【ダンガンロンパ】最原「希望ヶ峰学園……」【クロス】 (42)



・ダンガンロンパ1、2、V3
・ペルソナ4、5
上記2つのクロス的な何か(暫定)
途中から増えるかもしれない

~注意~
・ネタバレ多数になると思います(特にダンガンロンパV3、ペルソナ5)
・原作の設定や用語でミス等があるかもしれません
・建て直しもの



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>耳に届くのは賛美の声。

――よく協力してくれたね。

――とても見習いとは思えないよ。

――これからもよろしくね。


>耳に届くのは否定の声。

――たった一度事件を解決したくらいでなぁ……。

――所詮は素人だろ? もっと凄い探偵はいるじゃん。

――『超高校級』も安くなったもんだな。


>でも、それ以上に気になるものは。

最原「ッ……!!」

>自分の推理で追い詰め。警察に連行されていく犯人の視線。

>憎しみ。妬み。敵意。殺意。その他あらゆる負の感情が僕の体にまとわりつく。

>謎を解き、真実を暴く。探偵として当たり前のことをしたつもりだった僕は――





「次は~、希望ヶ峰学園~。希望ヶ峰学園~」

最原「あ……」

>とても嫌な夢を見ていた。
>忘れたくても、忘れられない。そんな夢。

最原「…………」

>気持ちを切り替え、僕は停車したバスから降りる。
>今日から僕は――『超高校級の探偵』として生活することになるんだ。

20XX年 4/9(sat) 朝/晴

>私立希望ヶ峰学園。あらゆる分野で秀でた生徒を教師のスカウトによって集め、卒業すればその後の人生の成功を約束されると言われている。
>そんな学園の前に僕は立っていた。

>僕は『超高校級の探偵』として入学する。それはつまり探偵としての実力が認められたということで、普通なら喜ぶべきところなんだけど……。

>僕はあくまで見習いでしかなかった。スカウトのきっかけとなったのは殺人事件を警察より早く解決したかららしいけど、そもそも僕は探偵としての経験が圧倒的に不足している。警察より早く解決したというのも、偶然だ。

「あれ? そんなところで何してるの?」

>校門の前で立ち尽くす僕に誰かが声をかけた。
>そっちを見ると、そこには一人の女の子が。

最原「あ、ゴメン……。凄い大きな学園だなって思ってたら、ちょっと入るのに戸惑ってたっていうか……。邪魔だったよね」

「いやいや、そういうんじゃないけど。……ん? ってことはキミも新入生?」

最原「じゃあ、そっちも?」

>僕の返事を聞いて女の子は頷いた。

「赤松楓! 『超高校級のピアニスト』で入学することになったんだ!」

>ピアニスト……。

最原「僕は最原終一。一応、『超高校級の探偵』として入学することに……」

赤松「探偵! へぇ~……話には聞いたことあるけどこうして実際に会うのは初めてかも」

>それはそうだ。普通なら、探偵なんて人間と会うなんてことはほぼあり得ない。警察とか、そういうタイプのことをしていない限りは。

赤松「とにかく、よろしくね!」

>そう言って赤松さんは手を差し出してくる。

最原「あ、うん……よろしく」

>その手を握り、握手を交わす。
>入学式はそろそろ始まるはずだ。遅れないようにしないと。
>僕と赤松さんは体育館を目指すことにした。


「……ここが希望ヶ峰学園ね」


最原「あれ……?」

>ふと後ろから聞こえた声に振り向く。しかしそこには誰の姿も見当たらなかった。

>空耳……か?





