絵里「体育倉庫に閉じ込められた」 (54)
絵里「どうするのよ?」
凛「どうするって言われても…」
穂乃果「穂乃果が教えて欲しいくらいだよ」
絵里「まさか…あなた達二人と閉じ込められるとは…」
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~30分前~
絵里「よいしょっと」
穂乃果「絵里ちゃ~ん」
凛「何やってるの~」
絵里「あら?穂乃果、凛」
穂乃果「それ…何運んでるの?」
絵里「え?ああ…先生に頼まれてね。体育倉庫に片付けに」
凛「へ~。昼休みなのに大変だね」
絵里「まあね。あなた達は何してたの?」
穂乃果「お昼にしようかなと思ってさ。中庭に行こうとしたら凛ちゃんと会って」
凛「凛もお昼にしようとしてたんだ。真姫ちゃんが今日は部室で食べようって言うから今から行く所だったんだ」
絵里「そうだったの?」
穂乃果「うん。絵里ちゃんはお昼食べたの?」
絵里「まだだけど…」
穂乃果「じゃあさ、今日は穂乃果達と一緒に食べようよ」
凛「え~凛も一緒に食べたいなぁ」
穂乃果「この際今日は皆んなで部室で食べちゃう?」
凛「あっ!それがいいにゃ」
絵里「ふふっ。じゃあ、これ運んだらね」
穂乃果「じゃあ、手伝うよ」
凛「凛も手伝うにゃ」
絵里「いいの?お昼休みが短くなっちゃうわよ?」
穂乃果「別にいいよ。どうせ午後は数学からだし」
絵里「どう言うことよ…それ…」
穂乃果「まあまあ、体育倉庫だよね?よーし、運ぶぞ~」
凛「テンション上がるにゃ~」
絵里「テンション上がるだ…」
絵里「そして、倉庫に閉じ込められると…」
穂乃果「まさかだよね~」
凛「ね~、こんな事って本当にあるんだね」
穂乃果「ね?漫画見たい」
絵里「閉じ込められたって言うのに随分と楽しそうね…。まさか、あなた達のイタズラじゃ…」
穂乃果「ええ?違うよ」
凛「手伝ったのに疑われるの?」
絵里「そ、そうね。悪かったわ」
穂乃果「まあ、そのうち誰かしら開けてくれるよ」
凛「そうだよ。昼休みなんだし」
絵里「はあ…そうね。心配してもしかたないし」
穂乃果「そうだよ。夏じゃなくて良かったと思わなきゃ」
グゥ~
穂乃果「あはは…お腹空いたね」
絵里「お昼食べてないものね」
凛「凛、お弁当持ってるにゃ」
穂乃果「穂乃果も持ってるよ。ここで食べる?」
凛「なんか新鮮だね」
穂乃果「絵里ちゃんは…持ってきてないの?」
絵里「私のは教室に置きっ放しなの」
穂乃果「あっ、じゃあちょうど良かったかも」
絵里「え?」
穂乃果「実はさ、今日お弁当が三つあるんだよ」
絵里「三つ?どうして?」
穂乃果「どうしてかと言うと。今日は穂乃果の当番だから」
凛「穂乃果ちゃんの当番?」
穂乃果「そう!ことりちゃんと海未ちゃんとお弁当作りっこしようって話になって。昨日は海未ちゃんが作ってきてくれて一昨日はことりちゃんが作ってきてくれたから今日は穂乃果の番だったんだよ」
絵里「へ~、あなた達そんな事してたの?」
穂乃果「普段はしないよ?今週だけだけ」
凛「穂乃果ちゃん、お弁当なんて作れるの?」
穂乃果「うん。こう見えて和菓子屋の娘だよ?」
絵里「それは関係あるのかしら?」
穂乃果「あるよ。取り敢えずさ、ここでお昼にしようよ。絵里ちゃん食べていいから」
絵里「じゃあ…頂こうかしら」
穂乃果「ちょっと待っててね。はい。食べていいよ」
絵里「ありがと。まさか、穂乃果の手作り弁当を食べる日が来るとはね」
凛「絵里ちゃんいいなぁ~」
穂乃果「凛ちゃんも食べていいよ?」
凛「でも、凛は持ってきてるから」
穂乃果「じゃあ、食べれたら食べなよ」
凛「うん」
絵里「ハラショー!美味しそうじゃない。気合い入ってるわね」
