百合子「寝ちゃった……。そういえば眠そうにしてたような……？」

杏奈「すぅ……むにゃむにゃ……」

百合子「ふふ、可愛い寝顔……無理させちゃってたのかな？　ごめんね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

杏奈「あ……えへへ、むにゃ……すぅ……すぅ……」

百合子「このままじゃ風邪ひいちゃうかな、毛布とってこないと……っと？」ｸﾝｯ

杏奈「ん、んん……やぁ……」ｷｭｯ

百合子「ふふ、すぐ戻ってくるから安心して、ちょっとだけ待っててね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

杏奈「ぅん……」

百合子「お待たせ～。よいしょっと、これでよし……」ﾊﾟｻｯ

杏奈「んん……ぇへ……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

百合子「さて、杏奈ちゃんは寝ちゃったけどどうしよう。私も寝てもいいんだけどなんか目が冴えちゃってるしなぁ……」

杏奈「すぅ……すぅ……」

百合子「本を読もうにも杏奈ちゃんの部屋に本ないし……何か持ってくればよかった」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

杏奈「むにゃ……うゅ？」

百合子「あ、起こしちゃった？」

杏奈「すぅ……すぅ……」

百合子「よかった……。とりあえずさっきの続きでもやってようかな」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

杏奈「すぅ……すぅ……」

百合子「うーん……つまらないわけじゃないけど……やめた、やっぱり杏奈ちゃんと一緒じゃないと」

杏奈「ん、ぅん……？　ゆ、りこさん……？」

百合子「あ、ごめんね、呼んだわけじゃないんだけど……」

杏奈「えへへ……あい、がと……」

百合子「寝ぼけてただけか……」ﾎｯ

杏奈「えへへ……」

百合子「うーん……いつもは私が先に寝落ちちゃうから本持ってきてないんだよなぁ……考えてみるといつも申し訳ないことをしていた……」

杏奈「ん、ぅん……むにゅぅ……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

百合子「ああもう、毛布落ちちゃってるよ。全く……」ﾊﾟｻﾘ

杏奈「……」

百合子「…………このくらい、いいよね？」ﾊﾟｼｬﾘ

杏奈「ぅ、んん……」

百合子「えへへ……寝顔撮っちゃった……」

杏奈「あぇ……ゆいこさん……？　あんな、ねちゃってあ……？」

百合子「あ、起こしちゃった？　ごめんね？」

杏奈「ううん……あんな、こそ……さきにねちゃってごめ……ふぁぁ……むにゃ……」ﾎﾜﾎﾜ

百合子「眠いなら寝てもいいんだよ？」

杏奈「……ゆいこさんも、いっしょに……」ｷｭｯ

百合子「ほへっ！？」ﾎﾞﾌﾝｯ

杏奈「こっちでいっしょに……ねよ？」ｸﾞｲｯ

百合子「杏奈ちゃ、そんな強引に……」

杏奈「えへへ……おやすみなさい……」ｷﾞｭｰ

百合子「…………え、っと……目の前に杏奈ちゃんの顔があり？　抱きしめられてしまい逃げることも寝返りを打つこともできないこの状態で寝ろと！？」ｱﾀﾌﾀｱﾀﾌﾀ

杏奈「えへへ……ゆりこさんの……におい……」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

百合子「これでどう寝ろと……！！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

杏奈「えへへ……」ｽﾔｽﾔ

百合子「下手に動いて杏奈ちゃん起こすわけにもいかないし……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

杏奈「むにゃむにゃ……」ｷﾞｭｰ

百合子「やわらかいしあったかいし唇はプルプルしてるしまつげが長いし肌が白いしじゃなくて！！！」ﾊﾞｸﾊﾞｸ

杏奈「ぅん……？　ゆりこ、さ……？　どうか、した……？」

百合子「あ、ううんなんでもないの。ごめんね？」

杏奈「ん……そっか……」

百合子(んんんんん！！　この状況で下手にもだえることも許されないってちょっとした拷問だよ！！！！)

杏奈「すぅ……すぅ……」

百合子「落ち着け、落ち着くんだ百合子……。そうだ、素数を数えよう……えっと、1って素数に入るんだっけ……？ああ数学の勉強をサボったツケがこんなところに……！」

杏奈「ゆり……さ……す……」

百合子「す……！？　す、なんなの……！？」

杏奈「…………すぅ……すぅ……」

百合子「～～～～っっ！！！！」ﾌﾟｼｭｰ

杏奈「えへへ……すぅ……すぅ……」

百合子「…………あー……外が明るいー……」ﾁｭﾝﾁｭﾝ

杏奈「すぅ……すぅ……」

百合子「結局放してくれないんだもんなぁ……」

杏奈「えへへ……」ｷﾞｭｰ

百合子「かわいいなぁもう……」

杏奈「ん、ふぁ……ん、ぅん……ゆりこさ……おはよ……ふぁ～……！」

百合子「杏奈ちゃん、おはよう……」

杏奈「百合子さん、もしかして眠れなかったの……？クマができてる……」

百合子「あー、うん……ちょっと考え事しててね……」

杏奈「も、もしかして……杏奈が、ぎゅってしてたから……眠れ、なかった……？」

百合子「そうといえばそうなんだけどそうじゃないともいえるというか……」

杏奈「え、えっと……？」

百合子「大丈夫、どっちかって言うと悪いのは私の方だから杏奈ちゃんは気にしないで……」

杏奈「そ、そう……？」

百合子(まさか杏奈ちゃんの可愛さにドキドキしっぱなしで眠れなかったとは言えないもんねぇ……)

杏奈「百合子さん、今日のレッスン……だいじょう、ぶ……？」

百合子「大丈夫、だと思う……。とりあえず、顔洗いたいから、放してくれるかな……」

杏奈「あ、うん……」ﾊﾟｯ

百合子「ん、んー……！　あー、体がバキバキだ……。杏奈ちゃんも、顔洗う？」

杏奈「ん……杏奈は、まだいいや……」

百合子「そう？　じゃあちょっと行ってくるね」

杏奈「ん……」

百合子「……うぅ……まだ顔が熱い気がする……」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

百合子「ふぅ、だいぶサッパリしたかな、よしっ」ﾊﾟﾝｯ

杏奈「すぅ……すぅ……」

百合子「お待たせ杏奈ちゃん、って……また寝ちゃってるや……全くもう」ﾂﾝｯ

杏奈「むにゃ……」

百合子「ほら、もう朝だから起きなきゃダメでしょ」ﾕｻﾕｻ

杏奈「ん……もう、さんじゅ、ぷん……」

百合子「欲張るなぁ……ほら、お～き～て～！」ﾕｯｻﾕｯｻ

杏奈「うう～……」

百合子「起きた？」

杏奈「う……？　えへ～……」ｷﾞｭｰ

百合子「杏奈ちゃん！？　えっと……まだ寝ぼけてる？」

杏奈「えへへ……」ﾑｷﾞｭｰ

百合子「はぅ……」ﾌﾟｼｭｰ

杏奈「えへへ……すぅ……すぅ……」ｷﾞｭｯ

レッスンには二人そろって遅刻しましたとさ……

これにて終わりです

ありがとうございました