横山奈緒「ど、どうしよう、家に帰られへん……!」P「えっ、また?」【ミリマスSS】 (67)


ミリマスSSです。
プロデューサーはP表記。


一応シリーズものだったりします。あんまり繋がりはないですが。

矢吹可奈「どうしよう、お家に帰れないです~!」P「・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404203513
北沢志保「どうしよう、家に帰れなくなった…」P「…またか」
北沢志保「どうしよう、家に帰れなくなった…」P「…またか」【ミリマスSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497366192/)




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521378694


18時くらい 〇〇駅


P「ええっ、運転見合わせ!?」

『現在、――線は現在運転を見合わせています。運転再開の目途は……』

奈緒「昼過ぎから大雨って話やったけど、まさかこない降るなんて……」

P「春の嵐ってやつなんだろうけど、こりゃすごいや」

奈緒「げっ。今天気見てたんですけど、これからドンドン降るらしいですよ」

P「マジかぁ……」

prrrr

P「ん、音無さんから電話だ。奈緒、ちょっと待ってて」

奈緒「はいっ」

奈緒(ん? そういや〇〇駅って確か……)


P「もしもし」ピッ

P「……はい。実は雨風が凄くて、今は電車が止まってるみたいで……」

奈緒「!」ティン!

奈緒「そぉい!」バッ

P「ん? 奈緒、っておい! まだ電話中!」

奈緒「んふふ……小鳥さん? はい、奈緒です!」

P(奈緒からスマホを取られてしまった)

奈緒「そうなんです。それで今、〇〇駅で……ここって、プロデューサーさん家の最寄りですよね?」

P(ん?)

奈緒「はい! せやから、プロデューサーさんところに泊めてもらお思ってます」

P「!?」


奈緒「そういうわけで、はい! それじゃ!」ピッ

P「ち、ちょっと、奈緒!?」

奈緒「ということでプロデューサーさん、今日はよろしくお願いします」ペコッ

P「あのなあ、そんな勝手に……」

奈緒「ダメ、ですか?」

奈緒「だって、この雨やで? いつ帰れるか分からんし、心細いやないですか。せやから……」ウルッ

P(確かに、そうだよな。いつも気丈に振る舞ってるけど、奈緒だって……)


P「仕方ない。最終手段だけど、分かったよ」

奈緒「ホンマですか!? よっしゃ、それじゃあプロデューサーさん、早う行きましょ!」ケロッ

P「あっ、ウソ泣きか!」

奈緒「えっへへー♪ なあなあプロデューサーさん、はよ行こー!」

P「まったく……」ハァ

P(正直、この土砂降り見たときに「これは泊めないといけないかな」って思ったのは事実だからなあ……)

P(しかし、俺の家の近くでアイドルとの仕事があると、どうして毎回天気が荒れるんだ……?)

P「そうだ奈緒、家に帰る前に色々必要なもの買いに行こう」

奈緒「はいっ!」

奈緒(まさかこんな形でプロデューサーさん家に泊まることになるなんてな♪)



ザアァァ…

P「しかし、すごい雨だな……」

奈緒「ホンマですね……」

P「何か食べたいものある? 近くの店に食べに行ってもいいぞ?」

奈緒「それはあかん。だって、可奈と志保はプロデューサーさんの手料理食べてるやろ?」

P「ああ、そうだけど……」

奈緒「だから、私だけ外食ってちょっと不公平やないですか」

P「そういうもんなのか?」

奈緒「そういうもんです!」


奈緒「……せや! プロデューサーさん、家にホットプレートってあります?」

P「ああ、持ってるぞ」

奈緒「それじゃあ、お好み焼きなんてどうやろ?」

P「お好み焼き? 確かに最近食べてないし、いいかもしれないな」

奈緒「よっしゃ、んじゃあ決まりですね!」

奈緒「それなら、豚バラにイカ、あとエビと……せやせや、キムチに餅もあったらええなあ……!」キラキラ

P「……奈緒、お前いくつ作るつもりだ?」アハハ

奈緒「あ、あはは、確かにそうやな……」


ガチャ

P「どうぞ、入って」

奈緒「はいっ。お邪魔します!」

P「タオルは……っと。奈緒、はい」

奈緒「ありがとうございます。……へえ、可奈も志保も言ってましたけど、プロデューサーさんの部屋キレイやな?」

P「そうか? あんまりモノをそのまま出しておくのが嫌いだから、そう見えるんじゃないかな」

奈緒「まあ、確かに味気なくて、おもろない部屋やなーとは思ったけど……」

P「んじゃあ、今から奈緒の家に帰るか?」

奈緒「わー! う、ウソですよー、もー! 今から放り出されたら、雷に打たれて死んでしまいます!」アワワ

P「冗談だよ。雷はともかく、風邪引かれたら困るしな」

奈緒「もう、勘弁してほしいわ……」

P(……プロデューサーとして良いのかどうか分からないけど、アイドルを泊めることに少し抵抗が無くなってきている気がする)


奈緒「お腹空いたなぁ……」グウゥ

P「先にご飯にする?」

奈緒「はいっ!」

P「じゃあ、早速作るか」

奈緒「プロデューサーさん、私も手伝います!」

P「ありがとう、助かるよ」

奈緒「実家でも手伝ってたからな! キャベツの千切りとか、メッチャ早いで!」フフン

P「おっ、それは意外だな。『焼くのだけは得意です!』って言ってくるのかと思った」

奈緒「……やっぱ手伝うのやめよかな~」

P「う、ウソウソ! お好み焼きの準備って意外と時間かかるから、手伝ってくれるとホント助かる!」

奈緒「へへん、さっきの仕返しや♪」


トントントン……

奈緒「なあなあ、プロデューサーさん。キャベツはこんだけ切ってたら十分やろか?」

P「うーん……そうだな、十分じゃないか?」

奈緒「分かりました!」

P「しかし、テキパキしてるなぁ。包丁も手慣れてるし、想像以上だよ」

奈緒「だから言ったやないですか~。私、意外と上手くできるって!」

P「悪い、悪い。奈緒は料理もちゃんとできる。プロデューサーは覚えた」


奈緒「でしょでしょ? プロデューサーさん、この横山奈緒、お嫁にいかがやろ?」

P「ははは、考えておくよ」

奈緒「むぅ……」プクー

奈緒(ん? 私、今結構恥ずかしいこと言ってるよーな……)

奈緒(しかも、二人で一緒に料理作るってシチュエーションも大概恥ずかしいし)

奈緒(よく考えたら、アニキ以外の男の人の部屋に入るのって、私初めてやん!)

奈緒(勢いでここまで来たから気付かんかったけど、私、めっちゃハズイことしてるわ……!///)ハワワワ

奈緒(……あかん、あかん! 平常心や!!)ブンブン


・・・・・・・・

P「ん、そろそろお好み焼き、ひっくり返してもいいんじゃないか?」

奈緒「せやな! よし、私がまずひっくり返します!」

奈緒「いー、よいしょっ!」クルッ

P「おおっ、流石!」

奈緒「へへー、上手いやろ? もう一つはプロデューサーさんやる?」

P「うん。でも久々だからなあ……」


奈緒(せや!)ティン!

