)


ハノイ(《進撃の帝王》を破壊しようにも、《嵐》《ハーピィの羽箒》《サイクロン》は、全て墓地に送られている!)


ハノイ(《嵐》は、ルール的にはあと2枚投入できるカードだがーーー向こうのデッキには、おそらく1枚しか投入されていない)


ハノイ(【おジャマ】は、素の攻撃力がゼロのモンスターが中心となるデッキ。つまり、打点確保のために可能な限り《おジャマ・カントリー》を維持する必要がある)

ハノイ(そのようなデッキは、魔法・罠を全て破壊するようなカードと相性が悪い。せいぜい入れていて1枚がいいところだろう)


ハノイ(故に、《嵐》の警戒は無用! 《ギャラクシー・サイクロン》も既に3枚全てが除外済み。もう警戒する必要はない!)






ハノイ(また、《禁止令》と《封魔の呪印》によって、表側の魔法・罠を破壊できる他の魔法カード………少なくとも、あのデッキに投入できるような魔法カードを発動することはできん!)


ハノイ(装備魔法で強化して強引に突破しようにも、《光の護封剣》で貴様のモンスターの攻撃は封じられるため、突破は不可能!)

ハノイ「強化したモンスターを壁とし、3ターン後に攻撃を開始しようにも、俺の伏せカードは《安全地帯》!)

ハノイ(強化したモンスターに《安全地帯》を発動すれば、《安全地帯》が場から離れた瞬間に、そのモンスターは破壊される!)

ハノイ(つまり、次のターン、墓地の《シャッフル・リボーン》で《安全地帯》をデッキに戻すことで、強化されたモンスターを確実に破壊できるのだ!)


ハノイ(モンスター効果で《光の護封剣》や《進撃の帝王》を破壊しようにも、《光帝クライス》のような対象を取る効果なら、墓地の《スキル・プリズナー》で防ぐことができる!)

ハノイ(対象を取らない効果でも、《マジック・ガードナー》及び《カードガード》で乗せられたカウンターを取り除けば、破壊を免れる!)



ハノイ(この布陣、そう易々と突破できるものではないわ!)ニンマリ



ハノイ(ふふふ、ふはははははははははははは!!!)






クロっち「………やってやる! 私は《貪欲な壺》を発動!」



ハノイ「………4枚目!? いや、違う? これはーーー」



クロっち「そう、《おジャマジック》と同様に《貪欲な瓶》で回収したカードだ! したがって、問題なく使用可能!」

クロっち「私は墓地の《アームド・ドラゴン LV5》《光帝クライス》《サンダー・ドラゴン》《クリフォトン》《始祖竜ワイアーム》の計5体をデッキに戻して2枚ドローする………!」スッ



ハノイ(あの表情………そのドローに全てを賭ける気か………)

ハノイ(………面白い! 突破できるものなら突破してみるがいい! できるものならな!)






クロっち(頼む、来てくれ………!)ググッ

Ai(AIは祈ったりしない………だが、それでも………!)

クロっち「………………」

Ai「………………」



ハノイ「………………」



クロっち(Ai)「………………ドロー!!」



ババッ!!






Ai(っ、こいつは………!!)

クロっち(………よしっ! いける!)



ハノイ(あの表情………あのチビ、いったい何をーーー)



クロっち「《闇の量産工場》を2枚発動!」



ハノイ「………ふん、そのうち1枚も………」



クロっち「そう、これも《貪欲な瓶》で回収した1枚! したがって、問題なく発動可能!」

クロっち「そして、2枚それぞれの効果で、墓地から通常モンスター、《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》と《おジャマ・ブラック》《千年の盾》を手札に加える!」






クロっち「さらに、3枚目の《融合回収》を発動!」

クロっち「融合素材として墓地に送られた《おジャマ・ブラック》と《融合》を手札に加える!」


クロっち「まだだ! 手札から《サンダー・ドラゴン》を捨てて、その効果を発動!」

クロっち「デッキから《サンダー・ドラゴン》を2枚手札に加える!」


クロっち「そして、3枚目の《打ち出の小槌》を発動!」

クロっち「その効果で、12枚のカードを戻して12枚ドロー! 」






ハノイ「まさか12枚ものドローを行うとはな………」



クロっち(………さっきよりは、はるかに動ける手札だがーーー)

Ai(こりゃまた、おかしな手札になったもんだな………)

クロっち(というか、なんで“このカード”が先に手札にくる!? あっちが先に来ないと………)

Ai(………確かにあっちの方が来なかったのは残念だが、来なかったモンはしゃーねえだろ)

Ai(それよりもそっちを活かす方法を考えようぜ。その方が建設的だ)






クロっち(………えーと、これを活かす方法? ガチで言ってんのか、それ?)

Ai(お前、この手札見てみろ、他に逆転する方法があるように見えるか?)


クロっち(うっ、それを言われると………)


クロっち(………やるっきゃないっぽいな、こりゃ)ゴクリッ

Ai(だが、それには、こいつを召喚できなきゃ話にならねえ)


クロっち(だけど、今の状況で召喚するのは、正攻法じゃ無理だ。可能性があるとすればーーー)






クロっち(………手札のーーーーやーーーで、ーーのーーのーーを利用すればーーー)

Ai(おう、そんで確かーーのーーのーーの中にはーーー)



Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)

クロっち(ーーーーーーーーーーーーーーー)






Ai(………………よしっ、まずは手札のーーーーを捨てて、カードを2枚セットして、手札のーーーーーを発動して、その効果で、ーーーをーーして、ーーのーーのーーーーーーーーを加えてーーー)

クロっち(それから手札のーーーーとーーーとーーーーーーーーを発動して、逆順処理でまずーーのーーーーができるようにして、ーーーをーーーーポイントーーして、ーーのーーのーーーーーをーーして、ーーーーをーーーーーーーのーーーーに使用できるようにしてーーー)

Ai(そんで、ーーーーのーーーでーーに送ったーーーーーーーのーーでーーーを加えて、それを増やしたーーーで、2体までーーして、それらと一緒にーーーーーの効果でーーーーをーーーーすればーーー)

クロっち(………それで“このカード”を出せるはずーーーそんでその後はーーー)


Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)

クロっち(ーーーーーーーーーーーーーーー)



ハノイ(随分考え込んでいるな………いや、長考は今に始まったことではないが………)






Ai(………よしっ、これなら厄介なカードは一掃できる。そんで次のターンに備えてーーー)

クロっち(………なあAi、“このカード”のもう一つの効果を使っちゃダメか?)


Ai(………ああっ? 何言ってんだ、クロっち?)

クロっち(いや、そっちの方が一番ダメージでかいし………)


クロっち(それに、ーーーーーーーーーでーーーーーーーーをーーさせてから、ーーしたーーーーーーーーをーーーーしてーーーーーーーを発動すれば、充分なーーーは得られるだろ?)

クロっち(だったら、“このカード”のーー効果も問題なく使用できるはずだ。それで3回発動すればーーーーーとーーーーーは無くなる)

クロっち(ーーーーーが無くなれば、ーーのーーーーーーーーーーーをーーーーーにーーできる。それでーーーーーのーーーがーーになって、一気に大ダメージをーーー)


Ai(確かにそうだが、それやっても奴にトドメはさせねーぞ? こっちも計算してみたが、ギリギリでライフが残っちまう)






クロっち(………ああ、それはわかってる。だけど、それでも瀕死の状態に持ち込めるはずだ。それだけのメリットがあるならーーー)

Ai(………奴の墓地にも《ブレイクスルー・スキル》はあるぞ)


クロっち(………あっ、)

Ai(それ使われたら、“このカード”のーーーもーーになっちまう)






Ai(しかも、向こうの場には《カードガード》がいる。そいつでーーーがーー状態の“このカード”にーーされたらどうなる?)

クロっち「………!」


Ai(ーーーーーよりも先に《カードガード》の方を倒したとしても、向こうの墓地には《ゾンビキャリア》がいる)

Ai(《ゾンビキャリア》は手札1枚をデッキトップに戻すことで墓地から特殊召喚できる上に、攻撃力は400ある。そいつでーーされでもすればーーー)


Ai(ーーーどうやったって、負けちまうぞ。だからやめとけ)






クロっち(………っ、いやでも、ーーするのをーーーーーだけにして、こっちのーーーをーーーーーーーー残した上で、《カードガード》を倒せばーーー)

Ai(向こうの墓地には《スキル・サクセサー》もある)

Ai(あれでーーーーーか《ゾンビキャリア》の攻撃力を800アップされたら、1100か1200のダメージをくらう。どの道やられちまう)


クロっち(た、確かに………)

Ai(もちろん、手札のーーーーーーーを温存して、《カードガード》だけ倒して、温存したーーーーーーーを伏せて、次のターンに備えるって手もある)

Ai(だが、それだと向こうは確実に《ブレイクスルー・スキル》を発動してくる)


Ai(そうなりゃ、伏せたーーーーーーーを発動して、“このカード”をーーーーしなきゃならねえ)


Ai(そうくると、“このカード”がーーーーーからーーちまうから、ーーのーーーをーーできなくなる。要は、あの布陣を突破することが不可能になるってワケだ)


Ai(後はジリ便になるだけ………ハッキリ言って割に合わねー)






クロっち「………………」

Ai(………クロっちがせっかく考えてくれたところわりーが、このターン中に倒せない以上、ここは安全策で行くのがベターだろ)


クロっち(そうだな………くそ、せめてーーのーーーーーーーーーーを発動できりゃあーーー)

Ai(? 何でそこでーーーーーーーーーーが出てくんだ?)


