【モバマス】ペロ「吾輩はプロデューサーである」 (27)

AM 4:00

ペロの朝は早い。彼は4時に起床する。

ペロ「にゃぁ」ノビー

彼は起床後すぐにネコ伸びするのが日課である。
そして少しボーっとする。

ペロ「」ポケー

目が覚めてきたころにようやく人の姿になり、今日の予定の確認と軽めの仕事をこなす。

ペロ「」ペカー

謎の光に包まれるとペロは人の姿に変身する。見た目は20前後のさわやかな青年だ。

Pero(以降人の姿時P)「(さて、雪美ちゃんの起床時刻まで仕事をしようかな)」

P「(大きな音をたてたら雪美ちゃんが起きちゃうから、なるべく音を立てずに)」


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AM 6:30

P「(もうこんな時間か……そろそろ雪美ちゃんを起こそうかな)」

飼い主である佐城雪美が起きる前にネコの姿に戻り、起こすのも毎朝の日課である。

P「」ペカー

ネコの姿に戻るとタイミングよく目覚ましの音がジリリと部屋中に鳴り響いた。

雪美「ん……」

雪美は眠たそうな顔をしながらも目覚ましを止め、起き上がった。しかし、睡魔には勝てなかったのか再び布団に潜り込んでしまった。
慌ててペロは雪美の近くに寄り、顔をペシペシと叩いた。

ペロ「にゃー」ペシペシ

雪美「んん……」

何度も手を払いのけられるも根気よく叩いた。これもペロにとっては日課なのだ。

AM 6:45

雪美「ペロ……おはよう……」

ペロ「にゃー」

雪美「着替えるから……待ってて……」

着替えを始める雪美。ペロは紳士だから雪美の着替えを見ないように窓の外を眺める。紳士だから着替えを見ないのだ。

ペロ(今日もいい天気だなー)

AM 7:00

朝7時を迎えるころに、雪美と事務所の寮の食堂に迎い、朝食の時間となる。ネコの姿の時の彼の食事はもちろんキャットフードだ。

雪美「ペロ……ごはん……」

ペロ「にゃー」

雪美「いただきます」

彼が人の姿の時は普通の人と同じようにご飯を食べる。一度キャットフードを食べようとしたらしいが美味しくなかったそうだ。
そもそも、人の姿であるとキャットフードに対して食欲が湧かないらしい。ただ、ネコの姿では人のご飯は食べれる。

AM 7:45

雪美「ペロ……行ってくるね」ナデナデ

ペロ「にゃー」

雪美の登校時刻になると見送りに出るのも日課である。雪美の姿が見えなくなるまでそこに立ち続ける。

ペロ(さて、雪美ちゃんが学校に行ったことだし部屋に行こうか)

部屋というのは雪美の部屋ではなく、事務所に併設されている専用の部屋である。
そこが彼らの人の姿の時の寮なのである。
アイドル達にはサポーターのプロデューサーが住んでいると伝えられている。ただし、一部のアイドル以外は建物内に入らないように指示が出ている。

AM 8:00

彼の出社時刻は9時。専用の寮からは5分もかからず着くため、出社時刻まで部屋の中でのんびり過ごす。
軽く睡眠をとる人がいれば、情報取集をする人もいる。それぞれの時間を過ごすのだ。

P「ふわぁ……」

P(少し仮眠をとろうかな)

AM 9:00

P「おはようございます」

モバP「おはよう、今日はペロの日だったか」

P「モバPさん、その名前はダメですよ」

モバP「すまんすまん」

彼の名はモバP。Pの正体がペロと知る人物の一人である。

P「気を付けてくださいよ、前にそれでバレたこともあるんですから」

この事務所にはほかにも数人ペロの存在を知っている人物がいる。先のように、モバPが口を滑らせて知ったアイドルもいる。

のあ「おはよう」

モバP「うおっ……びっくりした」

P「のあさん、おはようございます」

のあ「ペ……Pは驚かないのね」

この人は、事務所に所属しているアイドルの一人、高峯のあである。彼女はPをペロと知る人物の一人。彼女が知ったのは、モバPがうっかり口にしてしまった時ではないのだが。

P「もう慣れましたから」

のあ「そう……」

P「ほらモバPさん、今回は知ってる人だったから大丈夫だったけど、のあさんじゃなかったらまたバレてましたよ」

モバP「まぁバレなかったし許してくれ」

P「ダメですよ、細心の注意を払わなと」

のあ「Pは姑みたいね」

P「なっ……」

モバP「確かにそうだな、小言うるさいし」

P「からかわないでください」

P「ほらのあさん、レッスン行きますよ」

のあ「わかったわ」

ペロの仕事は、アイドル達のレッスンへ同行か事務仕事を行うことが多い。
現場には主にモバPが出向くが、手が空いていなければペロ達が連れていくこともある。急にネコの姿に戻る可能性があるため、基本的にはないと考えていい。

