善子「ロールは嫌だ」 (12)

◇ユニットライブ後◇

梨子「お疲れ様、善子ちゃん」

善子「ヨハネよ。マリーは?」

梨子「お手洗いじゃないかしら」

善子「ふーん」

梨子「前のライブに比べてかなり盛り上がってたね」

善子「フッ、堕天使たるこの私にかかればリトルデーモンを虜にするなど造作もないこと……」

梨子「またわけわからないこと言ってる……」

梨子「そういえばロールケーキ持って来たんだけど食べる?」

善子「ロ、ロールケーキ!!?!?」

梨子「え?」

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善子「ロールは嫌だロールは嫌だロールは嫌だロールは嫌だロールは嫌だ」ガクガク

梨子(いきなり震えだした…)

梨子「ど、どうしたの?もしかして嫌いだった?」

善子「そういうわけじゃないのよ、ちょっと色々あって……ああぁ」

梨子(いつにも増して相当危ない人になってるんだけど……)

梨子「……何があったの?私でよければ話聞くけど」

善子「ほんとに?」

梨子「ええ」

善子「……あれは先週お寿司を食べに行ったときのことだったわ……」

◇一週間前◇

善子「ほわぁ~……!お寿司が回ってない!」

善子「ネタもすごく高そうなのばかり!」

善子母「もう、はしゃぎすぎよ」

善子「結構したんじゃないの?」

善子母「もう、善子ったら野暮ったいわねぇ」

善子母「たまには贅沢してもいいでしょ」

善子「ご、ごめん、つい」

善子母「食べ放題なんだし、好きなだけ食べなさいな」

善子「ほんと!?じゃあマグロとイカと……」

善子母「あ、注文は一種類につき2貫からですって」

善子「はーい」

しばらくして……


善子「寿司下駄に盛られてきた……!!」

善子「じゃ、じゃあまずはマグロから……」パクッ

善子母「どう?」

善子「すごく美味しい!!」

善子母「でしょ?やっぱり同僚の目は間違ってなかったわ」

善子「回転寿司と全然違うわ……!!」

善子母「興奮しすぎ」クスッ

善子「絶対元とってやる!」

善子母「もう、そんな急がなくても寿司は逃げないわよ」

―――

――



――

―――

善子母「そろそろ最後のオーダーになるかしらね」

善子「そうね」

善子母「私は今日のオススメでも行っとこうかしら」

善子「んーどうしよう、無難に中トロにしよ」

善子「あとは納豆巻きと……よし、これで注文を……ん?」

善子(カリフォルニアロール…….)

善子(なんかカッコいい!)

善子(これも頼んでおきましょ)


またしばらくして……


善子「おっ、来た来た……」

善子「ではいただ……」

善子「……何あのデカいの」

善子(これがカリフォルニアロール……?ぎっちりアボガド詰まってるんだけど)

善子(やば、食べきれるかしら……)

善子母「どうしたの善子?食べないの?」

善子「た、食べるわよ」

善子(まずは中トロから片付けるか……)パクッ

善子(うん、おいしい。安定の美味しさね)

善子(ここまでは余裕。じゃあ次は納豆巻きか……)

善子(何よこれ!これもぎっちり詰まってるじゃない!数も多いし!)

善子(でもこれもなんとか……!)パクッ

善子(……よし、納豆巻きも終了。完全に予想外だったわ……)

善子(……)

善子(…………)

善子母「大丈夫?食べられない?」

善子「いいや、いける」

善子母「あまり無理はしないほうが……」

善子「……せっかく作ったものだし、残せないし……」

善子母(めっちゃいい子……)

善子「お、おっしゃー!やってやるわよ!!」

食後……


善子「よ、よっし……」

善子母「よく食べきったわね……」

善子「もうお腹いっぱい……堕天……」

大将「おっ、嬢ちゃん!もう一貫食うか?」

善子「えっ、いや」

大将「遠慮すんなって!炙りサーモン食うか?食うよな?よし!」

善子「」

―――

――





――

―――

善子「ってことがあったのよ……」

梨子「だからあんな発作起こしたみたいに……」

善子「しばらくロールとかもういいわ……"巻く"とか聞きたくない」

梨子「重症だね、じゃあ最近シニヨンがないのも……」

善子「巻きたくないからよ」

梨子「ふーん」

善子「……」

梨子「……」

善子「……」

梨子「……フフッ」

善子「何笑ってんのよ!」

梨子「いやあ、だって…….ふふふっ」

善子「こっちはノイローゼ気味だってのに!」

梨子「ごめん、ごめんって」

梨子「そういえば、結局炙りサーモンはどうしたの?」

善子「ちゃんと食べたわよ。一貫とはいえかなりしんどかった」

梨子(良い子……)

鞠莉「ハァーイ!二人ともおつかれー!」

梨子「あ、鞠莉ちゃん」

鞠莉「ライブも終わったことだし、このあと打ち上げしない?奢るから」

梨子「本当に!?」

善子「すごいところに連れて行かれそうね」

梨子「今度は食べ過ぎないようにね」ボソッ

善子「わかってるわよ」ボソッ

鞠莉「?」

梨子「ちなみにどこに行くの?」

鞠莉「せっかくだし回らないお寿司に行きましょう!」

善子「えっ」

梨子(あっ……)

鞠莉「外国にいた時もよく食べてたのよね!カリフォルニアロール!」

鞠莉「まあ日本っぽくないって言ったらそうかもしれないけどあれはあれで……どうしたの善子?顔が死んでるけど」

善子「」

梨子「あはは……」


このあとめちゃくちゃカリフォルニアロールを食べた

終わり

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