真姫「私の趣味は写真撮影」 (30)
趣味は何かって聞かれ時。私は天体観測と写真撮影と答える。
私のカメラは昔パパが使っていた物で子供の頃は私も散々被写体になった。
それが私の物になってからは綺麗な景色を撮ったりしてたんだけれど。
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μ’sに加入してからはあの頃のパパと同じ様に人物撮影もする様になった。
まあ、別に好き好んで撮り始めた訳ではないけど結構面白い写真が撮れたりして人を撮るのも悪くないかなって思い始めてたりして。
例えば、えっと…この写真はなんだったかしら?
絵里「すぅ…すぅ…」
穂乃果「おぉ!絵里ちゃんが寝てる!」
真姫「疲れてるのかしら?」
希「そうやね。昨日遅くまで勉強してたみたいだから疲れてるんやないかな」
凛「お家でお勉強?絵里ちゃん偉いにゃ~」
真姫「凛はしないの?」
凛「うん」
絵里「すぅ…すぅ…」
希「えりちはなぁ…無理し過ぎちゃう所があるからなぁ」
穂乃果「頑張り屋さんなんだね」
希「ふふっ。そうやなぁ。でも、横にいるウチの事も考えてなえりち!」
キュッキュッキュッ
真姫「なっ、何してるの?」
希「なんか一人幸せそうに寝てるから」
真姫「バレたら怒られるわよ?」
希「平気やって。そんな事より真姫ちゃん!そのカメラでえりちの寝顔撮ってよ」
真姫「ええ?私が?」
そうだ!あの後、海未が部室に入って来て私まで怒られたんだわ。
海未「何やってるんですか…あなた達は」
希「いや…ちょっとしたお遊びやん。ねえ?」
穂乃果「え?う、うん、そうだね」
海未「言い訳は無用です。寝ている人の顔に落書きをするなんて…」
海未って超がつく程真面目なのよね。あっ、海未と言えばこの写真!
ことり「どうかな?この服」
真姫「あら可愛いじゃない!どうしたの?」
ことり「実は私がバイトしてるメイド喫茶から借りてきたの。今後の衣装の参考にしようと思って」
真姫「へ~メイド服以外もあるのね」
海未「破廉恥です」
ことり「え?」
海未「そ、その様な服…破廉恥ですよ」
ことり「そんな事ないと思うけどなぁ」
真姫「そうよ。海未は少し過剰反応し過ぎなのよ」
海未「そんな事はありません。だって、その服…太ももまで…」
ことり「ん~スリットってそう言う物だから…」
海未「じゃあ、破廉恥じゃないですか」
ことり「そっか」
海未「そうですよ」
ことり「じゃあ、他の服を参考にしようかな…」
真姫「他にも持ってきてるの?」
ことり「うん。あっちの部屋でにこちゃん達がファッションショーしてると思うんだけど…真姫ちゃんも見に行く?」
真姫「じゃあ、行こうかしら…」
ことり「海未ちゃんは?」
海未「準備してから行きます」
ことり「じゃあ、先に行ってるね」
真姫「海未って真面目と言うか少し堅いわよね?」
ことり「でも、そこが可愛いでしょ?」
真姫「まあ…そうかも」
ことり「でしょ?あっ、部室にさっきの衣装忘れてきちゃった!真姫ちゃん先に行ってて?」
真姫「…一緒に取りに戻りましょうよ」
ことり「ふふっ、そう?じゃあ、取りに戻ろうか」
真姫「ええ」
ガチャ
海未「え?」
真姫「え?」
ことり「海未ちゃん…それ…」
海未「ち、違うんです。あの…その…」
ことり「真姫ちゃん…」
真姫「え?」
ことり「写真撮ろうか?」
真姫「写真?」
ことり「これは撮らなきゃダメだよ。きっと後悔する」
真姫「で、でも…」
海未「や、やめて下さい」
ことり「真姫ちゃん。お願い」
結局、海未はその後もことりにファッションショーさせられてたのよね。
あっ、そう言えば。その日はにこちゃんに散々写真を撮らされたのよね。お陰でにこちゃんの写真がこんなに沢山。
海未「やめて下さい。ことり~」
ことり「ごめん。海未ちゃん。無理かも」
海未「そんな」
穂乃果「大丈夫。海未ちゃん。可愛いよ。ね?」
ことり「うん。凄く」
海未「そ、そうですか?」