AM 10:30

トレ「一旦休憩にしましょうか」

みく「Pチャン! みくたちのレッスンどうだった?」

P「よかった点と悪かった点どっちから聞きたいですか?」

みく「良かった点からお願いするにゃ」

P「みくちゃんの観客を意識した表情は流石の一言です。その調子で頑張ってください」

みく「ありがとうにゃ!」

P「ただし、表情に気を取られすぎて指先が伸びきってなかったですね。あと、音程が外れていた箇所が何か所かありました」

みく「うっ……」

P「のあさんはダンスのキレはよく、圧倒されました。」

P「ですが、表情が硬く感じましたね。難しい注文になりますけど、硬さのない笑顔が欲しいですね」

のあ「みくのような笑顔かしら?」

P「のあさんのそういった笑顔は見たいですけど、のあさんらしい笑顔でいいんですよ」

のあ「善処するわ」

P「アーニャちゃんは少しミスが多かったですね。歌に関しては文句なしですね。キレイに伸びてましたし」

アーニャ「スパシーバ♪」

P「やっぱり、みくちゃんと同じようにダンスの指先が伸びてなかったり、ミスが目立ってました」

アーニャ「すみません……」

P「本番まで時間には余裕がありますし、焦らずにやっていきましょう」

のあ「わかったわ」

みく「わかったにゃ」

アーニャ「わかりました」

トレ「……」

P「どうしたんですか?」

トレ「良く見てますよね」

P「なんだかんだ付き合いは長いですからね」

トレ「あれ? 1年も経ってなかった気がしますけど?」

P(あっ……やばっ)

P「まぁ1年の期間でもそれだけの付き合いをしてきたってことですよ」

みく「いろいろあったもんね」

のあ「ちなみに私は1年以上の付き合いだけど」

みく「え”!?」

のあ「ね、P」

P「」

アーニャ「そうだったのですね」

みく「なんだかおもしろそうなにおいがするにゃ」

アーニャ「2人はどういう風に出会ったのですか?」

のあ「あれは確か……雨が降ってた日だった」

P(適当な話にしようとしてる)

アーニャ「」ワクワク

のあ「あの日、Pは傘も差さずに雨に打たれていたわ」

みく「ふむふむ」

のあ「どうしたの?と聞いても返事はなく、急について来いと言わんばかりに歩き出したのよ」

P(そろそろ話を切った方がいいかもしれないかな)

P「3人とも、そろそろ休憩終わりですよ」

みく「えー、もっとのあにゃんとPチャンの出会いの話聞きたいにゃ」

P「そういっても休憩は終わりなんですよ、ね? トレーナーさん」

トレ「そうですね」

P「それに話は後で聞いたらいいじゃないですか」

みく「……それもそうだね、レッスンがんばるにゃ!」

アーニャ「ダー……レッスンがんばりましょう」

P「(のあさん、ちゃんと誤魔化しておいてくださいよ?)」

のあ「(わかってるわ、あなたの秘密は話さない。ただ……)」

P「(ただ?)」

のあ「(おもしろおかしく話すだけ)」

P「(ほどほどにしておいてくださいよ……後で問い詰められるの僕なんですから)」

PM 0:00

モバP「昼だー! Pどっか食いに行くぞ」

人の姿でいるときの昼食は大体はモバPと食べることが多い。
もちろんモバPだけでなくいろんなアイドルとご飯を食べることもある。自分と接点の少ないアイドルを知る少ない機会だからだ。

P「すいません、先約が……」

今日はペロには先約がいたらしい。

モバP「えー」

P「えーじゃないですよ」

留美「P君終わった?」ヒョコ

先約とは事務所内でも5本の指に入るぐらいのネコ好きアイドルの和久井留美である。ただし彼女はネコアレルギーなのだ。

P「ええ、終わったところです」

モバP「先約ってもしかして留美さん?」

P「そうですよ」

モバP「マジかよ! ずるいぞ!」

P「ずるいって……」

モバP「俺も一緒にご飯食べる! 留美さん、いいですか?」

留美「ちょっと……P君と二人でがいいから駄目ね」

モバP「」

P「よっぽどショックだったんですかね、固まっちゃいましたね」

留美「そうみたいね」

留美「でも、ネコアレルギー同士でネコについて語りながらご飯が食べたいからね……」

この事務所ではペロが人の姿の時はネコアレルギーということになっている。

P「モバPさんには後でフォロー入れときますね」

留美「お願いするわ」

留美「じゃあご飯に行きましょうか」

P「そうしましょうか」

P「例の写真持ってきましたよ」

留美「本当!? 見せてくれるかしら」

P「どうぞ」

留美「かわいい……」

P「ですよね!」

留美「ネコアレルギーさえなければ撫でまわしたいくらいだわ」

留美「それにしても、P君がくれるネコ写真は大体が野良猫なのにいい写真が多いわよね」

P「腕のいいネコ好きの写真家がいますからね」

P(自分で撮ってるんですけどね)