クロっち(いや、ーーーーーーーーーーをーーーーの発動にーーーー発動して、ーーーーをーーーことで、そこでーーーーーーーーをーーーー発動できるだろ?)

クロっち(その後に、ーーーーーーーーを含むーーーをーーに送って、ーーーを発動すれば、得られるーーーがーーーーーーーー増えるし、それなら後にーーする“このカード”のーーーもーーーーーーーするから、トドメをーーー)



Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)






クロっち(ん? どうしたAiーーー)

Ai(それだーーーー!!!)


クロっち(うおっ、どうした急に!?)

Ai(どうしたもこうしたもねえよ! 勝てるぞ! それなら!)


クロっち(えっ、なんで? この状況だと、ーーーーーーーーーーは発動しても、その効果に意味なんてないだろ? だったら、発動できないんじゃーーー)

Ai(関係ねえよ! ーーーーーーーーーーのーーーー効果は、意味なかろうが発動できる! そういう裁定だ!

クロっち(えっ、じゃあ………)

Ai(だから勝てるっつってんだろ! このターン中に、あのハノイを倒せるんだ!)






クロっち(っ! なら………)


Ai(おうよ、やっちまおうぜ! クロっち!)


クロっち(………ああ! まかせろ、Ai !)



今日はここまで

読み返してみたらミスあったので、修正したのを投下します




ハノイ「また、チェーン終了後に、《カードガード》のモンスター効果発動!」

ハノイ「自身にガードカウンターを一つ置く!」

ハノイ「そして、《カードガード》の攻撃力は、自身に置かれたガードカウンターの数×300ポイントアップする!」



カードガード『………』ATK1900→2200






ハノイ「また、《カードガード》に置かれたガードカウンターを取り除くことで、そのモンスター効果を発動する!」



カードガード『………』ATK2200→1900



ハノイ「場のカード1枚にガードカウンターを1つ乗せる!」

ハノイ「俺は《進撃の帝王》にガードカウンターを1つ乗せる!」



ピピーン



ハノイ「そして、ガードカウンターの乗ったカードは、《マジック・ガードナー》のカウンターの乗ったカードと同様に、そのカウンターを取り除くことで破壊を免れる!」

ハノイ「さらに、魔法カード、《マジック・ガードナー》を2枚発動!」



大変申し訳ありませんが、>>508>>509の間に>>543を入れさせてください

また、>>516>>544に差し替えさせていただきます


《カードガード》の説明を忘れてました。申し訳ない

続きを投下します




ハノイ(………また目つきが変わった。今度は何を長考してーーー)



クロっち「手札から《ハネワタ》を捨てて、その効果を発動!」



ハノイ「!」



クロっち「このターン、私が受ける効果ダメージはゼロになる!」






ハネワタ『ハネー!』ピカーッ



キラキラキラ………………



ハノイ(このタイミングで? いったい何をーーー)



クロっち「さらに、フィールドゾーンにカードを1枚、魔法・罠ゾーンにカードを2枚セットして、永続魔法、《王家の神殿》を発動!」

クロっち「そして、《王家の神殿》の効果で、このターン伏せた罠カードを発動する!」


クロっち「罠カード発動、《墓荒らし》!」



ハノイ「!」



クロっち「その効果で、相手の墓地に存在する魔法カードを1枚選択して、自分の手札に加える!」

クロっち「私は《サモン・チェーン》を頂く!」






ガサゴソ………ヒョイッ



墓荒らし『イーッヒッヒッヒ!』つ《サモン・チェーン》



ハノイ(なるほど、《ハネワタ》はそのためか………)

ハノイ(だが、手札に加えるなら、あのカードの方がーーー)チラッ



クロっち「さらに、手札の《おジャマジック》を捨てることで、魔法カード、《二重魔法》を発動!」



ハノイ(っ、そういうことか!)






クロっち「また、それにチェーンして、墓地から《ダメージ・ダイエット》を除外して、その効果を発動!」



ハノイ「………《ダメージ・ダイエット》だと!?」



クロっち「《ダメージ・ダイエット》は墓地から発動することで、そのターン受ける効果ダメージを半分にする!」

クロっち「そして、その効果は、効果ダメージを受けない効果が適用された状態、つまり発動しても意味のない状態でも発動できる!」






クロっち(………そうだよな? Ai)

Ai(おうよ! そーいう裁定だ! 間違いない!)



ハノイ「意味の無い発動でチェーンを稼ぐ………つまりこれは」



クロっち「その通り! チェーン3以降になったことで、速攻魔法、《サモン・チェーン》を発動!」



ハノイ(やはりか!)



クロっち「また、《サモン・チェーン》にチェーンして、5枚のカードを墓地に送り、3枚目の《非常食》を発動!」






クロっち「逆順処理だ! まずは《非常食》の効果!」

クロっち「《王家の神殿》《二重魔法》《サモン・チェーン》とセットされた《蠱惑の落とし穴》《サモンブレーカー》の計5枚を墓地に送ることで、ライフを5000ポイント回復する!」LP2575→7575


クロっち「次に《サモン・チェーン》の効果! このターン、私は3回の通常召喚が可能となる!」

クロっち「なお本来、この《サモン・チェーン》の効果処理の際には、《墓荒らし》の効果で2000ダメージを受けるがーーー《ハネワタ》の効果でダメージはゼロだ!」


クロっち「そのまた次に《ダメージ・ダイエット》の効果で、このターン、私が受ける効果ダメージは半分になる! 意味は無いがな!」


クロっち「最後に《二重魔法》の効果! 相手の墓地の魔法カード1枚を選択し、そのカードを発動する!」

クロっち「私は《帝王の烈旋》を選択し、発動! このターン、私はエクストラデッキからの特殊召喚を封じる代わりに、相手モンスターをアドバンス召喚のリリースに使用できる!」

クロっち「なお、この効果は破壊でもなければ、対象にも取らない! 《進撃の帝王》でも防ぐことはできねーからな!」



ハノイ「ぬぐうっ………!」



クロっち「全ての効果処理終了時、墓地に送られた《おジャマジック》の効果発動! デッキから、おジャマ三兄弟を手札に加える!」






クロっち「そして、手札に加えた《おジャマ・イエロー》を召喚だ!」



イエロー『フッフーン!』ATK0



クロっち「さらに、《サモン・チェーン》で得た2回目の召喚権を行使し、《おジャマ・グリーン》を召喚!」



グリーン『アッヒャー!』ATK0



クロっち「そして、《サモン・チェーン》で得た3回目の召喚権を行使してアドバンス召喚を行う!」

クロっち「私は《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》と相手の場の《虚無魔人》の3体をリリース!」



ハノイ(リリース3体!? いったい何をーーー)
















クロっち「ーーー起動せよ、《ラーの翼神竜》!」






ビカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!

………………ガゴンッガガンッッ………ガキンッッッ!!!



ラーの翼神竜『………………………………!!!』ATK?



ハノイ「ら、ら、ら、ら、《ラーの翼神竜》だとお!??」



クロっち「そして、召喚成功時、特殊能力発動!」シュウウ~~






ハノイ(なっ………奴のアバターが………消えて………??!)



クロっち「《ラーの翼神竜》の特殊能力…………召喚成功時、プレイヤーのライフを100になるまで支払うことで、支払った数値分のライフを自身の攻撃力、守備力に変換する!」LP7575→100



シュウウウウウ………………



Ai(クロっちが支払ったライフは7475………つまり攻撃力は………!!)






ラーの翼神竜(inクロっち)「フハハハハ!!」ATK7475



ハノイ「こ、攻撃力………7000オーバーだとお!?!」






ラーの翼神竜(inクロっち)(………おおっ、すげえ、本当に合体しやがった!?)キョロキョロッ

ラーの翼神竜(inクロっち)(………って、アレ?)

