ガヴリール「なにっ、過去に行けだとっ!?」 (16)

ガヴリールSSは初めてですので、口調などに注意をお願いします。


ガヴリール「正気か? それに唐突過ぎて把握しづらいぞ…まず、どうやって行くかと目的を言え!」

使者「この指輪をはめてください…はめている間だけ過去と今を自由に行き来できます」スッ

ガヴリール「これがタイムマシンみたいな役割をするのかー? 怪しいぞ??」ジィィィ

使者「目的につきましては、本来天国に行けるある善人が、生涯一回だけ生まれて初めて悪い事をやっていまして…そこが気になったようなので、天国側で詳しく調べた所…それはある悪い人たちの悪巧みに無理矢理加担させられていたためだった事が判明したんですよ!」

ガヴリール「ふぅーん。つまり、その善人が、悪い事に巻き込まれてなければ天国行きは確実だったって事?」

使者「えぇ。」

ガヴリール「でも、なぜ天国側が介入するんだ? 普通はダメなはずだろ?」

使者「まぁ、天国側としましては功徳が少ないか、もしくは足りない方は天国行きが出来ないとして致し方ないのですが、逆にその善人のみはここまでたくさんの功徳があり、悪い事一つ…これは流石に勿体無いのではないかと上の意見が多発しておりまして…」

ガヴリール「つまり、その悪い事を一つだけやった善人の処遇で、そいつは天国行きか、地獄行きかにするかで意見が割れてるんだな?」

使者「はい。その通りで…」

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ガヴリール「早い話が私が過去に行って、そいつを悪から助け、未来を変えて天界行きを円滑に進めてほしいって訳だろ?」

使者「おぉ、流石は元優等生のガヴリール様!! 察しがお早いようで♪」

ガヴリール「あのなぁ、そもそも駄天使になった私がなぜそんな事をしなきゃいけないんだっ!? わざわざ下界にまで降りてきやがって…そこは別の天使にでも頼めよ!」

使者「それはガヴリール様が駄天使になられたからですよ?」

ガヴリール「はぁっ?」

使者「正直に申しましょう…他の天使の方々は皆お忙しく、そこで駄天使となられたガヴリール様なら時間が十分に取れるでしょうと頼った訳です! 実際、学業以外はこれと言った役割はないのでしょう?」

ガヴリール「まぁ、そうだけどさ。ったく、人を暇人みたいに…」ブツブツ

使者「実際、お暇なのでしょう?」

ガヴリール「うっ!? まぁ、ネトゲをやろうにもメンテナンスで出来ず、時間があるっちゃあるけどさ…」

使者「でしょう? でした…お願いします!」ペコ

ガヴリール「でもなぁ…」

使者「もちろんタダという訳ではありません! 善人の天界行きが成功しました暁には……」ピッピッピッ←電卓をたたいている。

使者「これぐらいの額をガヴリール様にお支払い致しましょう」バァン

ガヴリール「なっ…こ、こんなにかっ!!??」ビクッ

使者「左様でございます!」

ガヴリール(こんだけありゃあ、課金がし放題だっ♪♪♪)