ペロの提供する写真はすべて自分自身で撮っている。元々ネコなので野良猫たちへの交渉はお手の物である。
写真技術に関してはネコ好きつながりで高森藍子や写真が趣味の江上椿から教わって身に付けたのである。

留美「一度会って話がしたいわ」

P「一応聞いてみますが期待しないでくださいよ?」

P(騙してるから気が重い……)

留美「聞いてみてくれるだけでもありがたいわ」

留美「さて、ご飯食べましょうか」

P「ですね」

PM 1:30

午後からは事務仕事がメインとなる。

P「ちひろさん、これにハンコお願いします」

ちひろ「これでいいですか」ポンッ

P「ありがとうございます」

留美「P君、ここ間違ってるわよ」

P「えっ……ホントですね」

留美「もう、しっかりしてよね」

P「すいません……」

事務仕事は大人アイドル達がたまに手伝ってくれる。

留美「P君って、結構きっちりしてる割にたまに抜けるところあるわよね」

ちひろ「確かにそうですね」

P「そんなに抜けてますか……?」

留美・ちひろ「ええ(はい)」

P「そんな……」

留美「まぁそういうところが可愛いのだけれどね」

モバP「留美さーん、そろそろ行きますよー」

留美「わかったわ」

留美「じゃあ行ってくるけど、ちゃんと修正しておいてね」

P「はい、気をつけて行ってきてくださいね」

ちひろ「いってらしゃい」

PM 3:30

この時間から小学生組が続々と事務所へやってくる。

仁奈「おはようごぜーます!」

雪美「おはよう……」

薫「おはようございまー!」

千佳「おはようございまーす」

P「みなさんおはようございます」

仁奈「あっ、今日はPでごぜーますね!」

P「みなさん、もう少しで終わるのでちょっと待っていてくださいね」

4人「はーい」

薫「向こうで待ってよー!」

千佳「うんっ」

モバP「ちひろさん。俺も向こう行ってきていいですか?」

ちひろ「ダメです」

モバP「ですよねー」

P「そんなこと言ってないで手を動かしてください」




ワイワイ キャッキャ

P「みなさん元気ですねー」カタカタ

ちひろ「そうですねー」カタカタ

雪美「……P」トコトコ

P「どうしたんですか?」カタカタ

雪美「膝座っていい……?」

P「えーっと……」チラ

ちひろ「いいんじゃないですか? 減るもんじゃないですし」

P「だそうなので、どうぞ」

雪美「……よいしょ」ポスン

薫「あっ、雪美ちゃんだけずるいー」

モバP「薫! 俺の膝の上が空いてるぞ!」ポンポン

薫「わーい」

千佳「あたしも座るー」

仁奈「仁奈も座りてーけどどこも空いてねーです……」

ちひろ「仁奈ちゃん私のところが空いてるわよ」

仁奈「いいんですか?」

ちひろ「いいわよ」ポンポン

仁奈「やったでごぜーます」ポスン

Pがいると大体このような感じになってしまう。

雪美「やっぱりPの膝……落ち着く……」

P「やっぱり?」

雪美「うん……」

雪美「Pはなんだかペロみたいだから……」

ちひろ・モバP「あー……」

雪美「きっと人の姿をしてたらPみたいな感じ……」

P「そうですか……ありがとう」ナデナデ

雪美「ふふ……」

PM 6:00

P「そろそろ帰りますね」

ちひろ「はい、今日も1日お疲れさまでした」

モバP「お疲れさん、次っていつだっけ?」

P「金曜日だったと思いますよ」

モバP「そっかそっか、じゃあまた明日なー」

P「金曜日って言ってるじゃないですか……」

モバP「一緒に仕事をするのが金曜ってことだろ?」

P「……そうですね」

P「お先に失礼します」

事務所での仕事はこの時間までだが、寮へ帰った後も軽く持ち帰りの仕事をする。
事務所で行わないのはネコの姿に戻ってしまう可能性があるからだ。

PM 7:00

P「そろそろ雪美ちゃんのところに戻るかな」

P「」ペカー

…………

……

ペロ「にゃー」トコトコ

雪美「ペロ……おかえり……」

雪美「散歩……楽しかった……?」

ペロ「にゃぁ」スリスリ

雪美「それじゃあ……ごはん食べに行こっか……」

ペロ「にゃあ!」

PM 10:00

雪美「ペロ……電気消すよ……」

ペロ「にゃあ」

カチッ

雪美「ふふ……ペロ……甘えんぼ……」

ペロ「にゃぁ」

雪美「おやすみ……」

ペロにとって雪美と一緒に寝るのが人として活動していた日の最後の仕事なのだ。
こうしてペロのプロデューサーとしての1日が終わる。

以上で終わりになります。

気が向いたら事務所の他の動物たちでも書いてみようとおもいます。

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