白菊ほたる「私たちの」緒方智絵里「公式グッズを」藤居朋「考えよう!」 (43)


~事務所・会議室~


藤居朋「久々に来たわねこの部屋……」

緒方智絵里「はい……確か以前は冠番組が決まったというお話をいただいた時に使用した会議室で、少人数での話し合いのために円卓と4つの椅子がある部屋ですが1つの椅子だけが豪華で色々察することができるんでしたよね……」ペラペラ

白菊ほたる(誰に説明してるんでしょう……)


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前作
ほたる「始球式」智絵里「アンド」朋「野球観戦!」



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朋「ま、誰が来るのかは目に見えてるわね」

ほたる「はい……」

ガチャ

智絵里「ウワサをすれば、ですね……」

宮本フレデリカ「……」

朋「!?」

智絵里「!?」

ほたる「!?」

フレデリカ「!?」ビックリ

朋「本人も!?」


フレデリカ「……」トコトコ

朋(入ってきた……)

フレデリカ「……」ヨイショ

ほたる(椅子に座りました……)

フレデリカ「ふぅ……」

智絵里「……」

フレデリカ「……部屋間違えちゃった」ボソッ

3人「「「えぇ……」」」


フレデリカ「……」トコトコ

朋「……」

フレデリカ「……」ガチャ

智絵里「……」

フレデリカ「……」トコトコ

バタン

朋「……」

ほたる「……」

智絵里「……」

ガチャ

美城常務「すまない、待たせてしまったようだな。会議を始めよう」

朋「今のくだり必要だった!?」


常務「?」

朋「ああいや、なんでもないわ……」

常務「それは何よりだ……ん?」

ほたる「どうかしましたか?」

常務「なるほど、宮本がいたのか」

朋「え!?」

ほたる「ど、どうしてわかったんですか?」

常務「どうして? 言うまでもないだろう。香水だ」

朋「に、匂いで!?」

智絵里「わたしがカップラーメンを食べているのに!?」ズゾゾゾゾ

朋「何してるの!?」


智絵里「ごちそうさまでしたっ」

朋「どこに持ってたの……」

ほたる「ですが、フレデリカさんから香水を借りた誰か……という可能性もあったかと……」

常務「いや、それはありえない」

智絵里「いくら賭けますか?」

朋「ちょっと黙っててね」

常務「なぜならこの香水は、私が彼女に贈った物だからだ。宮本は他人からの贈り物は自身で使い切る人間だと私は知っている」

朋「なるほど……(よく見てるわね……)」

常務「では、無駄話はこれくらいにして」

ほたる「今日はどういった案件ですか?」

常務「雪合戦をしよう」キリッ

朋「直前の感心を返してよ」


常務「まずはこちらを見てくれ」サッ

朋「これは……」

智絵里「レトルトカレー……ですか?」

ほたる「表紙に未央さんが写っていますね」

常務「これは『本田未央のミツボシ☆カレー』という商品だ。具材が星の形に切られているのがウリだな」

朋「へぇ……よく考えられてるのね」

常務「味は3種類。まず『お子さんも安心の味!:甘口』」

ほたる「可愛い具材と相まって、よく売れそうですね」

常務「次に『いたって普通の味:中辛』」

朋「急に売り文句がド下手に」

常務「最後に『レトルトなんかに頼らず自炊したらどうですか?:辛口』」

朋「辛口ってそういうことじゃなくない?」


常務「本人は『この説明で売れるわけないじゃん!』と言っていたが……」

朋「そりゃそうでしょ……」

常務「バカ売れらしい」

朋「えぇ……」

智絵里「バカ(にたくさん)売れ(た)らしい?」

朋「智絵里ちゃん」

常務「今日も辛口が冴えているな……カレーだけに」ドヤッ

朋「いや全然上手くないし!」

常務&智絵里「HAHAHAHAHA!!!」

朋「もう帰っていい!?」


常務「さて、この度、我が社では、公式グッズの開発に力を入れるという施策を打つこととなった。このカレーのようにな」

朋「なるほど……」

常務「売り上げが見込めるのはもちろんだが、五月雨式に新商品を打ち出すことによって、既存の商品との同時購入も促していきたいと考えている。……まあこの辺りは経営判断にすぎない。聞き流してくれ」