ガヴリール「よぉし、特別だ! 特別に引き受けてやる!!!」

使者「ありがとうございます!! では、さっそく過去に行って頂きましょう」

ガヴリール「いいよ…。この指輪をはめるだけでよかったよなぁ?」スッ

使者「はい♪」

ガヴリール「よし…。おっ!?」ヒュン

使者「行ってらっしゃいませ、ガヴリール様……フッ♪」ニヤッ

過去の浜松


ガヴリール「で、あの使者から貰ったメモだと……例の善人は元々この辺りに住んでたんだよなぁ…」キョロキョロ

ガヴリール「それにしてもこの辺り、現在と違って随分と変わってるせいで分かりにくいなぁ」キョロキョロ

?「おい?」

ガヴリール「んっ……うぐっ!?」クルッ、グッ(布のような物でガヴリールの口を抑えている)、ジタバタ

謎の人物「大人しくしろ…」ググッ

ガヴリール「お前、一体…なにをすr…もがもが…う~ん……」ガクッ

謎の人物「ふっふっふ♪ 成功成功っ♪♪」ニヤニヤ

一方そのころ…

ヴィーネ「えぇっ、ガヴが行方不明っ!?」

サターニャ「今日は家に行くって、昨日ガヴリールに伝えたのに…いざ行ったらガヴリールの奴、いなかったのよ」

ヴィーネ「でも、どこかに出かけているんじゃないの?」

サターニャ「鍵が掛かってなかったわよ?」

ヴィーネ「えぇっ、鍵が掛かってなかったのっ!?」

サターニャ「えぇ。普通は鍵を掛けていくものなのに、なかったから何かあったんじゃないかって思ってね…。」

ヴィーネ「確かにそう言えば…あのダメ天使のガヴでも鍵を掛け忘れるなんて単純なミス…するわけないわよねぇ??」

ラフィ「これは臭いますねぇ…」

ヴィーネ「ラ、ラフィっ!?」

サターニャ「いつの間にっ!?」

ラフィ「サターニャさん、いる所に私ありです♪」

サターニャ「どうせ、また面白そうとか思ってるんじゃないの?」

ラフィ「さぁ…ふふっ♪」

ヴィーネ「相変わらず、ラフィは分かりやすいわね」

サターニャ「それでガヴリールをどうやって探す?」

ラフィ「私にお任せあれ~。」

ヴィーネ「大丈夫なの? またトラブルが好きで、変な事に巻き込むのは勘弁してよ!?」

ラフィ「大丈夫ですよ。今日は大真面目ですから~♪」

サターニャ「ラフィエルのそういう所が信用ならないのよ…」

ラフィ「私が最近覚えた能力「逆戻し探知」を使いましょう。それなら、ガヴちゃんの居場所も分かるはずだから」

サターニャ「「逆戻し探知」? 名前はなんだか凄そうだけど、なんなのそれ?」

ラフィ「簡単に言えば、時間を逆戻しにしてある特定の人や物が無くなった原因を探る、ものです!」

ヴィーネ「つまりはガヴがいなくなった時間まで遡って、ガヴがいなくなった経緯を探るって訳ね?」

ラフィ「その通りです、ヴィーネさん♪」

サターニャ「そ、そんな能力を覚えるなんてやるじゃないの、天使風情が…。まっ、この大悪魔翌様の足元には及ばないでしょうけど…」

ヴィーネ「サターニャの言う事はひとまずおいといて…」

サターニャ「ちょ、ちょっとヴィネット!? ひとまずおいとくって何よっ!?」

ラフィ「ふふふっ、そっちのけにされたサターニャさんも可愛いですねぇ~♪」

ヴィーネ「ラフィ、早くその逆戻し探知ってやつを使って?」

ラフィ「は~い、分かりました!」

~時間をさかのぼって~

ガヴリール「……」

ヴィーネ「あっ、ガヴ~!」

ガヴリール「……」

ヴィーネ「あれ、ガヴ…聞こえてないの?」

ラフィ「ヴィーネさん、逆戻し探知は私たちの周りの時間だけが遡ってますので、私たちの姿や声は時間を遡って見えた人には見えませんし、聞こえませんよ?」

サターニャ「言うなれば、今の私たちは昔あったビデオや今あるDVDを巻き戻したり、早送りして見る視聴者と同じって事なのよね?」