穂乃果「でしょ?ねえねえ、卵焼き食べてみて?」
絵里「ええ…パクっ。ん~、美味しい!」
穂乃果「でしょ?前に作った時も海未ちゃんに褒められたんだよ!今日も海未ちゃんが喜ぶかなと思った作ったの」
絵里「そう。海未が…」
穂乃果「うん。海未ちゃんにも食べて欲しかったなぁ」
絵里「ねえ?って事は…海未とことりはお弁当持ってきてないのよね?」
穂乃果「だろうね」
絵里「待ってるんじゃないの?」
穂乃果「え?」
絵里「穂乃果のお弁当…。待っているんじゃ…」
穂乃果「あっ…で、でもまだ一つ残ってるし」
キーンコーンカーンコーン
凛「海未ちゃんとことりちゃんお昼抜きかな?」
絵里「そうなるわね。って言うか昼休み終わっちゃったけど…」
穂乃果「本当だ…。授業始まっちゃうね」
絵里「そ、そうね。ど、どうしましょう」
凛「絵里ちゃん。落ち着いた方がいいよ」
絵里「そうだけど」
穂乃果「焦っても別に助かる訳じゃないし。気楽に行こうよ」
凛「そうだよ。そのうち誰来るから」
絵里「こう言う時羨ましいわ。あなた達のそう言う性格」
~一時間後~
絵里「あれから一時間…」
穂乃果「誰かぁぁぁぁ。助けてぇぇぇぇ」ドンドンドン
凛「凛達閉じ込められてるにゃぁぁぁ」ドンドンドン
絵里「ちょっと、二人とも…落ち着きなさい」
穂乃果「無理だよ。もう一時間も閉じ込めれてるんだよ?」
凛「この後も誰も来なかったらどうするにゃ。凛達死んじゃうにゃぁぁぁ」
絵里「まだ一時間じゃない。この後体育の授業だってあるかもしれないし。部活の時間になればバスケ部とかバレー部が開けに来るわよ」
穂乃果「来なかったらどうするのさぁぁぁ」
凛「そうにゃ。そうにゃ。絵里ちゃん気楽に考え過ぎにゃ」
絵里「あなた達…さっきと言ってる事が逆じゃない…」
凛「羨ましいしいにゃ。こんな状況で落ち着いてられる絵里が羨ましいにゃぁぁぁ」
絵里「そんな騒いでも体力を消耗するだけでしょ?」
穂乃果「グスッ。うぅ…グスッ。来世では絶対に体育倉庫に閉じ込められない様にする。グスッ…ついでに勉強も得意になる」
絵里「今世で頑張りなさいよ。ほら、泣かないの」
穂乃果「だってぇ。このままじゃ穂乃果達…」
凛「凛聞いた事あるにゃ。イジメられてた女子高生が体育倉庫に閉じ込められてそのまま助けられず夏休みを迎えて…」
穂乃果「そ、それって」
絵里「ば、バカね…そんな事あるわけないでしょ?新聞沙汰よ」
凛「こ、怖いにゃ」
穂乃果「凛ちゃんが自分で話し出したんじゃん」
凛「しょうがないじゃん。思い出しちゃったんだもん」
穂乃果「自分の中で留めておいてよ!」
絵里「やめなさい。喧嘩はやめなさい。こんな状況で喧嘩してどうするの?」
穂乃果「だって」
絵里「私達三人しかいないのよ?仲良くやらなきゃ」
穂乃果「うん。そだね」
凛「絵里ちゃんの言う通りにゃ…。ごめんね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「ううん。穂乃果も…ごめん」
絵里「ふふっ、落ち着いた?」
凛「うん」
穂乃果「やっぱり…流石絵里ちゃんだよ」
絵里「ふふっ」
ガタン
穂乃果「え?」
凛「な、なんの音?」
絵里「さ、さあ?」
穂乃果「あっちの方から音がしたよね?」
凛「う、うん」
ガタガタ
絵里「い、いやぁぁぁぁぁ」
穂乃果「え、絵里ちゃん…落ち着いて」
ガタガタ
凛「な、何かいるにゃ」
絵里「いやぁぁぁぁ」
「ん…んん…何よ…うるさいわね…」
穂乃果「え?今の声…」
絵里「いやぁぁぁぁぁ」
凛「絵里ちゃん落ち着くにゃぁぁぁぁ」
穂乃果「にこちゃん?」
にこ「ん?穂乃果?」
