上鳴「なんか面白いこと起きねーかな」(30)

ヒロアカss
胸糞注意

上鳴「なんつーか最近マンネリ気味なんだよなー」

上鳴「爆豪イジんのもいい加減飽きてきたし」

上鳴「刺激が足んねーんだよ刺激が」

上鳴「前にヴィランに襲われたときみてーなさ」

上鳴「……ん? 待てよ?」

上鳴「雄英のセキュリティシステム! あれに干渉できねーかな?」

上鳴「もしヴィランが襲撃してきたら? なんか面白そうじゃね?」

上鳴「前だって全員生き残れたんだし、別に死にゃしねえだろ」

上鳴「そうと決まりゃさっそく実行だぜ」


上鳴「これでよし……っと」

上鳴「うまく活躍できりゃ耳郎も俺のこと見直すかもなww」

上鳴「なぁ耳郎、USJん時みてーに俺がお前をカッコよく助けたらどうするよ?」

耳郎「……言ってる意味が分かんないんだけど」

上鳴「どうする? 惚れ直す?」

耳郎「アホくさ」

上鳴(かわいくねー奴。今に見てろよ!)

??「あのーすいません」ガラッ

上鳴「何すか?」

??「ここは雄英高校1年A組であってますか?」

上鳴「そうっすけど。教室間違えてんじゃないすか」

??「いえ、ここであってますよ」

上鳴「俺らに何か用すか?」

??「ええ、実はちょっと――」スッ


敵「死んでほしいと思いまして」チャキッ


上鳴「……え?」


パァン

上鳴「あ……」

上鳴「う……嘘だろ?」


耳郎「うっ……」ハァハァ


上鳴「耳郎……?」

上鳴「なんで……? お前、俺を……」

耳郎「馬鹿……早く、逃げろ……」

上鳴「じょ、冗談だよな……?」


八百万「早く止血を――」

飯田「救急車ですか? 今すぐ――」


上鳴「なあ……?」

敵「人間なんてこんなものですよね」

敵「いくら強力な個性を持っていても死ぬときはあっさり死ぬ」

敵「どうして彼らが受かって僕が受からなかったんだ?」

敵「どこに違いがあるって言うんだふざけるな」

勝己「ゴチャゴチャ言ってんじゃねえクソモブが! 殺す!」BOOM

敵「うわあ乱暴だなあ……痛いのはやめて下さいよ」

瀬呂「そのまんま抑えてろ! 俺がグルグル巻きにしてやる」

八百万「止血終わりました! とりあえず応急処置ですが――」

飯田「俺が外まで運ぶ!」ダッ

上鳴「……」

勝己「てめえ生きて帰れると思うなよ……」

敵「はいはい降参しますよ」

敵「私はね」

一同「!?」

ゾロゾロ…

瀬呂「団体さんかよ!?」

峰田「先生方は何やってんだよー!?」

芦戸「きっとすぐに助けに来てくれるよ!」

尾白「それまで俺たちだけで持ちこたえるしかなさそうだ」

上鳴「……」

峰田「轟ー! 切島ー! 緑谷ー! 早く来てくれー!」

瀬呂「泣くな! 俺らだって1年A組だろ!?」

上鳴「……」

上鳴(俺が……あんな馬鹿な真似しなけりゃ……)

上鳴(ほんの遊び心のつもりだったのに……)

上鳴(あいつが……あいつが耳郎を……)

上鳴(俺が……殺らなきゃ)

八百万「上鳴さん……?」

上鳴(あいつの銃……爆豪が飛び掛かってきたときに落としたんだ)ヒョイッ

上鳴(こいつだけは……俺が責任を取らなきゃ……)チャキッ

敵(おや? もしかして)

敵(爆破の個性と、拳銃……)ニヤリ

敵「うわあああ!! 離してくださいよおおお!!!」ジタバタ

勝己「てめえ勝手に動くんじゃねえ!!」BOOM

敵(今ださっさと撃て!)

上鳴(俺がやるんだ俺がやるんだ俺がやるんだ俺が)

上鳴「うわああああああああああああっ!!!!!!」パァン

八百万「上鳴さん、やめ――」

敵「ご苦労さん」


ドォォォン

飯田(何だ……? 今のは爆発!?)

飯田(いや、今は一刻も早く耳郎くんを――)

飯田「こ、これは!?」

飯田(敷地中にヴィランが……!?)

飯田(先生方はこちらの対応に追われていたのか……!!)

敵「見つけたぞ雄英生だ!」

敵「エリート坊ちゃんは幸せなこって!」

飯田(くっ……彼女を抱えたまま戦うのは――)

パキパキッ

轟「飯田早く行け!」

常闇「教室で爆発があったようだ。すぐ向かわねば」

飯田「轟くん、常闇くん……! 恩に着る!」ダッ


ピーポーピーポー

飯田「彼女をよろしく頼みます!」

救急隊員「まさかこんなに早く……! 我々も全力を尽くそう」

飯田(耳郎くん……皆、無事でいてくれ!)ダッ

上鳴「うっ……」フラフラ

上鳴「な、何だコレ……? 壁?」

上鳴(確か、撃った瞬間すげえ爆発があって、それで……)フラフラ

上鳴「え……」

シーン

上鳴(何だよ、誰もいねえ……これじゃまるで)

八百万「上鳴さん……?」

上鳴「八百万!? 一体何が――」ハッ

八百万「無事で……よかった……」ドサッ

上鳴「あ……」

上鳴(とっさに壁を作って俺を守ったのか……!?)

上鳴(なんで……? 八百万は知ってた! 爆発することを)

上鳴(俺が撃ったのは敵じゃなくて……そんな……まさか)

上鳴(無傷なのは俺だけ!? あとの奴は……)

上鳴「あ……だれか……」

上鳴「だれか……だれかいませんか……?」

切島「上鳴無事か!? 今の爆発なんだ!?」

上鳴(俺のせいじゃない俺のせいじゃない俺のせいじゃない俺の)

切島「敷地中ヴィランだらけでヤベえことになってんぞ!」

上鳴(せいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺)

切島「さっき飯田がすげえ走ってくのが見えてな――」

上鳴(が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が)

切島「上鳴……? 聞いてるか?」

上鳴「えっ!? あ、ああ……」

切島「とりあえずみんなと連絡取ろうぜ! お前の個性ならできるだろ」

上鳴「ああそうだおれのこせいならみんなをころすこともかんたんにできる」

切島「上鳴……?」

敵「ん? 確かお前」

切島「またヴィランか!? どうやってこんなに侵入しやがった!?」

敵「セキュリティロック解除してたやつだよな?」

上鳴「!!」ビクッ

敵「俺たち雄英落ち組はずっと復讐の機会をうかがってたんだけどな」

敵「警備が厳重で侵入できずに困ってたんだよ。そこに現れたのがお前だ」

敵「いやー助かったぜwwお前のおかげで壊滅的な被害を与えることができた!」

敵「本当に感謝するよ。お前は俺たちの仲間だ」

切島「こいつ何言ってんだ……? 上鳴がそんなことするわけねえだろ!!」

上鳴「……」ガクブル

切島「おい、なんとか言えよ……?」

上鳴「ちっちちがががgっがががががっが」

切島「違うのか? お前、ずっと騙してたのか……?」

上鳴「うっそそそそそそっsっそそそだ」

切島「今までのこと、全部ウソだったのか……?」

上鳴「しっっししししししんじてくっくれれれ」

切島「俺は、お前のこと信じてたのに……」

上鳴「おっおおおおおれはおれはおれはおおおれ」

切島「何でだよ!? 上鳴!!!」

上鳴「うわあああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!」バリバリ

切島「かみ……な、り」

上鳴「あぁぁぁああぁぁぁぁぁっぁああああああっぁぁあああ!!!!!!!!!」バリバリ

ピシッ ガラガラ

少し遡る

デク「やばい! 完全に遅刻だこれ……」タタッ

デク(何だろう? 人が集まってる)

野次馬「雄英のセキュリティは一体どうなってんだ?」ザワザワ

警備員「危険ですのでお下がりください!」

デク「すいませんっ通してください!!」

デク「えっ……?」

デク(なんで!? ヴィランが大量に!!)

デク「早く……! みんなを助けなきゃ!!」ダッ

警備員「おい君! 危ないぞ!!」

デク(先生たちもみんな戦ってる……でも、数が多すぎる!!)

デク(相澤先生、オールマイトは……? A組のみんなは!?)

敵「こんなのでも雄英に入れんのか!?」

デク(出し惜しみしてる場合じゃない……!!)グッ

梅雨「緑谷ちゃん危ない!!」

デク「えっ?」ドゴォ

敵「ぐはっ!!」ドサァ

ドスッ

梅雨「うしろにも気を付けないとだめよ、緑谷ちゃん……」

敵「ははっ、命拾いしたなあお前!!」

デク「あっすいさん……っこの!!」ドゴォ

敵「ぐへぁ!!」

梅雨「挟み撃ちにするつもりだったのね……汚いわ」

デク「ごめん……!! 僕のせいで……」

梅雨「大丈夫、これくらい大したことないわ……」

梅雨「早く行きなさい。あなたの力を必要としている人がいるはずよ」

デク「ありがとう……梅雨ちゃん」

梅雨「……もっと早くに聞きたかったわ」

デク「はぁ、はぁ……」

デク(腕がもげそうだ……でもそんなこと構っていられない)