朝/晴→昼/晴

【教室】

>入学式もその後の連絡事項も全て滞りなく終わった。今日はもう自由行動となるらしい。

「ようやくつまらない入学式が終わりだよ! 早速街に繰り出そうとするかな!」

>いち早く教室を出て街に遊びに行く生徒。

「……眠」

>眠そうにしながら自分に割り振られた寄宿舎の部屋に向かう生徒。

「せっかくだし校内の散策をしようかな……先輩方と交流を深めれるかもしれないしネ」

>学園内の設備等を一目見ておこうと教室を出ていく生徒。
>そうやってクラスメイト達が散っていくなかで僕は――


↓2
1 街へ出る
2 寄宿舎の自室へ
3 学園内の散策



>街へ出よう。
>学園のことを知るのも大事だけど、今日から住むこの街のことも知る必要がある。

最原「……よし、行くか」





【希望ヶ峰学園前】

>この街で特に行く頻度が高くなりそう場所は3つ。

>1つ目はショッピングモール。様々なジャンルの店が集まり、ここだけで必要な物の多くは買いそろえることができる。

>2つ目は大通り。ここにはテレビ局やライブハウスといった少し特殊な建物が多く並んでいる。
>ここを歩いていたらもしかしたら芸能系の才能を持つ『超高校級』に会えるかもしれない。

>3つ目は駅。隣街とかに行く用事ができたら利用することになるだろうけど、とりあえず今は行く必要もないかな。

>さて、今日はどこに行ってみようか……?


↓1
1 ショッピングモール
2 大通り



【ショッピングモール】


>学園から歩いて十分程度。
>この近隣で一番大きいショッピングモールへと僕はやって来た。

>レストランに本屋にコンビニに雑貨屋……本当にいろいろな店がある。確かにここ1つでだいたいの物は揃いそうだ。
>それにとにかく人が多い。希望ヶ峰学園の生徒だけでなく、他の学園の制服を着た人の姿も見える。

最原「……ん?」

>人混みの中にまばらに見かけるのは……警察?
>何かあったのだろうか。


↓2まででダンガンロンパ1、2、V3キャラ一人指定。
コンマが高い方と遭遇。



「あら、貴方……」

>ふと後ろから声をかけられた。
>そこには見たことのない女の子が一人。

「79期生の最原終一君ね」

最原「どうしてそれを……」

「新入生の情報はある程度集めてあるから。それに、自分と同じ肩書きということもあって少し気になってはいたの」

>同じ肩書き……ということは彼女も『超高校級の探偵』……?

「私は霧切響子。『超高校級の探偵』で入学した78期生よ」

>霧切響子、って……。

最原「霧切って確か、学園長の名字も……」

霧切「ああ……一応、学園長は私の父親なの」

>そう言って霧切さんは顔をしかめる。
>……あまり踏みいられたくない話題なのかな……。

霧切「それより、もしかして貴方も調査に?」

最原「調査、って?」

霧切「もちろん最近この地域で起きている事件のことよ」

最原「事件? ……あ、それで警察の人が居るんだね」

>物騒な話ではあるけれど、そういうことなら警察の人間が居るのも頷ける。

霧切「何も知らないみたいね」

最原「あはは……ゴメン。それで、具体的にはどういう事件が?」

>探偵として。そしてこの地域に住む人間として。知る必要があるだろう。
>すると霧切さんは説明をしてくれる。

霧切「内容自体は様々よ。恐喝・窃盗・器物破損・殺人……挙げていけばキリがない。ただ共通して言えることは、犯人の事件前後の様子が変わりすぎているということ」

>犯人の事件前後の様子が変わりすぎている……?

最原「つまり、事件前は普通だったのに……」

霧切「まるで心変わりでも起きたかのように凶行に走ってしまう。加えて言うと、事件後の供述は『覚えていない』『記憶が曖昧』……そういったものがほとんどみたいね」

>恐ろしい話だ。この話が本当なら解決までにはかなりの苦労を必要とするだろう。下手したら迷宮入りの可能性だってあり得る。

霧切「希望ヶ峰学園に通う『超高校級』はそれぞれの活動においてある程度の融通が効くようになっているわ。私や最原君の場合は『事件捜査において警察と同等の権利を得られる』……まあ、警察としては面白くない話でしょうけど」

最原「なるほど……。霧切さんはこの事件、どう考えてるの?」

>それは探偵として意見を求めたつもりだった。

霧切「……普通の事件ではないでしょうね。偶然の心変わりなんて連続で起きるとは思えない……何か大きな思惑があると見て間違いないわ。普通の人間は関わるべきではない……」

>言葉自体は普通の意見。
>でも、僕は何か違和感を覚えた。最後の部分が探偵としての意見というよりも、別の側面としての意見のような気がしたから……。

霧切「長話をしたわ。それじゃ、また会いましょう」

最原「あ、うん」

>そう言って霧切さんはこの場を立ち去る。
>……僕も帰るか。






【希望ヶ峰学園 寄宿舎 最原・??の部屋】

昼/晴→夜/晴

「つーわけで、オレがルームメイトの百田解斗だ! よろしくな最原!」

>僕のルームメイトは『超高校級の宇宙飛行士』の百田君だった。
>どうやらかなり明るい性格のようだ。

最原「よろしく」

百田「部屋はどっちにする? つーか先に見たけど内装は変わらねぇからどっちにしても同じだけどな」

>割り振られた部屋は玄関から廊下が伸びその先にリビングがあり、廊下の両側に1つずつ洋室が置かれていた。
>あまり大きな部屋ではないようだが、二人しかいないのに無駄に大きくても意味がないので良しとしよう。

最原「それじゃあ、右の部屋にするよ」

百田「オッケー! そんじゃ、テキトーに過ごしとけよ!」

>百田君はそう言って自室に入っていく。
>……明日は日曜日で授業もない。だけど何だか疲れたな……シャワーを浴びてもう寝よう……。

>そうして僕の希望ヶ峰学園の生徒としての初日は幕を下ろした。



【ベルベットルーム】

>目を覚ますとそこは見慣れない光景が広がっていた。
>円形に広がる建物の中、壁には天井まで伸びる本棚がぐるりと一周している。
>それはまるで図書館か、書斎か。

「ようこそ、ベルベットルームへ」

>そんな中で異質な空気を放つ存在があった。
>僕の真正面にある長机。その席に座る鼻の長い老人。

最原「ベルベットルーム……?」

「ここはお前の心の有り様を映す世界。この無数の本はお前が今までどれだけの知識を得てきたかを表している」

>この老人は何を言っている……?

「自己紹介が遅れた。私はイゴールだ。このベルベットルームの主を務めている」

最原「イゴール……さん?」

イゴール「イゴールで構わぬ。それよりも、今日お前をここに呼んだのは大事な話があるからだ」

>そうしてイゴールは僕の困惑を無視して告げる。

イゴール「今、お前の背後に絶望の渦が着実に迫ってきている」

>は……?

イゴール「それはまだお前を飲み込むほどではない。しかしこのまま放置していればやがてお前を――そして現実世界を侵食し、破壊するだろう」

最原「待ってくれ! いきなり何を言って……!」

イゴール「安心するがいい。それを防ぐ手助けをするべくこうしてお前を招いたのだ」

>手助けって……。

最原「それをすることによってそっちにどんなメリットが? いや、そもそも今の話だって本当かどうかわからない」

イゴール「今の話が真実かどうかはやがて理解するだろう。今日はお前の理解は別として、事実を伝えるのが目的なのだ」

>有無を言わさないような口調。
>本気、なのか……?

イゴール「さて、最初の質問に対する回答だが……『暇潰し』と答えておく」

最原「どういうことだ……!?」

イゴール「これは私にとってあくまで前座ということだ。気紛れでお前に力を貸すだけのこと」

>気紛れで力を貸すだけ?
>意味がわからない。この老人は何を言っている?

イゴール「そろそろ夜明けだ。最後にアドバイスをしておこう」

>どこからか聞こえる鐘の音に混ざり、それでもはっきりと老人の声が耳に届く。

イゴール「常識を捨てろ。この余興は本来起こり得ない『もしも』が重なって起こった非常識の出来事だ。本来会うことのない人間と出会うことだってあり得る」

最原「うっ……!?」

>ズキン、と頭が痛くなる。
>痛い……喋れない……!!

