【アイマス】P「サプライズパーティー、ですか?」黒井「うむ」 (68)


黒井社長(以下、黒井) 「参加する気はないか?」

P 「何のパーティーをするんですか?」

黒井 「……冬馬のバースデーパーティーだ」

P 「冬馬の?」

御手洗翔太(以下、翔太) 「プロデューサーさん、一緒にお祝いしてくれない?」

P 「いや、俺は俺で祝ってやろうと思ってたけどさ」

P 「黒井社長、それって765プロ全員へのお誘いって事ですか?」

黒井 「ウィ……まさしくその通りだとも」

P 「……随分と派手にやるつもりなんですね?」

黒井 「うむ、それには理由があってだな」


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――――― 

黒井 「冬馬、明日の予定は覚えているな?」

天ヶ瀬冬馬(以下、冬馬) 「ああ、午前中に宣材写真撮って終わりだよな?」

黒井 「分かっているなら良い」

冬馬 「よっし……それなら、レッスンに集中できるな」

黒井 「レッスン?自主レッスンでもするのか」

冬馬 「ああ、今納得いってねえ振り付けがあってさ」

冬馬 「それを何とかするために、明日は夜まで自主レッスンする予定なんだ」


黒井 「朝まで?他に用事はないというのか」

冬馬 「ねぇよ、コイツを何とかするまで引き下がらねえって決めたんだ」

冬馬 「おっさん待っててくれ、コイツをマスターして王者に返り咲いてやるぜ!」グッ

黒井 「……お前、明日が何の日か覚えていないのか?」

冬馬 「ん、なんのことだ?」

黒井 「…………」

――――― 

P 「そ、それじゃあ冬馬は……」

黒井 「ああ、自分の誕生日である事すら忘れているようだな」

翔太 「冬馬君、最近ずっとレッスンしてるんだよ?」

伊集院北斗(以下、北斗) 「俺たちにも何も相談してくれませんし、心配で」

P 「レッスン漬けなのか……?随分と真剣みたいだな」

北斗 「真剣にも限度がありますよ……」

北斗 「ちょっとは肩の力、抜いても良いと思うんですけどね」


黒井 「という訳で、だ!折角なら、派手にやってやろうと思ってな」

翔太 「黒ちゃん、誕生日に寂しそうな冬馬君放っておけなかったんだよね!」

黒井 「う、うるさい!そんな訳ないだろうが!」

P 「別に隠さなくても良いじゃないですか、良いと思いますよ?」

黒井 「……ふん、別に善人になりたい訳ではない」

黒井 「ただ、固執し過ぎて良くなる事など極稀だからな」

P 「息抜きも兼ねてるのか……分かりました」


P 「でも、なんで俺たちに?あれだけ嫌ってたじゃないですか」

黒井 「わ、私だってお前たちなどに頼りたくはなかったのだ!」

黒井 「ただ……北斗がな」

P 「北斗が?」

黒井 「どうせなら女性と祝った方が華やかだろうと言ってな」

P 「北斗……」ジトー

北斗 「事実でしょう?パーティーには華がないとね☆」パチリ

北斗 「それに、大人数の方が盛り上がれるだろうし」

黒井 「……まぁ、冬馬を祝うのだ。華々しい事に越した事はないと思ってな」


翔太 「それでそれで!プロデューサーさん、どう!?」

P 「俺は良いけど……春香、どう思う?」

天海春香(以下、春香) 「私はお祝いしたいです!」

春香 「でも、皆がなんて言うか……」

P 「それもそうか……それじゃ、一緒にお祝いしてもいいってメンツだけ集まってお祝いするか」

春香 「分かりました、連絡しておきますね!」


春香 「あっ、黒井社長!お願いがあるんですけど……」

黒井 「む、なんだ?」

春香 「冬馬君の誕生日ケーキ、私に作らせてもらえませんか!?」

黒井 「ケーキを?」

春香 「はい!折角のお祝いですから!」

黒井 「ふむ……」

P 「春香のケーキは絶品ですよ、俺が保証します!」

P 「……まぁ、この前は砂糖と塩間違えてましたけど」

春香 「わ、忘れてくださいよぅ!」ポカポカ


北斗 「黒井社長、良いんじゃないですか?」

北斗 「女性の手作り程、美味しいものはないですからね」

黒井 「北斗……うむ、そうか」

黒井 「では、任せるとしようか」

春香 「はい、任されました!」

P 「どこでやるかは決まってるんですか?」

黒井 「うむ、ウチの小会議室を貸し切って行おうと思う」

P 「961プロでやるんですか?」

黒井 「冬馬には、社長室に大事な用があると呼び出す予定なのだ」

黒井 「そこから案内すれば、怪しまれる事もないだろう?」

P 「なるほど……」


春香 「あのぅ、ケーキは作ったのを持っていった方が良いですか?」

春香 「大人数で食べる量となると、一杯焼かないといけないかも……」

翔太 「なら、ウチの調理室使えばいいよ!ね、黒ちゃん!」

黒井 「うむ……そうだな」

春香 「い、良いんですか!?」

P 「というか、なんで会社にそんな調理室が……」

黒井 「弱小765プロと一緒にするんじゃあない、このくらいは当然の事だ」フフン

北斗 「料理をする人がいれば、の話ですけどね」ヤレヤレ

翔太 「たまには冬馬君のカレーじゃないのも食べたいよねー」


黒井 「……まぁ、それはそれとしてだ」

黒井 「少なくとも、設備に関しては足りている事は保証しよう」

春香 「そ、それじゃあ……どんなケーキにしようかな」

翔太 「僕、チョコケーキが食べたいな!」

北斗 「俺は春香ちゃんの手作りなら何でもいいかな☆」

黒井 「私はレアチーズなどが……」

P 「皆バラバラだなぁ……」


春香 「……あの、プロデューサーさんは何ケーキが良いですか?」

P 「俺?そうだな……」

春香 「…………」ジーッ

P 「……うん、王道のショートケーキかな」

春香 「ショートケーキですか?」

P 「うん、今丁度イチゴが旬だし美味しいかなあって」

春香 「なるほど……それじゃあ、ショートケーキにします!」

黒井 「それでは、必要なのはイチゴや生クリームか」

黒井 「よろしい、手配しておこう」


黒井 「……それで、だ」

P 「?」

黒井 「プロデューサー、貴様には冬馬の付き添いを頼みたいのだ」

P 「俺に、ですか?」

黒井 「納得いってない振り付け、とやらが完成しないなら来ないかもしれんからな」

P 「そこまでですか……」

黒井 「……本来、こんな事は頼むべきではないのだがな」


P 「分かりました、引き受けます」

黒井 「……あっさり引き受けたな?」

P 「困った時はお互い様ですから」

黒井 「……ふん、相変わらず甘い男だ」

春香 「それでは、また明日!ですね!」

黒井 「ウィ、明日の昼にまた会おう」

――――― 

黒井 「…………」

春香 「い、いっぱい集まっちゃいました……」

黒井 「貴様ら、仕事はないのか……」

菊地真(以下、真) 「ちゃ、ちゃんとありますよ!」

我那覇響(以下、響) 「そ、そうだぞ!今日はたまたまさー!」アセアセ

高木社長(以下、社長) 「うむ、今回は天ヶ瀬君の誕生日と聞いてな!」

社長 「元々、今日は仕事を少なくしておいたのだよ」


