【ポケモン】キミの知らない物語【化物語】 (68)
怪異とは。
現実には有り得ないような不思議な事実、あるいはそのさま。
超自然的現象とされる、あまり世間では知られていないモノの存在を指す。
といっても、この世界じゃ「ポケモン」という不思議な生き物が人間の近くにいるお陰で影が薄いが。
ポケモンといえば、なんでも今から数百年、数万年も前にはポケモン以外の生物がいたらしい。
そして、その生物達こそが現代で“怪異”と呼ばれるようになった、怪物と化したモノの生前の姿。
死した生物がある種の何かによって、人間に憑いて現代に本意にしろ不本意にしろ蘇らんとする。
そんな怪異に必然として、片足を突っ込んでしまった者達の話。
非現実に呑み込まれた“彼等”と、非現実が現実となってしまった“誰か”の物語だ。
◇アテンションプリーズ
・この作品はポケモンで化物語をパロしちゃった感じの作品になります
・安価でオリ主人公決めて世界一周旅行
・ギャグとシリアスの比率は4:6ぐらい
・化物語キャラは多分出ない
・ポケモン最新作のネタバレが出る恐れあり
・ポケモン要素薄目、というか場合によって皆無
・設定の捏造やら時系列迷子やら色々あり
・文は極力化物語に寄せる努力はしますが過度な期待はしないでほしいです
・安価とコンマと自由安価で進みます、R-18な安価は下にずれます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511693709
まずはオリ主の性別を決めたいと思います。
主人公は男か女か↓1
主人公の性別:女
ちなみにですが、作品の設定は大体ゲームです。
サトシは出てくるかどうかは今のところ未定です。多分出てこない。
では次に主人公の名前を決めます。
↓1~3までで一番コンマが大きかった名前にします
主人公の名前:リリィ
次に主人公の特徴について決めます。
外見・性格・趣味嗜好・話し方なんでも構いません、彼女の特徴を決めてください。
できれば独立したキャラにしたいので、原作のキャラとの関係はなしでお願いします。
また、外見の安価が出なかった場合はこの後もう一度安価します。
↓1~10まで、リリィの特徴を決めてください
↓10までって多くないか
安価なら茶髪に黒目。身長が低いが普乳。一つの事に集中すると周りが見えなくなるタイプで可愛いものが大好きなどこにでもいる普通の子。
皆さんに予想以上の設定考えていただいたのでここで切り上げます。
設定を考えてくれた皆さんありがとうございました。
誠に勝手な行動をしてしまい申し訳ありません。
>>12 SSを書くのが初めてなので少し数を多くし過ぎました、すみません。
今後気を付けますがまた何かありましたらご指摘ください。
リリィの特徴
・茶髪の若干低めなポニーテールで黒目に眼鏡をかけた低身長の普乳
・内気で大人しいが真面目で一生懸命で優しい性格
・写真を撮ることと可愛いものが好きなどこにでもいる普通の子
・一つの事に集中すると周りが見えなくなるタイプ
・好きなタイプは鋼、苦手なタイプはゴースト、両方持ったヒトツキ系統は少し複雑
・誰に対してもですます口調
・本人は気付いてないが軽い百合属性
・アローラ出身でポケモンスクール卒業後の進路に悩んでいる
・自分とは正反対の巨乳で天真爛漫、誰とも直ぐに仲良くなれる天才タイプの旅に出ているガチレズの姉が一人おり、
そんな姉に対して、劣等感を感じていると同時に姉の事が大好きなシスコン
・姉のようになることが目標でその為に自分も旅に出るべきか悩んでいる
こんな感じになりました。
似た設定は勝手ながらまとめさせていただきました。
一通り書いたつもりですが抜けありましたらすいません。
次にリリィのお姉さんの名前を決めます。
↓1~3まででコンマが一番大きいものにします
次の更新は昼頃になる予定です。
主人公の姉の名前:シオン
次にキャラ二人の怪異関連の情報を決めます。
二人に怪異が憑いていた場合、何が憑いてたのかを決めてください。
化物語には登場しないものの場合はその怪異の名前を、
または普通の動物の名前や「吸血鬼」などモデルだけでも構いません。(吸血鬼は化物語に登場していますが)
後者の場合はモデルから作者が設定を作ります。
もし、こういう設定がいい等ありましたら一緒に書いてください。
また、同時にコンマもするので下記を一度ご確認ください。
コンマ十の位はそのキャラの怪異の知識に関係します。
奇数→知らない 偶数→知ってる 0→専門家レベルの知識
コンマ一の位はそのキャラが怪異憑きかどうかに関係します。
奇数→ノーマル 偶数→なんか憑いてる 0→ヤベェの憑いてる
では安価お願いします。
リリィ:↓1
シオン:↓2
質問なんだけどコンマでついてるか決めるって
憑いてない場合は怪異はどうするの?
憑いている新キャラ現れるのかな
>>20
憑いてない場合はそのキャラに憑きません。
出なかった場合は怪異の設定は原作キャラの方で使わせていただきます。
説明不足になってしまいすみませんでした。
安価踏んでた場合は安価下で。
安価ありがとうございます。
少し作者の方で物語を進めるために少しだけ変えさせていただくかもしれません。
リリィに憑いた怪異:迷い牛の子供
ポケモンと家に帰りたくない者にしか見えない。
いつから憑いたのかは不明だが、当人は認知している。
シオンに憑いた怪異:障り猫
取り憑いた人物の体に憑依してストレス発散を肩代わりする。
当人も知ってるしそこまで気にしてないが危険度はかなり高い怪異。
それでは最後の安価です。
二人が持っているポケモンを一匹ずつ決めてください。
レベルはコンマ数と同じになります。(0はレベル100)
性別に希望がある場合は一緒に書いてください。
リリィ:↓1
シオン:↓2
レベルに達していれば進化後で、達していなければ進化前です。
またも説明不足でした…、申し訳ありません。
リリィのポケモン:クチート(♀)
シオンのポケモン:レントラー
安価ありがとうございました、これで二人の設定はほぼ決定です。
一度まとめさせていただきました。少し作者の加筆があります。
リリィ
茶髪の若干低めなポニーテールで黒目に眼鏡をかけた低身長の普乳の少女。
内気で大人しくも真面目で一生懸命で優しい性格、
ただ一つの事に集中すると周りが見えなくなってしまのがたまに瑕。
写真を撮ること、可愛いもの、鋼タイプのポケモンが好きな普通の女の子。
苦手なものはゴーストタイプで鋼とゴースト両方のタイプのポケモンは少し複雑。
誰に対してもですます口調で話しており、また本人は気付いてないが軽い百合属性。
自分とは正反対の姉をもち、そんな姉に劣等感を抱きながらも姉が大好きなシスコン。