イゴール「お前が正しく現実を認識し、事実を受け入れたらまた呼ぶ。では……」

>待て……待ってくれ……!!


20XX年 4/10(Sun) 朝/曇


>目覚めは最悪だった。
>イゴールとかいう老人が言っていた破滅……何を意味しているのか……?

最原「……バカバカしい」

>夢は夢。それが現実に影響するなんてことがあるはずがない。
>それよりも、今日は日曜日。学園の授業は無い。

最原「……とりあえず、朝御飯食べて適当に街に出てみよう」

>昨日はショッピングモールへ行ったことだし、今日は大通りの方に出てみよう。

>どうやら百田君は出掛けているみたいだ。
>もしかしたらどこかでバッタリ……なんてこともあるかもしれない。





朝/曇→昼/曇

【大通り】

>昼頃というのもあって、大通りはたくさんの通行人で賑わっている。
>ここにあるのはテレビ局にライブハウスといったものがあり、少し離れると他校の校舎がいくつか見える。

最原「バッティングセンターまである……」

>ここでなら遊びに困るようなことはないかもしれない。
>さて僕は――


↓1
1 テレビ局の方へ
2 ライブハウスの方へ
3 バッティングセンターの方へ



【ライブハウス前】

>歩いて数分。この地域でそれなりに有名と言われているライブハウスにやって来た。
>と言っても僕はこういうライブハウスに来たことはない。それなので外観だけを見るだけだったのだが……。


↓2までで遭遇人物選択。コンマが高い方と出会う。
1 新人アイドルの少女
2 赤いメッシュの少女
3 金髪の少女
4 パンクな制服の少女
5 クマ



>そろそろ帰ろうかと思ったとき、ライブハウスの中から誰かが出てくるのが見えた。従業員の人かな、なんて思っていると……。

「…………」ズンズン

最原(……ピンクのクマ?)

>出てきたのは人間ではなく、クマのぬいぐるみ。マスコットキャラなのだろうか?
>と思っているとそのクマは僕の方へ歩いてくる……え?

「あの~……すいません、金髪で物凄く騒がしい女の子って見かけました?」

>可愛らしいぬいぐるみから聞こえてきた声は女の子のものだった。
>従業員……にしては少し若そうだ。僕とそこまで年齢は変わらない気がする。

最原「いや、見てないです……」

「あ、そうですか。ありがとうございます」

>そうして丁寧にお辞儀をするクマ。よく見ると胸元にミッシェルという名札が付いているが……このキャラクターの名前だろうか?

最原「ミッシェルってそのクマの名前ですか?」

「そうなんですよ~。あれ? もしかしてご存じ無い?」

>ライブハウスから出てくるピンクのクマに知り合いは居ない……。



最原「最近引っ越してきたもので。えっと、希望ヶ峰学園の……」

ミッシェル「えっ! 嘘、あそこの生徒なんですか!?」

>のんびりとした口調から驚いた様子のミッシェル……さん。
>するとミッシェルさんは頭の部分を取り外し、暑そうに息を吐く。やっぱり女の子だった……。

「すいませんいきなり……。あ、奥沢美咲です。よろしくお願いします」

最原「どうも……。僕は最原終一です」

>自己紹介を済ませると、目の前の奥沢さんは希望ヶ峰学園の生徒である僕に興味深々といった様子だ。
>確かに他校の生徒からすれば希望ヶ峰学園というのは雲の上のような存在……なんて話も聞いたことがある。

美咲「それで、あの学園の生徒ってことは何かの才能が認められたってことなんですよね? それって……」

最原「一応、入学の肩書きは『超高校級の探偵』ってことに……」

美咲「探偵……」

>その単語を反芻して奥沢さんは深く息を吐いた。

美咲「いやいや、やっぱり希望ヶ峰学園の生徒は違うなぁ……。野球選手とかそういうのならともかく、探偵だなんて。わたしもこころのせいで大抵のことには驚かないと思ってたけど……」

