モバマスより小日向美穂メインのSSです。
ファンタジー要素、アイドルの人外設定などオリ要素多々ありますためご注意ください。
↓これとかの奴です。
小日向美穂「こひなたぬき」
小日向美穂「こひなたぬき」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508431385/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1514396912
ピカッ
??「もふもふとは、何か?」
??「それは、柔らかいこと。手触りがいいこと。癒されること」
??「お布団、クッション、はたまたかわいい動物たちが持つ癒しの特性……」
??「それならば、アイドルだって負けてないっ!!」
??「もふもふクイーン決定戦とは、事務所に所属するアイドルの誰が一番もふもふなのかを決める戦いだぁーっ!!」
バァンッ
未央「進行はわたくし、実況の本田未央と!」
藍子「解説の高森藍子が務めさせていただきますっ♪」
未央「ルールは簡単!」
未央「審査員であるプロデューサーのお膝に座り、誰が一番もふもふで癒されるかを判定して頂くのみ!」
藍子「私達三人が、もふもふ点、癒し点、技術点の各10点満点で評価させていただきますっ」
P「なんでこんな流れになったかはさっぱりわからんが」
P「やるからにはきっちり評価しようと思います」
未央「もー、プロデューサーが言ったんだよ? 死んだ目でパソコンの画面見ながら、」
未央『寒い……眠い……癒しが欲しい……もふもふしたい……(声マネ)』
未央「……って!」
P「俺そんな墓場から這い出たゾンビみたいなデスボイスしてた?」
未央「してたしてた。もーTウイルス感染者もびっくり」
P「しかしまあ、癒しが欲しいのは未央の言う通りだな……」
未央「でしょ? そういうことで、さっそく選手一同の紹介といきましょうっ!」
藍子「はいっ。第一回には、実に六人もの選手がエントリーしてくれました!」
未央「まずは頼れる一番槍! ポジティブパッションより、日野茜選手だーーーっ!」
茜「はいっ!!! お疲れのプロデューサーに私の元気をおすそ分けしましょうっ!! ボンバーーーーーッ!!!!」
P「既に頼もしさに溢れまくっている」
藍子「茜ちゃんの髪の毛はとってももふもふですから、今から期待が高まりますねっ」
未央「もふもふ感ならこのアイドルは外せない! ツンデレ界のケセランパセラン(?)、神谷奈緒選手っ!!」
奈緒「ちょっと待てええええっ!!」
P「どうした全人類もふもふ代表候補」
奈緒「勝手に変なのの候補にすんなっ! なんだよこれ!? あたしこんな大会に応募した覚え無いぞ!?」
P「それだったらほら」
加蓮「ごめんねー? 奈緒、こういうのにうってつけだと思っちゃったからさぁ」
凛「もふもふ度なら奈緒はハナコ以上だよ。大丈夫、きっと勝てる(真顔)」
奈緒「だあああっ! 友達が勝手に応募したパターンかよぉ!!」
未央「続いては、一緒に寝るならコイツが強い! ふわふわねむねむ、妖精? それ以外? 遊佐こずえ選手!」
こずえ「ふわぁー……」ウトウト
P「大丈夫か? こずえ、おねむなんじゃないか?」
こずえ「んー……だいじょぶー……。こずえ、もふもふなのー……」
こずえ「いやすー……いやされろー……」
未央「次は期待の新星! もふもふ? いいや、プニョフワだ! なんと人と狸のハーフ、海老原菜帆選手ーっ!」
菜帆「うふふ~。みんなを癒すのは、私の得意分野ですよ~?」
菜帆「熊本でお世話になったお礼、た~っぷりお返ししますね~♪」
藍子「とっても高いゆるふわ指数を感じますね。これは、番狂わせの予感がします」
未央「サラッと言ったけどゆるふわ指数って何?」
未央「さてさてこれは手ごわいぞ! 毛並みの美しさなら誰にも負けない! 由緒正しき京都のお稲荷、小早川紗枝選手ー!」
紗枝「狐の冬毛はもっふもふなんやで~。プロデューサーはんも、これを機にたーんと味わってなぁ♪」
芳乃「善き結果となることを、祈っておりましてー」ブオオー
周子「イェーイ、紗枝ちゃんガンバー」ドンドンパフパフ
紗枝「いぇ~い♪」コンコン
未央「そして最後に、今大会の大本命! プロデューサーへの気持ちも本命!?」
未央「熊本生まれのキュートな狸! P.C.SのP(ぽんぽこ)担当、小日向美穂選手ーっ!!」
美穂「ほほほ、本命って……っ///」
美穂「お、おほんっ! 小日向美穂です! 狸の本気、見せちゃいますっ!」
蘭子「毛深き霊獣の力、今こそ見せる時っ!」フンフン
卯月「美穂ちゃーんっ、がんばってー!」
響子「プロデューサーくんも応援に来ましたよー!」
P(おお、懐かしのぬいぐるみボディよ……)
小梅(プロデューサーさん……あの子がまた、体に入りたいって……)ピピッ
P(こいつ直接俺の脳内に……!?)ピッ
P「ところでPがぽんぽこ担当なら、CとSは……?」
響子「はいっ! 私はクッキング担当です!」スチャッ
P「なるほど。なら卯月はさしずめスマ」
卯月「シマムラ担当ですっ!」ペカーッ
P「まんまじゃねーか!!」
卯月「P.C.SのSはシマムラのSですっ!!」ペカペカーーッ
P「ううっ! 可愛いから許したくなってしまう……!」