ある時から“迷い牛の子供”に憑かれ怪異の世界を知り、今はその生活も慣れた。
アローラ出身でトレーナーズスクール卒業後の進路に思い悩んでいる。
自分は姉のようになることが目標でその為に自分も旅に出たいが怪異の事が心配の様子。
手持ちポケモンは♀のクチート。
シオン
一言で言えば「巨乳で天真爛漫、誰ともすぐに仲良くなれる天才タイプのガチレズ」
現在は旅に出ており、行く先々で自分のやりたいように過ごしているらしい。
ストレスが許容範囲を超えると憑いている怪異“障り猫”が発現する。
リリィ曰く「ブラックシオン」、シオンよりも扇情的で大変危険度が高いようだ。
また猫であるから「にゃあにゃあ」ばっか言う、な行の言葉が多い会話は注意。
手持ちポケモンはレントラー。多分♂
それでは書いていきたいと思います。
「…参りましたねぇ」
まさに青天というべき青空の下、それに似つかわしくない表情で私は言った。
いや、正確に言えば自分で自分がどんな顔をしてるかなんて全く分からないけれど、
その時ばかりは顔を見ずとも、確認せずとも、私が浮かない顔をしているのは分かった。
なぜなら今後の私にとっては死活問題ともいえる深刻な状況に陥ったからだ。
と言っても、数年前のまさに地獄のようであった一週間に比べればなんて事ないが。
「これから私………どこで暮らせばいいんでしょうか」
そう、住まい。人が寝泊まりをする為に必須とも言える場所。衣食住の中の一つ。
生活するにおいて重大といえる三大要素の一つ。欠いてはいけないもの。
その一つを私は今日をもってなくしてしまう事になった。使えなくなってしまった。
「スクール卒業してからの事、一切考えていませんでしたから」
今までの私は、“リリィ”という人間は、学校という場所に通っていた。
トレーナーズスクール。人によってはポケモンスクールとも呼ばれる学び舎。
私はここの学生寮にて今まで暮らしてきた。住を確保し続けてきたのだ。
しかし今日、私はこのトレーナーズスクールから卒業した。一人立ちしたのだ。
これからは生徒としてではなく、一トレーナーとして過ごしていかねばならない。
その事実を、その現状を、今私は目の前に突き付けられてしまったのである。
「はぁ……」
進路の事なんかまったく考えていなかった。ぶっちゃけた話これなのだ。
もっともスクールに通い出したのも「姉に追いつきたいから」という不純からだったが。
私の姉、シオン。
一言で言ってしまうと「巨乳で明るくて誰とでも仲良くなれる女好きの天才トレーナー」。
彼女の裏を知らない人間からすれば、この一言で片付いてしまう女性である。
妹である私からすればこの一言では語り切れない程の情報を知っているが割愛。
現在は世界を巡る旅に出ており、私が今頼るべき人間ではないのは確かだ。
もうこの際、私も旅に出てしまおうか。世界を周る旅というのも悪くない気がする。
ただ、心配なのは“私自身”である。より細かく言うと、私に憑いたモノなのだが。
ここは一念発起して飛び出してみるか、それともここに。
私が生まれてから今まで生き続けてきたアローラ地方でもう少し過ごしてみるか。
「どうしましょうねぇ」
「クチ?」
そんな言葉を頭で回転させながら、横で私の悩みなど気付いてないクチートを撫でた後。
私はもう一度溜息をついた。
↓2 リリィの行動を選択肢から選んでください
・アローラに残る
・他の地方へ行ってみる、どこへ行くかも書いてください
迷い牛だから憑いたままだと迷子になるけど
家って実家かな、緩い怪異だし寮ならセーフ?
残って成仏させる為の旅なんか良さそうだけど
>>29
おっしゃる通り「子供」なので大分緩い怪異です。
家と言ってもそれぞれですが、この怪異にとっては家=家族or家族のように大切な人と住んでる場所、みたいな。
血は繋がってなくても本当の家族のように一緒に暮らしてる人との住居みたいな感じです。
ただリリィちゃんが霊感ゼロなせいで怪異そのものを見ることはできない設定になっていますが。
踏んでたら安価下で。
ジョウト地方へ行ってみる
後、選択肢にするなら数字を選ぶ方式にしたほうがいいと思うよ
>>31
ご指摘ありがとうございます、次回からそうさせていただきます。
「……あっ」
霧がかかったように曇りっぱなしだった私の頭に、不意に閃くものがあった。
閃く、と言うにはとても小さく意味はそれほどないものであったが。
「地方の規模で言ったら他より狭いし…あぁでもカントーと繋がってるか」
「クチィ」
「後、ロケット団とかも少し気になるところだけど…まぁ大丈夫ですね」
どうも地方一つに必ず悪の組織というものはあるようで、なかなか難儀な世だ。
それで言ったら、私はアローラに住んでいてよかったのかもしれない。
「うんうん……いいかもしれませんね、少し行ってみましょうか」
「クチ?」
「ふふ、ちょっと長旅になるかもしれませんが付き合ってくれますか?」
「クチクチ!」
別にその場所に人脈の頼りがある訳でもない、アローラより知ってる訳でもない。
というか今まで一度も行った事がない場所である。それでも行く価値はあった。
「行きましょうか…ジョウト地方へ」
この時の私は知らなかった。
今まで私と姉ぐらいしか知らないと思っていた“怪異”の存在が、
こうも近くに、人間やポケモンの隣にいたなんて。
そして、どっちみち私がアローラに残ったとしても“それ”に出会う事になるとは。
まだ何も始まっていなかった時の私は少しも、可能性の一つすらも考えていなかったのだ。
↓1 ジョウト編へ移行するので最初に物語のキーマンになるキャラを決めてください
ちなみに時系列はロケット団解散してませんが金銀主人公出てきても大丈夫です
出来る限り赤緑、金銀クリスタル、FRLG、HGSSに登場するキャラから出してほしいです
↓3 最初の物語に出てくる怪異のモデルになる動物や怪物の名前を決めてください
モデルから作者が設定を作ります
安価外だけど羊っぽい怪異名で
夢限抱羊(むげんほうよう)って思いついたけど使ってもらえたら嬉しいな
「最後まで諦めたくないんです、鋼の心でいたいだけです」
ミカンという少女は、とても献身的な少女である。
初めて出会った私が最初に思ったのはそういう感想であり性格だった。
大人しそうな性格だが彼女の心優しさは誰から見ても感じ取れるものだ。
誰も彼女を悪人とは思わない、誰でも善人と思う筈だ。
思う、筈である。
同じ鋼タイプが好きな者同士としてはもう少し語りたいところなのだが
今の私が知っているのは凡人程度の人間観察の力ともう一つの事実だけ。
彼女がアサギシティのジムリーダーを務めている、ということだけ。
その折れない優しさと強さは、時には何かを傷つけたかもしれない。
なので、私は彼女が完全に善人であるとは言えなかった。
