刃牙「親父ィ……仮想通貨ってなんだい?」勇次郎「!?」 (24)

― 刃牙の家 ―

刃牙「さ、メシにしようぜ」

勇次郎「うむ」


モニュ… サク… ゴク… パク… モニュ… ソボ…


刃牙「フゥ~……食った食った」ゲフッ

勇次郎「…………」ペコッ

刃牙「そうだ。親父に会ったら、聞きたいことがあったんだ」

勇次郎「なんだ?」

刃牙「親父ィ……仮想通貨ってなんだい?」

勇次郎「!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517485475

勇次郎「なぜ、そんなことを……?」

刃牙「近頃、テレビで仮想通貨ってのが話題になってるけど、俺はどんなものか全く知らなくてさ」

刃牙「親父は俺と違ってアタマいいし……もしかしたら知ってるかと思って」

勇次郎「フンッ……あんなもん、ガキが手を出すシロモノじゃねェ」

刃牙「もちろん、手を出すつもりなんかないよ」

刃牙「ただ、どういうものかってことぐらいちゃんと知っておきたくてさ」

勇次郎「下らねェ……」

勇次郎「そんなことはクラスメイトにでも聞けばいいだろう」

刃牙「俺は親父に聞きたいんだよ」

刃牙「分からないことがあったら親に聞くのは子供の特権だろ?」

勇次郎「甘ぇな。自分で調べもせず、他人に聞くってのはマナー違反てもんだ」

勇次郎「図書館でも行きゃあ、『分かりやすい仮想通貨』みてェな本があるだろう」

勇次郎「それで勉強しな」

刃牙「……親父」

刃牙「もしかして、親父も……仮想通貨についてあまり理解(わか)ってないとか?」

勇次郎「!?」



勇次郎「…………」ミキ…



刃牙「~~~~~~~~~~ッッッ!!!」

刃牙(同じだ……俺が鞭打を喰らわせた時と同じ貌(かお)だッ!)

勇次郎「そんなワケ……なかろう」

刃牙「じゃあ教えてくれよ」

勇次郎「いいだろう……」

勇次郎「見せてやる……仮想通貨をッッッ!!!」

刃牙(えっ、今この場で見られるようなモンなの!?)

勇次郎「俺の指をよォ~く凝視(み)ていろ」

刃牙「ウン……」ジッ

勇次郎「…………」



モワァ~……



刃牙「…………ッッ」

刃牙(こ、これは……ッ!)

勇次郎「どうだ」

勇次郎「見えるか」ヒラ…

刃牙「スゲ……」

刃牙(み、見える……ッ! 親父の指につままれた一万円札がハッキリ見える……ッ!)

刃牙(地上最強のイメージ力は、こんなことも可能なのか……ッ)

勇次郎「こいつをお前にやろう」ヒュッ

刃牙「おっとと」

勇次郎「近くのコンビニにでも行って、こいつを使用(つか)えるか試してこい」

刃牙「…………」ゴクッ

― コンビニ ―

刃牙「スイマセ~ン」

店員「いらっしゃいませ!」

刃牙「あの、このお札……ここで使用(つか)えます?」

店員(ゲ、万札かよ。勘弁してくれよ)

店員「はい……もちろん使えますけど」ニコッ

刃牙「…………ッッ」

刃牙「ドモ……」スタスタ

店員(なんだよ、冷やかしかよ)

刃牙(ナ、ル、ホ、ド~~~~~ッ!!!)



これが――仮想(エア)通貨ッッッ

― 刃牙の家 ―

刃牙「さっきは、仮想通貨を知らないンじゃないの、なんていってゴメン」

刃牙「おかげで仮想通貨がどんなもんかよく理解(わか)ったよ」

勇次郎「ウム……」

勇次郎「ただし、仮想通貨ってのはいつどこで価値がなくなるかワカらねェ……」

刃牙「たしかに……タヌキが葉っぱで作ったお札みたいなもんだしね」

勇次郎「だから、オメェは手を出すんじゃねェ。これは父親としての忠告だ」

刃牙「うん……そうする。さすがにイメージで買い物はマズイもん」

刃牙「ありがとう……親父!」

勇次郎「…………」

……

……

― アリゾナ州立刑務所 ―

オリバ「これはこれは……なんの用だ、オーガ」

勇次郎「ケッ、相変わらず大げさな蔵書だ」

オリバ「君こそ相変わらず手厳しいな。で、まさかそれだけを言いにきたのではあるまい?」

勇次郎「まァな……オメェの蔵書(コレクション)を見込んで頼みがある」

オリバ「なんだね?」

勇次郎「『分かりやすい仮想通貨』みたいな本があったら、貸して欲しいんだが……」

オリバ「へ?」







― 終 ―

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom