藤木「ああ、僕は本気だよ」
永沢「卑怯な君のことだからそう言っておいてどうせ直前になったら止めるんだろ?」
藤木「いいや永沢くん、今回の僕はいつもと違ってマジだぜ」
まる子「でもいきなり>>2をするだなんて……」
たまえ「いきなりでびっくりしたよ」
異世界転生
藤木「僕はこんな退屈な世界にもスペックの低い自分にもうんざりなんだ。永沢くん、さくらに穂波、僕の一世一代の異世界転生を見ててくれよ」
たまえ「でもトラックに突っ込むなんて危ないんじゃないの?」
藤木「死ななきゃ転生できないだろ?まあ、多少の痛みは我慢するよ」
永沢「ふん、世界を面白くする努力も自分を成長させる努力もしないなんて相変わらず君は卑怯だな」
まる子「まあまあ永沢、藤木が決めたことだしここは見守ってあげようよ」
藤木「ありがとうさくら。じゃあね皆、僕は逝くよ」
たまえ「頑張ってね」
まる子「達者で暮らすんだよ」
永沢「……ふん!(友達の僕を置いて行くなんて……やっぱり君は卑怯だよ)」
藤木「じゃあ……アディオス!!」
キキィィィィィィィィィッ!!
ドグジャアアァァァァァァ!!!!
キートン山田『雲一つ無い冬空に乾いたブレーキ音と藤木の身体が潰れる音が高く響いた。藤木茂 死亡確認』
霊体藤木(う、う~ん全身が痛い……体が引き裂かたみたいだ……これが死後の世界か、真っ暗だ)
霊体藤木(おっ?あっちに光が見えるぞ……)
キートン山田『こうして藤木の魂は>>5の世界に転生したのだった』
サザエさん
藤木「う、うーん……頭が割れそうだ……ここは一体何の世界だ?」
花沢「あんた大丈夫?」
藤木「うおっ!?化け物!?」
花沢「なによ……失礼ね、人が心配して声をかけてあげたって言うのに」
藤木「あ、ああ……ごめんなさい……(なんだ?見た感じこの女?の服装は僕のいた世界とそう変わらないぞ?……まさか失敗したのか?)ねえ、ところで今って何年だっけ?」
花沢「何言ってるの?2018年に決まってるじゃない?」
藤木「(聞いた感じだと西暦か……つまり未来に転載したってわけか……)う、うん……変なこと聞いてごめんなさい……」
花沢「別にいいけど、どうして公園でなんか倒れてたの?本当に大丈夫?」
藤木「そうだな……>>8」
1 大丈夫。しばらくサザエさんの世界を彷徨くことになります
2大丈夫じゃない。しばらく花沢不動産に厄介になることになります
もう一回転生
藤木「……」フラフラ
花沢「ちょっと?どこに行くのよ?」
藤木「……アリーヴェデルチ!!」
キキィィィィィィィィィッ!
ドグジャアアァァァァァァ!!!!
キートン山田『寒空に肉の崩壊の音は二度届く。代わり映えのしない世界に藤木は再び生まれ変わる事を選んだのだ。なおこの光景を目の当たりにした花沢さんが廃人となってしまうのは別のお話である』
霊体藤木(くそっ……まさかあんな顔面偏差値が低い世界に転生してしまうとは……一生の不覚だ、もう二生ほど過ごしてるけど)
霊体藤木(神様!どうか次は萌え萌えな美少女のいる世界に生まれ変われますように……!)
キートン山田『欲張りな藤木は次に>>11の世界に生まれ変わることとなった』
ファンタジー
魔法使い「我が命により!異世界から現れよ!」
ボワァッと!
藤木「……うん?ここは?」
勇者「……この唇が青ざめてる子供がお前の自慢の召喚獣なのか?」
魔法使い「……なんだこれ!?」
藤木(おっ!?なんだか分からないが目の前のこの女の子なかなか可愛いぞ!?)
勇者「……妙に目付きが悪いな、それにいやらしい目をしてる」
魔法使い「すみません、失敗してしまったみたいです」
藤木「……い、いやいや!僕はこう見えて役に立つよ!?魔王でも竜王でもなんでもござれだよ!」
魔法使い「ええ……でも明らかに弱そうだし……」
藤木「僕には>>13という特技があるんだ!きっと必要になる場面があるよ!」
たまねぎを燃やす
藤木「僕には玉ねぎを燃やすっていう特技があるんだ、それはもう幾多の世界線であの陰湿玉ねぎの家を焼いてきたことか……」
勇者「チェンジで」
魔法使い「りょーかい」
藤木「ああっ!?待って!僕の楽勝英雄ラブラブハーレム生活!?」ポワァァァァ
キートン山田『こうして藤木は自らの希望に最も近い世界から自らの性格のせいで拒まれることとなった』
藤木「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
キートン山田『そろそろ一つの世界に定住しないと藤木の魂は壊れそうである。果たして藤木を受け入れてくれる世界はあるのか?>>15に続く』
後編
(ちびまる子ちゃんの世界)
藤木(どこからか……僕を呼ぶ声が聞こえる……)
藤木(とても……暖かい……)
「……!…じき……!」
まる子「藤木!!」
藤木「はっ!?」
まる子「! 先生!藤木の意識が!」
藤木「こ、ここは……!?ッツゥ!?」
まる子「無理に動くんじゃないよ、おんた全身の骨がほとんど折れてるんだから」
藤木「い、異世界は?」
まる子「あんた……!」
バチイイィィィッ!!
キートン山田『まる子のビンタが強かに藤木の頬を打つ』
まる子「皆がどれだけ心配したと思ってるの!?それなのにまだそんな馬鹿なことを言うの!?」
まる子「あんたにとっちゃこの世界はそんな嫌なのかい?家族がいて……クラスの皆がいるこの世界が……」ポロポロ
藤木(ああ、そうだ。僕は……最初からこの世界にいることを許されていたんだ、どんなに下らない人間であろうと……)
藤木(そして……ようやく気付いた。僕の本当の気持ち……)
藤木(僕は本当は……この世界で>>18がしたかったんだ!)
第一部 異世界転生編 完
革命
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