いい人ではあるのだろうが、混じりっ気なしの善人とは言えなかった。
彼女が、今までに一つも罪を犯してきて等いないとは思えなかった。
そんな事実に彼女は少しも気づいていなかったとは思うが。
そして、そんな事を思ってしまった私が次に彼女と出会ったのは意外にも。
私が当たり前としている“非日常”の中でだったのだ。
これは、優しすぎた彼女の話。
“羊”と眠った少女の物語である。
>>36 アイデアありがとうございます、使わせていただきたいと思います。
今日の更新はここまで、おやすみなさい。
乙
>>37
ありがとう
凄く期待してる
ただ話と終わる時の挨拶は分けた方がいいかな
そっちの方が分かりやすいかなと
>>38
期待ありがとうございます。楽しんでいただけるよう精進します。
ご指摘もありがとうございます。今後気を付けます。
―001―
「……うわぁ」
「クチー…」
アローラから船で出ておよそ一週間ほど。
目的地であるジョウト地方、その中に存在するアサギシティに私は辿り着いた。
初めて他の地方に来た私はくだらない事に、最初にこう思ってしまった。
広い。アローラの中では大都市とされていたはずのハウオリシティより広い。
まるで初めて都会へ飛び出した田舎者のような発言だ。いや実際に田舎者かもしれないが。
「にしても、どうしちゃったんですかね船」
「クチィ」
私達が舟から上陸したと同時に何やら船に不具合が起きたとの話らしい。
現在メンテナンスが行われているとのことだが、出航するのは暫く無理だろう。
「まぁ、いいか 私達はすぐ次の船に乗るという訳でもないですし」
そう一人呟きながら私は船で貰ったジョウトの観光ガイドを確認する。
【アサギシティ 遠く離れた異国に最も近い港町】
「異国に最も近い、か……」
自分が“そういう類”を知ってしまったせいなのだが、こういう場所は少し不安になる。
人やポケモンが数多く訪れる、という事は“それ以外”も多く訪れる。
あまり姿を見せないモノであるからこそ、私は余計に心配になってしまう性質なのであった。
「クチッ」
そんな余計な心配、もといある意味で言えば「未来を予見していた」私を、
現実の物事へと引き戻したのは隣で辺りを見回していた私のクチートだった。
「ん?どうしましたか?」
「クチ、クチクチ」
「えっ?あの建物…ですか?」
「クチ」
彼女が見つけたのはこの町の中でも特に大きな存在感を放つ灯台だった。
現在の時刻は昼の為、灯台に光は灯っていなかったがそれでも充分な目印の役割をしていた。
当然この灯台は観光ガイドにも掲載されており、こう紹介されていた。
【アサギでは古くからポケモンが夜の海を照らしており、それを祭る為作られた灯台。】
ガイドによれば、今はデンリュウがその役目を担い夜の海を照らしているらしい。
「………確かに、灯台ですから何か集まっていそうですね」
「クチー」
クチートが何を心配しているのか少し分かり、私も灯台を一緒に見上げた。
「…おや?」
「クチ?」
灯台を見上げていた私のすぐ横を誰かが二人、急いで走り抜けていった。
横目だったのでハッキリと確認できなかったが、片方の人は紙袋を持っていた気がする。
そのまま目で追いかけてみると、二人は灯台の中へと入っていった。
「なにかあったんでしょうか?」
「クチィ」
「ちょっと行ってみましょう」
「クチチッ」
今しがた横を通り過ぎていった人たちが気になり、私とクチートも灯台へ向かう。
冷静に考えてみれば、この時点から既に、何かは始まっていたのかもしれない。
↓1~2まで、灯台へ入っていった人物をミカン以外のキャラでおねがいします。
灯台の中へ入ったはいいものの、先程の二人組の姿は見えない。
「どこ行ったんでしょう」
「あんた、誰か探してんのかい?」
辺りを見ていると、灯台の中にいた船乗りらしき男性に声をかけられた。
どうやらこの灯台には予想以上に人がいるようだ。
「あぁ、今この灯台に入ってきた人を探しているんですけど…」
「今入ってきた人?その人達ならエレベーター使って頂上まで行ったぜ」
「頂上ですか、ありがとうございます」
「いいってことよ、けど今動いてったから頂上行くには歩かないといけないぜ」
「分かりました、それでは」
「おう、あぁ後頂上へ行くにゃ一回どっかの窓から飛び降りる必要があるから気を付けな!」
先程の人達の場所を聞く事ができ、脇の階段から頂上を目指した。
彼の言う通り、頂上へ行く為には窓から飛び降りる場面が出てきたがそこは別に問題ない。
その点については、今特筆すべき部分ではないのでここで終わらせる。
梯子を上って頂上に来た私が最初に見たのは、一瞬目が見えなくなる程の閃光。
「うわっ」
灯台だから、光が灯るのは当たり前のことではあるのだが。
その時の私は一切その事実を頭に浮かべていなかったので、結果的に私は転んだ。
お陰で、視界が回復した直後その場にいた三人にとても驚かれることになった。
「うぅー目がチカチカする…って、ちょっと君大丈夫!?」
「あ、どどうも 初対面なのにこんな姿で申し訳ありません」
「そんな事はいいって!ほら」
そう言って私の一番近くにいた白い帽子の女の子が私が起き上がるのを手伝ってくれた。
「あっ、ありがとうございます」
「いいっていいって!」
「にしても大丈夫でしたか?どこか、怪我とか」
「はい、大丈夫です」
「それならよかったです、ごめんなさい今ちょうどこの子が元気になったところで」
「パルゥ………」
エメラルド色のワンピースを着た少女の後ろに申し訳なさそうにするデンリュウがいた。
「このデンリュウは灯台の明かりの役割をしている子なんだ」
「あぁ…それであんなにすごい光が」
「アカリちゃんは病気になっていたみたいで、今薬を貰って元気になったから」
「パルパルゥ…」
「気にしなくていいですよ、それに転んだのは私の不注意ですし」
「ところで、君は一体どんな用でここへ?」
三人の中では一番年上、といってもまだ若そうな眼鏡の男性が聞いてきた。
「あっ、えぇっと、先程この灯台に誰かが入っていくのを見かけて気になりまして…」
「ふぅん…って、もしかしなくてもそれ、私とウツギ博士だったんじゃないの!?」
「へ?」
そう言われてみれば、彼女達の姿は先程見た人物とよく似ているような気がする。
だとすれば、私は彼女達がデンリュウへの薬を届けるのを偶然目撃した、という事か。
「あぁ、それでここへ……か」
「そうだったんだ!あっごめん、まだ自己紹介してなかったね」
「は、はい」
「私はコトネ!ポケモントレーナー!で、こっちはウツギ博士とミカンちゃん!」
「初めまして、君が僕を知ってるかは分からないけどウツギっていうよ」
「ミカン、っていいます アサギのジムリーダー務めてます」
「あっ、よろしくおねがいします えっと、これは私もした方がいいですよね」
