【ゆるキャン△】リン「なんだお前」よつば「こいわいよつばです!」【よつば】 (27)

【そうぐう】

IN 麓キャンプ場

リン テクテクテク

リン「……監視塔?」

リン(そういえばこれ、テレビのロケで使われたんだっけ)ピロリン

パシャ

リン「……ん?」

パシャ パシャパシャ

リン(……シャッター音?)

リン「なんだ?」フリムキ

よつば「」パシャパシャパシャパシャ

リン「うおっ!?」ビクッ

よつば「!」ビクッ

リン「……」

よつば「……」

リン「……ええ、と」

よつば「」ハッ!

よつば「ハイ!」手アゲ

リン「!? な、なんだ?」

よつば「しゃしんとっていいですか?」

リン「今更っ!?」

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【まいご】

リン「さて」

リン(なんか色々ビックリしたけど、とりあえず)

リン「……なんだお前」

よつば「……お?」

リン「いや、お前だお前。この辺の子か?」

よつば「よつば! こいわいよつばです! 5さい!」

リン「お、おお。これはご丁寧に」

リン「志摩リンです」

よつば「しまりん?」

リン「名前はリン、な。志摩半島の志摩に、カタカナで……」

よつば「しまりんか!」カッコイイ!

リン「……まあ、それでいいや」

リン「それで、よつばは何してるんだ、こんなとこで」

よつば「たんけん! たんけんしてる!」

リン「たんけん? ……ああ、探検か……一人でか?」

よつば「そうだ!」

よつば「とーちゃんとジャンボときてなー、たんけんいこーっていったけどいそがしーっていってるからひとりできた!」

リン「ええっと、つまり一人で勝手に抜け出してきたのか?」

リン「帰り道、分かるのか?」

よつば「お?」フリムキ

よつば「……あれ?」クビカシゲ

リン「……もしかして、お前迷子か?」

よつば「よつばまいご……?」


とーちゃん『迷子になったら もう二度と とーちゃんと会えないぞ』


よつば「……フグッ、ヒグッ」ウルウル

リン「う、うわぁ!? な、泣くな! 私も一緒に行くから、とーちゃん探そう!」ナッ!?

よつば「……うん、とーちゃんさがす」

リン「ほっ」ナキヤンダ

【どこからきた?】

麓キャンプ場 歩き回り中

リン「そういえば、よつばはどこから来たんだ? 近くに住んでるのか?」

よつば「ちがうよ?」

よつば「ジャンボのくるまであっちからきた」

リン「あっち……。まあ、車ってことは結構遠くから来てるのか。」

リン「ダメだろ、一人で勝手にどっかいっちゃ。怒られるぞ」

よつば「ほんとなー」

よつば「ふーかとえなもいっしょにいこーっていったんだけどなー。しゅくだいいそがしーっていってたからこれなくてなー」

よつば「まったくしかたないやつだ」

リン「いや、仕方ないのはお前なんだが……」

リン(聞く限り、父親とジャンボ? とかいう人と一緒に来てるのか)

リン(まあ向こうの探してるだろうし。一巡りすれば見つかるだろ、たぶん)

よつば「あ、とりだ!」ダダッ!

リン「っておい! 一人でどっか行くな!?」

【う○こ】

リン「Oh……」

リン「よつば、ここはちょっと避けていくぞ」

よつば「お? なんでだ?」

リン「なんでって……ちょっと前見てみろ」

よつば「ん~~~? ……ああーっ!!」

よつば「しまりん! う○こだ!!」

リン「いやまあ……うん、そうだな」

よつば「アハハハ! う○こなー! すっげーたくさん!」

リン「だーもー声でかい! あと連呼すんな! ほら行くぞ!!」グイッ

リン(なんで子供はこんなにう○こが好きなんだ……?)