ラーの翼神竜(inクロっち)(………私のアバターのアホ毛とその先のAiがいない………あいつどこにーーー)



Ai(おーい、ここだ、クロっち! 下だ!)ピョンピョン



ラーの翼神竜(inクロっち)(ん、下ってーーー、ああ、そういうことか)



Ai(どうやら、俺とアホ毛は、100ポイント分のライフ扱いみてーだな)LP100

Ai(………まあ、まだ見えないデータで繋がってっから、離れることはできねーけど………)



ラーの翼神竜(inクロっち)(なるほどな………にしても、チビとか言われてた私がこんなデカくなれるたあ………なんだか濡れてきーーー)



Ai(いやいや!? 落ち着け、クロっち!? いま俺たちがやるべきことはーーー)






ガーゼット『………………………』ATK6700



ハノイ(………まさか、こんな方法で《偉大魔獣ガーゼット》の攻撃力を超えるとはな………正直驚いたぞ)


ハノイ(………だが、俺の場には《光の護封剣》がある。いくら攻撃力を上回ろうが、攻撃することはできん!)


ハノイ(せいぜい高攻撃力の壁モンスターとして扱うのが精一杯だろう)


ハノイ(そして、俺の墓地には《ブレイクスルー・スキル》がある!)

ハノイ(次のターン、《ブレイクスルー・スキル》で《ラーの翼神竜》の効果を無効化することで攻撃力をゼロに戻し、そのあとガーゼットで殴れば、俺の勝利が確定する!)



ハノイ(やはりこのデュエル、俺のーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)「ーーー3枚目の《おジャマ・カントリー》を発動!」






ハノイ「!」



ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、手札の《おジャマ・ブラック》を捨てて、《おジャマ・カントリー》の効果発動! 墓地から《おジャマ・キング》を復活させる!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「復活しろ、《おジャマ・キング》!」



キング『オジャー!』ATK0→3000

カードガード『………』ATK1900→800






ハノイ「………ふん、《おジャマ・キング》を復活させたところで、俺を倒すことはできんぞ? 《光の護封剣》で貴様は攻撃できんのだからな」



ラーの翼神竜(inクロっち)「………………」ATK7475→7475



ハノイ「それとも、攻守逆転でガーゼットの攻撃力をゼロにしたかったか? だが、《おジャマ・カントリー》の効果で逆転するのは元々の攻守だ」



ガーゼット『………』ATK6700→6700



ハノイ「《偉大魔獣ガーゼット》の元々の攻守はゼロ。入れ替わったところで、この通り、攻撃力が変動することは無い」



Ai「………………」



ハノイ「何より、俺の墓地には《ブレイクスルー・スキル》がある! 貴様がいまさら何をしようと、俺の勝利に揺るぎは無い!」






Ai(………なあ、クロっち、この後やることわかってるよな?)



ラーの翼神竜(inクロっち)(わかってる、わかってる………お前の声で頭冷えたし、下腹部も冷えた。問題ねえよ)



Ai(………………………そうか、ならーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)「おう! 《おジャマ・キング》をリリースして、速攻魔法、《神秘の中華なべ》を発動!」ATK7475→7475



キング『オジャー………!』ヒューン


ガーゼット『………』ATK6700→6700
カードガード『………』ATK800→1900



ハノイ「!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「リリースした《おジャマ・キング》の攻撃力、3000ポイント分、ライフを回復する!」LP100→3100



ごめんなさい

ちょっと重大なミス発覚

今日は投下ストップします




ハノイ「………まさかライフ4000ルールのデュエルで、そのカードを投入する者がいるとはな………」



クロっち(ああ? んなこと私が知るか! 苦情はSOLにでも出してろ)

Ai(でも、これで手札を増やせた! 今回ばかりは礼を言っても良いかもな。いや、言えねえけど)



ハノイ「まあいい、ならばメインフェイズに移行し、3枚目の《手札断殺》を発動!」

ハノイ「手札の《ブレイクスルー・スキル》と《幻影死槍》を墓地に送り、2枚ドロー!」



クロっち「………《アームド・ドラゴン LV3》と《融合》を墓地に送り、2枚ドロー!」



まず、>>489の内容を>>565の内容に修正します


そして、申し訳ありませんが、>>527から>>561までを無かったことにさせていただきます

これから投下する内容は、>>526の続きとしてスタートさせていただきます

また、もこっちvsネモのデュエルやその後の会話文にも一部ミスが発見されたので、ハノイとのデュエルが終了した後に修正内容を投下します

ミスばっかりで申し訳ありません。きっと読者様を混乱させてしまっていると思います

本当に申し訳ありません

そんなに細かく気にせんでもいいと思うけど……
デュエル終わった後で※実際には出来ません位の注釈入れれば充分じゃない?

>>567

お気づかい感謝します。そのように言ってくださると気持ちが楽になります

ただ、修正の効くレベルのミスは、できる限り無くしていきたい方針なので、修正内容は投下していきたいと思います

お気づかい、本当にありがとうございます



そして、これから>>526からの続きを投下します




ハノイ「まさか12枚ものドローを行うとはな………」



クロっち(………くっ、これだけ気合い入れてドローしたのに、逆転できそうにねえ………!)

クロっち(やっぱ、現実はアニメや漫画みたいにはいかねえか………っ、)

Ai(だが、まだいける、このカードがあれば!)

クロっち(………正直、リスクの高い手法だ。だが、やるしかない!)


クロっち「速攻魔法、《魔力の泉》を発動!」






ハノイ「!?」



クロっち「相手の表側表示の魔法・罠の数だけドローし、自分の表側表示の魔法・罠の数だけカードを捨てる!」

クロっち「相手の表側表示の魔法・罠は5枚! 私は1枚!」

クロっち「したがって、5枚ドローし、1枚捨てる!」

クロっち「私は2枚目の《シャッフル・リボーン》を捨てる!」







ハノイ「………だが、《魔力の泉》は発動後、次の相手ターン終了時まで、相手の魔法・罠の破壊及び無効化を防ぐ効果がある!」

ハノイ「これで、貴様の取れる選択肢は更に狭まったというわけだ!」



クロっち(ーーーだが、それでも、いくらか動けそうな手札にはなった)

クロっち(いや、なったんだがーーー)

Ai(こりゃまた、おかしな手札になったもんだな………)

クロっち(というか、なんで“このカード”が先に手札にくる!? こいつはデッキにあってこそナンボだってのに………)

Ai(………確かにあっちの方が来なかったのは残念だが、来なかったモンはしゃーねえだろ)

Ai(それよりもそっちを活かす方法を考えようぜ。その方が建設的だ)






クロっち(………えーと、これを活かす方法? ガチで言ってんのか、それ?)

Ai(お前、この手札見てみろ、他に逆転する方法があるように見えるか?)

クロっち(うっ、いや、でも、よくわからないカードは、また戻して別のカードにすればーーーーーー)

Ai(ロクに計算もしないで、リセットってのは、どうかと思うぞ?)



クロっち「ーーーーっ、!?」

Ai(それにリセットしたところで、さっきみたいなことになりかねねえしな)

クロっち「………………」

Ai(まずは計算、リセットするかどうか決めるのは、それからだろ。違うか?)






クロっち(………確かに、お前の言う通りかもしれねえな………)

Ai(じゃあーーーーーー)

クロっち(………ああ、試しに、やってみるか)

Ai(だが、こいつで逆転するためには、まずはこいつを召喚する必要がある)

クロっち(だけど、今の状況で召喚するのは、正攻法じゃ無理だ。可能性があるとすればーーー)






クロっち(………手札のーーーーやーーーで、ーーのーーのーーを利用すればーーー)

Ai(おう、そんで確かーーのーーのーーの中にはーーー)


Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)

クロっち(ーーーーーーーーーーーーーーー)





Ai(………………よしっ、まずは手札のーーーーを捨てて、ーーーーーーーをーーーーーーーーにセットして、ーーーをセットして、手札のーーーーーを発動して、その効果で、ーーーをーーして、ーーのーーのーーーーーーーーを加えてーーー)

クロっち(それから手札のーーーーとーーーーーーーーーーーとーーーーーーーーとーーーを発動して、逆順処理でまずーーーをーーーーポイントーーして、ーーのーーーーができるようにして、ーーーーーをーーして、ーーのーーのーーーーーをーーして、ーーーーをーーーーーーーのーーーーに使用できるようにしてーーー)

Ai(そんで、ーーーーのーーーでーーに送ったーーーーーーーのーーでーーーを加えて、それを増やしたーーーで、2体までーーして、それらと一緒にーーーーーの効果でーーーーをーーーーすればーーー)

クロっち(………それで“このカード”を出せるはずーーーそんでーーーーーー)

Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)

クロっち(ーーーーーーーーーーーーーーー)



ハノイ(随分考え込んでいるな………いや、長考は今に始まったことではないが………)






Ai(………よしっ、召喚前にもう一度、ーーーーーーーーーーーを発動すれば、厄介なーーーーーとーーーーーは無くなるし、その隙にーーのーーーーーーーーーーでーーーーーのーーをーーにして無力化できる!)

Ai(そんで、“このカード”でーーすれば、大ダメージだ!)