ご丁寧に教えていただいておいて、自分は名無しのままバイバイは失礼過ぎる。
それに私は「なに…ただの旅人です」みたいな返答をする人ではない。
「リリィといいます、色々な所を旅しようと思ってて、こっちが私のクチート」
「クチクチィ!」
「わぁ!可愛い!」
「へぇ、クチートか ジョウトじゃ見かけないポケモンだね」
「姉がホウエンに行っていた時にくれたんです」
「そうなんだ!他の地方だとこんなポケモンもいるってすごい!」
喜んでいるコトネさんはすぐにクチートを図鑑に登録したらしい。
「……へぇー、クチートって鋼タイプとフェアリータイプなんだ」
「鋼、ですか」
「あぁ、ミカンちゃんは鋼タイプのポケモンを使うジムリーダーだから気になる?」
「そうなんですか?」
「はい、ちなみに使うポケモンはハガネールです ここだと出せませんけど」
そう言って照れ笑いをするミカンさんだったが、時刻を確認すると慌てた表情になる。
「あっ、もうこんな時間…それじゃあ、あたしジムへ戻ります」
「分かった!ミカンちゃん、明日挑戦しに行くからね!」
「はい、待ってます それでは」
彼女はたった今私が登ってきた梯子から下へと降りていった。
ワンピースを着ているので、何がとは言わないが少し心配ではある。
「さて、僕達も下に降りようか 時間が少し遅くなったから今日はこの町に泊まろうか」
「そうですね!リリィちゃんも一緒に行かない?」
「えっ、いいんですか?」
「いいよいいよ!リリィちゃんも旅してるんでしょ?」
「は、はい まだ始めたばっかりですけど」
「だったら一緒に行こうよ!ね、いいですよね博士!」
「そうだね、ここで会ったのも何かの縁だろうし君がよかったら」
「……でしたら、お言葉に甘えて」
「きまり!じゃあ行こう!」
そのまま成り行きという形で、私は明日もコトネさんとウツギ博士と行動する事になった。
コトネさんはアサギジムへ挑戦するということで、気合を入れなきゃと言っていた。
彼女が連れているポケモン達も彼女と同じようにやる気満々である。
とても仲が良く、信頼し合っているパートナーだな、私は人並みの感性で思った。
ただその翌日、彼女がジム戦を挑む前に、事件は発生してしまう事になる。
もっとも、事件が起きたのはコトネさんではなく、ジムの方なのだが。
―002―
「ジムが開いていない?」
翌日の午前7時、早朝から張り切ってジムへ向かったコトネさん。
その後起きたウツギ博士とコーヒーを飲んでいると、彼女は戻ってきた。
浮かない顔をした彼女から聞かされた事実が博士に上のような発言をさせた。
「そうなんです、入り口の人に聞いたらまだミカンさんが起きてないって」
「うーん、しょうがないんじゃ?ジムリーダーでも生活リズムはあるし」
「だけどその人は“いつもはもっと早くに起きるのにおかしい”って言ってた」
「あれ?」
「だとすると、確かにおかしいね なにかあったのかな?」
「だけど昨日アカリちゃんの件で色々あったし、やっぱり疲れてたのかな?」
腕を組んで考え込む二人を横目に、私は嫌な予感がし出した。
正確に言えば、嫌な予感はアサギに訪れた当初から感じてはいたのだが。
それが今になって、随分と形をなしたようになってきたと言えばいいのか。
「…とりあえず、一度様子を見に行きませんか?」
「ミカンちゃんの?」
「はい、気持ち良く眠っている所を起こすのは申し訳ないですけど場合によって」
「うんまぁ、それが一番いいよね」
二人も納得顔でうなずき、私達は揃ってミカンさんの元へ向かう事にした。
しかし、私はのちに後悔することになる。
ここでもしも二人を、コトネさんとウツギ博士を連れて行こうとしなければ。
彼女達が知らなくてもいい事に、知らない方がよかったであろう世界に。
間違えて足を踏み入れる事になるのを、防げていたかもしれなかったから。
今日はここまで、次から本格的に化物語っぽくしていきたいと思います。
おやすみなさい。
乙
無能扱いのウツギ博士が専門家に転職で有能になる可能性出てくる?
>>47
無きにしも非ずですね。
ただポケモン博士は辞めずに副業として調べる程度だと思いますが。
アサギジムにいた方からミカンさんの家を聞き出し、無許可ではあるがお邪魔した。
「お、お邪魔します…」
「失礼しまーす、ミカンちゃーん!起きてるー?」
「………返事がありませんね」
「変だね、彼女の身になにかあったのでなければいいんだけど」
「確かミカンさんの自室は二階と言っていましたね」
「うん…ミカンちゃん入るよー!」
あらかじめ言っておくが、私はこの先何があるのか全く見当はついていなかった。
しかし、ミカンさんがいる部屋に踏み入った瞬間、私には全てが分かった。
いや、私でなくともその光景を見た誰もが事の異常性というのは気付くはずだ。
実際に、私と一緒に二階に上がってきた二人もおかしさに動きを停止した程である。
「なにこれ」
「いや、分からない…一体これは」
「……………」
綺麗にまとめられた少女らしさが伺える少し広めの空間の中。
その空間に設置されたベッドの上で小さな寝息を立てながら眠っているミカンさん。
カーテンは今朝誰かが開けたのか、彼女に向かって強めの日光が当たっている。
しかしそんな事など気にもしないように、眩しいとすら感じずに彼女は眠る。
だが、それよりも、その程度の事なんかよりも私達の目を引く“それ”はいた。
「この子は…ポケモン、なの?」
ベッドの上で今も眠り続けるミカンさん。そんな彼女に寄り添っているように。
彼女を目覚めさせようとする全てから彼女を守るように。否、遮断しているように。
部屋の天井にまで届きそうな、その巨体を丸めてベッドを包み込むような体制で。
ポケモンで例えるなら、メリープともモココともつかないそれは。
雲よりも白いその柔らかな毛でミカンさんを覆い隠すように、彼女と眠っていた。
「大きい…こんな大きいポケモンもいるんだね」
「いや、いるにはいるんだが、僕もこんなポケモンは見た事ない」
「………」
「リリィちゃん?」
「……すいません、ちょっと失礼します」
いくら私にも似たようなものが取り憑いているとはいえ、その類の知識は殆どない。
知識、といっても私は自分に“憑くもの”の姿さえ未だ見た事がない。
そんな知識量は知識とは言い難い。しかし、私の知る人物は少しばかり違う。
「何かあれば、あたしに連絡してきなさい あたしの知ってる事ならしてやれる」
私の姉なら、猫に魅せられ、今も猫とともに世界を歩んでいる彼女なら。
私が知り得ないミカンさんに憑いた“アレ”についても何か知ってるかもしれない。
これは限りなく私の願望であり、そうであってほしいという私の思いだ。
私の姉はなんでも知っている人間ではない。自分の知っている事だけしか、知らない。