最原「こころ? それって、さっきの金髪で~っていう?」

美咲「はい。物凄いお金持ちで大豪邸に住んでるんですよ」

>へぇ……。

美咲「ただちょっと危なっかしいというか、目が離せないタイプで。最近は物騒な事件も多いから見ててハラハラするというか……」

>……そうか。よく考えたら奥沢さんはこの地域の人なんだから事件についても少しは知ってるはず。
>どうしよう……探偵というのも明かしたことだし、話を聞いてみるか?


↓1
1 事件のことを聞く
2 美咲のことを聞く



最原「その事件っていうのは……」

美咲「えっと、窃盗とか……殺人とか……そういうのです」

>やっぱり、霧切さんが言っていたもので間違いない。

最原「普段は普通の人間が心変わりをしたかのように凶行に走る……そう言われてるんですよね?」

美咲「さすが探偵ですね、もうそこまで知ってるなんて」

最原「奥沢さんの周りではまだ……」

美咲「はい」

>とはいえニュースでそういう事件を見るだけでもかなり心配だろう。女の子なら自衛も難しいかもしれないし。

美咲「……そうだ。そういえば明日、バラエティー番組の撮影の中でそういう話が出てくるかもって聞いたかも」

最原「番組の撮影?」

美咲「はい。あ、実はわたしアイドルに知り合いが居て……その子からの情報なんですけど」

>アイドルの知り合い……?

美咲「確か結構有名な人達が出るらしいですし、ダメ元で明日テレビ局に行ってみたらどうです? もしかしたら急遽ゲストで出れるかもしれませんし、それならもっと詳しい人から話が聞けるかもしれません」

>確かにそれはそうだ。
>幸い、希望ヶ峰学園の生徒ということを明かせばその程度の無理も通るだろうし……。



最原「ちなみに、誰が出るのかは知ってます?」

美咲「えーっと……聞いた話だと、有名アイドルの久慈川りせと探偵の明智吾郎の二人が特に有名な人だったと思います。それと現役警察の人も来るとか」

>久慈川りせに明智吾郎……それと現役警察の人間か。

美咲「あ、そういえば『超高校級』の人も一人来るって言ってました」

最原「そうなんですか?」

>そうなると僕らより上の78期77期の先輩か?
>久慈川りせと明智吾郎。現役警察の人間と『超高校』が一人……。
>奥沢さんの知り合いも含めると五人。結構少ないような気もする。

最原「とにかく、話を聞かせてくれてありがとうございました」

美咲「いやいや、これくらいならいつでも大丈夫ですよ」

>そうして僕は奥沢さんと別れ、帰路につく。
>そういえば、奥沢さん自身については何も聞いてなかったな……。着ぐるみのこととかライブハウスのこととか聞きたいことはたくさんあったというのに。



昼/曇→夜/曇

【寄宿舎 最原の自室】

>百田君はまだ帰ってきていない。
>別に夜歩きを咎めるような年齢でもないので僕がどうこう言うことではないのだけど……単純に夜遅くまで何をしているのか気になるな……。

>ピンポーン!

最原「ん?」

>不意に鳴るインターホン。
>百田君……なら鍵を使って入ってくればいいし、そうなると誰だろう?

>ピンポーン!