穂乃果「うん」
にこ「なによ。あんた良い物持ってるじゃない」
真姫「え?」
にこ「カメラよ。カメラ。別に…にこの事撮ってもいいのよ?」
真姫「勿体無いし遠慮しておくわ」
にこ「なっ…」
真姫「ウソ。撮ってあげるから動かないで」
にこ「…何よ。可愛くない」
真姫「何か言った?」
にこ「何でもないわよ。ほら、早く撮りなさいよ。にっこにっこに~」
真姫「だから、動かないでってば…」
あっ!この写真!私のお気に入り。
絵里「はい。午前中はここまで」
穂乃果「あ~疲れたぁ」
凛「くたくただにゃ~」
絵里「お昼を食べて休憩してから午後の練習は再開ね」
穂乃果「お腹空いたぁ。ね!」
海未「穂乃果はいつでもお腹空いてるでしょ?」
真姫「言えてる」
穂乃果「そんな事ないよぉ。ね?花陽ちゃん?」
花陽「はむっ」
穂乃果「ええ?もう食べてる」
花陽「練習の後のおにぎりは…格別だよぉ~」
にこ「なんて幸せそうな顔…」
花陽「だって…美味しいだもん。はむっ…いっぱい食べないと…はむっ…午後の練習持たないよぉ」
穂乃果「確かに!花陽ちゃんの言う通りだ!」
海未「太りますよ?」
本当…幸せそうな顔するわよね。こんなに幸せそうな顔されたらこっちも思わずカメラを構えちゃうわよ。
真姫「花陽の幸せそうな顔。もらい!」
花陽「あ~撮らないでよぉ~。恥ずかしいよぉ~」
希「ええなぁ。その写真、焼き回ししてな?」
絵里「じゃあ、私も貰おうかしら」
凛「凛も欲しいにゃ!」
花陽「えっ!?誰か助けてぇぇぇ」
ふふっ。早く皆んなに渡さなくちゃ。
この写真は現生徒会長と前生徒会長のツーショット写真。まさか、あの穂乃果が生徒会長になるとは…。
絵里「穂乃果…生徒会の事。頼んだわよ」
穂乃果「うん。任せてよ。絵里ちゃん」
絵里「ふふっ、期待してるわ」
穂乃果「所で絵里ちゃん」
絵里「何?」
穂乃果「生徒会長って何するの?」
絵里「え?」
穂乃果「生徒会長って何をするのか知らないんだけど」
にこ「ちょっと…穂乃果で本当に大丈夫なの?」
希「ん~大丈夫やない?」
絵里「ま、まあ…やっていく内に分かるわよ」
穂乃果「なるほど」
ガッチリ握手して。まるで政治家みたいでおかしいわ。
ん?この写真は…え?いつ撮ったの?
凛「真姫ちゃん?起きてる?」
真姫「寝てるわよ」
凛「そうなの?」
真姫「ええ。だから、凛も早く寝なさい。皆んなにうるさいって怒られるわよ?」
にこ「うるさい」
真姫「ほらね」
凛「本当だ」
絵里「ねえ」
真姫「だから…」
絵里「私よ」
真姫「絵里?どうしたのよ?」
絵里「ちょっと…散歩しない?」
真姫「はあ?なんで?」
絵里「いや…廊下まででいいんだけど…」
真姫「え~。凛…」
凛「すぅ…すぅ…」
絵里「真姫~」
真姫「分かったわよ。もう」
ガチャ
絵里「ありがとう。真姫…」
真姫「別に」
絵里「あの…皆んなには」
真姫「分かってるわよ」
希「ばぁ」
絵里「きゃああああ」
真姫「いゃぁぁぁぁ」
希「今や」
にこ「ええ」
カシャ
全く。希のこの楽しそうな顔。油断も隙もあったもんじゃないわ。絵里なんて腰を抜かしてるじゃない。いや、私もか…。
絵里「あっ…ああ…」
真姫「もう。何するのよ」
希「ふふっ。大成功やなぁ」
にこ「そうね」
穂乃果「ん~…どうしたの?」
ことり「悲鳴が聞こえたけど…」
花陽「な、何か…事件?」
希「いやぁ。ちょっとしたドッキリ?」
真姫「ドッキリじゃないわよ。何なのよ。絵里、大丈夫?」
凛「た、大変にゃ」
希「え?」
凛「海未ちゃんが…」
海未って寝てる途中で起こされると物凄く機嫌が悪いのよね。
これは…穂乃果と海未とことりの幼馴染トリオが会話してる何気ない一枚。
穂乃果「ん~今日もパンが美味い」
海未「穂乃果…太りますよ?」
穂乃果「大丈夫だよ。さっきまであんなに練習してたんだし」
海未「そんな事ばかり言って。ことりからも何か言ってください」
ことり「練習沢山頑張ったから大丈夫だよね?」
