梨子「ぽかぽか陽気と桜の下で」 (22)

千歌ちゃんルーム
 
梨子「千歌ちゃん、入るよ」
 
千歌「Zzz……すぴー」
 
梨子「……日曜だからってまだ寝てるし」
 
梨子(お布団がふっとんじゃってる。こんなポカポカ陽気だから寝てたくなるのもわかるけど)
 
千歌「う~ん……もう食べられないよ梨子ちゃん……Zzz」スースー
 
梨子「はぁーどんな夢見てるのかしら」ツンツン

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千歌「……桜より梨子ちゃんの方が……きれいだよ~むにゃむにゃ」エヘヘ~
 
梨子「ああ、わたしとお花見してるのね」
 
梨子(そういうのは夢の中のわたしじゃなくてリアルのわたしに言ってほしいのに)ムッスー
 
梨子(っていうか今日リアルで約束してるのに)
 
千歌「えへへ~来年も再来年も……おばあちゃんになっても一緒だよ~Zzz」ダラー
 
梨子「千歌ちゃん// ……ってよだれ垂れてるから! しかもわたしの寝そべりちゃんにっ!」フキフキ

梨子「はぁ~起こしますか」
 
梨子(こんな幸せそうな千歌ちゃんならずっと眺めててもいいけど)
 
梨子(せっかくだし夏合宿の仕返ししてやるんだからっ!)エイッ
 
从c*つー)3(ー⊂§ ブー
 
梨子「ふふっ、豚さんみたい」
 
千歌「ふへっ!? あれっ? 桜は?」
 
梨子「おはよう、千歌ちゃん」ニコニコ
 
千歌「ふわぁ~おはよう、梨子ちゃん」

梨子「うんっ。ところで今、何時かわかる?」ニコニコ
 
千歌「えーと……1時?」
 
梨子「ううん、11時半。どっちにしろもうお昼」ニコニコ
 
千歌「うそぉー!? 目覚まし7時にセットしてたのに……あ、針止まってる」ガーン
 
梨子「善子ちゃんじゃあるまいしそんな不運……ってほんとに止まってるし」
 
千歌「ごめんっ。約束したのは私なのに……ほんとバカチカだよぅ~」
 
梨子「いいって。わたしこそごめんなさい。もっと早くに起こしに来てれば良かったんだから」
 
梨子(うん、わたしも大概バカリコだわ)

市内の自然公園
 
ワイワイガヤガヤ
 
千歌「うわぁ~今年も相変わらずだなぁ~」
 
梨子「ここってこんなに人が集まることもあるんだね」
 
千歌「うんっ。ここいらで一番のお花見スポットだしね~。もしかしたら知り合いと鉢合わせしちゃうかも」
 
梨子「確かにありえそうね」
 
梨子(千歌ちゃんと二人っきりとか、aqoursの誰かに見つかったら絶対冷やかされるし)
 