ラフィ「サターニャさん、良い例えよ♪ 流石は私のおもちゃ~、ふふふっ♪♪」

サターニャ「おもちゃって言うなっ!?」

ヴィーネ「そっかぁ…。それでガヴには見えてないし、聞こえてないんだ…」

ガヴリール「……」

使者「ガヴリール様!」

ガヴリール「んっ、誰だ?」

使者「天界から参りました、使者でございます!」

ガヴリール「はぁっ、天界の使者だと? 使者が私に何の用だ?」


ヴィーネ「えっ、なに?」

サターニャ「天界の使者、なんて来てたのっ!?」

ラフィ「あらっ、あれはかつて私にも仕えていた使者だわ。」

サターニャ「はぁっ、あれがアンタの使者!?」

ラフィ「えぇ。でも、下界に降りる前に辞めさせたから、今は私とは関係がないはずだったかしら?」

ヴィーネ「でも、その使者がここに何の用で?」


使者「突然でしょうが、ガヴリール様に過去に行ってほしいのですが?」

ガヴリール「なにっ、過去に行けだとっ!?」


サターニャ「っ!?」

ヴィーネ「えっ!?」

ラフィ「あらっ…」

~そして一通り話が終わった後~

ガヴリール「よし…。おっ!?」ヒュン


サターニャ「ガヴリールが消えたっ!?」

ラフィ「きっと過去にタイムスリップしたのね。」

ヴィーネ「ガヴリールが過去に……」


使者「行ってらっしゃいませ、ガヴリール様……フッ♪」ニヤッ

使者「さてと、後はあの方がガヴリール様を過去で始末すれば、私の役目に終わりです。そして後は多額の報酬をもらおうだけ…ふふっ、良い仕事をしました♪」ニヤニヤ


ヴィーネ「えっ、ガヴを始末っ!?」

サターニャ「大変なことになってるんじゃないのっ!?」

ヴィーネ「でも、どうしてガヴをわざわざ過去に飛ばして始末なんか?」

ラフィ「きっと過去だったら私たちの邪魔が入らなくて好都合だと考えたのね。」

ヴィーネ「そっかぁ。過去までのタイムスリップは出来なかったわね、私たち…」

サターニャ「どうするのよっ!? このままだとガヴリールがっ!!??」

ラフィ「大丈夫です、私にいい考えがあります♪」

サターニャヴィーネ「「えっ!?」」

過去


ガヴリール「おいっ、離せ!!」

謎の人物「……」

ガヴリール「くっそぉ、無視かよっ!!(サングラスとマスクしてるから顔も分からん…)」

謎の人物「ふふふっ、過去の時はお前はいっつも優等生ぶって、ニコニコしながら色んな奴に優しくしてやがったな?」

ガヴリール「ちっ、それが何だよ?」

謎の人物「それが気にいらねぇんだよ……チッ!!」

ガヴリール「………お前、まるで過去の私を知ってるみたいだけど…。一体、誰なんだ、お前は?」

謎の人物「それはお前に関係のない事さ! それにしても今は駄天使とは…ふふっ、はっはっは!! こりゃあお笑いだな!」

ガヴリール「ふん、笑うなら笑え!」

謎の人物「虚勢張りやがって…。やっぱ気に入らねぇ、始末してやるよ!」

ガヴリール「なにぃっ!?」

謎の人物「私はお前さえ消えればそれでいいだけだ!」

ガヴリール「くっ!? あの使者はお前の差し金だな…それで私を騙してこんなとこまで!!」

謎の人物「今更気付いても遅い! おいっ、お前ら…出てこい!」

?「へいっ!」スッ

ガヴリール「な、なんだこいつらはっ!?」

謎の人物「私の手下たちだ。いうなれば天使だと使者、悪魔からは使い魔の存在、という訳さ」

集団「………」ズラズラ

ガヴリール「チッ…」

謎の人物「その顔もまたいいねぇ。ざまぁないな、ガヴリール!!」ニヤッ

ガヴリール「うぅっ……」

謎の人物「行け、お前ら…こいつをまず痛めつけろ!」

集団「はい!」ダッダッダ

ガヴリール「くっ!?」←目を瞑る。

?「はぁぁぁぁーーーーー!!!」

ドカーーーーーーーーーーーンッ!!!