P「よーし、行くぞ……それっ!」クルッ

カシャッ

P「うん、上手くいった!……ん?」

奈緒「へへん。プロデューサーさん、いただきました!」

P「何の音かと思ったら写真撮ったの?」

奈緒「妙に真剣な顔してるのがオモロかったしな。それに、写真を可奈にでも送ろ思って」

P「あんまりみんなに広めてほしくはないんだけどな……」


・・・・・・・・

P「最後に鰹節と青のりをかけて……」

奈緒「よしっ! 完成や!」

P「冷めないうちに食べよう。それじゃあ……」

P奈緒「「いただきます!!」」

奈緒「アムッ……ん! 美味いわ! めっちゃ美味い!」

P「熱っ……お、美味い!」

奈緒「へへ、作った人の腕がええからやろな?」

P「そうかも」アハハ


P「でも、生地に山芋入れたらフワフワになるんだな?」

奈緒「せやで。食感も軽くなって食べやすくなるし、粉っぽさもなくなるからな」

P「なるほどなあ。お好み焼きっていざ作ると難しいんだよな。水の配分とか出汁の配分とか」

奈緒「そうそう」

P「ただ、今回は中の具材が多すぎる気がするけど」

奈緒「テキトーにポンポンいれましたからねー、あはは……」

奈緒「まあ、豪勢なお好み焼きって思えばええことですよ!」

P「確かに、贅沢なお好み焼きだな。……キャベツも高かったし」


P「……」チラ

奈緒「んふふ、美味いわぁ♪」モギュモギュ

P「しかし、奈緒は美味しそうに食べるなあ」

奈緒「そう? でも、美味しいもんは美味しいからな、食べたら幸せな気分になれるっちゅうもんや」

P「それもそうだ、奈緒の言うとおりだな」アハハ

奈緒「せやろ?」

P(でも……)

奈緒「~♪」モギュモギュ

P(かわいい)


P「……ふぅ。食べた、食べた」

奈緒「美味しかったけど、食べすぎてお腹はち切れそうやわ……」ゴロン

P「そうやって食べてすぐに横になると太るぞ?」

奈緒「プロデューサーさんはデリカシーのかけらもないな」

P「よせやい、照れるや」

奈緒「誉めとらんわ」

P「いいじゃないか。俺なんて、たらふく食わされて太らされそうになってるんだぞ?」

奈緒「美奈子やからなあ、そら仕方ないで」

P「美奈子だからか」

奈緒「美奈子やからや。めっちゃ美味いけどな、美奈子の料理」

P「だからついつい食べ過ぎちゃうんだよなあ……」


P「よしっ。風呂沸かしてくるよ」スッ

奈緒「はーい」フリフリ

奈緒「……さっきのプロデューサーさんの写真、可奈にラインで送っとこ」メルメル

奈緒(んー……よし、送信っと)

奈緒「あ」

奈緒(あかん、765プロ全員のグループに送信してた……)


ヴーッヴヴヴヴーッ!!

奈緒「」

奈緒(みんな返信がめっちゃ早い!!)

ガチャ

P「奈緒、風呂入ったぞー」

奈緒「あっ、は、は~い……」ダラダラ

P「? 奈緒、どうした?」

奈緒「実はですね……かくかくしかじかで、私がプロデューサーさん家に泊まってるの、765プロのみんなにバレてしまって……」

P「」

奈緒「す、すいませーん……」

P「うん、大丈夫……。どっちにしろ、明日にはバレてたはずだし……多分」

P「でも、トークに色んなアイコンあるから、普通気が付かないか?」

奈緒「あはは、確かに……。ちょっと惰性でポチポチしてて、気が付かんかったです」


P「とりあえず、お風呂入ったから先にお入り」

奈緒「一番風呂、もらっていいんですか?」

P「ああ、いいぞ。あとジャージも風呂場に置いてるから」

奈緒「何から何まで、ありがとうございます」

P「いいってことよ」

奈緒「お礼といっては何やけど、ちょっとくらいなら覗きに来ても、ええで?」クネクネ

P「バカなこと言ってないで、早く入ってきなさい」

奈緒「はーい。……むぅ、もうちょいおもろい反応してもええやないですか……」ブツブツ

ガチャ パタン

P「ったく……」ハァ

P(べ、別に覗きたいとか思わなかったんだからね!)

