真姫「ことりと二人きり…」 (19)

海未「と言う事で私と絵里とで下見に行ってきますから」

穂乃果「うん。二人が帰って来るまで部室で待ってるよ」

絵里「頼んだよ?」

穂乃果「は~い」

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穂乃果「と言っても外は雨だし」

にこ「体育館は他の部活が使ってるし」

凛「暇だにゃ~」

希「暇やね」

真姫「うるさいわね」

凛「だって暇なんだよ?」

穂乃果「海未ちゃん達早く帰って来ないかな~」

真姫「今行ったばかりじゃない」

にこ「さてと…」

凛「どこ行くの?」

にこ「毎月買ってる雑誌が今日発売だったの忘れてたのよ」

凛「買いに行くの?雨なのに?」

にこ「そうよ。一緒に行く?」

凛「行かないにゃ」

穂乃果「穂乃果も」

にこ「そう…」

凛「あっ!そう言えば」

穂乃果「どうしたの?」

凛「こないだ理科室で面白いもの見つけたんだ」

穂乃果「え?何々?」

凛「見に行く?」

穂乃果「うん」

凛「希ちゃんは?」

希「ええよ」

凛「じゃあ、かよちん行こ」

花陽「え?私も?」

凛「うん。そうだよ?もちろん、ま…」

真姫「私は行かないわよ」

凛「え~」

穂乃果「ことりちゃんは…」

ことり「ごめんね。私もちょっと…」

凛「じゃあ、四人で見に行くにゃ」

穂乃果「そうだね」

花陽「え?私は…」

凛「さあ、行くにゃ~」

花陽「だ、誰か助けてぇぇ」

バタン

真姫「はあ…行ったわね。全く、元気がいいと言うか…騒がしいんだから」

ことり「あはは、そうだね」

真姫「……」

ことり「……」

真姫「……」

ことり「……」

真姫(あれ?これって…もしかして、ことりと二人っきり?)

ことり「私と真姫ちゃんの二人っきりなっちゃってすっかり静かになっちゃったね」

真姫「そ、そうね」

真姫(もしかしなくても二人だ…)

ことり「……」

真姫「……」

ことり「……」

真姫(か、会話がない…。考えてみればことりと二人っきりなんて初めてかも)

ことり「……」

真姫「……」

ことり「あの…」

真姫「な、なに?」

ことり「こないだのお笑いの番組見た?夜やってたやつなんだけど」

真姫「いや…見てないわ」

ことり「そっか…」

真姫「うん」

ことり「……」

真姫(あれ?会話終わっちゃった。なに?テレビの話をするんじゃなかったの?)

ことり「………」

真姫(えぇぇ?何も話さないの?)

ことり「真姫ちゃんは…」

真姫「な、何?」

ことり「真姫ちゃんは普段お笑い番組とか見ないの?」

真姫「そうね。テレビ自体見ないわ」

ことり「そっか」

真姫「ええ」

ことり「……」

真姫「……」

ことり「……」

真姫(あれ?終わり?会話が再開したと思ったのに終わりなの?)

ことり「……」

真姫(ええ?ことりは何を考えてるの?分からない。ことりが分からないわ)

ことり「あっ!そう言えばこないだね。穂むらの新作のお饅頭を食べたんだ」

真姫「へ~、そうなの」

ことり「うん」

真姫「……」

ことり「……」

真姫(いや、なんでよ。穂むらのお饅頭の話が始まるんじゃなかったの?どうして黙っちゃうのよ)

ことり「……」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃん…」

真姫「な、何?」

ことり「な、何でもないよ」

真姫「そう」

ことり「……」

真姫(どうして会話が続かないのよ。ことりはおしゃべり好きでしょ?そうよね?)

ことり「……」

真姫(あれ?って事は会話が続かないのは私に原因があるの?)

ことり「……」

真姫(そ、そうかも。よく見たらことりなんか困ってる感じだし)

ことり「あっ、あはは…」

真姫(なんか愛想笑いしてるし…)

ことり「……」

真姫(仮に私に原因があるとして…私は何を間違えたのかしら?さっきのお饅頭の話し…。私は何て返事をした?)

ことり『穂むらの新作のお饅頭を食べたんだ』

真姫『へ~そうなの』

真姫(あっ!私の返事…客観的に考えると凄い興味なさそうに聞こえるわ)

ことり「ん?ま、真姫ちゃん?」

真姫(へ~って。凄い感じ悪く聞こえるもの。でも…じゃあ、どう返事をすれば良かったのかしら?)

ことり「お~い、真姫ちゃ~ん」

真姫(考えるのよ、真姫。ことりの言葉の中にヒントはあったはず。ことりが欲しかった返答のヒントが!)

ことり(どうしたんだろう。難しい顔しちゃって。私と二人で居るのが嫌なのかな…)

真姫(新作のお饅頭を食べた。新作と言う事は私は勿論食べた事がないはず。食べた事ない…どんな味だったのかしら…そうだわ。どんな味だったか!それを聞けば良いじゃない)

ことり「あ、あの…」

真姫「どんな味だったの?」

ことり「へ?」

真姫「穂むらのお饅頭」

ことり「あっ、ああ…お饅頭ね。あのね、カスタード入りのお饅頭なの」

真姫「カスタード?」

ことり「うん。勿論、餡子も入ってるんだけどねカスタードと餡子がね、凄く合うの」

真姫「へ~、美味しかった?」

ことり「うん。美味しかったよ」

真姫「そう」

ことり「うん」

真姫(やった。会話が続いたわ。そうよ。これが正解だったんだわ。ふふっ、良かった)

ことり「……」

真姫「……」

ことり「……」

真姫「……」

真姫(あれ?会話が続いたと思ったらもう終わり?)

ことり「……」

真姫(いや、もう分からないわ。どうして、続かないのよ)

ことり「……」

真姫(もしかして…私からの話題を待ってる?)

ことり「……」

真姫(そうよね。ずっと話し掛けられるのを待ってただけだったし。こっちからだってボールを投げなきゃ。それが会話のキャッチボールなんだから)

ことり「あの…」真姫「あの…」

ことり「あっ…」

真姫「な、何?」

ことり「ま、真姫ちゃんから…」

真姫「あっ、うん」

真姫(あれ?私、ことりに何を聞こうとしたんだっけ………。しまった。何も決めてなかったんだわ。でも、何か喋らなきゃ)

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ことりは…ことりはオイラーの定理についてどう思う?」

ことり「オイラーの定理?」

真姫「う、うん」

ことり「えっと…。ごめんね。ちょっと分からないかな」

真姫(しまったぁぁぁ。質問間違えたぁぁ。どこの世界にオイラーの定理で盛り上がる女子高生がいるのよ)

ことり「……」

真姫(もう、ことりも困ってるじゃない)

ことり「あの…」

真姫(もう、最悪だわ。私だってことりと楽しく会話したいのに)

ことり「オイラーの定理ってどう言う定理なの?」

真姫「え?」

ことり「私詳しくないから。良かったら教えてくれない?」

真姫「え?ええ…オイラーの定理は世界で一番美しいと言われてる数式で」

ことり「え?美しい?数式が美しいの?」

真姫「うん。それはね……」

ことり「へ~、数式に美しいとか考えた事もなかったなぁ」

真姫「うん。私もそんなには分からないんだけど」

ことり「他にもそう言うのあるのかな?」

真姫「え?」

ことり「数学の面白い話し」

真姫「う、うん。フェルマーの最終定理って言うのがあってね」

ことり「うん」

真姫「色んな数学学者が証明する為に…」

ことり「え~そんなに」

真姫「そうなの」

真姫(あれ?)

ことり「もしかしたら、穂乃果ちゃんみたいな人が解けるかもしれないよね」

真姫「いや、穂乃果は数学苦手じゃない」

ことり「でも、穂乃果ちゃんってたまに凄い閃きするし」

真姫「そこがフェルマーの最終定理の落とし穴なのよ」

ことり「そうなの?」

真姫(会話が続いてる)

真姫「だから、穂乃果には難しいかも」

ことり「そっか。確かにそれだと穂乃果ちゃんは苦手かもしれないね。うふふ」

真姫「ふふっ、そうね」

真姫(そうか。ことりが私の会話を引き出してくれているんだ)

ことり「あ~真姫ちゃんって面白い話しいっぱい知ってるんだね」

真姫「いや…私は…」

ことり「え?」

真姫「私は…」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ことりが私の話を引き出してくれなかったら…」

ことり「真姫ちゃん…」

真姫「私は…」

ことり「気づいてたよ?」

真姫「え?」

ことり「私と真姫ちゃんって二人きりになる事がそんなにないもんね」

真姫「ち、違うの」

ことり「いいんじゃないかな?」

真姫「え?」

ことり「そんなに無理しなくても」

真姫「そんな…無理だなんて」

ことり「だって、私と真姫ちゃんにはたっぷり時間があるんだもん。私達二人のペースでゆっくり行こうよ」

真姫「ことり…」

ことり「ね?」

真姫「うん」

穂乃果「もう~。凛ちゃんが面白いって言うから何かと思ったら」

希「ただの人体模型やん」

凛「面白かったでしょ?」

花陽「誰かたすけて。誰かたすけて。誰かたすけて」

希「花陽ちゃんが完全に怖がってしまってるやん」

絵里「全く。何やってるんだか…あなた達は…」

にこ「だからにこと一緒に来れば良かったのに」

穂乃果「いや、それはいい」

にこ「なんでよ」

海未「そう言えば。部室にはことりと真姫の二人だけですか?」

穂乃果「あ~そうなるね」

にこ「珍しい組み合わせよね。真姫のやつ、会話とか続いてるのかしら?」

にこ「どれどれ?部室に入る前に中の様子を見てみようかしら?」

真姫「でね…」

ことり「あはは、そうなんだ」

穂乃果「どう?」

にこ「なんか凄く楽しそうに会話してる」



真姫「うふふ」


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