だとしても私には、自分を除けば“怪異”の存在を知る知り合いは彼女しかいなかったから。
『…あぁリリィ、お姉ちゃんになにか用かい?』
幸いにも、姉はライブキャスターが数回コールしてすぐ通話に出てくれた。
「お姉ちゃん ちょっと大変な事が起きてしまって…」
『大変な事?具体的にどんな事があったのかな?』
「その、あの………多分、怪異関係で」
『成程ね、そりゃリリィも私しか頼みの綱はいないよね』
「それでですね、その怪異はミカンさんという方に憑いていまして」
一瞬、通話越しで姉が驚いたように口笛を吹くような音が少しだけ聞こえてくる。
『…つまり、怪異が取り憑いたのはアサギシティのジムリーダーってことかい?』
「はい」
『うっわぁ…………』
今度は精神も一緒に吐き出されてしまいそうなほどの長い長い溜息が聞こえた。
無理もないだろう、一般人ならともかく、ジムリーダーとなれば結構厄介事なのだ。
『…お姉ちゃん妹が五体満足で帰ってくるか心配だよ』
「そんなに心配しないでください、今の所当人以外への被害は直接出ていません」
『間接的には、出てるってことなんだね?』
「はい」
『………で、そのミカンちゃんに憑いてる怪異は?』
「え、っとですね すごく大きいメリープというか、モココというか…」
『巨大なメリープのようなモココのような怪異……ふむ、分かったよ』
「えっ、お姉ちゃん知ってるんですか?」
『あぁソイツだけは偶然ね、それでそこのお二方、こっちに来たらどうかな?』
「ゔっ」
振り向いてみると、先程私が出てきた扉の方から覗き込む人の姿が。
といっても、先程の私の行動を考えれば二人が様子を見に来たのも頷けるが。
逆に二人の前で問題行動を起こした私の方にこそ、非はあるだろう。
「そ、その…ごめんリリィちゃん盗み聞きしたい訳じゃなかったの!」
「えぇっと、そんな頭を下げないでくださいコトネさん」
「うぅ」
「それで、どういう事か説明してくれないかな?君は…“アレ”を知ってるのかい?」
話を聞いていたウツギ博士は私に対して事の詳細を鋭くはないが、聞いてきた。
「…はい、ミカンさんに憑いたアレそのものは知りませんが」
「なに?それはなんなのリリィちゃん」
『それについては、あたしから説明させてもらおうかな』
それまでの会話を画面越しから黙って見ていた、ただ傍観していた彼女はそこで言った。
『あたしはシオン、リリィちゃんの実姉だ 初めまして、と言っとこうかな』
『それで“怪異”について、だったね?先に言っておくが…』
その言葉を言った直後、彼女はあの何かを見据えるようね目で、鋭く深く言い放つ。
『ここから先、君達が知る世界にあるのは大昔に残された遺産だ』
「遺産……?」
『あぁ、“負の遺産”ともとれる奴もいるが、その区分はこの際どうでもいいだろう』
『これは現実的なこととして語れない あたしにも、そこにいるリリィちゃんにもね』
そう、今から彼女達に話す事は文字通り、現実とは違う“裏の世界”なのだ。
本来の世界に対して常に隣同士に釣り合っているモノ。それこそが怪異なのだ。
『だから、今ここで話す事は外に出さない 私達の以外の人には、話さないように』
「………」
『その無言は了承と受け取っていいね、それでは話させてもらおうか』
姉は納得した風だったが、しかし話すのを焦れている様子で最初にまず、こう話を切り出した。
『怪異とは、世界そのものだ』
出所が分からない謎の“物語”というのは、えてしてどの地方にも存在する。
それらは本当に起きた真実であるかもしれないし、ただの空想上の産物かもしれない。
本来なら時間とともに人から忘れられ、なかった事になるはずだったものだ。
しかし、ほんの一部は、歴史の中の藻屑として消えるはずだった物語は。
人に信じられ、生きる支えにしようとされた。
人に面白がられ、史実として遺していこうとされた。
人に恐怖され、未来の命への警告として伝えようとされた。
果たして、そのどれもが全てこの現代に存在するのか。はたまた忘れ去られたか。
分からない。今を生きる私には、消えた物語など知る由もない。
だが、これはそれによって生まれた物語なのだ。
消えた物語に生きた命が、現代に蘇ろうとしているのだ。
まるで、自分はここにいて、ここに物語は続いている、とでも言いたげに。
『要は、怪異というのは何千年も昔、先人が作り上げた物語の中の生物』
『もしくは、その生物のモデルになった生き物、という事さ』
それらを語り尽くした姉は、ばっさりと単純に怪異を一言で言い表した。
ただそれは、彼女が知っている範囲内の怪異の話であり一様にそうとは言えないが。
「だ、だとしたらさっきの世界っていうのは言い過ぎじゃ……」
『コトネちゃんはシンオウ神話というものをご存知かな?』
「しんおうしんわ?」
「あぁ、それなら僕が知ってるよ シンオウ地方に伝わる伝説でね」
「それがどうかしたんですか?」
『あの伝説も、人によって語り継がれ今に残されている これも物語だ』
『物語は人によって語り継がれ、それを聞いた誰かが世界に広めていく』
つまりはそういう事さ、と彼女は言った。
『この世界に広がっている神話や伝承、或いは噂話や都市伝説』
『それらは全て、元々は大昔に存在したとされる“怪異”を表したもの』
『しかし時が進むにつれ、その怪異が今でいう伝説のポケモンに置き換えられた』
『あたしは、そう考えるね』
物語は語り継がれていくうちに、尾ひれがついて話が変わっていくものだ。
シンオウの伝説ポケモンが使う時間や空間を操る能力は後から付け足されたもの。
実際の、最初の話はもっとシンプルに、簡易的に怪異を示していた。
というのが私の姉、怪異憑きの女性シオンの持論である。
『そして、この伝説の元となったかしれない怪異は実は我々の密接な所にいる』
「だけどなんで、今まで誰もそれに気付かなかったんですか?」
『簡単だよ、どうやっても見えないし触れない生き物なんていてもいなくても同じだ』
『そこに在る事と、そこに無い事が、まったく同じなんだよ』
「じゃあ、どうして僕達は急にその怪異が見えるようになったんだい?」
『さぁ、直前までミカンちゃんといたせいか、先天的な才能が怪異に遭遇して花開いたか』
『いずれにしろ、君達は怪異を偶然にも見られるようになった訳だ」
「じゃあ、教えてください ミカンちゃんに憑いている怪異は一体なんなんですか?」
「彼女に憑いている怪異、それは羊だ」
「ひつじ?」
「そう、彼女に憑いている怪異は“夢限抱羊”という」
今日の更新はここまでです。
書いてたらこんな長々となってしまいました。これが作者クオリティ。
それではまた次回。
乙
みかんシープの開幕か、更新楽しみにしてる
“夢限抱羊”って夢幻泡影と無限抱擁と羊からできてる?
