そして次の日、

就活生「やべっ、すげえ緊張してきたぞ」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

\ｷｭﾙﾙﾙﾙｩｩｩｩｩｩｰｰｰｰｰｰｰ/

就活生「うっ、緊張のあまりお腹が痛くなってきた。まずい、トイレに行かないと……」

係りの人「では次の方、面接室へどうぞ」

就活生「ええ……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

係りの人「どうかしましたか？ 次の人もいるのでさっさと入ってください」

就活生「は、はい……」

就活生「し、失礼します」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

面接官「どうぞおかけください」

就活生「はい……」ｿﾜｿﾜ

面接官「では、自己紹介をしてください」

就活生「えっと、ヒクヒク大学排泄器学科開発学部の…………うぅっ！」

面接官「？ あの、どうかしましたか？」

就活生「もう無理……で、ﾃﾞﾙｩｩｩｩｩｩｰｰｰｰｰｰｰｰ！！」


ﾌﾞﾌﾞﾌﾞｩ､ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾘﾘﾘｨｨｨｨｰｰｰｰｰ､ﾌﾞｯﾁｯﾊﾟｯ！


面接官「うわ、汚い！！」

後日、就活生は大学の学生課から呼び出された。


学生課「君さ、一体何したかわかってんの？」

就活生「はい……」

学生課「大学生がクソ漏らすかい、普通？ いくら緊張してたとはいえ面接本番でさ」

就活生「はい……」

学生課「企業からもクレームがあったよ。『オタクの学生さんはまともな受け答えも出来ず代わりにうんこ漏らすクソな人しかいないのか』って」

就活生「はい……」

学生課「もううちの大学の学生は面接受けさせないってさ。どうしてくれんのよ？」

就活生「申し訳ありません」

学生課「はぁ……君さ、そんなんじゃいつまで経っても内定なんかもらえないよだいたいね____」

その日の夜、


就活生「はぁーーマジうぜぇよ、あの学生課のオッサン！ こっちだって大変な就活を一生懸命やってんだよ！」ｲﾗｲﾗ

就活生「はぁ……でもな、まさか面接中にうんこ漏らすなんてなぁ……。おかげでスーツも汚れちまったし、明日新しいのを買うか」



そして翌日、

就活生「さて、どの店で買おうかな」ｷｮﾛｷｮﾛ

就活生「ん？ なんだあの変わった店は」


【肛門紳士服店～頑張る就活生応援キャンペーン実施中～】


就活生「……ここにしようかな」

ｳｨｰｰﾝ

店員「いらっしゃいませ」

就活生「あの、外の看板にキャンペーン中って書いてあったんですけど」

店員「はい。当店では就活生のお客様を対象にお得なキャンペーンを実施ております。お客様は現在就活中でしょうか？」

就活生「はい。実はこの間スーツを汚してしまって新しいのが欲しいと思って」

店員「左様でございますか！ でしたら是非とも当店でスーツをご購入ください。今でしたらキャンペーンで他の店よりもお安く購入できますよ」

就活生「本当ですか！ いやー、この店にしてよかったな」

店員「…………」ｼﾞｨｰｰｰ

就活生「あの、僕の顔に何かついてますか？」

店員「……お客様、失礼ですが、もしかして面接中に脱糞してしまったのではないでしょうか？」

就活生「えっ、どうしてわかるんですか！？」

店員「実は当店、お客様のように面接中に脱糞してしまった就活生をサポートするために他の店では取り扱われていないオススメのスーツをメインに販売しているんですよ！」

就活生「オススメのスーツ？」

店員「はい、こちらでございます」っ

就活生「うーん、一見普通のスーツに見えますけど」

店員「いえいえ、どうかお手に取ってズボンの方をお確かめくださいませ」

就活生「ズボンを？ どれどれ……うわっ、なんだこのスーツ、お尻の部分がない！？」

店員「そうなんです！ お客様のように脱糞の可能性がある方のために、トイレに駆け込んでもすぐに出せるような仕様となっております」

就活生「すごい、これなら万が一面接中に脱糞してもスーツや下着を汚す心配がない！」

店員「いかがでしょうか」

就活生「気に入った！ よし、これをください」

店員「お買い上げ、ありがとうございます」


こうして就活生はこのお店でスーツを購入した。

そしてそれから数日後、就活生は購入したスーツを着て企業の説明会のイベントに参加したのだった。



ﾜｲﾜｲ……ｶﾞﾔｶﾞﾔ……



学生a「さっきのブースどうだった？」

学生b「全然ダメだったよ。担当者がセクハラしてきてさ」

学生a「そっか、じゃあ次のとろこに期待しようか」


就活生「さすがは大きな会場だけあって俺以外にも就活生が多く来ているな。せっかく新しいスーツを着たんだ、今日こそ良い企業の担当者と仲良くなって内定をゲットするんだ！」


担当者「えー、ではこれから就活生の皆さんに向けた弊社の説明会を始めます」

就活生「お、始まった………ん？」

ｷﾞｭｳｩｩｩｩｩ､ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ………


就活生「しまった、昨日調子に乗って友達と焼肉とチーズとアイス食いまくったんだった！」ｿﾜｿﾜ

担当者「ええー、うちの会社で求める学生像だけどね……」

就活生「うぅぅぅぅ…………っ！！」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

担当者「ん？ そこの君、様子がおかしいけど具合でも悪いのかな？」

就活生「で、ﾃﾞﾙｩｩｩｩｩｰｰｰｰｰ」


ﾌﾞﾌﾞﾌﾞ､ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾘﾘﾘｲｨｨｨｨｰｰｰｰｰ、ﾌﾞｯﾁｯﾊﾟ


学生a「うわっ、コイツうんこ漏らしやがったゾォ！？」

学生b「汚ねぇーーーーー！！」


ﾜｲﾜｲﾜｲ……ｶﾞﾔｶﾞﾔｶﾞﾔ


就活生「…………終わった」

担当者「ちょっと君……」

就活生「はい……」

就活生(終わった……俺の人生、こんなところで糞にまみれて終わるのか……)

担当者「…………素晴らしい！」

就活生「えっ……」

担当者「君のような学生を求めていたんだよ！ こんな他の学生たちが大勢集まる中で堂々と脱糞するなんて……今どきの向上心やチャレンジ精神のない若者にはなかなかできない！ 君は10年に1年の逸材だ！」

就活生「え、ええっと……！？あの、その……」

担当者「しかも大切なはずの企業の説明会にそんな股間とお尻の部分だけ切り取られた非常識なスーツで来るなんて……素晴らしい！ 大した度胸だ！ 君のような若者は既存概念を壊し、今まで非常識とされてきたものを見事常識へと変え、世の中に新しい流れを作ってくれるだろう！」

就活生「あ、ありがとうございます」

担当者「よし決めたっ！ 君さえよければうちの会社に来てくれないか？」

就活生「えっ！？ それって、面接免除で即内定ってことですか？」

担当者「ああ、出会って四秒で脱糞した君と出会って四秒で即採用だよ！」

就活生「あ、ありがとうございます！！」


こうして就活生は、見事内定をもらうことができた。



就活生「ところで、御社ではどのような事業を行なっているのですか」

担当者「ああ、世田谷の北沢にある映像制作を手掛ける会社さ！」

就活生「ﾌｧ！？」





終わり