穂乃果「うん。流石ことりちゃん。分かってる~」
海未「もう。ことりは穂乃果に甘過ぎます」
ことり「そうかなぁ。そんな事はないと思うんだけどなぁ」
穂乃果「大丈夫、大丈夫。そんな事はないよ。海未ちゃんが厳しい分ちょうどいいよ。えへへ~」
思えばあの三人から全ては始まったのよね。それが今じゃ…
にこ「もう、にこが写らないじゃない。もっと、詰めなさいよ」
凛「痛いにゃ~。にこちゃん押さないでよ」
絵里「もう。喧嘩しないの」
穂乃果「海未ちゃん。瞬きしないようにね」
海未「わ、分かってます」
にこ「ちょっと、希。あんた、にこより背が高いんだから後ろに行きなさいよ」
希「え~だから屈んでるやん」
にこ「それでもにこに被るのよ~」
ことり「花陽ちゃん。手をこうやって一緒にポーズを作ろう」
花陽「うん。分かりました」
凛「あっ、凛もやる~」
にこ「あんたはにこと一緒ににこにこに~のポーズをやるのよ」
凛「え~凛もかよちん達のポーズがいいにゃ~」
絵里「ほら。真姫が困ってるわよ」
真姫「もう。始めちゃうわよ?」
海未「真姫。お願いします」
真姫「それじゃあ。10秒後にセットしたから」
希「真姫ちゃん。急いで」
穂乃果「転ばないようにね」
にこ「あんたじゃないんだから」
カシャ
海未「瞬きは大丈夫だったでしょうか?」
穂乃果「いや、知らないよ。見てないもん」
凛「真姫ちゃんもにこちゃんのポーズしてた?」
真姫「だって…やれって言うから」
にこ「やりたかったんでしょ?素直になりなさい」
希「真姫ちゃんまにこっちに言われたくないやんなぁ?」
にこ「何ですってぇ?」
絵里「どうして直ぐに喧嘩を始めるのよ」
花陽「ふふふっ。楽しいね」
ことり「そうだねぇ」
気付けば9人になってた。
真姫「ママ。ここにあった写真知らない?」
迂闊だった。
真姫ママ「ごめんなさい。真姫ちゃん…」
真姫「ううん。大丈夫。悪いのは私だから。こんな所に置きっ放しにしてたら間違えて捨てられちゃっても仕方ないもの」
不要な書類と一緒に捨てられちゃったみたい。
別に皆んなとの思い出は心の中に残ってるし。こんな事はなんて事ない。皆んなには明日持って行くって約束しちゃったから謝らなきゃ。
真姫「ごめん、皆んな」
別に…私は気にしてない。
真姫「昨日…持ってくるって言ったけど…間違えて捨てちゃったみたいで」
ただ…皆んなに申し訳ないだけで…
真姫「本当に…ごめん…」
あれ?私…どうしたのかしら?皆んな困惑してるじゃない。
真姫「あれ?なんで?」
そっか。私…悲しかったんだ。あんなに…たかだか紙切れが捨てられたくらいで…泣いちゃうんだ。
真姫パパ「真姫。これ」
え?どう
真姫パパ「現像し直してきたよ」
そっか。フィルムがあるんだった。私…そんな初歩的な事にも気付かなかったなんて。
真姫「パパ…ありがとう」
ピロリン
真姫「え?」
穂乃果:これ、こないだ私のケータイで撮った写真達!
ピロリン
真姫「穂乃果…」
希:この写真のにこっち。爆笑物やよ~
ピロリン
にこ:にこの超キュートな写真あげるわよ。他も写ってるけど
ピロリン
凛:凛とかよちんと真姫ちゃんの仲良しスリーショットにゃ~
ピロリン
ことり:こないだのファッションショーの写真だよ!皆んな可愛い(≧∇≦)
ピロリン
絵里:皆んなで撮った写真です。海未ったら目を瞑ってしまってるわ。
ピロリン
海未:私はあまり写真を撮らないのですが。これはいつ撮ったのでしょう?
真姫「皆…」
真姫パパ「真姫?どうした?」
真姫「ううん。何でもない」
全く。皆んな…余計なお世話なんだから。
真姫パパ「そうか」
真姫「うん」
まさか、1日に二回も泣く事になるなんて。あ~あ~、かえって思い出が増えちゃったじゃない。
完
>>21
花陽:ライブの後の写真だよ。ツバサさん達も写ってます。
完
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