よつば「う○こすげーたくさんあったなー。なんでかなー」

リン「さあな。なんか動物がいるんじゃないか。熊とか鹿とか」

よつば「! くま! くまがいるの!?」

リン「そうだぞー。もしかしたらいるかもしれないぞー」ガオーッ

よつば「! だ、だいじょーぶ! こっちにはジュラルミンがいる!」サッ

リン「ジュラルミン?……ああ、そのテディベアか」

よつば「そう! こいわいジュラルミン!」

よつば「こっちもくまだ! たたかってもまけない!」

ジュラルミン「メェー」ムリムリ

リン(ジュラルミン、なんか悲鳴を上げてるような気がするが……)

リン「……分かった。それじゃあ熊が出たらジュラルミンに任せよう」

よつば「おー! まかせろ! ジュラルミンはつよい!」

よつば「……でも、このまえいぬにやられておおけがしてる」

よつば「なるべく、あぶないことはしないように」ナ?

リン「……犬に負けたんじゃダメじゃないか?」

リン「まあ、そうだな。熊に会う前にとーちゃんを見つけよう」

よつば「おー!」


【いぬ】

リン「……あ、熊だ」

よつば「! てきか!?」ビクッ

リン「おう!? いや、嘘だよ嘘」ゴメンゴメン

リン「熊じゃなくて犬だな」ホラアソコ

犬二匹 ハッハッ ウーッ

よつば「……」ススッ

リン「ん? なんだ、後ろに回って……」

リン「……」ハハーン

リン「よつば、犬が怖いのか?」

よつば「!」

よつば「……こわくないよ?」メーソラシ

リン「ほほー、そっか」

リン「それじゃ、もうちょっと近くで見てみようか」チカヨリ

犬二匹 バッ ダダダダッ(駆け寄り)

よつば「! しまりんあぶない!」

リン「大丈夫。ここなら……」


犬一匹目 ダダダッ ビンッ(縄が伸びきる)

リン(にやり)

リン「な、大丈、ぶっ!?」

犬二匹目 ダダダッ ドゴッ(体当たり)

よつば「し、しまりーん!!」

リン「お、おう……」ウズクマリ

よつば「おのれー! チョワー! アチョーッ!!」シュビッ シュバッ

犬 ハッハッ ワンワンッ

リン「……よ、よつば、大丈夫。大丈夫だから。戦わなくていいから」

リン(縄の長さが違ってたのか。なんというトラップ……)

よつば「キエーッ!」

犬 ワンワンワンッ


【はっけん】

リン「さて、そろそろ一巡りしてしまうな……」

リン(キャンパーがいるとはいえオフシーズン)

リン(そこまで人数が多いわけでもないし、すぐ見つかるかと思ったけど)

リン「なあよつば、どこから来たのか覚えて――」

???「――お、いたいた。おーい、よつばー!!」

よつば「!」バッ!

よつば「ジャンボか!?」フリムキ

ジャンボ「こっちだこっち。おーいコイ。よつばいたぞー」

よつば「ジャンボーっ!」ダダッ

リン「あ、おい。ちょっとコラ!」ダッ

リン(……ようやく保護者が見つかった)

リン(あの人がジャンボ……ていうか、ん? なんかデカくないか?)

ジャンボ「」ズーンッ(逆光)

リン(デカ! 本当にデカ! え、なにあれ!? 人か!?)

よつば「ジャンボー!」ダキツキ

ジャンボ「おーよつば。心配したぞ」ダキアゲ

リン(巨人と小人にしか見えん……)


【しょうかい】

とーちゃん「コラよつば! とーちゃん勝手にどっか行ったらダメって言ったろ!」ゲンコツ

よつば「うー、ごめんなさい……」ナミダメ

ジャンボ「よつばはすぐ居なくなるからなー」

とーちゃん「まったく……」

とーちゃん「あ、君も迷惑かけてゴメンね。よつば連れてきてくれてありがとう」

リン「あ、いえいえ。そんなに大したことは」

よつば「あ、そうだ! しょーかいしなきゃだ!」

よつば「とーちゃん、しまりんだ! よつばのともだち!」

とーちゃん「しまりん?」

ジャンボ「それはまた流行りのゆるキャラのような」

リン「いや、そうではなくて……」

よつば「で、しまりん! こっちがよつばのとーちゃんで」

とーちゃん「どーも、とーちゃんです」

よつば「こっちがジャンボだ!」

ジャンボ「どーも、ジャンボです。母片の祖先はキリンです」

リン「あ、これはどうもご丁寧に……え? キリン?」

リン(ていうか、それは名前じゃないだろ……)


