七咲「先輩、ご卒業おめでとうございます」 (13)

短いです。
ゲームとSSplus見てると一応全部わかるはずです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1523322893

「先輩、お待たせしました」

「すみません、水泳部の先輩と話していたら遅れてしまって……」

「ううん、いいよ。僕も梅原たちと話してて今来たところだから」

「そうですか、それならよかったです」
「先輩、ご卒業おめでとうございます」

「うん、ありがとう。まさかもう卒業だなんて、まだ実感がわかないよ」

「まだ制服で学校にいるからじゃないですか?」

「そうなのかな、大学生になるなんて想像もつかないや」

「ふふっ、それは私も同感です」

「えぇっ、そんなに大学生っぽくないかなぁ」

「全然ですよ。先輩は子どもですから」

「ひどいなぁ」

「ひどくありません。この前だってまた人前でスカートのポケットに手を入れてきましたよね?」

「あはは……」

「あはは、じゃないです。恥ずかしいからやめてくださいって言ったのに」

「ごめんごめん。でもほら、もうできなくなるからさ」

「それは……そうですね」

「……」

「……」

「そ、そういえば!去年の卒業式はさ」

「……はい」

「塚原先輩の前ですごく泣いてたよね」

「あ、え……そう、ですけど……恥ずかしいので思い出さないでください……」

「その、僕が卒業する時は……」

「はい?なんです?」

「えーっと、なんていうか、寂しくないのかなって」

「寂しい……ですか?」

「うん、僕はもうこうして校舎裏で会えなくなると思うと結構寂しいんだけど……」

「……そうですね。あまり寂しくはないですね」

「ええっ!?な、なんで?」

「先輩は私に泣いてほしかったんですか?」

「そういうわけじゃないけど……逢はいつも通りだなぁと思って」


「だって、塚原先輩は国立の医学部に行って会う機会も少なくなるじゃないですか」

「うん……」

「先輩は恋人ですから、会う機会も塚原先輩よりありますよね」

「だから……別に寂しくないですよ」

「逢……」

「それとも、大学生になったら高校生の私は用済みですか?」

「そんなことないよ!僕は学校が違っても、学年が違っても逢のことが」

「ですから、寂しくないんです」

「そっか……そうだね」

「はい」

「……」

「……」

「あ、あのさ」

「なんですか?」

「今日で最後だし……久しぶりにあの場所に行かない?」

「あの場所……って、もしかしてポンプ小屋ですか?」

「うん……」

「……」

「逢?」

「……いいですよ」

―――ポンプ小屋

「久しぶりだなぁここに来るのも。最後に来たのはいつだっけ」

「……」

「どうしたの?」

「……」

「……逢?」

「……先輩、するなら……早くしてください」

「逢……」

「んっ……」

(逢が僕の腕を掴んでしがみついてきた……。やっぱり逢の唇は柔らかいなぁ)

「んん……ふぅっ」

(耐えきれなくて少し吐息が漏れる。ふと目を開くとギュッと目を瞑る可愛い顔が見えた)

「はぁ……」

「逢……大丈夫?」

「……はい、あの」

「何?」

「私からしても、いいですか?」

「……うん」

「んむっ……」

(今度は逢から強く唇を押しつけられた。それでも、唇が柔らかくてとても気持ちいい……)

「んんっ……」

(キスをしながら逢が抱きついてきた。好きという気持ちがすごく伝わってきて心地いい)

「ん、ふぅ……」

(唇を離しても逢は抱きついたまま動かない)

「逢、大丈夫?」

「はい……大丈夫です」

「でも……」

「私、さっきはああ言いましたけど……」

「うん……」

「……本当はすごく寂しいんです」

「先輩とこうして学校で会えなくなるのが寂しいです」
「先輩だけ大学生になって、置いていかれてしまうんじゃないかって」

「逢……」

「去年のクリスマス、先輩はずっと一緒にいるって約束してくれました」
「さっきだって、学校が違っても大丈夫って言ってくれて」
「私、それでも、不安で……」

「うん……」

「……」

「……大丈夫だよ」
「僕は逢のことずっと好きだし、逢が寂しいならいつでも会いに行くよ」

「先輩……」

「それに……逢が高校を卒業したらまた一緒にいられる時間だって増えるさ」

「でも……同じ大学に行けるとも……」

「大丈夫だよ。たとえ違う学校だったとしても、その、合鍵渡すって約束したじゃないか」

「……」

「逢?」

「そうですね……そうでした」

「これからも……今までと同じくらい、いや、今まで以上に楽しく過ごせるはずだよ」

「はい……」

「だからさ……今日は、笑って見送ってほしいな」

「……さっきは泣いてほしそうでしたけど?」

「いや、それは、その……」

「ふふっ、冗談です」

「な、なんだ……びっくりしたよ」

「……先輩」

「何?」

「あらためて、ご卒業おめでとうございます」

「あはは、ありがとう」

「これからも、よろしくお願いします!」

終わりです
ありがとうございました
私の妄想で楽しんでいただければ幸いです

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom