【モバマス】仕事帰りに (13)

楓「……」

瑞樹「楓ちゃん! これ美味しいわよ!」

瑞樹「日本酒に合いそうで、楓ちゃんの好みじゃない?」

楓「えっ? す、すみません、何ですか?」

瑞樹「だからこのおツマミよ」

楓「ああ、はい。美味しいですよね」

瑞樹「……まだ引きずってるの?」

楓「……」

瑞樹「まあ仕方ないわよね。仕事先のお偉いさんとはいえ、お尻を触るなんて」

瑞樹「誰でもひっぱたくと思うわ。早苗ちゃんだったら、触った手の骨を折っちゃうかも」アハハ

楓「私が少しでも我慢できていれば」

楓「プロデューサーさんにご迷惑をおかけすることはなかったんです」

楓「瑞樹さんをはじめとした他のアイドルの皆さんにも、スタッフの皆さんにも」

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瑞樹「気にしないでくださいって言われたでしょ。だからもういいのよ」

瑞樹「騒ぎは丸く収まったし、そのまま仕事を継続できたんだし。ね?」

楓「はい」

瑞樹「うん。じゃ、飲もっか」

楓「……」

――――

瑞樹「あー、なんか飲み足りないわね。もう一件行く?」

楓「いえ、今日はこのあたりで」

楓「もうこんな時間ですし」

瑞樹「まだこんな時間よ。明日は私たち2人共オフなんだし」

瑞樹「もうちょっと付き合って?」

楓「いいですけど」

瑞樹「やった♡ じゃあ次はあそこね」

瑞樹「んー、このカクテル飲みやすいし美味しい!」

瑞樹「楓ちゃんのは?」

楓「え……あ、美味しいですよ」

瑞樹「……そう」

瑞樹「あ。ねえ、マスター」

マスター「はい」

瑞樹「彼女にピッタリなカクテル、作ってもらうことできるかしら」キリッ

マスター「ええ、少々お待ちください」ニコリ

瑞樹「本当? 言ってみるものね!」

楓「……」ポカーン

瑞樹「? どうしたの、口を開けたままにして」

楓「くすっ」

楓「ふふっ……くすくす」

瑞樹「な、何で笑うの!?」

楓「ごめんなさい。格好つけて、キザな注文をする瑞樹さんがとてもおも……こほん」

楓「素敵だったんです」

瑞樹「今面白いって言いかけたわね? もう!」プンプン

楓「だって……」フフ

マスター「できました。どうぞ」スッ

楓「!」

瑞樹「わぁ……」

楓「これ、私を?」

マスター「イメージして作りました」

楓「ありがとうございます」ペコリ

瑞樹「ブルーとグリーンで彩られて、綺麗ね」

楓「はい」ニコッ

瑞樹「……ふふ」


――――

瑞樹「はあっ!」ブン

瑞樹「くー、次は当てるわ」

楓「あの、何でバッティングセンターなんですか?」

瑞樹「この前留美ちゃんに誘われたんだけどね、これ結構良いのよ」

瑞樹「バットに思いを乗せて、こう……スイングすると!」ブン

瑞樹「気分がスカっとするの。当たればもっと気持ち良いでしょうね」

楓「……」

楓「私も、やってみていいですか?」

瑞樹「もちろんよ」

チャリン

楓「こ、こんな感じで構えればいいんですか?」

瑞樹「自分の思うままでいいのよ。球が来るわよ!」

楓「……っ」

楓「えいっ」ヒュン

瑞樹「もっと腰を入れなきゃ! 空振りしてもいいから!」

瑞樹「あとはバットに気持ちを乗せて、ボールを思いっきり打つの!」

楓「は、はい」

楓「バットに気持ちを乗せて」ブツブツ

楓「腰を入れて打つ」ブツブツ

瑞樹「次のボールが来るわ!」

楓「気持ちを乗せる……気持ちを……」

楓「私の……お尻を……!」


楓「触るなぁっ」カッ

瑞樹「!」


瑞樹「やったわ楓ちゃん、当たった!」

楓「……」ブツブツ

瑞樹「あれ、楓ちゃん? ねえ聞こえてる?」

楓「あなたのせいで……皆さんにも迷惑が……」


楓「かかったじゃないですかっ」カツッ

瑞樹(また当てた! しかもさっきよりも合ってる!)

楓「次に同じことをしたら……容赦は……しま、」


楓「せんっ」カキーン

瑞樹「!!」

楓「まだまだいきますよ」フンス

瑞樹(ストレスのせいなのか才能があるのか知らないけど)

瑞樹(どんどん上手くなってるわね……)


友紀(……や……柳田……!)

友紀(柳田ばりの豪快スイングだ……!)ガタガタ


――――

楓「♪」

瑞樹「いやー……すごいわね楓ちゃん」

瑞樹「あれから何度も良い当たりだったわよ」

楓「たまたまですよ、たまたま」

瑞樹(たまたまであそこまでやる?)

楓「……瑞樹さん」

瑞樹「?」

楓「ありがとうございます」

楓「私のために、色んな場所に誘っていただいて」

瑞樹「何のことかしら。私は自分のために楓ちゃんを連れ歩いたんだけど」

瑞樹「でも、元気になってくれたようでよかったわ」

楓「またそうやって」クスクス

楓「今度、お礼させてくださいね。奢りますから」

瑞樹「そんなことしなくていいの! どうしてもお礼がしたいなら」

瑞樹「またこうやって私に付き合ってくれればいいから」

楓「じゃあそうします」

楓「ふぅ、ちょっと汗かいちゃいました。どこかでシャワー浴びようかな」

瑞樹「もうすぐあなたのおウチでしょう。我慢しなさい」

楓「はーい♪」


――翌日――


友紀「楓さん、今度一緒にバッセン行きませんか?」

楓「えっ」

友紀「フルスイングを見せて欲しいです!」キラキラ

瑞樹(まさか、昨日のあれ見られた……?)


おわり

かえみず短編でした
もっとこの2人の話増えてくれ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年01月02日 (火) 08:57:27   ID: n7LfTfyu

モバPが出ないのにタイトルにモバPつけるのは甘え

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