【そろきゃん】

IN 小岩井家タープ

とーちゃん「はい。コーヒーでいいかな?」イレタテ

リン「あ、はい。ありがとうございます」アチチ

ジャンボ「しかしそうかー。リンちゃんもキャンプか。家族と来てるの?」

リン「いえ、私は一人で……」

ジャンボ「てことはソロキャンか。最近の女の子はなかなか逞しい趣味してんだなー」

リン「別に流行ってるわけじゃ……」

リン「やってる人がやってるだけです」

よつば「そろきゃん?」

とーちゃん「一人でキャンプするってことだ」

とーちゃん「ご飯つくるのもテント建てるのも、全部自分でやるんだぞ」

よつば「ひとりで!? じぶんだけのちからで!?」

とーちゃん「そうだ! 自分だけの力でだ!」

よつば「……かっこいいー!」キラキラ


リン「あ、いや。そんな別に大したことじゃ……」

リン「そ、そちらもキャンプですか?」

ジャンボ「いや、日帰り。デイキャンプだな」

とーちゃん「一泊しようかとも思ったんだけど、よつばの友達が来れなくてね」

とーちゃん「そうするとまあ、途中で飽きたり泣いたりするかもしれないし」

リン「ああ、なるほど」ナットク

よつば「なかない! なかないから! そろきゃんでもよつばはだいじょうぶ!」

ジャンボ「本当かー? 寝るときに恵那ちゃんもみうらもいないんだぞー?」

よつば「うっ」

とーちゃん「ソロキャンだととーちゃんもいないしなー。ポンポンってできないなー」

よつば「……うぅ」シオシオ

リン(……しぼんだ……ちょっと面白いな)


【たきび】

IN 小岩井家タープ 少し後

ジャンボ「――さて、そろそろ撤収の準備するか」

リン「え? って、うわ。もうこんな時間?」

リン(しまった。のんびりし過ぎた。……もう夕暮れじゃん)

とーちゃん「ああ、もういい時間か。……悪いねリンちゃん。なんかよつばが引き止めちゃって」

よつば「……うー」ウツラウツラ

リン「あ、いえ。こっちこそ色々貰っちゃって。ありがとうございました」ココア、ビスケット、マシュマロ……

ジャンボ「コイ、テント片付けるぞ。よつば起こすか?」

とーちゃん「いや、このまま寝かせとこう。起きると帰らないって騒ぐだろうし」ヨイショット

リン(……目に浮かぶようだな。散歩から帰るの嫌がる犬みたいな)


ジャンボ「じゃあまず焚き火落とすか」

ジャンボ「ていうか、今更だけどなんで焚き火台借りたんだよ。日帰りだから要らないって言ったろ」

とーちゃん「バカかお前。キャンプに来たら焚き火するのはマナーだろ」

ジャンボ「そんなマナーはねえ」

リン(でも気持ちは分からないでもない)


とーちゃん「……あ、そうだ」

とーちゃん「リンちゃん。良ければこの焚き火台使わない?」

リン「……え?」

とーちゃん「一日で借りちゃったし薪も少し余ってるし。このまま返すのもなんか勿体ないし」

リン「えっと、いいんですか?」

とーちゃん「別に大丈夫……だよな? ジャンボ」

ジャンボ「んー? まあ大丈夫じゃないか?」

ジャンボ「一応、事務所には確認しといたほうがいいけど」

とーちゃん「じゃあちょっと聞いてこようか」

とーちゃん「あ、別に要らないなら無理にって言う気はないけど」

リン「あ、いえ。もし借りられるなら、助かります」

ジャンボ「夜は冷えるしなー。焚き火はあった方がいいと思うぞ」

リン(やっぱりか……)

