花陽「穂乃果ちゃんが人たらし?」 (24)
花陽「えっと…どういう事かな?」
希「ん?そのまんまの意味やけど?」
花陽「人たらしって…」
希「人たらしって言うのはな」
花陽「人たらしの意味は分かってるよ?分かってるけど」
希「じゃあ、ウチの言ってる事が分かるやろ?穂乃果ちゃんって人たらし的な所があるやん?なあ?」
凛「う~ん」
希「凛ちゃんが人たらしの意味を理解してるかは怪しいからなぁ。それにどちらかと言うと凛ちゃんも穂乃果ちゃんラインやし」
花陽「まあ、分からなくはないかも」
希「やろ?現にウチだって穂乃果ちゃんにたらし込まれそうになる事多々あるしな。あれって凄い才能やと思うんよ」
花陽「た、確かに…」
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穂乃果「らんららっら~ん」
希「と言う事で」
凛「穂乃果ちゃんを尾行するんだね!」
花陽「二人とも尾行好きだよね」
穂乃果「あっ!お~い!」
凛「誰か見つけた見たいだね?」
希「これはさっそく穂乃果ちゃんの才能を拝める出来るチャンスや」
穂乃果「絵里ちゃ~ん」
絵里「あら?穂乃果じゃない。相変わらず元気ね」
穂乃果「えへへ~」
絵里「これから部室?」
穂乃果「うん。絵里ちゃんも?」
絵里「そうよ。一緒に行く?」
穂乃果「うん。あれ?」
絵里「どうしたの?」
穂乃果「絵里ちゃんのシュシュ新しいやつ?」
絵里「え?そうよ?よく気づいたわね」
穂乃果「やっぱり!だって初めて見たもん」
絵里「こないだお店で見つけて可愛いなって」
穂乃果「そうなんだぁ。絵里ちゃん似合ってるよ」
絵里「そう?」
穂乃果「うん。すっごい可愛い」
絵里「それじゃあ…」
シュル
穂乃果「え?取っちゃうの?」
絵里「このシュシュは穂乃果にあげる」
穂乃果「え?なんで?」
絵里「だって、可愛いって言ったじゃない」
穂乃果「それは絵里ちゃんが似合ってるからで…」
絵里「穂乃果にもきっと似合うわ」
穂乃果「でも、悪いよ。だって買ったばかりなんでしょ?」
絵里「そんな事は気にしなくていいのよ。実はね、気に入ったからまとめ買いしてあるの。だから一つくらい気にしないで」
穂乃果「え~でも」
絵里「それにほら?穂乃果とお揃いだと私に取っての価値も上がるし」
穂乃果「そうなの?」
絵里「うん。だから、ね?貰って?」
穂乃果「うん。じゃあ…ありがとう!絵里ちゃん大好き!」
絵里「もう、現金なんだから」
希「見た?」
花陽「うん」
希「凄いやろ?あれはもう才能やろ?」
花陽「そ、そうだね。確かに…」
希「まあ、相手がたらし込めやすいえりちだってのもあるけどな」
凛「え~そんなに凄いのかなぁ」
希「いやぁ、凄いと思う」
部室
穂乃果「おっはようございま~す」
にこ「今はこんにちはだけどね」
穂乃果「えへへ~。穂乃果も一応アイドルだから業界っぽく挨拶してみたの」
にこ「あんたから業界の人間っぽさを微塵も感じないんだけど。って言うかスクールアイドルだし」
穂乃果「まあね」
にこ「で?穂乃果だけなの?」
穂乃果「絵里ちゃんと来てたんだけど忘れ物したから先に行っててって言われたの」
にこ「へ~そうなの」
穂乃果「うん。一緒に行くって言ったんだけどなぁ。う~ん、それにしても今日はいい天気だねぇ。こんだけいい天気だと…眠くなっちゃうよ」
にこ「あんたはいつでもそうじゃない」
穂乃果「ん~…そうなんだよねぇ。今日は十分お昼寝出来たんだけどなぁ」
にこ「お昼寝って学校でするものなの?」
穂乃果「にこちゃんしないの?」
にこ「しない」
穂乃果「おおっ!?意外」
にこ「なんでよ!あんたと一緒にするんじゃないわよ」
穂乃果「え~酷い」
にこ「本当の事じゃない」
穂乃果「でもね、昨日は夜更かしもしちゃったからさぁ」
にこ「夜更かし?テレビでも見てたの?」
穂乃果「うん。そうなの。ほら?にこちゃんが前に話してたアイドルの特集をやっててね。あっ、にこちゃんが言ってたやつだって思って見てたの」
にこ「え?穂乃果も見てたの?」