未央「『ぽんぽこクッキング島村』……しまむーがオーナーかな?」
藍子「なんだかうさんくさい洋食店さんみたいですねっ」
未央「審査の順番は厳正なるクジ引きで決定します!」
藍子「この割り箸に番号が書かれてあるから、皆さん引いてくださいね♪」
ヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイ
未央「ちなみになかなかのもふもふ度を誇るウェーブヘアの一ノ瀬志希選手ですが」
未央「『あたしプロデューサーに乗っかって正気でいられる自信ないにゃ~』ってことで失踪しました」
P「……今LINE来たけどあいつ今フレデリカと北海道でジンギスカン食ってるって」
周子「お、ええやん。おみやげ頼んどこ」
未央「レイジーレイジーの二人は無事帰って来られるのか!? 思わぬスリル展開が並行しているところで!」
未央「優勝者、もふもふクイーンに与えられる賞品を発表します!」
ドゥルルルルルルルルルル……
未央「賞品はなんと……プロデューサーの膝の上永住権だぁーっ!!」
ジャーン
茜「おおっ!!! えいじゅう……けん? 中国拳法の一種でしょうか!!!?」
奈緒「はぁっ!? そ、そんなもん賞品になるかよ! つーか貰っても困るだろ!?」
こずえ「そこは……こずえのー……だよー……?」
菜帆「おお~。それじゃあ、そこで暮らしてもいいってことですかね~?」
紗枝「お社でも建てまひょか? そしたらずうっとそこに宿れるさかいなぁ♪」
美穂「永住……ずっと一緒…………はっ。だ、だめだめっ、集中しないと……」ポワワ
未央「さぁて、選手一同やる気を出したところで!」
奈緒「あたしは出してないっ!」
未央「まーまーかみやん、まーまーまー♪」
未央「順番が決まったようなので、さっそく審査に入りたいと思いまーす!」
No.1 日野茜
茜「それでは!! よろしくお願いいたしますっ!!!!」
P「お、おう、よろしく」
茜「トラーーーーーーイッ!!!!」ボスッ
P「ぐおふぅっ」
未央「茜ちん、さっそくお膝のトライを決めた!」
藍子「気合は十分ですねっ♪」
茜「ふんふん……!!! ふんふんふん…………!!!」フンスフンス ソワソワ
P(うーむ。後ろから見ると、なるほど確かに相当もふもふなヘアスタイルだ)
P(っていうかやっぱちっちゃいなぁ。148cmだったっけ?)
P(体温が高い……ぽかぽかする。これはいい)
茜「な」
茜「何か」
P「ん?」
茜「何かした方がよろしいでしょうか……!?」
P「いや、何ってことは別にないと思うんだが」
茜「改めて考えると、私はなにやら、とても失礼なことをしているような……っっ!!!」
P「そんなことないぞ。今審査中だから楽にしていてくれ」グテー
茜「は……はい……!!」
茜「………………!!!! ……………………!!!!!」
茜「…………………………!!!!!!!!!!!!!!」
P「静かにうるさいという圧倒的矛盾……!?」
茜「走りましょうか!!!??」
P「何で!?」
茜「しっしかし!! プロデューサーのお膝を借りておいて、私が何もしないわけにはっ!!!!」ポポポポ
P(体温が上がってきている……!?)
P「いや問題ない、むしろいいぞ茜! このままじっとしていてくれ!」
茜「じっと!? じっとですか!? し、しかし、体温が!! 匂いが!!! 汗がっ!!!!」
茜「なにやらっ、かっ、体がっ、熱く……!!!!!」ポポポポポポポポポポ
P「すげぇ! 湯たんぽもびっくりだ!」
未央「おおっ!? 茜ちんの体温でプロデューサーが汗ばむほどに!?」
藍子「茜ちゃんも真っ赤になってますっ」
茜「や――ややややっぱり表を走ってきますっ!!!!!」ガバッ
P「茜!?」
茜「走らなければっ!!! わっわっ私っっ、オーバーヒートしてしまいそうで……!!!!」
茜「うおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」ダダダダダダダダダダ
P「…………行ってしまった」
P「温まれて助かったんだが……」
日野茜
もふもふ点:8 癒し点:8 技術点:6
計 22点
P「もふもふしてたし温まれた。本人が耐えきれなかったっぽいのが惜しい」
未央「うーむ……茜ちんの得意分野じゃなかったっぽいね!」
藍子「特性を活かしきれない印象でしたね。茜ちゃんにはもっと相応しい局面があるんじゃないかなぁ」
<ウオオオオオーーーーーーーーー!!!!! ボンバァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
総評:暖かさは一級品。だが、いかんせんジャンルが違う。
No.2 海老原菜帆
菜帆「それじゃあよろしくお願いしますね~、プロデューサーさん!」
菜帆「うふふっ。改めてこう呼ぶのって、なんだか新鮮です~」
P「ああ、よろしく頼むよ。菜帆……さん」
菜帆「いやですねぇ、呼び捨てでいいんですよ~。私とプロデューサーさんの仲じゃないですか~♪」
菜帆「ということで、失礼しま~すっ」
ポヨンッ
P「尻、すげぇ(お尻が大変素晴らしくていらっしゃいますね)」
美穂「も、もう隠す気ゼロじゃないですかぁ!」
周子「フェチだわー疑いの余地もないわー」