Prrrr♪

P「ん、電話? 誰からだろ?」

『志保』

P「いやん」


カポーン

奈緒「あ”あ”~、気持ちいい……」

奈緒(風呂ぬくいわ……温度もちょうどええし)

奈緒(しっかし、プロデューサーさん、何か私に対する扱いが雑やなあ……)ブクブク

奈緒(家に泊めるのも、そんなに抵抗してへんかったし)

奈緒(「嫁にどうやろ?」って聞いたときもテキトーやったし。……私も冗談半分やったけど)

奈緒(けど……)

奈緒「プロデューサーさん、私のこと、あんま女として見てへんのかなあ……」ボソ

奈緒(……!?!?)

奈緒(あ、アカンアカン。私なんちゅうこと考えてんやろ……///)ブクブク


ガチャ

奈緒「プロデューサーさん、お風呂いただきましたー。……ん?」

P「……分かってるよ。志保たちも早く寝るんだぞ? うん、それじゃ。」ピッ

P「ん。奈緒、上がったのか」

奈緒「はいっ。……志保から電話やったんです?」

P「そうそう。可奈も泊めてるらしくてさ。いやあ、こってり絞られたよ」

奈緒「志保も昔泊まった身なのに、よく言うわ」

P「そのこと言ったら、もっと怒られたよ」アハハ

奈緒(多分、羨ましさ半分やな)


P「んじゃあ、俺も入ってくるよ。テレビ見たりして自由にくつろいでて」

奈緒「はーい」

P「そうだ。向こうの棚にマンガもあるから、それも読んでいいぞ」

奈緒「ホンマ? 読ませてもらいます!」

P「うん。それじゃあ」

ガチャ パタン

奈緒「……ゆっくりしとけ言われても、何かちょっとソワソワするなぁ」

奈緒「あ。まだ洗い物、済んどらんやん」

奈緒「泊めてもろてる身やし、これくらいはさせてもらおっと」

お腹がすいてくるな……

>>2
横山奈緒(17)Da/Pr
http://i.imgur.com/uyLqr0V.jpg
http://i.imgur.com/1nUijnJ.jpg


ジャアアァァ キュッ

奈緒「これでよし、と」

奈緒(洗い物多かったから、結構時間かかったわ)

奈緒「よしっ。せっかくやし、マンガ読もかな」

奈緒「へえ。プロデューサーさん、結構色々持ってんな」ガサゴソ

奈緒「しかもこの棚、奥にもマンガがあるやん。……またぎょーさんあるなあ」

奈緒(『シティーハ〇ター』! 家にもあったな、懐かしっ!)

奈緒(昔のやつから最近のやつまで……へえ、マンガ好きなんやなあ)

奈緒「おっ、『ゴールデ〇カムイ』の最新刊。まだ私買ってへんわ。これにしよっと」


奈緒「そういえば、クローゼットの中にもあるっちゅーてたな」

奈緒「……お、あったあった」

奈緒「『2〇世紀少年』に『ドラゴ〇ボール』……しかし、ぎょーさんあるで」

奈緒(こっちの箱の中は小説ばっかやな。あんま私が見ん感じのジャンルやけど)

奈緒(『悲しみよこんにちは』って名前は聞いたことあるけど、読んだことないわ)


ガチャ

P「ふぅ、さっぱりした」

奈緒「あ、プロデューサーさん。本棚漁らせてもらってるで」

P「ああ、いいぞ。結構品揃えいいだろ?」

奈緒「こんなんあるって思わんかったから、びっくりしたわ」

奈緒「ただ、探してる間にエッチな本の1冊や2冊くらい見つかった方がおもろかったんやけどな?」ニヒヒ

P「んなもんあるかい」

奈緒「ホンマに~?」ニヨニヨ

P「仮に持ってたとしても、そんな分かりやすい所に置きません」

奈緒「ちぇー、つまらんわぁ」ブーブー


P(……最近片付けておいて、良かった)