穂乃果「うん。最初は何気なく見てたんだけどね。見てるうちにどんどん夢中になっちゃって。気づいたらネットで曲とか調べてたよ」
にこ「なによ。あんた分かってるじゃない」
穂乃果「いやぁ、にこちゃんが教えてくれなかったらきっとスルーしちゃってたよ。本当いい曲多いよね?」
にこ「そうそう。そうなのよ」
穂乃果「あの…ほら?テレビの最初の方で紹介してた曲!あれが凄いお気に入りでね」
にこ「あ~あれね!分かるわ。実は昨日テレビ流れてたのはライブバージョンで本来のとは少し歌詞が違うのよ」
穂乃果「え?そうなの?」
にこ「そうなのよ。しかも、バラードバージョンもあってねそれはそれで凄くいいのよ」
穂乃果「え~聞いてみたいなぁ」
にこ「ちょっと待ってなさい。今、聞かせてあげるから。いやぁ~まさか穂乃果とあのグループについて語り合うとは思わなかったわ」
穂乃果「え?そう?」
にこ「だって、あんたってアイドル研究部の癖に全然アイドルに詳しくないんだもん」
穂乃果「そんな事ないよぉ。穂乃果だってちゃんと研究してるんだから!」
にこ「分かってるわよ。ほら、イヤホン」
穂乃果「わ~ありがとう。どれどれ?」
にこ「ね?こっちのもいいでしょ?」
穂乃果「うん。凄くいい!そっかぁ。同じ曲でも違う曲調にしたりライブバージョンにしたり色々工夫出来るんだね」
にこ「そう言う事」
穂乃果「そっかぁ。勉強になるなぁ。なんか、このアイドルについてもっと知りたくなって来ちゃったよ。これも教えてくれたにこちゃんのお陰だなぁ」
にこ「え?ま、まあね。感謝しなさい」
穂乃果「うん。ありがとう」
にこ「あんたは本当…なんて言うか…そう言うところ素直で本当可愛いわね」
穂乃果「先輩禁止だよ!」
にこ「そうじゃなくて。人としてって言ってるのよ。全く馬鹿なんだから」
穂乃果「馬鹿じゃないよ」
にこ「はいはい。そうね。分かったわよ。所で穂乃果は来週の日曜日は空いてるの?」
穂乃果「空いてるけど?」
にこ「じゃあ、あんたも行く?さっきの話のアイドルライブがあるのよ。花陽と行く予定だったんだけどまだチケットが余ってるから」
穂乃果「行きたい!」
にこ「そう。じゃあ、連れて行ってあげるわ」
穂乃果「イェーイ!やった!にこちゃんありがとう。楽しみにしてるね!あ~今日から予習しとかなくちゃ」
にこ「だったら今日家に来なさいよ。ライブのDVDもあるから」
穂乃果「本当!行く行く」
にこ「ふふっ」
希「な?あのにこっちが思わず可愛いって言うくらいやからね」
花陽「確かに…凄い…」
凛「しかも、家にまで招待してたよね?にこちゃんってなかなか家に招待してくれないのに。しかも、凛はライブに誘われてないにゃ~」
花陽「だ、大丈夫だよ。あのチケットって確か一枚で二人までだって。チケットは二枚あるから。あっ!でも…」
希「ああ、ウチの事は気にしなくていいよ?日曜日はえりちとお買い物やから」
花陽「そ、そうなんだ」
希「うん。その代わり土産話期待してるな?」
花陽「うん」
凛「あっ!でも、凛来週の日曜日はお家の用事があるからダメにゃ」
花陽「え?そうなの?」
凛「うん」
希「穂乃果ちゃんの事をウチなりに分析したんやけどな」
凛「うん」
希「穂乃果ちゃんって面と向かって平気で大好きとか言えちゃうんよね。そんな事言われたら相手は悪い気はしないよね?」
凛「凛も言えるよ?」
希「だから凛ちゃんも穂乃果ちゃんと同じラインなんよ」
凛「ふ~ん」
希「それにまあ他人を否定しないしな」
凛「確かに。穂乃果ちゃんが人の事を悪く言ってるの聞いた事ないにゃ」
花陽「本当だね」
希「甘え上手やしなぁ。そしてなによりあの笑顔。何かあっても穂乃果ちゃんの笑顔を見たらまあいいっかって思えるもんなぁ」
凛「なんかだんだん穂乃果ちゃんって凄い様な気がして来たにゃ」
希「おっ!穂乃果ちゃんが部室から出て来た」
凛「あっ!海未ちゃんも来たにゃ」
希「おおっ!また穂乃果ちゃんの人たらし術が拝めるかな」
凛「でも、海未ちゃんって穂乃果ちゃんに厳しいし…」