お待たせしてしまい申し訳ありません、続きを書いていきたいと思います。
ただ一つ注意しておきますと、怪異の設定は作者の妄想がフルスロットルで発動してます。
原典とは大幅に変わってたり、影も形も無かったりしてます。
気分を害される方が出る可能性もありますので、ご注意ください。
また、未熟な作者の事ですので矛盾や説明不足な点があるかと思われます。
そのような点を見つけられましたら“あっまたやってるなこの作者”程度にご指摘ください。
今後もこのようなクオリティが続くと思われますので何卒。
―003―
夢限抱羊。
夢の中限りの抱擁を与える羊、と書いて夢限抱羊。
コトネさんとウツギ博士は“羊”という動物の事をまったく理解していない。
けれど、私は一度、幼少の頃に姉と共に母親から一度その名を聞いた事がある。
なんでも羊は大昔のイッシュやカロスに位置する地域で安眠の象徴とされていた。
その名前を唱えていると徐々に眠気が出て、最終的に眠りにつく、というもの。
もっとも、その時の私は羊が全長数十メートルの巨大な動物とは思わなかったが。
「むげん……ほうよう?」
『そう、夢限抱羊 憑いた人間に終わる事のない夢を見せ続ける怪異だ』
『少しおとぎ話をしようか、ジョウトに伝わる物語でメリープに関するこんな話がある』
そうだ、確か母も羊のことと共にそのような物語を聞かせてくれた。
『むかしむかし、ある所に一匹のメリープがいた』
『そのメリープの元には罪を犯したと嘆くポケモンが訪れた』
『一体、その発端はなんだったのかは分からないが、その数は星の数ほどもいた』
『何気ない、諍いや争いを起こしたというポケモンがいた』
『また、誰かを死なせてしまいその罪に苦しみ続けるポケモンもいた』
『メリープはその全てを赦した、あなたの罪は赦されると』
『しかしある時、そのメリープは彼の考えを気に入らない者により死ぬ事になった』
『死ぬ直前、メリープは自分を信じ続けたポケモン達に言った』
『“私はただ無意味に死ぬのではない、罪の為の完全な生贄として死ぬのだ”』
『その後メリープは殺されたが、彼は死んだ三日後蘇り何処かへ消えた』
『………という部分で話は終わっている』
おとぎ話とは、どんなものでも残酷な何かが含まれた話が多い。
この話も例外ではない。そして、この話は多くの謎を残して話が結末を迎える。
なぜメリープは死後蘇ったのか。蘇ったメリープはどこへ消えたのか。
母親は当時、彼は人間の罪に対する贖いの為に世界を歩き始めたと言っていた。
だが、別の見方も考えられる。
その一つが、姉が唱えたい今回の事件の鍵ではないだろうか。
『この話は大昔存在した羊を象徴する何かの物語が、時の流れで少し変わったものだ』
「つまり、その話で出てくるメリープは羊のことである、と?」
『えぇ、まさしくその通り』
「だけどその話とさっきの終わる事のない夢を見せ続ける怪異がどう繋がるんですか?」
『まぁまぁそう急かさないの、これからちゃんと説明するから』
もしこのおとぎ話が夢限抱羊と関係あるなら、どういう事なのか。
ミカンさんに憑き、ミカンさんと眠り続けるあの羊は、一体なんなのか。
『夢限抱羊を一言で表すならば“神の子羊”といったところか』
「神?」
『そう、先程の話でメリープは蘇ったと言ったが、これには諸説ある』
『あるいは人として蘇った、あるいは神として蘇った……とかね』
「生贄として死んだことで神様になったって事?」
『はてさて、それはどうだろうか 話自体、本来の物語と変わってるだろうからね』
それに、神として蘇ったなんて一部の者からすれば反論しない訳にいかない話だ。
どんな過程で神になったにしろ、そう簡単にポケモンが神になってたまるか、という事。
『ただここでメリープが何として蘇ったかは問題じゃない、問題は彼の存在意義だ』
「存在意義?」
『なんのために、彼は蘇ったか そして、何をするために彼は消えたのか』
『答えは救済、彼は自分が死ぬ前と同じように誰かの罪を赦すために消えた』
「それは一体誰なんですか?」
『さてね、完全にその誰というのが記されてない以上、考えるしかないのだが』
『そしてここで君達に一つ断っておくと、この物語は重要な部分を書いていない』
「重要な部分、というのは?」
『さて、なんだろうね』
「………メリープはどんな方法でポケモン達の罪を赦したのか」
『その通り、流石私の妹 さすリリだね!』
「なんですかその造語は とにかく説明してください」
『はいはいと、要するに“彼はどのような方法をもってして罪を赦したのか”』
『私はこう考えるね、“彼は罪人とともにその罪の償いをし続けた”とね』
「それは、一体どういう意味で」
『これらはあくまで私の推測であり、考察だ けどこう思うんだよ』
『メリープはポケモン達を“導いた”のではなく、彼等に“ついて行った”』
「ついていった?」
先頭に立ち先導していくのではなく、隣に立ち共に歩んでいく。
比べてみれば全く違う行動であり、周りから見た際の印象も変わるだろう。
『メリープは罪人に寄り添い、その罪を共に向き合う…ここまで言えば分かるかな?』
「要は、メリープの元となった羊もそうじゃないかって事ですか?」
『そゆこと』
「羊はなんでも昔は眠りの象徴だったらしいですし、ミカンさんが眠っているのは」
「それが理由、ってこと?」
「多分、ですが」
「でもそれでいくと、ミカンちゃんは何か罪を犯したの?」
『人は誰だって罪は犯すよ、それが大きい罪か小さい罪か それだけさ』
「だとしても……」
『まぁコトネちゃんの言わんとしてる事は理解できるよ、だけどこういう見方もできる』
『彼女もまた、誰かの罪に寄り添い、誰かの罪を償い続けているとしたら?』
「……え?」
『つまり、彼女自身が罪を犯した訳ではない 罪を犯したのは別の誰か』
『その罪が大きな罪か小さな罪かは今の時点では置いておくが、その可能性が高い』
同情、もしくは共感。不遇な境遇な人間に対して、誰でも一瞬は抱くであろう情。
それは相手にたとえ非があったとしても、場合によってはそう思われる。
ミカンさんは、本来“夢限抱羊が憑いていた者”に何かしらの情を持った。
結果、怪異は憑いていた人間から彼女へ移った。単純に言うなら、乗り換えた。
そして、彼女はその自分へ乗り換えた怪異に憑かれ、今も昏々と眠り続けている。
これが罪の償いというのだろうか。彼女でないにしろ、罪人の罪の償いなのだろうか。
『だが、問題は本来怪異が憑いていた人間だね もしかしたら人間でない可能性もあるが』
「えっ?でも、今怪異が憑いているのはミカンちゃんで……」
『だからこそ厄介なんだよ、今回の場合彼女をどうこうしても彼女は目覚めない』
「それは、どういう意味だい…?」
『怪異が憑いた理由は“その人物が罪の意識に苛まれていたから、罪悪感を持つから”』
『しかし、今は“その人物に同情し自分に罪悪感を持ってしまった人に憑いている”』
『これを解決する為には、元々憑かれていた者に自分の罪を吐露してもらうしかない』
同情する者にはごく稀に、自分に罪悪感を抱いてしまう場合がある。
彼をどうする事もできなかったのか。もっと他に何か出来たんじゃないのか。
自分には、それを察知して、防止して、何事もなく終わらせる事ができたのではないか。
といってもこれはその人物が持つ独りよがりな考えだけに、当事者は与り知らない。
自分をどうする事もできなかった、などと後悔している人がいるなど知る由もないのだ。
だからこそ、その人には自分が犯した罪を吐きだし、謝ってもらうしかない。