集団「ぐわっ!?」

謎の人物「な、なんだ!? 今の声と爆風はっ!?」

ガヴリール「今の声って…!?」

一つ目の影「」スタッ

二つ目の影「」スタッ

三つ目の影「」スタッ

謎の人物「だ、誰だ!?」

ヴィーネ「月乃瀬=ヴィネット=エイプリル。通称ヴィーネ!」

ラフィ「白羽=ラフィエル=エインズワースです♪通称ラフィと呼ばれてます」

サターニャ「聞けーーー、下僕共。我こそは胡桃沢=サタニキア=マクドウェル…いずれこの世(現代)を支配する大悪魔よ!! 通称サターニャ…だけど!」

ガヴリール「おぉっ、ヴィーネにラフィエル、サターニャ…。ってか、お前ら、助けに来るのが遅すぎだーっ!!」

ヴィーネ「ごめん! 意外に手間取っちゃって…」

サターニャ「ってか、せっかくこの私が助けに来てあげたのに、そこで文句はないんじゃないのっ?!」

ラフィ「ガヴちゃん、大丈夫ですか?」

ガヴリール「あぁ。まぁ、正直ギリギリだったけどな…」

謎の人物「お前ら、どうやってここに? ここは過去で、しかもお前らにタイムスリップできる程の能力はないはずだろっ!?」

ヴィーネ「確かにそうだけど、ここまで来れたのは…これのおかげなんだよね。」スッ

サターニャ「ドヤッ!」スッ

ラフィ「うふふっ♪」スッ

謎の人物「あぁっ、それはっ!?」

ガヴリール「私があの使者から受け取ったタイムスリップが可能な指輪じゃないかっ!? ど、どうしてヴィーネ達がっ!!??」

ヴィーネ「元を正せば、全部ラフィのおかげよ!」

ガヴリール「ラフィの?」

ラフィ「はい♪ ガヴちゃんに指輪を手渡した使者は元は私の使者でしたのですぐに呼び出して、聞いてみた所大人しく自供しましたので後は私とヴィーネさん、サターニャさんの分の指輪を貰って、こうしてここに来れた訳なんです♪♪」

サターニャ(聞いてみた…というか、あれは……)


回想

使者「ラフィエル様!? 本当に私は何も…」

ラフィ「そう……じゃあ、何をされても問題ないわよね?♪♪」ニヤリ

使者「ヒィッ!?」

ラフィ「さぁ~て、何をしようかしら~~♪♪♪」チラッ

使者「わ、分かりました……喋ります、全てお話しますからお許しを!!!」

ヴィーネ「さ、流石はラフィね………」

サターニャ「ヴィネット、顔が真っ青よ?」

ヴィーネ「そういうサターニャだって同じでしょ!?」

サターニャ「うっ………」

ラフィ「ふふふふふっ………」ゴゴゴゴゴゴ

回想終了


サターニャ(まさに脅しねっ!!!)

謎の人物「なっ、なんだとっ!? ちくしょうーーっ!!!」

ガヴリール「すげえ、流石はラフィエルだな!」

ラフィ「ありがとう、ガヴちゃん♪ あっ、ちなみに…」

ラフィ「貴方の正体も掴んでるんですよ……そうなんでしょ、落第生の駄天使さん?」

謎の人物「………」スッ

駄天使「………」

ガヴリール「あぁ、お前は私が天界にいた時の同級生じゃないかっ!?」

駄天使「そうだよ。私は駄天使……それも試験ではいつも落第生と罵られた劣等生だ!!!」

ヴィーネ「えっ、ガヴの知り合いだったの、その人?!」

サターニャ「なんという事だ!?」

ラフィ「もちろん私も覚えてますよ。同級生にからかわれていた所をいつもガヴちゃんが助けていたもの」

ガヴリール「もちろんさ。顔は忘れないよ……いつも助けてたけど、なぜか素っ気無くて、いつも黙ったまま去っていくからなんだろうって疑問に思ってさ」

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