凛「え?にこちゃん?どうして?」
絵里「いやぁぁぁぁぁ」
穂乃果「絵里ちゃん落ち着いて。にこちゃんだよ」
絵里「いやぁぁぁ…え?にこ?」
にこ「ちょっと…どう言うことよ?」
穂乃果「いや、こっちが聞きたいよ。どうして、にこちゃんがこんな所にいるの?」
にこ「えっと…確か…体育の授業の片付けをしてて…」
穂乃果「閉じ込められたの?」
にこ「違う…えっと…そうだわ。足を滑らせて頭を打ったのよ」
凛「え?それで気絶してたの?」
絵里「それって軽い事件よ?」
にこ「いや…気絶してたって言うか。昨日寝不足で…」
穂乃果「寝てたの?」
絵里「信じられない」
凛「どう言う神経してればそうなるの?」
にこ「仕方ないじゃない。私だって色々あるのよ。って言うかあんた達こそ何してるのよ」
穂乃果「まあ…色々あって。閉じ込められちゃったんだよ」
にこ「どうしてそうなるのよ」
絵里「私達が聞きたいくらいよ」
にこ「体育倉庫に閉じ込められる人間とか本当にいるのね。初めて聞いわ。馬鹿ね」
穂乃果「いや…にこちゃんも閉じ込められてるんだよ?」
にこ「は?」
穂乃果「だから、にこちゃんも閉じ込められてるんだからね」
にこ「いやいや…え?」
凛「当たり前にゃ。凛達と一緒にいるんだから」
にこ「た、確かに…」
穂乃果「もう、かれこれ一時間は閉じ込められてるんだよ」
にこ「ちょっとぉぉぉぉ。誰かぁぁぁぁ。開けてぇぇぇぇ」ドンドン
穂乃果「に、にこちゃん、落ち着いて」
凛「静かにするにゃ」
絵里「余計な体力が消耗するわよ」
にこ「バカなの?この状況で落ち着いてられる訳ないでしょ!閉じ込められてるのよ?このままずっと助けが来なかったら…」
絵里「そんな事あり得ないから。授業とか部活で絶対に開けるから」
にこ「た、確かに…」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「あっ、またチャイムが鳴った」
凛「もう五時限目かにゃ~」
にこ「え?もう五時限目なの?」
穂乃果「だと思うよ?穂乃果達が閉じ込められたのお昼休みだもん」
にこ「え?もう二時間くらい経つの?」
穂乃果「うん」
凛「にこちゃんっていつから居たの?」
にこ「え?体育の授業が二時限目だったから…」
穂乃果「え?そんなに?」
凛「その間ずっと寝てたの?」
にこ「そ、そうよ。悪い?」
絵里「悪いって言うか…。だいたい寝不足って昨日何してたのよ?」
にこ「別に…いいじゃない」
穂乃果「え?なんで隠すの?」
にこ「別に隠してる訳じゃ」
絵里「何?やましい事でもあるの?」
にこ「違うわよ」
絵里「じゃあ、何で隠すのよ」
にこ「別に」
絵里「怪しい…」
にこ「昨日はママの帰りが遅かったから家の事とかやってたのよ。虎太郎も中々寝付いてくれなくって」
絵里「え?あっ…そうなの…」
にこ「そうよ」
穂乃果「にこちゃん…偉い…」
絵里「ご、ごめんなさい。にこの事だからてっきり遅くまでネットでも見てたのかと」
凛「ね。凛もそう思った」
にこ「なんでよ!」
穂乃果「取り敢えず…お弁当食べる?お腹空いてるでしょ?」
にこ「何であるのよ?」
穂乃果「まあ…食べなよ。それでにこちゃんのお腹が満たされるならことりちゃんも本望だと思うよ」
にこ「は?どういう事よ?」
にこ「結構美味しいじゃない」
穂乃果「でしょ?美味しいでしょ?」
にこ「まあ…まだまだ、私の足元にも及ばないけどね。星三つって所かしら」
絵里「それって満点よ?」
にこ「え?」
凛「今頃みんな授業受けてるのかなぁ」
にこ「欠席扱いかしら?」
穂乃果「訳を言えば…ダメかな?」
絵里「あーーーっ!?」
穂乃果「え?何?」
にこ「どうしたのよ?」