真 「女の子の日、ですもんね!」

社長 「うむ!趣旨は違えど、お祝いごとに変わりはない!」

社長 「ここは盛大に、皆で彼の為に盛り上がろうではないか!」

春香 「はい、任せて下さい社長!」

黒井 「……なんで貴様がここにいるのだ高木ィ!」

社長 「事務所にいても暇なのだよ……」

黒井 「事務業務はどうしたというのだ!」

社長 「律子君が来たがらなくてな……彼女と音無君がやってくれている筈だ」


黒井 「き、貴様ぁ……少しは自分の仕事をしたらどうだ!」

社長 「ぐぅ……わ、私だってティンと来た子をスカウトして」

黒井 「他にはないのか、他にはァ!」

翔太 「黒ちゃん、いつにもまして熱くなってるね」

北斗 「昔の因縁って奴じゃないか?」

――――― 

冬馬 「……くそっ、またダメか」

冬馬 「後もう少しだと思うんだけどな……なんでこんなステップも踏めないんだ」

冬馬 「こんなんじゃ、アイツらに勝てねえってのによ……」

ガチャリ

冬馬 「あれ、もう時間か?」

P 「よっ、冬馬」

冬馬 「あん?765のプロデューサーじゃねえか」


冬馬 「こんなとこまで来るなんて珍しいな、何か用か?」

P 「ああ、黒井社長に頼まれてな」

冬馬 「おっさんに?」

冬馬 (そういや、誰か寄越すって言ってたな……) 

P 「自主レッスンしてるんだろ?俺にも見せてくれないか」

P 「もしかしたら、何か力になれるかもしれないし」


冬馬 「……アンタ、765プロの人間だろ?」

冬馬 「俺の手助けなんてしてて良いのか?」

P 「ああ、事情があってな」

P (なんとしても、パーティーまで連れてこないといけないからな)

冬馬 「事情?」

冬馬 (俺のレッスンを見なきゃいけない事情なんてあるか?)

冬馬 (……ま、まさか!)ティン!

P 「どうかしたのか、冬馬?」

冬馬 「い、いや!なんでもないぜ!?」


冬馬 (そうか!おっさん、俺たちにプロデューサーを……)

冬馬 「そういう事なら仕方ねぇな……」

冬馬 「よろしく頼むぜ、プロデューサー!」

P 「ああ、任せとけ!」

P 「……それで、どの部分でつまずいてたんだ?」

冬馬 「それじゃ、よく見とけよ……」

~~~~~

冬馬 「はぁはぁ……やっぱり、できねぇ」

P 「…………」ジーッ

冬馬 「悪い、もう一度……」

P 「なぁ冬馬、そこのステップゆっくりやれるか?」

冬馬 「?あぁ、やれるけど」

P 「それじゃ、一旦遅いテンポでやってくれるか?」

冬馬 「わ、分かった……こうか?」
 
P 「そうだ……そこから少しずつ元のテンポに戻してみてくれ」

冬馬 「お、おう……分かった」

~~~~~

冬馬 「……あん?」

P 「なんだ、上手くいったじゃないか」

冬馬 「ちょ、ちょっと待て!今、なんで出来たんだ?」

P 「単純にテンポが合ってなかったんだよ、無駄な動作が一拍多かったんだ」

冬馬 「そ、そんな初歩的な……」ポカーン

P 「翔太とかに相談すればすぐ分かったんじゃないか?」

冬馬 「……そうだな、意地張り過ぎてたかもしんねぇ」

冬馬 「サンキュー、プロデューサー!」

P 「ああ、このくらいならお安い御用だよ」


冬馬 「……あのさ、もうちょっと付き合ってもらいたいんだけど良いか?」

P 「他にもまだ気になるところがあるのか?」

冬馬 「いんや、あと詰まってる所はねえんだけどさ」

冬馬 「折角だ、ここで全部完璧にしておきたい」グッ

P (まだ、言われた時間より早いか……)