リン「……じゃあすみません。問題ないなら、貸してもらってもいいですか?」

とーちゃん「うん。じゃあちょっと行ってこよう。サインとか要ると思うから、一緒に来てくれる?」

リン「はい」

ジャンボ「こっちタープとか畳んどくぞー」

とーちゃん「頼んだ」

よつば「……ぐー」zzz


【バイバイ】

よつば「……ぐーぐー」zzz

ジャンボ「あー、こりゃ完全に寝入ってるな」

とーちゃん「起こすと愚図るなこれは……」

とーちゃん「ゴメン。最後にちゃんとお礼言わなきゃと思ってたんだけど」

リン「あ、いえ。気にしないでください」

リン「……でも、寝顔撮らせてもらっていいですか?」スマホサッ

とーちゃん「アハハ、いいよいいよ。撮ってやって」

リン「」ピロリン

ジャンボ「いよっと。積み込み終わり。それじゃ、そろそろ行くか、コイ」

とーちゃん「おう、そうだな」

とーちゃん「それじゃ、リンちゃんありがと。また機会があったらよつばと遊んでやってよ」

リン「はい。こちらこそ、焚き火台とか色々ありがとうございました」

よつば「……うー、しまりんー……」zzz

リン「」クスッ

リン「またな、よつば」

ジャンボ「じゃあなー、ソロキャンガール」

ジャンボ「風邪ひかないように温かくして寝ろよー」


ブロロロロロ……


【にてる】

IN しまりんテント


焚き火 パチパチ

リン(……薪まで買ってもらってしまった)ホクホク

リン「情けは人のためならず、だな」ウン

リン「……」スマホ トリダシ

リン(……なんか、今回は妙に賑やかな感じになったな)スマホ スッスッ

    「―――んちゃーん」

リン(それにしても、よつばのあの感じ)

リン(初対面にしては、なんか妙な馴染みのあったような……)

    「リンちゃーん!!」

リン「ふおっ!?」ビクッ

なでしこ「やっぱりリンちゃんだー!」

リン「なな、なでしこ!? 何でこんな所に……」

なでしこ「うへへー。リンちゃん!」荷物ドサッ

リン「な、なんだ?」

なでしこ「これから、一緒におなべやりませう!」土鍋サッ

リン「な、なべ?」


なでしこ「そう! この前のお礼で!!」

なでしこ「色々具材ももってきたんだよー」

リン「……うん、まあ。いいけど」

なでしこ「! やったー!!」

なでしこ「それじゃ、他にも荷物取ってくるねー」タタタッ

リン(……なんという怒涛の展開)

リン(というか、この唐突な感じ。妙に既視感が……)


なでしこ「リンちゃーん!」コッチキテー  『しまりーん!』


リン(……あ)

リン(あーあー、なるほど)

リン(確かに、考えてみればなんか似ているような)イヌッポイトコロトカ

リン「道理でしっくり来たはずだ」イマイクー

リン(二人があったらノリが合うだろうなー)


「リンちゃん。写真に写ってるこの子だれー?」

「んー? 昼間会った子供だよ。迷子になっててな」

「そうなんだー。うわーかわいいなー!
 私も会いたかったよー!」

「……うん。まあそのうち会えるんじゃないか?どっかのキャンプ場とかで。
 たぶん仲良くなれるぞ、なでしこなら」

「そっかー! うーん楽しみだよー!!」




「……ハッ!?」

「お、起きたかよつば」

「……とーちゃん! しまりんは!?」

「んー? お姉さんならもう自分のテントに帰ったぞ。俺たちも帰る途中」

「ええー!? よつばまだしまりんとあそんでない!」

「いや、たくさん遊んでもらったろ……。
 よつばが途中で寝ちゃうからだぞー。お姉ちゃんにお礼も言えないし」

「うー……とーちゃん! ジャンボ!」

「なんだ?」

「またキャンプいくぞ!!」

「おーそうだな。また行くか」ミンナサソッテ

「おー! たのしみな!」

アサッテイコウ!
イヤ、アサッテハハヤイ
エー!?

以上です。
ゆるキャン△のアニメ見てコミックス揃えつつ、よつばと14巻を読んでたら書きたくなった。ので書いた。
ちなみによつばとで一番好きなのはジャンボ、ゆるキャンではさくら姉さんです。

しかし、よつばとの独特の間とか、「オチのないオチ」みたいな雰囲気を再現するのは難しいですね。
アニメ化とかするのはかなり困難そうだ。ノリはゆるキャンに近しいものがあると思うのだが。

できれば野クル編とかも書きたい。書けるか自信ないけど。
それではありがとうございましたー。

(麓キャンプ場で焚き火台のまた貸しとかが出来るかは私も知りません。責任等は持てませんのであしからず)

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