Ai(相手の墓地にも、《ブレイクスルー・スキル》があるが、それはーーーーーーーで防げる!)

Ai(そのまま維持して、場を制圧ーーー)

クロっち(………なあAi、ーーーーーーーーーーーの二回発動は、召喚後じゃダメか?)

Ai(………ああっ? 何言ってんだ、クロっち?)

クロっち(いや、ーーーーーーーーーで、ーーーーーーーーをーーさせて、ーーーーーーーを発動すれば、ーーーーポイントーーすることができる。ならば、後でも発動できるはずだ)

クロっち(そして、後から発動すれば、それまでーーーーポイント浮くから、“このカード”のーーーがーーーーポイント上がる)

クロっち(ーーーのーーーにするのは、いま手札にあるーーーーーーーでも良いわけだしな。だったらーーーーーー)






Ai(いや、その場合、ーーーーーーーーをーーーー発動することができなくなるぞ?)

クロっち(………あ、)

Ai(ーーーーーーーーの前にーーーを発動すれば可能だが、それだとーーーーーーーーをーーーにできないから、ーーーはーーーーポイント下がる)

Ai(つまり、ーーーーーーーーーーーの発動を後にしたとしても、結局は“このカード”のーーーはーーーーしか変わらないんだ。違うか?)

クロっち「………………」

Ai(それでも、ーーーーーーーをーーーーーに使えば、あのハノイを倒すことはできる)

Ai(だが、あの伏せカードを警戒するんなら、ーーーーーーーをーーーーーに使うなんて、できるはずがない。ーーーーーーーは“このカード”に使うべきだ)

Ai(しかも、クロっちの言う通りにすると、既にーーーーーーーが消費されている状態で、ーーーをーーーにすることになる)

Ai(そんな綱渡り状態にするのは、ハッキリ言ってリスクが高い。やめといた方が良いと思うぞ?)



>>577はミスです
無しでお願いします




Ai(いや、その場合、ーーーーーーーーをーーーー発動することができなくなるぞ?)

クロっち(………あ、)

Ai(ーーーーーーーーの前にーーーを発動すれば可能だが、それだとーーーーーーーーをーーーにできないから、ーーーはーーーーポイント下がる)

Ai(つまり、ーーーーーーーーーーーの発動を後にしたとしても、結局は“このカード”のーーーはーーーーしか変わらないんだ。違うか?)

クロっち「………………」

Ai(それじゃ、あのハノイを倒しきれねえ。ギリギリでライフが残っちまう)

Ai(もちろん、ーーーーーーーをセットせず、ーーーーーーーの方をーーーーーーーーの前に発動する手もある)

Ai(だが、そんなことのためにーーーーーーーを消費なんてすれば、向こうの伏せカード次第じゃ大変なことになる)

Ai(しかも、クロっちの言う通りにすると、既にーーーーーーーとーーーーーーーが消費されている状態で、ーーーをーーーにすることになる)

Ai(向こうの墓地には、《ブレイクスルー・スキル》があるにも関わらず、だ)


クロっち「ーーーーっ、!?」


Ai(ーーを防がれて、《ブレイクスルー・スキル》を使われたら、“このカード”のーーーもーーになる。後はどうなるかなんて、語るまでもねえ)

Ai(そんな綱渡り状態にするのは、ハッキリ言ってリスクが高い。やめといた方が良いと思うぞ?)






クロっち「………………」

Ai(………クロっちがせっかく考えてくれたところわりーが、勝ちを狙うにしても、なるたけリスクの低い方法を選ぶべきだろ)



Ai(世の中には、絶対に勝たなきゃならないデュエルがあるんだ)


Ai(………クロっちにとっちゃ、今がその時………違うか?)



クロっち(………そうだな。くそ、せめてーーのーーーーーーーーーーを発動できりゃあーーー)

Ai(? 何でそこでーーーーーーーーーーが出てくんだ?)

クロっち(いや、ーーーーーーーーーーをーーーーの発動にーーーー発動して、ーーーーをーーことで、そこでーーーーーーーーをーーーー発動できるだろ?)

クロっち(その後に、ーーーーーーーーを含むーーーをーーに送って、ーーーを発動すれば、得られるーーーがーーーー増えるし、それなら後に召喚する“このカード”のーーーもーーーー上がる)

クロっち(つまり、ーーーーーーーを消費するリスクを負わずとも、あのハノイにトドメをさせるかもしれねーっていうーーーーーー)




Ai(ーーーーーーーーーーーーーーーーー)






クロっち(ん? どうしたAiーーー)

Ai(それだーーーー!!!)

クロっち(うおっ、どうした急に!?)

Ai(どうしたもこうしたもねえよ! 勝てるぞ! それなら!)

クロっち(えっ、なんで? この状況だと、ーーーーーーーーーーは発動しても、その効果に意味なんてないだろ? だったら、発動できないんじゃーーー)

Ai(関係ねえよ! ーーーーーーーーーーのーーーー効果は、意味なかろうが発動できる! そういう裁定だ!)

クロっち(えっ、じゃあ………)

Ai(だから勝てるっつってんだろ! リスクを最小限に! このターン中に! あのハノイを倒せるんだ!!)






クロっち(っ! なら………)

Ai(おうよ、やっちまおうぜ! クロっち!)

クロっち(………ああ! まかせろ、Ai !)



ハノイ(………また目つきが変わった。今度は何を長考してーーー)



クロっち「手札から《ハネワタ》を捨てて、その効果を発動!」



ハノイ「!」



クロっち「このターン、私が受ける効果ダメージはゼロになる!」






ハネワタ『ハネー!』ピカーッ



キラキラキラ………………



ハノイ(このタイミングで? いったい何をーーー)



クロっち「さらに、フィールドゾーンにカードを1枚、魔法・罠ゾーンにカードを2枚セットして、永続魔法、《王家の神殿》を発動!」

クロっち「そして、《王家の神殿》の効果で、このターン伏せた罠カードを発動する!」

クロっち「罠カード発動、《墓荒らし》!」



ハノイ「!」



クロっち「その効果で、相手の墓地に存在する魔法カードを1枚選択して、自分の手札に加える!」

クロっち「私は《サモン・チェーン》を頂く!」






ガサゴソ………ヒョイッ



墓荒らし『イーッヒッヒッヒ!』つ《サモン・チェーン》



ハノイ(なるほど、《ハネワタ》はそのためか………)

ハノイ(だが、手札に加えるなら、あのカードの方がーーー)チラッ



クロっち「さらに、手札の《おジャマジック》を捨てることで、魔法カード、《二重魔法》を発動!」



ハノイ(っ、そういうことか!)






クロっち「また、それにチェーンして、墓地から《ダメージ・ダイエット》を除外して、その効果を発動!」



ハノイ「………《ダメージ・ダイエット》だと!?」



クロっち「《ダメージ・ダイエット》は墓地から発動することで、そのターン受ける効果ダメージを半分にする!」

クロっち「そして、その効果は、効果ダメージを受けない効果が適用された状態、つまり発動しても意味のない状態でも発動できる!」






クロっち(………そうだよな? Ai)

Ai(おうよ! そーいう裁定だ! 間違いない!)



ハノイ「意味の無い発動でチェーンを稼ぐ………つまりこれは」



クロっち「その通り! チェーン3以降になったことで、速攻魔法、《サモン・チェーン》を発動!」



ハノイ(やはりか!)



クロっち「また、《サモン・チェーン》にチェーンして、5枚のカードを墓地に送り、3枚目の《非常食》を発動!」






クロっち「逆順処理だ! まずは《非常食》の効果!」

クロっち「《王家の神殿》《二重魔法》《サモン・チェーン》とセットされた《蠱惑の落とし穴》《サモンブレーカー》の計5枚を墓地に送ることで、ライフを5000ポイント回復する!」LP2575→7575

クロっち「次に《サモン・チェーン》の効果! このターン、私は3回の通常召喚が可能となる!」

クロっち「なお本来、この《サモン・チェーン》の効果処理の際には、《墓荒らし》の効果で2000ダメージを受けるがーーー《ハネワタ》の効果でダメージはゼロだ!」

クロっち「そのまた次に《ダメージ・ダイエット》の効果で、このターン、私が受ける効果ダメージは半分になる! 意味は無いがな!」

クロっち「最後に《二重魔法》の効果! 相手の墓地の魔法カード1枚を選択し、そのカードを発動する!」

クロっち「私は《帝王の烈旋》を選択し、発動! このターン、私はエクストラデッキからの特殊召喚を封じる代わりに、相手モンスターをアドバンス召喚のリリースに使用できる!」

クロっち「なお、この効果は破壊でもなければ、対象にも取らない! 《進撃の帝王》でも防ぐことはできねーからな!」



ハノイ「ぬぐうっ………!」



クロっち「全ての効果処理終了時、墓地に送られた《おジャマジック》の効果発動! デッキから、おジャマ三兄弟を手札に加える!」






クロっち「そして、手札に加えた《おジャマ・イエロー》を召喚だ!」



イエロー『フッフーン!』ATK0



クロっち「さらに、《サモン・チェーン》で得た2回目の召喚権を行使し、《おジャマ・グリーン》を召喚!」



グリーン『アッヒャー!』ATK0



クロっち「そして、《サモン・チェーン》で得た3回目の召喚権を行使してアドバンス召喚を行う!」

クロっち「私は《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》と相手の場の《虚無魔人》の3体をリリース!」



ハノイ(リリース3体!? いったい何をーーー)















クロっち「ーーー起動せよ、《ラーの翼神竜》!」






ビカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!

………………ガゴンッガガンッッ………ガキンッッッ!!!



ラーの翼神竜『………………………………!!!』ATK?



ハノイ「ら、ら、ら、ら、《ラーの翼神竜》だとお!??」



クロっち「そして、召喚成功時、特殊能力発動!」シュウウ~~






ハノイ(なっ………奴のアバターが………消えて………??!)


クロっち「《ラーの翼神竜》の特殊能力…………召喚成功時、プレイヤーのライフを100になるまで支払うことで、支払った数値分のライフを自身の攻撃力、守備力に変換する!」LP7575→100



シュウウウウウ………………



Ai(クロっちが支払ったライフは7475………つまり攻撃力は………!!)










ラーの翼神竜(inクロっち)「フハハハハ!!」ATK7475



ハノイ「こ、攻撃力………7000オーバーだとお!?!」






ラーの翼神竜(inクロっち)(………おおっ、すげえ、本当に合体しやがった!?)キョロキョロッ

ラーの翼神竜(inクロっち)(………って、アレ?)

ラーの翼神竜(inクロっち)(………私のアバターのアホ毛とその先のAiがいない………あいつどこにーーー)



Ai(おーい、ここだ、クロっち! 下だ!)ピョンピョン



ラーの翼神竜(inクロっち)(ん、下ってーーー、ああ、そういうことか)



Ai(どうやら、俺とアホ毛は、100ポイント分のライフ扱いみてーだな)LP100

Ai(………まあ、まだ見えないデータで繋がってっから、離れることはできねーけど………)



ラーの翼神竜(inクロっち)(なるほどな………にしても、チビとか言われてた私がこんなデカくなれるたあ………なんだか濡れてきーーー)



Ai(いやいや!? 落ち着け、クロっち!? いま俺たちがやるべきことはーーーーーー)






ガーゼット『………………………』ATK6700



ハノイ(………まさか、こんな方法で《偉大魔獣ガーゼット》の攻撃力を超えるとはな………正直驚いたぞ)

ハノイ(………だが、俺の場には《光の護封剣》がある。いくら攻撃力を上回ろうが、攻撃することはできん! せいぜい高攻撃力の壁モンスターとして扱うのが精一杯だろう)

ハノイ(そして、俺の墓地には《ブレイクスルー・スキル》がある!)

ハノイ(次のターン、《ブレイクスルー・スキル》で《ラーの翼神竜》の効果を無効化することで攻撃力をゼロに戻し、そのあとガーゼットで殴れば、俺の勝利が確定する!)

ハノイ(やはりこのデュエル、俺のーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)「ーーー3枚目の《おジャマ・カントリー》を発動!」






ハノイ「!」



ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、手札の《おジャマ・ブラック》を捨てて、《おジャマ・カントリー》の効果発動! 墓地から《おジャマ・キング》を復活させる!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「復活しろ、《おジャマ・キング》!」



キング『オジャー!』ATK0→3000

カードガード『………』ATK1900→800






ハノイ(3000のライフが加わったーーー)

ハノイ(はっ、まさか、《ラーの翼神竜》の破壊効果で俺のカードをーーーーーー)

ハノイ(ーーーいや、待て、確かあれはモンスターしか破壊できないはずだ)

ハノイ(しかも、対象を取る効果のため、《進撃の帝王》と《スキル・プリズナー》で防ぐことができる。この状況ではさしたる意味も無い)

ハノイ(ならば、いったい何を狙ってーーーーーー)













ラーの翼神竜(inクロっち)「ライフを1000支払うことで、速攻魔法、《コズミック・サイクロン》を発動!」LP3100→2100






ハノイ「!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「フィールドにある魔法・罠を1枚除外する!」



ハノイ「除外だと!? これではーーー」



ラーの翼神竜(inクロっち)「そう、《魔力の泉》やカウンターで防ぐことができるのは、あくまでも破壊だけだ!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「《スキル・プリズナー》で防ぐことができるのも、対象を取るモンスター効果のみ!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「つまり、魔法カードによる除外は問題なく受けるってわけだ!」



ハノイ「ぬうっ、!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「私は《進撃の帝王》を除外!」



ーーーーーーコオオオオオッ………………バリーン!!






ハノイ(そんな………《進撃の帝王》が………??!)



ラーの翼神竜(inクロっち)「さらに、手札の《Aーアサルト・コア》を捨てることで、魔法カード、《鳳凰神の羽根》を発動!」



ハノイ「そ、そのカードはーーー」



ラーの翼神竜(inクロっち)「その効果で私の墓地から《コズミック・サイクロン》をデッキトップに戻す!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「さらに、フィールド魔法、《チキンレース》を発動!」



やべ、途中ぬかして投稿してた
>>596から>>598は無かったことにしてください

>>595からの続きを投下します




ハノイ「………ふん、《おジャマ・キング》を復活させたところで、俺を倒すことはできんぞ? 《光の護封剣》で貴様は攻撃できんのだからな」



ラーの翼神竜(inクロっち)「………………」ATK7475→7475



ハノイ「それとも、攻守逆転でガーゼットの攻撃力をゼロにしたかったか? だが、《おジャマ・カントリー》の効果で逆転するのは元々の攻守だ」



ガーゼット『………』ATK6700→6700



ハノイ「《偉大魔獣ガーゼット》の元々の攻守はゼロ。入れ替わったところで、この通り、攻撃力が変動することは無い」



Ai「………………」



ハノイ「何より、俺の墓地には《ブレイクスルー・スキル》がある! 貴様がいまさら何をしようと、俺の勝利に揺るぎは無い!」






Ai(………なあ、クロっち、この後やることわかってるよな?)



ラーの翼神竜(inクロっち)(………わかってる、わかってる………お前のおかげで頭冷えたし、下腹部も冷えた。問題ねえよ)



Ai(………………………そうか、ならーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)「おう! まずは、墓地の《シャッフル・リボーン》を除外し、その効果発動!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「《おジャマ・カントリー》をデッキに戻して1枚ドロー!」ATK7475→7475



キング『オジャー………』ATK3000→0

ガーゼット『………』ATK6700→6700
カードガード『………』ATK800→1900



ラーの翼神竜(inクロっち)「さらに、 《おジャマ・キング》をリリースして、速攻魔法、《神秘の中華なべ》を発動!」



キング『オジャー………!』ヒューン



ハノイ「!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「リリースした《おジャマ・キング》の守備力、3000ポイント分、ライフを回復する!」LP100→3100






ハノイ(3000のライフが加わったーーー)

ハノイ(はっ、まさか、《ラーの翼神竜》の破壊効果で俺のカードをーーーーーー)

ハノイ(ーーーいや、待て、確かあれはモンスターしか破壊できないはずだ)

ハノイ)しかも、対象を取る効果のため、《進撃の帝王》と《スキル・プリズナー》で防ぐことができる。この状況ではさしたる意味も無い)

ハノイ(ならば、いったい何を狙ってーーーーーー)









ラーの翼神竜(inクロっち)「ライフを1000支払うことで、速攻魔法、《コズミック・サイクロン》を発動!」






ハノイ「!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「フィールドにある魔法・罠を1枚除外する!」



ハノイ「除外だと!? これではーーー」



ラーの翼神竜(inクロっち)「そう、《魔力の泉》やカウンターで防ぐことができるのは、あくまでも破壊だけだ!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「《スキル・プリズナー》で防ぐことができるのも、対象を取るモンスター効果のみ!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「つまり、魔法カードによる除外は問題なく受けるってわけだ!」



ハノイ「ぬうっ、!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「私は《進撃の帝王》を除外!」



ーーーーーーコオオオオオッ………………バリーン!!






ハノイ(そんな………《進撃の帝王》が………??!)



ラーの翼神竜(inクロっち)「さらに、手札の《Aーアサルト・コア》を捨てることで、魔法カード、《鳳凰神の羽根》を発動!」



ハノイ「そ、そのカードはーーー」



ラーの翼神竜(inクロっち)「その効果で私の墓地から《コズミック・サイクロン》をデッキトップに戻す!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「さらに、フィールド魔法、《チキンレース》を発動!」






ドルルンッ………ドドルルンッ………………!!