智絵里「お給料には反映されますかっ?」

常務「聞き流してくれ」

ほたる「売れなくてもクビにはなりませんか……?」

常務「聞き流してくれ」

朋「そもそもこのカレーの売り上げはちゃんと未央ちゃんのお給料に反映されてるの?」

常務「聞き流してくれ」

朋「そこは答えてよ」


常務「真面目な話をすると、詳しい割合は言えないが給金には反映される」

朋(よかったわね未央ちゃん)

ほたる「詳しい割合を伏せるのは……?」

常務「ふむ……例えば、例えばの話だ。1000円の商品1つが売れると500円がアイドルに入るとしよう。ありえない率ではあるが」

朋「うん」

常務「その場合に、SNS等で『1つ売れると500円が私の手元に入ります。買ってください』と呟くなどの販促戦略を打ち出すアイドルが出てくるかもしれない」

朋(智絵里ちゃんやりそう……)

ほたる(智絵里さんやりそうですね……)

智絵里(その手があった……!)ポンッ

朋(良くない顔してる)


常務「それを健全なグッズ販売と考えることは難しい。ファンは擬似的に、アイドルに直接お金を渡していることになってしまう。もちろん、ライブも物販もCDも、売れるだけアイドルの懐が潤うことに変わりはないが……ここまで直接的な表現はよろしくない。よって、利益率等は明かせない。すまないが理解してほしい」

ほたる「それは仕方がありませんね」

朋「ま、そういうのをあたしたちが考えてもね」

智絵里「はいっ。お金よりもファンのみなさんのことを考えましょう¥」

朋「漏れてる漏れてる」


常務「ここまで言えば、この会議の目的がわかるだろう」

朋「なるほど、つまり……」

智絵里「この後みんなでカレーを食べに行こう、と……」

朋「よく今の流れでそこに着地させたわね!?」

常務「C◯C◯壱番屋の予約を4人で取ってある」

朋「準備の良さも気になるけどそもそも伏せ字になってないでしょ!」


常務「というわけで、君たち3人の公式グッズを作ることになった」

朋(”というわけで”で押し切られた……)

ほたる「どのような商品になるんですか?」

常務「そこを君たちに決めてもらいたい」

朋「え? 決まってないの?」

常務「ああ。自身の望まない商品を出されるのも嫌だろう。企画を途中で折られるよりも、むしろアイデア出しを本人にしてもらった方が手間が省ける。アイドル側としても悪くない流れだ」

朋「えっと、そのカレーも?」

常務「当然だ。本田の意見をほぼ、採用している」

智絵里「売り文句は……?」

常務「特に指定がなかったのでこちらで決めた」

朋「それこそ相談してあげなきゃダメでしょ」


常務「3人それぞれ1グッズずつと、ユニットで1つの計4つ。なるべく早めに1次企画案を提出してもらいたい。では何か質問は?」

ほたる「予算等の制限はありますか?」

常務「特には設けないし、その辺りは企画案をもらってから検討しよう。ただし、現実的な範囲で判断してくれ」

朋「ネット販売だけ? イベント開いて手売りとかしないの?」

常務「手売りか……モノによっては悪くないかもしれない。その辺りも案として記載してくれれば検討しよう。他には何か?」

智絵里「わたしと10分間おしゃべりできる権利を198000円で売りますっ!」

常務「ないならお開きにしよう」

朋「この後2人時間ある? どっかで話さない?」

ほたる「そうですね。早めに考え始めた方が安心です……」

智絵里「あの」

常務「この部屋を使っても構わないが」

朋「でもお腹空いちゃったのよね~」

ほたる「ファミレスかどこかに行きますか?」

朋「うん、そうしよっか」

常務「そうか。くれぐれも社外秘を漏らさないように」

ほたる「では、解散ということで……」

智絵里「な、なんでやねんっ!」ドゴォ

常務「照れ隠しに白菊を殴打するのはやめたまえ」

朋「照れ隠しにしては事件性高そうな音だったけど!?」


~ファミレス~


朋「じゃ、早速話し合いを……あ」グー

智絵里「も、もう、朋さんったら……あ」グー

ほたる「2人とも、そんなにお腹空いていたんですか……?」ホッホーウ!