希「何言うてんの?海未ちゃんなんてその最たるやん。長い年月をかけてたらし込まれて来てるやん。なあ?」
花陽「え?ど、どうかな…」
希「多分ことりちゃん以上やと思うよ」
凛「ええ?ことりちゃん以上?それは確かに凄いにゃ」
希「そうやろ?」
凛「うん」
穂乃果「あっ!海未ちゃ~ん。お~い」
海未「大きな声でなんですか?」
穂乃果「え?海未ちゃんがいたから。穂乃果は海未ちゃんを見つけたら大きな声で呼ばずにはいられないんだよ」
海未「ふふっ。穂乃果は相変わらずおかしな事をいいますね」
穂乃果「え?そんに変事言った?」
海未「はい。全く、恥ずかしいです」
穂乃果「え~」
希「あれを見てどう思った?」
凛「海未ちゃんが恥ずかしがってる」
希「あれはな。口では恥ずかしいって言ってるけど実際はやぶさかではないはずや」
凛「そうなの?」
希「そりゃそうやん。凛ちゃんだってああ言われたら嬉しいやろ?あっ!自分の事を好きで居てくれてるんやって思うやん」
凛「確かに」
希「あんな事言われて嫌な気持ちになる方が珍しいわ。ね?」
花陽「うん。そうだね」
凛「そっか~」
希「真姫ちゃんだって凛ちゃんに抱きつかれて口では嫌がってても嬉しそうやろ?」
凛「うん。そうかも」
穂乃果「あっ!そうだ!」
海未「どうしたのですか?」
穂乃果「海未ちゃんにプレゼントがあるの」
海未「プレゼントですか?」
穂乃果「うん。じゃーーーん。これ!穂むら。の新作のお饅頭…の試作」
海未「なるほど。私の反応を見て試そうと?」
穂乃果「うん…まあね。だって、新作を作る時は先ずは海未ちゃんにって決まってるんだもん。海未ちゃんだけなんだよ?試作品を毎回食べれるのは」
海未「全く。仕方ありませんね。それでは、頂きますか」
穂乃果「へへ~本当は嬉しい癖にぃ。海未ちゃんお饅頭好きだもんね。ねえ?どう?」
海未「はい。美味しいです」
穂乃果「本当?じゃあ、お父さんにもそう伝えちゃうよ?」
海未「はい」
穂乃果「そっか。美味しいか。うん。じゃあ、これは発売決定だね」
海未「良いのですか?今のはあくまで私個人の」
穂乃果「いいの、いいの。海未ちゃんの味覚は信用出来るってお父さんも言ってるんだから。穂むらの新作販売決定権は半分は海未ちゃんにあるんだから」
海未「そうなんですか?もう半分は?」
穂乃果「お母さん!」
海未「そ、そうですか」
穂乃果「うん。いや~でも良かった。海未ちゃんありがとね!」
海未「いいえ」
希「もう完全にたらし込んでたな」
凛「え?そうなの?お饅頭をあげたから?」
希「まあ、それもあるけどな。穂乃果ちゃんは海未ちゃんだけにお願いしたって言ってたやろ?」
凛「言ってた!」
希「そこや!あなたにだけって言われると私はその人にとって特別なんだって感じるやろ?それって凄い嬉しいやん」
凛「確かにそうだけど。穂乃果ちゃんがそんな事狙ってやるかな?」
花陽「そうだよね。穂乃果ちゃんは何も考えてないと思うけど」
希「だから凄いしある意味怖いんやん。天然でたらし込むから天才なんよ」
凛「ん~…天才かぁ。穂乃果ちゃんも自分が天才って言われてるなんて夢にもおもわないだろうね」
花陽「そうだね」
希「さっきから思ってたんやけどな」
凛「ん?どうしたの?」
希「花陽ちゃんも割と毒舌な時あるよな」
花陽「え?私が?」
希「うん。天然で」
希「な?でも凄いのは分かったやろ?」
凛「うん。なんとなく分かったにゃ」
花陽「穂乃果ちゃんって凄いね」
希「そうやろ」
凛「凛も試してみようかや~」
希「だから、穂乃果ちゃんのあれは天性の才能やから一朝一夕じゃ身に付かんて」
凛「え~大丈夫だよ。だって凛も同じラインなんでしょ?」
希「そうやけど」
凛「凛も真姫ちゃんで試してくるにゃ」
凛「真姫ちゃ~~~ん。真姫ちゃんだけは特別にゃ~」
真姫「はあ?何いってるの?イミワカンナイ。キモチワルイ」
凛「にゃっ!!」
希「だから言ったのに」
花陽「道のりは厳しいんだね」
希「うん」
完
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