P 「分かった、トコトンやるか!」

冬馬 「マジか!悪いな、プロデューサー!」

冬馬 「おっさんから休日出勤分、給料ちゃんと貰ってくれよな!」

P 「?ああ……」

P (これ、給料出るのかなぁ?)ボンヤリ

――――― 

黒井 「……ともかくだ。協力に感謝する」

黒井 「では、早速用意に取り掛かろうではないか」

黒井 「そうだな……買い出しとケーキ作り、それに飾りつけに分かれてもらおうか」

双海亜美(以下、亜美) 「ねえねえ、おっちゃ→ん!」

双海真美(以下、真美) 「お菓子は何円まで→?」

黒井 「おっちゃんではない!黒井社長と呼べ!」

真美 「じゃあ黒ちゃん!」

黒井 「黒ちゃ……!」ワナワナ

黒井 「ぐぅ、この屈辱忘れんからなァ……」


亜美 「それで黒ちゃ→ん、いくらまでなのさ→」ブー

黒井 「いくらでも良い、大体そんな物をケチる馬鹿などいる訳ないだろう」

亜美 「え→?でも、社長は500円までって言ってたよね→?」

社長 ギクッ

黒井 「……クク、そうか」ニヤリ

真美 「シャチョさん……ど→なんだ→い?」

黒井 「私はケチな高木とは違う!食べられるだけ、好きなものを買ってこい!」

亜美 「お金は?」

黒井 「勿論、金は全て私が出す!」ドヤァ


真美 「やった→!」ピョンピョン

亜美 「太っ腹だNE、黒ちゃん!」

真美 「これはウチの社長を本格的に見限るべきではないかね、亜美隊員や」

亜美 「待遇の差、という奴ですな真美隊員」

社長 「亜美君、真美君……」

黒井 「フフ、765プロにも分かるアイドルがいるではないか……」ニヤニヤ

翔太 「黒ちゃん、ここ最近で一番笑ってるよ……」ヒキ


北斗 「黒井社長、お酒とかはどうしますか?」

黒井 「冬馬が主役だ、酒は後まで取っておくとしよう」

北斗 「後?他の所に飲みにでも行くんですか?」

黒井 「ああ、私の行きつけの店で一杯やろうではないか」

北斗 「そうだ!それなら、ご一緒にどうです?」

三浦あずさ(以下、あずさ) 「あらあら~?私がご一緒してしまっても良いんでしょうか?」

北斗 「勿論!華やかな女性が増えるのは大歓迎ですよ」


社長 「それじゃ、私も一緒に……」

黒井 「なぁんで貴様と一緒に飲まねばならんのだ!」クワッ

社長 「良いじゃないか、こういう時くらい」ニヤニヤ

黒井 「良い訳がないだろうが!」

北斗 「まぁまぁ、黒井社長。祝いの席ですから」

黒井 「ぐぬぅ……!」

――――― 

春香 「それじゃ、私達はケーキ作りを始めちゃおうか!」

春香 「いっぱい集まったし、沢山焼かないとね!」

如月千早(以下、千早) 「春香……私、役に立てるかしら?」

千早 「あまりこういう経験はした事がないから……」

春香 「大丈夫!スポンジとかは私がやるから!」

春香 「千早ちゃんは、生クリームを泡立ててもらっても良い?」

千早 「な、生クリームね……分かったわ」カチコチ


千早 「でも春香、生クリームって泡立てにくいんじゃなかったかしら?」

春香 「そんな事ないと思うけどなぁ……」

春香 「あっ、これ使ってみたらどうかな?」スッ

千早 「これは……」

春香 「ハンドミキサー!これなら、手が疲れなくて済むと思うし!」

千早 「黒井社長、調理室にこんなのも置いてるのね……」

千早 「分かったわ、頑張ってみる」


春香 「混ぜすぎたらダメだから気を付けてね?」

千早 「ええっ!?ど、どれくらいまで泡立てればいいの?」ワタワタ

春香 「ふふ、大丈夫!私がついてるから!」

千早 「お、お願いね……?」

――――― 

高槻やよい(以下、やよい) 「うぅ……あそこまで手が届きませんーっ……」ググーッ

北斗 「大丈夫かい?俺がやろうか?」

やよい 「あっ、北斗さん!お手伝いしてくれるんですかー?」

北斗 「ああ、高い所に貼るなら任せてよ☆」

やよい 「助かりました!ありがとうございますーっ!」ガルーン