ラーの翼神竜(inクロっち)「ライフを1000支払うことで、《チキンレース》の効果発動!」LP2100→1100

ラーの翼神竜(inクロっち)「その効果でデッキからカードを1枚ドローする!」



ハノイ「くっ、ドローしたカードは当然ーーーーーー」



ラーの翼神竜(inクロっち)「ライフを1000支払うことで、速攻魔法、《コズミック・サイクロン》を発動!」LP1100→100

ラーの翼神竜(inクロっち)「その効果で………………」チラッ

つ《?????》



Ai「………?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「………………」



ハノイ(………なんだ? 何を迷ってーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)「………私は、《暗黒界の門》を除外する!」



ーーーーーーコオオオオオッ………………バリーン!!






Ai(はあ!?)



ハノイ「!??………………………?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「これで、お前のモンスターの攻撃力はダウンする!」



ガーゼット『………』ATK6700→6400
カードガード『………』ATK1900→1600



Ai(おいおい、クロっち! 何考えてんだ!? ここで除去するのは《光の護封剣》ーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)(………ああ、そうか。Aiのその位置じゃ、さっきドローしたカードは見えねえか)



Ai(? さっきドローしたカードって、《コズミック・サイクロン》じゃーーー)

Ai(ーーーいや、待て、まさかーーーーーー!?)



ラーの翼神竜(inクロっち)(そう、そのまさか! 私がさっき、その直前にドローしたのはーーーーーー)






ハノイ(………あのチビ、いったい何を考えてーーーーーー)



ラーの翼神竜(inクロっち)「私は、(さっき《シャッフル・リボーン》でドローした)フィールド魔法、《神縛りの塚》を発動!」



ハノイ「む!」



ジャラジャラジャラ………………!



ラーの翼神竜(inクロっち)「このカードの効果と鎖で、《ラーの翼神竜》………私自身を縛りつける!」

ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、《ラーの翼神竜》は対象を取る効果と破壊効果からの耐性を得る!」



ハノイ「厄介なカードを………っ、!」



ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、この発動に対して、何かチェーンするカードはあるか?」






ハノイ「………? いや、ないが………」



ラーの翼神竜(inクロっち)「なら、《神縛りの塚》にチェーンして、速攻魔法、《禁じられた聖槍》を発動!」



ハノイ「!?」



ラーの翼神竜(inクロっち)「逆順処理だ! 《禁じられた聖槍》の効果! 《ラーの翼神竜》を対象に、その攻撃力を800ポイントダウンさせる!」ATK7475→6675

ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、このターン、《ラーの翼神竜》は魔法・罠の効果を受けない!」キュピイーンッ

ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、《禁じられた聖槍》の効果で、《ラーの翼神竜》は《神縛りの塚》の効果を受けない!」



ジャラジャラ………………ブチィッ!!






ハノイ「こ、これはーーー!」



ラーの翼神竜(inクロっち)(流石に緊縛プレイはゴメンだからな。槍は使っても、槍サーじゃなーし)



Ai(………どうして、デュエルをそういうことに結びつけたがるんだ、クロっちは。いやマジで)



ラーの翼神竜(inクロっち)「これが私だ! なお、《進撃の帝王》が存在しないため、ガーゼットを効果の対象に取ることが可能となる!」



ハノイ「!」



ラーの翼神竜(inクロっち)「私は墓地の《ブレイクスルー・スキル》を除外し、その効果発動! ガーゼットの効果を無効にする!」



Ai(………ガーゼットの攻撃力は、効果を無効にされた場合、元々の数値に戻る! つまり攻撃力はーーーーーー)






ガーゼット『………』ATK6400→0



ハノイ「ぐ、ぐうっ………! ガーゼットの攻撃力が………ゼロ………!!」



ラーの翼神竜(inクロっち)「そして、私はバトルフェイズに移行!」



ハノイ「………!」



ラーの翼神竜(inクロっち)「さあ………覚悟はいいかあ!?」



ラーの翼神竜『………………………………………!!!』



バアアッ………!!






ハノイ(………そうか! そういうことか!!)



ハノイ(………《神縛りの塚》には、その効果が適用されたカードを、対象を取る効果から守る効果がある)

ハノイ(つまり、もし俺の伏せカードが、《ブレイクスルー・スキル》や《デモンズ・チェーン》など、対象を取る無効効果だった場合、それを《ラーの翼神竜》に適用させたいのであれば、《神縛りの塚》にチェーン発動する必要があった)

ハノイ(そうして、チェーン発動された《ブレイクスルー・スキル》や《デモンズ・チェーン》に対し、《禁じられた聖槍》を使い、確実に無力化する魂胆だったのだな………!)



ラーの翼神竜(inクロっち)(まあ、伏せカードをチェーン発動しなかったところを見るに、杞憂だったみてーだがな)

ラーの翼神竜(inクロっち)(予定通り、《コズミック・サイクロン》で《光の護封剣》を除去していた方が良かったかもしれねえ)

ラーの翼神竜(inクロっち)(だがそれでも、このターンで、お前を倒せることに変わりはねえ!)



ハノイ(《禁じられた聖槍》の効果で、《ラーの翼神竜》は《光の護封剣》の影響を受けないため、その存在に関係なく攻撃が可能!)

ハノイ(そう、《禁じられた聖槍》の効果は破壊でも無効化でも無い。《光の護封剣》に《魔力の泉》の効果が適用されている状態でも、問題なく攻撃できるのだ………!)



Ai(だから、クロっちは、《光の護封剣》を除去する必要が無かった! だから、《暗黒界の門》を除去して、少しでも多く戦闘ダメージを与えることのできるようにしたってわけだ!)



ハノイ(そして、俺の場の《安全地帯》や墓地の《幻影死槍》で守れるのはモンスターのみ。プレイヤーが受ける戦闘ダメージを防ぐことはできない………)

ハノイ(何より、俺のライフは6675………向こうの攻撃力も6675………つまりーーーーーー)



ハノイ(………ふっ、ふっははは………………!!)






Ai(やっちまえ! クロっち!!)



ラーの翼神竜(inクロっち)「おう! 《ラーの翼神竜》で《偉大魔獣 ガーゼット》を攻撃!」


ラーの翼神竜(inクロっち)「ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」



ラーの翼神竜『ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』



ギュイーーン………………ゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!










ハノイ「イワーーーーーーーーーーーーーーク!!!!」LP6675→0



ピィーッ!



winner:【クロっち】!!



今はここまで

最初は《ラーの翼神竜》の効果で《進撃の帝王》などを破壊する予定だったけど、途中でモンスター以外破壊できないことに気づいて修正しました


次は、もこっちvsネモのデュエルやその直後の会話文の一部修正を投下し、その後に喪2に戻って続きを投下します




ハノイ(………そうか! そういうことか!!)



ハノイ(………《神縛りの塚》には、その効果が適用されたカードを、対象を取る効果から守る効果がある)

ハノイ(つまり、もし俺の伏せカードが、《ブレイクスルー・スキル》など、対象を取る無効効果だった場合、それを“ラー”に適用させたいのであれば、《神縛りの塚》にチェーン発動する必要があった)

ハノイ(そうして、《ブレイクスルー・スキル》のチェーン発動を誘導し、それに《禁じられた聖槍》を使い、無力化する魂胆だったのだ………!)



ラーの翼神竜(inクロっち)(あの時点では、先に《禁じられた聖槍》を発動すると、《ブレイクスルー・スキル》辺りをチェーン発動される可能性があったからな)

ラーの翼神竜(inクロっち)(だから、《神縛りの塚》を発動し、向こうの発動を促したってわけだ)

ラーの翼神竜(inクロっち)(まあ、伏せカードをチェーン発動しなかったところを見るに、杞憂だったみてーだがな)

ラーの翼神竜(inクロっち)(だが、やっぱり《禁じられた聖槍》は《ラーの翼神竜》に適用させようと思った。なぜならーーーーーー)



ハノイ(………なぜなら、《禁じられた聖槍》の効果で、《ラーの翼神竜》は《光の護封剣》の影響を受けないため、その存在に関係なく攻撃が可能!)

ハノイ(そう、《禁じられた聖槍》の効果は破壊でも無効化でも無い。《光の護封剣》に《魔力の泉》の効果が適用されている状態でも、問題なく攻撃できるのだ………!)






