ほたる「どこで拾ってきたんですか？」

藍子「いつも散歩する公園に大きなコンテナが捨てられてて、その中に丸くなって入ってたんです」

ライオン「ガオ」

藍子「飼い主が見つかるまで事務所にいさせてあげられないかな……？」

ほたる「きっとPさんなら……いいって言ってくれますよ。可愛いし……」

藍子「そうですよね、きっと大丈夫ですよね。可愛いですし」

ライオン「ガオ」※Pの机で爪を研いでいる

ほたる「猫さん、お腹は空いてないんでしょうか……？」

藍子「エサをあげないといけませんね。ちょっと精肉店に行ってきます」

ほたる「行ってらっしゃい。……帰ってくるまで猫さんと遊んでよう……」

ライオン「ガオ」

ほたる「えーっと……あっ晴ちゃんのサッカーボールがある。ちょっと借りようかな……」

ライオン「ガァ」

ほたる「わぁ、大きなお口。私の首なんて紙切れみたいに引き裂けそう。とりあえずボールを、そーれ、ころころころ～……」

ライオン「ガオー」はっし！ガタン！ばしっ！ゴロゴロゴロ

ほたる「わぁー……雄々しい……」

ほたる「……呼んだら来るかなぁ」

ほたる「ボールを拾って……おいでー猫さん……おいでー……」

ライオン「ガオー」しゅばっ

藍子「ただいまー……あれっ、ほたるちゃん猫さんに頭噛られてますよ。遊んでたんですね、ふふっ」

ほたる「ボール遊びしてました……えへへ、ちょっと痛いです」※頭から血出てる

ライオン「がじがじ」

藍子「痛いんですか？ どのくらい？」

ほたる「うーんと……植木鉢が80個分くらいかな……大丈夫ですよ、そこまで痛くはないので……」

藍子「そうですか、頑丈ですね。流石はほたるちゃん」

ほたる「えへへ……」てれてれ血ぴゅー

ライオン「がじがじ」

藍子「ちょっと猫さんのご飯準備してきますね」

ほたる「あ、はい。もうちょっと遊んでます」

藍子「その猫さんのエサは、脂身の少ない赤身の牛肉の塊とかでもいいんですけど、今回は内臓を抜いた鶏さんをあげます」

ほたる「わぁ、一匹まるごと……ご馳走ですよ猫さん、よかったね」

ライオン「ガオー」

藍子「カルシウムとかも摂取できるよう骨付きです。でもこのままだと、割れた骨が猫さんの内臓に刺さってしまうので、今から骨を砕きます」

ほたる「へぇ、物知りなんですね藍子さん」

藍子「スマホは便利ですっ（※参考文献→nakigoe.jp/nakigoe/2008/09/report01.html）。こうやって包丁でお肉の上から叩くんですよ」ダンッ！ダンッ！ダンッ！

藍子「出来ましたっ。さぁ召し上がれ♪」

ライオン「ガオー」がつがつがつ

ほたる「わぁー、いい食べっぷりですね……雄々しい……」

藍子「猫さん、美味しい？」

ライオン「ガオー」がつがつがつ

藍子「ふふっ、よかった♪」

ほたる「……いつまでも猫さんって呼ぶのも、なんだかよそよそしい感じがします」

藍子「うーん、それもそうですね。名前つけてあげないと」

ほたる「あ、名前考えたんですけど……」

藍子「ん？ どんな名前ですか？」

ほたる「”トラ“というのはどうかな、って……」

藍子「トラ……トラ……」

ほたる「雄々しいから……」

藍子「ちょっと呼んでみましょうか……トラー」

ライオン「ガオー」がつがつがつ

藍子「あっ、返事した！ トラ、気に入ったみたいですねっ。トーラ♪」

ライオン「ガオー」がつがつがつ

ほたる「わぁ……雄々しい……」

藍子「トラ、ご飯食べたら丸くなっちゃった。……わー、たてがみゴワゴワしてる」

ライオン「グルルルル……」

ほたる「しっぽ振ってる……可愛い……雄々しい……」

藍子「おやつも買ってきたんですよ。じゃーん」

ほたる「これは……骨、ですか？ 大きい……」

藍子「牛さんの骨です。歯の掃除になるんですよ。はい、トラ、これあげる」

ライオン「がじがじ」がつがつがつ

ほたる「……スルメ齧ってるPさん、こんな感じですよね」

藍子「そうですね……」

ほたる「あれ、お肉さっきあげた分で終わりですか……？ 明日以降のエサは……？」

藍子「詳しくはさっきの参考文献のページに載ってるんですけど、毎日あげなくてもいいんですよ」

ほたる「へー……」

ライオン「がじがじ」がつがつがつ

ほたる「そうだ、ちょっとトラの写真撮ろう……」

藍子「あっ私も私も」ぴーす

ほたる「ふふっ、藍子さんったら……」パシャ

ライオン「がじがじ」がつがつがつ

ほたる「SNSや事務所のLINEに上げようかなって思って……」

藍子「いいですね、じゃあ私も。ほたるちゃんピースして」

ほたる「わわっ……ぴ、ぴーす……えへ」

藍子「トラもほたるちゃんも可愛いです♪」パシャ