最原「はーい!」

>僕に用事か、百田君に用事か。
>とにかく待たせちゃ悪いし早く行こう。


直後コンマ下一桁で判定
偶数なら天海
奇数なら王馬



>ガチャ


「最原ちゃんやっほー、遊びに来たよー」

最原「お、王馬君?」

>『超高校級の総統』王馬小吉。
>僕と同じ79期生のクラスメイト……なんだけど。

最原「遊びに来たっていきなり言われても……」

王馬「別に少し話すだけだって! じゃ、失礼するよー!」

最原「ちょ!」

>ズカズカと廊下を進んでリビングへ向かう王馬君。
>……随分強引な人だな。

王馬「それじゃあ最原ちゃん、何話そっか?」

>ソファーにふんぞり返って王馬君はそんなことを言った。

最原「……そっちから来たのに僕に話題を振るの?」

王馬「だって遊びに行こうって思ったのついさっきだし」

>……一応クラスメイトだし無下に追い返すわけにもいかないか。


話題選択↓1
1 学園の生徒で気になる人はいる?
2 昨日、一目散に街に出ていったよね?
3 そもそも『超高校級の総統』って何?



最原「そもそも『超高校級の総統』って何?」

>探偵とかアイドルとかそういうのならまだ想像は容易い。
>でも王馬君の肩書き――『超高校級の総統』というのは全く想像ができない。

王馬「ん? そりゃ、悪の組織の親玉ってやつだよ」

>……は?

王馬「あっはっは! 間抜けな顔してるね!」

最原「悪の組織って本気で言ってるの?」

王馬「もちろん! 最原ちゃんが探偵として解決した事件も多分何個かはオレの組織が関わってるんじゃないかな?」

>と言っても僕が解決した事件なんて浮気調査とか猫探しのような小規模なものが大半だ。王馬君が言うような大きな組織が関わるような事件なんて……。

王馬「最原ちゃんが警察より早く解決したっていう事件……とかね?」

最原「ッ……!?」

>その言い方に僕は奇妙な寒気を感じた。
>あれはそれほど大きな事件ではなかった。ニュースで流れたことはあったと思うけど、世間を騒がすようなものではなかったはず。
>いや、そもそも僕の名前は完全に伏せられていたはずだから部外者の王馬君がそのことを知れるわけが……。



最原「王馬君、キミは――」

王馬「ところで最原ちゃん! 最原ちゃんは大通りのところにテレビ局があるの知ってる?」

最原「知ってるけど……」

>僕の言葉を遮るように話題を変えてくる王馬君。
>……なんだか不思議な人だ。嫌なオーラを出しているというか……。

王馬「実は明日番組の撮影があって、それに出ることになったんだけどさー」

>それって奥沢さんが言ってた……?

王馬「もう一人『超高校級』を連れてきてくれって頼まれてんだよね。最原ちゃんはどう? 興味ある?」

最原「……僕は別に……」

>気にならないと言えば嘘になるけれど、なんとなく王馬君に本音を言うのは嫌だった。
>でも王馬君は僕の嘘を見抜いたのか、こんなことを言う。

王馬「いいじゃんいいじゃん! どうせクマの着ぐるみとお話するくらい暇なんでしょ? それじゃあ明日の放課後テレビ局に来てよね! 関係者には話を通しておくから! じゃあオレ帰るから!」

最原「え? ちょ、王馬君!!」

>去り際までなんとも強引な……。

最原(……ん?)

>そういえば、最後気になることを言ってたような……。

最原「まあ、いいか」

>それよりも僕についてどれだけ調べているのかが気になる。
>王馬君か……結構面倒な人かもしれない……。

【おやすみなさい】

20XX年 4/11(Mon) 朝/晴


【学園敷地内】

>今朝の目覚めは普通だった。あのイゴールとかいう老人の夢も見ていない。

最原(やっぱりただの夢だったんだ)

>百田君は朝のトレーニングがあるとかで先に登校。僕は一人で教室に向かう。
>周りを見ると先輩と思わしき人達が何人か見えてきた。


『あー、タルっ。やっぱ朝はタルいなぁおい』

『朝から練習とかしてきたであろう超高校級の野球選手の言う台詞じゃないべ。言ってることはわかるけども』

『別に朝練とかしたことねぇし? ほら、俺才能に溢れてっからさ!』

『そういえばそういう人間だったべ!』


>…………早く教室に行こう。



朝/晴→放課後/晴


【大通り テレビ局前】

>一日の授業も滞りなく終わり、僕は大通りにあるテレビ局の前にやって来ていた。
>……僕も大概お人好しかもな。

「あっ、最原君こっちっす!」

>中から出てきた人が僕に声をかけてくる。
>……あれは――

最原「天海君?」

>天海蘭太郎。クラスメイトの一人だけど、まだ話したことのない人だ。

天海「いやー、よかったっす! 王馬君が誰か連れてくると言っていたときは心配したんすけど……探偵の最原君ならテレビ局側も文句ないっすね!」

最原「王馬君が……?」

>つまり、実際テレビ局からオファーを受けたのは天海君……?
>それでもう一人誰か連れてくる必要が出てきたところで、王馬君が僕を誘い出したってことか?

最原「そういうことか……」

>かなり回りくどい……。

天海「あれ? もしかして王馬君から話聞いてないっすか?」

最原「全然ね。でも、一応なんとなくは察したよ」

天海「はは……。まあ、詳しい話は改めて中で話すんで、とりあえず行くっすか?」

最原「そうだね」

>失礼な話だけど、王馬君じゃなくて天海君ならそれはそれで安心だ。


↓1で遭遇した人物選択
1 久慈川りせ
2 刑事
3 新人アイドル
4 明智吾郎



【テレビ局】

天海「あれは……」

最原「え?」

天海「ほら、あそこにいる人」

>テレビ局に入ってすぐ。天海君が一人の女性を見つけた。

最原「あ、確か久慈川りせ……だっけ?」

>現役高校生のアイドルで、テレビを付ければ毎日見ると言っていいくらいの有名人。
>僕はあまりアイドルには詳しくないけど、それくらいの人でも知っていると思えば凄い……んだろう。

天海「そうっす。確か今日の撮影で一緒のはずっすよ」

天海「すいませーん」

「はい?」

>……結構度胸あるな、天海君。

天海「久慈川さんっすよね? 今日一緒に撮影する、天海と――」

最原「最原終一です」

「あっ! 希望ヶ峰学園の人達ですよね? 久慈川りせです、よろしくお願いします!」

天海「はは、よろしくっす」

最原「よろしく」

>当たり前のことなんだろうけど、撮影前でも緊張してる様子はまったくない。

りせ「あ、もしかして撮影前で緊張してます? 大丈夫ですよ、リラックスしてもらえれば」

>……僕がちょっと緊張してるのを見抜いてた。

天海「今回の撮影は久慈川さんと明智君がいますから、主に二人に任せる感じでいけば大丈夫っすよ。ですよね?」

りせ「あはは、任せてくださいっ」

最原「それと確か現役警察の人と、アイドルの人が一緒なんですよね?」

りせ「はい。まずはパステルパレットってグループで活動してる丸山彩って子ですね」

>パステルパレットの丸山彩……。
>多分、奥沢さんの知り合いっていう人だよな……?

天海「ああ、あの最近出てきたっていう」

最原「詳しいんだね?」

天海「まあ、いろいろとあるんすよ」

>そうして天海君は小さく笑う。

りせ「もう一人、警察の人なんですけど……さっきスタッフに連絡があったみたいで。急遽お仕事で来れなくなったみたいです」

天海「……へぇ?」

最原「仕事っていうと……」

>やっぱり、最近の事件についてだろうか。

りせ「だから今日は私たち三人と明智さんに彩ちゃんを合わせて五人が出演することになります」

天海「それにしても、ちょっと意外っすね」

最原「意外って?」

>僕の言葉に天海君が答えようとして――廊下の奥からスタッフらしき人がやって来た。

「久慈川さん! そろそろ番組の流れの事前確認をしたいんですけど……」

りせ「あ、わかりました」

「そっちのお二人は希望ヶ峰学園の生徒さんですよね? お二人もご一緒にお願いします」

最原「はい」

天海「了解っす」

>……天海君、何を聞こうとしたんだろう?

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