ヨーソロー
デスワー

梨子「……なんか聞き覚えのある声が」

千歌「曜ちゃんとダイヤさんかな? 合流する?」
 
梨子「ううん、今日はやめとく」
 
千歌「わかった。じゃあ離れよっか」
 
梨子「うんっ」

ハグゥー
シャイニー
 
千歌「こっちは果南ちゃんと鞠莉ちゃんっ!?」
 
ピギィー
ズラー
ヨハー
 
梨子「あっちには一年のみんな!?」
 
千歌「はは……考えることはみんな一緒みたいだね」
 
梨子「この春うららの陽気だしね」

千歌「ごめんっ! 朝一番に二人でって約束だったのに」
 
梨子「だからもういいって。こういう場でのお花見も風情があるんだし」
 
千歌「梨子ちゃんがそう言ってくれるなら……待てよ、そうだっ!」
 
梨子「どうしたの?」
 
千歌「あそこなら……うん!」
 
梨子「あそこ?」
 
千歌「うん、ちょっと坂登るよっ!」
 
梨子「ちょっ!? 引っ張らなくても登れるからっ!」

坂の上の高台
 
千歌「よーし、誰もいない!」
 
梨子「はぁはぁ……もう千歌ちゃんってば強引なんだから」プンプン
 
千歌「ごめん。痛くなかった?」
 
梨子「平気だけどこんなところに何が……うわぁ!」
 
千歌「どう? きれいでしょ~」エヘヘ~
 
梨子「うん、綺麗な桜。空も澄み渡って見えるし」

千歌「天空の聖域みたいでしょ? 私と曜ちゃんと果南ちゃん、三人だけの秘密の場所なんだよ」
 
梨子「三人だけって……たった今わたしも知ったんだけど?」
 
千歌「あ、そうだね。じゃあ梨子ちゃんも入れて四人だけのっ!」
 
梨子「つまりわたしも曜ちゃんや果南さんと同じくらい、千歌ちゃんの大切な人になれた……ってこと?」
 
千歌「うん! ……っていうかもうとっくの前からだけどね」
 
梨子「そう// こんな素敵な場所を教えてくれてありがとね♡」
 
千歌「ほんとは去年曜ちゃんと三人でスクールアイドル始めた頃に行きたいなぁ……って思ってたんだけど、もう桜散ってたからやめにしたんだ」
 
梨子「そっか、でも結果的には今日で良かったかも。こうしてお日さまの下で見られたんだから」

千歌「それもそっかぁ」

千歌のお腹「ぐぅ~」
 
千歌「あううっ//」
 
梨子「もう1時だもんね、お昼にしましょ。わたしももうお腹空いちゃった」
 
千歌「わーい♡ 梨子ちゃんの手作り弁当、楽しみにしてたんだ♡」

梨子「もう、子どもみたいなんだから」ニコッ

梨子「はい。こっちはタマゴサンドで、隣がフルーツサンドね」
 
千歌「唐揚げにミニトマトにポテトサラダかぁ。私の好きなものばっかり!」
 
梨子「はいお手拭き。よく味わって食べてね♡」
 
千歌「うん! いただきまーす」
 
梨子「いただきます」
  
千歌「うぅ~ん、衣がサクサクぅ~♡ それでいて柑橘系の甘酸っぱさが口いっぱいに広がってくぅ~♡」
 
梨子「口に合うみたいで良かった」ニコッ
 
千歌「むむっ!? この唐揚げ、もしかして隠し味にみかんを?」
 
梨子「うん。何を隠そうみかんジュースを入れた秘伝のタレに漬け込んでおいた自信作よっ!」ドヤァ
 
梨子(この黄金比を見つけるまでにどれだけ失敗を重ねたことか)遠い目

千歌「おおーっ……んがっぐうっ!?」ハァハァ
 
梨子「大丈夫!? はい、お茶飲んで」
 
千歌「ごくっごくっ……ふぅっ、ありがとぉ」
 
梨子「もう、そんなにがっつくから」
 
千歌「ごめんごめん。でも相変わらず気が利くねぇ梨子ちゃんは」
 
梨子「そうかな? 普通だと思うけど」
 
千歌「そんなことないよ~。まさに良妻賢母って感じだもん」
 
梨子「んもぅ// 千歌ちゃんってばお世辞が上手いんだからっ♡」バシッバシッ
 
千歌「あだっ!? ……お世辞なんて言えないって知ってるクセに」

千歌「ごちそうさま。美味しかったよ♡」
 
梨子「どういたしまして。ふわぁ~千歌ちゃんじゃないけど、こんなぽかぽか陽気だとここでお昼寝したくなっちゃうかも」ウトウト
 
千歌「梨子ちゃんがしたいならいいけど? ふわぁ~私も眠くなってきたし」ウトウト
 
梨子「……もう、何時間寝るつもりなの」
 
千歌「仕方ないじゃん、お腹いっぱいになったんだから」

梨子「わからなくはないけどさあ」

梨子「改めてありがとね、千歌ちゃん」
 
千歌「いきなりどしたの?」
 
梨子「わたしをスクールアイドルに誘ってくれて」
 
千歌「迷惑じゃなかった? 思い返したら結構しつこかった気がするし」
 
梨子「そりゃあ最初はちょっと……って思ったよ」
 
千歌「ううっ、それは若気の至りってヤツで」
 
梨子「いや、今でも若いからね。千歌ちゃんもわたしも」

千歌「で、具体的にはどんなことに感謝してるの?」
 
梨子「千歌ちゃんのおかげで、こうやって色んな景色を見られたこと、かな?」
 
千歌「そっか。じゃあもっと色々見せてあげたいな!」ニコッ
 
梨子「ふふっ、期待していいのね?」
 
千歌「もちろん! ……でも私一人じゃめげたり挫けたりすることもあるから……これからも隣にいてくれますか?」
 
梨子「千歌ちゃん// ……もちろんだよ」ニコッ
 
千歌「ううっ……ありがとー梨子ちゃーん」ウルウル
 
梨子(ええー、泣くほど嬉しかったの!?)

千歌「今度とも不肖、高海千歌を何卒よろしくお願いいたします」
 
梨子「もう、大袈裟なんだから」ヤレヤレ
 
梨子「来年も、再来年も、おばあちゃんになっても見に来ようね。この桜」
 
千歌「うん! 約束する。……ってどっかで聞いたようなフレーズだね?」
 
梨子「そう? 確かに恋愛映画でよく使われてそうだけど」
 
梨子(本当は千歌ちゃんの寝言そのままなんだけどね)

梨子「すぅすぅ……千歌ちゃん、一緒にいようね……Zzz」
 
千歌「梨子ちゃんってば夢の中でも私といたいのかぁ~照れるなぁ//」カァー
 
千歌(はぁー『桜よりも梨子ちゃんの方が綺麗だよ』キリッ って素で言いたかったなぁ。ほんっとヘタレなんだから、私)
 
梨子「合格おめでと……千歌ちゃん……むにゃむにゃ」
 
千歌「そうだね。約束したんだし、一緒の大学に行けるよう勉強頑張らなくちゃ!」フンスッ

千歌(こちらこそ、ずっと一緒にいさせてね。梨子ちゃん♡)

メイ*^ _ ^リ 終わりです
 
ちかりこ絵探してて見つけた素敵な2枚のイラストからイメージを膨らませてみました

>>11
訂正します
柑橘類の甘酸っぱさ ×
甘辛醤油のまろやかさ ○

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