星井美希「あふぃ…」 (20)

 

美希「あふぃ…」

P「そりゃ炊きたてご飯で握ったおにぎりを一気に頬張ればそうなるな」

美希「あ…あぅ…あふぃの…」

P「みんなのお昼をつまみ食いなんかしようとするからだぞ?」

小鳥「口の中大やけどしちゃったみたいですね」

P「やれやれ、まあしかしこれでちょっとは懲りたろう。はっはっはっ」

律子「…笑い事じゃないですよプロデューサー殿。午後からの歌番組の収録、どうするつもりですか?」

P「………」

P「えっ」

P「い、いかん!さっぱり忘れてた!」

小鳥「どうするんですかプロデューサーさん!」

P「美希、歌えそうか?」

美希「……おくちいひゃい…」

P「と、とにかく冷やそう!小鳥さん、冷凍庫から氷を!」

小鳥「は、はいっ!」ガラガラ

P「ほら美希、氷水だ!口にふくめ、飲むんじゃないぞ」

美希「……」ングング

P「…どうだ?」

美希「」フルフル

小鳥「ダメみたいですね…」

P「あとやけどに効くのは…アロエか」

P「確か冷蔵庫にアロエヨーグルトがあったな」

小鳥「ピヨッ!?プ、プロデューサーさん、それは私の三時のおやつで」

P「緊急事態なんです!責任は取りますから協力してください!」

小鳥「プロデューサーさんが責任とるですって!?アロエヨーグルトです」サッ

P「ほら美希、氷水はもう飲み込んでいいからアロエヨーグルト食え」

美希「いただきますなの」モグモグ

P「…どうだ?」

美希「…ちょっとは良くなったかもだけど…まだなの」

P「…そうか」ガックリ

小鳥(プロデューサーさんが責任とってくれる…プロデューサーさんが責任とってくれる…ぐへへ)

P(小鳥さんには後で三個入りアロエヨーグルトを買ってあげよう)

P「そうだ、こんな時には専門家に聞こう!」

小鳥「専門家って…お医者さんってことですか?でもウチにお医者さんなんて」

P「いるじゃないですか!大病院の娘が二人も!」

小鳥「!?ちょっと、プロデューサーさんまさか」

P「おーい!亜美ー!真美ー!ちょっと来てくれー!」

亜美「な→に、兄ちゃん」

真美「真美たちに何か用→?」

P「ああ、じつはかくかくしかじかで」

亜美「まるまるうまうま…と。なるほど、そういうことなら!」

真美「この双海病院が誇るあやとり(※)コンビにお任せあれ!」(※跡取り)

小鳥「あっこれアカンパターンのやつや」

亜美「いい兄ちゃん。やけどは「火傷」と書くよね」

P「うむ」

真美「すなわちやけどは火、すなわち熱でできた傷である。ここまではOK?」

P「おう」

小鳥「あれ、意外にまとも…?」

亜美「そして古来より、傷ができたらまずやることは一つ!そう、」

真美「ツバをつける!だよ!」

美希「!!」

小鳥「信じた私が愚かだった…!いやいくら何でもそんなのは」

P「なるほど!その手があったか!」

小鳥「納得しただと!?」

美希(二人ともナイスなの!)

亜美(んっふっふ~、ミキミキには普段何かとお世話になってるからねぇ)

真美(ちょっとした恩返しってやつだよん♪)

P「よし美希、今すぐツバつけて治してやるからな!で、どこが痛いんだ!?」

美希「ハニィ…お口の中全部いたいの…」ウルウル

P「口の中だな!よし、今すぐ…ん?」

P「あれ?口の中なら別に俺のじゃなくても美希自身のツバでもいいんじゃ」

亜美真美美希「!!」

美希「いたたたた!お口の中いたぁい!二度と歌えなくなっちゃうの!」バタバタ

亜美「大変だよ兄ちゃん!早くしないとミキミキのお口が大ピチンだよ!」

真美「うあうあ~、考えてる暇なんてないよ~!さあ!ガバッと!」

P「お、おう!美希、今助けてやるぞ!」ガシッ

美希(やったの!)

ガチャッ





千早「………一体何をしていらっしゃるのですかプロデューサー」

美希「」

P「おお千早!いやな、美希が口の中をやけどしちまってな」

P「亜美真美に治療法を聞いて、今から実行するところだ」

千早「へえぇ…そうなんですか…」

亜美「」
真美「」

千早「ねぇ美希…口の中、見せてくれるかしら。私も口の中のケアに関してはちょっと覚えがあるの」

美希「あ、あはは…あの、ミキ、もう治ったかな~って」

千早「見 せ な さ い」

美希「は、はいなの!」

千早「ふぅん…なるほどね」

美希「あ、あの、ちはや…ひゃん」ギリギリギリギリ

千早「なぁに?」

美希「ミキ、そろそろアゴがいたいなぁって」ギリギリギリギリ

千早「あら、そう。で?」ニッコリ

美希「……ご、ごめんなひゃいなの」ギリギリギリギリ

千早「大丈夫そうじゃない。これならちょっと経てばよくなるわ」パッ

美希「ぷあっ!(死ぬかと思ったの)」

千早「なにか?」

美希「何でもないですなの」

千早「それじゃ、私は亜美真美たちとレッスンに行ってきますので」

P「おう」

亜美「」
真美「」

小鳥(…死刑台に登る人って、きっとあんな顔するんだろうなぁ)

美希「ハニィ、お騒がせしてごめんなさいなの」

P「全く驚いたぞ。まあ美希の口が治ってよかったよ」

P「さあ、せっかくだしおにぎり食べるか。もういい感じに冷めたろうし」

美希「はいなの!」


美希「あふぃ!」

P「えっ!?おにぎりはもう全部冷めてるのに」

美希「おみそ汁…あふぃの…」

終わり

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