奈緒「せや、プロデューサーさん、『ゴールデ〇カムイ』の新刊、読ませてもらいますね?」

P「うん、いいぞ」

P「そうだ、暖かいお茶でも飲む?」

奈緒「はいっ、いただきます」

P「OK」

P「ん? 奈緒、食器洗ってくれたの?」

奈緒「泊めてもろてる身やし、少しくらい手伝いせなアカンと思ってな」エヘヘ

P「ありがとう、助かるよ」


P「はいっ」コトッ

奈緒「ありがとうございます」

P「それと……よっと」ゴトッ

奈緒「パソコン? まだお仕事するん?」

P「うん、ちょっと進めておこうかなって。ここ座るぞ」

奈緒「邪魔やったら、どきますよ?」

P「ううん、大丈夫。別に見られて悪いものじゃないし」カタカタ


奈緒「しかし大変やなあ。家に帰ってまで仕事やなんて」

P「まあな。でも全然苦じゃないし、むしろ楽しいくらいだぞ?」

奈緒「こうやってプロデューサーさんたちが頑張ってくれるおかげで、私たちが楽しくアイドル活動できるんやな?」

P「そう言われると、働き甲斐があるよ」

奈緒「えへへ……♪」

P「……」カタカタ

奈緒「……」ジー

P「……」フム…

奈緒(……こうやって、マジメに仕事してる姿見ると、やっぱかっこええなあ」

P「へっ?」

奈緒「えっ」


奈緒「こ、声、出てた?」

P「途中からだけど、『マジメに仕事してる姿見ると、やっぱかっこええなあ』って」

奈緒「それほぼ全部やん!」

P「そういうのはもっと言ってくれてもいいんだけどなあ。ちょっと恥ずかしいけど」ポリポリ

奈緒「流石に素で思ったこと言うんは恥ずかしいわ……」///

P「よーし、かっこいいプロデューサーさんは、もうちょっと頑張っちゃおっかなー♪」

奈緒「……そぉい!」ツンッ

P「ひゃああんっ」ビクン

奈緒「あはははは! 何やその変な声!」

P「急に脇腹突かれたら誰でも情けない声出るわ!」


P「……よし、これくらい進めておけばいいかな」パタン

『現在の雨は、明日未明には止み、日中は晴れると予想されます。また、……』

奈緒「おっ! 明日、晴れるらしいで?」

P「それはよかった。でも、もう少し降るみたいだな」

P「外はどうなってるだろ」シャッ

P「……うおっ、こりゃすごいや」

奈緒「まだ降ってます?」

P「かなり。これ、本当に止むのかなあ」

奈緒「私も昼からテレビ番組出なアカンし、電車は動いてほしいわ」


P「よし、そろそろ寝るか」

奈緒「ええー? プロデューサーさん、もうちょいお話ししましょうよ?」

P「もう十分遅いんだし。それに、夜更かしは美容の敵だぞ?」

奈緒「むう……」

奈緒「せや。どないして寝るん?」

P「奈緒が向こうの部屋のベッド使っていいよ。俺はこっちのソファで寝るから」

奈緒「何なら一緒に寝たらええんやない?」

P「それはダメ」


奈緒「何でです? 可奈に志保は一緒に寝たらしいやないですか!」

P「流石に17歳の子と寝るのは、色々と……」

奈緒「17やろうと14やろうと、他所様の娘と一緒に寝てる時点でもうアウトやで?」

P「」

奈緒「いくら春になったとはいえ夜は冷え込むんやし、そんなソファに一人で寝たら確実にカゼ引くで?」

奈緒「……な?」

P「……はい」

奈緒「よっしゃ♪」


P「よし、電気切るぞー」

カチッ