P(圧倒的プニョフワボディ……更にウェーブのかかったやわらかな髪もふわふわ揺れて……)
P(これは……凄いぞ)
菜帆「あ、そうそう、こういうのいいのかなぁって思ったんですけど~……」
菜帆「和菓子とお茶、持ってきたんですよ~♪」
未央「はっ! あ、あれはこの辺で評判のおいしい和菓子屋さんのようかんと……!?」
藍子「保温タンブラーに入れてきた、あっつあつのほうじ茶ですね」
周子「あの店の羊羹とほうじ茶……? 引っ越してきて早々にその黄金コンボに気付いたっての?」ゴクリ…
未央「おおっと! 和菓子屋出身のしゅーこはんすら唸る組み合わせのようですが、レギュレーション的にアイテムの使用はアリなのでしょうか!?」
藍子「原則、審査員であるプロデューサーさんのお膝に乗って、もふもふと癒しで身も心も暖める……というルールです」
藍子「よって小道具などの使用については制限がなく、またもふもふ&癒しムーブにもこれといって反則を設けていません」
藍子「癒すということ、その工夫自体に技術点が加算されるんです。つまり、基本的には何をしようとセーフですっ」
未央「うーむ、あーちゃんの判断が的確で私も助かるよ……!!」
未央「と説明ばっかりしてもらんないね、さて選手の動きは……!?」
菜帆「あ、この姿勢だとうまく食べられないですねぇ~」
菜帆「じゃあこうしましょう♪ はい、あ~~んっ♡」
パクッ
P「ちょううまい」
菜帆「良かったぁ♪ あ、お茶お注ぎしますね~」プニョプニョ
菜帆「ん……しょっ。こぼさないように~……っ」フワフワ
P「オゥフ……」
菜帆「ちょっと熱いから待っててくださいね~。ふーっ、ふーーーっ……」
菜帆「はい、ちょうどいい熱さになりましたよ~。こぼさないようにどうぞ~♪」
P「めちゃうまい」
菜帆「ほんとですか~? えへへ、良かったです~」
菜帆「んしょっと。座りなおして~……」
菜帆「えへへ。あったかくなれるよう、むぎゅ~ってしちゃいますね~♡」プニプニホワホワ
P「」
P「あ……おじいちゃんかい……? ひさしぶりだねぇ……」スゥー
未央「昇天しかけてる!!」
藍子「三途の川にいますっ」
芳乃「そなたー」ベシッ
P「はっ!? こ、ここは……!?」
菜帆「もう~……せっかくこうしてくっついてるんだから、どこか行っちゃダメですよ~?」ムギュムギュ
P「おしりてんごく(おしりてんごく)」スゥー
芳乃「そーなーたー」ベシベシッ
海老原菜帆
もふもふ点:9 癒し点:9 技術点:10
計 28点
未央「おおっ二人目にして高得点! なんと28点ですっ!」
P「危うく天国のお爺ちゃんとギャラガについて語り合うところだったぜ……」
P「今回はもふもふが採点基準だったから満点には至らなかったが、ぷにょふわ点があれば一億点だった……」
藍子「技術的にも大変評価の高いアクションでした」
藍子「お茶と和菓子……あるだけで癒される王道の組み合わせですが、彼女はそれを見事に使い、プロデューサーさんをおもてなししました」
藍子「特にポイントが高いのが『あーん』と『ふーふー』ですね。お膝の上に乗られた上で、あれをやられて落ちない男の人はいないんじゃないでしょうか」
藍子「何より彼女は、狸の尻尾を出すことができる……というのに、今回それを使いませんでした。つまり、変身をあと一回残しているということになります」
藍子「それに頼らず、あくまで好きな和菓子とプニョフワボディ、そしておもてなしの心だけでやり抜いた……見事ですっ」
P「お、おう……」
未央「あーちゃんこんなに解説が似合うキャラだったっけ……」
総評:総合的に極めてハイレベル。今大会優勝候補。
No.3 小早川紗枝
紗枝「せやったら、次はうちの番どすなぁ。プロデューサーはん、よろしゅうおたの申します~」ペコリ
P「あ、はい、これはどうもご丁寧に」ペコリ
紗枝「はてさて~……殿方のお膝にお呼ばれするだなんて、うち初めてやさかい」
紗枝「改めて考えると、なんやちぃと恥ずかしゅうなってまいますなぁ……」ポッ
P「かわいい」
紗枝「もぉ、かわいいやなんて。普段あんまり言うてくれへんのに……」モジモジ
紗枝「…………ほんまに?」チラッ
P「かわいい(かわいい)」
紗枝「うふふっ、お上手さんなんやからぁ♡」
周子「あー、あれはもう仕掛けてるねぇ……」
未央「ゲスト解説のしゅーこはん! 仕掛けてるとは一体?」
周子「名付けて……覇好照桃色(ぱすてるぴんく)な罠!」
未央「ぱすてるぴんくなわな!?」
周子「実際に事に及ぶ前に、持ち前のカワイさで相手の心のハードルを極限まで下げる……」
周子「そうすることにより相手を蕩けさせ、引き返せないくらいに魅了するという、そりゃもうおっかないキュート技だよ」
藍子「ぱっしょん流奥義『絶対特権』に並び、実に五人しか使える子のいない上級アイドルアーツですね」
未央「……ちなみにあーちゃんは絶対特権使えるのかい?」
藍子「受けてみますか?」ニコッ
未央「す……スゴ味を感じる……!」
※出展:346書房刊『アイドル奥義五輪之書~珠上理異図(じゅうぇりぃず)編、その恐るべき秘伝~』より
紗枝「さ……あんまりこうしてばっかりもいられまへんなぁ」
紗枝「せやかて菜帆はんの後で、こないなちぃさいお尻を乗っけるんも忍びない話やし……えいっ」
ポンッ!