北斗 「それじゃ、やよいちゃんは飾りを持ってきてもらえるかな?」

やよい 「はい、急いで持ってきます!」タッタッタ

響 「ま、負けてられないぞ……貴音、お願い!」

四条貴音(以下、貴音) 「心得ました」ペタリ


星井美希(以下、美希) 「それじゃ、ミキ達は机並べちゃおっか!」

翔太 「この机、重いなぁ……ねぇ、黒ちゃん手伝ってよー!」

黒井 「仕方ないな……」

社長 「では、私も手伝おうか」スッ

黒井 「…………」ギロッ

翔太 「ねえ、黒ちゃんってば!」

黒井 「ぐぅ……!何故、高木と力を合わせねばならんのだ……」プルプル

――――― 

真美 「大将!戦利品、持って帰って来やしたZE!」

亜美 「クラッカーであまとうをソゲキする用意はバッチリだNE!」

水瀬伊織(以下、伊織) 「ジュースとか飲み物もこれでバッチリよ!」

黒井 「……やけにオレンジジュースが多いような気がするのだが」

伊織 「う、うっさいわね!たまたまよ!」


社長 「食べ物の手配はどうだね?」

真 「ピザとかも頼んでるし、大丈夫だと思います!」

萩原雪歩(以下、雪歩) 「や、焼肉とかもしたかったんですけど……」

黒井 「すまない、流石に警報機がなってしまうのでな」

雪歩 「い、いえ!大丈夫ですぅ!」ブンブン

――――― 

冬馬 「―――っ」ビシッ

P 「やったな、完璧だ!」パシパシ

冬馬 「へへっ……楽勝、だぜ!」グッ

P 「やるじゃないか冬馬、驚いたよ」

P 「てっきり全然できないのかと思ってたからさ」

冬馬 「そんな事はねえよ。ただ……」

P 「?」

冬馬 「……自分に甘くして、また765プロに負けたくねえからな」ボソッ

P 「……そうか」

冬馬 「さて!レッスンも済んだし、おっさんの所に顔を出すとしようぜ!」

――――― 

コンコン

黒井 「来たか……入れ!」

P 「失礼します」

冬馬 「おっさん、来たぜ」

黒井 「すまないな冬馬、オフだというのに」

冬馬 「気にすんなよ、アイドルに休みなし、だぜ!」グッ


黒井 「……それでは、用件を」

冬馬 「……わりぃ、おっさん」

黒井 「なに?何故謝るのだ、冬馬よ」

冬馬 「俺、もう分かってるんだ。おっさんの呼び出した用件」

P 「!?」

黒井 「ど、どういう事だ貴様!バレているではないか!」アタフタ

P 「し、知りませんよ俺は!」ワタワタ

黒井 「どちらにせよ、これではサプライズが成立しないではないか……!」フルフル

冬馬 「…………」


黒井 「まぁ、バレているなら仕方ない」

黒井 「では、早速向かうとしようか」

冬馬 「向かう?向かうって何処にだよ」

黒井 「?会場にだが」

冬馬 「会場?」

――――― 

黒井 「……よし、ここだ」

冬馬 「なぁ、おっさん!わざわざこんな所まで来る必要あったのか?」

黒井 「何を言っている、あるに決まっているだろうが」

冬馬 「?」キョトン

P 「それじゃ冬馬、その扉を開けてみてくれ」


冬馬 「わ、分かった……」ガチャリ

パーンパパーン

冬馬 「なん――っ!?」


春香 「皆行くよ?せーのっ!」

全員 「冬馬、誕生日おめでとう!」


冬馬 「…………」ポカーン

亜美 「真美、あまとう口開けたまんまだよ?」ニヤニヤ

真美 「んっふっふ→!ドッキリ、大成功ですな→?」ニヤニヤ

翔太 「いやー、派手だったね!」

北斗 「人数も集まってるからな、尚更さ」


春香 「それじゃ、冬馬君!ほら、中に入って!」グイッ

冬馬 「お、おい!?これはいったいどういう事だよ!?」

P 「?冬馬、分かってたんじゃないのか?」

黒井 「今日はお前の誕生日だろうが」

冬馬 「たんっ……そうだっけか?」キョトン

翔太 「あーっ!やっぱり冬馬君忘れてたんだ!」

黒井 「……冬馬、一体なんのことだと思っていたのだ?」

冬馬 「そ、そりゃあ……その」チラッ