デク「校舎は……っ!?」

デク(爆発でもあったのか……!? みんなは……)

ピシッ ガラガラ

デク「えっ……」

ドシャアアア

デク「うっ……」フラフラ

デク「なんだ……? 急に建物が……」

お茶子「デクくん……?」

デク「麗日さん!?」

お茶子「さすがに……全部浮かすのは無理やったかな……?」

デク「まさか、僕に落ちてきた瓦礫を……?」

お茶子「ごめん、みんな助けられんで……」

デク「今すぐ瓦礫どかすから! 待ってて――」

お茶子「ええよ、なんかちょっと眠くて……」

お茶子「これで、デクくんとおあいこになれた、かな……?」

デク「うら……」

デク「……」

上鳴「……」

上鳴「あ……はは……」

上鳴「うぇーいうぇーいwwwwwwwwwwww」

上鳴「きりしま~~?? きりしま今のみたああ~~????wwww」

上鳴「みんなwwwwwwみんな死んだっあwwwwwwウケるウウウうううwwwww」

上鳴「切島……そんな目で見んなよ……俺たち友達だろ……?」

上鳴「あっひゃはははっはっははhっはははっはhっはっはああはあhwwwwwww」

デク「上鳴くん……? 無事だったんだね」

上鳴「ああwwww緑谷?wwデク?ww緑谷ちゃん??wwデクくん???」

デク「どうしてこんなことになったんだろう……」

上鳴「それはねえwwwww俺がセキュリティを解除したからなんすよおwwwwwww」

デク「え?」

上鳴「あーあー言っちゃった言っちゃったwwwww」

上鳴「あんだけのヴィランを招き入れたのは全部俺!!! 凄いっしょwww」

デク「……嘘だよね?」

上鳴「そうそう全部うそうそwwwwwww」

上鳴「楽しかったなああああお前らとの友情ごっこオオオオオ????」

上鳴「ばっかみてえええ俺なんかにみんな騙されてやんのwwww」

上鳴「今まで散々馬鹿にしてたくせによおwwwwwwww」

上鳴「まあ、みwんwなw死wんwじwゃwっwたwけwどwwwww」

上鳴「ざまあああぁぁぁぁぁああああ――――おもしろかったぁぁ――ー!!!!wwwww」

デク「……分かったよ」

上鳴「ん????wwww」

デク「このっ!!!!!!」ドゴォ

上鳴「がはぁっ!!!」

デク「このっ!! このっ!!! このっ!!! このっ!!!!!」ドガッバキッ

上鳴「うぎゃああああああっ!!!!!!!」

デク「お前の!! せいで!! 僕の!! せいで!! みんな……!!!!」

上鳴「はぁ――はぁ―――」

デク「死ねっ!! 死ね!! 死ね!! 死ね!! 死んじまえ!!!」ドスッドスッ

上鳴(殺せっ、 殺せ、 殺せ、 殺せ、 殺してくれ……)

デク「うわあああああああああああああああっ!!!!!!」

上鳴「あっははははははっははははははっははははっwwwwwww」

病院

耳郎「緑谷が、上鳴を……?」

警察「ええ。今取り調べてる最中ですが、黙秘している様子で……」

耳郎「そう、ですか……」

警察「よほどの恨みがあったんでしょうね……引きはがすのに苦労しました」

耳郎「……」

警察「二人の関係について、何か思い当たるようなことは?」

耳郎「いえ、特に何も」

警察「そうですか……。お大事になさってください」

耳郎「上鳴……」


上鳴『これでよし……っと』

耳郎(うわ、バカが何かやってる……通報しよ)

上鳴『うまく活躍できりゃ耳郎も俺のこと見直すかもなww』

耳郎(……)


上鳴『なぁ耳郎、USJん時みてーに俺がお前をカッコよく助けたらどうするよ?』

耳郎(万が一にもあるわけないっつの。でも、もしかしたら――)


上鳴『なんで……? お前、俺を……』

耳郎『馬鹿……早く、逃げろ……』


耳郎(あの時、死ぬべきだった。見逃した責任を取って)

耳郎(でも、こうして生き残ってしまった……)

耳郎(緑谷は気付いたんだ。みんなを殺したのが上鳴だということに)

耳郎(みんなを殺したのは、上鳴と――)

耳郎「……」ガラッ

耳郎(いい天気だ)

耳郎(みんな……)

耳郎「ごめんなさい」

フワッ



おしまい

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