卯月「一番ひかっているものって、なんなんでしょうか」武内P「…そう、ですね……」 (22)

卯月「わたし、アイドルをしていて思うんです」

卯月「一番ひかっているもの……一番きれいな色ってなんなんだろう?…って」

武内P「島村さん……」

卯月「……」

武内P「……っ」

武内P「村さん」

卯月「?」

武内P「一番きれいな色は何か?……あなたは今、そう言いましたね」

卯月「は、はい」

武内P「島村さん」

卯月「?」

武内P「色には、様々な種類があります」

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武内P「例えば、虹の7色です」

卯月「えと…赤色、橙色、黄色に緑、青色に藍、それと紫色…でしたっけ?」

武内P「ええ、そうです」

武内P「もちろん、それだけではありません」

武内P「色は…色相、彩度、明度の3つで形作られます」

武内P「その3つから形作られる色は、様々どころではなく……それこそ、無限の種類があるのです」

卯月「無限、ですか」

武内P「ええ」

武内P「……そして、島村さん」

卯月「え…?」

武内P「その無限の色の中から……」

武内P「貴女に似合う、一番きれいな色を探すのが、私の役目なのです」

卯月「!」

武内P「貴女が笑顔になっている…」

武内P「貴女が喜んでいる姿をイメージしながら……その色を探すのが……」

武内P「プロデューサーである私の役目です」

卯月「……」

武内P「?」

卯月「……」

武内P「あの、島村さん。いかが、なされ…」

卯月「……プロデューサーさん」

武内P「は、はい」

卯月「わたし、プロデューサーさんに出会う前…」

卯月「あの学校に通っている時…ううん、あの頃、暮らしの中でずっと思ってたんです」

武内P「思っていた?」

卯月「はい…」

卯月「っ、私…思ってたんです…」グッ

武内P「……」

卯月「"本当の自分"を、見つけたいって…!」

卯月「"生まれた意味"を知りたいって…!」

卯月「……そんな謎を抱えながら、私は暮らしてました」

武内P「島村さん…」

卯月「……でも」

武内P「?」

卯月「…えへへ、でもっ」

卯月「私、この前……ふと」

卯月「ふと、その謎が解けたんですっ」

武内P「え…」

卯月「……ふふ」クスッ

武内「…?」

卯月「……」

卯月「本当に…本当に」

卯月「あの日、プロデューサーさんに出会った日の事は…すっごく記憶に残ってます」

武内P「……」

卯月「不思議ですよね」

卯月「あの日は、すごく最近で…同時に、すごく昔の出来事のように思うんです」

武内P「それは…」

卯月「プロデューサーさんは、どうですか?」

武内P「……」

武内P「……ええ、私も同じです」フフッ

卯月「えへへ」

卯月「本当に…本当に、色々なことがありましたから」

武内P「はい…」

卯月「プロデューサーさんと、出会って」

卯月「色んな人と、出会って」

卯月「たくさんレッスンを頑張って、番組や、ライブに出て…」

卯月「そして…」


武内P「そして貴女は、シンデレラガールに選ばれました」


卯月「!」

武内P「あの時の貴女の笑顔を、私は一生忘れません」

卯月「プロデューサーさん…」

武内P「素晴らしい、笑顔でした」

卯月「え、えへへ…そう言われると、ちょっと、照れます」

卯月「……」

卯月「……でも」

卯月「本当にあの頃は、シンデレラガールなんて、とっても遥か向こうの存在でした」

武内P「……」

卯月「すごい、地平線の向こう側みたいな存在で…」

武内P「島村さん」

卯月「?」

武内P「その地平線の向こう側の存在に、貴女はなったのです」

卯月「……」

武内P「……どうでしたか」

卯月「…え」

武内P「地平線の向こう側にたどり着いた時……貴女は何を想いましたか?」

卯月「あ…」

武内P「……」ジッ

卯月「そう、ですね…」

卯月「……」

卯月「……一瞬」

武内P「はい」

卯月「一瞬……」

卯月「もう、やめちゃおうかな、って思いました」

武内P「!」

卯月「でも、本当に一瞬で……」

卯月「…すぐに」

卯月「すぐに……まだ」

卯月「まだ歩き続けたい。……そう、思いました」

武内P「島村さん…」

卯月「シンデレラガールと言う地平線の向こう側にたどり着いても…」

卯月「私の目の前には、新しい地平線が広がっていたんです」

武内P「!」

卯月「だから、これからも……」

卯月「…これからも!」

卯月「島村卯月!がんばりますっ!」

ぶいっ!

武内P「!」

卯月「えへへ…」

武内P「……」

武内P「……私も」

武内P「私も、島村さんのプロデューサーとして」

武内P「貴女の頑張りに…微力ながらお手伝いいたします」

卯月「プロデューサーさん……」


卯月「あっ」


武内P「……はい?」

卯月「あのっ、えとっ、そのっ…」

武内「え、ええ…」

卯月「わ、わたし、プロデューサーさんが、私のために頑張ってくださっているのはとっても嬉しいです」

卯月「す、すごく、嬉しいです」

武内P「は、はあ…」

卯月「でもっ」

武内P「?」

卯月「負担になって、いませんか」

武内P「え?」

卯月「プロデューサーさんが、頑張ってくれるのは、嬉しいです」

卯月「……でも」

卯月「頑張りすぎてプロデューサーさんが体を壊しちゃったら……わたしっ」

卯月「わたしっ…!」グスッ

武内P「島村さん…」

卯月「プロデューサーさんは…私がデビュー仕立ての頃より、今は忙しそうです」

武内P「……」

卯月「仕事も、いつも遅くまで…」

武内P「島村さん」

卯月「…!」

武内P「確かに今、島村さんが仰られた事は事実です」

武内P「貴女が有名になるほど…私の仕事は増えています」

武内P「多くの企画が舞い込み…同時に、多くの責任が私に積み重なっています」

卯月「……っ」

卯月(っ、やっぱり、私…プロデューサーさんに、苦労を…)

武内P「ですが」

卯月「…え?」

武内P「多くの仕事、責任……そう」

武内P「多くの"荷物"を背負っていても……」

武内P「……島村さん」

卯月「は、はい…」


武内P「貴女の笑顔があれば……それだけで私の心は軽くなるんです」


卯月「!」

武内P「私はまだまだ、大丈夫です」

武内P「まだまだ荷物を、背負っていけます」

武内P「……ですから、島村さん」

卯月「は、はい…」

武内P「貴女のぶんの荷物も、私が持ちます」

卯月「……え」

武内P「…貴女は、地平線の向こう側にたどり着きました」

武内P「そして今も貴女は、新しい地平線に向かって歩んでいます」

武内P「……その果てしない旅路の果てに貴女がたどり着くその時まで……私も共に、歩んで行きます」

卯月「……」

武内P「貴女のプロデューサーとして、歩んで行きます」

卯月「……」

武内P「……」

卯月「……」ポー…

武内P「…あの、島村さん…?」

卯月「……プロデューサーさん」

武内P「は、はい…」


卯月「わたし…今、プロデューサーさんに贈りたいものがあります」


武内P「…え?」


卯月「受け取って、欲しいです…」


卯月(貴方とだから探せたこの贈り物を…)

.







卯月(この気持ちを……受け取って、欲しいです)





.

おわり
卯月ちゃん、誕生日おめでとう

おつおめ

村さん

まぁ誕生日だし悪くないかな

ミスチルのGIFTか

おっつ

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