P 「?」


冬馬 「……お、おっさん。改めて聞くんだけどさ」オズオズ

黒井 「言ってみろ、なんだ?」

冬馬 「プロデューサーが、ウチに来る予定って……」

P 「ないぞ?」アッサリ

冬馬 「なぁっ!?」ガーン

翔太 「冬馬君、プロデューサーさんが来てくれると思ってたの?」

冬馬 「だ、だってよ!プロデューサー、事情があるって言ってたじゃねえか!」

P 「そりゃ、満足いくレッスンが出来なかったら来ないだろ?」アッサリ

冬馬 「か、勘違いかよ……」グッタリ


P 「ご、ゴメンな?」

冬馬 「……良いさ!俺たちジュピターは、アンタの力なんて借りなくたってトップアイドルとして君臨して見せる!」

黒井 「その意気だ、冬馬!」

冬馬 「…………」

北斗 「もしかして寂しいのか、冬馬?」ニヤニヤ

冬馬 「んな訳ねえだろ!」

冬馬 「……けど、今日はホントに世話になった」

冬馬 「ありがとな、プロデューサー」

P 「ああ、こちらこそ良い物を見せてもらったよ」


春香 「はいはい!それじゃ、最初にケーキの火、消しちゃいましょう!」

冬馬 「ケーキ?」

冬馬 「うわっ、デカイな!?」

春香 「ふっふーん、自信作なんだ!」

春香 「何個か焼いたから、皆の分はあると思うよ!」

冬馬 「……えっ、これ天海が作ったのかよ」

春香 「そうだよ~?」

冬馬 「負けてらんねえな……俺も練習するか」


真 「それじゃ、蝋燭に火をつけてっと……」

P 「じゃ、電気消すぞー」カチリ

春香 「それじゃ千早ちゃん、お願いしても良い?」

千早 「ええ……皆、行くわよ?」


Happy Birthday to you~ Happy Birthday to you~

Happy Birthday, dear Touma~

Happy Birthday to you~


千早 「……ふぅ」

冬馬 「お、お前ら……」ウルウル


北斗 「感動するのは早いぞ、冬馬」

翔太 「早く蝋燭吹き消してよ!」

冬馬 「っ……分かった、行くぜ!」ゴシゴシ

冬馬 「―――――」フゥウウ

亜美 「おっとあまとう選手、最初のゲームで決めた模様です!」

真美 「ん→これは素晴らしいですね!」

冬馬 「へへっ、当然だろ?」ドヤッ


P 「さて、電気をつけてっと……」カチリ

高木 「それでは諸君、後は無礼講だ!」

高木 「今日は思う存分楽しんで行ってくれたまえ!」

黒井 「ちょっと待て、なんで貴様がしきっているのだ!」

高木 「まぁまぁ……そら、私達も頂こうじゃないか!」

黒井 「良い訳が……逃げるな高木ィ!」

冬馬 「お、俺も食って良いんだよな?」

翔太 「冬馬君!このピザ、とっても美味しいよ!」パクパク

冬馬 「マジか!それじゃ、俺も……」パクリ

冬馬 「うめぇ!」パァアアア


北斗 「……あっ、そうだ。冬馬、これ」スッ

翔太 「あっ、僕からも!はい!」スッ

冬馬 「なんだこれ?」

翔太 「誕生日プレゼントに決まってるじゃーん!」

北斗 「喜んでくれると嬉しいかな☆」ウィンク

冬馬 「お、お前ら……ありがとな!」


真 「春香、このケーキとっても美味しいよ!」パクパク

雪歩 「うん、とってもお茶に合いそう!」パァアア

美希 「クリームも美味しいの!」

春香 「実はね?クリームは千早ちゃんに作ってもらったんだー♪」ニコニコ

千早 「春香?は、恥ずかしいから……」カァア

真 「えっ、そうだったの?」

美希 「千早さん、これとっても美味しいの!自信持っても良いと思うな!」

千早 「あ、ありがとう美希……」


貴音 「真、美味ですね……このけえき」パクパク

冬馬 「ひ、一人で食っちまう気じゃねえだろうな……?」

春香 「ケーキで思い出した!冬馬君!」

冬馬 「おう、どうかしたか?」

春香 「これ!余った分で作ったの!」スッ

冬馬 「これもケーキか?」

春香 「うん、帰ったら食べてね!」