奈緒「やっぱ、2人で寝るとちょっと狭いな。ベッドから落ちそうになるわ」

P「やっぱ俺、ソファで寝ようか?」

奈緒「それはアカン」

P「アカンって……もう少し自分の身を大切にしてほしいんだけど」

奈緒「いやん、プロデューサーさんに襲われるー♪」キャー

P「しない、しません。そんなことしたら社会的に殺される」

奈緒「でもプロデューサーさんやからって信頼せんと、私もこんなこと絶対しませんよ?」

P「……褒められてるのかな?」

奈緒「それに、プロデューサーさんヘタレやしなぁ」

P「おい」

奈緒「へへっ♪ でも信頼してるのは、ホンマのホンマやで?」

P「……ありがと」


P「それじゃあ奈緒、おやすみ」

奈緒「なあ、プロデューサーさん」

P「どうした?」

奈緒「もうちょっと、お話ししません?」

P「だから、明日も早いんだから」

奈緒「……ダメ?」

P「……ちょっとだけなら」

奈緒「ありがとな、プロデューサーさん」ニコ


奈緒「プロデューサーさん。改めて、今日は本当にありがとうございます」

P「うん?」

奈緒「こうやって泊めさせてもろて、ご飯も一緒食べたりちょっと騒いだりして……今日めっちゃ楽しかったわ」

奈緒「何か、久々に大阪の実家に帰った気分になれたし」

P「それは、良かったのかな?」

奈緒「そらモチロン。アニキと一緒に騒いだみたいやったで?」

P「……そっか」


P「やっぱり、東京に一人で暮らすのは寂しい?」

奈緒「……765プロのみんながおるから、毎日ホンマに楽しいで?」

奈緒「でも、寂しくない言うたら、それはウソになります」

P「……そっか」

奈緒「普段はそんなに気にならんのやけど、ある日急に寂しくなったりとかな」

P「ああ、すごく分かる。シーンってなった部屋に一人で寝るときとか」

奈緒「それな! あれ、何なんやろな?」


奈緒「なあプロデューサーさん。たまには、こうやって泊まり来てもええ?」

P「ああ良いぞ、って言うと思ってるのか?」

奈緒「そらそうやな」アハハ

P「……代わりに、俺のことを東京の兄貴と思っていいぞ」

奈緒「えっ?」

P「だからその……寂しくなったら、甘えてきていいからさ」

奈緒「ホンマに?」

P「うん」

奈緒「わたし、これでも結構甘えてる方やと思いますけど?」

P「無問題だ」

奈緒「……そっか。ありがとな、プロデューサーさん」ニコ


奈緒「しっかし、プロデューサーさんがアニキなあ。……でもアニキやと、ホントのアニキとごっちゃになるな……」

奈緒「……『お兄ちゃん』?」

P「……」

奈緒「……あ、ちょっとキュンと来たん? なあなあ、お兄ちゃん、そうなんやろ?」

P「くそう。結構グッと来たから、何も言い返せない……!」

奈緒「せやろ?」フフン


奈緒「なあお兄ちゃん、頭撫でてー♪」

P「……はいはい。手のかかる妹なこと」ナデナデ

奈緒「えへへ……♪」

P「あっ。髪、下ろしてるのか」

奈緒「いまさら気が付いたん? ふふ、珍しいやろ?」

P「かなり新鮮だな。でも、その髪型も結構アリだと思うぞ?」

奈緒「ホンマに?」

P「ああ。カワイイ、っていうよりもキレイって感じかな。美人さんだ」

奈緒「ふふ、そうかそうか……にゅふふふ♪」テレテレ

P(あ、ちょっと本当に照れてる。かわいい)