未央「おおっ!」
周子「出た!」
藍子「狐モードですね。黒くてもふもふの冬毛が素敵ですっ」
周子(あれ昔は銀色だったんよねぇ)
紗枝「こんっ(ほな、お邪魔しますえ~)」ノソッ
P「おう……うおっ、ふかふか……」
紗枝「こんこん……(ほほー、流石ええ寝心地どすなぁ)」
未央「小早川選手、膝の上で丸まった!」
藍子「狐さんを抱っこできるなんてそうそうできませんからね。私も羨ましいです」
モフモフ ポカポカ
P「……ちょっと撫でてみてもいい?」
紗枝「こーん……(ん~? どないしょかなぁ~)」
紗枝「こんっ♪(よろしおす。優しゅうしたってやぁ♪)」クイッ
ナデナデ フカフカ
P「いい……」
未央「いいなぁ……」
藍子「いいなぁ……」
紗枝「~♪」ギラッ
周子「あ……また仕掛ける」
未央「おっと、小早川選手が顔を上げて……?」
藍子「プロデューサーさんのほっぺたに……?」
ペロッ
P「!!?」
未央「舐めたぁーッ!?」
紗枝「♡♡」ペロペロペロ
未央「動物としては最大級の愛情表現っ! これは本心か、それとも罠かぁーっ!?」
藍子「ひとつ確かなのは、かわいい狐さんにこれをされて、平静でいられるのは難しいということですっ」
P「……う……」
P「うおおー! 紗枝狐かわいすぎるだろーッ!」ナデナデモフモフフワフワワシャワシャ
紗枝「こんっこんっこーんっ♡(あぁんっ、優しゅうしてって言うたのにぃ~♡)」
小早川紗枝
もふもふ点:10 癒し点:8 技術点:9
計 27点
未央「な、なんか癒されるっていうか、見ててドキドキしたんだけど……」
未央「でも効果は抜群だ! 見てよこの審査員の顔!」
P「はぁ……さえはんちょうかわいい……」
藍子「まんまと術中にはまってますねぇ」
藍子「ともあれ、技術的にもとても高レベルでしたっ。惜しむらくはちょっぴり攻め気が前に出て、癒やしとはピントがずれたことですけど……」
藍子「狐さんの姿になってからのもふもふ感も素晴らしかったですっ。ね、プロデューサーさん! プロデューサーさん?」
P「ぱすてるぴんく……」スゥー
芳乃「そなたー」ビビビビビビビビビ
P「グワーッ往復ビンタ!!」
紗枝「あ~、すこぉし菜帆はんに負けてもうたぁ。いけると思ったんやけどなぁ~」
周子「本人はけろっとしてんだもんなぁ。紗枝ちゃん……恐ろしい子!」
紗枝「ん~? なんのことどすやろ~♪」コンコン
総評:パステルピンクな罠炸裂。あざといなさすが狐あざとい。
No.4 遊佐こずえ
こずえ「つぎはー……こずえのばんー……」
P「おう、いつも通りだな。ほらおいで」
こずえ「はーい……」
ポフッ フワフワ
こずえ「んー……」スリスリ
P「おっとと、いつもより甘えんぼだなぁ。ほれほれふしょふしょ」
こずえ「ほはー……くるしゅうないー……」
こずえ「……ふわー……」ウトウト
未央「おっと遊佐選手、さっそく眠くなったようですが……?」
藍子「ねむねむですね。こずえちゃんがプロデューサーさんのお膝やお腹で眠っているのは、日常的によく見る光景です」
P「もふもふするのも我ながら慣れたものだ」モフモフ
こずえ「おふー……」
P「……こうしてると、こっちも眠くなってくるんだよなぁ……」
こずえ「ぷろでゅーさーも……おねむなのー……?」
こずえ「それじゃあ……いっしょにねちゃおー……?」
P「はは、そういうわけにもな」
こずえ「んー……」
こずえ「じゃあー……こずえが、こもりうた、うたってあげるねー……」
P「子守歌?」
未央「おおっ、癒しの代名詞!」
藍子「これは期待が持てますねっ」
こずえ「こずえのこもりうたー……きいてー……きけー……」
P「そうなるとマジで寝ちゃいそうだが……ま、いいや。未央と藍子に起こしてもらお」
P「いいぞこずえー。俺もリラックスしてるからなー……」グテー
こずえ「わかったー……」
こずえ「らん……らーん……らーん……」
@【■■■■ 】
P「えっ何このゲージ……えっえっなんか頭が、えっ目の前がなんか」
こずえ「らぁん……らぁーん……らぁんらぁ~ん……」
P「ちょ、こずえその歌ちょっと、一旦止めっ止、なんか見えっ、目がっ瞳がっ」
@【■■■■■■■■■■■■ 】
こずえ「らぁぁん…………らんらんー、らぁぁ~~~~~~~~~~ん……」
P「こずえやめあっあっあっあっあっあっあっあっ」
@【■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■】
ブシャアアア
【 発狂 】
遊佐こずえ
啓蒙:10 癒し点:2 技術点:9
計 21点
P「やがてこそ、舌を噛み、語り明かそう……」グルグル
未央「……いやいやだって癒されてないしね? 発狂してるしね?」
P「明かし語ろう……新しい思索、超次元を……アアアアッ……」グルグルグル
藍子「子守歌とっても素晴らしかったです。私もなんだか癒されて、眠くなっちゃいました♪」
未央「あーちゃん!?」
藍子「?」
P「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
総評:宇宙は空にある。
一旦切ります。
あまり長くないので次で終わります。
No.5 神谷奈緒
奈緒「はっ!? つ、次あたしじゃんか!」
凛「そういう順番だからね。大丈夫、私達が見てるよ」
加蓮「骨は拾ったげるからねー」
奈緒「お、お前らなぁっ」
凛「……ところで、プロデューサーはもう大丈夫なの?」
芳乃「こんなこともあろうかとー、鎮静剤を精製しておりますればー」ズボッ
P「んマジェスティックッ!?」ビクンビクン
奈緒(……もぉ~~~あったまきた!)
奈緒(なーにが癒しだもふもふだっ、勝手にどんどん話進めちゃってさ!)
奈緒(ぜぇったい癒してやんねぇ! とことんまで邪魔してやるからなっ!)
奈緒「……」ドスッ
P「おぅふっ」
奈緒「…………」ブンブンブンブンブンブン
未央「おおっと神谷選手、膝の上に乗るなり首をぶんぶん振り始めたぁっ!?」
藍子「髪の毛が揺れて、まるで獅子舞さんみたいですね」
P「おぉおぉ、髪がもっふもふ揺れて前がよく見えん……!」
奈緒(ふん、どうだ! あたしを乗っけてのんびりできると思ったら大違いだからな!)
P「……めっちゃ良い匂いしてきた」
奈緒「は!?」
P「なめらかな揺れ具合を見るに、これほど長い髪でも隅々まで手入れを怠っていないようだ」
P「それにこの匂い……ハーブガーデンだな? ちゃんと良いものを使ってケアしているようで感心感心」
奈緒「うぁっなんでわか……って違う!! セクハラだぞそれ!
奈緒「くそっ、こうなりゃ次の作戦だ! ――とうっっ」
ヒョイ
グググー……
未央「おっと神谷選手、両足を浮かしていますが……?」
藍子「プロデューサーさんに全体重をかけてる形ですね。圧迫祭りでしょうか?」
P「ぐっふぅ……」
奈緒「なんだよ。苦しいっつったってどいてやんないからな」
奈緒「女の子を膝に乗っけるとか言い出したのはそっちだからなっ。たまにはこういう、苦しい思いを……」
P「……そりゃいいんだけどお前、相変わらず軽いなぁ」
奈緒「へ!?」
P「凛や加蓮もそうなんだが、身長やスタイルに対して軽すぎる」
P「いや、絞ってくれるのはありがたい話なんだぞ? そりゃアイドルだし、ライブで運動する必要だってある」
奈緒「え、え、な……っ」
P「いやまあ普通にセクハラなんで怒ってくれていいんだが、とりあえず言うだけ言わせてくれ」
P「もし仕事のことを意識して、ちょっとでも無理してるとかだったら、そこはこっちでカバーするからさ」
P「食べたいものを食べずにストレス溜めたり、無茶なダイエットで体調崩したりしたら、そっちのが問題だし」
奈緒「ぅぁ……」
P「とにかく無理はしなくていいんだ。おいしいもの食べたいだろうし、なんたって育ち盛りなんだから」
奈緒「っ……こ、こ、こんな時に優しくすんなよ! あんた何考えてんだよぉ!」
P「何って、俺はずっとお前のことを(大事な担当アイドルとして)……」
奈緒「だああもうっ! ややや、やめろってばぁ~~~!!」
加蓮「なーおー? ちゃんとやんないと負けちゃうよー?」
凛「ふーーーーん」
奈緒(くっそぉ、なんだよ! あたしさっきから自爆してばっかじゃんか!)
奈緒(こうなったら最終手段だっ! あんまり傷付けたくなかったから、できればやりたくなかったけど……!)
奈緒「…………プロデューサーさんってさぁ」
P「ん?」
奈緒「最近ちょっと臭い時あるよな」
P「!?」グサッ
未央「おおっまさかの罵倒!?」
藍子「癒しとは正反対のムーブですねっ。果たしてどんな狙いが……」
奈緒「どーせ、最近働き詰めで家に帰ってないとかなんだろ?」
奈緒「そういうの迷惑なんだよっ。『あー風呂入ってないんだな』ってわかっちゃうしさ」
奈緒「あたし達が気付いてないと思ってんのかよ? そんなの、鈍感だぞ! もっと自分の身だしなみに気を使えよな!」
奈緒「ていうか家帰ってシャワー浴びるくらいは普通にしろよ! あんま根詰めなくたっていいんだよっ」
P「奈緒……」
奈緒「あと、スーツも! 同じのいくつも持ってるみたいだけどさ、そんなの着回したってダサいだけだろ!」
奈緒「言っちゃなんだけど、そこそこ稼いでるんだろ!? だったらそっちにちょっとくらいお金使ったらどうなんだ!」
奈緒「……あたし達ばっかりに気を遣ってないでさ。だからダメなんだよ!」
P「……奈緒……」
奈緒(えっと、ちょっと言い過ぎたか……? まあいいや、なるようになれだ!)
奈緒「あと、たまに目が死んでて怖いし。あれだってどうせ寝てないからとかだろ? ば~っかじゃねぇの!」
奈緒「そんな不景気なツラ見た子がどう思うとか、考えてないんだろ? ちゃんと寝ろよなっ。みんな心配してんだぞ!」
奈緒「……そりゃ……」
奈緒「そりゃ、あんたが頑張ってるのは知ってるけどさ」
奈緒「んで、みんなやっぱり感謝してるけどさ……じゃなくて! んなとこ見せられると、あたしらだって気が散るっていうか……」
奈緒「……とにかくみっともないんだ! 無神経にもほどがあるぞっ、プロデューサーさん!」
P「奈緒……お、お前は……」
奈緒(……嫌われたかな)
奈緒(ま、いいや。どうせ勝つ気なんて無かったし、言いたかったことは言えたし……)
P「……そこまで俺のことを考えて……」ホロリ
奈緒「!?」
奈緒「ばっなっ、何泣いてんだよ!? あたしは別にそんなつもりじゃ……っ」
P「いやいいんだ、嬉しいんだ。そうだよな、余計な心配かけちまってたよな……」
P「適宜休むようにするよ。それでこそ、みんなの後ろにいて恥ずかしくないプロデューサーだもんな」
奈緒「え、あ、そ」
奈緒「そ……そうか? じゃあいいけどさ……ふんっ」
P「ありがとな、奈緒。明日も頑張れそうだ」
奈緒「……ん」
奈緒(ほんとにそんなつもりじゃないんだけど……。まあ、プロデューサーさんが嬉しそうなら、いっか)
奈緒「ってそういうことがしたいんじゃないんだよあたしはぁっ!!」ガバッ
奈緒「も、も、もう知らんっ!! 付き合ってられるかぁ~~~~~~っ!!!」ダダダダダダダダダッ
未央「…………えー神谷選手、茜ちんと同じく遠くに行っちゃいました」
P「……俺あいつに嫌われてんの? 好かれてんの? どっち?」
凛「うん、プロデューサーはそのままでいいと思う」
加蓮「いつか天罰下るんじゃない?」
神谷奈緒
もふもふ点:10 癒し点:10 技術点:9
計 29点
未央「おおおおっ、現状最高得点! 一気にトップに躍り出ましたぁっ!」
P「さすがと言うべきか、もふもふ度では文句のつけようがなかった」
P「あと明日からも頑張ろうと思いました。身だしなみにも気を付けます」
未央「そんな父親みたいな!」
未央「ともあれ、癒されポイントもすっごく高かったよ! 見ててニヤニヤできたもん!」
藍子「最後に私の技術点ですが、最高点にしなかったのには理由があります」
藍子「奈緒ちゃんの行動はプロデューサーさんを気遣い、心身ともに癒す素晴らしいものでした」
藍子「特に最後。悪口と見せかけて気遣う言葉をかけるというのは、奈緒ちゃんならではのオリジナリティあるアクションだったと言えるでしょう」
藍子「……でもあれ、全部本来の目的が裏目に出た結果なんですよね」
P「そうなの!!?」
藍子「そう、つまり再現性が無いんです。狙ってあれができるなら満点だったでしょう」
藍子「もっとも、それができないからこその奈緒ちゃんなんですけどね。そこは痛しかゆしです」
未央「あーちゃんの採点、思ってたよりガチじゃん……」
<ボンバアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!
<バッカヤロォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!
総評:大変元気が出た。恐らく再現性のない奇跡にしても、ほぼ満点の価値はあり。
No.6 小日向美穂
美穂「と、とうとう私の番が来ちゃったよぉ……!」
蘭子「汝畏るるなかれ! 秘めたる力を解放せし時、きっと頂に手が届こうぞ!」
卯月「そうだよ美穂ちゃんっ。私達も応援してるから!」
響子「大事なのは真心ですよっ!」
未央「えー、ということでみほちーの出番! これで大トリを飾ります!」
藍子「一体どんなテクニックが出てくるのか、とっても楽しみですっ♪」
美穂「ふ、二人とも、そんなにハードル上げないで~っ」ワタワタ
美穂(うぅ、みんな凄かったなぁ。私で勝てるのかな……)
美穂(う、ううん、余計な心配しちゃ駄目! 私は私のできることをしなきゃ!)
美穂「で、では……いきますっ!」
ポンッ!
P「おっ狸」
未央「みほちー、初手から狸モード! トップギアでいくつもりです!」
藍子「わぁ、もこもこの冬毛であったかそうですねっ」
美穂「ぽこっ(失礼しますっ)」
ノソノソ
P「うーむ、ふかふか……」
美穂「ぽこ~……(いいにおい~……)」
未央「両者、割と慣れた様子で抱っこポジションに入りました」
未央「こういうのなんて言うんだっけ、実家のような安心感?」
藍子「天気がいい日は、よくお二人で日向ぼっこしてますからね~」
P(だが、いつも通りでポイントは見込めない……)
P(さあ、どう出る美穂……? 美穂?)
P「美穂?」
P「………………寝とるがな」
美穂「ぷぅ……ぷぅ……」スピスピ
蘭子「ねっ眠り姫の誘う手がぁーっ!?」
卯月「美穂ちゃん、起きて起きて! まだ何もしてませんよぉ~っ!」
響子(……いいなぁ)
美穂「ぽこぉん……ふしゅ……くるる……(えへへぇ……お花畑いっぱいの馬刺しぃ……)」
美穂(馬刺し畑と辛子蓮根のお山……なんだか天国みたい……)
美穂(あっ。丘の向こうに見える、あの影は……?)
美穂(プロデューサーさん! プロデューサーさんだっ! お膝に乗せてくださ~いっ!)
美穂(あ……あれっ? どうして遠ざかるんですか? どうして……)
美穂(ああっ! プロデューサーさんの上半身と下半身が、Vガ〇ンダムみたいに二つに分かれてっ!?)
美穂(お膝が遠くに飛んでっちゃうよ~っ!!)
P(終わりのないディフェンスでもいいよ……いいよ……よ……)エコー
美穂(ま、待って~~~~~っ!!)
美穂「ぽこっ!!」クワッ
P「起きた!」
藍子「夢の中で何か掴んだんでしょうか?」
美穂(ただ乗ってるだけじゃ、誰にも勝てない。ディフェンスじゃダメなんだ、攻めなくちゃ!)
美穂(茜ちゃんの熱さ、菜帆ちゃんのおもてなしの心、紗枝ちゃんのパステルピンクな罠)
美穂(こずえちゃんの子守歌、奈緒ちゃんの優しい気遣い、……それらを超えるものを、私がやるんだっ!)
美穂(この手はできれば使いたくなかったけど……)
美穂「ぽこーっ!!(小日向狸、奥義っ!!)」カッ
P「な……っ!?」
未央「みほちーが立ち上がって……!?」
藍子「プロデューサーさんの体をよじ登って……!?」
美穂(狸流、毛皮魔布羅亜(まふらあ)ーっ!!)
クルンッ モッフゥゥゥゥッ
未央「く……首に巻き付いたぁー!!」
卯月「あ、あれは……!」
響子「マフラー!?」
美穂(狸的にはとっても悲しい話だけど、昔、狸の毛皮が乱獲された時代があったみたい)
美穂(あったかくてふかふかで、防寒性がすごく高かったんだとか)
美穂(それこそ襟巻にしたり、帽子になっちゃったりしてたとか……生きた私が真似するのは罰当たりな感じがするけど)
美穂(これは、卯月ちゃんと響子ちゃんの手編みマフラーがヒントをくれた、いわば友情の合体技ですっ!)