冬馬 「……おう、分かった!」


響 「あーっ、春香ズルいぞ!」

響 「じ、自分たち何もプレゼント用意できてないのにぃ……」アワアワ

冬馬 「い、良いっての……こんだけ祝ってもらえたんだからさ」

響 「でも、何かしておきたいぞ……」

千早 「……黒井社長、お聞きしたい事があるんですが」

黒井 「む、どうした?」


千早 「この部屋にカラオケの機材はありますか?」

黒井 「む、カラオケか……ちょっと待っていろ」

真 「あるんだ……」

黒井 「元々、この部屋は多目的に使えるようにしてあるのでな」

やよい 「千早さん、なんでカラオケなんですかー?」

千早 「そ、それは……私たちはアイドルだから、かしら」

千早 「やっぱり、プレゼントは歌かなって思ったの」

P 「千早らしいな……よし、それでいこう!」


ガチャリ

秋月律子(以下、律子) 「失礼します、此処で良いわよね?」

音無小鳥(以下、小鳥) 「間に合ったかしら?」

社長 「律子君、音無君!二人とも、来てくれたんだね?」

小鳥 「はい!お仕事も終わったので!」

伊織 「なーんだ。律子、結局来たのね?」

律子 「……まぁ、折角の誕生日だしね」


律子 「天ヶ瀬、ちょっといいかしら?」

冬馬 「お、おう……なんだ?」

律子 「はいこれ、一応プレゼントね」

冬馬 「わ、悪いな……ペンか?」

律子 「万年筆よ、これなら何本あっても使えるでしょ?」

冬馬 「……サンキュー、ありがたく使わせてもらうぜ」グッ

黒井 「よし、見つけたぞ!用意するから待っていろ」

P 「あっ、俺手伝いますよ!」

春香 「よーっし、それじゃぁ……」

春香 「765プロー、ファイトーっ!!」

765 「オーッ!」


冬馬 「……なぁ、北斗、翔太」

翔太 「どうしたの、冬馬君?真剣な顔しちゃってさ」

冬馬 「俺たち……ここで、負けてられないよな?」

翔太 「えーっ、素直に聞くんじゃダメなのー?」

冬馬 「んな事言ってられねえだろ!俺たちが王者ってところ、ここで見せつけてやろうぜ!」

北斗 「まったく、相変わらず熱いな冬馬は」

北斗 「……でも、俺も賛成だ」

翔太 「うーん、それじゃ僕も!負けたくないもんね!」

冬馬 「二人とも……」


冬馬 「……お前ら、悪かったな」

北斗 「どうしたんだ、改まって」

冬馬 「今日さ、プロデューサーに相談してればすぐ出来てたって言われちまってさ」

冬馬 「俺、もうちょっと頼った方が良かったと思ってさ」

北斗 「……気付けたなら良かったじゃないか」ニヤッ

翔太 「もう、一人で考えるの禁止だからね!」ビシッ

冬馬 「はは……分かったよ」


P 「よし、用意できたぞ!誰から歌う?」

響 「ふっふーん、勿論自分が――」

冬馬 「いいや!ここは、俺達から歌わせてもらうぜ!」

P 「冬馬?良いのか、誕生日なのに?」

冬馬 「誕生日だからこそ、だぜ!」

翔太 「ここでイイトコ見せないとね!」

北斗 「観客にはたくさんのエンジェルちゃんがいるんだ、楽しませないとね☆」


黒井 「お、お前たち……」

冬馬 「……おっさん!」

黒井 「よし、行ってこい!765プロとは違う、圧倒的な王者の力を見せつけてくるのだ!」

冬馬 「ああ!楽勝、だぜっ!」

――――― 

冬馬 「……ふぅ」

冬馬 「誕生日って、こんな楽しいもんだったんだな……忘れてたぜ」

冬馬 「……俺も、今度765プロの誰かの誕生日でも祝いに行ってやるか」

冬馬 「さて!それじゃ、天海のケーキでも頂くとするか!」パクリ

冬馬 「……このケーキ、しょっぺえな」

おしまい

という事で冬馬のお祝いssでしたとさ
アイマスに出てくる野郎の中でも一番好きな熱血漢、315プロでもバリバリ活躍してほしいですね

今回も楽しんで読んでもらえたら幸いです

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