自分がこんなことをしたのは君のせいじゃない、だからそう後悔しないでくれ、と。
『それで、コトネちゃん達は心当たりあるかい?彼女が同情しそうな子』
「えぇ…そんな事突然言われても、いなかった………と思います」
「彼女の周りで最近何か大きな事件があったなんて聞いてないからね」
罪、というのはその者が過ちと思っている自分の行動にして、過去である。
その者が犯した罪の全てが罪足り得るとは言い難い。実際、彼女がそうなのだ。
自分は何も気付けずに、何もできなかったという罪を感じたミカンさんが、その例だ。
何もできなくて事態が悪化したのと、何もしなくて事態が悪化したのとでは違う。
では、彼女は何にそこまでの罪の意識を感じたのだろうか。一体誰、に。
「…………あ」
「リリィちゃん?今度はどうしたの?」
何もしなかった。否、本来自分がするべき事をしなかった。放棄した。
それをした人物が、いやそれをした者が、いた。
過去の自分の種族が、その怪異と同一視されるように描かれたのも含むだろう。
けれど、これは間違いかもしれない。実際にあの子は病気だったのかもしれない。
だが私の考えが合ってるなら、彼女はそうかもしれないと薄々気付いていたのだろうか。
そして、そうさせてしまったのはそれに気付けなかった自分のせいだと思ったのか。
彼女達の間にどんな思いが錯綜していたのか、私は知らない。知る権利がない。
だからこそ、なにも知らない私が今も頂上にいるであろう彼女に伝えに行くのだ。
「…ちょっと、行きましょう」
「え、行くってどこに?」
「あそこです」
そうして指差した建物の階段を駆け上がり、梯子を上り、頂上へ着き。
私達が来るのを予見し、あるいは待っていたかのような彼女に、私は切りだす。
「私達と一緒に、来てもらえますか」
「………パル」
分かってしまえばなんてことない話だった。くだらないと思う人もいるだろう。
けれど、現実ではそうなのだ。ミカンさんはそのせいで眠っているのだ。
ミカンさんが同情したのは、罪の意識を抱いたのは、デンリュウ。
彼女が“アカリちゃん”と呼んでいた、灯台にいるポケモン。
本来なら、毎日欠かさず海に光を与えているはずだったポケモン。
始まりは小さな事だった。ポケモンもここまで話が大きくなるとは考えなかったはずだ。
けれど、これは起こるべくして起こった話だ。物語だ。
だからこそ、このポケモンなしでこの物語を語る事はできないのだ。
儚く、壊れやすく、けれど終わらない幻を見たこのポケモンがいなくては。
自分の役を捨てて眠りたかったアカリちゃんなしで、ミカンさんの物語は語れない。
―004―
「少し、いいかい?」
『なにかな?』
アカリちゃんの所へ行き、またミカンさんの家に戻ると私達三人は家から追い出された。
現在、家にはミカンさんとアカリちゃん、そして件の怪異しか入っていない。
だが家に入る際のアカリちゃんは、何かを決意したように、真っ直ぐな目だった。
私達三人の席を外させる程だ、きっと他にも思う所があったのだろう。
しかし、アカリちゃんもアカリちゃんで重役とはいえ自分の仕事を、
ただの仮病で少しばかり怠けた程度で、随分と重い罪悪感を抱いていたようで。
責任感が強いというか、周りの事を別の意味で考えていないというか。
「アカリちゃんは“灯台の光の役割を自分が怠けた事”を罪と思ったんだろ?」
『あぁ、リリィの仮説が正しいとしたらそうだろうね』
「じゃあ、罪の償いが“眠り続ける事”っていうのはおかしくないかな?」
『ふむ、言いたい事は分かるよ』
アカリちゃんは自分は怠けない方がよかったと感じた。
なのになぜ、彼女に憑いた怪異は余計に彼女を怠けさせるような真似をするのか。
怪異の本質が眠りという事もあるのだろうが、そうだとしてもだ。
『それは、アカリちゃんが眠る事で起きる結果を見せてさらに反省させる為だ』
「と、いうと?」
『もし、仮にミカンちゃんではなくアカリちゃんが眠り続けたとしよう』
『そうすると、周りにはどのような事が起きる?』
「え、そりゃあ灯台の光がなくなるから………あっ」
『そう、怪異はその自分がいなくなるとどうなるのかという事を見せようとした』
『彼女がいなくなることで、どれだけの人が困り果てるのかを表そうとしたんだよ』
灯台の光、つまりそれは真夜中に大海原を進む船乗り達の道標になる。
その存在であるアカリちゃんがいなくなった場合、起きる事とはなにか。
海に明かりが灯る事はなく、船は目的地も分からず波に流されてゆく事になる。
そしてきっと、眠り続けるアカリちゃんを、ミカンさんは心配することだろう。
ジムリーダーの仕事よりも、アカリちゃんの事を優先してしまうほどに。
『自分がした事を続けた場合、一体どうなるのかを伝えようとした』
『それが怪異のした役割であり、今のミカンちゃんに起こっている現象だよ』
「…だとすると、ミカンちゃんには今の僕達が見えてるって事になるのかい?」
『あるいはね、彼女に憑く際に怪異が少し形を変えたのなら話は別だね』
私達が心配している事も、アカリちゃんがどのような面持ちで灯台にいたのかも。
そして、もしかしたら、自分の身に起こっている怪異という存在の事も。
ミカンさんは知っているのかもしれない。知ってしまっているのかもしれない。
そんな事を私達が考えている時だった。
家の中で、誰かが走ってくるような、少し軽めの足音が響いた。
「…っ、ミカンちゃん!」
「わわっ」
玄関の扉が開き、中から姿を見せた彼女へとコトネさんは華麗にダイブした。
予想外の行動でその場で硬直するミカンさんへ飛んでいく。
「うわああんミカンちゃーん!心配したよー!!」
「あっ、その、すいません、何かおかしなことに巻き込んでしまい…」
「そんな事はどうだっていい 体、悪いところとかないかな?」
「は、はい 特に変わりはない、と思います」
「そうか…良かった」
被っていた帽子が私の方へと吹き飛んでくる勢いでミカンさんを心配するコトネさん。
まだ着替えておらず寝間着姿のミカンさんの後ろからアカリちゃんも出てきた。
その手には遺伝子のような模様が入った見た事もない輝きをする石がある。
「あの、アカリちゃんが持ってるそれって……」
「…これですよね、えっと、なんて言えばいいのかな……あの子が落としていったんです」
「落としていった?」
あの子、というのは恐らく怪異のことだろう。
しかしどうして、あの怪異がこのような石を落としていったのか。
それに、ミカンさんが落としていったと言う前に少し言いよどんだのも気になる。
「家の中で何があったんですか?」
「………あまり詳しく言わない点もありますけどいいですか?」
「それは、私が知りたい点をはっきり言ってくれましたら」
「えぇ、それじゃあ簡潔に説明しますね」
「分かりました」
ミカンさんはアカリちゃんから持っていた石を受け取ると私に渡してくれた。
「これ、多分あれだと思うんです ……メガストーン」
「め、メガストーンだって!?」
「メガストーンってなんですか?博士」
「えっとね、メガストーンっていうのは…」
ウツギ博士がコトネちゃんに説明を始めたが、私は姉から聞いた事がある。
メガストーン、ポケモンが更なる進化を遂げるメガシンカに必要な貴重な石。
これの他にトレーナーが使うキーストーンなる物も必要だとか。
「これは、アカリちゃんが怪異から受け取った物らしいんですけど」
「パル、パルパル」
「クチ?」
ポケモン同士はポケモン同士で何やら話を始めている。
彼等も彼等で、何か話しておきたい事がきっとあるのだろう。
「これが一体、なんでアカリちゃんに渡されたのかは分かりません」