奈緒「えへへ、何かええなあ。プロデューサーさんがお兄ちゃんっていうのも」

奈緒「でもなあ……アニキじゃあ、アニキにしかなれんもんな?」

P「それってどういう……」

奈緒「だって、えっと……兄妹じゃあ結婚できない、みたいな?」

P「ああ、そういう……それはダメ」

奈緒「何で、いいやないですか。こんなベッピンでピチピチなアイドルに好かれてるんやで?」

P「いやいや、アイドルだからだろ」

奈緒「私の地元に拠点置いてるアイドルグループの娘も、一人突然結婚宣言したけど、何となく受け入れられてるやん」

P「他所の大手の危ないネタをつつくのはやめなさい。でもその娘は、結局アイドル辞めることになっただろ?」

奈緒「う。ま、まあ、そうやけど」


P「アイドルは楽しい?」

奈緒「そらもちろんや! 毎日、こんな楽しくてええんかなって思うくらい」

P「なら、俺の役目は、奈緒が今を全力で楽しくアイドルをすることができるように全力でサポートすることだよ」

P「それがプロデューサーとしての、俺の義務なんだから……な?」

奈緒「義務なあ……」

P「そ。だから俺たちはアイドルとプロデューサー」

奈緒「はぁ……ホンマにマジメやなあ、プロデューサーさんは。マジメ通り越して堅物やわ」アハハ

P「うるせーやい。堅いくらいでいいんだよ、こういうのは」


奈緒「……でもさ」

P「ん?」

奈緒「それ、私の今を大事にしてくれてるからこそ、なんやろ? 私、プロデューサーさんのそういうとこ、ホンマに好きやで?」

グイッ 

チュッ

P「なっ! お、おいっ!?」

奈緒「ほな私も寝るな! おやすみ!」ガサゴソ



P「……」

奈緒「……」

奈緒(あないなことしたばっかりに、全然寝られん!)

奈緒(ヤバい、顔めっちゃ熱い……心臓もバクバク言うてる)

奈緒(しばらくプロデューサーさんの方は向けんわ)

奈緒(でもアレは大胆やったかな……私もようやったで)

奈緒(プロデューサーさんもパニックやろうな……)

奈緒(でも今、私ちょっぴり幸せや……にゅふふ♪)

_________
______
___


___
______
_________

チュンチュン!

P「……ん、朝か。」パチッ

P(寝てたのか……あんなことされたから、しばらく寝付けなかったけど……)

P「……晴れてるな、良かった」

P「あれっ?」

P(奈緒がいない)

P「……もう起きてるのかな?」

P(何だかダシの良い香りがするような)スンスン


ガチャ

奈緒「あっ。おはようございます、プロデューサーさん♪」

P「おはよう、奈緒。もう起きてたのか」

奈緒「はいっ。そうそう、朝食作ったで?」

P「へっ?」

奈緒「せやから、朝ごはん、作っときました!」

P「本当に? それで良い匂いがしてたのか。朝飯はいつも簡単にしか食べてないから、ちょっと嬉しいかも」


奈緒「えへへ、せやろ? プロデューサーさん、嫁にいかがやろか?」フフン

P「そういうこと言わなかったら、結構ポイント高かったのになあ」

奈緒「だああ! またそんなこと言う!」

P「ははは。よし、折角だし冷めないうちにいただくよ。奈緒、ありがとう」

奈緒「むぅ……はぁい」

P(……正直、かなりグッと来た)

P(だって、可愛い娘がエプロン着けて台所にいるんだもん。そんな後ろ姿見たら、しかたないよね)

奈緒(昨晩のことであんま寝付けんで早く起きてしもて、それなら思って朝食作ったいうんは、内緒や)

_________
______
___


朝 765プロ事務所


ガチャ

奈緒「おはようございますー!」

P「おはようございま「よーし、捕まえたよー!!」ガシッ

P「」

美奈子「ありがとうのり子ちゃん♪ そ、し、て♪ おはようございます、プロデューサーさん♪」ニコニコ

P「あ、うん、おはよう」ダラダラ

亜利沙「」カシャカシャ

春香「あの~、亜里沙ちゃん? さすがにそこまで写真撮る必要ないんじゃないかな?」

亜里沙「何を言ってるんですか、春香さん! プロデューサーさんのお家にお泊りだなんて、我が事務所のスキャンダルですよ!スキャンダル!」

春香「それ私の口調!!」

春香(でも、プロデューサーさん家にお泊りとか、ちょっとうらやましい……いいなぁ)


