事務所

P｢いやー、こないだの楓さんめちゃくちゃ可愛かったですね｣ ｶﾀｶﾀ

ちひろ｢そうですねー、仕事のときは凛としていて、大人の女性って感じなのに、オフだとなんだかこう、子供ぽいっていうか｣ｶﾀｶﾀ

P｢あー、つまりあれですね｣

ちひろ｢えぇ、あれです｣

P･ちひろ｢楓さんマジ25歳児｣

P｢甘やかしたいですねー｣

ちひろ｢激しく同意です…あ、甘やかすと言えばプロデューサーさん、最近杏ちゃんのことかなり甘やかしてますよね｣

P｢そうですか？俺としては厳しくしてるつもりなんですけど｣

ちひろ｢えぇ…あれでですか？…何ていうか、こう、甘いですねー｣

P｢そうですかー……じゃあ今日はちょっと厳しくしてみようと思います｣

ちひろ(あー、何だかんだでこの人甘やかしそうだなぁ……)

ちひろ｢…まぁ、キツくならない程度に頑張ってください｣

ｶﾞﾁｬ

杏｢あー、帰りたい……｣

ちひろ｢っと、噂をすれば、ですね｣

P｢えぇ｣

杏｢え。何？杏の話してたの？クビってことかな？帰る｣

ちひろ｢ちょ、ちょっと待って…ってプロデューサーさん！何で引き止めないんですか！｣

P｢え？いや、だって杏帰りたいんでしょう？なら帰らせてあげましょうよ｣

ちひろ｢！？｣

杏｢！？｣

ちひろ｢い、いやダメですよプロデューサーさん｣

P｢？どうしてですか？｣

ちひろ｢えぇ…？(困惑)｣

杏｢え、い、いいの、プロデューサー？杏、ホントに帰っちゃうよ…？｣

P｢大丈夫だぞ。今日は仕事はなくてらレッスンだけだし。トレーナーさんには俺から言っておく｣

杏｢｣

ちひろ｢｣

杏｢あ、あー、そういうことか。プロデューサー、杏がホントに帰ると思ってないんでしょ。ホントだから！杏、ホントに帰るから！｣

P｢家まで送ろうか？｣

杏｢｣

ちひろ(厳しくとは一体…？)

P｢無理しなくていいからな、杏｣ﾆｯｺﾘ

杏｢…そっか｣

P｢分かってくれたか？｣

杏｢…うん、分かったよ｣

杏｢杏、ホントにクビなんだね……｣ｼﾞﾜｯ

P｢！？｣

ちひろ｢！？｣

杏｢そりゃ、そうだよね……。やる気ないアイドルなんか、いらないよね…｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

P｢｣

ちひろ｢｣

杏｢…ごめんね、プロデューサー。いっつも、迷惑かけて。なーんて、今更だよね……｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

P｢｣

ちひろ｢｣

杏｢あはは………杏ね、ホントはアイドルやるの、結構好きだったんだー…｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

杏｢皆がいて、ちひろさんがいて、プロデューサーさんがいて｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

杏｢自堕落な自分が輝ける瞬間があって。楽しかったんだ……｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

杏｢だから、感謝してるよ、二人には。ホントにもう、遅いけど、さ……最後くらい言わせて｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

杏｢今まで、あ、ありがと、うござい、まし、た……！｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ




P｢(気絶)｣

ちひろ｢(絶望)｣

杏｢……じゃあ、帰る、ね｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

P｢ごめんなさいいいいいいいいい！！｣ﾌﾞﾜｯ

ちひろ｢ごめんなさいごめんなさいごめんなさい！！！！｣ﾌﾞﾜｯ

杏｢！？｣

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杏｢……クビじゃ、ない…？｣

P｢はい、そうです。ごめんなさい｣

ちひろ｢杏ちゃんは、なんだかんだ真面目に仕事こなしてます。クビな訳がありません。ごめんなさい｣

杏｢……｣

P｢杏さん、ごめんなさい｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

ちひろ｢許してください、杏さん｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

杏｢……｣

P｢……あ、飴食べますか？｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

杏｢……｣ｺｸﾝ

ちひろ｢…あ、ど、どうぞ｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

杏｢……｣ｺﾛｺﾛ

P｢……｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

ちひろ｢……｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

杏｢……｣ｺﾛｺﾛ

杏｢……忘れて｣

P｢え｣

杏｢忘れて、忘れて、忘れろぉ！！｣ﾎﾟｶﾎﾟｶ

P｢え。い、痛っ！ちょ、痛いっす杏さん！！頭を叩かないで！！｣

杏｢あ゛ー！もうヤダ！恥ずかしい！！帰る！！！｣

P｢いやいやいやいや｣

ちひろ｢いやいやいやいや｣

杏｢温かい目で見るなぁ！！｣

P｢杏ちゃんはかわいいなぁ｣

ちひろ｢かわいいなぁ｣

杏｢うぅぅ…！ちひろさんもプロデューサーさんも嫌いだ！！｣

P｢うわあああああ杏に嫌われたら生きてけないいいいい！！！！！！｣ﾌﾞﾜｯ

ちひろ｢ゆ゛る゛し゛て゛え゛え゛！！！｣ﾌﾞﾜｯ

杏｢う、嘘だよ｣

P｢良かったよおおおおおおおおお！！！｣ﾌﾞﾜﾜｯ

ちひろ｢生きてけるううううううううう！！！｣ﾌﾞﾜﾜｯ

杏｢あー！！もう、調子狂うなぁ！！！｣