藍子「動物さんの毛皮、特に冬毛って、すっごくあったかいって聞きますね」
未央「その上みほちーのぽかぽか体温が合わさったら、その温かさとふかふかさたるや……」
P「あふぅん……」ヌクゥゥゥイ
未央「成人男性がしちゃいけない顔しちゃうほど……というわけだね!」
藍子「モザイクものですね」
美穂「ぽこっ、ぽこっ(えいっえいっ。落ちないように……)」ムギュムギュ
美穂(あ、お顔が近い……)
美穂(な、舐めてみる? 紗枝ちゃんみたいに………………)
美穂(…………や、やっぱり無理~!!)ポポポポポポ
P「更に体温が上がった!!」
蘭子「これならばシヴァの暴威も恐れるに足らず! 流石はこの魔王の同胞なりっ!」フンスフンス
P「いやー……良かったわ(語彙力消失)」
未央「いいなー、いーいーなープロデューサー。ねぇねぇさっきの私にもやらせてよー」ツンツンチクチク
P「なんだよ本田ぁーやーめーろーよー」
未央「いーいーじゃーんーかーよーう」チクチクプニプニ
未央「――さて、これにて全ての審査が終わったわけですがっ」
未央「みほちーの点数が出ることで、優勝者が決定します!」
未央「果たして結果はいかに!? では点数を……」
藍子「…………」
未央「発表っ!!」
小日向美穂
もふもふ点:10 癒し点:10 技術点:8
計 28点
未央「10点、10点、は……8点っ!?」
未央「合計28点、2位の海老原選手とタイ! ということは……!?」
未央「29点の、神谷選手の優勝となりましたぁーっ!!」
奈緒「え、はぁっ!? あああ、あたしかよぉ!?」
紗枝「一歩及びませんでしたなぁ。奈緒はん、ほんまお見事どす~」
こずえ「もふもふー……こずえもしたいー……」ニギニギ
茜「おおっ、決まりましたかっ!! 奈緒ちゃん……いいやもふもふクイーンとお呼びした方が!!?」
菜帆「いい大会でしたね~。とってもほんわかできました~♪」
美穂「ま、負けちゃった……」
未央「私とプロデューサーは文句なしにみほちーに満点をつけたわけですが、解説の高森さん! この一歩届かない点数には何か理由が!?」
藍子「ええ。美穂ちゃんの機転は実に見事でした。その効果の大きさも、プロデューサーさんの反応から一目瞭然です」
藍子「しかし、一つだけいかんともしがたい問題があるのです」
P「その問題とは……?」
藍子「とてもシンプルです。――範囲が『膝の上』から外れてしまったのです」
藍子「これはルール上の不備と言うべきかもしれませんが、行動範囲はあくまで限定されています。全身が膝の上から離れてしまっては、場外と言うほかありません」
藍子「足がついてたりすれば膝上判定は残り、文句なしの満点だったものを……マフラーという発想は素晴らしいものだったんですが」
藍子「あるいは点数上限が10でなければ、他二つとの合計点でトップに躍り出たかもしれません。本当に惜しいです」
未央「あーちゃんほんとにガチ採点だね!?」
未央「見事第一回もふもふクイーンに輝いた神谷選手には、賞品の『プロデューサーの膝永住権』が授与されます!」
奈緒「……って言うけど、具体的にどうすりゃいいんだよ!?」
凛「乗ればいいんじゃない?」
加蓮「シェアしようよ」
奈緒「うぅ……。てか、あたしがそんな権利持ってたって絶対持て余すだろ! 普段使わないんだから!」
奈緒「放棄、放棄だっ! 今日をもって永住権を放棄する!!」
加蓮「えーっ。せっかく勝ち取ったのにー」
凛「あとあと響くと思うよ、その判断」
奈緒「お前らはなんで普通にシェアする気でいるんだよ!?」
未央「優勝者が権利放棄したということは、プロデューサーの膝は……」
藍子「所有者のいない土地(ノーマンズランド)……?」
P「俺の膝は俺のものでは……?」
周子「んじゃこれからは事務所の共用スペースってことでー」
菜帆「お菓子とお茶を常備しましょう~♪」
紗枝「鳥居をよぉさん立てて、お稲荷様の通り道にするんはどうどすやろ?」
茜「運動できる場所にしましょうっ!! 寒い日こそ体を動かすんです!!!!」
芳乃「力ある石を積みてー、御利益のある土地になりますようー」
茄子「それならお賽銭箱も設置したらどうでしょう?」ニュ
響子「あ、だったらまずお掃除しなきゃ!」
輝子「キノコ……育つかな……」ニュ
小梅「あの子が、『まずはそこから始めます』だって……」ニュ
こずえ「がくいんをたてる」
P「お前ら俺の両足をどういう空間だと思ってんの!?」
?「ちょっと待ったー」
P「ハッ!? このこいかぜMVのイントロみたいにドアを開く姿は……!」
楓「大会(まつり)と聞いて我慢できずに駆けつけました」
美穂「楓さん!?」
楓「もう、みんな。私を置いてこんなに重要……おもしろ……阿呆……楽しいイベントを催すなんて、もぉよしてくださいね?」
一同「はーい」
P「その途中まで建前用意しようとしてあっさり諦めるスタンス嫌いじゃないですよ」
未央「ということは、かえねーさまも……?」
楓「はい。高垣楓、エントリーしまーす♪」
P「いやもう結果出てますから! 優勝決まってるし!」
楓「……」モフモフモフ
楓「私の髪も結構もふもふだと思うのですが」キリッ
P「だから後の祭りなんですって」
楓「そんな……」
楓「では、もう不毛なアピールでしたね……毛だけに………………」ショボン トボトボ
P「ああっもうわかりましたよやりますよ! マジで落ち込むんだもんなこの人!」
No.7 高垣楓
楓「それでは失礼しますね」
P「ええ。…………楓さん」
楓「はい?」
P「後頭部しか見えないっす」
楓「あら、そうですか? 私からはなかなかいい景色なんですけど」
未央「おおっと、ここでモデル出身の高身長が仇となったか!?」
藍子「楓さんは全然気にしてませんね。流石ですっ」
楓「なるほどー……。プロデューサーはこういう視点でお仕事をなさっていたんですね(右を見る)」
P「おふっ」フワァ
楓「あ、これあの時の写真。デスクに飾っていてくれてたんですね、嬉しいです(左を見る)」
P「へぶっ」フワァ
P(た、高さ的に、髪先がちょうど鼻をくすぐって……)
P「……へっぷしっ」
楓「あら?」
P「すいません、唾飛ばないようにしま……ぶぇくしょっ!」
楓「あ、私の髪のせいなんですね。なるほど」
楓「…………」
楓「♪(左右左右左右左右左右左右左右)」
P「グワーッ!? へっぶし!! ぶへっ!! ぼはっ!!」
楓(楽しい……♪)
判定:失格
途中から目的を忘れている為。
―― 後日
その日は朝から大雪で、都内でも珍しいほど雪が積もりました。
事務所を出るなり一面銀世界で、私もプロデューサーさんもびっくりです。
「さっっむ! なんだこれ!? どっかから雪女でも来てるんじゃねーの!?」
「ほ、ほ、ほんとですね……!」
ちょうど寒い時間に出ちゃったのが運の尽き。だけどこれからお仕事だから仕方ありません。
「こりゃさっさと終わらせて事務所帰るのが吉だな……。美穂大丈夫か? ちゃんとカイロ持った?」
「は、はい、大丈夫です。でもほんとに寒い……っ」
おまけに風まで強くて、ちょっと歩くだけで大変でした。社用車は点検に出しちゃってるそうだし……。
寒い冬、暖を取る手段はあればあるだけ困りません。
事務所はエアコンやストーブに加えて、誰かが持ち込んだコタツや毛布、あったかいお茶もあります。
最近はホットスポットとしてプロデューサーさんのお膝の上とか流行ってますが……。
「あの。お膝って今どうなってます?」
「郵便ポストみたいになってる」
共用スペースになったその場所では、こずえちゃんや小さな子が乗っかったり、誰かから誰かへ渡すものが置かれてたりします。
物置はそこらへんのテーブルでもいいだろと本人は言いますが、ちょっと近寄って声をかけたり、軽いお話をするいい口実として、
みんなそれなりに重宝しているようです。
私は結局、永住権を得ることができませんでした。けど――
「ほんっとに寒いなしかし……冬ヤバすぎだろ……」
「……あれ、しちゃいましょうか?」
つま先立ちをして、そっと耳打ち。
するとプロデューサーさんは照れくさそうに苦笑して、同じく小声で返します。
「……頼める?」
そうと決まれば善は急げです。
頷き合い、連れ立っていそいそ物陰に隠れます。誰も見てないことを確かめて、
ポンッ!
と狸に戻り、プロデューサーさんがそんな私を抱き上げて。
マフラーみたいに首にまきまきされて、ぎゅっと身を縮めます。
「あ゙~ぬくい……ただのマフラーにはもう戻れない……」
「ぽこ~(あったかい~♪)」
コートのボタンを上まで留めてフードを被ると、ちょっと首元が膨らんでるだけの人になって怪しまれません。
これぞ二人ともあったかい、私にしかできない裏技です。
お膝の上は譲ってしまったけど。
この人の首元は、私専用……って考えてもいいですよね。えへへ。
「ちょっと息苦しいと思うけどごめんな。さ、一緒に行くか」
「ぽこっ」
いよいよ寒さも厳しい年の暮れ、みんな大忙しであちこち走り回っています。
けど私達は、なんとか寒さを凌いでいけそうです。
そういう風にして、12月は過ぎていくのでした。
~おしまい~
〇オマケ
未央「エキシビジョンマーッチ! ポジパのもふもふは茜ちんだけにあらず!!」
P「おっなんだなんだ」
未央「気にならないかねプロデューサー君? 私達の秘密兵器が誰なのか……」
P「藍子?」
未央「即バレ!?」
P「いやまぁポジパっていったら三人だし」
藍子「あはは……。私はいいって言ったんですけど」
未央「いやいや、あーちゃんのポテンシャルを知らないでいるのはもったいないよプロデューサー!」
未央「一回審査してみて、ほらほらっ。それに最近またお疲れみたいだしさっ♪」
藍子「あの、クッキーを焼いてきたんです。よろしければどうかなって……」
P「二人とも……」
P「い、いかんな最近涙もろくなって……。よしわかった、審査員としてその実力を測らせてもらおうじゃないか」
藍子「はい。では、失礼しますね」ポフッ
「――それで、いつも行くお散歩道に黒猫さんがいたんです。写真を撮ろうとしたんですけど、逃げちゃって――」
(藍子はいい……とても癒される)
「これですか? ふふっ、手作りのネックレスなんです♪ いつか一緒に行ったものづくりカフェの――」
(とりとめもない話の一つ一つに暖かみがあって、聞いているだけで楽しくなる)
「――そういえば、聞いてください。このあいだ茜ちゃんが――」
(何時だっけ今)
「――――っていうことがあって、とっても楽しかったんです♪ そうそう、置いてけ堀といえば――」
(まあいいや)
(このままはなしをきいていよう)
「――――あれ? 私どうしてお蕎麦屋さんの話してたんだっけ。プロデューサーさんはお蕎麦お好きですか? 私は――」
ゆるい ゆるい あいこ いる
おちゃがあったので
うまかっ です。
「――――――――ふふっ、またお話しましょうね♪」
ゆる
ふわ
高森藍子
もふもふ点:ゆる 癒し点:ふわ 技術点:無限力
計 測定不能
志希「たっだいまー。あ、いたいたプロデューサー! はいこれお土産のジンギスカンキャラメル」
P「」ユルフワ
志希「あれ? なんか停止してる。まいいや今のうちに補給しとこ~ハスハス~」
志希「クカッ(フレーメン反応)」
志希「あっそうだ、ねーねー聞いて聞いて? 北海道でおもしろそーな子見つけちゃった!」
志希「カクカクシカジカでなかなか学術的興味をそそられる子でね~。で、うちってそういう子結構いるでしょ?」
P「」ユルフワ
志希「来る? って聞いたら――――聞いてるのかねーキミー?」ペタペタ
P「」ユルフワ
志希「……感染済みかにゃ?」
P「」ユルフワ
~オワリ~
以上となります。お付き合いありがとうございました。
依頼出しておきます。
良いお年を。
乙
>美穂(ああっ! プロデューサーさんの上半身と下半身が、Vガ〇ンダムみたいに二つに分かれてっ!?)
コアファイターがあるから正確には
・頭(臓物)
・腕
・足
の三分割だな(オタ特有の細かい視点)
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