桃子「ジトー」

P「な、何だか桃子からすごい冷たい視線で見られてるけど……」

美奈子「それで、昨日はどんな夜をお過ごしになりましたかー?」

亜里沙「お好み焼きを一緒に作って食べたという情報がありますが、本当ですか!?」

奈緒「何かどこぞの芸能リポーターみたいやな!?」

のり子「ほらほら、早く口を割った方が楽になれるぞー?」ウリウリ

桃子「ジトー」


春香「あ、あのー……」

P「春香、どうした?」

春香「プロデューサーさんと奈緒ちゃん、一緒の布団で寝たんですか……?」

P「……はい」

桃子「ジトー」

美奈子「一緒のお布団の中で、一体何を……!?」

奈緒「頭撫でられました!」

のり子春香亜里沙美奈子「「!!」」ガタッ

桃子「ジー」


春香「ほ、他には!?」

奈緒「そんな大層なことしてないで? お喋りして、頭撫でてもろて、それで……」

のり子「それで?」

奈緒「それで……」

奈緒「……はぅ///」ボフン

のり子「!?」

亜里沙「そ、それで何があったんですか、奈緒さん!?」

桃子「ジー」


美奈子「一体何があったんですか!」

春香「もしかして、プロデューサーさんが奈緒ちゃんに手を……!」

P「出すか! 昨日はむしろ奈緒が……じゃなくて!」

のり子「奈緒、何やったの?」

奈緒「……げるで」

亜里沙「え?」

奈緒「逃げるで、お兄ちゃん!」ガシッ

春香美奈子亜里沙のり子「「!!??」」

桃子「!?」ガタッ


P「おい、奈緒!? そんなこと言うと話が尚更こじれるから!」

奈緒「いいから、とっとと逃げるでお兄ちゃん!」グイグイ

美奈子「き、兄妹プレイですか!?」

P「そんなんじゃない! 第一、プレイとか言わないの!」

春香「プロデューサーさんがお兄ちゃん……ちょっとアリかも」ブツブツ

のり子「春香は何言ってんの!?」


桃子「……」プルプル

P「あ、あのー、桃子さん? どうしたの?」

桃子「……ぃちゃんの」

桃子「お兄ちゃんの、ヘンタイ!!」

P「」キーン

ヘンターイ

ンターイ

ターイ……

……


その後、プロデューサーは年下好きとか妹属性だとかいう噂が立ち、一部のアイドルは喜び、また一部のお姉さん方は相当のショックを受けたり、「お兄ちゃん」とプロデューサーを呼ぶアイドルが増えたり、桃子がしばらく拗ねてたり、はたまた、その後何かにつけて家に帰れない口実を作り、プロデューサーの家に泊まろうと図ったアイドルが再び続出したのはまた別の話。



おわり


奈緒のお兄ちゃんになりたいだけの人生でもありました。


いよいよ明日ですね。最後までゆっくり愛でたいと思います。

次は美奈子かな?
超楽しみに待ってる

関西弁がちょっと変だったらごめんなさい。

>>24
画像先輩、毎度ありがとうございます。

>>59
次にこのシリーズを書くときは、美奈子か百合子かなーと思っています。

拗ねる先輩カワイイ
乙です

>>49
天海春香(17) Vo/Pr
http://i.imgur.com/1lFL5DO.jpg
http://i.imgur.com/GSHAqas.jpg

松田亜利沙(16) Vo/Pr
http://i.imgur.com/PPLSgvH.jpg
http://i.imgur.com/TFwyOL3.jpg

佐竹美奈子(18) Da/Pr
http://i.imgur.com/sQWkK17.jpg
http://i.imgur.com/7L2eJqW.jpg

>>50
福田のり子(18) Da/Pr
http://i.imgur.com/1Rd698S.jpg
http://i.imgur.com/4eLPQ4t.jpg

周防桃子(11) Vi/Fa
http://i.imgur.com/YTZhEpC.jpg
http://i.imgur.com/AwdrPnH.jpg

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom