西住みほ「戦車道、始めません!」 (10)
【学校】
みほ「」ハァ
みほ「…………」
「HEY、彼女。一緒にお昼どう?」
みほ(え……?)クルッ
沙織「」ニコッ
華「」ニコッ
みほ「ふあうっ(何この時代遅れ女!?)」ガタッ
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華「ほら、沙織さん。西住さん、驚いていらっしゃるじゃないですか」
沙織「ああ、いきなりごめんね」
華「あの、改めまして。宜しかったら、お昼一緒にどうですか?」
みほ「ふえっ、私と、ですか?(こっちは何でお嬢様言語? ファンタジー世界の人なの?)」
【食堂】
沙織「へへー、ナンパしちゃった」
華「私達、一度西住さんとお話ししてみたかったんです」
みほ「え、そうなんですか?」
沙織「なんかいつもあわあわしてて面白いんだもん」
みほ「面白い……」シュン
沙織「あ、私はね」
みほ「武部沙織さん。六月二十二日生まれ」
沙織「え?」
みほ「五十鈴華さん。十二月十六日生まれ」
華「はい」
沙織「へー、誕生日まで覚えててくれたんだ!(気持ち悪っ!)」
みほ「うん。名簿見て、クラスの全員いつ友達になっても大丈夫なように」
沙織「やっぱ西住さんって面白いよね(変人だ、この子)」
沙織「あ、そうだ! 名前で呼んでいい!」
みほ「え」
華「みほ、って」
みほ「スゴーイ! 友達みたーい!」ニコッ
沙織(調子に乗るな)ニコッ
華(つけあがらないで下さい)ニコッ
【食事中】
みほ「良かったー、友達が出来てー」
沙織(いつ友達になったのよ)ニコッ
華(そう思ってるのはあなただけですわ)ニコッ
みほ「私、一人で大洗に引っ越してきたからさ」
沙織「そっかー、ま、人生色々あるよね」ネリネリ
華「」ズズッ
沙織「泥沼の三角関係とか、告白する前にフラれるとか、五股かけられるとか」ネリネリ
みほ「ええっとー……(発想がパープーだ)」
華「じゃあ、ご家族に不幸が? 骨肉の争いですとか、遺産相続とか」モキュモキュ
みほ「そういう訳でも……(華さん、食べ過ぎ。お腹に寄生虫でもいるのかな?)」
【教室】
沙織「実は、相談があってさー」
みほ「え?」
沙織「私、罪な女でさ」
華「またその話ですか?」
沙織「最近、色んな男の人から声かけられまくりで。どうしたらいいかなあ」
みほ「色んな?」
沙織「いや、近所の人達なんだけどね。毎朝、おはようとか今日も元気だねって」
華「ですから、それはただの挨拶では……(眉毛太いですわね)」
沙織「でも、絶対私の事好きだもん」
華「はいはい」
みほ「武部さん、明るくて親しみやすいもんね(被愛妄想かな? 可哀想な子なんだ)」
みほ「だから皆、友達になりたくなるんじゃないかな」
みほ「誰とでもすぐ仲良くなれるなんてスゴいと思うよ(煽り)」
沙織「///」
みほ「私、今日ね。武部さんが声かけてきてくれて、本当に嬉しかった」
みほ「素敵な友達が出来たなあって(煽り)」
沙織「///」
華「西住さんこそ、素敵な方です(棒読み)」
みほ「え、全然、私なんて全然!///」
みほ「五十鈴さんの方が落ち着いてて芯が強そうで、それに大人っぽくて」
みほ「スゴく羨ましいなあ(棒読み)」
華「そんな……。いつも堅苦しいって言われてしまって……」
みほ「そうなの? 私なんか皆に頼りないって前の学校ではいつも叱られてばっかりだったの」
みほ「どうしたら五十鈴さんみたいになれるんだろう……?(棒読み)」
華「華道をずっとやってたから、そのせいかしら」
みほ「えー、スゴい。私もやってみたかったの(棒読み)」
みほ「女らしくて華やかでいいよねー(棒読み)」
華「///」
みほ「二人とも、友達になってくれてありがとう」ペコリッ
沙織(……だから、いつ友達になったの?)ニコッ
華「こちらこそ(一人で突っ走ってばかりで、めんどくさそうね、この子)」ニコッ
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