秋山「いつも戦車を入れているレンガ造りのガレージ!」
秋山「その中から男性の声とは!不届き者ですか!」
秋山「そこにいるのは誰でありますか!」ドアバァン
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???「お、秋山さんですか」
???「どうしたどうしたそんな怖い顔して」
???「女子がそう険しい顔するでない、シワが増えるぞ」
秋山「シワって…というか誰もいない?どこに隠れてるんだろう…」
???「おいおい冗談が過ぎるぜ秋山の嬢ちゃん、俺達の声が聞こえてるんだろう?」
秋山「聞こえてますけど…誰ですかさっきから?」
???「こうすれば解りますか?」フロントライトパカー
秋山「フロントライトが勝手に点いた!?」
秋山「Ⅳ号の中にいるんですね!」キューポラカラノゾキコミー
秋山「…誰もいない」
???「私ですよ私、Ⅳ号ですよ」
秋山「…」
Ⅳ号「…」
秋山「えぇぇぇーっ!?」
ヘッツァー「中々に察しが悪いなぁ」
M3リー「秋山の嬢ちゃんならすぐ俺達だって気付くと思ったがな」
八九式「そもそも戦車のガレージに入るような男などおらんじゃろうて」
Ⅲ突「男でもよっぽど物好きな奴だろうな!ガッハッハ」
秋山「えぇ…戦車の声が聞こえるなんて…まるで映画『ホワイトタイガー』です…」
B1bis「マドモアゼル・秋山、あの映画とはちょっと違うよ」
Pティーガー「そう…戦車は生きているのですよ…」
チヌ「我々戦車の声は一部の人間にしか聞こえない。その一部に秋山さんもいるってわけ」
秋山「確かに戦車が大好きな私ですけど…戦車に命があったなんて」
チヌ「そうだよ。厳密にいえば戦車だけじゃないけどね」
Ⅳ号「知波単学園のK2機関車さんも面白い方でした」
B1bis「風紀委員の運転してるくろがね四駆、時折ここに来て小言を言いに来ますよ」
M3リー「まぁとりあえず折角来たんだし、俺達とお話してかない?」
八九式「儂の昔話が火を噴くぞい」
ヘッツァー「爺さん、あんたは座ってて」
Pティーガー「ふふふ…久し振りの話相手…」
秋山「話相手、そんなにいないんですか?」
Ⅲ突「まぁ…吾輩たちがブイブイ言わせてたころは五年に一人は確実に居たぞ」
Ⅳ号「でもしばらく戦車道もしてなかったし、人間の話相手は秋山さんが三十年ぶりくらいですかね」
秋山「三十年ですか…しかも皆さん色んな所に放棄されてましたもんね」
Pティーガー「あ…そういや『仙人』の声…私のいた部屋までは聞こえてましたよ…」
秋山「『仙人』?」
ヘッツァー「マジか、今まで何で言わなかった」
Pティーガー「だって人間さんに言わないと探せないし…言う必要ないかなーって…」
Pティーガー「放棄されてた場所の話でついでに思い出しただけですよ…」
M3リー「そうかー『仙人』居んのかー…」
秋山「どんな戦車なんです?」
Ⅳ号「いや、何といえばいいのやら」
八九式「一騎当千といったところかのう、あのお方は」
チヌ「英国生まれの気さくなお方だった」
B1bis「でもあの戦い方は紳士のそれじゃなかったね」
Ⅲ突「蛮族も同然だったぞ」
秋山「???」
秋山「仙人で英国生まれで蛮族…?」
八九式「まあ、まだ見ぬ戦車がこの学校にいるということじゃよ」
秋山「そうですか…」
秋山(Pティーガーさんの周辺ということは船室のどこかに戦車が…)
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