Ai(だから、クロっちは、必ずしも《光の護封剣》を除去する必要が無かったってわけだ! そんなカードを除去するくらいならーーー)



ハノイ(迷うことなく、《暗黒界の門》を除去する)

ハノイ(奴の視点では、俺の伏せカードの正体がわからんからな………それを思えば、魔法・罠に対して無敵に近い耐性を付与する《禁じられた聖槍》を《ラーの翼神竜》に適用させておきたいのは当然だ)

ハノイ(だが、それをすると、攻撃力が800ダウンするため、《暗黒界の門》を除去してガーゼットの攻撃力を下げなければ、俺をこのターンで倒しきれない………)

ハノイ(だから、除去する必要の無い《光の護封剣》の代わりに《暗黒界の門》を除去したのだろう)



ラーの翼神竜(inクロっち)(だが、これは《神縛りの塚》を引き当てることができたからこそのプレイングだ)

ラーの翼神竜(inクロっち)(あのカードの発動で、向こうの伏せカードが《ブレイクスルー・スキル》じゃないと判断できなきゃ、向こうの伏せカードの発動にチェーンしない形で《禁じられた聖槍》を発動なんて怖くてできねえからな)



Ai(無論、《コズミック・サイクロン》を伏せカードに使って、チェーン発動を促す手もあった)

Ai(だが、《ダメージ・ダイエット》みてーな場に残る必要の無いフリーチェーンの罠だったら無駄撃ちになっちまう。だから、やれなかった)



ラーの翼神竜(inクロっち)(まっ、あの伏せカードが《ダメージ・ダイエット》で、このターン、あのハノイを倒せなかったとしても、《神縛りの塚》がある限り、墓地の《ブレイクスルー・スキル》で《ラーの翼神竜》を無力化することはできねえけどな)



ハノイ(………俺にまともな防御手段は無い………)

ハノイ(俺の場の《安全地帯》や墓地の《幻影死槍》で守れるのはモンスターのみ。プレイヤーが受ける戦闘ダメージを防ぐことはできん………)

ハノイ(何より、俺のライフは6675………向こうの攻撃力も6675………つまりーーー)



ハノイ(………ふっ、ふっははは………………!!)



突然ですが、>>612の内容を>>617>>618に差し替えさせていただきます

>>612のままだと、意味がわかりづらいと思ったので修正しました


本格的な投下はまだ先です。申し訳ない

undefined

ごめんなさい。>>618は無しで




Ai(だから、クロっちは、必ずしも《光の護封剣》を除去する必要が無かったってわけだ! そんなカードを除去するくらいならーーー)



ハノイ(迷うことなく、《暗黒界の門》を除去する)

ハノイ(奴の視点では、俺の伏せカードの正体がわからんからな………それを思えば、魔法・罠に対して無敵に近い耐性を付与する《禁じられた聖槍》を《ラーの翼神竜》に適用させておきたいのは当然だ)

ハノイ(だが、それをすると、攻撃力が800ダウンするため、《暗黒界の門》を除去してガーゼットの攻撃力を下げなければ、俺をこのターンで倒しきれない………)

ハノイ(だから、除去する必要の無い《光の護封剣》の代わりに《暗黒界の門》を除去したのだろう)



ラーの翼神竜(inクロっち)(だが、これは《神縛りの塚》を引き当てることができたからこそのプレイングだ)

ラーの翼神竜(inクロっち)(《神縛りの塚》の発動で、向こうの伏せカードが《ブレイクスルー・スキル》じゃないと判断できなきゃ、向こうの伏せカードの発動にチェーンしない形で《禁じられた聖槍》を発動なんて怖くてできねえからな)

ラーの翼神竜(なんせ、あの伏せカードが《ブレイクスルー・スキル》なら、《禁じられた聖槍》にチェーン発動されて、《ラーの翼神竜》を無力化されちまう。そうなったら、たまったもんじゃない)






Ai(無論、《神縛りの塚》を引き当てられなくても、《コズミック・サイクロン》で伏せカードを除去して、伏せカードを警戒せずに済むようにする手もあった)

Ai(だが、その場合、《コズミック・サイクロン》が1枚消費されて、《光の護封剣》も《暗黒界の門》も除去できなくなる。それじゃ、あのハノイを倒すことはできない)

Ai(《禁じられた聖槍》を使えば《光の護封剣》を突破できるが、攻撃力が800ダウンするし、《暗黒界の門》が除去されていないため、向こうのライフはギリギリ残る)

Ai(《神縛りの塚》が無い前提である以上、《禁じられた聖槍》を消費すれば、次のターン、墓地の《ブレイクスルー・スキル》を《ラーの翼神竜》に使われて、殴られるだけ)

Ai(そうなったら、俺たちは終いだ。だから、クロっちには、できなかった)



ラーの翼神竜(inクロっち)(まっ、相手の伏せカード次第じゃ、予定通り《コズミック・サイクロン》2枚で《光の護封剣》と《進撃の帝王》を除去するだけで充分なんだがな)

ラーの翼神竜(inクロっち)(それなら、《禁じられた聖槍》を温存した上で、あのハノイを倒せる)

ラーの翼神竜(だが、《神縛りの塚》なんて来たから、念には念を入れることにしたってだけの話だ………)

ラーの翼神竜(………そろそろ、攻撃のチャージ時間が終わりそうだな。まったく、処理に時間がかかるなら、どうしてこんな手の込んだ演出をーーーーーー)キュイーンッ



ハノイ(………俺にまともな防御手段は無い………)

ハノイ(俺の場の《安全地帯》や墓地の《幻影死槍》で守れるのはモンスターのみ。プレイヤーが受ける戦闘ダメージを防ぐことはできん………)

ハノイ(何より、俺のライフは6675………向こうの攻撃力も6675………つまりーーー)



ハノイ(………ふっ、ふっははは………………!!)



>>618の内容を、>>622>>623の内容に差し替えます

修正したのに、さらに修正することになるとか、ホントにもう…

そこまで厳密にやらんでも…ラーでなんでも破壊できる世界って言っても文句なんて出ないと思いますよ

もこっちvsネモの修正を投下します

まず、最初に>>87から>>91は無かったことにします




ネモっち「ふふっ、バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行。カードを4枚セットしてターンエンド!」



クロっち「………私のターン、ドロー!」



ネモっち「この瞬間、罠カード発動、《破壊指輪》!」



クロっち「………げえっ、!? そのカードは………!!」



ネモっち「その効果で、自分フィールド上のモンスターを1体破壊して、お互いに1000ポイントのダメージを受ける!」

ネモっち「私は《サモン・ソーサレス》を破壊!」



カチッ



ソーサレス『………』ビカーッ



ネモっち「墓地の《ダメージ・ダイエット》を除外して、半減しても500ダメージ! どうする? クロっち!」






クロっち「っ、だったら、手札から《ハネワタ》を捨てて、その効果発動!」



ネモっち「!」



クロっち「このターン、私が受ける効果ダメージをゼロにする!」



ハネワタ『ハネーッ!』ピカーッ



キラキラキラキラ………………



ソーサレス『………!!』ドガーンッ



ピキーンッ………ジュウッ!






クロっち(………あっぶねー! 《ハネワタ》ドローしてなけりゃ完全に負けてたぞ私!)



ネモっち「………あちゃー、防がれちゃったかー」LP4000→3000



クロっち(あちゃー、じゃねーよ! つーか、ネモのやつ、新ルール教えるためのデュエルでワンキルしかけるとか何考えてんだ?)



ネモっち(………負けたらもう一度、そう思ってたけど、まさか防いじゃうとはね。でも次はどうかな?)






ネモっち「………ふふっ、ここからどう逆転する、クロっち?」



クロっち「これだけ手札があるんだ。普通に逆転してやるよ!」


クロっち「《おジャマ・レッド》を召喚!」



レッド『レレ~!』ATK0



クロっち「《おジャマ・レッド》のモンスター効果発動! 手札の『おジャマ』モンスターを4体まで特殊召喚できる!」

クロっち「私は、おジャマ三兄弟を特殊召喚する!」



ネモっち「なら、手札の《増殖するG》を捨てて、その効果を発動するね。このターン、クロっちが特殊召喚するたびに、私は1枚ドローする」



クロっち「っ、《おジャマ・レッド》の効果、出てこい、おジャマ三兄弟!」



イエロー&グリーン&ブラック『『『ドモー!!』』』ATK0 ×3



ネモっち「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」


>>87から>>91の内容を、>>627から>>630の内容に差し替えます


そして、次は>>112から>>113を無かったことにします




クロっち(………ちっ、あのままダイレクトアタックに成功していれば、今頃向こうのライフはゼロで、勝てたってのに………)


クロっち(でも流石に仕方ねーか。このターン、あれだけドローしてるんだ。そりゃあ《バトル・フェーダー》も手札にーーー)

クロっち(ーーーいや、ネモの終始余裕そうな態度から見るに、最初から握っていたと見るべきか?)


クロっち(つーか、《バトル・フェーダー》が無くとも《マジカルシルクハット》で《光の護封霊剣》を落とせばーーー)


クロっち(………まあ、何にせよ、さっきと同じでやることは変わらん。あんま待たせても悪いし、さっさとプレイ続けるか)





クロっち「メインフェイズ2に移行」

クロっち「そして、《おジャマ・キング》をリリースして速攻魔法、《神秘の中華なべ》を発動」



キング『オジャーッ!?』ヒューン



クロっち「その効果で、《おジャマ・キング》の攻撃力、つまり3000ポイントのライフを回復する」LP100→3100


クロっち「さらに、エクストラデッキの《ABCードラゴン・バスター》を見せ、墓地の《おジャマ・イエロー》《おジャマ・グリーン》《おジャマ・ブルー》の3体を除外することで、魔法カード、《おジャマ改造》を発動!」


クロっち「さっき見せた《ABCードラゴン・バスター》に記されている融合素材モンスターを、さっき除外した『おジャマ』の数だけデッキから特殊召喚する!」

クロっち「私は《ABCードラゴン・バスター》の融合素材、《Aーアサルト・コア》《Bーバスター・ドレイク》《Cークラッシュ・ワイバーン》の3体をデッキから特殊召喚する!」


クロっち「出て来い、合体(マグネット)モンスター達!」



>>112から>>113の内容を、>>632から>>633の内容に差し替えます


そして、次は>>143を無かったことにします




ネモっち「………うん、私の勝ちだねーー、クロっち!」LP3000


クロっち(ま、負けた………しかも、ネモは自爆ダメージ以外は無傷、これじゃ私の完敗ーーー)LP0


ネモっち「………でもまあ、クロっちのデュエル、普通に凄かったと思うよ?」スタスタ

クロっち「………ああっ? 何言ってんだ、勝ったのはお前じゃねーか。しかも無傷だし………」

ネモっち「………いや、だって、そのデッキって普通に無改造の初期デッキでしょ? エクシーズもしなかったし」



>>143の内容を、>>635の内容に差し替えます

これで、もこっちvsネモの修正は終わりです

ミスした部分は《封魔の矢》の効果がターン終了時までにも関わらず、魔法カードである《エクトプラズマー》の効果が発動しているところです

>>625

お気づかい本当にありがとうございます

ただ、既に修正内容を書いてしまったので、投下させて頂きました

喪2が終わった後は、今後同じことが起きた場合どうすべきか、じっくり考えてみようと思います


また、次の投下はデュエルパート終了後の話なので、今のように修正ばっかりにはならないと思います



とりあえず、今はここまでで

喪2の続きを投下します




ハノイ「」チーン



Ai(よっしゃあ! 俺たちの勝ちだーー!!)



ラーの翼神竜(inクロっち)(ああ、これでーー、おっと………)



シュウウウ~~………………



クロっち(………デュエル後はアバター元に戻るのか………まあ当然だな)チョコン

Ai(俺も元の位置に戻ったか………やっぱそうだよな………………)ピョンピョン


クロっち(………まあそれはそれとしてーーー)チラッ






ハノイ(………くくっ、また負けた………!)

ハノイ(それも今度はこんなわけのわからん奴に………全力を出した上で! 完膚なきまでに!)

ハノイ(………このザマでは、もはや誰も私をーーー)



クロっち「……………………」

Ai(ん? おい、何やってんだクロっち! さっさとログアウトするぞ!)

クロっち(わ、わかってる!)ピピッ



ピュウンッ………………



クロっち「あの、そのーーー」



ハノイ「…………?」



クロっち「………デュエル、ありがとうございました! 凄くて、楽しかったです!」



ハノイ「…………!?」



クロっち「………お元気で!」ペコッ






Ai「………………………………」



………………ヒュンッ






〔アカウント名:【クロっち】がログアウトしました〕






ハノイ(………………逃げられるのは、いつものことだ。俺の美的感覚は他とは違うらしいからな………)

ハノイ(………だが、まさか真っ向から俺のデュエルを褒め、礼まで言うなどと………)


ハノイ「…………………………………………………………………………」


ハノイ「……………………………………………………………………バイトするか」







ーー 現実世界 『 黒木宅 ” 黒木智子の部屋 ” 』 ーー



シュウーンガチャッ



もこっち「………た、たたたーーー」

Ai「………たっ、たたたたーーー」



「「助かったあ~~!」 」



Ai「ふい~~、これでハノイの恐怖とはおさらばだ!」

もこっち「ああ、もうホント、死ぬかと思ったわ………」グデーッ

Ai「………うん、ホント、ゴメンな」






もこっち「………………………………………………」

Ai「………もう、俺、クロっちの端末から出ないからさ」

Ai「呼び出したり、リンクヴレインズにも行かせないから、だから俺のことはもういないと思ってーーー」

もこっち「………一緒に学校行くか?」

Ai「………………えっ、?」キョトン

もこっち「いや、デュエルしたいなら、別にリンクヴレインズとかじゃなくても良いだろ? お前がディスクに入れば連れてけるし………」

Ai「!」






もこっち「学校にはネモがいるしーーデュエル部ってところもあるらしいしな。だったら、そこで私を通して、デュエルすれば良い」

Ai「クロっち、お前………いやでもそれはーーー」

もこっち「………テーブルデュエル」

Ai「………へっ、?」


もこっち「いや、これからはデュエルを、テーブルデュエルに限定すれば良いんじゃないのか?」

もこっち「デッキは白紙のカードに初期デッキのデータを移せば済む話だしーーー」

もこっち「それに、機械使わないテーブルデュエルでなら、ハッキングのしようがねーだろーし、ハノイどうこうの心配も無くなると思うが………」

Ai「………………………あっ、!?」


もこっち「ああ、普通に気づいてなかったのか………」(ホント、頭が良いんだか悪いんだか、わかんねえなこいつ………)

Ai「うっ、面目無い………」ショボーン






もこっち「………で、どうすんだ? 割と良いアイデアだと思うんだが………」

Ai「………つーか、いいのかよ? お前が俺にそこまでする必要はーーー」

もこっち「ああー、もちろん、許しちゃいねえからな? 勘違いすんなよ?」

Ai「あ、はい、もちろんデス………」ズーン


もこっち「………だけど、デュエル中にも言ったろ? 私にだって、少し、少し………言い過ぎたところもあったわけだし………」

Ai「………いやでもそれはーーー」

もこっち「それに、思い返せば、お前が私をリンクヴレインズに連れてってくれたから、ネモが持ち直したようなもんだしな」ポリポリ

Ai「………………」






もこっち「………なにより、お前だって、平穏を大切に思って、今まで必死にやってきたんだろ? それを私の都合で全否定するのはーー何か違うだろ」

Ai「クロっち………」ジーン

もこっち「………あー、もー、そのアバターをこれ以上泣かせるな! それはネモから貰ったアバターなんだから、使うならネモの言った通り、もっと楽しそうにしとけ!」

Ai「………うん、そうだな。ありがとな、クロっち」ニカッ

もこっち「………反省はしとけよ、Ai」

Ai「おう………!」






もこっち(………ふう、これで、こいつについても、ひとまずはーーー)

Ai「………へへっ、現実世界でデュエルするってんなら、アレやっといて正解だったな!」

もこっち「………アレ? いったい何のーーー」



黒木母「智子、そろそろ終わった?」ガチャッ


もこっち「あれ、お母さん、何か用?」


黒木母「智子宛に荷物が届いてたから。それを渡しに来たのよ」スタスタ

もこっち「荷物?」

黒木母「はい、これよ。ちゃんと中身保管しときなさい」ドンッ

もこっち「あ、うん」


黒木母「それじゃ、そろそろお風呂沸く頃だから、早めにお願いね」スタスタガチャッ



バタン………






もこっち「………えーと、これは」

Ai「今日到着か。割と早かったな、カード達よ」

もこっち「………えっ、まさか、これってーーー」

Ai「そうよ。俺がネットで注文したカードの山よ!」

もこっち「!」






Ai「いや、あの初期デッキのままハノイを潰すのは難しいと思ってな」

Ai「だから初期デッキと相性の良さそうなカード注文して、データをPCの中に移した後、きちんとしたカスタマイズデッキを組もうーーそう思ったんだ」

もこっち「………へえー、この重さのカード全部が………」ゴクリッ

Ai「もっとも、データは移さないで、そのまま使うことになるだろうけどな」






Ai「とまあ、そういうわけで、一緒にデッキ組もうぜ、クロっち! きっと楽しいぜ!」

もこっち「おう! じゃあ、さっそくーーー」

もこっち「ーーーーーーーーーーーーん?」

Ai「ん? どうかしたか?」

もこっち「…………一つ聞きたいんだが、これらのカードを購入した際の代金はどうしたんだ?」

Ai「えっ、そんなのお前の口座から引き落とさせたに決まってーーー」















(この後、むちゃくちゃ喧嘩した)

(だけど、母と弟の両方からウルサイと怒鳴られて、むちゃくちゃこわかったので、むちゃくちゃ仲直りした)



(結論、私たち、ビビリである)

(ほんとゴメン。いやマジで)


以上で喪2は終了です

そして、書き溜めが無くなったので、また書いてきます

長くなりそうなので、いったんHTML化します。また、新たに書き溜めたものは新スレで投下します


ここまで、お付き合い頂き本当にありがとうございました

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