奈緒&加蓮「はいどーもー」 (11)
奈緒「えー、人生において興奮する瞬間ってあるけど」
加蓮「うん」
奈緒「一番興奮するのはゲーセンに行ったときだな!」
加蓮「間違いないね」
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奈緒「あれ?昨夜まで何もなかったのに急にゲーセンできてる。興奮してきたなぁ!入ってみるか」 ウィン
加蓮「いらっしゃいませー」
奈緒「いやぁ、ここにもゲーセンできたんですね」
加蓮「そうなんです」
奈緒「へぇ~、ナムコ直営なんだ?」
加蓮「いえ、違います」
奈緒「いや、namcoって書いてあんじゃん」
加蓮「あぁ、あれnamecoって書いてあるんですよ」
奈緒「nameco!?あ、ホントだ”e”入ってんだ」
加蓮「えぇ」
奈緒「随分似てるなぁ。直したほうがいいよ、これ。本家に怒られるよこれ」
加蓮「本日はどういったゲームをご希望ですか?」
奈緒「しばらくゲーセンなんて来てないからなぁ~。なんかおすすめないの?」
加蓮「鬼嫁!?」
奈緒「言ってないよ。なんで怖い母ちゃんなんだよ、違う違う!おすすめ!」
加蓮「あ~、でしたらこちらのパンチングマシーンなんかどうです?」
奈緒「おぉ~、いいねぇ。ストレス解消になるねぇ」
加蓮「こちら機械に100円入れていただいて、プレイする形になってます」
奈緒「100円ね?」チャリンッ
チャリチャリッ
奈緒「ん?なんか音したよ、これ」
加蓮「あ、こちら30円のお返しです」
奈緒「いやおかしいだろ!それじゃ70円じゃんか。どういう計算なんだよ」
加蓮「お釣りです」
奈緒「なかなかゲーセンでお釣りってないけどね?まぁまぁ、いいや。安いから」
加蓮「じゃあ、始まりますんで。こちらのグローブ付けていただいて」
奈緒「はいはい、よーし記録出してやろっかなぁ!」
加蓮「あっ、お客さん!」
奈緒「な、なに?なになに急に」
加蓮「すみません、グローブじゃなくてそれタコでした」
奈緒「タコだったのかよ!きったないな!あたしはめちゃったじゃんかよ!」
加蓮「すみませ~ん」
奈緒「なんでゲーセンにナマモノおいてあるんだよ、ヌルンヌルンじゃんか手がよぉ」
加蓮「お昼にたこ焼き食べようと思って」
奈緒「知らないよ。食べるためなら尚更こんなとこに置いておくんじゃないよ」
加蓮「あとでサービスで出しますんで」
奈緒「いらないよ!ゲームの横においてあったタコなんて食いたくないわ!いいからさっさとグローブ渡してくれよ!」
加蓮「あ、グローブこちらで」
奈緒「はいはい、じゃあこれでいいのね?よっし、じゃあ今のイライラも含めてぶちかましてやるぜ!」
加蓮「あー!すみません!」
奈緒「なに、今度は。せっかくやる気出してたのに。なんかまたあんの?」
加蓮「電源入ってませんでした」
奈緒「バカじゃねぇの?なんで入ってないんだよ、営業中だろぉ?」
加蓮「はい、今入れましたんでこれで大丈夫です」
奈緒「ったくさぁ~、おかしいだろぉなんもかんも。まぁ、いいや今度こそぶちかますからなぁ!」
バコンッ!
奈緒「おぉ~、気持ちいいねぇ!これいいねぇ、たまにやると!」
加蓮「お客さん!」
奈緒「え、なになに?今度は何?」
加蓮「そんなに!乱暴に扱ったら!機械が!壊れちゃうじゃないですか!」
奈緒「いやパンチングマシーンだろうが!殴るゲームなんだよ、これ!店員が店のゲーム機否定すんなよ!」
加蓮「カツカツ経営で筐体これ含めて3つしかないから壊されたら困るんですよ」
奈緒「なんでオープンしたんだよ。3台じゃマトモに経営できないだろ!何そんなに焦ってゲーセン開いてんだよ。最初にパンチングマシーンおすすめしたのお前だろうよ」
加蓮「くれぐれも丁寧にお願いします」
奈緒「丁寧にって……。わかった、じゃあパンチングマシーンやめるわ。なんか、他のゲーム何があんの?」
加蓮「ではUFOキャッチャーなんかは」
奈緒「あぁ、いいねぇ!それやろう、それ」
加蓮「ではこちらになります」
奈緒「おぉ~、これ中の景品は何が入ってんの?」
加蓮「え?」
奈緒「いや、景品は何が入ってんのかって聞いてんの」
加蓮「門前?」
奈緒「なんで麻雀なんだよ。麻雀の話一切してないだろ!なんだったらあたしは鳴くぞ。ポンしまくりだよ」
加蓮「お客さん」
奈緒「なんだよ」
加蓮「鳴いたら門前じゃないですよ」
奈緒「わかっとるわ!だから麻雀の話してるんじゃないんだって。景品!」
加蓮「ちょっと何言ってるかわからない」
奈緒「なんでわかんないんだよ。景品のこと聞いてんだろ!じゃあ、いいよ。とりあえずやるよ」
加蓮「3PLAY100円です」
奈緒「100円な?」 チャリンッ
チャリッ
奈緒「おいおいおいおい!おい!また音したよ?」
加蓮「あ、5円のお返しです」
奈緒「だからなんでだよ!なんで毎回ちょっと多く取ってんだよ。おかしいだろ、これ一回95円ってこと?」
加蓮「はい」
奈緒「せめてワンコインにしろよ。細かいの増えてしょうがないわ、ちゃんと1回100円にしろよめんどくさいなぁ」
加蓮「では、頑張ってください!」
奈緒「まぁ、やるけどさぁ」 ウィーン
ガシッ
奈緒「おし、つかんだ!」
加蓮「ぬぬぬぬぅっ~!」ガタガタガタガタッ
ポトッ
奈緒「なにしてんだよ!」
加蓮「いや~惜しかったですねぇ~!」
奈緒「惜しかったですねじゃないって!なんで横から揺らすんだよ!あんなことされたら惜しくもなんともないって!必然だよ、必然」
加蓮「あ、振動無しをご希望で」
奈緒「当たり前だろ!むしろ振動有り選ぶ奴いんのかよ!いるなら見てみたいわ」
加蓮「結構人気なんですけどねぇ」
奈緒「本当?そのシステムが?」
加蓮「はい、落ちるか落ちないかの瀬戸際でやって結局落ちちゃうのが快感だって」
奈緒「変態じゃんか!ただのドMだよそれ。そういうやつよりも揺れないほうがいいってやつのがいっぱいいるよ世間には」
加蓮「そうですかねぇ~?」
奈緒「次、絶対邪魔するなよ!?」ウィーン
奈緒「もうちょい右…、もうちょい後ろかな…」ウィーン
加蓮「てぇ~おぉ~あわせてみつめるだけぇ~でぇ~♪」
ポトッ
奈緒「うるさいよ!なになに?なにしてんだよ!なぁ!」
加蓮「いや~UFOキャッチャーなんで、UFO歌ったほうがいいかなって」
奈緒「いらないよ!なんでUFOキャッチャーのプレイ中はUFO歌うんだよ!ただ邪魔なだけだよ!」
加蓮「う~ん、ペッパー警部のほうが良かったかなぁ」
奈緒「そこじゃないわ!選曲関係ないんだよ、集中してるときに歌われたら困るって言ってんの!それになんだよペッパー警部って。もうUFOのカケラすらなくなってるじゃんか。ピンクレディーしかつながってないよ」
加蓮「よかったら、もう一回どうですか?」
奈緒「今度こそ邪魔すんなよ?」 ウィーン
ガシッ
奈緒「よぉ~し、そのままっ!」ウィーン
ポトッ
奈緒「やった!取れた取れた!」
加蓮「おめでとうございます!」
奈緒「で、この景品はなんなの?」
加蓮「景品の、タコでございます!」
奈緒「いやタコはもういいよ!」
奈緒&加蓮「どうも、ありがとうございました~」
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