絵里「しまった。今日五時限目の終わりにノートを集めて職員室に持って行くように言われてるんだったわ」
穂乃果「え?絵里ちゃんが?」
凛「絵里ちゃんって雑用係なの?」
絵里「違うわよ。今日日直なのよ。はあ…頼まれてたのに」
にこ「仕方ないじゃない。誰か代わりにやってくれてるわよ」
絵里「だといいんだけど…希に連絡しとこうかしら」
にこ「どうやってするのよ」
穂乃果「携帯貸そうか?穂乃果持ってるよ?」
絵里「本当?助かるわ」
穂乃果「ちょっと待ってね。スクールバックの中に入ってるから」
絵里「そっか。お弁当が三つもあったからスクールバックに入れて運んでたのね」
穂乃果「うん。そうなんだよね。ラッキー、ラッキー。はい、携帯。ロックしてないから」
絵里「ありがとう。えっと…希…希っと」
にこ「東條でしょ?な行じゃなくてた行よ」
絵里「あっ、そうか」
穂乃果「いや、希ちゃんはのんたんで登録してあるから」
絵里「あっ、そうなの?」
穂乃果「うん」
にこ「何で?」
穂乃果「さあ?」
凛「ねえ?絵里ちゃん」
絵里「何?」
凛「あのさ」
絵里「ちょっと待ってて。今希に連絡するから。自分のスマホじゃないと使い方がイマイチ…」
にこ「そんなに変わらないでしょ?」
穂乃果「穂乃果がやろうか?」
凛「ねえってば」
絵里「凛。ちょっと待って。あっ!?」
にこ「何?」
絵里「電池が…」
穂乃果「え?電池切れ?」
絵里「ええ…」
にこ「早くない?まだ夕方にもなってないのよ?」
穂乃果「昨日充電しなかったから…」
絵里「なんてタイミングの悪い」
にこ「大丈夫よ。誰か代わりにやってくれるわよ」
穂乃果「そうだよ。絵里ちゃんは心配性だなぁ」
絵里「う~ん…そうね」
凛「……」
穂乃果「ん?凛ちゃん?どうしたの?」
にこ「何よ?その顔は?」
絵里「どこか具合でも悪いの?」
凛「……何でもないにゃ~」
穂乃果「え?何それ?」
にこ「本当、あんたはいつも楽しそうで良いわよね」
絵里「そこが凛の良い所なのよ」
凛「……」
にこ「さて…どうするのよ?」
絵里「そうね。今五時限目って事は…後一時間もすれば…」
凛「後一時間かぁ…」
穂乃果「長いね…」
にこ「何もないものね。ここ…」
凛「何か面白いものないかな?」
穂乃果「体育倉庫だから暇つぶしになるものあるかもしれないね」
絵里「コラッ!散らかしちゃダメよ?」
凛「あっ!これ何だっけ?」
穂乃果「え?何これ?」
にこ「羽?何?」
絵里「あ~これは…インディアカで使うインディアカボールよ」
穂乃果「インディアカ?」
にこ「全然ボールに見えないけど」
凛「これは?」
絵里「それはクリケットのバットじゃない?」
にこ「クリケット?」
穂乃果「なんか聞いた事ある様なない様…」
絵里「インディアカもクリケットも日本じゃマイナーだものね」
にこ「なんでそんな物が音ノ木坂にあるのよ…」
凛「あっ!?」
にこ「今度は何よ?」
穂乃果「珍しい物あった?」
凛「うん…」
絵里「どれ?」
凛「なんかお札が貼ってあるにゃ…」
絵里「え?いっ…イヤァァァァ」
にこ「う、うるさっ」
穂乃果「凛ちゃん…見なかった事にしよう」
凛「そうだね」
絵里「グスッ…もう嫌ぁ」
穂乃果「絵里ちゃん…大丈夫だよ。きっと、あれだよ。呪いとかじゃないよ。うん、おしゃれかなんか?インテリア的な?」
にこ「インテリアって…」
凛「こういう時は気にしたら負けにゃ」
絵里「もう…ぶっちゃけ言うけど…」
穂乃果「うん」
絵里「私…ああ言うの苦手なの。怖いの」
穂乃果「うん。知ってる」
にこ「今更なんだけど」
絵里「大嫌いなの…お化けとか」
凛「好きな人のが珍しいよ?」
絵里「強がってるけど…今も正直怖いのよ」
にこ「強がれてないわよ?はあ…仕方ないわね。じゃあ、楽しい話でもして気を紛らわせましょうよ」
穂乃果「昨日のテレビ見た?お笑いのやつ」
にこ「見た見た!面白かったわよね」
凛「凛見たにゃ」
絵里「私も見たわ」
穂乃果「凄かったよね?」
凛「うん。どうしてああ言う風になるんだろうね?」
にこ「プロだからじゃない?」
絵里「でも…」
~一時間後~
穂乃果「でさ、海未ちゃんたら新作のポエムが出来る度に穂乃果とことりちゃんに見せに来てさ~」
にこ「プッ、なによそれ。海未ってポエマーだったの?」
凛「その時の海未ちゃんに会ってみたいにゃ」
穂乃果「そうなの。海未ちゃんってポエマーだったの。詩集作ってたんだから。でも、そのお陰でμ’sの曲が出来てるんだけどね」
絵里「海未はどんな詩を作ってたの?」
穂乃果「えっと…海の詩が多かったよ。海未ちゃんだけに」
にこ「あはは、そのままじゃない」
~二時間後~
キーンコーンカーンコーン
にこ「ねえ?もうとっくに授業終わってるわよね?」
凛「誰も来ないね」
絵里「おかしいわね。部活で使うと思うんだけど…」
穂乃果「あっ!」
にこ「何よ?」
穂乃果「部活ないのかな?」
絵里「そんな事ないでしょ」
穂乃果「でもさぁ…誰も来ないのっておかしくない?」
絵里「も、もうちょっと待ってれば誰か来るわよ」
~三時間後~
にこ「ちょっと…誰も来ないじゃない。どうなってんのよ。ねえ?おかしいでしょ?」
凛「そんなの知らないにゃ。凛が聞きたいにゃ」
穂乃果「絵里ちゃんさぁ」
絵里「何…?」
穂乃果「絵里ちゃんのタイプってどんな人?」
絵里「え?何よ急に」
穂乃果「穂乃果の好きなタイプ聞きたい?」
絵里「ええ…」
穂乃果「この体育倉庫から穂乃果を助け出してくれる王子様みたいな人」
絵里「ああ…私もそうだわ。お城に幽閉されたプリンセスの気分よ。運命の王子様はいつ助けに来てくれるのかしら…」
にこ「何馬鹿な事言ってるのよ。王子様が現れたら問題でしょう。アイドルなのよ?」
絵里「ここに閉じ込められてる方が問題よ」
穂乃果「そうだよ。にこちゃん気がつかないの?多分もう部活の人達来ないよ……どうしよう。今日って出れないかもしれないじゃん。無理無理無理。絶対に無理。今日みたいドラマあったのに」
にこ「ドラマなんかどうだっていいのよ」
穂乃果「よくないよ」
絵里「もう、やめなさいって言ってるでしょ。どうして喧嘩するのよ。やめてよ」
にこ「あ~もう。どうして閉じ込められなくちゃいけないのよ。意味わからない」
穂乃果「そんなの皆んな一緒だよ」
絵里「だから、やめなさいって」
凛「あーーーー、もう嫌にゃーーーー。どうして開かないのぉぉぉぉ」
ガラガラ
凛「あれ?」
絵里「え?」
穂乃果「へ?」
にこ「は?」
凛「開いた…」
穂乃果「嘘…」
希「やっぱりここに居たんやな」
にこ「希…」
穂乃果「希ちゃん…希ちゃんが開けてくれたの?」
希「扉に小石が挟まってたんよ」
絵里「え?でも、どうしてここが?」
希「四人が行方不明だって言うから皆んなで探してたんよ。そしたら、窓から人影が見えて」
穂乃果「え?窓から?」
希「うん。窓から」
にこ「なるほど。窓から…」
希「うん。窓から」
絵里「窓から。って事は…」
希「ウチが来なくても窓から出れたんやない?」
穂乃果「あ、あはは…ええ?」
にこ「これじゃあ、まるで馬鹿みたいじゃない」
絵里「どうして気がつかなかったのかしら…私とした事が…」
凛「まあ、出れたんだし良しとするにゃ」
完
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