どうやら運命はどうしても彼女と俺を結ばせたくないらしい (3)

俺は佐藤菜々子が好きだ

菜々子はクラスの中でちょっとだけ可愛くてしっかり空気の読めるごくごく普通で平凡な女の子で、俺のタイプではない女の子。

俺はアイドルみたいにキラキラした女の子が好みだった。

だけど彼女と初めて会った時、まるで昔から知っていたような感覚と全身の血が一気に身体中を駆け巡るような高翌揚感があった。

これは彼女以外ではなかった事だ。

俺は運命を感じた。

俺は彼女に一目惚れをしたのだ。

そして俺は桜の木の下で彼女に告白をする。


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俺「菜々子さん来てくれてありがとう」

菜々子「あーうん……うん」

菜々子は長い髪もくるくると指に絡ませながら、時折キョロキョロと周りを気にしていた。

菜々子「えっと、話したいことってやっぱりそういうことだよね?」

俺「ああ…たぶん菜々子さんの考えていることであってると思う」

俺「菜々子さん、言葉だけじゃ足りないけど…」

菜々子「待って!一応聞くけど罰ゲームとかじゃないよね…」

菜々子「ほら、私って自分で言うのもなんだけど…モテる方ではないし…俺君みたいなモテる人が私に告白なんて…」

俺「違う!冗談で告白なんてしない!俺は世界で1番!菜々子が好きなんだ!!!」

俺「もっと菜々子さんの事が知りたい…もっと菜々子さんと仲良くなりたい…菜々子さんを抱きたい!菜々子さんを一生かけて幸せにしたい!」

俺「こんな気持ちにさせてくれる女の子は君だけなんだ!」

菜々子「……っ」

菜々子「ありがとう…これからお願いします」

俺「やった!」

ーーーピシャン!!!ゴロゴロ!!!

瞬間、俺は地面に倒れた。

薄れゆく意識の中で雷に打たれたことを知り共に倒れた彼女を見た。

せっかく成功したのに俺は死ぬのか…前にもこんなことがあった気がするがもう遅い。

目の前が真っ暗になった。

赤いピエロがどこかで笑ってる気がした。


運命「やれやれ、やっぱりこうなったか」

運命「でも仕方ないよね、君と彼女は結ばれない運命なんだから…無理やり捻じ曲げようとしたら修正されちゃうよ」

俺「…誰だ?お前?見た覚えがあるのに思い出せない…」

目の前には赤い道化師がいた。

運命「ふーん、これまずいね」

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