朋「ほたるちゃんのお腹だけスーパーマリオみたいな音してるけど大丈夫?」


朋「と、ともあれ腹ごしらえからね! メニュー取って!」

智絵里「どうぞっ」ヒョイッ

朋「どれにしよっかな~。今日はパスタの気分かな~」

智絵里「いえ、わたしがパスタの気分です」

ほたる「いえいえ、私の方がパスタの気分ですよ」

朋「パスタの気分って重複NGだっけ?」

智絵里「わたしはこの”シェフの気まぐれベーコンと半熟卵のカルボナーラ”にしようかな……」

朋「別にいいけどシェフの気まぐれが入り込む余地少なくない? 食材まで指定されてるけど?」

ほたる「私は”気まぐれシェフの堅実ナポリタン”で」

朋「気まぐれにやらせてあげてよ。そうやって個性を殺すのよくないわよ」

智絵里「朋さんはどのシェフにしますか?」

朋「そもそもシェフを選ぶシステムに疑問を持って?」


朋「すいませーん」

「ただいま伺います!!!」

朋(やけに元気ね)

智絵里「朋さんはどれにするんですか?」

朋「んー、たらこスパゲッティにしよっかな」

智絵里「わたしの方がたらこスパゲッティですよ」

朋「たらこスパゲッティも重複ダメなの?」

日野茜「ご注文をどうぞ!!!!!」

朋「うわあ!?」


ほたる「あ、茜さん……!?」

茜「はい!!!」

朋「な、何してるの!?」

茜「職業体験です!!!」

朋「そ、そういう企画なの……? びっくりした……」

茜「さあ! ご注文を!!!」

朋「えっと……たらこスパゲッティを1つ」

茜「ご一緒にステーキはいかがでしょうか!!!」

朋「いらないけど!?」

茜「ええ!?」

朋「パスタのついでにステーキ頼む人見たことある!?」

茜「智絵里さんは!」

智絵里「わたしはカルボナー……」

茜「ご一緒にステーキはいかがですか!?」

朋「食い気味に」

智絵里「いりませんけど……」

茜「ほたるちゃんはっ!」

ほたる「……ステーキのAセットを」

智絵里(先打ちしてステーキを……!?)

朋(なんで心理戦始めてるの)

茜「ご一緒にステーキはいかがですか!!!」

朋「耳ついてる?」


茜「ご注文を繰り返します!!!」

朋「ちゃんとお願いね!」

茜「◀◀」ガガガガガ

朋「えっ巻き戻し!? そういうシステム!?」

茜「▶」ピッ

ほたる「えぇ……」

茜「ステーキ3つ!!!」

3人「「「頼んでない!!!!!」」」


~食事終了~


ほたる「料理は注文通り来てよかったですね……」

朋「美味しかったけども……」

智絵里「いつクビになるか、賭けませんか?」

朋「賭けごと好きすぎるでしょ」

ほたる「ではそろそろ、グッズの話をしましょうか」

朋「ようやく本題ね……」

智絵里「本題までに5000文字も使って何をしてるんですか?」

朋「智絵里ちゃん」


朋「えっと、じゃ、とりあえずユニットグッズは後にして、それぞれのグッズを考えよっか? 何か案ある?」

智絵里「はいっ!」ビシィ

朋「ふ、不安だけど……」

智絵里「『黄金の等身大智絵里像(2980円)』ですっ!」ババーン

朋「またそんなどこに需要があるのかわからな安っっっっっっ!!!!!」

ほたる「採算も取れず需要も見込めない……。センスがありませんね……」

智絵里「むっ! じゃあほたるちゃんはさぞセンスがある商品が浮かんでるんだよね?」

朋「えっと、じゃあほたるちゃん?」

ほたる「はい、私はこの」

朋「『植木鉢』って単語が出てきたらその時点で終了ね」

ほたる「……どんなときも私らしくsmilling過ごしたいな 梢からは木漏れ日エメラルドガーデン」ボソボソ

智絵里「虚ろな目でライラックタイムを呟き始めましたね……」

朋「ご、ごめんって!」


智絵里「では、朋さんは何か案はありますか?」

朋「ふっふっふ~……よくぞ聞いてくれました!」

智絵里(えっなんですか今の「ふっふっふ~」超カワイイ録音しておけばよかった)

ほたる(ぬかりありません)

智絵里(ぐっじょぶほたるちゃん!)

ほたる(後で送っておきますね)

智絵里(今日の晩ご飯は期待してていいよ)

ほたる(わぁい)

朋「聞いて!!!!!!!」


朋「あたしはこれがいいなって!」ガサゴソ

ほたる智絵里「?」

朋「星座早見盤! ……これはあたしが個人的に使ってるやつだけど」

ほたる「あ……理科の授業で使った記憶が……」

朋「そうそう! 日時と方角を合わせて夜空を見たら、その時に見える星座がわかるのよ! 星占いにピッタリ!」

智絵里「ここで”星座早見盤って何だっけ……?”という人がググるためにちょっと時間を取ります」

朋「誰に言ってる???」



智絵里「はい。でも、朋さんらしくていいですね……!」

朋(平然と再開した……)

ほたる「私もそう思います。ですがこの早見盤……けっこう使い込まれているというか……」

朋「あはは……これね、あたしがまだ小学生くらいの時に買ってもらったやつなんだ」

智絵里「そうなんですか?」

朋「毎日これを持って夜空を見上げてさ? 風邪ひいて怒られちゃったなあ……。こっちにも持ってきたんだけど、流石に都会は星が見えにくくって、ちょっと凹んじゃったりして」

ほたる「……」

朋「これならそんなに値段も高くならないし、ついでに星占いにも興味持ってくれれば一石二鳥! どうかな!」

智絵里「良い話すぎて笑いに繋がりません……」

朋「別にいいでしょ!!!」


朋「じゃ、あたしのは決定でいいかな?」

ほたる「はい。空を見上げるクセをつければ、何か墜落してきても観念する時間ができますからね」

朋「早見盤で死ぬまでの猶予を稼ぐのは想定してないかな」

智絵里「はいっ! 思いつきました!」ビシィ

朋「不安はぬぐえないけど……」

智絵里「名付けて『ちえりんのツインテカチューシャ』です!」

朋「おおー?」

智絵里「ご想像の通り、わたしのこのツインテールがカチューシャにくっついてるんですっ」ピョコピョコ

朋(動いてる……)