「けれど、あたしが起きた後すぐに怪異はいなくなってしまって………」
「いなくなった後、その子がいた場所にこれが落ちてたんです」
果たして、このメガストーンが示す意味はなんなのか。
私と姉に憑いた怪異どちらとも、まだ消えていないので今回のケースは初だ。
やはり人生の先輩に聞くべきか、と姉に訊いてみたところ。
『多分、ある種の催促というか、注意なんじゃないかな』
「注意ですか?」
『うん メガシンカするイコール力が強くなるってことだからね』
『もしかしたら、怠けずにちゃんと頑張りなさいって言ってるのかもしれない』
「パルウ」
「そんな顔しないでアカリちゃん、大丈夫です私も頑張りますから」
「パルゥ!」
二人、いや一人と一体。羊と眠り続けた少女と羊に憑かれたポケモン。
彼女達の顔は昨日、アサギの灯台で出会った時よりも、明るくなっている気がする。
私達が外にいる時二人の間で何があったのかは結局知らず仕舞いだが。
きっと、良い方向へいってくれた。そう思っておく事にしよう。
「まぁ、メガストーンはトレーナーがキーストーンを持っていないと意味ないけど」
『だからこそ、今回は注意喚起で済んだ そういう事じゃないかい?』
「そうであってほしいものです」
そう言ってお互い笑い合う彼女達は、とても綺麗に見える。
夢とは、目覚めればすぐ忘れてしまいそうな程に壊れやすいものである。
だから夢から覚めたくないと思う人が大勢いるのだろう。
夢の中でなら、在りもしない仮初の幸福を、感じる事ができるから。
けれど人は、夢から覚めなければいけない。幻想を手放さなければいけない。
現実と向き合い、自分を思い出し、そして世界を知っていく。
だが少なくとも彼女達なら、きっと大丈夫だ。大丈夫なはずだ。
根拠はないかもしれない。けれど、確かな確信は私にはあったから。
―005―
後日談、というか今回のオチ。
怪異に憑かれていた時間にして、12時間程眠っていたミカンさんの回復は速かった。
エナジードレインでもされてないかと思った私の心配は杞憂に終わる。
それよりも逆に、休息を取れていなかったミカンさんには良い休みとなったようで、
身だしなみや食事などをしてすぐ、ジムの方へと顔を出しに行った。
コンディションは最高、という事で早速コトネさんはジム戦へ挑戦して行った。
そして、その結果なのだが。
「……か、ったー!!」
「コトネさん、お見事でした…」
コトネさんの勝利となった。
最初から最後まで、一進一退の攻防が続き、最終的に勝利はコトネさんが勝ち取った。
「受け取ってください アサギジムのバッジ、スチールバッジです」
「うん!ミカンちゃん、バトルすっごく楽しかった!ありがとう」
「いえいえ、あたしも久しぶりにここまで全力を出して戦った気がします」
負けた彼女が見せた表情には悔しさなどなく、とても清々しそうな表情だった。
もしかしたら、怪異は彼女の罪悪感と一緒に疲労まで持っていったかもしれない。
そして、それから三日後の事。
「えええ!?もうリリィちゃん行っちゃうの?」
「はい、私は私で、色々な所を周ってみたいと思いますし」
「うぅう…このまま一緒に旅できたりしないかなぁって思ったのに」
「あはは、それは少し言い過ぎじゃないかなコトネちゃん」
「それでリリィさんは今度はどこへ行かれるんですか?」
「さぁ、分かりません 別の地方に、なんて事もあるかもしれません」
「そうですか…でしたら、これを」
ミカンさんから渡されたのは、一枚の船のチケットだった。
「これは?」
「ここから少し離れた“ホウエン地方”へ行ける船のチケットです」
「えっ、ででもなんでミカンさんがこれを…」
「実は前までアサギに住んでた私の知り合いが最近ホウエンへ引っ越して」
「是非来てほしいと先日ホウエン行きのチケットを貰ったんですが二枚あって」
「あたしは一緒に行く知り合いがいなくて、なのでリリィさんに」
「いいんですか?」
「はい、チケットはもう一枚あるので気にしなくていいですよ」
そう言われて、私はもう一度受け取ったチケットを見る。
そこには確かに【タイドリップ号 ミナモシティ行き】と書かれていた。
「もし、ホウエンに行く事になったら是非使ってください」
「ありがとうございます、ところでその知り合いというのは?」
「今は同業者なんです、私の名前を言えばすぐ気付いてくれると思います」
どうやら、ホウエンにいるという知り合いもジムリーダーとのこと。
是非とも会ってみたいと思う反面、また厄介事にでもならないかが心配である。
「分かりました、もし出会ったらミカンさんの事を話しておきます」
「はい、あっ怪異の事は……」
「大丈夫です、知る人でない限り話したりしませんから」
「クチクチ!」
「ですよね、ふふっ」
「パルゥ!」
「…それじゃあ皆さん、短い間でしたが色々ご迷惑おかけしました」
「そんな改まんないでよ!また会おうねリリィちゃん!」
「怪異の事を僕なりに調べてみる、進展があったら連絡しよう」
「はい」
「リリィさん、今回はありがとうございました なんとお礼したらいいか…」
「気にしないで下さい、それではまた」
アサギシティから出る道路で三人とポケモン達に見送られて私は街を出た。
「………怪異、か」
今回のジョウトの事件を鑑みると、他の地方でも怪異が活発化してるかもしれない。
あくまで今回が特殊なだけという可能性が無きにしも非ずだが、見過ごせない。
それに。
「…君の事も、どうにかしなくちゃいけないからね」
アローラからちゃっかり私の所へついて来てしまった蝸牛。
彼、もしくは彼女は本来アローラの地縛霊。成仏する方法を探したいものだが。
そんな考えを巡らせる私だが、今もその人物の姿は見えないままだ。
「とりあえず、どこか向かいますか」
私は次なる目的地を考えながら、太陽が照る道路を呑気に歩いていく。
これにて「冴物語」~みかんシープ~完結です。(完全後付タイトル)
一週間も待たせておいてこのクオリティ&文字数。大変申し訳ありません。
今回は意外と平和的に終わりましたがいつかは殺伐バトル展開を書きたい所存です。
ではまた行動安価したいと思います。
ちなみに今更ながらリリィのフットワークについて説明させていただきます。
リリィは基本的に故郷のアローラ以外の地方へ行くには少し時間を要します。
(話数的に言いますと大体三~五人分くらい)
その為、それくらいの怪異と遭遇しないと他の地方へ行けません。
アローラだけは行動安価の際にいつでも帰る事が可能です。
また、一度行った地方なら次の行動安価でいつでも行けるようになります。
さらに例外としてアサギシティ設定を使用してホウエンへ行けるようになりました。
(ちなみにメインはORAS時空ですが、RSE時空も幕間で登場するかもしれません)
なのでリリィちゃんはジョウト、ホウエン、アローラが現在行ける地方です。
他の地方にはジョウトであと二、三人ほど怪異解決しないと行けません。
(他の地方ローテーションした場合は五人解決した所で安価できるようにします)
これらの事を頭において安価して頂けると幸いです。
↓1 ジョウト編次のキーマンorアローラかホウエンへ行くの中から決めてください
↓3 ジョウト編続行の場合、怪異のモデルを決めてください
(ジョウトから出る場合は作者が続きを書くため安価無効です)
安価ありがとうございます、次回も頑張っていこうと思います。
それではまた。
このSSまとめへのコメント
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