ほたる「でも、買うであろう私たちのファンは男性が多いですが……」

智絵里「……」

朋「……」

ほたる「……」

朋「や、やめよっか」ゾゾゾ

智絵里「そ、そうですね」ゾゾゾ


智絵里「思ったより難しいですね……」

朋「とはいえ物販でツインテカチューシャを売るわけにはいかないし……」

智絵里「わたしらしさって何でしょう……。わたしには……何も……」

朋「え? そんなに? アイデンティティが揺らぐような流れだった?」

ほたる「そ、そんなこと言わないでください!」

智絵里「ほたるちゃん……」

ほたる「智絵里さんには……その……いろいろ、ありますよ! いろいろ!」

朋「励ます気持ちはいいけど語彙力」

智絵里「ありがとうほたるちゃん……」ホロリ

朋「ちょろい……!」


ほたる「智絵里さんといえばやはり、四つ葉のクローバーが浮かびますよね」

朋「クローバーをあしらったモノとか、あったらいいんだけど」

智絵里「なるべく実用性もあればいいんですが……」

ほたる「あっ」

朋「おっ、何か浮かんだ?」

ほたる「扇風機……とかどうでしょう? ハンディタイプの」

朋「いいと思うけど……本体にクローバーをあしらうの?」

ほたる「いいえ。クローバーは……」

智絵里「あ! プロペラ?」

ほたる「はい、四枚の羽根をクローバーの葉の形にするんです」

朋「なるほど! それならかわいいし実用的ね!」

智絵里「そして一番強い風量にすれば、回転するプロペラが武器にもなる!」

朋「言ってない!」

ほたる「はい!」

朋「はい!?」


朋「じゃあ智絵里ちゃんのも決定ね」

ほたる「値段も、そこまでにはならないでしょう」

智絵里「じゃあ、わたしのを考えてくれたお礼に、ほたるちゃんのを考えてあげるねっ」

ほたる「ダイジョーブ博士の手術くらい期待してますね」

朋「ほとんど信じてないやつだ」

智絵里「はいっ!」ビシィ

朋「威勢はいいのよね」

智絵里「白菊印のAEDを売りましょう」

朋「自動体外式除細動器」


朋「あれ個人が所有するものじゃないし!」

智絵里「お手軽☆全身麻酔キットも考えたんですが」

朋「麻酔は手軽にやるものじゃないから!!」

智絵里「ダイジョーブですよっ」

朋「だからカタカナだと不安しかないのよ!!」


智絵里「ですが、ほたるちゃんのファンなんてどうして生きながらえているのか不思議なほど不運と聞きますし……」

朋「もうちょっと言い方なかった?」

智絵里「あっ!」

朋「どうせろくでもないアイデアでしょ!」

ほたる(もう少し言い方あるのでは……)

智絵里「ヘルメット!」

朋「へ、ヘルメット!?」

智絵里「そうです! これでライブ中に怪我人が出なくなって、訴えられる回数も減ります!」

ほたる「もともと訴えられてないですが」

智絵里「どうかな? どうかな?」キラキラ

朋(あ、渾身のアイデアなんだ)

ほたる「でも実際、悪くないと思いますよ……?」

智絵里「わぁい」

朋「さっきからそれ2人とも可愛くてずるい」


ほたる「では最後にユニットグッズですが……」

朋「これは、普通にマフラータオルとかでいいんじゃない?」

ほたる「そうですね。もしかしたらタオルを振り回す曲とかも歌えるかも……」

智絵里「いえ……甘いですっ!」

朋「へ?」

ほたる「?」

智絵里「もっと、わたしたちのように強いタオルにしましょう!」

朋「強いのはほたるちゃんだけよ?」

智絵里「まず、なんか強い素材を編み込んで、銃弾も防げるようにしますっ」

朋「さっきから非日常の想定が多すぎない!?」

智絵里「さらに特殊繊維により、熱を完全にシャットアウトっ」

ほたる「いくらになるんでしょうか……」

智絵里「吸水性にも優れて、あなたの涙も拭き取りますっ」

朋「なんか楽しくなってきてない?」

智絵里「さっそく常務に掛け合ってみましょう!」ダダダ

ほたる「あっ、智絵里さんっ」

朋「ま、待って! あ、お会計お願いします!」

茜「ステーキ3つで60000円です!!!!!」

朋「だから頼んでな高っっっっっっ!!!!!」


~事務所~


常務「素晴らしい。全て承認しよう」

智絵里「わぁい」

ほたる「わぁい」

朋(ええ……)


常務「早速だが、企画部に回そう。順調に進めば、君たちの次のイベント……野外ライブだったか。には間に合うだろう」

朋「相変わらず仕事が早いわね……」

常務「楽しみにしていてくれ」

智絵里「ありがとうございますっ」

朋「そういえば、卯月ちゃんとか凛ちゃんはグッズ出してないの? 未央ちゃんは聞いたけど」

常務「当然ながら出している。島村は『わくわく世界征服キット』で」

朋「わくわく感が微塵も感じられない」

常務「渋谷は『おはな』」

朋「おはな」


~しばらく後・野外ライブ~


智絵里「はい! 今日はみなさん、来てくれてありがとうございますっ!!」

朋「わぁ……みんなヘルメット被ってる……なんだこれ……」

ほたる「朋さん、漏れてますよ」

朋「はっ! ごめんごめん。今日から販売のグッズ、買ってくれてありがとー!」

智絵里「星座早見盤も、ちゃんとみなさん買っているみたいですよ」

朋「大事にしてね!」

ほたる「あ、ちょうど野外ライブですし、せっかくだから空を見上げてみるのはどうでしょうか?」

朋「いいわね! じゃあみんな、早見盤を持ってる人は準備してみて!」

智絵里「えっと、日付と……」

朋「ちょうどステージの方が北ね!」

ほたる「わあ……星が見えます……」

朋「おおー! 晴れててよかったわ!」

智絵里「はい……あれ?」

朋「え? どうかした?」


智絵里「あの……なんか、赤い点が……たくさん……?」

朋「……た、確かに……?」

ほたる「あれは……?」

ガヤガヤ

朋「あれ? なんかスタッフさんたちが騒がし……」

智絵里「はっ! あれ、モニターに……緊急ニュース?」

「速報です! たった今、地球に小型の隕石が突入!」

朋「えええええええ!?」

「大気圏突入時に無数に分裂! 該当区域の住民は、降り注ぐ隕石に注意してください!」

朋「えええええええ!?」

「落下予測地点、出ました!」パッ

智絵里「これは……」

ほたる「この会場ドンピシャですね」

朋「えええええええ!?」

智絵里「死ぬまでの猶予ができましたね」

朋「冷静なのおかしくない!?」

ほたる「ですが、1つ1つは小さいようです。 みなさん! ヘルメットを被って、屈んでください!」

朋「これ防災イベントだっけ!?」

ほたる「朋さんもこれを被って屈んで!」

朋「いや頭だけじゃ足りな」

ズガガガガガガガガガガガガガガガガ

朋「きゃああああああああああああ!!!!」

………………

…………

……



~~~~~


ほたる「はい、というわけでライブを再開します」

朋「いやいやいやいや!!! 何でみんな無事なの!?」

智絵里「ヘルメットがありましたし……」

朋「明らかに守備範囲足りなかったでしょ!?」

ほたる「怪我人もいなかったようです」

朋「会場はこんなにボロボロなのに!?」


智絵里「でも、なんだか熱いですね……」

ほたる「あ……そこら中に転がっている熱を持った小さな隕石が、会場の温度を上げているのかも……」

朋「ええ!? や、やっぱり中止に」

智絵里「いえ、みんなでクローバー扇風機を最大出力にしましょう!」ブオオオオオオオ

朋「どうしてこうも都合よく役立つの!?」

ほたる「落ちている隕石は、ぜひお土産に持ち帰ってくださいね」

朋「いやいや、会場の温度を上げるくらいの熱い石なのよ!? そんなの、熱を完全にシャットアウトするような特殊な布とかが……なきゃ……」

智絵里「ニッコリ」

朋「……」

ほたる「……」

智絵里「……」

朋「こうなりゃヤケクソよ!!! ライブを始めるわ!!!!!」

みんな「わぁい」

朋「そういうのどこで覚えるの!!!!!」


~~~~~


ほたる「次が、最後の曲になります」

朋「はぁ……はぁ……」

智絵里「朋さん、気合入ってますね……」

朋「いつ死ぬかもわからないからね……!」

ほたる「では、早速……あれ?」

朋「……どうしたの?」

智絵里「空なんて見上げて……?」

ほたる「何か、大きな……」

朋「え?」

「緊急速報です!」

朋「また!?」

「さらに1つ、隕石が墜落中! 先ほどとは違い、1つ隕石のままです! 大きさは直径1メートルほどでしょうか!」

朋「えええええええ!?」

智絵里「ひ、光が、大きくなってきます……!」

ほたる「朋さん」

朋「な、なに!?」

ほたる「ライブの打ち上げ、美味しいお店を探しといてくださいね」

朋「なんで今言ったのー!!!!!」


ズガァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!


朋「ほたるちゃん!!!!!!!!!」



おわり






過去作


藤居朋・本田未央・橘ありすの苦労人シャッフル逆回転

日野茜「よいお年を文香ちゃん!!!」鷺沢文香「もう明けています……」

関裕美「0点の笑顔をあなたに」

鷺沢文香「茜さんの空想探査計画」


などもよろしくお願いします



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年02月15日 (木) 07:11:04   ID: -IfEp0r6

さすがに隕石は・・・いや、ほたるなら・・・!

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